JP2018171256A - 内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法 - Google Patents

内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】先端部に撮像ユニットやライトガイドを取り付ける際に撮像ユニットが破損したりライトガイドが断線したりすることを防止できる内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法を提供する。【解決手段】先端部7は、光学系収納部42に連通されたケーブル挿通路45,47と起立台収容部22に連通された処置具挿通路14とが形成された本体ブロック30Aと、本体ブロック30Aに着脱可能に装着され、本体ブロック30Aに対して先端部7の軸芯方向にスライド自在な移動ブロック30Bと、を有し、移動ブロック30Bは、先端部7の外殻面の一部を構成し、起立台収納部22側が解放された枠体であって、枠体の上面に撮像ユニット16の鏡筒25とライトガイド43の口金43Aとをそれぞれ取り付ける取付孔53,54が形成されている。【選択図】図6

Description

本発明は、内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法に係り、特に挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と処置具起立台を収容する起立台収容部とが隣接配置された内視鏡に光学系を取り付ける技術に関する。
内視鏡では、操作部に設けられた処置具挿入口に各種の処置具を挿入し、先端部の上面側に開口した処置具導出口から導出して処置及び検査に用いる。例えば十二指腸内視鏡ではカテーテル等があり、超音波内視鏡では穿刺針等である。その他にも鉗子及びスネア等の処置具が用いられる。このような処置具は、被検体内の所望の位置を処置及び検査するため先端部における導出方向を変える必要があり、このため先端部に形成された起立台収容部に処置具及びガイドワイヤを起立させるための処置具起立台が設けられている。
十二指腸内視鏡のような内視鏡では、挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と処置具起立台を収容する起立台収容部とが先端部の軸芯方向に直交する位置に隣接して配置されている。
内視鏡の先端部に側視型の光学系を取り付けるには、一般的に、先端部の側方に形成された取り付け用の開口部から撮像ユニットの信号ケーブルと照明用のライトガイドとの基端側をケーブル挿通路に挿入しておき、光学系収納部の上面(先端部の上面)に形成された2個の取付孔に、撮像ユニットの鏡筒及びライトガイドの口金をそれぞれ取り付ける。
しかし、内視鏡の先端部自体が元々小さく(太さは例えば5mm〜10mm)、その内部に設けられる光学系収納部のスペースも小さい。
さらには、上述のように、側視型の光学系を収納する光学系収納部と処置具起立台を収容する起立台収容部とが隣接して配置されており、光学系収納部のスペースはますます小さくなる。このように小さなスペースしかない光学系収納部を介して撮像ユニット及びライトガイドを取付孔に取り付ける作業は困難性をともなう。
更に、信号ケーブルは複合多芯ケーブルで構成され、内視鏡の挿入部の全長にわたって挿通されている。このため、挿入部の湾曲のたびに信号ケーブルが強く押し引きされ、撮像ユニットの構成要素である基板との接続部から信号ケーブルが剥離及び断線する場合がある。
この剥離及び断線の防止対策として、信号ケーブルの基板近傍のケーブル部分は接着剤又は封止剤等の固着剤で固められており固着部分の可撓性が小さくなるため、撮像ユニットの鏡筒を取付孔に取り付ける際に信号ケーブルを取り回すことが難しい。
特に、側視型の光学系では、先端部の側方後側に観察視野を有するため、取付孔に対して撮像ユニットの鏡筒及びライトガイドの口金を従来の垂直方向の差し込みから斜め後方に傾けて差し込まなくてはならない。このため、撮像ユニットを光学系収納部の適切な位置にポジショニングする必要があるが、固着部分の可撓性が小さいと適切なポジショニングが難しくなる。
ところで、特許文献1には、先端硬質部に複数本の電気ケーブルが接続されたアレイ状の超音波振動子及び観察光学系がそれぞれ装着された超音波式内視鏡において、先端硬質部における超音波振動子を保持する第1の保持体と、観察光学系を保持する第2の保持体とをそれぞれ分割可能に連結したことが開示されている。これにより、内視鏡の湾曲動作によって、観察光学系のライトガイド及びイメージガイド等の光学繊維束が破損した場合でも、光学繊維束と一体的に固定されている高価な超音波振動子を交換しないで、光学繊維束のみを交換できるので、修理時のコスト低下を図ることができるとされている。
特開昭62−275438号公報
特許文献1のように、内視鏡の先端部を、超音波振動子を保持する第1の保持体と観察光学系を保持する第2の保持体との2つの部材に分割可能にすることで、光学繊維束のみを交換できるかもしれない。しかしながら、先端部を分割可能にしても光学系を取付孔に取り付ける際の撮像ユニット本体の破損及びライトガイドの断線等を防止することは難しい。
特に、信号ケーブルの基板近傍のケーブル部分が接着剤又は封止剤等の固着剤で固められて固着部分の可撓性が小さい場合には、光学系を取付孔に取り付ける際の撮像ユニット本体の破損及びライトガイドの断線等を防止することは一層難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、先端部に撮像ユニット及びライトガイドを取り付ける際に撮像ユニットが破損したりライトガイドが断線したりすることを防止することができる内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法を提供することを目的とする。
本発明の内視鏡は目的を達成するために、挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と先端部の処置具導出開口部側に起立する処置具起立台を収容する起立台収容部とが先端部の軸芯方向に直交する位置に隣接して配設され、光学系は撮像ユニットとライトガイドを含む内視鏡において、先端部は、光学系収納部に連通されたケーブル挿通路と起立台収容部に連通された処置具挿通路とが形成された本体ブロックと、本体ブロックに着脱可能に装着され、本体ブロックに対して先端部の軸芯方向にスライド自在な移動ブロックと、を有し、移動ブロックは先端部の外殻面の一部を構成する枠体を有し、枠体は起立台収容部側の側面が開放され、且つ枠体の処置具導出開口部側の面である移動ブロック側上面には撮像ユニットの鏡筒とライトガイドの口金とをそれぞれ取り付ける取付孔が形成されている。
本発明の内視鏡によれば、撮像ユニットの鏡筒及びライトガイドの口金を取付孔に取り付ける際に、信号ケーブル及びライトガイドを取り回し易くなる。したがって、撮像ユニット及びライトガイドに無理な力が及ばないので、撮像ユニットが破損したりライトガイドが断線したりする等の問題を防止することができる。
本発明の別態様において、本体ブロックは、光学系収納部と起立台収容部とを仕切る隔壁と、隔壁に連設されて光学系収納部の移動ブロック側上面に対向する底面を形成し、先端部の軸芯方向に直交する方向の断面形状がU字状の底面部と、を有する。
本発明の別態様において、移動ブロックと本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに第1のガイド部が形成され、他方のブロックに第1のガイド部に係合して本体ブロックに対して移動ブロックをスライド可能とする第1の係合部が形成されている。
第1のガイド部又は第1の係合部は、本体ブロックの底面部における隔壁とは反対側の端部に形成される態様をとることができる。
本発明の別態様において、移動ブロックと本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに第2のガイド部が形成され、他方のブロックに第2のガイド部に係合して本体ブロックに対して移動ブロックをスライド可能とする第2の係合部が形成されている態様をとることができる。
第2のガイド部と第2の係合部とのうち、何れか一方は本体ブロックの隔壁における処置具導出開口部側の位置である隔壁上部に形成され、他方は移動ブロックの隔壁上部に対向する位置に形成されている態様をとることができる。
本発明の別態様において、移動ブロックと本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに係合突起が形成され、他方のブロックに係合突起に嵌合する係合孔が形成される態様をとることができる。
本発明の別態様において、移動ブロックと本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックにネジが設けられ、他方のブロックにネジに螺合するネジ穴が形成される態様をとることができる。
本発明の別態様において、移動ブロックを本体ブロックに装着したときに移動ブロックと本体ブロックとが接面する接面部分にはシール剤がコーティングされている態様をとることができる。
本発明の別態様において、撮像ユニットの鏡筒を取り付ける取付孔には観察窓を有し、本体ブロックの処置具導出開口部側の面である本体ブロック側上面には、観察窓を洗浄する送気送水ノズルが設けられ、移動ブロックを本体ブロックに装着したときに移動ブロックの移動ブロック側上面と本体ブロックの本体ブロック側上面とが接する接触ライン近傍に送気送水ノズルの先端面が位置する態様をとることができる。
本発明の別態様において、先端部は、先端部本体と、先端部本体に着脱自在なキャップと、を有し、先端部本体が本体ブロックと移動ブロックとで構成される態様をとることができる。
本発明の内視鏡における光学系の取り付け方法は目的を達成するために、挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と先端部の処置具導出開口部側に起立する処置具起立台を収容する起立台収容部とが先端部の軸芯方向に直交する位置に隣接して配設され、光学系は撮像ユニットとライトガイドを含み、先端部は、光学系収納部に連通されたケーブル挿通路と起立台収容部に連通された処置具挿通路とが形成された本体ブロックと、本体ブロックに着脱可能に装着され、本体ブロックに対して先端部の軸芯方向にスライド自在な移動ブロックと、を有する内視鏡を用いて、先端部に撮像ユニット及びライトガイドを取り付ける光学系の取り付け方法であって、移動ブロックを本体ブロックから離間する方向にスライドさせて移動ブロックの起立台収容部側を外部に露出させる露出工程と、撮像ユニットの鏡筒とライトガイドの口金とをスライド後の移動ブロックの先端近傍に位置させた状態で撮像ユニットの信号ケーブルとライトガイドとを露出した部分から本体ブロックのケーブル挿通路に挿入する挿入工程と、移動ブロックに形成されたそれぞれの取付孔に、撮像ユニットの鏡筒とライトガイドの口金とを取り付ける取り付け工程と、移動ブロックを本体ブロックに装着する方向にスライドさせて信号ケーブルとライトガイドとをケーブル挿通路に押し込みながら移動ブロックの起立台収容部側を密閉して撮像ユニットとライトガイドを光学系収納部に収納する収納工程と、移動ブロックと本体ブロックとを固定する固定工程と、を有する。
本発明の内視鏡における光学系の取り付け方法を行えば、先端部に撮像ユニット及びライトガイドを取り付ける際に撮像ユニットが破損したりライトガイドが断線したりすることを防止することができる。
本発明の内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法によれば、先端部に撮像ユニット及びライトガイドを取り付ける際に撮像ユニットが破損したりライトガイドが断線したりすることを防止することができる。
処置具起立台を備えた内視鏡及び周辺機器の全体構成図 側視型の撮像ユニットの一例を示す斜視図 側視型の内視鏡の先端部を拡大して示した斜視図 キャップを外した先端部を斜め上方から見た斜視図 先端部の分解斜視図 光学系を取り付ける前の移動ブロックを本体ブロックから取り外した斜視図 移動ブロックを説明する斜視図 先端部に光学系を取り付けるステップフロー図 ステップフローにおける挿入工程の斜視図 挿入工程を移動ブロックの起立台収容部側から見た斜視図 取り付け工程を移動ブロックの起立台収容部側から見た斜視図 本発明の内視鏡と対比する対比例の内視鏡の先端部を説明する説明図 対比例の内視鏡の先端部に光学系を取り付けている模式図
以下、添付図面にしたがって本発明の内視鏡及び内視鏡における光学系の取り付け方法の好ましい実施の形態について説明する。
本発明は以下の好ましい実施の形態により説明される。本発明の範囲を逸脱することなく、多くの手法により変更を行うことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。したがって、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
ここで、図中、同一の記号で示される部分は、同様の機能を有する同様の要素である。また、本明細書中で、数値範囲を“ 〜 ”を用いて表す場合は、“ 〜 ”で示される上限、下限の数値も数値範囲に含むものとする。
[内視鏡]
図1は本実施形態に係る内視鏡及び周辺機器の全体構成図である。
図1に示すように、内視鏡1は、主として、患者(被検体)の体内に挿入される挿入部2と、挿入部2の基端に連設され、内視鏡1の把持及び挿入部2の操作等に用いられる操作部3と、で構成される。
そして、内視鏡1は、ユニバーサルコード4を介して周辺機器であるプロセッサ装置15及び光源装置19に接続され、プロセッサ装置15とモニタ装置17とが接続される。
プロセッサ装置15は、ユニバーサルコード4内に挿通されたケーブルを介して内視鏡1に給電を行い、先端部7に設けられた撮像ユニット16(図2参照)の駆動を制御するとともに、撮像ユニット16の信号ケーブル21(図2参照)を介して伝送された撮像信号を受信し、受信した撮像信号に各種信号処理を施して画像データに変換する。プロセッサ装置15で変換された画像データは、プロセッサ装置15にケーブル接続されたモニタ装置17のモニタ画面17Aに観察画像(内視鏡画像)として表示される。
光源装置19は、ユニバーサルコード4及び内視鏡1内に挿通されたライトガイド43(図9参照)を介して、撮像ユニット16で撮像する際の照明光を先端部7に供給する。
図2は、側視型の撮像ユニット16の一例であり、鏡筒25とプリズム(図示せず)と固体撮像素子27と基板28と補強枠32と封止剤33(例えば、エポキシ系樹脂)と信号ケーブル21とケーブル固定部35と保護チューブ37等で構成される。固体撮像素子27としては、例えばCCD(charge-coupled-devices)又はCMOS(complementary metal-oxide-semiconductor)等が使用される。
信号ケーブル21としては、多芯ケーブルが使用され、複数の素線39とこれらを束ねたシールド線(図示せず)と、これを覆う外皮41とで構成され、複数の素線39とシールド線は基板28にハンダ付けされる。複数の素線39とシールド線は補強枠32で囲まれ、補強枠32の基板28側の細くなった絞り部と信号ケーブル21とが束糸(図示せず)で巻回された後、接着剤で固着されて信号ケーブル21と補強枠32が一体化した糸巻部が形成される。更に、補強枠32内には封止剤33が充填される。これにより、挿入部2の湾曲のたびに信号ケーブル21が強く押し引きされても、信号ケーブル21が基板28から剥離し難くなる一方、基板28近傍の信号ケーブル21は可撓性が悪くなる。
図1に示すように、内視鏡1の挿入部2は、基端から先端に向って順に連設される軟性部5、湾曲部6、及び先端部7から構成される。軟性部5は、可撓性を有し、挿入部2の挿入経路に沿って任意の方向に湾曲する。湾曲部6は、操作部3のアングルノブ8、9の各々の操作により上下と左右の各々の方向に湾曲する。
先端部7は、観察窓18(図3参照)から体内の被観察部位を撮影してその撮影した画像を観察画像(内視鏡画像)としてユニバーサルコード4により接続されたプロセッサ装置15に送る観察部を有する。また、ユニバーサルコード4により接続された光源装置19から内視鏡1内部のライトガイド43を通じて伝搬された照明光を照明窓20から被観察部位に照射する照明部などを備える。
(先端部の構造)
次に、先端部7の構造について説明する。
なお、本実施の形態では、先端部7が先端部本体30と、先端部本体30に着脱自在なキャップ26とで構成されている場合で説明する。しかし、本発明は先端部7がキャップ26を有する場合に限定するものではなく、キャップ26のない態様も含まれる。
図3はキャップ26を装着した状態での先端部7を拡大して示した斜視図であり、図4はキャップ26を先端部本体30から外した斜視図である。また、図5は先端部7の分解斜視図である。
なお、以下の説明において、図5の方向を表す矢印に示すように、先端部7の長手軸Q(FR−REの軸)の方向(軸芯方向)であって先端側の位置を先端側FR(又は前側FR)と言い、操作部3側の位置を基端側RE(又は後側RE)と言う。また、先端部7の先端方向に向いて右手側の位置を右側RIと言い、左手側の位置を左側LEと言う。さらに、FR−REの軸とRI−LEの軸とが交差する交差軸を含む面に対して直交する方向を先端部7の上下方向とし、後記する処置具導出開口部29側を上側UPと言い、逆の側を下側DWという。
図3から図5に示すように、先端部7は、先端部7内を複数の領域に区画すると共に各種構成部品が一体的に組み付けられる先端部本体30(先端硬質部ともいう)を有し、先端部本体30の外周部が着脱可能なキャップ26(図5参照)により被覆される。
先端部本体30は、耐食性を有する金属材料等の剛性部材で形成され、キャップ26は弾性力のある材質、例えば弾性ゴムにより、先端側が閉塞した円筒形を基調とした形状に形成される。
図5に示すように、キャップ26は、起立台収容部22の上面側の開口部29(処置具導出開口部29)の全体及び前面側の開口部36の上側一部を開放する開口窓26Aと、起立台収容部22の下面側の開口部38の全体及び前面側の開口部36の下側一部とを閉鎖する隔壁部26Bとを有する。
また、キャップ26の基端には、径方向内向きに環状に突出する係合部(図示せず)が形成されており、その係合部が先端部本体30の外周部に形成された溝31に係合することで、キャップ26が先端部本体30に装着される。
先端部本体30は、基端側の基端壁部22Cと、基端壁部22Cから先端側に向けて延設され、互いに対向する左右一対の側壁部22A、22Bとにより形成され、上から見たときにコ字形状に形成される。これによって、先端部7内において、右側の側壁部22Bと左側の側壁部22Aとの間には、処置具起立台24を収容する空間部である起立台収容部22が形成される。
また、側壁部22Bよりも右側には後述の起立レバー84を収容する空間部である起立レバー収容室40が形成され、側壁部22Aよりも左側には上述の観察部及び照明部の構成部品である撮像ユニット16及びライトガイド43(図10参照)等を収容する空間部である光学系収納部42が形成される。即ち、光学系収納部42と起立台収容部22とは先端部7の軸芯方向(長手軸Q方向)に対して直交する位置に隣接して配設される。
なお、ここでいう隣接とは、間に何も存在しないことばかりでなく、後述するように光学系収納部42と起立台収容部22との間に隔壁51を設けた場合も含むものであり、先端部7の一部が長手軸Q方向に直交する同一断面に光学系収納部42と起立台収容部22とを含む関係にあることを意味する。
なお、起立レバー収容室40及び光学系収納部42は、不図示の保護板により被覆されて気密性が保持される。
先端部本体30の一対の側壁部22A、22Bのうち左側の側壁部22Aの上面には、先端側から順に、照明窓20が配置され、次に観察窓18が配置され、最後に送気送水ノズル23が配置される。
照明窓20は、先端部7に搭載される照明部の構成要素であり、光源装置19からの光を伝搬するライトガイド43の終端部に設けられた光出射部から出射された照明光を被観察部位に照射する。
観察窓18は、長手軸Qに対して側方(長手軸Qに対して直交する方向)に存在する被観察部位の画像を取得する観察部の構成要素であり、側方の被観察部位からの被写体光を観察部の他の構成要素である撮像ユニット16に取り込む。
送気送水ノズル23は、操作部3の送気送水ボタン10(図1参照)の操作により観察窓18への送気と送水とを切り替可能に行う。また、挿入部2内において処置具挿通路14(図3参照)には吸引チャンネルが接続されており、操作部3の吸引ボタン11(図1参照)の操作により起立台収容部22からの吸引が行われる。
(起立台収容部及び処置具起立台)
次に、起立台収容部22、及び起立台収容部22に設けられた処置具起立台24について説明する。
図3から図5に示すように、処置具起立台24は、ガイドワイヤ(図示せず)を案内する側の表面に、下部から先端部にかけて内側に窪んだ案内面Sを有する舌形状に形成される。即ち、処置具起立台24は、幅方向中央位置に起立方向に沿った幅狭溝24Aが形成された下部と、幅狭溝24Aが両側に向かって先広状に拡げられ再び先狭状に狭められた幅広溝24Bが形成された中央部と、幅広溝24Bから連続して起立方向に沿って幅狭溝24Cが形成された先端部とで構成される。この幅狭溝24Aと幅広溝24Bと幅狭溝24Cとにより、ガイドワイヤの案内面Sが形成され、幅広溝24Bは処置具起立台24の幅方向断面が略逆台形立方体の形状に形成される。
処置具起立台24は、起立操作レバー12(図1参照)の起立操作により、起立台収容部22に導かれた処置具(図示せず)又はガイドワイヤの進行方向を曲げて起立台収容部22の上面側の処置具導出開口部29へと向かう方向に案内し、処置具導出開口部29から処置具又はガイドワイヤを導出させる。
起立台収容部22の基端壁部22Cの下部には、処置具挿通路14の出口が形成され、挿入部2内を挿通する処置具挿通路14を通じて操作部3の処置具導入口13(図1参照)に連通している。そして、処置具導入口13から挿入された処置具又はガイドワイヤが処置具挿通路14を通じて起立台収容部22に導かれる。
また、起立台収容部22の基端壁部22Cの上部には、処置具起立台24を起立したときに、処置具起立台24とでガイドワイヤを固定するガイドワイヤ固定部34を備える。
ガイドワイヤ固定部34は、基端壁部22Cの幅方向中央部から突出し、突出方向に先細な凸部34Aで構成される。凸部34Aは、基端壁部22Cを底面とした略台形立方体の形状に形成される。即ち、略台形立方体の凸部34Aは、突出方向に先狭形状の水平な上面34A1と、突出方向に交差するように傾斜した両側面34A2と、突出方向に湾曲状に凹んだ下面34A3と、これら4つの面34A1、34A2、34A3が交わる四角形状の先端面34A4とで構成される。先端面34A4は、丸みを帯びた四角形状であることが好ましい。そして、凸部34Aは、上述した処置具起立台24の中央部に形成された略逆台形立方体形状の幅広溝24Bに対応した形状に形成される。これにより、処置具起立台24を起立させてガイドワイヤ固定部34の凸部34Aと処置具起立台24の幅広溝24Bとを合わせたときに、幅広溝24Bが凸部34Aを包み込むようになる。
したがって、処置具導出開口部29から導出されたガイドワイヤを、処置具起立台24の案内面Sに係止させた状態、処置具起立台24を起立させると、処置具起立台24の案内面Sの幅広溝24Bと、ガイドワイヤ固定部34の凸部34Aとでガイドワイヤを挟み込むことができる。これにより、ガイドワイヤを処置具起立台24の幅方向センター部で確実に固定することができる。また、ガイドワイヤを固定する位置が処置具の最大起立位置になる。
図5に示すように、起立台収容部22は、先端部本体30からキャップ26が取り外された状態において、上面側の開口部分を開口部29(処置具導出開口部29)、前面側の開口部分を開口部36、下面側の開口部分を開口部38として有し、それらの開口部29、36、38が連設されることにより上面から前面を通り下面まで延在して開口する。
また、起立台収容部22の右側に配置される側壁部22Bの下端付近には、起立レバー収容室40から起立台収容部22まで貫通する保持孔50が形成され、その保持孔50に回転軸82が回転自在に軸支される。
なお、本実施の形態では、回転軸82は、起立レバー84と一体形成されて長板状に延びる起立レバー84の基端から延設され、一端を起立台起立機構である起立レバー84に固定される固定端とし、他端を自由端とした片持ち梁状に構成される。この回転軸82と回転軸82の軸線に略垂直な方向に延びる起立レバー84とを有する部材を駆動部材80というものとするが、回転軸82と起立レバー84とは別体であってもよい。
また、回転軸82と保持孔50との間にはシール部材(図示せず)が配置され、起立台収容部22と起立レバー収容室40とは相互に気体及び液体の浸入が防止されている。
この回転軸82の起立台収容部22に突出する第1軸部90は、処置具起立台24の連結部64に形成された嵌合孔66に嵌合されることにより処置具起立台24と連結する。
側壁部22Bの右側には、保持孔50を中心とした扇形状の空間部が起立レバー収容室40として形成される。この起立レバー収容室40には、駆動部材80の回転軸82の保持孔50への挿入と共に、駆動部材80の起立レバー84が収容される。
そして、起立レバー84の先端には、連結具(図示せず)を介して操作ワイヤ(図示せず)の先端部が連結される。操作ワイヤは、起立レバー収容室40の壁面に開口したワイヤ挿通孔44(図5参照)から挿入部2内を挿通して操作部3の起立操作レバー12に連結される。
これにより、起立操作レバー12の操作により操作ワイヤが押し引きされて起立レバー84が回転軸82と共に回転する。そして、その回転軸82の回転によって処置具起立台24が回転し、処置具起立台24が起伏動作する。なお、回転軸82を回転させる起立台起立機構は起立レバー84を操作ワイヤにより押し引きする本実施の形態のものに限らない。
(先端部本体の分割構造)
次に、先端部本体30の分割構造について説明する。
図6は、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから取り外した斜視図である。図7は本体ブロック30Aに対して離間する方向にスライドさせた移動ブロック30Bを斜め下方から見た斜視図である。
なお、図6及び図7は、撮像ユニット16及びライトガイド43を取付孔53、54に取り付ける前の状態で示している。
図6及び図7に示すように、先端部本体30は、光学系収納部42に連通されたケーブル挿通路45、47と起立台収容部22に連通された処置具挿通路14とが形成された本体ブロック30Aと、本体ブロック30Aに着脱自在に装着され、本体ブロック30Aに対して先端部7の軸芯方向(長手軸Q方向)にスライド自在な移動ブロック30Bとで構成される。即ち、先端部本体30は本体ブロック30Aと移動ブロック30Bとに分割可能な構造に形成される。この場合、本体ブロック30Aに形成されたケーブル挿通路45、47の軸芯方向と移動ブロック30Bのスライド方向とが同じ(平行関係)になるように構成されることが好ましい。
図6及び図7に示すように、ケーブル挿通路45、47のうち信号ケーブル21のケーブル挿通路45の挿通口45Aが光学系収納部42の上部側に配置され、ライトガイド43のケーブル挿通路47の挿通口47Aが光学系収納部42の下部側に配置される。
ここで、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに着脱自在に装着されるとは、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせたときに、移動ブロックが本体ブロックから脱落する(外れる)ようにしてもよいことを意味する。
図6に示すように、本体ブロック30Aは、先端部本体30の基端壁部22Cから観察窓18の近傍まで張り出された本体ブロック30A側の上面である基端側上面部49と、基端壁部22Cから先端部本体30の先端位置まで延設され、光学系収納部42と起立台収容部22とを仕切る隔壁51と、隔壁51に連設されて光学系収納部42の底面を形成し、先端部7の軸芯方向に直交する方向(図5のRI−LE方向)の断面形状がU字状の底面部52とを有する。底面部52は、移動ブロック30Bの後述する先端側上面部56(移動ブロック側上面)に対向して形成され、基端壁部22Cから先端部本体30の先端位置近傍まで延設される。
このように、光学系収納部42に断面形状がU字状の底面部52を形成することによって、信号ケーブル21とライトガイド43のうち光学系収納部42の下部側に配線されるライトガイド43の納まりがよくなる。これにより、光学系収納部42の上部側に配線される信号ケーブル21のポジショニングがし易くなる。
また、上述した送気送水ノズル23は、本体ブロック側上面である基端側上面部49に設けられる。この場合、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着したときに移動ブロック30Bの移動ブロック側上面である先端側上面部56と本体ブロック30Aの本体ブロック側上面である基端側上面部49とが接する接触ラインL(図4参照)の近傍に送気送水ノズル23の先端面23Aが位置することが好ましい。これにより、送気送水ノズル23から噴出された洗浄水又はエアは接触ラインLを飛び越えて噴出するので、接触ラインLに洗浄水又はエアが当たって水キレ性が悪くなることはない。
ここで、水キレ性とは、送気送水ノズル23による観察窓18の洗浄において、送水による洗浄性能及び送気による水滴除去性能のことを言う。
また、図6及び図7に示すように、移動ブロック30Bは、先端部7の外殻面の一部を構成する枠体を有する。そして、枠体の起立台収容部22側の側面が開放され且つ枠体の処置具導出開口部29側の面である上面に撮像ユニット16の鏡筒25とライトガイド43(図9参照)の口金43A(図9参照)とをそれぞれ取り付ける取付孔53、54が形成されている。
即ち、移動ブロック30Bの枠体は、光学系収納部42の先端面を形成する先端面部55と、先端面部55から観察窓18が終わる位置近傍まで張り出された先端側上面部56(移動ブロック側上面)と、起立台収容部22の反対側に隔壁51に対向して設けられた側面部57とで構成される。
したがって、本体ブロック30Aの基端側上面部49(本体ブロック側上面)と隔壁51と底面部52と、移動ブロック30Bの枠体を構成する先端面部55と先端側上面部56(移動ブロック側上面)と側面部57とで、上述した先端部本体30の左側の側壁部22Aが形成される。
図6に示すように、本体ブロック30Aの断面形状がU字状に形成された底面部52の隔壁51とは反対側の端部には、本体ブロック30Aに対する移動ブロック30Bのスライドをガイドする第1のガイド部52Aが形成される。また、図7に示すように、移動ブロック30Bの側面部57の下端には、第1のガイド部52Aに係合する第1の係合部57Aが形成される。
なお、本体ブロック30Aに第1の係合部57Aを設け、移動ブロック30Bに第1のガイド部52Aを設けることもできる。
また、図6に示すように、隔壁51上部には、本体ブロック30Aに対する移動ブロック30Bのスライドをガイドする第2のガイド部51Aが形成され、図7に示すように、移動ブロック30Bの隔壁51上部に対向する位置には、第2のガイド部51Aに係合する第2の係合部56Aが形成されている。
なお、本体ブロック30Aに第2の係合部56Aを設け、移動ブロック30Bに第2のガイド部51Aを設けることもできる。
第1のガイド部52Aと第1の係合部57Aとの具体例、及び第2のガイド部51Aと第2の係合部56Aとの具体例としては、例えば移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとのうちの何れか一方のブロックにレール状の嵌合溝を形成し、他方のブロックに嵌合溝に係合するレール状の嵌合突起を形成する方法を採用することができる。
これにより、本体ブロック30Aに対する移動ブロック30Bのスライドをスムーズに行えるだけでなく、第1のガイド部52Aと第1の係合部57A及び第2のガイド部51Aと第2の係合部56Aとが係合することで移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着したときの密封性も向上する。
そして、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせたときには、移動ブロック30Bの起立台収容部22側が外部に露出される。また、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着する方向にスライドさせたときには、移動ブロック30Bの起立台収容部22側が本体ブロック30Aの隔壁51により密閉される。
また、図6及び図7に示すように、移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとのうち、何れか一方のブロックに係合突起58が形成され、他方のブロックに係合突起58に嵌合する係合孔59が形成される。
なお、図6及び図7では、本体ブロック30Aに係合突起58を形成し、移動ブロック30Bに係合孔59を形成したが、本体ブロック30Aに係合孔59を形成し、移動ブロック30Bに係合突起58を形成してもよい。
即ち、移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとのスライド方向の対向位置に、それぞれ係合突起58と係合孔59とが形成され、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着する方向にスライドさせたときに係合突起58と係合孔59とが嵌合する。これにより、移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとにおいて、先端部7の軸芯方向に直交する方向(図5のRI−LE方向)のズレがないように移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着することができる。したがって、先端部本体30の密封性を向上できる。
また、図6及び図7に示すように、移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとのうち、何れか一方のブロックにネジ60が設けられ、他方のブロックにネジ60に螺合するネジ穴61が形成される。図6及び図7では、本体ブロック30Aの隔壁51の先端下部にネジ60を挿入する貫通孔62を形成して貫通孔62にネジ60を保持し、移動ブロック30Bの先端面部55の下部に張り出した張り出し部55Aに雌ネジが刻設されたネジ穴61を形成するようにした。
なお、本体ブロック30Aの隔壁にネジ穴61を設け、移動ブロック30Bにネジ60を挿入する貫通孔62を形成して貫通孔62にネジ60を保持してもよい。
これにより、先端部7を簡単に分解したり組み立てたりすることができるので、修理及び部品の交換等の作業が容易になる。
また、図示しないが、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着したときに移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとが接面する接面部分にはシール剤がコーティングされている。これにより、先端部7が本体ブロック30Aと移動ブロック30Bとに分割される構造であっても、先端部7の水密性を確保できる。シール剤としては、例えば、エポキシ樹脂又はエポキシアクリレート又はウレタンアクリレート又はシリコーン樹脂等が挙げられる。
[内視鏡における光学系の取り付け方法]
次に、上述の如く構成された内視鏡1において、先端部7の取付孔53、54に撮像ユニット16の鏡筒25及びライトガイド43の口金43Aを取り付ける方法を説明する。
図8は、取り付け方法のステップを示したステップフロー図である。
先ず、図7の矢印Aで示すように、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせて移動ブロック30Bの起立台収容部22側を外部に露出させる(露出工程:S10)。
また、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせることで、本体ブロック30Aの光学系収納部42側(図6参照)が外部に露出し、ケーブル挿通路45、47の挿通口45A、47Aが外部に露出される。
次に、図9及び図10に示すように、撮像ユニット16の鏡筒25とライトガイド43の口金とを、スライド後の移動ブロック30Bの先端近傍に位置させた状態で撮像ユニット16の信号ケーブル21とライトガイド43とを露出した部分から本体ブロック30Aのケーブル挿通路45、47に挿入する(挿入工程:S20)。
次に、図11に示すように、移動ブロック30Bに形成されたそれぞれの取付孔53、54に、撮像ユニット16の鏡筒25とライトガイド43の口金43Aとを取り付ける(取り付け工程:S30)。
なお、図9〜図11では、図2で示した撮像ユニット16の鏡筒25以外の構成部材(例えば基板28等)は図示を省略している。
この取り付け工程において、撮像ユニット16の鏡筒25及びライトガイド43の口金43Aを取り付ける取付孔53、54を移動ブロック30Bに形成したので、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせることで、取付孔53、54とケーブル挿通路45、47の挿通口45A、47Aとの距離を長く確保することができる。更には、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせることで、移動ブロック30Bの起立台収容部22側が外部に露出される。
これにより、撮像ユニット16の鏡筒25及びライトガイド43の口金43Aを取付孔53、54に取り付ける際に、信号ケーブル21及びライトガイド43を取り回し易くなる。したがって、撮像ユニット16及びライトガイド43に無理な力が及ばないように取付孔53、54に取り付けることができるので、撮像ユニット16が破損したりライトガイド43が断線したりする等の従来の問題を防止できる。
ここで、本発明の内視鏡1と対比するために、図12の対比例の内視鏡100を用いて撮像ユニット16とライトガイド43を取付孔53、54に取り付ける場合を説明する。
図12の対比例の内視鏡100は、先端部本体30の起立台収容部22側の側面部102を着脱自在として光学系収納部42を外部に露出できるように構成されているが、取付孔53、54は先端部本体30に設けられる。
図13は、図12の対比例の内視鏡100の側面部102を先端部本体30から取り外して、撮像ユニット16及びライトガイド43を取付孔53、54に取り付けている模式図である。
図13に示すように、側視型の光学系では、先端部7の側方後側に観察視野を有するため、取付孔53に対して撮像ユニット16の鏡筒25を垂直方向(先端部の軸芯方向に直交する方向)に対して斜め後方に傾けた姿勢で差し込まなくてはならない。この姿勢を得るには、撮像ユニット16を図13に示すようにポジショニング(以下、理想ポジショニングという)する必要がある。
しかし、実際には、信号ケーブル21をケーブル挿通路45に挿通した状態において、撮像ユニット16は、図13の点線で示す向きのポジショニング(以下、実際ポジショニングという)になる。この場合、ケーブル挿通路45の挿通口45Aの開口径を大きくすれば、撮像ユニット16を理想ポジショニングにすることは可能であるが、光学系収納部42のスペースが狭く不可能である。
このため、撮像ユニット16を実際ポジショニングから理想ポジショニングに変えて撮像ユニット16の姿勢を後方に傾け、鏡筒25を取付孔53に取り付ける必要がある。しかし、撮像ユニット16は、信号ケーブル21の基板28への接続部分に補強枠32が当てられ、且つ接着剤で固められており可撓性がない。また、取付孔53とケーブル挿通路45の挿通口45Aとの距離が近く、信号ケーブル21の取り回しが難しい。
これにより、撮像ユニット16を実際ポジショニングから理想ポジショニングに無理やり変えることになるので、撮像ユニット16に無理な力がかかり、撮像ユニット16の破損が生じ易くなる。
ライトガイド43の口金43Aの取付孔54への取り付けは撮像ユニット16ほどではないが、同様の問題があり、ライトガイド43の破断が生じ易い。
これに対して、本発明の内視鏡1では、信号ケーブル21の基板28への接続部分に補強枠32が当てられ、且つ接着剤で固められており可撓性がない場合でも、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせることで、取付孔53とケーブル挿通路45の挿通口45Aとの距離を長く確保することができる。これにより、撮像ユニット16を理想ポジショニングに容易にすることができるので、撮像ユニット16を取付孔53に取り付ける際に撮像ユニット16が破損等するのを防止できる。
更に、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aから離間する方向にスライドさせることで、移動ブロック30Bの起立台収容部22側が外部に露出される。これにより、撮像ユニット16の可撓性のない部分を露出部分から外部に引っ張り出した状態で撮像ユニット16が理想ポジショニングをとれるように信号ケーブル21を取り回すことができる。これにより、撮像ユニット16が理想ポジショニングをとる際に撮像ユニット16に無理な力がかからないので、撮像ユニット16の破損を防止できる。
次に、図7の矢印Bに示すように、移動ブロック30Bを本体ブロック30Aに装着する方向にスライドさせて信号ケーブル21とライトガイド43とをケーブル挿通路45、47に押し込みながら移動ブロック30Bの起立台収容部22側を密閉して撮像ユニット16とライトガイド43を光学系収納部42に収納する(収納工程:S40)。
この収納工程において、移動ブロック30Bのスライド方向とケーブル挿通路45、47の軸芯方向とが同じになるように構成されているので、信号ケーブル21とライトガイド43とをケーブル挿通路45、47にスムーズに押し込むことができる。
次に、移動ブロック30Bと本体ブロック30Aとをネジ60で固定する(固定工程:S50)。
これにより、先端部7に撮像ユニット16及びライトガイド43を取り付ける作業が終了する。したがって、本発明の内視鏡における光学系の取り付け方法を行えば、撮像ユニット16が破損したりライトガイド43が断線したりすることを防止することができる。
1…内視鏡
2…挿入部
3…操作部
4…ユニバーサルコード
5…軟性部
6…湾曲部
7…先端部
8…アングルノブ
9…アングルノブ
10…送気送水ボタン
11…吸引ボタン
12…起立操作レバー
13…処置具導入口
14…処置具挿通路
15…プロセッサ装置
16…撮像ユニット
17…モニタ装置
17A…モニタ画面
18…観察窓
19…光源装置
20…照明窓
21…信号ケーブル
22…起立台収容部
22A…側壁部
22B…側壁部
22C…基端壁部
23…送気送水ノズル
23A…先端面
24…処置具起立台
24A…幅狭溝
24B…幅広溝
24C…幅狭溝
25…鏡筒
26…キャップ
26A…開口窓
26B…隔壁部
27…固体撮像素子
28…基板
29…上面側の開口部(処置具導出開口部)
30…先端部本体
30A…本体ブロック
30B…移動ブロック
31…溝
32…補強枠
33…封止剤
34…ガイドワイヤ固定部
34A…凸部
34A1…上面
34A2…側面
34A3…下面
34A4…先端面
35…ケーブル固定部
36…前面側の開口部
37…保護チューブ
38…下面側の開口部
39…素線
40…起立レバー収容室
41…外皮
42…光学系収納部
43…ライトガイド
43A…口金
44…ワイヤ挿通孔
45…ケーブル挿通路
45A…挿通口
47…ケーブル挿通路
47A…挿通口
49…基端側上面部(本体ブロック側上面)
50…保持孔
51…隔壁
51A…第2のガイド部
52…底面部
52A…第1のガイド部
53…取付孔
54…取付孔
55…先端面部
55A…張り出し部
56…先端側上面部(移動ブロック側の上面)
56A…第2の係合部
57…側面部
57A…第1の係合部
58…係合突起
59…係合孔
60…ネジ
61…ネジ穴
62…貫通孔
64…連結部
66…嵌合孔
80…駆動部材
82…回転軸
84…起立レバー
90…第1軸部
100…内視鏡
102…側面部
A…矢印
B…矢印
DW…下側
FR…先端側(前側)
L…接触ライン
LE…左側
Q…長手軸
RE…基端側(後側)
RI…右側
S…案内面
UP…上側

Claims (12)

  1. 挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と前記先端部の処置具導出開口部側に起立する処置具起立台を収容する起立台収容部とが前記先端部の軸芯方向に直交する位置に隣接して配設され、前記光学系は撮像ユニットとライトガイドを含む内視鏡において、
    前記先端部は、
    前記光学系収納部に連通されたケーブル挿通路と前記起立台収容部に連通された処置具挿通路とが形成された本体ブロックと、
    前記本体ブロックに着脱可能に装着され、前記本体ブロックに対して前記先端部の軸芯方向にスライド自在な移動ブロックと、を有し、
    前記移動ブロックは前記先端部の外殻面の一部を構成する枠体を有し、
    前記枠体は前記起立台収容部側の側面が開放され、且つ前記枠体の前記処置具導出開口部側の面である移動ブロック側上面には前記撮像ユニットの鏡筒と前記ライトガイドの口金とをそれぞれ取り付ける取付孔が形成されている内視鏡。
  2. 前記本体ブロックは、
    前記光学系収納部と前記起立台収容部とを仕切る隔壁と、
    前記隔壁に連設されて前記光学系収納部の前記移動ブロック側上面に対向する底面を形成し、前記先端部の軸芯方向に直交する方向の断面形状がU字状の底面部と、を有する請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記移動ブロックと前記本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに第1のガイド部が形成され、他方のブロックに前記第1のガイド部に係合して前記本体ブロックに対して前記移動ブロックをスライド可能とする第1の係合部が形成されている請求項1又は2に記載の内視鏡。
  4. 前記第1のガイド部又は前記第1の係合部は、前記本体ブロックの前記底面部における前記隔壁とは反対側の端部に形成される請求項3に記載の内視鏡。
  5. 前記移動ブロックと前記本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに第2のガイド部が形成され、他方のブロックに前記第2のガイド部に係合して前記本体ブロックに対して前記移動ブロックをスライド可能とする第2の係合部が形成されている請求項1から4の何れか1項に記載の内視鏡。
  6. 前記第2のガイド部と前記第2の係合部とのうち、何れか一方は前記本体ブロックの前記隔壁における前記処置具導出開口部側の位置である隔壁上部に形成され、他方は前記移動ブロックの前記隔壁上部に対向する位置に形成されている請求項5に記載の内視鏡。
  7. 前記移動ブロックと前記本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックに係合突起が形成され、他方のブロックに前記係合突起に嵌合する係合孔が形成される請求項1から6の何れか1項に記載の内視鏡。
  8. 前記移動ブロックと前記本体ブロックとのうち、何れか一方のブロックにネジが設けられ、他方のブロックに前記ネジに螺合するネジ穴が形成される請求項1から7の何れか1項に記載の内視鏡。
  9. 前記移動ブロックを前記本体ブロックに装着したときに前記移動ブロックと前記本体ブロックとが接面する接面部分にはシール剤がコーティングされている請求項1から8の何れか1項に記載の内視鏡。
  10. 前記撮像ユニットの前記鏡筒を取り付ける前記取付孔には観察窓を有し、
    前記本体ブロックの前記処置具導出開口部側の面である本体ブロック側上面には、前記観察窓を洗浄する送気送水ノズルが設けられ、前記移動ブロックを前記本体ブロックに装着したときに前記移動ブロックの前記移動ブロック側上面と前記本体ブロックの前記本体ブロック側上面とが接する接触ライン近傍に前記送気送水ノズルの先端面が位置する請求項1から9の何れか1項に記載の内視鏡。
  11. 前記先端部は、
    先端部本体と、
    前記先端部本体に着脱自在なキャップと、を有し、
    前記先端部本体が前記本体ブロックと前記移動ブロックとで構成される請求項1から10の何れか1項に記載の内視鏡。
  12. 挿入部の先端部に、側視型の光学系を収納する光学系収納部と前記先端部の処置具導出開口部側に起立する処置具起立台を収容する起立台収容部とが前記先端部の軸芯方向に直交する位置に隣接して配設され、前記光学系は撮像ユニットとライトガイドを含み、前記先端部は、前記光学系収納部に連通されたケーブル挿通路と前記起立台収容部に連通された処置具挿通路とが形成された本体ブロックと、前記本体ブロックに着脱可能に装着され、前記本体ブロックに対して前記先端部の軸芯方向にスライド自在な移動ブロックと、を有する内視鏡を用いて、前記先端部に前記撮像ユニット及び前記ライトガイドを取り付ける光学系の取り付け方法であって、
    前記移動ブロックを前記本体ブロックから離間する方向にスライドさせて前記移動ブロックの前記起立台収容部側を外部に露出させる露出工程と、
    前記撮像ユニットの鏡筒と前記ライトガイドの口金とをスライド後の前記移動ブロックの先端近傍に位置させた状態で前記撮像ユニットの信号ケーブルとライトガイドとを前記露出した部分から前記本体ブロックの前記ケーブル挿通路に挿入する挿入工程と、
    前記移動ブロックに形成されたそれぞれの取付孔に、前記撮像ユニットの鏡筒と前記ライトガイドの口金とを取り付ける取り付け工程と、
    前記移動ブロックを前記本体ブロックに装着する方向にスライドさせて前記信号ケーブルと前記ライトガイドとを前記ケーブル挿通路に押し込みながら前記移動ブロックの前記起立台収容部側を密閉して前記撮像ユニットと前記ライトガイドを前記光学系収納部に収納する収納工程と、
    前記移動ブロックと前記本体ブロックとを固定する固定工程と、を有する内視鏡における光学系の取り付け方法。
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