WO2005055816A1

WO2005055816A1 - 内視鏡

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Publication number: WO2005055816A1
Application number: PCT/JP2004/017462
Authority: WO
Inventors: Ryuichi Toyama
Original assignee: Olympus Corporation
Priority date: 2003-12-10
Filing date: 2004-11-25
Publication date: 2005-06-23
Also published as: EP1692995B1; CN100374069C; US20060229497A1; EP1692995A1; EP1692995A4; CN2730318Y; CN1626027A; JP2005168770A; KR20060101521A

Abstract

　内視鏡は、挿入部を有し、撮像素子によって得られた観察画像の表示を行う内視鏡装置に用いられる内視鏡である。内視鏡は、被写体からの光を前記撮像素子へ導入するために、挿入部の先端部の先端面に設けられた観察窓と、被写体を照明するために照明光を出射する、先端部の先端面において観察窓の周囲に設けられた複数の照明手段と、観察窓の表面に対して液体を送水するための、挿入部の前記先端部の前記先端面に設けられた送水ノズルとを有する。複数の照明手段から出射される照明光が送水ノズルに当たらないように、照明手段による照射範囲の略中央の軸は、観察窓を含む観察光学系の光軸の観察方向の先の点から離間する方向に、観察光学系の光軸に対して傾いている。

Description

明細書

内視鏡

技術分野

[0001] 本発明は、内視鏡に関し、特に、挿入部の先端部の構成に特徴のある内視鏡に関するものである。

背景技術

[0002] 従来より、内視鏡は、医療分野等で広く利用されている。内視鏡は、例えば、体腔内に細長い挿入部を挿入することによって、体腔内の臓器等を観察したり、必要に応じて処置具揷通チャンネル内に挿入した処置具を用いて各種処置をすることができる。挿入部の先端には、湾曲部が設けられ、内視鏡の操作部を操作することによって、先端部の観察窓の観察方向を変更させることができる。

[0003] 従来の内視鏡の視野角は、例えば 140度であり、術者は、その視野角の観察画像によって体腔内を観察するが、体腔内を観察中に、視野範囲外の部位を観察したいときは、湾曲部を湾曲させることによって視野範囲外の部位を観察することができる。このような視野角を有する内視鏡において、挿入部の先端部には照明窓は 2つ設けられ、そのような視野角に対しては、 2つの照明窓による照明で十分であった。

[0004] 一方、より広い範囲を観察できるように、視野角をより広くした内視鏡も提案されている（例えば、特許文献 1参照)。挿入部の先端部では、広い視野範囲をカバーするように複数の照明窓によって被写体を照明し、モニタに表示される観察画像が、画像の周辺部まで光量が落ちな、ようになる。

[0005] また、内視鏡は、種々の機能を有し、特に、送水ノズルによって観察窓を洗浄する機能を有するものがあり、一般にその送水ノズルは、先端部の表面からその一部が突出するように設けられて、る。

[0006] 特許文献 1：特開平 4 102432号公報（図 3)

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] しかし、視野角を広くした場合、より広い範囲の領域を照明する必要があるため、 3 つ以上の照明手段があることが望ましいが、照明手段を 3つ以上設けた場合、照明光が送水ノズルに当たり、その送水ノズルの表面からの反射光によって観察画像にフレアが発生し易くなり、鮮明な観察画像を得にくいという問題がある。上述した提案に係る視野角の広、内視鏡にぉ、ては、このような鮮明な観察画像を得られなヽ虡があることにつ、ては、なんら考慮されて、なかった。

[0008] そこで、本発明は、内視鏡が広、視野角を有する場合であっても、送水ノズルに照明光があたってフレアが発生することのなぐ結果としてより鮮明な観察画像を得られる内視鏡を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明の内視鏡は、挿入部を有し、撮像素子によって得られた観察画像の表示を行う内視鏡装置に用いられる内視鏡であって、被写体力の反射光を前記撮像素子へ導入するために、前記挿入部の先端部の先端面に設けられた観察窓と、前記被写体を照明するために照明光を出射する、前記先端部の前記先端面において前記観察窓の周囲に設けられた複数の照明手段と、前記観察窓の表面に対して液体を送水するための、前記挿入部の前記先端部の前記先端面に設けられた送水ノズルと、を有し、前記複数の照明手段力出射される前記照明光が前記送水ノズルに当たらないように、前記照明手段による照射範囲の略中央の軸は、前記観察窓を含む観察光学系の光軸の観察方向の先の点から離間する方向に、前記観察光学系の光軸に対して傾、て、ることを特徴とする。

[0010] また、本発明の内視鏡は、挿入部を有し、撮像素子によって得られた観察画像の表示を行う内視鏡装置に用いられる内視鏡であって、被写体力の反射光を前記撮像素子へ導入するために、前記挿入部の先端部の先端面に設けられた観察窓と、前記先端部の先端面において前記観察窓の周囲に設けられ、前記被写体を照明するために照明光を出射する複数の照明手段と、前記先端部の先端面に設けられ、前記観察窓の表面に対して液体を送水する送水ノズルと、を有し、前記先端部の先端面は、平坦な頂部と該頂部から後方に向かって広がる態様で傾斜する傾斜部とを有し、前記観察窓および前記送水ノズルは、前記頂部に設けられ、前記複数の照明手段は、前記傾斜部の傾斜に沿って設けられたことを特徴とする。 [0011] また、本発明の内視鏡は、上記発明において、前記観察光学系の光軸は、前記送水ノズルの管路の長手方向の軸と同一方向であることを特徴とする。

[0012] また、本発明の内視鏡は、上記発明において、前記複数の照明手段による各照射範囲の略中央の軸は、前記頂部の平坦面の法線に対し、該法線方向の前記被写体側の先の点から離間する方向に傾、て、ることを特徴とする。

[0013] また、本発明の内視鏡は、上記発明において、前記複数の照明手段の数は、少なくとも 3つであることを特徴とする。

発明の効果

[0014] 内視鏡が広い視野角を有する場合であっても、送水ノズルに照明光があたってフレァが発生することのなぐ結果として鮮明な観察画像を得ることができるという効果を奏する。

図面の簡単な説明

[0015] [図 1]図 1は、本発明の実施の形態に係わる内視鏡装置を概略的に示した説明図でめる。

[図 2]図 2は、円筒形状の先端部の先端側から見たときの正面図である。

[図 3]図 3は、図 2の P— P線に沿った先端部の断面図である。

[図 4]図 4は、挿入部の細径ィ匕を考慮したときの先端部の形状を説明するための、先端部の先端側力もみたときの正面図である。

[図 5]図 5は、 3つの光ファイバ束を有するライトガイドを平面台の上で成形する場合に、各光ファイバ束の配置と向きを説明するための図である。

[図 6]図 6は、 3つの光ファイバ束を有するライトガイドの、図 5の Q— Qに沿った断面図である。

[図 7]図 7は、 3つの光ファイバ束を有するライトガイドを平面台の上で成形する場合に、各光ファイバ束の配置と向きを説明するための図である。

[図 8]図 8は、マスキングフィルムが撮像ユニットの周囲に設けられている先端部の断面図である。

符号の説明

[0016] 1 内視鏡 2 操作部

3 挿入部

7 モニタ

10 先端部

22 観察窓

23a, 23b, 23c 照明窓

31 先端硬質部

32d 撮像素子

51a, 51b, 51c 光ファイバ束

61 マスキングフイノレム

発明を実施するための最良の形態

[0017] 以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。

[0018] まず図 1に基づき、本実施の形態に係わる内視鏡装置の構成を説明する。図 1は本発明の実施の形態に係る内視鏡装置を概略的に示した説明図である。図 1に示すように、この内視鏡装置は、体腔内の画像を撮像する機能を備えた内視鏡 1と、この画像を撮像するための照明光を内視鏡 1に入射する光源装置 5と、内視鏡 1から伝送された画像信号に対して所定の画像処理を行！ヽ、この画像信号に対応する観察画像を生成するビデオプロセッサ 6と、ビデオプロセッサ 6によって生成された観察画像を表示するモニタ 7とを有する。

[0019] 内視鏡 1は、湾曲操作ゃ管路系の制御を行う操作部 2と、その基端側が操作部 2〖こ接続されて体腔内に挿入される挿入部 3と、操作部 2から延出されて先端にコネクタ部 4を有するユニバーサルコード 3aとを有する。コネクタ部 4は、光源装置 5とビデオプロセッサ 6とに所定のコネクタを介して接続されるようになって、る。ビデオプロセッサ 6は、モニタ 7に接続されている。挿入部 3は、可撓性を有するチューブ 8と、そのチユーブ 8の先端側に設けられた湾曲部 9と、その湾曲部 9の先端側に設けられた先端部 10とが設けられている。先端部 10には、体腔内の部位を撮像するための撮像素子 32dが内蔵されている。 [0020] 先端部 10内に設けられた撮像素子 32dによって撮像された体腔内の部位の画像信号は、ユニバーサルコード 3aを介してビデオプロセッサ 6へ伝送される。ビデオプ口セッサ 6は、伝送された画像信号を処理する信号処理回路（図示せず)を有しており、処理した信号に基づ、てビデオプロセッサ 6に接続された表示手段であるモニタ 7の表示画面上に、撮像された部位の観察画像 7aを表示する。

[0021] 操作部 2には、湾曲部 9を遠隔的に湾曲させるための操作ノブ（図示せず)が配設されている。その操作ノブを操作することによって、挿入部 3内に挿通された操作ワイャ（図示せず)の引っ張り作用及び弛緩作用が生じ、その結果、湾曲部 9は 4方向に湾曲可能となっている。

[0022] 図 2は、円筒形状の先端部 10の先端側から見たときの正面図である。すなわち、先端部 10の先端面 21には、 1つの観察窓 22と、 3つの照明窓 23a、 23b、 23c (以下、 3つを纏めて 23ともいう）と、処置具等開口部 24と、観察窓 22に設けられる光学部材としてのレンズの表面を洗浄するために水切りをする送水ノズル 25と、被検者等の患部の血液、粘液等を洗浄する前方送水ノズル 26とが配設されて、る。

[0023] 図 2に示すように、先端部 10の先端面 21には、先端面 21に向力つて見たときに、 3 つの照明窓 23が、観察窓 22の光軸の中心の周りに、所定の角度 Θ、例えば 120度の間隔で配置されている。そして、各組の照明窓の間であって観察窓 22に設けられるレンズの光軸の周りに、処置具等開口部 24と、送水ノズル 25と、前方送水ノズル 2 6とが配設されている。具体的には、照明窓 23aと照明窓 23bとの間には、処置具等開口部 24が配設され、照明窓 23bと照明窓 23cとの間には、送水ノズル 25が配設され、照明窓 23cと照明窓 23aとの間には、前方送水ノズル 26が配設されている。すなわち、 3つの照明窓 23の各間に、処置具等開口部 24等に対応する 3つの窓がそれぞれ交互になるように配設されて、る。

[0024] また、先端面 21は、その頂上である平坦な頂部 21aと、先端面 21に対して後方すなわち挿入部 3の基端に向かって裾が広がる態様で頂部 21aから傾斜する錐状の傾斜部 21bとによって構成される。頂部 21a上には、上述した観察窓 22と送水ノズル 2 5とが設けられる。この場合、観察窓 22に設けられるレンズの光軸は、頂部 21aの平坦面の法線方向であって送水ノズル 25の管路の長手方向の軸と略同一方向である。一方、傾斜部 21bには、上述した 3つの照明窓 23がその傾斜に沿ってそれぞれ設けられる。この場合、 3つの照明窓 23から出射される各照射光の照射範囲の略中心軸は、送水ノズル 25の管路の長手方向および観察窓 22に設けられたレンズの光軸に対し、この光軸の観察方向の先の点すなわち被写体側の点力離間する方向にそれぞれ傾く。なお、処置具等開口部 24および前方送水ノズル 26は、それぞれの管路の長手方向が観察窓 22に設けられたレンズの光軸と略同一方向になるように、傾斜部 21bに設けられる。

[0025] 図 3は、図 2の P— P線に沿った先端部 10の断面図である。また、先端部 10の中には、観察窓 22に対応する撮像ユニット 32、 3つの照明窓 23に対応するライトガイド等を先端部 10の内部に配設できる空間を有する先端硬質部 31が設けられている。先端硬質部 31の先端側を覆うようにキャップ 3 laが被せられている。撮像ユニット 32の先端に設けられた観察窓用レンズ 32aが、先端部 10の観察窓 22に配置されるように、撮像ユニット 32は、先端硬質部 31に挿入され固定される。撮像ユニット 32は、観察窓用レンズ 32aと、観察窓用レンズ 32aの基端側に設けられた、複数のレンズからなる観察光学系 32bと、その観察光学系 32bの基端側には設けられたカバーガラス 32 cと、そのカバーガラス 32cの基端側に設けられた CCD等の固体撮像装置である撮像素子 32dとを有する。撮像ユニット 32は、さらに、撮像素子 32dが接続された、各種回路を有する基板 32eを有する。さらに基板 32eには、信号ケーブル 32fが接続されている。その信号ケーブル 32fは、揷入部 3内を揷通してビデオプロセッサ 6に接続されている。撮像ユニット 32の先端硬質部 31への固定は、図示しないビスゃシリコンゴム等の充填材等によって行われる。

[0026] ライトガイドユニット 33は、照明窓用レンズ 33aと、ライトガイドである光ファイバ束 33 bと力なる。光ファイバ束 33bの先端部は、金属パイプ 33c内に接着剤等で固定されている。光ファイバ束 33bの先端部と照明窓用レンズ 33aとが、枠 33d内に挿入されて固定される。ライトガイドユニット 33は、先端硬質部 31に対して固定ネジ 34によつて固定されている。金属パイプ 33cの基端側と光ファイバ束 33bは、柔軟なチューブ 33gによって覆われており、さらに、金属パイプ 33cの一部とチューブ 33gは、外皮チューブ 33eによって覆われている。外皮チューブ 33eは、金属パイプ 33cに対して、糸巻き 33fによって固定されている。金属パイプ 33cは、図 3に示すように、途中の所定の位置 P1において折り曲げられており、その結果、光ファイバ束 33bも金属パイプ 33cの折り曲げ形状に沿って曲げられる。また、 3つの照明窓 23は、上述したように、傾斜部 21bの傾斜に沿ってそれぞれ設けられる。従って、照明光を出射する照明窓用レンズ 33a等の照明手段による照射範囲の略中央の軸 (以下、説明の便宜のため、この軸を照射中央軸という。） 33LAは、撮像ユニット 32の観察窓用レンズ等の観察光学系の光軸 32LAとは平行ではない。特に、照射中央軸 33LAの先端方向力撮像ユニット 32の光軸 32LAの観察方向の先の点力も離間する方向に、照射中央軸 33LAは、光軸 32LAに対して傾いている。他の照明窓 23b, 23cに対応する各ライトガイドユニットの照射中央軸も、この照射中央軸 33LAと同様に、各軸の先端方向力撮像ユニット 32の光軸 32LAの観察方向の先の点力も離間する方向に、光軸 32LAに対してそれぞれ傾!、て!/、る。

[0027] なお、この照射中央軸は、後述する LED等による照明の場合も含めて照明手段によって照射された照射光の照射範囲の略中央の軸であり、ここでは、照明手段に含まれる照明窓 23a等の光学系の光軸である。

[0028] 送水ノズル 25の先端部には、開口部 25aが設けられている。開口部 25aは、送水ノズル 25から噴出する水力撮像ユニット 32の光軸 32LAに直交する平面に略平行な方向で、かつ観察窓 22にある観察窓用レンズ 32aの表面と、照明窓 23aにある照明窓用レンズ 33aの表面とを通る方向に送水されるように設けられる。送水ノズル 25の基端側は、パイプ形状を有しており、連結管 25bを介して送水チューブ 25cが接続されている。よって、連結管 25bと送水チューブ 25cとによって送水管路が形成される。送水チューブ 25cは、糸巻き 25dによって連結管 25bに固定されている。

[0029] 先端硬質部 31の基端部は、湾曲先端コマ 35の一部に固定されている。先端硬質部 31の基端側と湾曲先端コマ 35とは、外皮チューブ 36によって覆われている。外皮チューブ 36は、糸巻き 37によって先端硬質部 31に固定されて、る。

[0030] 次に、先端部 10における観察窓 22と 3つの照明窓 23のある照明窓との位置関係について詳述する。図 2に示すように、観察光学系の光軸 32LAに直交する方向における先端部 10の断面の形状は、円形である。その円の中心位置とはズレた位置に、観察窓 22の中心位置が来るように、先端部 10の先端面 21の頂部 21aに観察窓 22 は配置される。観察窓 22の周囲に、所定の距離を置いて、 3つの照明窓 23のそれぞれが先端部 10の先端面 21の傾斜部 21bに配置される。

[0031] また、挿入部 3内には、撮像ユニット 32の他にも、 3つの照明窓 23に対応する光フアイバ束であるライトガイドと、処置具等開口部 24、送水ノズル 25、及び前方送水ノズル 26に対応する内蔵物であるチャネル等とが揷通されている。このように、撮像ュニット 32の他に 6つの内蔵物が先端部 10内に設けられるので、先端部 10の径が太くならないようにしなければならない。そこで、図 2に示すように、 3つの照明窓 23の間に、 3つの内蔵物の先端である処置具等開口部 24、送水ノズル 25、及び前方送水ノズル 26が、それぞれ交互になるように配設されることによって、広い視野角を持つ内視鏡において、照明光をバランス良く照射すると共に、先端部 10の径が太くならないようにしている。

[0032] さらに、図 2に示すように、挿入部 3の先端部 10の先端面 21において、観察窓 22を挟んで、送水管路の先端部にある送水ノズル 25と、照明窓 23aとが、 P— Pで示す略直線上に配置されている。これは、挿入部 3の先端部 10の先端面 21に、汚物等が付着しても、送水ノズル 25の開口部 25aから出る水によって、観察窓用レンズ 32aと一緒に、少なくとも 1つの照明窓用レンズ 33aの汚れだけでも除去するためである。これにより、内視鏡による観察中に、常に必要最低限の照明量は確保できるので、良好な観察性を得ることができる。特に、図 2では、送水ノズル 25の中心と、照明窓 23aの中心とは、観察窓 22の中心に対して、点対称の位置にある。

[0033] 観察窓 22を通して入射した光によって撮像素子 32dは、画像信号をビデオプロセッサ 6へ伝送するが、ビデオプロセッサ 6は、受信した画像信号に対して画像処理を行い、略矩形形状の観察画像 7aのデータを生成する。略矩形の観察画像 7aは、図 1に示すように、矩形の四隅が削られて、すなわちいわゆる電子的なマスクがされて、 8角形の観察画像として、モニタ 7上に表示される。なお、ここでは、撮像ユニット 32 の観察視野内には、送水ノズル 25が入らないように、撮像ユニット 32の光学系は設計されている。

[0034] 次に、照明窓 23からの照明光の照射範囲について説明する。図 3に示すように、ライトガイドユニット 33の照明窓用レンズ 33aからの照明光は、照明窓用レンズ 33aから一点鎖線 LWで示す照射範囲を持って照射される。この照射範囲 LWは、照明窓用レンズ 33aの照射中央軸 33LAを中心として照射角 θ 1によって規定される範囲である。照射範囲 LWは、ライトガイドユニット 33の照明窓用レンズ 33aの光学系の設計によって決定される。照射範囲 LW内に、送水ノズル 25が存在すると、送水ノズル 25の表面において照射光の乱反射等の反射が生じてしまう。

[0035] そこで、そのような反射が生じないように、照明窓用レンズ 33aからの照明光の照射角 θ 1によって規定される照射範囲 LW内に送水ノズル 25が入らないように、照明窓用レンズ 33aを含む照明手段による照射中央軸 33LAを、観察窓 22を含む観察光学系の光軸 32LAに対して、観察方向の先の点から離れる方向に、傾けている。その結果、照射範囲 LW内に送水ノズル 25が含まれなくなり、送水ノズル 25の表面において照明光による反射が起こらないので、その反射光が観察窓 22に当たって観察画像にフレアが生じると、うことがな、。

[0036] 特に、図 3に示すように、照明窓用レンズ 33aの照射中央軸 33LA力撮像ユニット 32の光軸 32LAに対して傾いている。このとき、観察窓用レンズ 32aの表面に対してその傾き角 Θ 11を有する照明窓用レンズ 33aから照射される照明光の照射範囲 LW は、送水ノズル 25に当たらない範囲となっている。このように照射中央軸 33LAを光軸 32LAに対して傾け、照射範囲 LWを送水ノズル 25に当たらない範囲とすることによって、送水ノズル 25から噴出する水による照明用レンズ 33aの洗浄を阻害せずに送水ノズル 25への照明光の照射を防止でき、さらに、照明窓 23aと観察窓 22との間に照明光を遮断する遮断壁を設けて送水ノズル 25に照明光が当たらないようにする場合よりも照射範囲 LWを広くすることができる。

[0037] 同様に、照明窓 23b, 23cに設けられた各照明窓用レンズからの照明光についても、送水ノズル 25に当たらないように構成する。すなわち、照明窓 23b, 23cに設けられた各照明窓用レンズからの各照明光の照射角 Θ 2及び Θ 3 (図示せず）によって規定される各照射範囲内に送水ノズル 25が入らないように、照明窓 23b, 23cに設けられた各照明窓用レンズを含むそれぞれの照明手段による各照射中央軸を、観察窓用レンズ 32aを含む観察光学系の光軸 32LAに対して、観察方向の先の点力も離れる方向に、傾けている。このとき、観察窓用レンズ 32aの表面に対してその傾き角 Θ 2 1及び 0 31 (図示せず)をそれぞれ有する照明窓 23bの照明窓用レンズ及び照明窓 23cの照明窓用レンズから照射される各照明光の照射範囲は、それぞれ送水ノズル 25に当たらな!/、範囲となって!/、る。

[0038] 従って、 3つの照明窓 23からの全ての照明光が送水ノズル 25に当たってその反射光が観察窓 22に入る、ということがないので、フレアのない鮮明な観察画像を得ることができると共に、フレアを避けるために照明窓 23と送水ノズル 25との距離を過剰にとる必要がなぐ先端部 10の小型化も可能となる。

[0039] なお、以上の説明では、照明手段として、照明窓用レンズ等を含むライトガイドュニットを用いた例で説明したが、照明手段として、先端部 10の先端面 21に発光素子としての LED (発光ダイオード)を利用してもよい。その場合、複数の LEDは先端面 21 の傾斜部 21bの傾斜に沿って配置され、各 LEDの照射中央軸力観察光学系の光軸の観察方向の先の点力離間する方向に、観察光学系の光軸に対して傾くように設けられる。

[0040] また、上述した例では、照明手段は 3つ設けられて、る例で説明したが、これは、照明手段を 3つとしても、十分な光量の光を被写体に照射でき、カロえて、 4つ以上の照明手段を設けた場合に比べて、先端部の外径を小さくすることができるというメリットがあるからである。

[0041] ところで、液体である水が送水ノズル 25の開口部 25aから噴出することによって、観察窓 22に設けられた観察窓用レンズ 32aの表面に付着した汚物等は、取り除かれなければならない。内視鏡 1の挿入部 3を体腔内に挿入すると、観察窓用レンズ 32aの表面に汚物等が付着するからである。

[0042] しかし、特開平 4 102432号公報には広い視野角を有する内視鏡が提案されているが、同号公報の図 2に開示された送水ノズルからの水は、凸型の球面の横方向から当たるため、観察窓のレンズ表面に付着した汚物等が十分に取り除けない場合がめる。

[0043] そこで、本実施の形態では、上述したように先端面 21の頂部 21aに観察窓 22と照明窓 23aとを設けるようにし、観察窓 22の周囲の表面を平面の形状とした。具体的には、図 3に示すように、先端部 10の先端面 21において、送水ノズル 25の開口部 25a から観察窓用レンズ 32aまでの領域 32aPは、平面に形成されている。よって、少なくとも、先端部 10の先端面 21において送水ノズル 25の開口部 25aから観察窓用レンズ 32aまでの領域 32aP力平面になっているので、送水ノズル 25の開口部 25aからの水は、その平面に沿って流れ、対物レンズである観察窓用レンズ 32aの表面に対してよく送水されるようになる。言い換えると、先端部 10のカバー 31aの先端面 21において、送水ノズル 25の開口部 25aと観察窓 22との間には、観察窓用レンズ 32aの表面と略同一の平面の領域 32aPが設けられている。その結果、送水ノズル 25の開口部 25aからの水は、その平面に沿って、対物レンズである観察窓用レンズ 32aの表面によく当たるようになって、観察窓用レンズ 32aの表面の洗浄性が良くなる。

[0044] また、内視鏡 1の先端部 10は、挿入性あるいは患者等の苦痛を考慮すると、細い方が望ましい。図 4は、その細径ィ匕を考慮したときの先端部 10の形状を説明するための、先端部 10の先端側からみたときの正面図である。図 2と同じ構成要素は同一の符号を付し、説明は省略する。

[0045] 先端部 10の先端面 21には、観察窓 22と、 3つの照明窓 23と、処置具等開口部 24 と、送水ノズル 25と、前方送水ノズル 26部とのための複数の開口部が設けられている。しかし、図 4に示すように、先端部 10の軸に直交する面における先端部 10の断面形状が、円形ではなぐ一部の構成要素に対応して変形して突出した突出部分 41 を有する円形となっている。

[0046] 図 4に示すように、先端部 10において、観察窓 22と、 2つの照明窓 23a, 23bと、処置具等開口部 24と、送水ノズル 25と、前方送水ノズル 26部とは、各窓と各内蔵物の収納範囲を示す、点線で示す所定の円の中に入るように、配置することができるが、 1つの照明窓 23cは、その所定の円の中に入りきらない。そこで、照明窓 23cに対応して先端部 10の先端面の正面からみたときの形状を、一部に突出部分 41を有するような形状としている。

[0047] また、このとき、照明窓 23cに対応する光ファイバ束等の内蔵物も、点線の円の中に入り切れない場合がある。そのような場合は、先端部 10の先端面 21から基端側に向けて少し離れたところまで、すなわち、照明窓 23cに対応する光ファイバ束等の内蔵物が点線で示す所定の円の中に入るところまで、先端部 10の断面形状は、一部に突出部分を有するような形状となる。

[0048] このような断面形状にすることによって、先端部 10の細径ィ匕を図ることができるので、挿入部の挿入性の向上と患者の苦痛の緩和を図ることができる。

[0049] なお、以上の説明では、図 4において、照明窓 23cのみが、所定の円形形状に入りきらない場合を説明した力他の照明窓 23a, 23b、送水ノズル 25等の他の構成要素が所定の円形形状に入りきらない場合であっても同様に、先端部 10の先端面 21 の正面力みたときの、先端部 10の形状が、一部に突出部分を有するようにしてもよい。

[0050] 次に、上述した挿入部 3の製造におけるライドガイドの形成方法について説明する。図 2及び図 3で説明したように、先端部 10内には、ライトガイドユニット 33の光フアイバ束は、照明窓 23に対応して 3つ設けられる。さらに、各光ファイバ束は、照明窓 23 の近傍において途中で折り曲げられている。その結果、上述したように、途中で折り曲げられた各光ファイバ束に対応して、照明光を出射する各照明窓の照射中央軸は、撮像ユニット 32の光軸 32LAとは平行ではな、。

[0051] このような先端において折れ曲がつている 3つの光ファイバ束は、挿入部 3内において一つに束ねられて、光源装置 5に接続される。図 5及び図 7は、 3つの光ファイバ束を有するライトガイドを平面台の上で成形する場合に、各光ファイバ束の配置と向きを説明するための図である。図 6は、 3つの光ファイバ束を有するライトガイドの、図 5の Q— Qに沿った断面図である。

[0052] 各光ファイバ束の先端側は、接着剤によって固められて成形される。そこで、各光ファイバ束の先端を接着剤で成形する場合に、図 5に示すように、 2次元平面上で、すなわち平坦な台の上で、各光ファイバ束の先端が同じ方向に向くようにして成形することが考えられる。例えば、図 5に示すように、平坦な台の上に 3つの光ファイバ束 5 la, 51b, 51cを平行に並べて置いて、かつ各先端部、すなわち図 5において点線 P 2で示す左側の部分を、同じ方向に折り曲げて接着剤を付けて成形することができる。そして、 3つの光ファイバ束 51a, 51b, 51c (以下、 3つの光ファイバ束を纏めて 51 ということもある）は基端側において、途中で、図 6に示すようにその断面が俵積みのように束ねられている。その断面を俵積みの形状にすることは、形を崩れ難くし、省スペースとなる。

[0053] ところが、 3つの光ファイバ束 51の先端側の部分を図 5に示すように同じ方向に折り曲げて成形してしまうと、 3つの光ファイバ束 51を挿入部 3の先端硬質部 31に組み付けるときに、 3つのうちの 1つの光ファイバ束 51cだけ力挿入部 3の先端硬質部 31に挿入されたときに捩れる量が大きくなつてしまう。

[0054] そこで、図 7に示すように、 3つのうちの 1つの光ファイバ束 51cだけを、平面台上に置いて成形するときに、他の 2つの光ファイバ束 51a, 51bの折り曲げ向きとは、先端の折り曲げ向きを異なる方向にして成形する。 3つのうちの 2つの光ファイバ束 51a, 51bは、同じ方向に向けて、 1つの光ファイバ束 51cだけを異なる方向である逆方向に向けた状態で成形する。このようにすることによって、上述したように 3つの光フアイバ束 51のうち 1つだけが、先端部 10に組み付けるときに捩れる量が大きくなるということがなくなる。

[0055] さらに、内視鏡 1を製造後、検査等した際に、撮像ユニット 32だけが故障のために交換しなければならないという事態が発生する場合がある。しかし、上述したように、撮像ユニット 32を先端硬質部 31へ固定するときに、先端硬質部 31内に、シリコンゴム等の充填材剤を充填することによって行うと、実質的には先端硬質部 31から撮像ユニット 32のみを取り外すことができな!/、。

[0056] そこで、図 8に示すように、内視鏡 1の挿入部 3の先端部 10において、撮像ユニット 32の周囲に、フィルム部材であるマスキングフィルムが設けられた状態で充填材 62 が充填されている。図 8は、マスキングフィルム 61が撮像ユニット 32の周囲に設けられている先端部 10の断面図である。図 8において、図 3と同じ構成要素については同じ符号を付し、説明は省略する。

[0057] 図 8に示すように、撮像ユニット 32の周囲に、マスキングフィルム 61が設けられており、特に、先端硬質部 31内において、撮像ユニット 32と、周囲の内蔵物例えばライトガイドユニット 33と力充填材 62のみを介して固定されていない。すなわち、先端硬質部 31内において、撮像ユニット 32と、周囲の内蔵物とが先端硬質部 31に対して固定される力撮像ユニット 32と、周囲の内蔵物とは相互にマスキングフィルム 61を介して固定されるように、マスキングフィルム 61が撮像ユニット 32の周囲に設けられている。マスキングフィルム 61は、撮像ユニット 32の周囲に一重でもよいし、二重以上重ねて巻かれるように設けられる。

[0058] このように、先端硬質部 31内において、マスキングフィルム 61が撮像ユニット 32の周囲に設けられているので、撮像ユニット 32のみを先端硬質部 31内から引き抜こうとすると、マスキングフィルム 61があるために、マスキングフィルム 61の内側に包み込むように配置された撮像ユニット 32のみ力マスキングフィルム 61と共に、あるいはマスキングフィルム 61からはがれるようにして、先端硬質部 31内から引き抜くことができる。

[0059] よって、撮像ユニット 32を先端硬質部 31へ固定するときに、先端硬質部 31内に、シリコンゴム等の充填材剤を充填することによって行っても、先端硬質部 31から撮像ユニット 32のみを取り外すことができる。

[0060] 以上のように、本実施の形態によれば、 3つの照明窓を有する内視鏡であっても、 3 つの照明窓力もの光をバランスよく分配し、観察性のよい内視鏡を実現することができる。

産業上の利用可能性

[0061] 以上のように、本発明にかかる内視鏡は、体腔内の所望の被写体の画像を鮮明に撮像する処理に有用であり、特に、被検者の体腔内の画像を画面表示して被検者の体腔内を観察するための内視鏡装置に適している。

Claims

請求の範囲

[1] 挿入部を有し、撮像素子によって得られた観察画像の表示を行う内視鏡装置に用いられる内視鏡であって、

被写体からの反射光を前記撮像素子へ導入するために、前記挿入部の先端部の先端面に設けられた観察窓と、

前記被写体を照明するために照明光を出射する、前記先端部の前記先端面において前記観察窓の周囲に設けられた複数の照明手段と、

前記観察窓の表面に対して液体を送水するための、前記挿入部の前記先端部の前記先端面に設けられた送水ノズルと、を有し、

前記複数の照明手段力出射される前記照明光が前記送水ノズルに当たらないように、前記照明手段による照射範囲の略中央の軸は、前記観察窓を含む観察光学系の光軸の観察方向の先の点から離間する方向に、前記観察光学系の光軸に対して傾、て、ることを特徴とする内視鏡。

[2] 挿入部を有し、撮像素子によって得られた観察画像の表示を行う内視鏡装置に用いられる内視鏡であって、

前記先端部の先端面において前記観察窓の周囲に設けられ、前記被写体を照明するために照明光を出射する複数の照明手段と、

前記先端部の先端面に設けられ、前記観察窓の表面に対して液体を送水する送水ノズルと、を有し、

前記先端部の先端面は、平坦な頂部と該頂部力後方に向力つて広がる態様で傾斜する傾斜部とを有し、前記観察窓および前記送水ノズルは、前記頂部に設けられ、前記複数の照明手段は、前記傾斜部の傾斜に沿って設けられたことを特徴とする内視鏡。

[3] 前記観察光学系の光軸は、前記送水ノズルの管路の長手方向の軸と同一方向であることを特徴とする請求項 1に記載の内視鏡。

[4] 前記複数の照明手段による各照射範囲の略中央の軸は、前記頂部の平坦面の法線に対し、該法線方向の前記被写体側の先の点から離間する方向に傾、て、ることを特徴とする請求項 2に記載の内視鏡。

[5] 前記複数の照明手段の数は、少なくとも 3つであることを特徴とする請求項 1一 4の V、ずれか一つに記載の内視鏡。