JP5603583B2 - 内視鏡 - Google Patents

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本発明は、内視鏡に関するものである。
従来、観察範囲を適正に照明するために、内視鏡の挿入部の先端に配置したLEDチップの外側に、LEDチップ全体を取り囲むように配置した反射枠を備える側視型の内視鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この特許文献1の内視鏡は、挿入部の先端に取り付けたLEDチップおよび対物光学系を覆うように挿入部の先端側から長手軸方向にキャップ状の外枠部材を挿入して、該外枠部材の開口部内にLEDチップを配置し、該開口部に径方向の外側から反射枠を取り付けることによって、LEDチップ全体を取り囲むようにしている。
特開2006−192027号公報
しかしながら、外枠部材の開口部に径方向の外側から反射枠を取り付ける特許文献1の構造では、反射枠が外側に脱落する可能性があり、挿入部を被観察対象に挿入した状態で反射枠が脱落すると、脱落した反射枠が被観察対象内に残される不都合が考えられる。
特に、反射枠は、LEDチップから発せられる全ての波長の光を漏れなく反射するために、銀メッキ等の反射率の高い表面処理を行う必要がある。しかしながら、母材をアルミニウムにすると銀メッキの接着性が低く、反射性能を向上することができないので、真鍮のように銀メッキの接着性の高い高融点の金属材料を母材として使用することが望まれる。
すなわち、上述したように脱落する恐れのある特許文献1の内視鏡では、反射枠として高融点金属材料を用いることができず、LEDチップの照明特性を十分に利用することができないおそれがあった。
そこで、反射枠の脱落をより確実に防止することができる内視鏡を提供することが望まれていた。
本発明は、挿入部の先端側部配置され、照明光を照射する光源部と、前記挿入部の先端側部に、前記光源部に隣接して配置された撮像光学系と、前記光源部の周囲を取り囲んで配置された反射面を有するリング状のリフレクタ部材と、前記挿入部を先端側から挿入するキャップ状の外枠部材と該外枠部材の側面に、前記挿入部の先端を挿入させた状態で前記光源部および前記リフレクタ部材に対応する位置に配置され、前記リフレクタ部材の反射面の最外径よりも大きな口径を有し、前記光源部および前記リフレクタ部材を露出させる開口部該開口部から前記外枠部材内に挿入され、前記リフレクタ部材の周囲に嵌合された状態で該リフレクタ部材と前記外枠部材との間の隙間を閉塞する円環状に形成された閉塞部材と、前記リフレクタ部材の周囲に設けられ、前記閉塞部材の先端が前記リフレクタ部材の先端から突出する位置に前記閉塞部材を位置決めする段部とを備え、該段部の外径寸法が、前記開口部の口径よりも大きい内視鏡を提供する。
本発明によれば、挿入部の先端を外枠部材に挿入すると、挿入部の先端が外枠部材によって覆われるとともに、外枠部材に設けられた開口部から光源部およびリフレクタ部材が露出して、光源部から発せられリフレクタ部材によって反射された照明光が開口部から、挿入部の径方向外方に照射される。開口部より外形の大きな段部をリフレクタ部材の周囲に設けることにより、リフレクタ部材が開口部を介して径方向に脱落することが防止される。したがって、リフレクタ部材として真鍮等の高融点金属材料を使用することが可能となり、銀メッキ等の表面処理を施すことで、光源部からの照明光をより確実に外部に照射することが可能となる。
また、本発明においては、前記挿入部の先端に、前記リフレクタ部材に隣接する位置に配置された撮像光学系と、前記開口部から前記挿入部の径方向に挿入されて、少なくとも前記撮像光学系と前記リフレクタ部材との間において、前記リフレクタ部材と前記外枠部材との隙間を閉塞する位置に配置される閉塞部材とを備える。このようにすることで、光源部から発せられリフレクタ部材によって反射された照明光が被観察対象に照射されると、被観察対象における照射範囲において反射されて戻る戻り光が、光源部に隣接して配置されている撮像光学系に入射され、撮像される。リフレクタ部材を取り付けた挿入部の先端に対して挿入部の長手軸方向に外枠部材を挿入する必要から、リフレクタ部材と外枠部材との間に隙間が形成されるが、開口部から挿入部の径方向に挿入された閉塞部材によって隙間が閉塞されるので、光源部から発せられリフレクタ部材の先端から外側に回り込んだ照明光が、撮像光学系側に漏れてしまう不都合の発生を防止することができる。
また、本発明においては、前記閉塞部材が、前記リフレクタ部材を取り囲む円環状に形成されているので、リフレクタ部材と外枠部材との隙間を全周にわたって閉塞することができ、漏れ光が撮像されてしまう不都合の発生をより確実に防止することができる。
上記発明においては、前記閉塞部材が、前記段部に突き当たった状態で、前記リフレクタ部材の先端から突出する長さ寸法を有することが好ましい。
また、上記発明においては、前記閉塞部材は、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂、またはエンジニアリングプラスチックから形成されることが好ましい。
また、上記発明においては、前記リフレクタ部材が、前記光源部から発せられる照明光を前記撮像光学系の観察範囲に指向させるテーパ内面状の前記反射面を有し、該反射面に銀メッキが施されていることが好ましい。
このようにすることで、リフレクタ部材の反射面の高い反射率を達成し、光源部から発せられた照明光を漏れなく被観察対象に照射することができる。
また、上記発明においては、前記リフレクタ部材が、前記閉塞部材に比べて融点の高い真鍮から形成されることが好ましい。
また、上記発明においては、前記開口部が、光学的に透明な材質からなる窓部材によって密閉されていてもよい。
このようにすることで、窓部材によって密閉された開口部を介して外枠部材の外部から内部への塵埃等の侵入が防止され、光源部およびリフレクタ部材を清浄な状態に維持することができる。
また、上記発明においては、前記窓部材が、前記閉塞部材を前記開口部から挿入し前記段部に突き当てて位置決めした後に前記開口部に嵌め込まれて接着されることにより、前記開口部を密閉することが好ましい。
本発明によれば、反射枠の脱落をより確実に防止することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る内視鏡を示す先端部分の部分的な縦断面図である。 図1の内視鏡の先端部から外枠部材を取り外した状態を示す部分的な縦断面図である。 図1の内視鏡の先端部から外枠部材等を分解した状態を示す部分的な縦断面図である。 図2の内視鏡の先端部に外枠部材を取り付けた状態を示す部分的な縦断面図である。 図4の内視鏡の先端部に開口部からリング状の閉塞部材を挿入した状態を示す部分的な縦断面図である。 図5の内視鏡の先端部の開口部にガラス板を組み付けた状態を示す部分的な拡大縦断面図である。
本発明の一実施形態に係る内視鏡1について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡1は、図1に示されるように、被観察対象に挿入される細長い挿入部2を備えている。
挿入部2の先端には、径方向外方に向けて照明光を照射するLEDパッケージ(光源)3と、該LEDパッケージ3の周囲を取り囲む位置に配置されたリフレクタ部材4と、LEDパッケージ3に挿入部2の長手軸方向に隣接する位置に配置された撮像光学系5を構成するプリズム6およびレンズ7とが固定されている。
また、挿入部2の先端には、外枠部材8が装着されている。
LEDパッケージ3は、LEDチップ(図示略)の周囲を透明な樹脂でモールドすることにより、略半球形に構成されている。
リフレクタ部材4は、LEDパッケージ3の周囲を取り囲む円環状に形成され、LEDパッケージ3から発せられた照明光を反射して所定の観察範囲に指向させるテーパ内面状の反射面4aを有している。リフレクタ部材4は、真鍮等のような高融点の金属材料により構成された、その少なくとも反射面4aには銀メッキが施されている。
撮像光学系5は、外枠部材8に設けられた対物レンズ9と、挿入部2先端に固定されたプリズム6と、該プリズム6により反射された光を集光する集光レンズ7とを備えている。対物レンズ7は、負の屈折力を有し、挿入部2の先端の径方向外方に配置されている広い観察範囲からの光を集めて略平行な光束としてプリズム6に入射させるようになっている。プリズム6は、対物レンズ7側から入射されてきた光を挿入部2の長手軸方向に反射させて、その後段に配置されている集光レンズ7に入射させるようになっている。集光レンズ7はプリズム6側から入射された光を集光してその後段に配置されている撮像素子(図示略)に入射させるようになっている。
外枠部材8は、挿入部2の先端側から長手軸方向に沿って挿入される略円筒のキャップ状に形成されている。外枠部材8は、その側面に、該外枠部材8が挿入部2の先端に装着された状態で、挿入部2に設けられているLEDパッケージ3に対向することとなる位置に、半径方向に貫通する開口部10を備えている。
この開口部10は、略円形に形成され、リフレクタ部材4の反射面4aの最外径よりも若干大きな口径を有している。また、リフレクタ部材4には、その外周に、反射面4aの最外径よりも半径方向外方に突出する段部4bが形成されている。この段部4bの外径寸法は、開口部10の口径よりも若干大きく形成されている。これにより、リフレクタ部材4により反射された光は、開口部10を通じて半径方向外方に放出される一方、リフレクタ部材4は、開口部10を通過できないようになっている。
リフレクタ部材4の先端の半径方向位置は、外枠部材8の内面位置よりも若干半径方向内方に位置している。これにより、外枠部材8を挿入部2の先端に長手軸方向に沿って挿入できるようになっている。
また、開口部10に対して外枠部材8の軸方向に隣接する位置には、外枠部材8が挿入部2の先端に装着された状態で、挿入部2に設けられているプリズム6に対向することとなる位置に開口する入射窓部11が設けられ、該入射窓部11は上述した対物レンズ9によって密封状態に閉塞されている。
リフレクタ部材4の周囲には、アルミニウムまたはアルミニウム合金により構成された円環状のリング部材(閉塞部材)12が嵌合されている。リング部材12はリフレクタ部材4の周囲に設けられた段部4bに突き当たってリフレクタ部材4に対して位置決めされるようになっている。
また、閉塞部材は、樹脂やエンジニアリングプラスチックで形成してもよい。この場合、アルミニウムまたはアルミニウム合金と比較して形成が容易であるため好ましい。
すなわち、閉塞部材は、アルミニウムと同等の低融点材料を用いることにより、ジェットエンジン等の高温の被観察対象において、該閉塞部材が脱落した場合であっても、被観察対象に影響を及ぼすことを抑制できる。
リング部材12は、段部4bに突き当たった状態で、リフレクタ部材4の先端から突出する程度の長さ寸法を有している。外枠部材8を挿入部2の先端に挿入して、開口部10がLEDパッケージ3に対向する位置に配置された状態で、リング部材12を開口部10から挿入してリフレクタ部材4に嵌合させ、リフレクタ部材4の段部4bに突き当たる位置まで挿入すると、リング材12によって、リフレクタ部材4の周囲において、挿入部2側と外枠部材8側との間の隙間が閉塞され、リフレクタ部材4によって反射された光が全て開口部10から外枠部材8の半径方向外方に出射されるようになっている。
すなわち、リフレクタ部材4と開口部10との間の隙間が塞がれることで、撮像光学系5を構成しているプリズム6と対物レンズ9との間の隙間も閉塞され、リフレクタ部材4において反射された照明光が撮像光学系5内へ回り込んでしまうことが防止できるようになっている。
このリング部材12がリフレクタ部材4に嵌合された状態で、開口部10がガラス板13によって密封状態に閉塞されている。
次に、このように構成された本実施形態に係る内視鏡1の組立方法について説明する。
図2に示されるように、挿入部2の先端部に、ベース部材14を取付スリーブ15によって固定する。
ベース部材14には、LEDパッケージ3、リフレクタ部材4、プリズム6および集光レンズ7を固定しておく。
この状態で、ベース部材14の位置における最外径寸法は、外枠部材8の内径寸法より十分に小さく形成されており、図3に示されるように、ベース部材14の先端側から近接させた外枠部材8を、図4に示されるように挿入部2の先端に被せるように装着することができる。装着前の状態で、外枠部材8の入射窓部11は、対物レンズ9を固定することによって密封しておき、開口部10は開放状態にしておく。外枠部材8を装着した後には、図5に示されるように、ネジ16を締結することによって外枠部材8をベース部材14に固定する。
そして、この状態で、図5に示されるように、ガラス板13が取り付けられずに開口している開口部10がLEDパッケージ3およびリフレクタ部材4に一致しているので、開口部10からリフレクタ部材4の先端部の外側にリング部材12を挿入する。リフレクタ部材4には半径方向外方に突出する段部4bが設けられているので、挿入されたリング部材12は段部4bに突き当たってその位置に固定される。
この後に、図6に示されるように、開口部10にガラス板12を嵌め込んで接着し開口部10を密封することにより、本実施形態に係る内視鏡1が組み立てられる。
このように構成された本実施形態に係る内視鏡1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る内視鏡を用いて被観察対象を観察するには、外枠部材8によって先端部が被覆された挿入部2を被観察対象の内部に挿入し、LEDパッケージ3に電力を供給して照明光を発生させる。LEDパッケージ3から発生した照明光は、周囲に配置されているリフレクタ部材4の反射面4aによって反射される。
LEDパッケージ3およびリフレクタ部材4は挿入部2の半径方向外方に向けて配置されており、LEDパッケージ3から発せられリフレクタ部材4によって反射された照明光は、開口部10を閉塞しているガラス板12を透過して、挿入部2の半径方向外方に配置されている被観察対象の内面の観察範囲を照明するようになる。
観察範囲に照射された照明光は、観察範囲において反射して挿入部2の方向に戻り、その一部が開口部12に隣接している対物レンズ9によって集光されて、外枠部材8内のプリズム6に入射され、集光レンズ7によって集光されて、図示しない撮像素子によって撮影される。
この場合において、本実施形態に係る内視鏡1によれば、リフレクタ部材4として真鍮等の高融点金属材料を用いており、反射面4aに銀メッキが施されているので、LEDパッケージ3から発せられた照明光を広い波長範囲にわたって反射し、観察範囲に照射することができる。これにより、観察精度を向上することができる。
また、高融点金属材料からなるリフレクタ部材4は、外枠部材8外に脱落した場合には、被観察対象内に留置される問題が発生するが、本実施形態に係る内視鏡1によれば、そのような問題はない。すなわち、本実施形態に係る内視鏡1によれば、照明光を出射する開口部10の内径寸法よりも、リフレクタ部材4に設けられた段部4bの外径寸法が大きく形成されているので、開口部10を閉塞しているガラス板12が、被観察対象内において破損したとしても、開口部10からリフレクタ部材4が外部に脱落することを防止することができる。
そして、上記構成を採用するために、ベース部材14側にリフレクタ部材4を固定して、その上から挿入部2の軸方向にキャップ状の外枠部材8を被せる構成を採用したので、図6に示されるように、外枠部材8とリフレクタ部材4との間に挿入のための隙間Aが形成されるが、この隙間Aは、アルミニウムまたはアルミニウム合金製のリング部材12によって閉塞されているので、その隙間Aを介して、LEDパッケージ3からの照明光が撮影光学系5側に漏れることが確実に防止される。
このように構成することで、被観察対象内において、仮に、ガラス板13が破損して、開口部10からリング部材12が外部に脱落しても、リング部材12は、アルミニウム等の低融点金属材料によって構成されているので、被観察対象内に留置されても問題とはならない。
また、リング部材12によってリフレクタ部材4側から撮影光学系5側に漏れる照明光の経路を遮断しているので、LEDパッケージ3としては、大電流で駆動される高輝度のものを採用することができる。これにより、明るい照明光を出射して、鮮明な観察画像を得ることができるという利点がある。
なお、閉塞部材としてのリング部材12を円環状に形成することで、リフレクタ部材4に設ける段部4bの大きさを最小限に抑えつつ、円形の開口部10からの脱落を確実に防止することとしたが、これに代えて、他の形状を採用することにしてもよい。
1 内視鏡
2 挿入部
3 LEDパッケージ(光源部)
4 リフレクタ部材
4a 反射面
5 撮像光学系
8 外枠部材
10 開口部
12 リング部材(閉塞部材)
13 ガラス板(窓部材)

Claims (7)

  1. 挿入部の先端側部に配置され、照明光を照射する光源部と、
    前記挿入部の先端側部に、前記光源部に隣接して配置された撮像光学系と、
    前記光源部の周囲を取り囲んで配置された反射面を有するリング状のリフレクタ部材と、
    前記挿入部を先端側から挿入するキャップ状の外枠部材と、
    該外枠部材の側面に、前記挿入部の先端を挿入させた状態で前記光源部および前記リフレクタ部材に対応する位置に配置され、前記リフレクタ部材の反射面の最外径よりも大きな口径を有し、前記光源部および前記リフレクタ部材を露出させる開口部と、
    該開口部から前記外枠部材内に挿入され、前記リフレクタ部材の周囲に嵌合された状態で該リフレクタ部材と前記外枠部材との間の隙間を閉塞する円環状に形成された閉塞部材と、
    前記リフレクタ部材の周囲に設けられ、前記閉塞部材の先端が前記リフレクタ部材の先端から突出する位置に前記閉塞部材を位置決めする段部とを備え、
    該段部の外径寸法が、前記開口部の口径よりも大きい内視鏡。
  2. 前記閉塞部材が、前記段部に突き当たった状態で、前記リフレクタ部材の先端から突出する長さ寸法を有する請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記閉塞部材は、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂、またはエンジニアリングプラスチックから形成される請求項1または請求項2に記載の内視鏡。
  4. 前記リフレクタ部材が、前記光源部から発せられる照明光を前記撮像光学系の観察範囲に指向させるテーパ内面状の前記反射面を有し、
    該反射面に銀メッキが施されている請求項1に記載の内視鏡。
  5. 前記リフレクタ部材が、前記閉塞部材に比べて融点の高い真鍮から形成される請求項4に記載の内視鏡。
  6. 前記開口部が、光学的に透明な材質からなる窓部材によって密閉されている請求項1に記載の内視鏡。
  7. 前記窓部材が、前記閉塞部材を前記開口部から挿入し前記段部に突き当てて位置決めした後に前記開口部に嵌め込まれて接着されることにより、前記開口部を密閉する請求項6に記載の内視鏡。
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