JP2018169532A - 擬似接着ラベル - Google Patents

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Abstract

【課題】分離基材にカールが発生するのを抑制することができ、しかも、第一樹脂層表面へのボールペン筆記性を良好なものとして、分離基材の裏面をボールペンによる書き込み用スペースとして利用することもできる、擬似接着ラベルを提供する。【解決手段】本発明の擬似接着ラベルは、基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着され、第一樹脂層は、スチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であり、第二樹脂層は、オレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された層であるものとした。【選択図】図1

Description

本発明は、擬似接着ラベルに関する。
擬似接着ラベルは、被着体に貼付した後、擬似接着した層間を起点として基材を容易に剥離できるラベルであり、例えば、配送伝票や情報隠蔽ラベル等として実用化されている。
このような擬似接着ラベルとして、特許文献1には、基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着された擬似接着ラベルが開示されている。特許文献1に記載の擬似接着ラベルは、第一樹脂層がポリエチレン又はポリプロピレンにより構成され、第二樹脂層がポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、又はポリプロピレンにより構成されている。
このような構成を有する擬似接着ラベルは、粘着剤層により被着体に貼付した後、擬似接着された第一樹脂層と第二樹脂層の層間で容易に剥離できる性質を利用し、所望のタイミングで、基材が第一樹脂層とともに第二樹脂層から剥離される。
特許第4870998号
以降の説明では、第二樹脂層から剥離されて擬似接着ラベルから分離される基材と第一樹脂層とをまとめて「分離基材」ともいう。また、「分離基材の表面」は、基材の第一樹脂層積層面とは反対側の面とし、「分離基材の裏面」は、第一樹脂層の基材積層面とは反対側の面とする。
特許文献1に記載の擬似接着ラベルは、分離基材にカールが発生する問題がある。分離基材にカールが発生すると、嵩張って取扱性や保管性が悪くなる。また、分離基材の表面の印字や画像等の情報が読み取り難くなる。
ところで、分離基材の表面には印字された情報等が多く含まれており、メモ書き等の書き込みを行うスペースが少ない場合もある。そこで、分離基材の裏面を当該スペースとして利用することができれば便利であると考えられる。また、配送業者等において、メモ書き等の書き込みは、ボールペンで行われることが多い。そこで、当該スペースに対してボールペンでの筆記性を良好なものとすることが望ましいと考えられる。
ここで、分離基材の裏面には第一樹脂層が存在している。したがって、分離基材の裏面をメモ書き等の書き込み用スペースとして利用するためには、第一樹脂層表面へのボールペン筆記性を良好なものとする必要がある。
しかしながら、特許文献1に開示されている擬似接着ラベルでは、第一樹脂層表面へのボールペン筆記性が悪く、分離基材裏面をボールペンによる書き込みスペースとして利用できない。
本発明は、分離基材にカールが発生するのを抑制することができ、しかも、第一樹脂層表面へのボールペン筆記性を良好なものとして、分離基材の裏面をボールペンによる書き込み用スペースとして利用することもできる、擬似接着ラベルを提供することを目的とする。
本発明者らは、基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着された擬似接着ラベルについて、第一樹脂層と第二樹脂層とを、互いに異なる特定の樹脂組成物から形成された層とすることで、上記課題を解決し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[6]に関する。
[1]基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着されており、
第一樹脂層は、スチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であり、
第二樹脂層は、オレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された層である、擬似接着ラベル。
[2]スチレン系樹脂の含有量が、第一樹脂組成物の全量基準で、50質量%以上である、上記[1]に記載の擬似接着ラベル。
[3]スチレン系樹脂が、共役ジエン由来の構成単位を有する、上記[1]又は[2]に記載の擬似接着ラベル。
[4]オレフィン系樹脂の含有量が、第二樹脂組成物の全量基準で、50質量%以上である、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の擬似接着ラベル。
[5]オレフィン系樹脂が、炭素数2〜4のオレフィン由来の構成単位を有する、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の擬似接着ラベル。
[6]炭素数2〜4のオレフィン由来の構成単位の含有量が、オレフィン系樹脂の全構成単位に対して、50質量%以上である、上記[5]に記載の擬似接着ラベル。
本発明の擬似接着ラベルは、分離基材にカールが発生するのを抑制することができる。しかも、第一樹脂層表面へのボールペン筆記性も良好であり、分離基材裏面をボールペンによる書き込みスペースとして利用することもできる。
本発明の擬似接着ラベルの一態様を示す断面模式図である。
以下、本発明について、実施形態を用いて詳細に説明する。
なお、本発明において、例えば、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」と「メタクリル酸」の双方を示し、他の類似用語も同様である。
本発明において、好ましい数値範囲(例えば、含有量等の範囲)について、段階的に記載された下限値及び上限値は、それぞれ独立して組み合わせることができる。例えば、「好ましくは10〜90、より好ましくは30〜60」という記載から、「好ましい下限値(10)」と「より好ましい上限値(60)」とを組み合わせて、「10〜60」とすることもできる。
<擬似接着ラベルの構成>
本発明の擬似接着ラベルは、基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着されている構成を有するものであれば、特に限定されない。
図1は、本発明の擬似接着ラベルの構成を示す、擬似接着ラベルの断面模式図である。
本発明の擬似接着ラベルは、図1に示す擬似接着ラベル1のように、基材11、第一樹脂層12、第二樹脂層13、粘着剤層14、及び剥離シート15がこの順に積層され、第一樹脂層12と第二樹脂層13が層間Aで擬似接着されている。
本発明の擬似接着ラベルは、第一樹脂層12はスチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であり、第二樹脂層13はオレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された層である。これにより、第一樹脂層12と第二樹脂層13を層間Aで擬似接着することができる。
なお、図1で層間Aとして図示された線は、第一樹脂層12と第二樹脂層13とが直接積層されていることを示す強調線である。つまり、第一樹脂層12と第二樹脂層13との間に別の層が設けられているわけではない。
なお、「擬似接着」とは、特定の条件(温度範囲など)で貼合させた層間において、層間剥離による剥離が可能であるが、剥離後には再接着性・粘着性を示さない態様の接着をいう。
本発明の擬似接着ラベルの場合、第一樹脂層12と第二樹脂層13との層間Aにおいて、層間剥離による剥離が可能であるが、剥離後の第一樹脂層12の層間A側表面、及び、第二樹脂層13の層間A側表面は、再接着性・粘着性を示さない。
本発明の擬似接着ラベルは、剥離シート15を剥離して粘着剤層14により被着体に貼付した後、基材11が第一樹脂層12とともに第二樹脂層13から剥離され、分離基材21と被着体側残留部22とに分離される。
ここで、本発明の擬似接着ラベルでは、第一樹脂層12がスチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であることによって、分離基材21のカールの発生が抑制される。したがって、擬似接着ラベルにおける従来の問題、すなわち、分離基材にカールが発生して嵩張ることによる取扱性及び保管性の悪化の問題や、分離基材の表面の印字や画像等の情報が読み取り難くなる問題が解決される。
また、本発明の擬似接着ラベルは、第一樹脂層12がスチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であることによって、第一樹脂層12表面へのボールペン筆記性を良好なものとできる。したがって、分離基材21の裏面をボールペンによる書き込みスペースとして有効利用できる。
以下、本発明の擬似接着ラベルの各構成部材について、詳細に説明する。
<基材>
本発明の擬似接着ラベルが有する基材については、特に制限がなく、従来の擬似接着ラベルにおいて使用されている基材の中から、当該擬似接着ラベルの使用目的に応じて適宜選択される。
基材の厚さは、擬似接着ラベルの用途に応じて適宜選択されるが、取扱性の観点から、好ましくは10〜200μm、より好ましくは20〜150μm、更に好ましくは30〜100μmである。
このような基材としては、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙、合成繊維紙等の紙類、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等の樹脂フィルム、合成紙、及びこれらを2層以上積層した積層シート等が挙げられる。
ここで、本発明の擬似接着ラベルが有する基材は、感熱発色性を有することが好ましい。基材が感熱発色性を有することで、感熱式プリンター等による印刷・印字が可能になる。
感熱発色性を有する基材は、基材の第一樹脂層積層面とは反対側の面に、感熱発色層が設けられたものであることが好ましい。感熱発色層としては、例えば、ロイコ染料と、ロイコ染料に反応する顕色剤とを含有するものが挙げられる。
感熱発色層は、例えば、上記のロイコ染料及び顕色剤に加えて、適宜バインダー、ワックス、溶剤等を含有する塗布液を、基材の第一樹脂層積層面とは反対側の面に塗布することで形成される。
また、本発明の擬似接着ラベルが被着体の記載事項の隠蔽用に用いられる場合、隠蔽性を有する基材を用いることが好ましい。隠蔽性を有する基材としては、例えば、紙類及び合成紙等の不透明基材や、透明基材である樹脂フィルムに隠蔽性を付与する黒色塗料と印刷の下地となる白色塗料を重ね塗りした不透明基材等が挙げられるが、隠蔽性に加えて印刷・印字性も良好なものとする観点からは、紙類及び合成紙等の不透明基材を用いることが好ましい。なお、紙類及び合成紙等の不透明基材を用いる場合、さらなる隠蔽性向上のために、不透明基材の感熱発色層側とは反対面に黒色コート処理等を施してもよい。
<第一樹脂層>
本発明の擬似接着ラベルが有する第一樹脂層は、第一樹脂組成物から形成される。
第一樹脂層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは5〜50μm、より好ましくは5〜40μm、更に好ましくは10〜40μm、より更に好ましくは10〜30μmである。
ここで、分離基材のカール発生をより抑制し易くする観点から、第一樹脂層の厚さは、基材の厚さに応じて厚くするのが好ましい。具体的には、(基材の厚さ)/(第一樹脂層の厚さ)は、好ましくは1〜10、より好ましくは2〜9、更に好ましくは3〜8、より更に好ましくは4〜6である。
第一樹脂組成物は、スチレン系樹脂を含むものであるが、共役ジエンの重合体粒子を含んでいてもよく、また、本発明の効果を損なわない範囲で、スチレン系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。さらに、必要に応じて樹脂フィルム用の添加剤等を含んでいてもよい。
第一樹脂組成物中のスチレン系樹脂の含有割合としては、第一樹脂組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは80〜100質量%であり、更になお好ましくは90〜100質量%である。
以下、第一樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
なお、本発明において、「第一樹脂組成物の有効成分の全量に対する各成分の含有量」は、「当該第一樹脂組成物から形成された第一樹脂層中の各成分の含有量」とみなすこともできる。
[スチレン系樹脂]
スチレン系樹脂は、スチレン系化合物(a1’)(以下、「モノマー(a1’)」ともいう)に由来の構成単位(a1)を少なくとも有する重合体である。
スチレン系樹脂がモノマー(a1’)を有することで、スチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された第一樹脂層と、オレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された第二樹脂層とを擬似接着することが可能になる。また、分離基材のカールの発生を抑えることができる。さらに、当該第一樹脂層の表面のボールペン筆記性も良好なものとできる。
モノマー(a1’)としては、例えば、スチレン、ο−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。
モノマー(a1’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の一態様において、モノマー(a1’)は、スチレンであることが好ましい。
ここで、本発明の一態様において、第一樹脂層の表面のボールペン筆記性をより一層良好なものにするとともに、第一樹脂層と第二樹脂層の層間Aで層間剥離する際に生じるジッピング音を抑制する観点から、スチレン系樹脂は、モノマー(a1’)とともに、共役ジエン(a2’)(以下、「モノマー(a2’)」ともいう)由来の構成単位(a2)を有する共重合体であることが好ましい。擬似接着ラベルの層間Aで剥離する際に、ジッピング音が強く発生する場合は、擬似接着性が不安定である可能性があり、剥離した樹脂の表面が微小なダメージを受ける可能性がある。
モノマー(a2’)としては、例えば、1,3−ブタジエン(ブタジエン)、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2−メチルペンタジエン等が挙げられる。
モノマー(a2’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、共重合体の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであってもよいが、ブロック共重合体及びグラフト共重合体であることが好ましい。
本発明の一態様において、モノマー(a2’)は、スチレンであることが好ましい。
また、本発明の一態様において、スチレン系樹脂は、モノマー(a1’)及び(a2’)以外の他のモノマー(a3’)に由来の構成単位(a3)をさらに有する共重合体としてもよい。
モノマー(a3’)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;(メタ)アクリレート;アクリロニトリル、メタクリロニトリル;無水マレイン酸;ジメチルマレエート;ジメチルフマレート;ジエチルフマレート;エチルフマレート;アクリルアミド等が挙げられる。
なお、共重合体の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
モノマー(a3’)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
スチレン系樹脂を具体的に例示すると、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−アクリル酸メチル−スチレン共重合体(AAS樹脂)、ポリスチレンにポリブタジエン等のポリ共役ジエンをグラフト重合したポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のスチレン−共役ジエンブロック共重合体が挙げられる。
これらの中でも、モノマー(a2’)を含む、ポリスチレンにポリブタジエン等のポリ共役ジエンをグラフト重合したポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、スチレン−ブタジエンブロック共重合体等のスチレン−共役ジエンブロック共重合体が好ましく、ポリスチレンにポリブタジエン等のポリ共役ジエンをグラフト重合したポリスチレン(耐衝撃性ポリスチレン)及びスチレン−ブタジエンブロック共重合体がより好ましい。
なお、スチレン系樹脂が、モノマー(a2’)及び/又はモノマー(a3’)を有する場合、モノマー(a1’)の含有量は、スチレン系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは60〜97質量%、更に好ましくは70〜95質量%、より更に好ましくは75〜95質量%である。
上記のスチレン系樹脂は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。
[共役ジエンの重合体粒子]
本発明の一態様において、スチレン系樹脂は、共役ジエン系重合体粒子を混合してなるポリマーアロイであってもよい。この場合にも、スチレン系樹脂は、そのマトリックス中に分散した状態の共役ジエン由来の構成単位を有する。したがって、第一樹脂層の表面のボールペン筆記性をより一層良好なものにするとともに、第一樹脂層と第二樹脂層の層間Aで層間剥離する際に生じるジッピング音を抑制する効果が奏され得る。
共役ジエン系重合体粒子を構成する共役ジエン系重合体としては、共役ジエンの重合体又は共重合体、共役ジエンとスチレン系化合物の共重合体等が挙げられる。
共役ジエン系重合体が共重合体である場合、共重合体の形態は、特に限定されず、ブロック共重合体、ランダム共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであってもよい。
共役ジエンは、モノマー(a2’)と同様のものが挙げられ、ブタジエンが好ましい。
スチレン系化合物は、モノマー(a1’)と同様のものが挙げられ、スチレンが好ましい。
共役ジエン系重合体の含有量は、スチレン系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは1〜15質量%、より好ましくは2〜13質量%、更に好ましくは4〜10質量%、より更に好ましくは5〜7質量%である。
[その他の添加剤]
本発明の一態様において、第一樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、樹脂フィルムにおいて一般的に使用される添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、及びアンチブロッキング剤等が挙げられる。
例えば、第一樹脂組成物が、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化チタン等の着色剤を含有することで、第一樹脂層に被着体の記載事項に対する隠蔽性を持たせるとともに、ボールペン筆記時の判読性も向上し得る。
なお、これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第一樹脂組成物がこれらの添加剤を含有する場合、添加剤の各含有量は、スチレン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0001〜20質量部、より好ましくは0.0005〜15質量部、更に好ましくは0.001〜10質量部である。
<第二樹脂層>
本発明の擬似接着ラベルにおいて第二樹脂層は、第二樹脂組成物から形成された層である。
第二樹脂層の厚さは、特に限定されないが、第二樹脂層が粘着剤層とともに被着体に残ることを考慮し、被着体に残った後の存在感を小さくするために、薄くすることが好ましい。具体的には、5〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、5〜40μmが更に好ましく、5〜30μmがより更に好ましく、5〜20μmが更になお好ましい。
第二樹脂組成物は、オレフィン系樹脂を含むものであるが、本発明の効果を損なわない範囲で、オレフィン系樹脂以外の他の樹脂を含んでいてもよい。さらに、必要に応じて樹脂フィルム用の添加剤を含んでいてもよい。
第二樹脂組成物中のオレフィン系樹脂の含有割合としては、第一樹脂組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは80〜100質量%であり、更になお好ましくは90〜100質量%である。
以下、第二樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
なお、以下の記載において、「第二樹脂組成物の有効成分の全量に対する各成分の含有量」は、「当該第二樹脂組成物から形成された第二樹脂層中の各成分の含有量」とみなすこともできる。
[オレフィン系樹脂]
オレフィン系樹脂とは、オレフィンモノマーに由来の構成単位を少なくとも有する重合体である。
上記オレフィンモノマーとしては、炭素数2〜8のオレフィンが好ましい。炭素数2〜8のオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、1−ヘキセン等が挙げられる。
本発明の一態様において、上記オレフィンモノマーは、炭素数2〜4のオレフィンであるエチレン、プロピレン、ブチレンであることがより好ましく、炭素数2〜3のオレフィンであるエチレン、プロピレンであることが更に好ましい。
上記オレフィンモノマーは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用して共重合体としてもよい。
オレフィン系樹脂を具体的に例示すると、超低密度ポリエチレン(VLDPE、密度:880kg/m以上910kg/m未満)、低密度ポリエチレン(LDPE、密度:910kg/m以上915kg/m未満)、中密度ポリエチレン(MDPE、密度:915kg/m以上942kg/m未満)、高密度ポリエチレン(HDPE、密度:942kg/m以上)、直鎖状ポリエチレン等のポリエチレン樹脂;ポリプロピレン樹脂(PP);ポリブテン樹脂(PB);エチレン−プロピレン共重合体;オレフィン系エラストマー(TPO);エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(EMMA);エチレン−プロピレン−(5−エチリデン−2−ノルボルネン)等のオレフィン系三元共重合体;等が挙げられ、好ましくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリブテン樹脂(PB)であり、より好ましくはポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂(PP)である。
上記オレフィン系樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、オレフィン系樹脂中における、炭素数2〜4のオレフィンに由来する構成単位の含有量は、オレフィン系樹脂の全構成単位(100質量%)に対して、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは60〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは80〜100質量%、更になお好ましくは90〜100質量%である。
[添加剤]
本発明の一態様において、第二樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、オレフィン系樹脂の他にも、樹脂フィルムにおいて一般的に使用される添加剤を含有してもよい。
このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、滑剤、紫外線吸収剤、着色剤、及びアンチブロッキング剤等が挙げられる。
なお、これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第二樹脂組成物がこれらの添加剤を含有する場合、添加剤の各含有量は、オレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.0001〜20質量部、より好ましくは0.0005〜15質量部、更に好ましくは0.001〜10質量部である。
<粘着剤層>
本発明の擬似接着ラベルが有する粘着剤層は、擬似接着ラベルを被着物に貼着するための層であり、擬似接着ラベルの用途に応じて適宜選択される。具体的には、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤等の粘着剤から形成されるが、耐候性、価格の点からアクリル系粘着剤が好適に用いられる。アクリル系粘着剤としては、例えば、溶剤型アクリル系粘着剤、水系エマルション型アクリル系樹脂等が挙げられる。
粘着剤層の厚みは、擬似接着ラベルの用途に応じて適宜選択されるが、好ましくは1〜50μm、より好ましくは5〜50μm、更に好ましくは10〜40μm、より更に好ましくは10〜30μm、更になお好ましくは10〜20μmである。
<剥離シート>
本発明の擬似接着ラベルが有する剥離シートは、特に限定されず、片面剥離処理された剥離シートや両面剥離処理をされた剥離シート等が用いられ、剥離シート用の基材上に剥離剤を塗布したもの等が挙げられる。
剥離シート用の基材としては、例えば、上質紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙類;ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のオレフィン樹脂フィルム等のプラスチックフィルム;等が挙げられる。
剥離剤としては、例えば、シリコーン系樹脂、オレフィン系樹脂、イソプレン系樹脂、ブタジエン系樹脂等のゴム系エラストマー、長鎖アルキル系樹脂、アルキド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
剥離シートの厚さは、特に制限されないが、好ましくは10〜200μm、より好ましくは25〜170μm、更に好ましくは30〜150μm、より更に好ましくは35〜100μm、更になお好ましくは35〜80μmである。
<擬似接着ラベルの製造方法>
本発明の擬似接着ラベルは、例えば、以下の工程により、基材上に第一樹脂層と第二樹脂層とがこの順で積層され、且つ第一樹脂層と第二樹脂層との間の界面Aが疑義接着された積層体(以下、「擬似接着性積層体」という)を製造した後、当該擬似接着性積層体と粘着剤層とを貼り合わせて製造される。
[擬似接着性積層体の製造方法]
擬似接着性積層体は、例えば、以下の工程(I)及び(II)を含む製造方法にて製造される。
工程(I):基材上に、スチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された第一樹脂層を積層する。
工程(II):第一樹脂層の基材側の面とは反対面に、オレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された第二樹脂層を擬似接着状態となるよう積層する。
工程(I)において、基材上に第一樹脂層を積層する方法は、特に限定されないが、例えば、Tダイを用いて、第一樹脂組成物を基材上に溶融押出する方法等が挙げられる。Tダイにおける押出温度は、スチレン系樹脂が溶融する温度であればよく、通常200〜400℃、好ましくは230〜350℃、より好ましくは250℃〜300℃である。
なお、基材と第一樹脂層の密着性を向上させる観点から、基材をコロナ処理等した後に、第一樹脂層を積層することが好ましい。
工程(II)において、第一樹脂層の基材側の面とは反対面に、第二樹脂層を擬似接着する方法としては、例えば、Tダイを用いて、第二樹脂組成物を第一樹脂層の基材側の面とは反対面に溶融押出する方法等が挙げられる。Tダイにおける押出温度は、オレフィン系樹脂が溶融するとともにこれに接触する第1樹脂層が溶融固着しない程度の温度であればよく、通常200〜400℃、好ましくは230〜350℃、より好ましくは250℃〜300℃で、なお且つ、第一樹脂組成物の押出温度よりも低温であることが好ましい。
ここで、本発明の一態様において、擬似接着性積層体の生産速度を向上させて、擬似接着ラベルの生産速度を向上させる観点から、工程(I)及び(II)は、同時に実施することが好ましい。具体的には、Tダイを用いて、第一樹脂組成物と第二樹脂組成物とを基材上に溶融共押出する方法等が挙げられる。Tダイにおける押出温度は上記と同様である。
[擬似接着ラベルの製造方法]
擬似接着ラベルの製造方法は、上記擬似接着性積層体の第二樹脂層側の面に粘着剤層を形成する工程を有する。
具体的には、剥離シートの剥離処理面に粘着剤を塗布して剥離シートの上に粘着剤層を形成し、その剥離シート上に形成した粘着剤層を擬似接着性積層体の第二樹脂層側の面(第二樹脂層の第一樹脂層との擬似接着面とは反対側の面)に貼り付けることで擬似接着ラベルを製造することができる。あるいは、擬似接着性積層体の第二樹脂層側の面に、定法により粘着剤を塗布して粘着剤層を形成し、さらに粘着剤層に剥離シートを貼り付けてもよい。
なお、擬似接着性積層体の第二樹脂層側の面と粘着剤層の密着性を向上させる観点から、擬似接着性積層体の第二樹脂層側の面をコロナ処理等した後に、粘着剤層を形成することが好ましい。
なお、擬似接着ラベルは、適宜抜き加工が行われてもよい。抜き加工は、例えば、所定のラベルの外郭に沿った抜き刃を使用して剥離シートごと打抜いてもよいし、剥離シートを打抜かないように基材から粘着剤層までをカットし、剥離シートの上に複数の擬似接着ラベルが配列するように形成するしてもよい。また、必要に応じて、個々の擬似接着ラベルの外郭周りの不要部をカスとして剥離シート上から取り除いてもよい。
<擬似接着ラベルの用途>
本発明の擬似接着ラベルは、例えば、配送伝票として使用される。具体的には、擬似接着ラベルの基材にハーフカット線を入れておき、基材を複数片に分離して剥離可能としておく。そして、ハーフカット線で分離された一片の基材が配達票として使用されると共に、他の一片の基材が受領票として使用される。受領票は、通常、捺印又はサイン後に剥がされ、配達業者によって持ち帰られ、伝票整理等に使用される。
本発明の擬似接着ラベルは、分離基材としての受領票のカールの発生が抑えられるので、配達業者が分離基材を持ち帰ったり伝票整理したりする際に嵩張らず、取扱い易い。しかも、分離基材の裏面をボールペン筆記用のスペースとして有効活用できる。したがって、配達業者が何らかの情報を受領票に残しておきたい場合に、当該スペースを利用してボールペンでメモ書きすることができる。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例における物性値は、以下の方法により測定した値である。
<各層の厚さの測定>
株式会社テクロック製の定圧厚さ測定器(型番:「PG−02J」、標準規格:JIS K6783、Z1702、Z1709に準拠)を用いて測定した。
<樹脂組成物>
以下の実施例及び比較例において使用した樹脂組成物の詳細を以下に示す。
(スチレン系樹脂)
・ポリスチレン:汎用ポリスチレン(GPPS)、東洋スチレン株式会社製、商品名「HRM48N」
・共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂1:高衝撃性ポリスチレン(HIPS)、東洋スチレン株式会社製、商品名「トーヨースチロールHI E640N」
・共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂2:スチレン−ブタジエンブロック共重合体、デンカ株式会社製、商品名「クリアレン730L」
(オレフィン系樹脂)
・ポリエチレン:低密度ポリエチレン(LDPE)、日本ポリエチレン株式会社製、商品名「LC8001」
・ポリプロピレン:日本ポリケム製、商品名「OX−1067」
・エチレン−メタクリル酸共重合体:EMMA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ニュクレルN0908C」)
・エチレン−酢酸ビニル共重合体:EVA、三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「エバフレックスEV560」
[実施例1〜3、比較例1〜9]
擬似接着ラベルサンプル(二層共押出)の作製
基材と第一樹脂層と第二樹脂層とをこの順に積層し、且つ、第一樹脂層と第二樹脂層とが共押出により形成された擬似接着ラベルサンプルを、以下の手順で作製した。
繰り出しロールから基材として感熱発色紙(日本製紙株式会社製、商品名「TP60KS−HS」、厚さ:75μm)を繰り出し、感熱発色紙の感熱発色層とは反対面にコロナ処理を施した後、第一樹脂組成物及び第二樹脂組成物を溶融してTダイから2層共押出し、感熱発色紙のコロナ処理面上に第一樹脂組成物から形成された第一樹脂層と第二樹脂組成物から形成された第二樹脂層とをこの順で積層した3層積層体を得た。
Tダイにおける2層共押出時のクーリングロール温度は25℃とし、プレッシャーロール圧は0.03MPaとした。加工速度は60m/分とした。
第一樹脂組成物、第二樹脂組成物、及びこれらの押出温度は、以下の表1に示すとおりとした。
続いて、グラシン紙系の剥離シート(リンテック株式会社製、商品名「8Kアオ」)の剥離剤層側にアクリル系の粘着剤(リンテック株式会社製、商品名「SG」)を乾燥後の塗布厚が20μmとなるように100℃2分で塗布乾燥した。この粘着剤層の面と前記の3層積層体の第二樹脂層とを貼り合わせて粘着シートを作製し、これを擬似接着ラベルサンプル(二層共押出)とした。
[実施例4〜6、比較例10〜18]
擬似接着ラベルサンプル(二層順次積層)の作製
基材上に、第一樹脂層と第二樹脂層とをこの順で一層ずつ単層積層した擬似接着ラベルサンプルを、以下の手順で作製した。
繰り出しロールから基材として感熱発色紙(日本製紙株式会社製、商品名「TP60KS−HS」、厚さ:75μm)を繰り出し、感熱発色紙の感熱発色層とは反対面にコロナ処理を施した後、第一樹脂組成物を溶融してTダイから押出し、感熱発色紙のコロナ処理面に、第一樹脂組成物から形成された第一樹脂層を積層し、2層積層体を作製した。
次いで、この2層積層体をいったんロール状に巻き取って繰り出しロールから繰り出し、2層積層体の第一樹脂層側の面に、第二樹脂組成物を溶融してTダイから押出し、第一樹脂層側の面に、第二樹脂組成物から形成された第二樹脂層を積層し、3層積層体を作製した。
Tダイにおける押出時のクーリングロール温度は25℃とし、プレッシャーロール圧は0.03MPaとした。加工速度は60m/分とした。
第一樹脂層と第二樹脂層の厚さはそれぞれ15μmとした。
第一樹脂組成物、第二樹脂組成物、及びこれらの押出温度は、以下の表1に示すとおりとした。
続いて、擬似接着ラベルサンプル(共押出)と同様、粘着シートを作製し、これを擬似接着ラベルサンプル(二層順次積層)とした。
[比較例A]
上記実施例において基材上に積層した第一樹脂層を積層せずに、基材上に第二樹脂層を直接積層したサンプルを、以下の手順で作製した。
繰り出しロールから基材として感熱発色紙(日本製紙株式会社製、商品名「TP60KS−HS」、厚さ:75μm)を繰り出し、感熱発色紙の感熱発色層とは反対面に第二樹脂組成物を溶融してTダイから押出し、サーマル紙上に厚さ15μmの第二樹脂層を直接積層した。
Tダイにおける押出時のクーリングロール温度、プレッシャーロール圧、及び加工速度は、上記実施例と同様とした。
続いて、擬似接着ラベルサンプル(二層共押出及び二層順次積層)と同様、粘着シートを作製し、これを擬似接着ラベルサンプル(一層積層)とした。
<擬似接着性の評価>
幅5cm、長さ15cmにカットした擬似接着ラベルのサンプルを、室温(23℃)下、引張試験機を用いて、分離基材側を剥離角度180°、剥離速度0.3m/分の条件で剥離し、第一樹脂層と第二樹脂層の層間Aからの剥離が可能か否かを評価した。剥離が可能であったものは、擬似接着性を○と評価し、剥離ができなかったものは、擬似接着性を×と評価した。
また、様々な角度で擬似接着ラベルを手動で剥離し、いずれの条件でも剥離する際にジッピング音が現れなかった場合を○と評価し、ジッピング音が現れる条件が存在した場合を×と評価した。
<剥離後の分離基材のカール評価>
また、剥離が可能であった擬似接着ラベルのサンプルについて、擬似接着性の評価後の分離基材を平坦なテーブルに静置してカールの状態をサンプルの4隅のテーブルからの高さを測定し、カールの状態を以下の分類に基づいて評価した。なお、比較例Aのサンプルについては、第二樹脂層から感熱発色紙を剥離した後のカールの状態を評価した。
・A:4隅のうちの最大値が10mm未満
・B:4隅のうちの最大値が10mm以上40mm未満
・C:4隅のうちの最大値が40mm以上または筒状カール
<筆記性の評価>
第一樹脂層と第二樹脂層との間の界面からの剥離が可能であった擬似接着ラベルのサンプルについて、剥離後の分離基材裏面、すなわち感熱発色紙の裏面に積層している第一樹脂層上への水性および油性ボールペンでの筆記性を評価した。具体的には、上質紙を比較対象とし、筆記性を以下の分類に基づいて評価した。なお、比較例Aのサンプルについては、第一樹脂層が設けられていないことから、感熱発色紙の裏面への筆記性を評価した。
・A:上質紙と同等
・B:上質紙よりも若干筆記性が劣るものの、十分にうまく書ける
・C:上質紙よりも筆記性が劣り、書くにくい
・D:インクが乗らず、筆記性不良
評価結果を表1に示す。なお、表1中、上記の「共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂1」は「共役ジエン含有型スチレン系樹脂1」と略記し、上記の「共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂2」は「共役ジエン含有型スチレン系樹脂2」と略記する。
表1より、以下のことがわかる。
まず、表1の比較例5〜9及び比較例14〜18より、オレフィン系樹脂層同士の組み合わせでは、擬似接着ができないことがわかる。
これに対し、表1の実施例1〜6及び比較例1〜4及び比較例10〜13より、スチレン系樹脂層とオレフィン系樹脂層の組み合わせでは、擬似接着が可能であることがわかる。
また、表1の比較例1〜4及び比較例10〜13より、第一樹脂層をオレフィン系樹脂層とし、第二樹脂層をスチレン系樹脂層とすると、分離基材がカールし、カールを十分に抑えられないことがわかる。
これに対し、表1の実施例1〜6より、第一樹脂層をスチレン系樹脂層とし、第二樹脂層をオレフィン系樹脂とすると、分離基材のカールが弱くなり、分離基材のカール抑制効果を飛躍的に向上させることができることがわかる。
さらに、表1の比較例1〜4及び比較例10〜13より、第一樹脂層をオレフィン系樹脂層とすると、第一樹脂層へのボールペン筆記性が悪いことがわかる。
これに対し、表1の実施例1〜6より、第一樹脂層をスチレン系樹脂層とすることで、第一樹脂層への油性ボールペン筆記性が良好になることがわかる。そして、表1の実施例2〜3及び実施例5〜6より、第一樹脂層を共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂から形成された層とすることで、第一樹脂層への油性ボールペン筆記性がより一層良好になることがわかる。また、第一樹脂層への水性ボールペン筆記性も良好になることがわかる。
また、実施例2〜3及び実施例5〜6のように、第一樹脂層を共役ジエン由来の構成単位を有するスチレン系樹脂から形成された層とすることで、基材を剥離する際に、第一樹脂層と第二樹脂層との層間Aにおける層間剥離時のジッピング音が抑制される効果が確認された。
本発明の擬似接着ラベルは、例えば配送伝票として利用することができる。
1…擬似接着ラベル
11…基材
12…第一樹脂層
13…第二樹脂層
14…粘着剤層
15…剥離シート
A…第一樹脂層と第二樹脂層との層間
21…分離基材
22…被着体側残留部

Claims (6)

  1. 基材、第一樹脂層、第二樹脂層、粘着剤層、及び剥離シートがこの順に積層され、第一樹脂層と第二樹脂層との間が擬似接着されており、
    前記第一樹脂層は、スチレン系樹脂を含む第一樹脂組成物から形成された層であり、
    前記第二樹脂層は、オレフィン系樹脂を含む第二樹脂組成物から形成された層である、擬似接着ラベル。
  2. スチレン系樹脂の含有量が、前記第一樹脂組成物の全量基準で、50質量%以上である、請求項1に記載の擬似接着ラベル。
  3. スチレン系樹脂が、共役ジエン由来の構成単位を有する、請求項1又は2に記載の擬似接着ラベル。
  4. オレフィン系樹脂の含有量が、第二樹脂組成物の全量基準で、50質量%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の擬似接着ラベル。
  5. オレフィン系樹脂が、炭素数2〜4のオレフィン由来の構成単位を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の擬似接着ラベル。
  6. 炭素数2〜4のオレフィン由来の構成単位の含有量が、オレフィン系樹脂の全構成単位に対して、50質量%以上である、請求項5に記載の擬似接着ラベル。
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