JP2018168068A - 抗ポドプラニン抗体及び抗体薬物複合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】結合活性及びエフェクター活性の高い抗ポドプラニン抗体の提供。
【解決手段】可変領域にげっ歯類由来のCDRを有し、定常領域がヒト由来であるヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体であって、軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を有するヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体。抗体と薬物とを結合させてなる抗体薬物複合体。薬物が、抗がん剤、腎臓病治療剤、ラジオアイソトープである抗体薬物複合体
【選択図】なし
【解決手段】可変領域にげっ歯類由来のCDRを有し、定常領域がヒト由来であるヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体であって、軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を有するヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体。抗体と薬物とを結合させてなる抗体薬物複合体。薬物が、抗がん剤、腎臓病治療剤、ラジオアイソトープである抗体薬物複合体
【選択図】なし
Description
本発明は、新たな抗ポドプラニン抗体及び抗体薬物複合体に関する。
ムチン型糖タンパク質ポドプラニン(Podoplanin)は、血小板凝集因子及び癌転移促進因子として知られている。また、ポドプラニンは、脳腫瘍、中皮腫、精巣腫瘍、卵巣がん、各種扁平上皮がん(口腔がん、咽頭がん、食道がん、肺癌、皮膚がん、子宮頸がん)などに高発現していることも知られている。これらの観点から、本発明者らは、これらのがんに対する治療薬を開発すべく、ラット抗ポドプラニンモノクローナル抗体NZ−1抗体(NZ−1)を作製した(非特許文献1)。NZ−1は、ポドプラニンが高発現する肺がん、食道がん、脳腫瘍、悪性中皮腫などのがん細胞に対し、ADCC/CDC活性による抗腫瘍効果をもたらすだけでなく、ポドプラニンとそのレセプターのCLEC−2との結合を阻害し、がん転移を抑制する。さらに、本発明者らは、ラットNZ−1抗体のヒトキメラ型抗体NZ−8抗体(NZ−8)を作製している(特許文献1)。NZ−8は常法に従いκ鎖を用いて作製した抗ポドプラニン抗体NZ−1のヒトキメラ型抗体(ヒトIgG1,kappa)であるが、ADCC/CDC活性を測定したところ、NZ−1と比べ結合活性が減少したにも関わらず、予想を遥かに上回るADCC/CDC活性を示した。さらにin vivoにおいても、非常に高い抗腫瘍活性を示した(特許文献1)。
Kato Y.,Kaneko MK.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,349:1301−1307,2006
しかしながら、前記NZ−8は、強いADCC/CDC活性を有するものの結合活性が十分とは言えなかった。
従って、本発明の課題は、結合活性及びエフェクター活性の高い抗ポドプラニン抗体及び抗体薬物複合体を提供することにある。
従って、本発明の課題は、結合活性及びエフェクター活性の高い抗ポドプラニン抗体及び抗体薬物複合体を提供することにある。
そこで本発明者は、より結合活性及びエフェクター活性の高い抗ポドプラニン抗体を作製すべく種々検討したところ、通常ヒトキメラ化抗体の作製には使用しないヒトλ鎖の定常領域を軽鎖定常領域として導入することにより、全く意外にも、κ鎖を用いたヒトキメラ型抗ポドプラニン抗体(NZ−8)と比較して高い結合活性と高いエフェクター活性を有し、高い抗腫瘍活性を有すること、また、この抗体は予想外にも腎糸球体上皮細胞表面に発現するポドプラニンに結合して腎臓に高集積することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次の〔1〕〜〔15〕を提供するものである。
〔1〕可変領域にげっ歯類由来のCDRを有し、定常領域がヒト由来であるヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体であって、軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を有するヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体。
〔2〕前記ヒトλ鎖の定常領域のアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列、配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列である〔1〕記載の抗体。
〔3〕可変領域に下記a)〜f)に示すポリペプチドを含む〔1〕又は〔2〕記載の抗体。
a)配列番号2に示すアミノ酸配列、配列番号2に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号2に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
b)配列番号3に示すアミノ酸配列、配列番号3に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号3に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
c)配列番号4に示すアミノ酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号4に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
d)配列番号5に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号5に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
e)配列番号6に示すアミノ酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
f)配列番号7に示すアミノ酸配列、配列番号7に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号7に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の抗体と薬物とを結合させてなる抗体薬物複合体。
〔5〕薬物が、抗がん剤である〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔6〕薬物が、腎臓病治療剤である〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔7〕薬物が、ラジオアイソトープである〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する医薬組成物。
〔9〕〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する抗がん薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔10〕〔6〕又は〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病治療薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔11〕〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有するがん診断薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔12〕〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病診断薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔13〕がん治療に使用するための〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体。
〔14〕がん治療薬製造のための、〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体の使用。
〔15〕〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体の有効量を投与することを特徴とするがんの治療方法。
〔2〕前記ヒトλ鎖の定常領域のアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列、配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列である〔1〕記載の抗体。
〔3〕可変領域に下記a)〜f)に示すポリペプチドを含む〔1〕又は〔2〕記載の抗体。
a)配列番号2に示すアミノ酸配列、配列番号2に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号2に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
b)配列番号3に示すアミノ酸配列、配列番号3に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号3に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
c)配列番号4に示すアミノ酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号4に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
d)配列番号5に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号5に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
e)配列番号6に示すアミノ酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
f)配列番号7に示すアミノ酸配列、配列番号7に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号7に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の抗体と薬物とを結合させてなる抗体薬物複合体。
〔5〕薬物が、抗がん剤である〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔6〕薬物が、腎臓病治療剤である〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔7〕薬物が、ラジオアイソトープである〔4〕記載の抗体薬物複合体。
〔8〕〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する医薬組成物。
〔9〕〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する抗がん薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔10〕〔6〕又は〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病治療薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔11〕〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有するがん診断薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔12〕〔7〕記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病診断薬組成物である〔8〕記載の医薬組成物。
〔13〕がん治療に使用するための〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体。
〔14〕がん治療薬製造のための、〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体の使用。
〔15〕〔1〕〜〔3〕、〔5〕及び〔7〕のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体の有効量を投与することを特徴とするがんの治療方法。
本発明によれば、結合活性及びエフェクター活性の高い抗ポドプラニン抗体を提供することができる。本発明の抗ポドプラニン抗体は、ポドプラニンを発現する腫瘍の治療に用いることができる。
また、本発明によれば、抗ポドプラニン抗体に薬物を結合させた抗体薬物複合体(ADC)を提供することができる。本発明のADCは、ポドプラニンを発現する腫瘍の治療又は診断に用いることができ、又は腎臓病の治療又は診断に用いることができる。
また、本発明によれば、抗ポドプラニン抗体に薬物を結合させた抗体薬物複合体(ADC)を提供することができる。本発明のADCは、ポドプラニンを発現する腫瘍の治療又は診断に用いることができ、又は腎臓病の治療又は診断に用いることができる。
本発明のヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体は、可変領域にげっ歯類由来のCDRを有し、定常領域がヒト由来であって、軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を有する。ヒトキメラ又はヒト化抗体作製時の定常領域には、通常ヒトκ鎖が用いられるが、本発明ではヒトλ鎖の定常領域を用いる。軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を用いることにより、結合活性やエフェクター活性が顕著に高くなることは全く予想外であった。
本発明抗体の軽鎖定常領域は、ヒトλ鎖の定常領域であればよいが、当該ヒトλ鎖の定常領域としては、そのアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列、配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列であるのが好ましく、配列番号1に示すアミノ酸配列がより好ましい。
上記アミノ酸配列の同一性は、60%以上であるが、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上がさらに好ましい。また、上記のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加の数は、1〜5個が好ましく、1〜4個がより好ましく、1〜3個がさらに好ましく、1〜2個がさらに好ましい。
上記アミノ酸配列の同一性は、60%以上であるが、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上がさらに好ましい。また、上記のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加の数は、1〜5個が好ましく、1〜4個がより好ましく、1〜3個がさらに好ましく、1〜2個がさらに好ましい。
本発明抗体の軽鎖定常領域以外の定常領域は、ヒト由来であれば特に限定されない。例えば、重鎖定常領域は、ヒト由来であれば特に限定されない。
本発明抗体の可変領域のCDRは、げっ歯類由来であり、ラット又はマウス由来がより好ましく、ラット由来がさらに好ましい。具体的には下記a)〜f)に示す重鎖CDR1〜CDR3及び軽鎖CDR1〜CDR3を有するのが好ましく、NZ−1及びNZ−8と同一であるのがより好ましい。
a)配列番号2に示すアミノ酸配列、配列番号2に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号2に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
b)配列番号3に示すアミノ酸配列、配列番号3に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号3に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
c)配列番号4に示すアミノ酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号4に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
d)配列番号5に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号5に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
e)配列番号6に示すアミノ酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
f)配列番号7に示すアミノ酸配列、配列番号7に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号7に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
b)配列番号3に示すアミノ酸配列、配列番号3に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号3に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
c)配列番号4に示すアミノ酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号4に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
d)配列番号5に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号5に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
e)配列番号6に示すアミノ酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
f)配列番号7に示すアミノ酸配列、配列番号7に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号7に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。
上記a)〜f)において、アミノ酸配列の同一性は、60%以上であるが、70%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、95%以上がさらに好ましい。また、上記のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加の数は、1〜5個が好ましく、1〜4個がより好ましく、1〜3個がさらに好ましく、1〜2個がさらに好ましい。
「アミノ酸」とは、その最も広い意味で用いられ、天然のアミノ酸のみならずアミノ酸変異体及び誘導体といったような非天然アミノ酸を含む。当業者であれば、この広い定義を考慮して、本明細書におけるアミノ酸として、例えば、天然タンパク原性L−アミノ酸;D−アミノ酸;アミノ酸変異体及び誘導体などの化学修飾されたアミノ酸;ノルロイシン、β−アラニン、オルニチンなどの天然非タンパク原性アミノ酸;及びアミノ酸の特徴である当業界で公知の特性を有する化学的に合成された化合物などが挙げられることを理解するであろう。非天然アミノ酸の例として、α−メチルアミノ酸(α−メチルアラニンなど)、D−アミノ酸、ヒスチジン様アミノ酸(2−アミノ−ヒスチジン、β−ヒドロキシ−ヒスチジン、ホモヒスチジン、α−フルオロメチル−ヒスチジン及びα−メチル−ヒスチジンなど)、側鎖に余分のメチレンを有するアミノ酸(「ホモ」アミノ酸)及び側鎖中のカルボン酸官能基アミノ酸がスルホン酸基で置換されるアミノ酸(システイン酸など)が挙げられる。
「ポリペプチド」とは、アミノ酸がペプチド結合によって連なった分子を意味し、天然又は人工のタンパク質、タンパク質断片を含む。
配列番号1〜7のいずれかに示されるアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換又は付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖定常領域又はCDRや、配列番号1〜7のいずれかに示されるアミノ酸配列に対して60%以上の同一性を有するアミノ酸配列からなる軽鎖定常領域又はCDRは、部位特異的変異導入法、ランダム変異導入法、チェーンシャフリング法、CDRウォーキング法などの公知の方法を用いて作製され得る。これらの方法によれば、ファージディスプレイ法によってCDRに種々の変異を有する抗体又は抗体断片をファージ表面に提示させ、抗原を使用してスクリーニングすることにより、より親和性が成熟したCDRを得られることが当業者によく知られている(例えば、Wu et al., PNAS, 95:6037-6042(1998); Schier, R. et al., J. Mol. Bio. 263:551-567(1996); Schier, R. et al., J. Mol. Biol. 255:28-43(1996); Yang, W.P. et al., J. Mol. Biol., 254:392-403(1995)。)。
本発明の抗体は、モノクローナル抗体の組み換え抗体である。
また、本発明の抗ポドプラニン抗体は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEのいずれのアイソタイプであってもよいが、好ましくはIgG、より好ましくはIgG1である。
また、本発明の抗ポドプラニン抗体は、IgG、IgM、IgA、IgD及びIgEのいずれのアイソタイプであってもよいが、好ましくはIgG、より好ましくはIgG1である。
本発明の抗ポドプラニン抗体は、ヒトキメラ抗体又はヒト化抗体のほか、Fab断片、F(ab’)2断片等の低分子抗体も含むが、ヒトλ鎖由来の軽鎖定常領域を有する限りこれらに限定されない。
「低分子抗体」とは、抗体の断片又は抗体の断片に任意の分子を結合させたものであって、もとの抗体と同じエピトープを認識するものを意味する。具体的には、VL、VH、CL及びCH1領域からなるFab;2つのFabがヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結されているF(ab’)2;VL及びVHからなるFv;VL及びVHを人工のポリペプチドリンカーで連結した一本鎖抗体であるscFv;diabody型、scDb型、tandem scFv型、ロイシンジッパー型などの二重特異性抗体等が挙げられるが、これらに限定されない。
本発明の抗ポドプラニン抗体として好ましい低分子抗体は、ヒトλ鎖由来の軽鎖定常領域、上記重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3を含む低分子抗体である。
本発明の抗ポドプラニン抗体として好ましい低分子抗体は、ヒトλ鎖由来の軽鎖定常領域、上記重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3を含む低分子抗体である。
本明細書における「抗体」には、糖鎖付加等の修飾が加えられたものも含まれる。かかる抗体としては、例えば、Fc領域に1以上のN−結合型糖鎖が結合し、該N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミンにフコースが結合していない抗体が挙げられる。
例えばIgG抗体のFc領域には、N−結合型糖鎖の結合部位が2ヶ所存在し、この部位に複合型糖鎖が結合している。N−結合型糖鎖とは、Asn−X−Ser/Thr配列のAsnに結合する糖鎖をいい、共通した構造Man3GlcNAc2―Asnを有する。非還元末端の2つのマンノース(Man)に結合する糖鎖の種類により、高マンノース型、混成型、及び複合型等に分類される。
N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)にはフコースが結合しうるが、このフコースが結合していない場合、結合している場合に比較してADCC活性が著しく上昇することが知られている。このことは例えば、国際公開第2002/031140号パンフレットに記載されており、その開示は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
ADCC活性が著しく向上することにより、抗体を医薬として用いる場合に投与量を少なくすることができるので、副作用を軽減させることが可能であると共に、治療費も低減させることができる。
例えばIgG抗体のFc領域には、N−結合型糖鎖の結合部位が2ヶ所存在し、この部位に複合型糖鎖が結合している。N−結合型糖鎖とは、Asn−X−Ser/Thr配列のAsnに結合する糖鎖をいい、共通した構造Man3GlcNAc2―Asnを有する。非還元末端の2つのマンノース(Man)に結合する糖鎖の種類により、高マンノース型、混成型、及び複合型等に分類される。
N−結合型糖鎖の還元末端のN−アセチルグルコサミン(GlcNAc)にはフコースが結合しうるが、このフコースが結合していない場合、結合している場合に比較してADCC活性が著しく上昇することが知られている。このことは例えば、国際公開第2002/031140号パンフレットに記載されており、その開示は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
ADCC活性が著しく向上することにより、抗体を医薬として用いる場合に投与量を少なくすることができるので、副作用を軽減させることが可能であると共に、治療費も低減させることができる。
本発明の抗ポドプラニンモノクローナル抗体は、後記実施例に示すように、結合活性及びエフェクター活性が著しく高く、抗がん薬の有効成分として有用である。
本発明のヒトキメラ抗ポドプラニン抗体は、例えばNZ−1のVH領域をコードするDNAをPCRで増幅し、ヒトIgG1のCH1、ヒンジ領域、CH2及びCH3領域をコードするDNAを保持したベクターに組み込む。NZ−1の軽鎖は、NZ−1のVL領域をコードするDNAをPCRで増幅し、ヒトIgGのλ鎖のCL領域をコードするDNAを保持したベクターに組み込む。得られたNZ−1のVH領域を有するベクターとHZ−1のVL領域を有するベクターとをCHO細胞等に形質導入して、軽質転換細胞を選択すればよい。
また、本発明のヒト化抗ポドプラニン抗体は、例えばNZ−1の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3と、ヒト抗体のフレームワーク領域を連結するように設計したDNAを、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成した後、ヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結して上述のヒトキメラ抗ポドプラニン抗体と同様に得ることができる。
また、本発明のヒト化抗ポドプラニン抗体は、例えばNZ−1の重鎖CDR1〜3及び軽鎖CDR1〜3と、ヒト抗体のフレームワーク領域を連結するように設計したDNAを、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成した後、ヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結して上述のヒトキメラ抗ポドプラニン抗体と同様に得ることができる。
本発明はまた、上述した本発明の抗ポドプラニン抗体に薬物を結合させた抗体薬物複合体(ADC)を含む。ここで薬物は、ターゲットに対して活性を示す物質又は体外から検出可能なシグナルを発する物質を意味し、ポドプラニンの高発現部位にデリバリーされ、そこで活性を示す又はそこからシグナルを発することで効果を発揮する。
ADCとする場合、抗ポドプラニン抗体は、抗原への結合性を失わない限り抗体断片(フラグメント)等の低分子抗体であっても良い。この場合、抗ポドプラニン抗体はデリバリー抗体として機能を有する限りエフェクター活性に必要なFc領域は不要だからである。抗体断片の具体的な例としては、Fab及びF(ab’)2等を挙げることができる。
薬物としては、疾患の治療又は診断に供されるあらゆる物質が挙げられる。このような物質としては、例えば、腫瘍の治療又は診断に供される物質が想定され、具体的には、抗がん剤、ラジオアイソトープを挙げることができるがこれらに限定されない。
抗がん剤としては、アルキル化剤、代謝拮抗剤、微小管阻害剤、抗生物質抗がん剤、トポイソメラーゼ阻害剤、白金製剤、分子標的薬、ホルモン剤または生物製剤などが挙げられる。アルキル化剤としては、シクロホスファミドなどのナイトロジェンマスタード系抗癌剤、ラニムスチンなどのニトロソウレア系抗癌剤、ダカルバジンなどが挙げられる。代謝拮抗剤としては、5−FU、ユーエフティ、カルモフール、カペシタビン、テガフール、TS−1、ゲムシタビンおよびシタラビンなどが挙げられる。微小管阻害剤としては、ビンクリスチンなどのアルカロイド系抗癌剤、ドセタキセルおよびパクリタキセルなどのタキサン系抗がん剤が挙げられる。抗生物質抗がん剤としては、マイトマイシンC、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシンおよびブレオマイシンなどが挙げられる。トポイソメラーゼ阻害剤としては、トポイソメラーゼI阻害作用を有するイリノテカンおよびノギテカン、トポイソメラーゼII阻害作用を有するエトポシドが挙げられる。白金製剤としては、シスプラチン、パラプラチン、ネダプラチンおよびオキサリプラチンなどが挙げられる。分子標的薬としては、トラスツズマブ、リツキシマブ、イマチニブ、ゲフィチニブ、エルロチニブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、パニツムマブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、ソラフェニブ、クリゾチニブおよびレゴラフェニブなどが挙げられる。ホルモン剤としては、デキサメタゾン、フィナステリドおよびタモキシフェンなどが挙げられる。生物製剤としては、インターフェロンα、βおよびγならびにインターロイキン2などが挙げられる。
ラジオアイソトープとしては、診断目的に利用されるガンマ線放出核種またはポジトロン放出核種、治療目的に利用されるアルファ線放出核種またはベータ線放出核種が挙げられる。ガンマ線放出核種またはポジトロン放出核種としては、18F、99mTc、111In、113mIn、114mIn、67Ga、68Ga、82Rb、86Y、87Y、152Tb、155Tb、201Tl、51Cr、52Fe、57Co、58Co、60Co、82Sr、85Sr、197Hg、44Sc、62Cu、64Cu、89Zrなどが挙げられる。アルファ線放出核種またはベータ線放出核種としては、90Y、114mIn、117mSn、186Re、188Re、64Cu、67Cu、59Fe、89Sr、198Au、203Hg、212Pb、165Dy、103Ru、149Tb、161Tb、212Bi、166Ho、165Er、153Sm、177Lu、213Bi、223Ra、225Ac、227Thなどが挙げられる。
これらのラジオアイソトープを本発明の抗ポドプラニン抗体に結合させるには、該抗体に金属キレート試薬を反応させ、これにラジオアイソトープを反応させて錯体とするのが好ましい。このようにして得られた修飾抗体は、ラジオアイソトープが金属キレート試薬を介して抗ポドプラニン抗体に結合している。
このような錯体形成に用いられる金属キレート試薬の例としては、例えば(1)8−ヒドロキシキノリン、8−アセトキシキノリン、8−ヒドロキシキナルジン、硫酸オキシキノリン、O−アセチルオキシン、O−ベンゾイルオキシン、O−p−ニトロベンゾイルオキシン、キノリン骨格を有するキノロン系化合物であるノルフロキサシン、オフロキサシン、エノキサシン、シプロフロキサシン、ロメフロキサシン、トスフロキサシン、フレロキサシン、スパルフロキサシン等のキノリン誘導体;(2)クロラニル酸、アルミノン、チオ尿素、ピロガロール、クペロン、ビスムチオール(II)、ガロイル没食子酸、チオリド、2−メルカプトベンゾチアゾール、テトラフェニルアルソニウムクロライド等の化合物;(3)エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびこれらに類似した骨格を有するジヒドロキシエチルグリシン、ジアミノプロパノール四酢酸、エチレンジアミン二酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸塩酸塩、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホン酸)、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヘキサメチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、イミノ二酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ニトリロ三プロピオン酸、ニトリロトリス(メチレンスルホン酸)三ナトリウム塩、トリエチレンテトラミン六酢酸、メチルDTPA、シクロヘキシルDTPA、アミノベンジルEDTA、イソチオシアノベンジルEDTA、イソチオシアノベンジルDTPA、メチルイソチオシアノベンジルDTPA、シクロヘキシルイソチオシアノベンジルDTPA、マレイミドプロピルアミドベンジルEDTA、マレイミドペンチルアミドベンジルEDTA、マレイミドデシルアミドベンジルEDTA、マレイミドペンチルアミドベンジルDTPA、マレイミドデシルアミドベンジルEDTA、マレイミドデシルアミドベンジルDTPA;(4)1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン−1,4,7,10−四酢酸(DOTA)、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,7−三酢酸(NOTA)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン−1,4,8,11−四酢酸(TETA)、1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン(Cyclen)、1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン(Cyclam)、イソチオシアノベンジルDOTA、イソチオシアノベンジルNOTA等が挙げられる。
これらの金属キレート試薬のうち、イソチオシアノベンジルDOTA、メチルイソチオシアノベンジルDTPA、シクロヘキシルイソチオシアノベンジルDTPAが金属キレートの容易な抗体への導入反応、標識率、錯体の安定性等の点で好ましい。
抗ポドプラニン抗体へのラジオアイソトープの結合は、常法に従って行うことができる。例えば抗ポドプラニン抗体に金属キレート試薬を反応させ、予め標識前駆体を調製しておき、次いでラジオアイソトープを反応させることにより行うことができる。
また、本発明の好ましいADCとしては、腎臓病に対するADCが挙げられる。ヒトの腎臓へのデリバリーを可能とする抗体はこれまでに例がなく、ヒトポドプラニンは腎糸球体上皮細胞表面に発現することは知られていたが、抗体は高分子であるため、ポドプラニンへ到達することはないと考えられていた。ところが、実施例に示すとおり本発明のヒトキメラ型抗ポドプラニン抗体が予想に反して腎臓に高集積することが明らかとなり、腎臓病に対するADCとしての可能性が示された。すなわち、本発明の抗ポドプラニン抗体に薬物を結合させた抗体薬物複合体は、腎臓への特異的集積を示し、腎臓病治療薬又は腎臓病診断薬の有効成分として有用である。
対象となる腎臓病としては、腎癌はもちろん、腎炎、ネフローゼ症候群、巣状糸球体硬化症、腎症、腎アミロイドーシス、リポ蛋白糸球体症、アルポート症候群、菲薄基底膜病、薬剤性腎障害、腎不全が挙げられ、抗がん剤、腎臓病治療剤であるステロイド剤、免疫抑制剤若しくはPAI−1阻害剤、又はラジオアイソトープなどを抗体と結合させてADCとして使用することができる。
本発明の抗体の活性は、以下の方法で測定することができる。
(1)結合活性
抗体の結合活性は公知の方法、例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)、蛍光抗体法、FACS法等で、測定することができる。
(2)ADCC活性
ADCC活性とは、標的細胞の細胞表面抗原に本発明の抗体が結合した際、そのFc部分にFcγ受容体保有細胞(エフェクター細胞)がFcγ受容体を介して結合し、標的細胞に障害を与える活性を意味する。
ADCC活性は、ポドプラニンを発現している標的細胞とエフェクター細胞と本発明の抗体を混合し、ADCCの程度を測定することによって知ることができる。エフェクター細胞としては、例えば、マウス脾細胞、ヒト末梢血や骨髄から分離した単球核を利用することができる。標的細胞としては、例えばポドプラニン陽性中皮腫細胞やポドプラニン陽性膠芽腫細胞を用いることができる。標的細胞をあらかじめ51Cr等で標識し、これに本発明の抗体を加えてインキュベーションし、その後標的細胞に対して適切な比のエフェクター細胞を加えてインキュベーションを行う。インキュベーション後、上清を採取し、上清中の上記標識をカウントすることにより、測定することが可能である。
(3)CDC活性
CDC活性とは、補体系による細胞障害活性を意味する。
CDC活性は、ADCC活性の試験において、エフェクター細胞に代えて補体を用いることにより測定することができる。
(4)腫瘍増殖抑制活性
腫瘍増殖抑制活性は、腫瘍モデル動物を利用して測定することができる。例えば、マウスの皮下に腫瘍を移植し、本発明の抗体を投与する。非投与群と投与群における腫瘍組織の体積を比較することにより、腫瘍増殖抑制効果を測定することができる。
なお、本発明の腫瘍増殖抑制活性は、個々の細胞の増殖を抑制する結果生じるものであっても、細胞死を誘導する結果生じるものであってもよい。
抗体の結合活性は公知の方法、例えば、ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)、EIA(酵素免疫測定法)、RIA(放射免疫測定法)、蛍光抗体法、FACS法等で、測定することができる。
(2)ADCC活性
ADCC活性とは、標的細胞の細胞表面抗原に本発明の抗体が結合した際、そのFc部分にFcγ受容体保有細胞(エフェクター細胞)がFcγ受容体を介して結合し、標的細胞に障害を与える活性を意味する。
ADCC活性は、ポドプラニンを発現している標的細胞とエフェクター細胞と本発明の抗体を混合し、ADCCの程度を測定することによって知ることができる。エフェクター細胞としては、例えば、マウス脾細胞、ヒト末梢血や骨髄から分離した単球核を利用することができる。標的細胞としては、例えばポドプラニン陽性中皮腫細胞やポドプラニン陽性膠芽腫細胞を用いることができる。標的細胞をあらかじめ51Cr等で標識し、これに本発明の抗体を加えてインキュベーションし、その後標的細胞に対して適切な比のエフェクター細胞を加えてインキュベーションを行う。インキュベーション後、上清を採取し、上清中の上記標識をカウントすることにより、測定することが可能である。
(3)CDC活性
CDC活性とは、補体系による細胞障害活性を意味する。
CDC活性は、ADCC活性の試験において、エフェクター細胞に代えて補体を用いることにより測定することができる。
(4)腫瘍増殖抑制活性
腫瘍増殖抑制活性は、腫瘍モデル動物を利用して測定することができる。例えば、マウスの皮下に腫瘍を移植し、本発明の抗体を投与する。非投与群と投与群における腫瘍組織の体積を比較することにより、腫瘍増殖抑制効果を測定することができる。
なお、本発明の腫瘍増殖抑制活性は、個々の細胞の増殖を抑制する結果生じるものであっても、細胞死を誘導する結果生じるものであってもよい。
本発明の医薬組成物は、本発明の抗体、および薬学的に許容できる担体や添加物を含む。
担体及び添加物の例として、水、食塩水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、酢酸緩衝液、デキストロース、グリセロール、エタノール等薬学的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ぺクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、界面活性剤、ゲンチジン酸、アスコルビン酸、ベンジルアルコールα−チオグリセロール等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の医薬組成物は、様々な形態、例えば、液剤(例えば注射剤)、分散剤、懸濁剤、錠剤、丸剤、粉末剤、坐剤などとすることができる。好ましい態様は、注射剤であり、非経口(例えば、静脈内、経皮、腹腔内、筋内)で投与することが好ましい。
本発明の医薬組成物は、ポドプラニンが関連する疾患、例えば、腫瘍、血栓症、動脈硬化症等の治療に有効である。
上述のとおり、ポドプラニンはCLEC−2に結合することにより血小板凝集を起こすことが示唆されている。また、ポドプラニンの血小板上受容体であるCLEC−2が血栓症/動脈硬化症に関連すること、具体的には、CLEC−2欠損血小板はin vitro及びin vivoのいずれにおいても凝集能に劣ること、及び、CLEC−2欠損は出血時間を延長させ、閉塞性動脈血栓形成を防ぐことが報告されている(May, F. et al., Blood prepublished online July 29 2009; doi:10.1182/blood-2009-05-222273)。
さらに動脈硬化病変においてポドプラニンが高発現していることが知られている。本発明の医薬組成物が血栓症や動脈硬化症の治療に有効であることが強く示唆される。
一方、ポドプラニンが関連する腫瘍としては、脳腫瘍、中皮腫、精巣腫瘍、卵巣がん、及び扁平上皮がん等が挙げられる。ここで、扁平上皮がんには、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺癌、皮膚がん、子宮頸がんが含まれるがこれらに限定されない。
上述のとおり、ポドプラニンはCLEC−2に結合することにより血小板凝集を起こすことが示唆されている。また、ポドプラニンの血小板上受容体であるCLEC−2が血栓症/動脈硬化症に関連すること、具体的には、CLEC−2欠損血小板はin vitro及びin vivoのいずれにおいても凝集能に劣ること、及び、CLEC−2欠損は出血時間を延長させ、閉塞性動脈血栓形成を防ぐことが報告されている(May, F. et al., Blood prepublished online July 29 2009; doi:10.1182/blood-2009-05-222273)。
さらに動脈硬化病変においてポドプラニンが高発現していることが知られている。本発明の医薬組成物が血栓症や動脈硬化症の治療に有効であることが強く示唆される。
一方、ポドプラニンが関連する腫瘍としては、脳腫瘍、中皮腫、精巣腫瘍、卵巣がん、及び扁平上皮がん等が挙げられる。ここで、扁平上皮がんには、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺癌、皮膚がん、子宮頸がんが含まれるがこれらに限定されない。
本発明は、本発明の抗体又は抗体薬物複合体を治療有効量投与することを含むポドプラニンが関連する疾患又は腎臓病の治療方法も包含する。
本明細書において、治療有効量とは、治療する疾患の一つ又は複数の症状が、それによりある程度緩和される作用物質の量を意味する。抗がん剤の場合、腫瘍サイズの低下;腫瘍の転移の阻害(遅延又は停止);腫瘍増殖の阻害(遅延又は停止)、及びがんと関連する一つ又は複数の症状の緩和、の少なくとも1つを示す量を意味する。
具体的には、本発明の抗体又は抗体薬物複合体の投与量は、例えば、0.025〜50mg/kg、好ましくは0.1〜50mg/kgであり、より好ましくは0.1〜25mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg又は0.1〜3mg/kgとすることができるが、これに限定されない。
また、本発明の抗体薬物複合体の薬物が治療目的に利用されるラジオアイソトープである場合の投与量は、例えば、成人への一回の投与について、放射能量が18.5MBqから7400MBqとなるような量とすることができる。
本明細書において、治療有効量とは、治療する疾患の一つ又は複数の症状が、それによりある程度緩和される作用物質の量を意味する。抗がん剤の場合、腫瘍サイズの低下;腫瘍の転移の阻害(遅延又は停止);腫瘍増殖の阻害(遅延又は停止)、及びがんと関連する一つ又は複数の症状の緩和、の少なくとも1つを示す量を意味する。
具体的には、本発明の抗体又は抗体薬物複合体の投与量は、例えば、0.025〜50mg/kg、好ましくは0.1〜50mg/kgであり、より好ましくは0.1〜25mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg又は0.1〜3mg/kgとすることができるが、これに限定されない。
また、本発明の抗体薬物複合体の薬物が治療目的に利用されるラジオアイソトープである場合の投与量は、例えば、成人への一回の投与について、放射能量が18.5MBqから7400MBqとなるような量とすることができる。
また、本発明は、本発明の抗体薬物複合体を診断有効量投与することを含むポドプラニンが関与する疾患又は腎臓病の診断方法も包含する。
本明細書において、診断有効量とは、診断する疾患の状態を判断するのに必要な作用物質の量を意味する。がん診断剤の場合、腫瘍の有無;腫瘍のステージング;抗がん剤の適用の判断;抗がん剤の治療効果予測;抗がん剤の治療効果判定、の少なくとも1つを示す量を意味する。
具体的には、本発明の抗体薬物複合体の薬物が診断目的に利用されるラジオアイソトープである場合の投与量は、例えば、成人への一回の投与について、放射能量が111MBqから740MBqとなるような量とすることができる。
本明細書において、診断有効量とは、診断する疾患の状態を判断するのに必要な作用物質の量を意味する。がん診断剤の場合、腫瘍の有無;腫瘍のステージング;抗がん剤の適用の判断;抗がん剤の治療効果予測;抗がん剤の治療効果判定、の少なくとも1つを示す量を意味する。
具体的には、本発明の抗体薬物複合体の薬物が診断目的に利用されるラジオアイソトープである場合の投与量は、例えば、成人への一回の投与について、放射能量が111MBqから740MBqとなるような量とすることができる。
上述のとおり、ポドプラニンは特定の腫瘍細胞において高発現している。従って、本発明の抗体薬物複合体は、がん、特に脳腫瘍、中皮腫、精巣腫瘍、卵巣がん、及び各種扁平上皮がん(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺癌、皮膚がん、子宮頸がん)などポドプラニンが高発現するがんの診断に有用である。
また、本発明の抗体薬物複合体は、動脈硬化の診断にも有用である。
動脈硬化病変については、早期病変のうちマクロファージ浸出性の病変においてポドプラニンの高発現が観察された。マクロファージ浸出性病変は進行病変になりやすいことが知られていることから、ポドプラニンを検出することによる診断方法によって、進行病変になりやすい動脈硬化の早期発見が期待される。
以上より、本発明は、本発明の抗体薬物複合体を含むがん又は動脈硬化の診断薬、がん又は動脈硬化の診断のための抗体の使用、本発明の抗体を用いるがん又は動脈硬化の診断方法をも包含する。
また、本発明の抗体薬物複合体は、動脈硬化の診断にも有用である。
動脈硬化病変については、早期病変のうちマクロファージ浸出性の病変においてポドプラニンの高発現が観察された。マクロファージ浸出性病変は進行病変になりやすいことが知られていることから、ポドプラニンを検出することによる診断方法によって、進行病変になりやすい動脈硬化の早期発見が期待される。
以上より、本発明は、本発明の抗体薬物複合体を含むがん又は動脈硬化の診断薬、がん又は動脈硬化の診断のための抗体の使用、本発明の抗体を用いるがん又は動脈硬化の診断方法をも包含する。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
1.ヒトキメラ型NZ−1抗体(NZ−12)の作製
ヒトキメラ型NZ−1抗体(NZ−12)を作製するために、NZ−1のVH領域をコードするDNAをPCRで増幅し、ヒトIgG1のCH1、ヒンジ領域、CH2及びCH3領域をコードするDNAを保持したpcDNA3.3ベクターに組み込んだ(pcDNA3.3−hIgG1/NZ−1H)。NZ−1のVH領域はpcDNA3/NZ-1Hプラスミドを鋳型として、以下のプライマーにより増幅した。
1.ヒトキメラ型NZ−1抗体(NZ−12)の作製
ヒトキメラ型NZ−1抗体(NZ−12)を作製するために、NZ−1のVH領域をコードするDNAをPCRで増幅し、ヒトIgG1のCH1、ヒンジ領域、CH2及びCH3領域をコードするDNAを保持したpcDNA3.3ベクターに組み込んだ(pcDNA3.3−hIgG1/NZ−1H)。NZ−1のVH領域はpcDNA3/NZ-1Hプラスミドを鋳型として、以下のプライマーにより増幅した。
NZ-1VH-Fprimer:TCCTCACCATGGACTTCAGG(配列番号12)
NZ-1VH-Rprimer:TTCAGCTGAGGAGACTGTGA(配列番号13)
NZ-1VH-Rprimer:TTCAGCTGAGGAGACTGTGA(配列番号13)
NZ−12H鎖発現ベクターとして、pcDNA3.3−hIgG1/NZ−1Hプラスミドを鋳型として以下のプライマーにより増幅したORFをpCAGneoベクターに組み込んだ。
HindIII-NZ-1HS2: ccaagcttCACCATGGACTTCAGGCTCA(配列番号14)
hIgG1CH3-R1-NtoI: aatgcggccgcTCATTTACCCGGAGACAGGGAG(配列番号15)
hIgG1CH3-R1-NtoI: aatgcggccgcTCATTTACCCGGAGACAGGGAG(配列番号15)
NZ−1のL鎖は、NZ−1のVL領域をコードするDNAをPCRで増幅し、ヒトIgGのlambda鎖のCL領域をコードするDNAを保持したpCAGベクターに組み込んだ(pCAG−hIgCL/NZ−1L)。NZ−1のVL領域をコードするDNAは、pcDNA3/NZ−1Lプラスミドを鋳型として、以下のプライマーにより増幅した。
HindIII-NZ-1L.S:ccaAAGCTTACCATGACATGGACTCTACT(配列番号16)
NZ-1L.VL-AS.BamHI:ggtggatccTAGGACAGTGAGCTTGGTTCC(配列番号17)
NZ-1L.VL-AS.BamHI:ggtggatccTAGGACAGTGAGCTTGGTTCC(配列番号17)
pCAGneo/NZ−12H(G418)とpCAGzeo−hIgCL/NZ−1LVL(zeosin)それぞれ1μgを混合し、Lipofectamin LTX kitの方法に従って、CHO細胞1×105(6ウェルプレートの1ウェルに相当)に形質導入した。24時間後からZeocin 500μg/mL、G418 1mg/mL入りの培地で形質導入細胞の選択をした。LN319細胞、H226細胞、PC−10細胞に対して、選択細胞の培養上清の反応性をフローサイトメトリーにて確認した。
ヒトキメラ型抗体の高発現株を、無血清培地(インビトロジェン社)を用いて培養し、培養上清を回収した。培養上清をプロテインGカラム(GEヘルスケア社)に通し、ヒトキメラ型NZ−1抗体(NZ−12)を精製した。NZ−12は、配列番号8で示すアミノ酸配列からなる重鎖と、配列番号9で示すアミノ酸配列からなる軽鎖で構成されている。重鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号10に、軽鎖をコードするDNAの塩基配列を配列番号11に示す。重鎖は、ラットNZ−1抗体のVH領域と、ヒトIgG1に由来するCH1、ヒンジ領域、CH2、CH3からなる。軽鎖は、ラットNZ−1抗体のVL領域と、ヒトlambda鎖に由来するCLとからなる。
2.ポドプラニンに対するNZ−1抗体、NZ−8抗体及びNZ−12抗体の反応性
NZ−12がポドプラニンに対して反応を示すことを確認するとともに、NZ−1及びNZ−8と比較した。LN319細胞、H226細胞、PC−10細胞に対して、各抗体(1μg/mL)の反応性をフローサイトメトリーにて確認した結果を図1に示す。NZ−12の反応性は、すべての細胞に対し、NZ−8よりも良好であることがわかった。
NZ−12がポドプラニンに対して反応を示すことを確認するとともに、NZ−1及びNZ−8と比較した。LN319細胞、H226細胞、PC−10細胞に対して、各抗体(1μg/mL)の反応性をフローサイトメトリーにて確認した結果を図1に示す。NZ−12の反応性は、すべての細胞に対し、NZ−8よりも良好であることがわかった。
3.ELISAによるアフィニティーの算出
96ウェルプレートにヒトポドプラニンの合成ペプチド(38〜51アミノ酸:1μg/mL)を固相化し、Super−Block/PBS(サーモフィッシャー社)でブロッキング後、NZ−1、NZ−8、NZ−12の希釈系列(150pg/mL〜2.5μg/mL)を反応させた。1/1000倍希釈した二次抗体(抗マウスIgG−HRPおよび抗ヒトIgG−HRP:ダコ社)を反応させ、TMB−Ultra(サーモフィッシャー社)で発色した。OD655をプレートリーダーで計測し、Prismを使ってKD値を算出した。
結果は図2の通りである。NZ−1、NZ−8及びNZ−12のKDは、それぞれ3.688×10-10、1.727×10-8及び5.952×10-10であった。NZ−12のアフィニティーはNZ−8のアフィニティーよりもかなり高く(約29倍)、NZ−1のアフィニティーに近い結果が得られた。このことより、オリジナルのラット抗体に対しそのヒトキメラ型抗体にlambda鎖を使うことにより、高い活性のヒトキメラ型抗体が作製できることが明らかとなった。
96ウェルプレートにヒトポドプラニンの合成ペプチド(38〜51アミノ酸:1μg/mL)を固相化し、Super−Block/PBS(サーモフィッシャー社)でブロッキング後、NZ−1、NZ−8、NZ−12の希釈系列(150pg/mL〜2.5μg/mL)を反応させた。1/1000倍希釈した二次抗体(抗マウスIgG−HRPおよび抗ヒトIgG−HRP:ダコ社)を反応させ、TMB−Ultra(サーモフィッシャー社)で発色した。OD655をプレートリーダーで計測し、Prismを使ってKD値を算出した。
結果は図2の通りである。NZ−1、NZ−8及びNZ−12のKDは、それぞれ3.688×10-10、1.727×10-8及び5.952×10-10であった。NZ−12のアフィニティーはNZ−8のアフィニティーよりもかなり高く(約29倍)、NZ−1のアフィニティーに近い結果が得られた。このことより、オリジナルのラット抗体に対しそのヒトキメラ型抗体にlambda鎖を使うことにより、高い活性のヒトキメラ型抗体が作製できることが明らかとなった。
4.フローサイトメトリー法によるアフィニティーの算出
ヒト膠芽腫細胞(LN319:2×105)に対し、NZ−1、NZ−8、NZ−12抗体の希釈系列(0.02〜100μg/mL)を反応させた。1/1000倍希釈した二次抗体(抗マウスIgG−Oregon Green及び抗ヒトIgG−FITC:ライフテクノロジー社)を反応させ、EC800(ソニー社)で蛍光強度を測定した。Prismを使ってKD値を算出した。
結果は図3の通りである。NZ−1、NZ−8及びNZ−12のKDは、それぞれ1.235×10-9、7.31×10-7及び8.536×10-9であった。NZ−12のアフィニティーはNZ−8のアフィニティーよりもかなり高く(約86倍)、NZ−1抗体のアフィニティーに近い結果が得られた。このことより、オリジナルのラット抗体に対しそのヒトキメラ型抗体にlambda鎖を使うことにより、高い活性のヒトキメラ型抗体が作製できることが明らかとなった。
ヒト膠芽腫細胞(LN319:2×105)に対し、NZ−1、NZ−8、NZ−12抗体の希釈系列(0.02〜100μg/mL)を反応させた。1/1000倍希釈した二次抗体(抗マウスIgG−Oregon Green及び抗ヒトIgG−FITC:ライフテクノロジー社)を反応させ、EC800(ソニー社)で蛍光強度を測定した。Prismを使ってKD値を算出した。
結果は図3の通りである。NZ−1、NZ−8及びNZ−12のKDは、それぞれ1.235×10-9、7.31×10-7及び8.536×10-9であった。NZ−12のアフィニティーはNZ−8のアフィニティーよりもかなり高く(約86倍)、NZ−1抗体のアフィニティーに近い結果が得られた。このことより、オリジナルのラット抗体に対しそのヒトキメラ型抗体にlambda鎖を使うことにより、高い活性のヒトキメラ型抗体が作製できることが明らかとなった。
5.ADCC活性の測定
比重遠心法にて分離した健常人末梢血単核球(MNC)の浮遊液を作成し、1×106個/wellになるようにMNCを、丸底96−well plateに加えた。ヒト膠芽腫細胞(LN319、D397)、ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H226、NCI−H290/hPDPN)、ヒト肺がん細胞(PC−10)は0.1μCiのNa51CrO4にてラベルし、2回洗浄後、1×104個/wellでMNCと混合した。さらに、コントロールのヒトIgG、NZ−1、NZ−8、NZ−12を最終濃度が1μg/mLとなるように添加した。以上の実験で、Effector/Target比は、100となり、最終溶液量は200μL/wellとなる。実験はtriplicateで行った。37℃のCO2インキュベーターにて6時間培養後、上清を100μL回収し、γカウンターにて放射活性をカウントした。ラベル下腫瘍細胞をmediumのみで培養したwellの活性をspontaneous releaseとし、1%SDSで培養したwellの活性をmaximum releaseとした。細胞障害活性(%)は、以下の式にて計算した。
比重遠心法にて分離した健常人末梢血単核球(MNC)の浮遊液を作成し、1×106個/wellになるようにMNCを、丸底96−well plateに加えた。ヒト膠芽腫細胞(LN319、D397)、ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H226、NCI−H290/hPDPN)、ヒト肺がん細胞(PC−10)は0.1μCiのNa51CrO4にてラベルし、2回洗浄後、1×104個/wellでMNCと混合した。さらに、コントロールのヒトIgG、NZ−1、NZ−8、NZ−12を最終濃度が1μg/mLとなるように添加した。以上の実験で、Effector/Target比は、100となり、最終溶液量は200μL/wellとなる。実験はtriplicateで行った。37℃のCO2インキュベーターにて6時間培養後、上清を100μL回収し、γカウンターにて放射活性をカウントした。ラベル下腫瘍細胞をmediumのみで培養したwellの活性をspontaneous releaseとし、1%SDSで培養したwellの活性をmaximum releaseとした。細胞障害活性(%)は、以下の式にて計算した。
結果を図4に示す。ポドプラニン陽性ヒト腫瘍細胞に対して、NZ−12がNZ−8よりもはるかに高いADCC活性を有することが示された。NZ−12でこのように活性が顕著に高くなることは当業者が予測し得ないことであった。
6.CDC活性の測定
ヒト膠芽腫細胞(LN319、D397)ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H226、NCI−H290/hPDPN)、ヒト肺がん細胞(PC−10)を0.1μCiのNa51CrO4にてラベルし、2回洗浄後、1×104個/wellで丸底96−well plateに加えた。コントロールのヒトIgG、NZ−1、NZ−8、NZ−12を最終濃度が1μg/mLとなるように添加し、そこにウサギ補体を最終的に4倍希釈となるように添加した。最終溶液量は200μl/wellとした。37℃のCO2インキュベーターにて6時間培養後、上清を100μL回収し、γカウンターにて放射活性をカウントした。腫瘍細胞をmediumのみで培養したwellの活性をspontaneous releaseとし、1%SDSで培養したwellの活性をmaximum releaseとした。細胞障害活性(%)は、以下の式にて計算した。
ヒト膠芽腫細胞(LN319、D397)ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H226、NCI−H290/hPDPN)、ヒト肺がん細胞(PC−10)を0.1μCiのNa51CrO4にてラベルし、2回洗浄後、1×104個/wellで丸底96−well plateに加えた。コントロールのヒトIgG、NZ−1、NZ−8、NZ−12を最終濃度が1μg/mLとなるように添加し、そこにウサギ補体を最終的に4倍希釈となるように添加した。最終溶液量は200μl/wellとした。37℃のCO2インキュベーターにて6時間培養後、上清を100μL回収し、γカウンターにて放射活性をカウントした。腫瘍細胞をmediumのみで培養したwellの活性をspontaneous releaseとし、1%SDSで培養したwellの活性をmaximum releaseとした。細胞障害活性(%)は、以下の式にて計算した。
結果を図5に示す。NZ−8、NZ−12のいずれも、ポドプラニン陽性ヒト腫瘍細胞に対してCDC活性を有することが示された。特にNZ−12は、NZ−8に比較して、著しく高いCDC活性を示すことが確認された。NZ−12で活性がこのように顕著に高くなることは当業者が予測し得ないことであった。
7.抗腫瘍活性(in vivo)
ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H290/hPDPN)1×106個を胸腔内に播種した悪性中皮腫同所移植SCIDマウス(6週齢、♂)に対してコントロールのヒトIgGもしくはNZ−12(100μg)を1週間に2回、2週間の腹腔内投与を行った。同時に、CD56マイクロビーズを用いた磁気細胞分離法により健常人MNCから採取したヒトNK細胞(5×105個)もしくはコントロールのPBSを1週間に1回、2週間胸腔内に投与した。腫瘍移植3週間後に解剖を行い、胸腔内腫瘍重量及び胸水量の測定を行った。
ヒト悪性中皮腫細胞(NCI−H290/hPDPN)1×106個を胸腔内に播種した悪性中皮腫同所移植SCIDマウス(6週齢、♂)に対してコントロールのヒトIgGもしくはNZ−12(100μg)を1週間に2回、2週間の腹腔内投与を行った。同時に、CD56マイクロビーズを用いた磁気細胞分離法により健常人MNCから採取したヒトNK細胞(5×105個)もしくはコントロールのPBSを1週間に1回、2週間胸腔内に投与した。腫瘍移植3週間後に解剖を行い、胸腔内腫瘍重量及び胸水量の測定を行った。
解剖の結果を図6に、胸腔内腫瘍重量及び胸水量の測定結果を図7に示す。肉眼的所見からも腫瘍の減少が明らかなとおり、NZ−12とヒトNK細胞の投与によって、コントロール及びそれぞれの単独投与と比較して胸腔内腫瘍重量及び胸水産生が抑制されることが示された。NZ−12はin vivoにおいてもADCC活性を介した抗腫瘍活性を有することが明らかとなった。
8. 111 In標識NZ−12の作製
NZ−12へのDOTAの結合
NZ−12を緩衝液(50mM Bicine−NaOH、150mM NaCl、pH8.6)に溶解し、抗体濃度を10mg/mLに調整した。一方で、イソチオシアノベンジルDOTA(Macrocyclics社製 B−205)を、DMSOに14mg/mLの濃度になるように溶解した。抗体とDOTAのモル比が1:4(仕込比1:4)となるように混合、撹拌し、25℃で17時間静置した。反応終了後、遠心式フィルター(アミコンウルトラ、メルクミリポア社製 UFC503096)で後述する標識緩衝液を用いて濃縮、精製した。
NZ−12へのDOTAの結合
NZ−12を緩衝液(50mM Bicine−NaOH、150mM NaCl、pH8.6)に溶解し、抗体濃度を10mg/mLに調整した。一方で、イソチオシアノベンジルDOTA(Macrocyclics社製 B−205)を、DMSOに14mg/mLの濃度になるように溶解した。抗体とDOTAのモル比が1:4(仕込比1:4)となるように混合、撹拌し、25℃で17時間静置した。反応終了後、遠心式フィルター(アミコンウルトラ、メルクミリポア社製 UFC503096)で後述する標識緩衝液を用いて濃縮、精製した。
111 In標識NZ−12の調製
精製したNZ−12を5mg/mLとなるように標識緩衝液(0.25M 酢酸ナトリウム pH5.5)に溶解し、111InCl3溶液(MDS Nordion社製)、0.05mM 塩酸及びNZ−12溶液を加えて45℃、15分インキュベートした。なお、反応液中の抗体濃度は3.2mg/mLとなるように調整した。標識反応液の一部をサンプリングし、薄層クロマトグラフィー(Biodex社製、150−771−2)を用いて標識率を確認した。展開溶媒は10mM DTPAを含む生理食塩水とし、クロマトスキャナーを用いて測定した。標識率が95%以上のときに後の実験に使用した。
精製したNZ−12を5mg/mLとなるように標識緩衝液(0.25M 酢酸ナトリウム pH5.5)に溶解し、111InCl3溶液(MDS Nordion社製)、0.05mM 塩酸及びNZ−12溶液を加えて45℃、15分インキュベートした。なお、反応液中の抗体濃度は3.2mg/mLとなるように調整した。標識反応液の一部をサンプリングし、薄層クロマトグラフィー(Biodex社製、150−771−2)を用いて標識率を確認した。展開溶媒は10mM DTPAを含む生理食塩水とし、クロマトスキャナーを用いて測定した。標識率が95%以上のときに後の実験に使用した。
9.担癌マウスにおける体内分布
ポドプラニン発現細胞であるACC−MESO4を10%FBS含有RPMI1640培地中で培養し、SCIDマウス(メス、6週齢、日本クレア)の右大腿部皮下に4×106個/マウスとなるように移植し平均腫瘍体積が290mm3になるまで飼育した。次に、ACC−MESO4移植マウスに111In−DOTA−NZ−12を1MBq/匹となるよう静脈内投与した。投与後1、2、3、4日が経過した時点で屠殺、解剖を行って組織および腫瘍を摘出し、組織および腫瘍の重量を測定した後にγカウンターにより計数率を測定し、以下の式により%ID/gを算出した。
ポドプラニン発現細胞であるACC−MESO4を10%FBS含有RPMI1640培地中で培養し、SCIDマウス(メス、6週齢、日本クレア)の右大腿部皮下に4×106個/マウスとなるように移植し平均腫瘍体積が290mm3になるまで飼育した。次に、ACC−MESO4移植マウスに111In−DOTA−NZ−12を1MBq/匹となるよう静脈内投与した。投与後1、2、3、4日が経過した時点で屠殺、解剖を行って組織および腫瘍を摘出し、組織および腫瘍の重量を測定した後にγカウンターにより計数率を測定し、以下の式により%ID/gを算出した。
結果を図8に示す。111In−DOTA−NZ−12は経時的に腫瘍集積が高まり、投与後4日で26%ID/gと高い集積を示した。また、投与後2日では他の正常組織より高い集積を示した。
10.カニクイザルにおける体内分布
カニクイザル(オス、3歳、ハムリー)に111In−DOTA−NZ−12を137MBq静脈内投与した。投与後1時間、1日、2日、3日、6日にシンチカメラにより全身プラナー撮像を実施して、臓器の放射能分布を測定した。また、プラナー画像から各組織計数率を抽出し、以下の式により%IDを算出した。なお、サルの上部に10%ID標準溶液を置き、同時に撮像した。
カニクイザル(オス、3歳、ハムリー)に111In−DOTA−NZ−12を137MBq静脈内投与した。投与後1時間、1日、2日、3日、6日にシンチカメラにより全身プラナー撮像を実施して、臓器の放射能分布を測定した。また、プラナー画像から各組織計数率を抽出し、以下の式により%IDを算出した。なお、サルの上部に10%ID標準溶液を置き、同時に撮像した。
図9の上段左から順に投与後1時間、1日、2日、3日、6日に得られた画像を、下段にこれらに関心領域(ROI)を設定した画像を示す。また、図10に各組織の%IDを示す。
腎臓への集積が顕著に見られ、右左合わせて最大18.2%ID(24時間後)となった。また、肝臓への集積は24時間後で11.9%IDであった。なお、担癌マウスにおける投与後24時間の%IDは腎臓で1.87%ID、肝臓で14.4%IDであった。マウスとカニクイザルで肝臓の分布に大きな違いはないが、腎臓では大きな違いが見られる。これはポドプラニンのアミノ酸配列が種によって異なるためと考えられ、よりヒトに近いカニクイザルでの集積はヒトでの集積を示唆する。
投与後6日の撮像終了後に動物を解剖し、腎臓の切片オートラジオグラフィー及びヘマトキシリンエオジン染色を行った。その結果を図11に示す。なお、図上の点は糸球体の位置を示す。
腎臓では糸球体に高度の集積が見られ、それ以外の領域への集積はほとんど検出されなかった。ポドプラニンは腎糸球体上皮細胞表面に発現しており、111In−DOTA−NZ−12の腎集積はポドプラニンへの特異的な結合であると考えられた。
Claims (12)
- 可変領域にげっ歯類由来のCDRを有し、定常領域がヒト由来であるヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体であって、軽鎖定常領域にヒトλ鎖の定常領域を有するヒトキメラ又はヒト化抗ポドプラニンモノクローナル抗体。
- 前記ヒトλ鎖の定常領域のアミノ酸配列が、配列番号1に示すアミノ酸配列、配列番号1に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号1に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列である請求項1記載の抗体。
- 可変領域に下記a)〜f)に示すポリペプチドを含む請求項1又は2記載の抗体。
a)配列番号2に示すアミノ酸配列、配列番号2に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号2に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR1、
b)配列番号3に示すアミノ酸配列、配列番号3に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号3に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR2、
c)配列番号4に示すアミノ酸配列、配列番号4に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号4に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる重鎖CDR3、
d)配列番号5に示すアミノ酸配列、配列番号5に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号5に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR1、
e)配列番号6に示すアミノ酸配列、配列番号6に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号6に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR2、
f)配列番号7に示すアミノ酸配列、配列番号7に示すアミノ酸配列と60%以上の同一性を有するアミノ酸配列、又は配列番号7に示すアミノ酸配列において1から数個のアミノ酸配列の欠失、置換若しくは付加を有するアミノ酸配列からなる軽鎖CDR3。 - 請求項1〜3のいずれか1項記載の抗体と薬物とを結合させてなる抗体薬物複合体。
- 薬物が、抗がん剤である請求項4記載の抗体薬物複合体。
- 薬物が、腎臓病治療剤である請求項4記載の抗体薬物複合体。
- 薬物が、ラジオアイソトープである請求項4記載の抗体薬物複合体。
- 請求項1〜7のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する医薬組成物。
- 請求項1〜3、5及び7のいずれか1項記載の抗体又は抗体薬物複合体を含有する抗がん薬組成物である請求項8記載の医薬組成物。
- 請求項6又は7記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病治療薬組成物である請求項8記載の医薬組成物。
- 請求項7記載の抗体薬物複合体を含有するがん診断薬組成物である請求項8記載の医薬組成物。
- 請求項7記載の抗体薬物複合体を含有する腎臓病診断薬組成物である請求項8記載の医薬組成物。
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