JP2018167397A - ハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

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拓也 門脇
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Abstract

【課題】焼成時にハニカムフィルタの割れを防止することができるハニカムフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】下端面71a又は上端面71bの側で貫通孔70hの端部が封口部72により封口され、セラミクス原料を含むグリーン成形体70について、上端面部材載置工程で、下端面71aを下向きにし且つ上端面71bを上向きにした状態で、上端面71bにセラミクス原料を含む上端面部材90が載置され、焼成工程で、上端面71bに上端面部材90を載置されたグリーン成形体70が焼成され、ハニカムフィルタ100が製造される。上端面部材載置工程において、上端面71bにセラミクス原料を含む上端面部材90が載置されることにより、焼成時に割れの原因となる温度勾配による応力集中が生じる箇所を上端面部材90へと遷移させる。これにより、焼成時にハニカムフィルタ100の割れを防止することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハニカムフィルタの製造方法に関する。
従来より、ディーゼルパティキュレートフィルタ等に用いられるハニカムフィルタを製造する方法が知られている。ハニカムフィルタの製造では、セラミクス原料を含むグリーン(未焼成)成形体が押出成形等により製造される。グリーン成形体は、互いに平行な複数の貫通孔が形成され、複数の貫通孔を隔てる隔壁を有するハニカム状の柱状体である。
当該グリーン成形体を焼成することにより、ハニカムフィルタが製造される。
特開2013−71146号公報
ところで、ディーゼルパティキュレートフィルタ等に用いられるハニカムフィルタは、グリーン成形体の柱状体の二つの端面のいずれか一方の側で貫通孔の端部がセラミクス原料を含む封口部により封口されることにより、フィルタとしての機能を奏する。グリーン成形体の柱状体と封口部とを一緒に焼成して焼成工程の回数を減らすために、グリーン成形体の焼成前に、グリーン成形体の貫通孔の端部が封口部により封口されることが多い。しかしながら、グリーン成形体の貫通孔の端部が封口された状態でグリーン成形体が焼成されると、グリーン成形体の各部に温度差による温度勾配が生じ易く、温度勾配による応力集中により焼成後のハニカムフィルタに割れが生じることがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、焼成時にハニカムフィルタの割れを防止することができるハニカムフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、互いに平行な複数の貫通孔が形成され、複数の貫通孔を隔てる隔壁を含むハニカム状の柱状体と、貫通孔の一方の端部を封口する封口部とを有し、複数の貫通孔の内の一部の貫通孔は、貫通孔に直交する柱状体の第1端面及び第2端面の内の第1端面において封口部で封口され、第2端面において開き、複数の貫通孔の内の残部の貫通孔は、第2端面において封口部で封口され、第1端面において開いており、柱状体及び封口部はセラミクス原料を含むグリーン成形体について、第1端面を下向きにし且つ第2端面を上向きにした状態で、第2端面にセラミクス原料を含む上端面部材を載置する上端面部材載置工程と、上端面部材載置工程により第2端面に上端面部材を載置されたグリーン成形体を焼成してハニカムフィルタを製造する焼成工程とを備えたハニカムフィルタの製造方法である。
この構成によれば、上端面部材載置工程において、第2端面にセラミクス原料を含む上端面部材が載置されることにより、焼成時に割れの原因となる温度勾配による応力集中が生じる箇所を上端面部材へと遷移させる。これにより、焼成時にハニカムフィルタの割れを防止することができる。
この場合、上端面部材載置工程では、セラミクス原料を押出成形することによって製造されたグリーン成形体の端材を上端面部材として第2端面に載置することが好適である。
この構成によれば、上端面部材載置工程では、セラミクス原料を押出成形することによって製造されたグリーン成形体の端材が上端面部材として第2端面に載置される。これにより、グリーン成形体及び上端面部材の材質及び隔壁の構造が同一になるため、グリーン成形体及び上端面部材の温度特性も同一となり、焼成時に割れの原因となる応力集中が生じる箇所を上端面部材へと確実に遷移させ易くすることができる。また、グリーン成形体の製造時に生じる端材を上端面部材として適用するため、上端面部材を別途作製する場合に比べてコスト削減を図ることができる。
また、上端面部材載置工程では、第2端面に載置された上端面部材の最上部から第2端面までの長さが第2端面の太さの0.05倍以上である上端面部材を第2端面に載置することが好適である。
この構成によれば、上端面部材載置工程では、第2端面に載置された上端面部材の最上部から第2端面までの長さ(即ち上端面部材の厚さ)が、第2端面の太さの0.05倍以上である上端面部材が、第2端面に載置される。このため、焼成時に割れの原因となる応力集中が生じる箇所を上端面部材へと確実に遷移させることができる。
また、本発明の方法は、焼成工程後に気孔率が50%以上のハニカムフィルタとなるグリーン成形体に適用できる。
この構成によれば、グリーン成形体は焼成工程後に気孔率が50%以上のハニカムフィルタとなり、応力集中によって割れが生じ易いため、上記本発明のハニカムフィルタの製造方法を適用した場合に割れを防止する効果が顕著となる。
また、本発明の方法は、焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下であるハニカムフィルタとなるグリーン成形体に適用できる。
この構成によれば、グリーン成形体は、焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下であるハニカムフィルタとなり、応力集中によって割れが生じ易いため、上記本発明のハニカムフィルタの製造方法を適用した場合に割れを防止する効果が顕著となる。
また、本発明の方法は、温度に対するグリーン成形体の収縮率を示す収縮曲線が900℃以上の温度域で変曲点を有するグリーン成形体に適用できる。
この構成によれば、グリーン成形体は、焼成工程において、温度に対するグリーン成形体の収縮率を示す収縮曲線が900℃以上の温度域で変曲点を有し、温度勾配による応力集中が生じ易く、割れが生じ易いため、上記本発明のハニカムフィルタの製造方法を適用した場合に割れを防止する効果が顕著となる。
本発明のハニカムフィルタの製造方法によれば、焼成時にハニカムフィルタの割れを防止することができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係るグリーン成形体の斜視図であり、(b)は、(a)の柱状体の上端面の正面図である。 図1(a)のグリーン成形体の貫通孔の延在方向に平行な断面の概略を示す図である。 図2のグリーン成形体において、下端面を台座により支持し、上端面に上端面部材を載置した状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るグリーン成形体の温度に対するグリーン成形体の収縮率を示す収縮曲線のグラフである。 焼成後にハニカムフィルタとなるグリーン成形体の焼成時の温度分布を示す図である。 焼成後に長尺のハニカムフィルタとなるグリーン成形体の焼成時の温度分布を示す図である。 焼成後に割れが生じたハニカムフィルタの貫通孔の延在方向に平行な断面を示す図である。 焼成後に割れが生じたハニカムフィルタの下端面を示す図である。 図6のグリーン成形体を上端面に上端面部材を載置した状態で焼成した場合の温度分布を示す図である。 本発明の実施例の焼成時における時間に対する酸素濃度及び温度を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。まず、本発明の第1実施形態において焼成の対象となるグリーン成形体について説明する。図1(a)に示すように、本実施形態に係るグリーン成形体70は、全体として柱状体の形状を有し、より詳細には円柱体の形状を有する。グリーン成形体70は、円柱体の下端面(第1端面)71a、上端面(第2端面)71b及び側面71cを有する。図1(a)及び図1(b)に示すように、グリーン成形体70には、互いに平行な複数の貫通孔70hが形成されている。下端面71a及び上端面71bは、貫通孔70hに直交している。
グリーン成形体70は、複数の貫通孔70hを隔てる隔壁70Wを有するハニカム状の柱状体である。隔壁70Wにより互いに隔てられた貫通孔70hは、下端面71a及び上端面71bから視て正六角形の形状を有する。グリーン成形体70は、貫通孔70hの一方の端部を封口する封口部72を備える。グリーン成形体70はセラミクス原料を含み、後で焼成することにより多孔質のセラミクスとなる未焼成成形体である。グリーン成形体70の貫通孔70hが延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、グリーン成形体70の下端面71a及び上端面71bの太さ(直径)も特に限定されないが、例えば、10〜320mmとすることできる。貫通孔70hそれぞれは、グリーン成形体70の中心軸に平行に延びる隔壁70Wによって隔てられている。隔壁70Wの厚さとしては、0.8mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
図1(a)、図1(b)及び図2に示すように、複数の貫通孔70hの内の一部の貫通孔70hは、下端面71aにおいて封口部72で封口され、上端面71bにおいて開いている。複数の貫通孔70hの内の残部の貫通孔70hは、上端面71bにおいて封口部72で封口され、下端面71aにおいて開いている。図1(b)及び図2の例では、上端面71bの側において、一つの貫通孔70hの周囲の六つの貫通孔70hは開いていて、開いている六つの貫通孔70hのそれぞれに周囲を囲まれた一つの貫通孔70hは封口部72で封口されている。一方、下端面71aの側において、開いている一つの貫通孔70hの周囲を囲む六つの貫通孔70hのそれぞれが封口部72で封口されている。グリーン成形体70をハニカムフィルタとして適用する際には、圧力損失を低減するため、上端面71bがガス流路の入口側とされ、下端面71aがガス流路の出口側とされる。
グリーン成形体70は、後で焼成することにより多孔性セラミクスとなるグリーン体(未焼成体)であり、セラミクス原料を含む。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
グリーン成形体70は、好ましくは、セラミクス原料である無機化合物源粉末、及び、メチルセルロース等の有機バインダ、並びに、必要に応じて添加される添加剤を含む。
セラミクス原料は、セラミクスを構成する元素を含有する無機化合物源粉末を含む。例えば、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合、無機化合物源粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、更に、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末を含み、及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。気孔率と気孔径を増加させるためには、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合は、無機化合物源粉末がマグネシアスピネル粉末を含むことが好ましく、その量は、焼成後のハニカムフィルタにおいて、アルミニウム原子100質量部に対してマグネシアスピネルに由来するマグネシウム原子の量が10質量部〜20質量部となるような量であることが好ましく、また、マグネシウム源に占めるマグネシアスピネルの割合は80質量%以上であると好ましい。このようなマグネシアスピネルを含む無機化合物源粉末を用いることにより、気孔率50%のチタン酸アルミニウム製セラミクスフィルタの製造を実現することができる。
有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤、及び溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん(ポテトスターチ)、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイス等などが挙げられる。
潤滑剤又は可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩などが挙げられる。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウム、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどの界面活性剤などが挙げられる。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;及び水などを用いることができる。
封口部72としては、グリーン成形体70と同様の焼成することによりセラミクスとなる材料を用いることができる。なお、封口部72は、下端面71a及び上端面71bの近傍で隔壁70W同士を圧着又は溶着することにより、貫通孔70hを封口するものでもよい。
グリーン成形体70は、例えば、以下のような押出工程、乾燥工程及び切断工程を経て製造することができる。まず、無機化合物源粉末と、有機バインダと、溶媒と、必要に応じて添加剤とを用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、乾燥をし、所望の長さに切ることにより、グリーン成形体70を得ることができる。その後、グリーン成形体70の貫通孔70hの端部が封口部72により封口される。
特に本実施形態では、グリーン成形体70は、後述する焼成工程後に気孔率が50%以上のハニカムフィルタとなるものとできる。これにより、ハニカムフィルタとして適用した場合に圧力損失が少なくすることができる。また、焼成工程後に気孔率が50%以上のハニカムフィルタとする場合は、ハニカムフィルタは、焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下であるハニカムフィルタとなりやすい。
以下、上記のグリーン成形体70を用いたハニカムフィルタの製造方法について説明する。まず、上端面部材載置工程として、図3に示すように、下端面71aを下向きにし且つ上端面71bを上向きにした状態で、下端面71aを台座80により支持し、上端面71bに上端面部材90を載置する。台座80は、下端面71aと同一の直径を有する円柱体の形状を有する。台座80の高さは、例えば、5〜50mmとすることができる。上端面部材90は、上端面71bと同一の直径を有する円柱体の形状を有する。上端面部材90の最上部から上端面71bまでの長さは、上端面の太さ(直径)の好ましくは0.05倍以上、より好ましくは0.09倍以上であり、また0.5倍以下であることが好ましい。台座80の上端面とグリーン成形体70の下端面71aとは一致するように配置される。グリーン成形体70の上端面71bと上端面部材90の下端面とは一致するように配置される。
台座80及び上端面部材90は、セラミクス原料を押出成形することによってグリーン成形体70が製造された際に、ディーゼルパティキュレートフィルタ等として製品とするために精密に切断されたグリーン成形体70の端材を適用することができる。同じ押出機から製造することにより、グリーン成形体70、台座80及び上端面部材90は、同じ断面構造の貫通孔70h及び隔壁70Wを有することができ、同一の組成とすることができる。
次に、焼成工程として、図3に示すように、上端面部材載置工程により、下端面71aが台座80で支持され、上端面71bに上端面部材90を載置された状態のグリーン成形体70を焼成して、ハニカムフィルタを製造する。グリーン成形体70は、台座80により支持され、上端面部材90を載置された状態で、焼成炉に載置される。焼成は、通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。
グリーン成形体70は、焼成前に仮焼(脱脂)が行われる。仮焼(脱脂)は、グリーン成形体70、台座80及び上端面部材90中の有機バインダや、必要に応じて配合される有機添加物を、焼失、分解等により除去するための工程であり、典型的には、焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば、150〜900℃の温度範囲)になされる。
グリーン成形体70、台座80及び上端面部材90の焼成温度は、通常、1300℃以上、好ましくは1400℃以上である。また、焼成温度は、通常、1650℃以下、好ましくは1550℃以下である。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間〜500℃/時間である。焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いる原料粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。焼成に要する時間は、セラミクスが生成するのに十分な時間であればよく、グリーン成形体70の大きさ、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分〜100時間である。
焼成工程後に気孔率が50%以上のチタン酸アルミニウム製ハニカムフィルタとする場合に、マグネシアスピネル粉末を含む無機化合物源粉末を用いると、温度に対するグリーン成形体の収縮率を示す収縮曲線のグラフは図4に示すようになる。図4の例では、グリーン成形体70を5℃/分の昇温速度で昇温させた場合の収縮曲線を示す。図4に示すように、収縮曲線が900℃以上の温度域である1300℃付近で、収縮曲線の接線の傾きが温度の上昇に伴い緩やかになり、次に温度の上昇に伴い急峻になる境目となる変曲点Pを有することが判る。なお、変曲点Pとは、収縮曲線の曲がる方向が変化する点を意味する。
以下、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法の作用効果について説明する。図1(a)、図1(b)及び図2に示すようなグリーン成形体70を焼成した場合は、貫通孔70hの端部が封口部72により封口されているために、上端面71bと下端面71aとの間でガスが抜けにくく、上端面71bの側から下端面71aの側に熱が伝わり難い。そのため、図5や図6に示すように、グリーン成形体70は、上端面71bの方から高温となり、台座80に接する下端面71aの側は低温となる。
温度勾配が急峻となると、グリーン成形体70の各部の収縮率の相違から応力集中が生じ易くなる。特に、図5及び図6に示すように、上端面71bの周縁部付近においては、等温線が高い曲率で湾曲しているため、各部の収縮率の相違による応力集中が最も生じ易い。焼成工程後に気孔率が50%以上のハニカムフィルタとなるグリーン成形体70の場合は、気孔率が大きいため、焼成工程後のハニカムフィルタの曲げ強度も1.5MPa以下の弱さとなりやすい。この結果、特に上端面71b付近に発生する応力集中で焼成後のハニカムフィルタ100の内部に割れCが生じ、図7に示すように、図6の温度分布内の等温曲線に沿って割れCがハニカムフィルタ100の内部で進行し、最終的に図8に示すような下端面71aに割れCが現れる。また、図4に示したような収縮曲線を示すグリーン成形体70では、1300℃付近の温度域で一度収縮率が減少するため、グリーン成形体70が各部で均一に収縮せずに応力が発生し易く、より顕著に上端面71b付近に発生する応力集中で焼成後のハニカムフィルタ100の内部に割れCが生じやすい。
一方、本実施形態では、図9に示すように、上端面部材載置工程において、上端面71bに上端面部材90が載置されることにより、焼成時に割れの原因となる温度勾配による応力集中が最も生じる箇所を上端面部材90の上端面の周縁部へと遷移させることができる。これにより、焼成時にハニカムフィルタ100の割れCの発生を防止することができる。
また、本実施形態では、上端面部材載置工程では、セラミクス原料を押出成形することによって製造されたグリーン成形体70の端材が上端面部材90として上端面71bに載置される。これにより、グリーン成形体70及び上端面部材90の材質及び隔壁の構造が同一になるため、グリーン成形体70及び上端面部材90の温度特性も同一となり、焼成時に割れの原因となる温度勾配による応力集中が生じる箇所を上端面部材90へと確実に遷移させ易くすることができる。また、グリーン成形体70の製造時に生じる端材を上端面部材90として適用するため、上端面部材90を別途作製する場合に比べてコスト削減を図ることができる。
また、本実施形態では、上端面部材載置工程では、上端面部材90の最上部から上端面71bまでの長さが、上端面71bの太さの0.05倍以上である上端面部材90が、上端面71bに載置される。このため、焼成時に割れの原因となる温度勾配による応力集中が生じる箇所を上端面部材90へと確実に遷移させることができる。
また、本実施形態によれば、グリーン成形体70は、焼成工程後に気孔率が50%以上であり、焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下であるハニカムフィルタ100とすることができ、応力集中によって割れが生じ易いため、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法を適用した場合に割れの発生を防止する効果が顕著となる。
また、本実施形態によれば、グリーン成形体70は、温度に対するグリーン成形体70の収縮率を示す収縮曲線が900℃以上の温度域で変曲点を有し、応力集中が生じ易く、割れが生じ易いため、本実施形態のハニカムフィルタの製造方法を適用した場合に割れを防止する効果が顕著となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。例えば、グリーン成形体70の貫通孔70hの下端面71a及び上端面71bから視た断面形状は、正六角形には限定されず、正方形、矩形、円形、楕円形、三角形、正六角形以外の六角形、八角形等にすることができる。断面の形状及び寸法が互いに異なる複数の種類の貫通孔70hがグリーン成形体70に形成されていてもよい。貫通孔70h同士の間隔や、貫通孔70hの配置も特に限定されない。グリーン成形体70の外形は、下端面71a及び上端面71bが円である円柱に限られず、例えば、下端面71a及び上端面71bが楕円である円柱とすることができ、又はグリーン成形体70の外径は、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等とすることができる。また、本発明の効果を著しく損なわない限り、台座80および上端面部材90はそれぞれ、グリーン成形体70と同一の組成でなくてもよいし、グリーン成形体70と同じ断面構造でなくてもよいし、グリーン成形体70の下端面71aや上端面71bと同一の直径でなくてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例)
上述した本実施形態のハニカムフィルタの製造方法により、以下の表1に示す条件により、ハニカムフィルタを製造した。グリーン成形体70としては、図1(a)及び図1(b)に示すような円柱体の形状を有するグリーン成形体70を適用した。グリーン成形体70のセラミクス原料はチタン酸アルミニウムであり、造孔材としてはポテトスターチを用いた。グリーン成形体70は、焼成工程後に気孔率が59%となり、焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下であるハニカムフィルタ100となる。また、グリーン成形体70の収縮曲線は図4に示すものである。
台座80及び上端面部材90は、図3に示すようなものを適用した。表1において、「グリーン成形体の直径(mm)」とは、グリーン成形体70の下端面71a及び上端面71bの直径を意味する。表1において、「グリーン成形体の高さ(mm)」とは、グリーン成形体70の下端面71aから上端面71bまでの長さを意味する。表1において、「上端面部材の厚さ(mm)」とは、上端面71bに載置された上端面部材90の最上部から上端面71bまでの長さを意味する。焼成工程では、表1にそれぞれ示した条件において、図10に示したような時間に対する酸素濃度及び温度の条件によりグリーン成形体70の焼成をそれぞれ行った。
Figure 2018167397

表1に示すように、上端面部材を設置したいずれの結果においても、焼成後のハニカムフィルタ100に割れCは生じていなかった。
70…グリーン成形体、70h…貫通孔、70W…隔壁、71a…下端面(第1端面)、71b…上端面(第2端面)、71c…側面、72…封口部、80…台座、90…上端面部材、100…ハニカムフィルタ、C…割れ、P…変曲点。

Claims (6)

  1. 互いに平行な複数の貫通孔が形成され、複数の前記貫通孔を隔てる隔壁を含むハニカム状の柱状体と、前記貫通孔の一方の端部を封口する封口部とを有し、複数の前記貫通孔の内の一部の前記貫通孔は、前記貫通孔に直交する前記柱状体の第1端面及び第2端面の内の前記第1端面において前記封口部で封口され、前記第2端面において開き、複数の前記貫通孔の内の残部の前記貫通孔は、前記第2端面において前記封口部で封口され、前記第1端面において開いており、前記柱状体及び封口部はセラミクス原料を含むグリーン成形体について、
    前記第1端面を下向きにし且つ前記第2端面を上向きにした状態で、前記第2端面にセラミクス原料を含む上端面部材を載置する上端面部材載置工程と、
    前記上端面部材載置工程により前記第2端面に前記上端面部材を載置された前記グリーン成形体を焼成してハニカムフィルタを製造する焼成工程と、
    を備えたハニカムフィルタの製造方法。
  2. 前記上端面部材載置工程では、前記セラミクス原料を押出成形することによって製造された前記グリーン成形体の端材を前記上端面部材として前記第2端面に載置する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記上端面部材載置工程では、前記第2端面に載置された前記上端面部材の最上部から前記第2端面までの長さが前記第2端面の太さの0.05倍以上である前記上端面部材を前記第2端面に載置する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記グリーン成形体は、前記焼成工程後に気孔率が50%以上の前記ハニカムフィルタとなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記グリーン成形体は、前記焼成工程後に曲げ強度が1.5MPa以下である前記ハニカムフィルタとなる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記グリーン成形体は、温度に対するグリーン成形体の収縮率を示す収縮曲線が900℃以上の温度域で変曲点を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
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