JP2013146687A - ハニカム構造体の封口方法及びハニカムフィルタの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】貫通孔が封口されたことを容易に確認することができるハニカム構造体の封口方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るハニカム構造体の封口方法は、グリーンハニカム成形体400の複数の流路410における端部に封口ペーストを充填して封口部430を形成する封口工程と、流路410の軸方向に延びる開口が封口部430におけるグリーンハニカム成形体400の一端面400a側の端部430aに形成されていない状態で、封口部430に対して一端面400a側から熱風Wを吹きつける工程と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、ハニカム構造体の封口方法及びハニカムフィルタの製造方法に関する。
従来より、ハニカムフィルタは、DPF(Diesel particulate filter)等として広く用いられている。ハニカムフィルタは、例えば、複数の貫通孔を有するハニカム焼成体であり、一部の貫通孔の一端が封口部で封じられていると共に、残りの貫通孔の他端が封口部で封じられている。
貫通孔を封口するための封口工程では、グリーンハニカム成形体又はハニカム焼成体であるハニカム構造体の貫通孔に封口ペーストを充填している。この場合、例えば、複数の貫通孔を有するマスクを、当該マスクの複数の貫通孔のそれぞれがハニカム構造体の複数の貫通孔と対向するように配置して、マスクの貫通孔を介してハニカム構造体の貫通孔に封口ペーストを充填している(例えば、下記特許文献1,2参照)。
特開2004−290766号公報 特開2008−132749号公報
ところで、貫通孔の端部を封口して得られたハニカムフィルタに対しては、当該貫通孔が適切に封口されたことを確認するための検査が行なわれる。このようなハニカムフィルタの検査工程においては、貫通孔が封口されたことを容易に確認できることが求められている。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、貫通孔が封口されたことを容易に確認することができるハニカム構造体の封口方法及びハニカムフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、従来の封口方法に関して下記の知見を見出した。すなわち、ハニカム構造体がグリーンハニカム成形体及びハニカム焼成体のいずれである場合においても、貫通孔に封口ペーストを充填して封口部を形成した後にハニカム構造体を放置すると、封口ペーストの液体成分がハニカム構造体の隔壁に吸収される等して封口部の液体成分の含有量が減少する傾向がある。これにより、隔壁近傍では封口ペーストが存在し易いものの、隔壁から離れた貫通孔の中央の位置では封口ペーストが存在し難くなり、貫通孔の軸方向に延在する開口が封口部に形成される場合がある。この場合、開口の底部が封口されている際には貫通孔が封口されることになるものの、開口の底部が封口されているか否かを検査する検査工程が煩雑になる傾向がある。
これに対し、貫通孔に封口ペーストを充填して封口部を形成した後に、貫通孔の軸方向に延びる開口が封口部におけるハニカム構造体の一端側の端部に形成されていない状態で、封口部におけるハニカム構造体の一端側に露出した端部の液体成分を除去することにより、当該封口部の端部の液体成分が隔壁に吸収されることが抑制される。これにより、貫通孔の軸方向に延びる開口が当該封口部の端部に形成されることが抑制される。
すなわち、本発明に係るハニカム構造体の封口方法は、ハニカム構造体の複数の貫通孔におけるハニカム構造体の一端側の端部に封口ペーストを充填して封口部を形成する封口工程と、貫通孔の軸方向に延びる開口が封口部におけるハニカム構造体の一端側の端部に形成されていない状態で、封口部に対して上記一端側から熱風を吹きつける工程と、を備える。
本発明に係るハニカム構造体の封口方法では、貫通孔の軸方向に延びる開口が封口部におけるハニカム構造体の一端側の端部に形成されていない状態で、封口部に対して上記一端側から熱風を吹きつける。これにより、封口部の上記端部から液体成分が除去されるため、当該封口部の端部の液体成分が隔壁に吸収されて当該端部が変形することが抑制される。そのため、貫通孔の軸方向に延びる開口が当該封口部の端部に形成されることが抑制される。この場合、貫通孔が封口されたことを確認するための検査工程が煩雑になることを抑制可能であり、貫通孔が封口されたことを容易に確認することができる。
さらに、本発明者は、複数の貫通孔を有するマスクを用いてハニカム構造体の貫通孔を封口する方法において、ハニカム構造体の貫通孔の軸方向に延在する開口が封口部に残存し易いことを見出した。すなわち、本発明に係るハニカム構造体の封口方法では、封口工程において、複数の貫通孔を有するマスクを、当該マスクの複数の貫通孔がそれぞれハニカム構造体の複数の貫通孔と対向するように配置して、マスクの貫通孔を介してハニカム構造体の貫通孔に封口ペーストを供給してもよい。この場合、マスクを用いてハニカム構造体の貫通孔を封口する方法を採用した場合であっても、貫通孔が封口されたことを容易に確認することができる。
本発明の一側面に係るハニカムフィルタの製造方法は、上記封口方法によりハニカム構造体の貫通孔の端部を封口した後に、ハニカム構造体を焼成する工程を備え、ハニカム構造体がグリーンハニカム成形体である。また、本発明の他の一側面に係るハニカムフィルタの製造方法は、グリーンハニカム成形体を焼成してハニカム構造体を得た後に、上記封口方法によりハニカム構造体の貫通孔の端部を封口する工程を備える。
本発明に係るハニカムフィルタの製造方法のそれぞれでは、本発明に係るハニカム構造体の封口方法によりハニカム構造体の貫通孔の端部を封口するため、貫通孔が封口されたことを容易に確認することができる。
本発明によれば、貫通孔が封口されたことを容易に確認することができるハニカム構造体の封口方法及びハニカムフィルタの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法により得られたハニカムフィルタを模式的に示す図である。 図2は、図1のII−II矢視図である。 図3は、本発明の他の一実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法により得られたハニカムフィルタを模式的に示す図である。 図4は、図3のIV−IV矢視図である。 本発明の一実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法を示す模式断面図である。 実施例1のハニカムフィルタの端面の写真を示す図である。 比較例1のハニカム成形体の端面の写真を示す図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
<ハニカムフィルタ>
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法により得られたハニカムフィルタを模式的に示す図であり、図1(b)は、図1(a)における領域R1の拡大図である。図2は、図1のII−II矢視図である。ハニカムフィルタ100は、図1,2に示すように、互いに略平行に配置された複数の流路(貫通孔)110を有する円柱体である。複数の流路110は、ハニカムフィルタ100の中心軸に略平行に伸びる隔壁120により仕切られている。複数の流路110は、複数の流路(第1の流路)110aと、流路110aに隣接する複数の流路(第2の流路)110bとを有している。流路110a及び流路110bは、ハニカムフィルタ100の両端面に略垂直に伸びている。
流路110のうちの一部を構成する流路110aの一端は、ハニカムフィルタ100の一端面100aにおいて封口部130により封口されており、流路110aの他端は、ハニカムフィルタ100の他端面100bにおいて開口している。一方、複数の流路110のうちの残部を構成する流路110bの一端は、一端面100aにおいて開口しており、流路110bの他端は、他端面100bにおいて封口部130により封口されている。ハニカムフィルタ100において、例えば、流路110bにおける一端面100a側の端部はガス流入口として開口しており、流路110aにおける他端面100b側の端部はガス流出口として開口している。
流路110a及び流路110bの軸方向(長手方向)に略垂直な断面は、六角形状である。流路110aの断面は、例えば、当該断面を形成する辺140の長さが互いに略等しい正六角形状であるが、扁平六角形状であってもよい。流路110bの断面は、例えば扁平六角形状であるが、正六角形状であってもよい。流路110bの断面において互いに対向する辺の長さは、互いに略等しい。流路110bの断面は、当該断面を形成する辺150として、互いに長さの略等しい二つ(一対)の長辺150aと、互いに長さの略等しい四つ(二対)の短辺150bと、を有している。短辺150bは、長辺150aの両側にそれぞれ配置されている。長辺150a同士は、互いに略平行に対向しており、短辺150b同士は、互いに略平行に対向している。
隔壁120は、流路110a及び流路110bを仕切る部分として隔壁120aを有している。すなわち、流路110a及び流路110bは、隔壁120aを介して互いに隣接している。隣接する流路110aの間に一つの流路110bが配置されることにより、流路110aは、流路110aの配列方向(辺140に略直交する方向)において流路110bと交互に配置されている。
流路110aの辺140のそれぞれは、複数の流路110bのいずれか一つの流路の長辺150aと略平行に対向している。すなわち、流路110aを形成する壁面のそれぞれは、流路110a及び流路110bの間に位置する隔壁120aにおいて、流路110bを形成する一壁面と略平行に対向している。また、流路110は、1つの流路110aと、当該流路110aを囲む6つの流路110bとを含む構成単位を有しており、当該構成単位において、流路110aの辺140の全てが流路110bの長辺150aと対向している。ハニカムフィルタ100では、流路110aの辺140の少なくとも一つの長さが、対向する長辺150aの長さと略等しくてもよく、辺140のそれぞれの長さが、対向する長辺150aの長さと略等しくてもよい。
隔壁120は、互いに隣接する流路110b同士を仕切る部分として隔壁120bを有している。すなわち、流路110aを囲む流路110b同士は、隔壁120bを介して互いに隣接している。
流路110bの短辺150bのそれぞれは、隣接する流路110bの短辺150bと略平行に対向している。すなわち、流路110bを形成する壁面は、隣接する流路110bの間に位置する隔壁120bにおいて互いに略平行に対向している。ハニカムフィルタ100では、隣接する流路110bの間において、流路110bの短辺150bの少なくとも一つの長さが、対向する短辺150bの長さと略等しくてもよく、短辺150bのそれぞれの長さが、対向する短辺150bの長さと略等しくてもよい。
流路110a,110bの長手方向におけるハニカムフィルタ100の長さは、例えば50〜300mmである。ハニカムフィルタ100の外径は、例えば50〜250mmである。1つの流路110aと当該流路110aを囲む流路110bとを含む構成単位において、辺140の長さは、例えば0.2〜2.0mmである。上記構成単位において、流路110bの長辺150aの長さは例えば0.4〜2.0mmであり、流路110bの短辺150bの長さは例えば0.3〜2.0mmである。隔壁120の厚み(セル壁厚)は、例えば0.1〜0.8mmである。隔壁120の気孔率は、例えば20〜60体積%である。隔壁120の気孔率は、原料の粒子径、造孔剤の添加量、造孔剤の種類、焼成条件により調整可能であり、水銀圧入法により測定することができる。
[第2実施形態]
図3は、第2実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法により得られたハニカムフィルタを模式的に示す図であり、図3(b)は、図3(a)における領域R2の拡大図である。図4は、図3のIV−IV矢視図である。ハニカムフィルタ200は、図3,4に示すように、互いに略平行に配置された複数の流路(貫通孔)210を有する円柱体である。複数の流路210は、ハニカムフィルタ200の中心軸に略平行に伸びる隔壁220により仕切られている。複数の流路210は、複数の流路(第1の流路)210aと、流路210aに隣接する複数の流路(第2の流路)210bとを有している。流路210a及び流路210bは、ハニカムフィルタ200の両端面に略垂直に伸びている。
流路210のうちの一部を形成する流路210aの一端は、ハニカムフィルタ200の一端面200aにおいて封口部230により封口されており、流路210aの他端は、ハニカムフィルタ200の他端面200bにおいて開口している。一方、複数の流路210のうちの残部を形成する流路210bの一端は、一端面200aにおいて開口しており、流路210bの他端は、他端面200bにおいて封口部230により封口されている。ハニカムフィルタ200において、例えば、流路210bにおける一端面200a側の端部はガス流入口として開口しており、流路210aにおける他端面200b側の端部はガス流出口として開口している。
流路210a及び流路210bの軸方向(長手方向)に略垂直な断面は、六角形状である。流路210aの断面は、例えば、当該断面を形成する辺240の長さが互いに略等しい正六角形状であるが、扁平六角形状であってもよい。流路210bの断面は、例えば扁平六角形状であるが、正六角形状であってもよい。流路210bの断面において互いに対向する辺の長さは、互いに異なっている。流路210bの断面は、当該断面を形成する辺250として、互いに長さの略等しい三つの長辺250aと、互いに長さの略等しい三つの短辺250bと、を有している。長辺250a及び短辺250bは、互いに略平行に対向しており、短辺250bは、長辺250aの両側にそれぞれ配置されている。
隔壁220は、流路210a及び流路210bを仕切る部分として隔壁220aを有している。すなわち、流路210a及び流路210bは、隔壁220aを介して互いに隣接している。隣接する流路210aの間には、当該流路210aの配列方向に略直交する方向に隣接する二つの流路210bが配置されており、当該隣接する二つの流路210bは、隣接する流路210aの断面の中心同士を結ぶ線を挟んで対称に配置されている。
流路210aの辺240のそれぞれは、複数の流路210bのいずれか一つの流路の長辺250aと略平行に対向している。すなわち、流路210aを形成する壁面のそれぞれは、流路210a及び流路210bの間に位置する隔壁220aにおいて、流路210bを形成する一壁面と略平行に対向している。また、流路210は、1つの流路210aと、当該流路210aを囲む6つの流路210bとを含む構成単位を有しており、当該構成単位において、流路210aの辺240の全てが流路210bの長辺250aと対向している。流路210aの断面の各頂点は、隣接する流路210aの頂点と流路210aの配列方向に対向している。ハニカムフィルタ200では、流路210aの辺240の少なくとも一つの長さが、対向する長辺250aの長さと略等しくてもよく、辺240のそれぞれの長さが、対向する長辺250aの長さと略等しくてもよい。
隔壁220は、互いに隣接する流路210b同士を仕切る部分として隔壁220bを有している。すなわち、流路210aを囲む流路210b同士は、隔壁220bを介して互いに隣接している。
流路210bの短辺250bのそれぞれは、隣接する流路210bの短辺250bと略平行に対向している。すなわち、流路210bを形成する壁面は、隣接する流路210bの間に位置する隔壁220bにおいて互いに略平行に対向している。また、1つの流路210bは、3つの流路210aに囲まれている。ハニカムフィルタ200では、隣接する流路210bの間において、流路210bの短辺250bの少なくとも一つの長さが、対向する短辺250bの長さと略等しくてもよく、短辺250bのそれぞれの長さが、対向する短辺250bの長さと略等しくてもよい。
流路210a,210bの長手方向におけるハニカムフィルタ200の長さは、例えば50〜300mmである。ハニカムフィルタ200の外径は、例えば50〜250mmである。1つの流路210aと当該流路210aを囲む流路210bとを含む構成単位において、辺240の長さは、例えば0.2〜2.0mmである。上記構成単位において、流路210bの長辺250aの長さは例えば0.4〜2.0mmであり、流路210bの短辺250bの長さは例えば0.3〜2.0mmである。隔壁220の厚み(セル壁厚)は、例えば0.1〜0.8mmである。隔壁220の気孔率は、例えば20〜60体積%である。隔壁220の気孔率は、原料の粒子径、造孔剤の添加量、造孔剤の種類、焼成条件により調整可能であり、水銀圧入法により測定することができる。
上記ハニカムフィルタ100,200において隔壁は、多孔質であり、例えば多孔質セラミックス(多孔質セラミックス焼結体)を含んでいる。隔壁は、流体(例えば、すす等の微粒子を含む排ガス)が透過できるような構造を有している。具体的には、流体が通過し得る多数の連通孔(流通経路)が隔壁内に形成されている。
隔壁は、例えば、チタン酸アルミニウム、コージェライト、炭化珪素、窒化珪素、ムライト等のセラミックスを含む。隔壁がチタン酸アルミニウムを含む場合、隔壁はマグネシウムやケイ素を更に含んでいてもよい。隔壁は、例えば、主にチタン酸アルミニウム系結晶からなる多孔性のセラミックスから形成されている。「主にチタン酸アルミニウム系結晶からなる」とは、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体を構成する主結晶相がチタン酸アルミニウム系結晶相であることを意味し、チタン酸アルミニウム系結晶相は、例えば、チタン酸アルミニウム結晶相、チタン酸アルミニウムマグネシウム結晶相等であってもよい。
隔壁がケイ素を含有する場合、隔壁は、ケイ素源粉末由来のガラス相を含んでいてもよい。ガラス相は、SiOが主要成分である非晶質相を指す。また、隔壁は、チタン酸アルミニウム系結晶相やガラス相以外の相(結晶相)を含んでいてもよい。このようなチタン酸アルミニウム系結晶相以外の相としては、チタン酸アルミニウム系セラミックス焼成体の作製に用いる原料由来の相等を挙げることができる。
上記ハニカムフィルタは、例えば、ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン等の内燃機関からの排ガス中に含まれるすす等の被捕集物を捕集するパティキュレートフィルタとして適する。例えば、ハニカムフィルタ100では、図2に示すように、一端面100aから流路110bに供給されたガスGが隔壁120内の連通孔を通過して隣の流路110aに到達し、他端面100bから排出される。このとき、ガスG中の被捕集物が隔壁120の表面や連通孔内に捕集されてガスGから除去されることにより、ハニカムフィルタ100はフィルタとして機能する。ハニカムフィルタ200についても、同様にフィルタとして機能する。
なお、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、ハニカムフィルタの形状は特に限定されず、用途に応じて任意の形状を取ることができる。例えば、流路の軸方向(長手方向)に略垂直な当該流路の断面は六角形状であることに限定されず、矩形状、八角形状、三角形状、円形状、楕円形状等であってもよい。また、流路には、径の異なるものが混在していてもよく、断面形状の異なるものが混在していてもよい。また、流路の配置は特に限定されるものではなく、流路の中心軸の配置は、正方形の頂点に配置される正方形配置、正三角形の頂点に配置される正三角形配置、及び、千鳥配置等であってもよい。さらに、ハニカムフィルタは、円柱体に限られず、楕円柱、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等であってもよい。
<ハニカムフィルタの製造方法>
本実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法の第1態様は、成形工程と、封口工程と、熱処理工程と、焼成工程と、をこの順に備えている。本実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法の第2態様は、成形工程と、第1の焼成工程と、封口工程と、熱処理工程とをこの順に備えている。第2態様では、熱処理工程後に第2の焼成工程を行ってもよい。
まず、ハニカムフィルタ100の製造方法を一例として、第1態様に係るハニカムフィルタの製造方法について図5,6を用いて説明する。図5,6は、本実施形態に係るハニカムフィルタの製造方法を示す模式断面図である。なお、図5,6で示すハニカム構造体の内部構造は、便宜上簡略化して図示している。
(成形工程)
成形工程では、例えば、以下の手順により、原料混合物を成形して、複数の流路を有するハニカム構造のグリーンハニカム成形体を得る。まず、無機化合物粉末(セラミックス材料、セラミックスの原料粉末又はそれらの混合物)及び溶媒と、必要に応じて添加される有機バインダ及び添加物とを用意する。次に、これらを混練機等により混合して原料混合物を得た後、グリーンハニカム成形体の隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から原料混合物を押し出して長尺の成形体を得る。そして、長尺の成形体を乾燥した後に所望の長さに切ることによりグリーンハニカム成形体を得る。
セラミックス材料は特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コージェライト、ガラス及びチタン酸アルミニウム等の酸化物;シリコンカーバイド;炭化珪素;窒化珪素;金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
セラミックスがチタン酸アルミニウムである場合、無機化合物粉末は、例えば、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含み、必要に応じて、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末、及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を更に含むことができる。
有機バインダとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース等のセルロース類;ポリビニルアルコール等のアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。有機バインダの添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して0.1〜20質量部である。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん(例えばポテトスターチ)、ナッツ殻、クルミ殻、コーン等の植物材料;氷;ドライアイスなどが挙げられる。造孔剤の添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して0〜40質量部である。
潤滑剤としては、グリセリン等のアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸Al等のステアリン酸金属塩などが挙げられる。潤滑剤の添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して0〜10質量部である。
可塑剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが挙げられる。市販品としては、例えば、日油株式会社製「ユニルーブ50MB−72」(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、20℃における粘度が1020mPa・s)、日油株式会社製「ユニルーブ50MB−168」(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、20℃における粘度が2880mPa・s)が挙げられる。可塑剤の添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して0.1〜20質量部である。
分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸等の有機酸;ポリカルボン酸アンモニウム等の界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して0〜20質量部である。
溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール等のグリコール類;水などが挙げられる。これらの中でも、水が好ましく、不純物が少ない点で、イオン交換水がより好ましい。溶媒の添加量は、例えば、無機化合物粉末100質量部に対して10〜100質量部である。
(封口工程)
封口工程では、グリーンハニカム成形体の流路を封口する封口部を形成する。封口工程は、例えば、封口ペースト調製工程と、封口ペースト供給工程と、を有している。
封口ペースト調製工程では、無機化合物粉末(セラミックス材料、セラミックスの原料粉末又はそれらの混合物)、有機バインダ及び添加物等の混合物を調製する。封口ペーストが含有する無機化合物粉末の組成は、グリーンハニカム成形体を形成するための無機化合物粉末の組成と同じであってもよく、異なっていてもよい。また、封口ペーストが含有する有機バインダ及び添加物等は、グリーンハニカム成形体を形成するための材料と同様のものを用いることができる。
封口ペーストの25℃における粘度は、0.1〜100Pa・sが好ましく、1〜50Pa・sがより好ましい。封口ペーストの粘度が0.1Pa・s未満であると、封口部に開口が形成されやすい傾向がある。封口ペーストの粘度が100Pa・sを超えると、封口ペーストが貫通孔の端部に充填されにくい傾向がある。
封口ペースト供給工程では、封口ペーストをグリーンハニカム成形体の所定の流路の端部に充填し、グリーンハニカム成形体の端面近傍まで封口部を形成する。封口部の形成方法としては、例えば、複数の貫通孔を有するマスク(例えばメタルマスク)をグリーンハニカム成形体の端面に配置して当該マスクの貫通孔からグリーンハニカム成形体の流路へ封口ペーストを供給する方法、複数の穴を有するフィルムをグリーンハニカム成形体の端面に貼り付けて当該穴からグリーンハニカム成形体の流路へ封口ペーストを供給する方法、封口ペーストの液滴をインクジェット法によりグリーンハニカム成形体の流路へ供給する方法が挙げられる。封口部の形成方法は特に制限されないが、マスクを用いる上記封口方法が好ましい。
マスクを用いる封口方法を一例として、図5に基づき封口部の形成方法を説明する。当該方法では、封口装置300を用いる。封口装置300は、本体部310、弾性板320及びポンプ350を備える。
本体部310は、金属(例えばステンレス)やポリマー材料(例えば繊維強化プラスチック)等から形成された剛性部材である。本体部310には、凹部310aが形成されており、凹部310aの内面には、多孔質部材310bが貼り付けられている。
弾性板320は、凹部310aの開口面を覆うように、本体部310上に配置されている。弾性板320は、弾性を有し容易に変形可能な部材であり、例えばゴム板である。弾性板320は、リング部材325により本体部310に固定されている。リング部材325は、本体部310の凹部310aに対応する位置に開口325aを有し、これにより環状形状をなしている。そして、リング部材325は、弾性板320における中央部(凹部310aとの対向部)が露出するように弾性板320上に配置されている。
本体部310は、さらに、凹部310aの底面の多孔質部材310bに連通する連通路310cを有している。連通路310cにはポンプ350が接続されている。ポンプ350は、シリンダ351、及び、シリンダ351内に配置されたピストン353を有する。ピストン353には、ピストン353を軸方向に往復移動させるモータ355が接続されている。
封口装置300では、弾性板320及びピストン353の間には、連通路310c及びシリンダ351により形成される閉鎖空間Vが形成されており、閉鎖空間V内には、液体等の流体FLが充填されている。そして、ピストン353を移動させることにより、本体部310の凹部310a内から流体FLを排出して弾性板320を凹部310aの内面に密着させて弾性板320による凹部320aを形成することができる(図4(a))。また、凹部310a内に流体FLを供給することにより、弾性板320を凹部310aの底部から引き離すことができる(図4(b))。
封口ペースト供給工程では、上記封口装置300を用いて以下の手順でハニカム構造体の流路を封口する。まず、ピストン353を下方に移動させることにより、弾性板320による凹部320aを形成し、この凹部320a内に封口ペーストPを貯留する(図4(a))。次に、複数の貫通孔370aを有する封口用マスク370を凹部310a上に配置した後に、封口用マスク370上にグリーンハニカム成形体(ハニカム構造体)400を配置する。グリーンハニカム成形体400は、封口部130が配置されていない点を除き、ハニカムフィルタ100と略同形状である。グリーンハニカム成形体400は、隔壁420により仕切られた流路410を有している。封口用マスク370の貫通孔370aのそれぞれが、グリーンハニカム成形体400の流路410における封口すべき流路のみに対向するように、封口用マスク370及びグリーンハニカム成形体400は位置決めされている。
続いて、ピストン353を上方に移動させることにより、凹部310a内に流体FLを供給する(図4(b))。これにより、弾性板320が封口用マスク370に向かって移動することとなり、封口ペーストPが封口用マスク370の貫通孔370aを介してグリーンハニカム成形体400の所定の流路410内に供給される。以上の封口工程により、所定の流路410におけるグリーンハニカム成形体400の一端面400a側の端部に封口部430が形成される。
(熱処理工程)
封口工程において流路410に封口ペーストを充填した後にグリーンハニカム成形体400を放置すると、封口ペーストの液体成分がグリーンハニカム成形体400の隔壁420に吸収される等して封口部430の液体成分の含有量が減少する傾向がある。これにより、隔壁420近傍では封口ペーストが存在し易いものの、隔壁420から離れた流路410の中央の位置では封口ペーストが存在し難くなり、流路410の軸方向に延在する開口が封口部430に形成される場合がある。流路410の軸方向における開口の長さ(深さ)は、成形体の端面から例えば1mm以上である。開口の長さ(深さ)が1mm以上であると、開口の底部が封口されているか否かを検査する検査工程が更に煩雑になる場合がある。
これに対し、本実施形態の熱処理工程では、封口部430を熱処理することにより、流路410の軸方向に延在する開口が封口部430に形成されることを抑制する。熱処理方法の一例を図6に基づき説明する。当該方法では、熱処理装置500を用いる。
熱処理装置500は、板状の載置台510と、載置台510を支持する送風管520と、を備えている。載置台510には、送風口510aが形成されている。送風管520の一端は載置台510と接続されており、送風管520の他端には、熱風Wを送風管520に供給する熱風源530が接続されている。
熱処理工程では、上記熱処理装置500を用いて以下の手順で封口部430を熱処理する。まず、載置台510の送風口510aと封口部430とが対向するように、グリーンハニカム成形体400を載置台510上に配置する。次に、熱風源530から送風管520に熱風Wを供給することにより、載置台510の送風口510aから熱風Wをグリーンハニカム成形体400に供給する。これにより、熱風Wが封口部430の端部430aに吹き付けられる。
本実施形態の熱処理工程では、例えば、封口工程において流路410に封口ペーストを充填した直後に、流路410の軸方向に延びる開口が封口部430におけるグリーンハニカム成形体400の一端面400a側の端部430aに形成されていない状態で、グリーンハニカム成形体400の一端面400a側から封口部430に対して熱風Wを吹きつける。これにより、封口部430の端部430aから液体成分(例えば溶媒)が除去されるため、端部430aの液体成分が隔壁420に吸収されて当該端部430aが変形することが抑制される。そのため、流路410の軸方向に延びる開口が端部430aに形成されることが抑制される。この場合、流路410が封口されたことを確認するための検査工程が煩雑になることを抑制可能であり、流路410が封口されたことを容易に確認することができる。また、封口部430を熱処理するに際して熱風を用いることにより、封口部430の端部430aの表面が平坦でない場合であっても、熱板等を端部430aに接触させて封口部430を熱処理する場合に比して、封口部430をムラなく熱処理することができる。
封口部により封口された第1の流路と隔壁を介して隣接する第2の流路が封口部により封口されていない場合、封口部を構成する封口ペーストの液体成分が隔壁に吸収され易くなる傾向がある。そのため、上記ハニカムフィルタ100,200における一端面100a,200aのように、封口部により封口された第1の流路が、封口部により封口されていない第2の流路のみと隣接していると、液体成分が隔壁に吸収され易い。一方、本実施形態では、上記熱処理を封口部に施すことにより、封口部により封口された第1の流路が、封口部により封口されていない第2の流路のみと隣接している場合においても、封口部に開口が形成されることを抑制することができる。
封口ペーストが、メチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース等の熱ゲル化性を有する化合物を含む場合、封口部を熱処理することにより封口部の端部がゲル化し易くなり、封口部に開口が形成されることを更に抑制することができる。
なお、熱処理工程では、封口部430の少なくとも端部430aにおける液体成分が除去されればよく、封口部430の全体の液体成分が除去されてもよい。また、流路410の軸方向に延びる開口が封口部430の端部430aに形成されない程度に液体成分が除去されればよく、端部430aの液体成分の全てが除去される必要はない。例えば、熱処理工程前の封口部430における液体成分の含有割合は、例えば10〜50質量%であり、熱処理工程後の端部430aにおける液体成分の含有割合は、例えば0〜40質量%である。また、グリーンハニカム成形体の隔壁における液体成分の含有割合は、例えば1〜10質量%である。
熱処理工程における熱風の温度は、液体成分の乾燥速度に優れる観点から、80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。熱風の温度は、液体成分が発火することを抑制する観点から、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。熱風の供給量(風速)は、液体成分の乾燥速度に優れる観点から、1m/秒以上が好ましく、5m/秒以上がより好ましい。熱風の供給量は、熱風に対して封口部を保護する観点から、20m/秒以下が好ましく、15m/秒以下がより好ましい。熱処理工程における熱処理時間(熱風の供給時間)は、封口部に開口が形成されることを更に抑制する観点から、5秒以上が好ましく、10秒以上がより好ましい。熱処理時間は、液体成分が発火することを抑制する観点から、10分以下が好ましく、4分以下がより好ましい。
続いて、本実施形態では、封口部430が形成された流路410以外の残りの流路におけるグリーンハニカム成形体の他端面400b側の端部に、上記封口工程及び熱処理工程を行って封口部を形成する。
(焼成工程)
焼成工程では、グリーンハニカム成形体400を焼成して、グリーンハニカム成形体400と略同形状のハニカムフィルタ(ハニカム焼成体)を得る。焼成工程では、隔壁420が焼成されて隔壁120が得られると共に、封口部430が焼成されて封口部130が得られる。グリーンハニカム成形体400の焼成における焼成温度は、例えば1300〜1600℃である。焼成時間は、セラミックスが生成するのに十分な時間であればよく、成形体の量、焼成炉の形式、焼成温度及び焼成雰囲気等により異なるが、例えば60〜100時間である。
焼成は、通常大気中で行なわれるが、用いる原料粉末の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス中で焼成してもよく、一酸化炭素ガス、水素ガス等のような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
焼成は、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉等の焼成炉を用いて行うことができる。焼成は、回分式で行なってもよく、連続式で行なってもよい。また、焼成は、静置式で行なってもよく、流動式で行なってもよい。
また、焼成に先立って仮焼(脱脂)を行なってもよい。仮焼(脱脂)は、グリーンハニカム成形体400中の有機バインダや、必要に応じて配合される添加物を、焼失又は分解等により除去するための工程であり、焼成温度に至るまでの昇温段階(例えば150〜900℃の温度範囲)で行うことができる。
以上の工程を経て、ハニカムフィルタ100を得ることができる。得られたハニカムフィルタは、研削加工等により、所望の形状に加工することもできる。
次に、本実施形態の第2態様について説明する。第2態様に係るハニカムフィルタの製造方法では、封口部を形成することなくグリーンハニカム成形体400を焼成してハニカム焼成体を得た後に、ハニカム焼成体の流路に封口部を形成する。
成形工程では、第1態様の成形工程と同様の手法により、グリーンハニカム成形体を得る。次に、第1の焼成工程において、第1態様の焼成工程と同様の手法により、グリーンハニカム成形体を焼成してハニカム焼成体(ハニカム構造体)を得る。続いて、グリーンハニカム成形体に代えてハニカム焼成体を用いる点を除き、第1態様の封口工程と同様の手法により、ハニカム焼成体の流路の端部に封口部を形成する。封口部は、流路の両端部に形成されてもよい。
次に、第1態様の熱処理工程と同様の手法により封口部の端部に熱風を吹きつけて、封口部を熱処理する。ハニカム焼成体は、グリーンハニカム成形体に比して液体成分の含有割合が低いことから、封口ペーストの液体成分を隔壁が吸収し易く、流路の軸方向に延在する開口がグリーンハニカム成形体に比して形成され易い傾向がある。これに対し、上記熱処理を行うことにより、流路の軸方向に延びる開口が封口部に形成されることを抑制することができる。
続いて、第2の焼成工程において、第1態様の焼成工程と同様の手法によりハニカム焼成体を焼成することにより、封口部が焼成されてハニカムフィルタ100の封口部130が得られる。以上の工程を経て、ハニカムフィルタ100を得ることができる。
なお、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、ハニカムフィルタ200は、ハニカムフィルタ200の隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機を用いてグリーンハニカム成形体を得た後に、ハニカムフィルタ100の製造方法と同様の各工程を行なうことにより得ることができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
Al粉末、TiO粉末、MgO粉末、SiO粉末、造孔剤、有機バインダ、潤滑剤、可塑剤及び水を含む原料混合物を調製した。原料混合物中の各成分の含有量は下記のとおりである。
[原料混合物の成分]
Al粉末:42.4質量部
TiO粉末:42.0質量部
MgO粉末:2.2質量部
SiO粉末:3.5質量部
造孔剤:ポテトスターチ、14.0質量部
有機バインダ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、9.0質量部
潤滑剤:グリセリン、0.5質量部
可塑剤:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル、5.3質量部
水:32質量部
上記の原料混合物を混練した後に押出成形することにより、封口部が配置されていない点を除いて図1,2に示す構造と同様のハニカム構造を有する円柱状の柱状体を作製した。流路(貫通孔)の軸方向における柱状体の長さは165mmであった。柱状体の端面の外径は156mmであった。正六角形状の流路の一辺の長さは0.8mmであった。扁平六角形状の流路における長辺の長さは0.8mmであり、短辺の長さは0.6mmであった。流路間の隔壁の厚みは0.3mmであった。隔壁における液体成分の含有割合は5質量%であった。
次に、柱状体の流路の一端部に封口ペーストを充填して当該一端部に封口部を形成した直後に、140℃の熱風を9.5m/秒の風速で上記封口部の端部(柱状体の端面に露出した端部)に30秒間吹きつけて封口部を熱処理した。封口ペーストの25℃における粘度は10Pa・sであった。熱処理した後に、柱状体を1500℃で焼成して、図1,2に示す構造を有するハニカムフィルタ(ハニカム焼成体)を得た。なお、封口ペーストの配合組成は下記のとおりである。
チタン酸アルミニウムマグネシウム粉末、100質量部
有機バインダ:ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.23質量部
グリセリン:6質量部
水:53質量部
続いて、封口部が形成されたハニカムフィルタの端面を観察した。観察結果を図7に示す。図7(a)は、ハニカムフィルタの端面の写真を示し、図7(b)は、図7(a)の封口部A1及び流路A2の断面写真を示している。図7に示されるように、実施例1のハニカムフィルタでは、流路の軸方向に延在する開口が封口部に形成されていないことが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様の手法により、柱状体を作製した後に柱状体の流路の一端部に封口ペーストを充填して当該一端部に封口部を形成した。このように封口部を形成した後に、封口部を熱処理することなく柱状体を放置してハニカム成形体を得た。
続いて、封口部が形成されたハニカム成形体の端面を観察した。観察結果を図8に示す。図8(a)は、ハニカム成形体の端面の写真を示し、図8(b)は、図8(a)の開口B1及び流路B2の断面写真を示している。図8に示されるように、比較例1のハニカム成形体では、流路の軸方向に延在する開口が封口部に形成されていることが確認された。図8(b)に示す開口B1の長さ(深さ)は3mmであった。
100,200…ハニカムフィルタ、370…封口用マスク、370a…貫通孔、400…グリーンハニカム成形体(ハニカム構造体)、400a…一端面、410…流路(貫通孔)、430…封口部、430a…封口部の端部、P…封口ペースト、W…熱風。

Claims (4)

  1. ハニカム構造体の複数の貫通孔における前記ハニカム構造体の一端側の端部に封口ペーストを充填して封口部を形成する封口工程と、
    前記貫通孔の軸方向に延びる開口が前記封口部における前記ハニカム構造体の前記一端側の端部に形成されていない状態で、前記封口部に対して前記一端側から熱風を吹きつける工程と、を備える、ハニカム構造体の封口方法。
  2. 前記封口工程において、複数の貫通孔を有するマスクを、当該マスクの複数の貫通孔がそれぞれ前記ハニカム構造体の前記複数の貫通孔と対向するように配置して、前記マスクの貫通孔を介して前記ハニカム構造体の前記貫通孔に前記封口ペーストを供給する、請求項1に記載のハニカム構造体の封口方法。
  3. 請求項1又は2に記載の封口方法により前記ハニカム構造体の貫通孔の前記端部を封口した後に、前記ハニカム構造体を焼成する工程を備え、
    前記ハニカム構造体がグリーンハニカム成形体である、ハニカムフィルタの製造方法。
  4. グリーンハニカム成形体を焼成して前記ハニカム構造体を得た後に、請求項1又は2に記載の封口方法により前記ハニカム構造体の貫通孔の前記端部を封口する工程を備える、ハニカムフィルタの製造方法。
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