JP5827909B2 - グリーンハニカム成形体の乾燥方法 - Google Patents

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Description

本発明はグリーンハニカム成形体の乾燥方法に関する。
多数の貫通孔を有するセラミクスハニカム構造体は、セラミクス原料、バインダ、及び溶媒を含むグリーンハニカム成形体を成形し、乾燥し、焼成することにより製造される。
そして、グリーンハニカム成形体の乾燥方法として、マイクロ波及び加熱気体を用いる方法が開示されている。
特開平1−503136号公報
マイクロ波が物質に吸収される際、屈折や回折が生じることにより、加熱対象の形状によってはその隅部等で電力集中が起こることが知られている。本発明者らは、マイクロ波を用いてグリーンハニカム成形体を乾燥する場合も、電力集中による不均一な加熱を確認した。このような現象が生じるとグリーンハニカム成形体に変形が生じやすくなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、乾燥時のグリーンハニカム成形体の変形を十分に抑制できるグリーンハニカム成形体の乾燥方法を提供することを目的とする。
本発明に係る乾燥方法は、一方の端面から他方の端面にかけて設けられた複数の貫通孔を有するグリーンハニカム成形体をマイクロ波及び加熱気体によって乾燥するためのものであり、加熱気体を放出可能な気体分散板上にグリーンハニカム成形体を、当該成形体の一方の端面が当接するように載置する準備工程と、グリーンハニカム成形体の周りに水蒸気が存在する雰囲気下で、気体分散板を通じてグリーンハニカム成形体の各貫通孔に加熱気体を供給すると同時に、グリーンハニカム成形体にマイクロ波を照射する乾燥工程とを備え、乾燥工程において、当該成形体の他方の端面にガスの移動を制限する覆い部材で覆った状態で、マイクロ波により加熱する。
本発明においては、グリーンハニカム成形体の他方の端面に覆い部材を配置することで、マイクロ波の電力集中に起因するグリーンハニカム成形体の変形を十分に抑制できる。また、覆い部材は一方の端面から流入した加熱気体が他方の端面から放出されるのを妨げ、グリーンハニカム成形体の貫通孔内に加熱気体を滞留させる。これにより、乾燥時のグリーンハニカム成形体自身から発生する蒸気が貫通孔内であって上記他方の端面の近傍に滞留しやすくなる。貫通孔内における蒸気の滞留により、当該成形体の上記他方の端面側の乾燥速度を遅くすることができ、これにより全体の乾燥速度を均一化でき、乾燥時の変形を抑制できる。
上記覆い部材は、平板状でありグリーンハニカム成形体の上記他方の端面と同じサイズであってもよく、上記他方の端面よりも大きなサイズであってもよい。覆い部材がグリーンハニカム成形体の上記他方の端面と同じサイズもしくは一回り大きなサイズであると、グリーンハニカム成形体の端面の全体を覆うことができる。
上記覆い部材は、グリーンハニカム成形体の上記他方の端面よりも大きなサイズを有する平板部と、グリーンハニカム成形体の外周面に沿うように平板部から延在する周縁部とを有するものであってもよい。このような帽子状の覆い部材をグリーンハニカム成形体に装着すると、マイクロ波の電力集中に起因する変形をより一層確実に抑制できるとともに、貫通孔内における蒸気の滞留がより一層顕著となる。
上記覆い部材は、ガスの移動を制限する機能を有するものであればよく、シリコーンゴム及びフッ素ゴムのような通気性を有しない材料からなるものであってもよく、繊維材料のような通気性を有する材料からなるものであってもよい。
本発明によれば、乾燥時のグリーンハニカム成形体の変形を十分に抑制できる。
図1は、乾燥対象であるグリーンハニカム成形体の一例を示す斜視図である。 図2は、乾燥対象であるグリーンハニカム成形体の他の例を示す図である。 図3の(a)は乾燥装置の一例を示す概略断面図、(b)は(a)の覆い部材80の斜視図であり、(b)は(a)のシール部材90の斜視図である。 図4は、グリーンハニカム成形体の端面に帽子状の覆い部材を配置した状態を示す断面図である。
本発明に係るグリーンハニカム成形体の乾燥方法の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
(グリーンハニカム成形体)
まず、乾燥対象となるグリーンハニカム成形体70Aについて説明する。
図1に示すグリーンハニカム成形体70Aは、Z軸方向に延びて両端面70u,70dに開口する多数の貫通孔70aを有する柱体である。グリーンハニカム成形体70Aの外形形状は特に限定されないが、例えば、円柱、楕円柱、角柱(例えば、正三角柱、正方形柱、正六角柱、正八角柱等の正多角柱や、正多角柱以外の、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等)等である。また、各貫通孔70aの断面形状も特に限定されず、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形、六角形等の多角形等が挙げられる。貫通孔70aには、径の異なるもの、断面形状の異なるものが混在してもよい。
グリーンハニカム成形体70AのZ軸方向の端面から見た場合の、貫通孔70aの配置の形態も特に限定されず、たとえば、貫通孔70aの中心軸が正方形の頂点にそれぞれ位置するように配置されている正方形配置、貫通孔70aの中心軸が正三角形の頂点に配置される正三角形配置等が挙げられる。
貫通孔70aの径も特に限定されず、例えば、断面が正方形の場合、一辺0.8〜2.5mmとすることができる。貫通孔70a同士を隔てる隔壁の厚みは、例えば、0.15〜0.76mmとすることができる。
また、グリーンハニカム成形体70Aの貫通孔70aが延びる方向の長さ(Z方向の全長)は特に限定されないが、例えば、40〜350mmとすることができる。また、グリーンハニカム成形体70Aの外径も特に限定されないが、例えば、100〜320mmとすることできる。
図2に示すグリーンハニカム成形体70Bは、断面形状が異なる複数の貫通孔71a,71bを有する。複数の貫通孔71a,71bは、グリーンハニカム成形体70Bの中心軸に略平行に延びる隔壁72により仕切られている。貫通孔71aは断面形状が正六角形であり、貫通孔71bは断面形状が扁平六角形であり貫通孔71aを囲むように形成されている。隔壁72の厚み(セル壁厚)は、0.8mm以下が好ましく、0.5mm以下がより好ましく、0.1mm以上が好ましく、0.2mm以上がより好ましい。
グリーンハニカム成形体70A,70Bは、後で焼成することによりセラミクスとなるグリーン(未焼成体)であり、特に、多孔性セラミクスとなるグリーンであることが好ましい。セラミクスは特に限定されないが、例えば、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素、金属等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、さらに、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。
具体的には、グリーンハニカム成形体70A,70Bは、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含み、好ましくは、さらに必要に応じて添加される添加剤を含む。
セラミクス原料としては、セラミクス粉末、セラミクスを構成する元素を含む粉末、及び、これらの混合物が挙げられる。例えば、セラミクスがチタン酸アルミニウムの場合、セラミクス原料は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末、及び/又は、チタン酸アルミニウム粉末を含み、必要に応じて、さらに、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩等の有機バインダを例示できる。有機バインダの量は、セラミクス原料の100重量部に対して、20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは15重量部以下、さらに好ましくは6重量部である。また、有機バインダの下限量は、0.1重量部であることが好ましく、より好ましくは3重量部である。
添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤、溶媒が挙げられる。
造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイス等などが挙げられる。造孔剤の添加量は、セラミクス原料の100重量部に対して、0〜40重量部であることが好ましく、より好ましくは0〜25重量部である。
潤滑剤及び可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸Alなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられる。潤滑剤及び可塑剤の添加量は、セラミクス原料の100重量部に対して、0〜10重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5重量部である。
分散剤としては、たとえば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。分散剤の添加量は、セラミクス原料の100重量部に対して、0〜20重量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8重量部である。
溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどのアルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどのグリコール類;及び水などを用いることができる。なかでも、水が好ましく、不純物が少ない点で、より好ましくはイオン交換水が用いられる。溶媒の使用量は、セラミクス原料の100重量部に対して、10重量部〜100重量部であることが好ましく、より好ましくは20重量部〜80重量部である。
また、成形体全体の重量に対する溶媒の重量は特に限定されないが、10〜30wt%が好ましく、15〜20wt%がより好ましい。
このようなグリーンハニカム成形体70A,70Bは例えば以下のようにして製造することができる。
まず、セラミクス原料と、バインダと、溶媒と、必要に応じて添加される添加物を用意する。そして、これらを混練機等により混合して原料混合物を得、得られた原料混合物を隔壁の断面形状に対応する出口開口を有する押出機から押し出し、所望の長さに切ることにより、グリーンハニカム成形体70A,70Bを得ることができる。
(乾燥装置)
続いて、図3を参照しながら、グリーンハニカム成形体70Aの乾燥に使用する乾燥装置の一例について説明する。ここでは、グリーンハニカム成形体70Aの乾燥処理について説明するが、グリーンハニカム成形体70Bについても同様にして乾燥処理できる。
乾燥装置100は、グリーンハニカム成形体70Aを乾燥させるためのものであり、主として、容器10と、容器10内にマイクロ波を供給するマイクロ波源20と、容器10内に配置された載置台40と、載置台40の気体分散板42を介してグリーンハニカム成形体70Aの複数の貫通孔70aに加熱気体を供給する加熱気体源30と、加熱気体に水蒸気を必要に応じて添加する水蒸気供給ライン(水蒸気添加手段)L1と、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70u上に載置された覆い部材80と、気体分散板42からグリーンハニカム成形体70Aの外側に加熱気体があたるのを防止するシール部材90とを備える。
容器10は、グリーンハニカム成形体70A、載置台40、管路36の出口部36aを収容可能である。容器10は、マイクロ波を遮蔽する観点から、金属製が好ましい。容器10には、容器10内のガスを外部に排出する排出口10bが設けられている。また、容器10には、マイクロ波源20から供給されるマイクロ波を受け入れる導波管10aを有する。
マイクロ波源20は、グリーンハニカム成形体70A中を加熱するためのマイクロ波を発生する。マイクロ波の波長は、グリーンハニカム成形体を加熱できるものであれば特に限定されない。好ましい波長は、895〜940MHz、2400〜2500MHzである。マイクロ波源20は、マイクロ波の出力を調整可能であり、例えば、乾燥にしたがって低下させることができるものであることが好ましい。マイクロ波の出力は特に限定されないが、グリーンハニカム成形体の単位重量あたりのマイクロ波出力は好ましくは0.2〜4kW/kg、より好ましくは1〜3kW/kgとすることができる。
載置台40は、容器10内に配置され、その上面にグリーンハニカム成形体70Aを載せ置く台である。載置台40は、気体分散板42と、気体分散板42の側面を取り囲む通気性のないリング部材44とを備える。グリーンハニカム成形体70Aは、その複数の貫通孔71a,71bの開口が設けられた一端面(下面)70dが、気体分散板42の上面に対して対向するように気体分散板42上に載置される。なお、本実施形態においては、気体分散板42の上面(ガス放出領域)の大きさは、グリーンハニカム成形体70Aの端面70dの大きさと同等とされているが、端面70dよりも一回り大きくてもよい。
気体分散板42は、表裏に連通する複数の孔を有する板であり、下方から供給される気体を、上方に通過させる際に、面内方向におけるガス流れを均一にさせる。気体分散板42としては、表裏を直線的に貫く孔が多数形成されたいわゆる多孔板(例えばグリーンハニカム成形体と同様のハニカム格子形状)がよいが、上方に向けてガスを放出できる構成であれば、例えば、表裏を連通し且つ屈曲した細孔を多数有するいわゆる多孔質板でもよい。
気体分散板42の材質も特に限定されないが、アルミナ、コージェライト等のセラミクスが挙げられる。気体分散板42の厚みは、例えば、10〜100mmとすることができる。気体分散板42が多孔板の場合の孔の平面形状も限定されず、例えば、正方形、円形、六角形、八角形とすることができる。孔の径は、例えば、形状が正方形の場合例えば、一辺の長さ0.7〜10mmとすることができる。また、孔間の壁の厚みは、例えば、0.03〜3.0mmとすることができる。一方、気体分散板42が多孔質板の場合の平均細孔径は特に限定されないが、0.1〜100μmが好ましい。平均細孔径は、水銀圧入法により測定できる。また、気孔率は、10〜90%が好ましい。なお、多孔質板から構成された多孔板でもよい。
リング部材44は、気体分散板42の側面を取り囲んでおり、側面からの気体の漏れを防いでいる。
加熱気体源30は、容器10の外に配置されたブロア32、ブロア32からのガスを気体分散板42の下面に導く管路36、管路36に設けられて管路36を流れるガスを加熱するヒータ34を備える。ガスの加熱温度は特に限定されないが、30〜200℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。ガスも特に限定されないが、経済的観点から、空気が好ましい。ガスの供給量も特に限定されないが、気体分散板42直上での気体分散板の面積平均のガスの風速が0.1〜10m/sであることが好ましく、0.5〜5m/sであることがより好ましい。
管路36の出口部36aは、気体分散板42の下面の面積にあわせて径が広がっており、リング部材44の下面と接触している。管路36の途中には水蒸気供給ラインL1を介して水蒸気供給源が接続されており、加熱されたガスに対して必要に応じて水蒸気を添加できるようになっている。水蒸気供給ラインL1を通じて供給する水蒸気の量は調整可能となっている。水蒸気供給ラインL1を通じて供給する水蒸気の条件としては、例えば、温度は100〜200℃、供給量W1はグリーンハニカム成形体の単位重量あたりに対し、0.1〜30kg/hrであることが好ましい。
容器10の壁には、水蒸気供給口10cが形成されている。水蒸気供給口10cには、水蒸気供給ラインL2を介して水蒸気供給源が接続されており、容器10内に水蒸気を供給し、各グリーンハニカム成形体の周りを水蒸気が存在する雰囲気下に維持することができる。容器10内が飽和状態になる量の水蒸気をラインL2から供給することが好ましい。容器10内を高湿度環境とすることで、グリーンハニカム成形体の変形、特に乾燥初期における変形を抑制できる。水蒸気供給ラインL2を通じて供給する水蒸気の条件としては、例えば、温度は100〜200℃、供給量W2はグリーンハニカム成形体の単位重量あたりに対し、0.1〜30kg/hrであることが好ましい。水蒸気供給ラインL1,L2を通じてそれぞれ供給する水蒸気量の比(W1/W2)は好ましくは0.2〜5.0であり、より好ましくは0.5〜2.0である。
覆い部材80は、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70uの周縁部におけるマイクロ波の電力集中による影響を防止するとともに、貫通孔70a内に水蒸気(溶媒の蒸気)を滞留させるためのものである。覆い部材80は、ガスの移動を制限する機能を有するものであればよく、シリコーンゴム及びフッ素ゴムのような通気性を有し且つ柔軟性を有する材料からなるものであってもよく、繊維材料のような通気性を有する材料からなるものであってもよい。
覆い部材80は、平板状であり上端面70uの全体を覆っていることが好ましく、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70uと同じサイズであってもよく、上端面70uよりも大きなサイズであってもよい。覆い部材80の直径d2と乾燥前のグリーンハニカム成形体70Aの直径d1との差(d2−d1)は0〜100mm程度とすればよい。
覆い部材は平板状のものに限定されず、図4に示すように帽子状であってもよい。図4に示す覆い部材85は、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70uよりも大きなサイズを有する平板部85aと、グリーンハニカム成形体の外周面70sに沿うように平板部85aから延在する周縁部85bとを有するものであってもよい。覆い部材85をグリーンハニカム成形体70Aに装着すると、マイクロ波の電力集中に起因する変形をより一層確実に抑制できるとともに、貫通孔70a内における蒸気の滞留がより一層顕著となる。覆い部材85の内径d3と乾燥前のグリーンハニカム成形体70Aの直径d1との差(d3−d1)0〜100mm程度とすればよい。
シール部材90は、気体分散板42からの加熱気体がグリーンハニカム成形体70Aの外周面にあたるのを防止するための部材である。シール部材90は、グリーンハニカム成形体70Aの下端部の外側及び気体分散板42の周縁部を覆うように配置されている。
シール部材90は、グリーンハニカム成形体70Aの乾燥に伴う収縮に追従可能な材料からなることが好ましい。かかる材料として、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。シール部材90が筒状の上記材料からなる場合、図3の(a)に示すように配置すると、軸方向(Z方向)に延びる部分90aとZ方向に対して垂直な方向(XY平面)に広がる部分90bとが形成される。なお、筒状のシール部材90を加工し、予めZ方向に延びる部分90aと軸方向に水平方向に広がる部分90bとを形成してもよい。
グリーンハニカム成形体70Aに対してシール部材90から負荷がかかり変形するのを防止するため、Z方向に延びる部分90aの非装着時の内径D1はグリーンハニカム成形体70Aの乾燥時の外径D2よりも一回り小さいことが好ましく、その差(D2−D1)は1〜20mm程度とすればよい。例えば、グリーンハニカム成形体70Aの直径が150mmであるとき、シール部材90の内径は140〜130mm程度とすることが好ましい。シール部材90のZ方向の長さは特に限定されないが、1〜100mmとすることができる。シール部材90の厚みは、例えば、0.5〜5mmとすることができる。
(乾燥方法)
続いて、本実施形態に係るグリーンハニカム成形体の乾燥方法について説明する。まず、図3の(a)に示すように、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70uに覆い部材80を載置するとともに、下方の端部の外側にシール部材90の基端側(部分90a)を装着し、容器10の気体分散板42の上面に、端面70dが対向するようにグリーンハニカム成形体70Aを載せる(準備工程)。このとき、シール部材90の先端側(部分90b)を気体分散板42の周縁部を覆うように広げる。
続いて、ブロア32を起動するとともに、ヒータ34を起動する。さらに、マイクロ波源20からマイクロ波を容器10内に供給する。また、水蒸気供給口10cから容器内に水蒸気を連続的に供給し、各グリーンハニカム成形体70Aの周りを水蒸気が存在する雰囲気とする。
グリーンハニカム成形体70Aの周りが水蒸気存在雰囲気とされた状態となったら、加熱気体を気体分散板42の下面に供給に供給する。水蒸気が添加された加熱気体は気体分散板42を通過して、グリーンハニカム成形体70Aの貫通孔70aを通過してグリーンハニカム成形体70Aの上端面70uから排出され、上端面70uと覆い部材80との隙間を通過し、その後、容器10の排出口10bから排出される。また、グリーンハニカム成形体70Aにマイクロ波が照射される。なお、グリーンハニカム成形体70Aの変形をより一層確実に抑制するため、水蒸気供給ラインL1を通じて管路36内に水蒸気を連続的に供給し、加熱気体に水蒸気を添加してもよい。
このような加熱及びガスの供給により、グリーンハニカム成形体70Aの溶媒成分が除去され、乾燥が進む(乾燥工程)。マイクロ波の出力や水蒸気の供給量にもよるが、乾燥工程は1〜30分にわたって実施することが好ましい。
乾燥が進むにつれて、マイクロ波源20から供給するマイクロ波の出力を下げることが好ましい。これにより、過乾燥による局所的な温度上昇による暴走(発火)を抑制するという効果がある。水蒸気雰囲気下での加熱気体及びマイクロ波の供給による乾燥により到達する、成形体の最終的な乾燥の程度は特に限定されないが、マイクロ波及び水蒸気の供給を止める時点で、成形体の乾燥率、すなわち、成形体の乾燥前の溶媒質量に対する乾燥により除去された溶媒質量の比を80%以上とすることが好ましく、90%以上とすることがより好ましく、95%以上とすることがさらに好ましい。なお、マイクロ波及び水蒸気の供給を止めた後に、加熱気体のみを流すことによって、より乾燥をすすめることも好ましい。
本実施形態によれば、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70uに覆い部材80を配置することで、マイクロ波の電力集中に起因するグリーンハニカム成形体70Aの変形を十分に抑制できる。また、覆い部材80は、グリーンハニカム成形体70Aの下端面70dから流入した加熱気体が上端面70uから放出されるのを妨げ、グリーンハニカム成形体70Aの貫通孔70a内に加熱気体を滞留させる。これにより、乾燥時のグリーンハニカム成形体70A自身から発生する蒸気又は加熱気体とともに必要に応じて供給される水蒸気が貫通孔70aあって上端面70uの近傍に滞留しやすくなる。貫通孔70a内における蒸気の滞留により、グリーンハニカム成形体70Aの上端面70u側の乾燥速度を遅くすることができ、これにより全体の乾燥速度を均一化でき、乾燥時の変形を抑制できる。
また、グリーンハニカム成形体70Aの収縮に追従可能なシール部材90を用いることで、乾燥中のグリーンハニカム成形体70Aの外側に加熱気体が漏れるのを十分に防止でき、グリーンハニカム成形体70Aの外周面が過剰に乾燥するのをより確実に防止できる。さらに、シール部材90を用いることで、以下のような不具合を効果的に防止できる。すなわち、グリーンハニカム成形体70Aの貫通孔70aの開口面積が比較的小さい場合、グリーンハニカム成形体70Aの収縮に伴って気体分散板42のガス放出領域が露出すると、当該領域から多量の加熱気体が成形体70Aの外側に流れ、貫通孔70a内を流れるガス量が少なくなってしまう。このような状況になると、成形体70Aの内部の乾燥が不十分となり、乾燥後の工程(例えば、切断工程)などにおいてセルの目潰れや成形体の割れ等の不具合が生じる。本実施形態によれば、このような不具合を十分に低減することで歩留まりを向上できる。
このようにして乾燥したグリーンハニカム成形体70Aの貫通孔70aの端部を必要に応じて封口し、その後、焼成することにより、セラミクスハニカム構造体が得られる。このようなセラミクスハニカム構造体は、ディーゼルパティキュレートフィルタや、排ガス処理装置の触媒担体として利用可能である。
(グリーンハニカム成形体の製造)
22.49重量部のα−アルミナ粉末、44.24重量部のルチル型チタニア粉末、15.53重量部のマグネシアスピネル粉末、及び、3.43重量部のガラスフリットを混合した。
この混合物に、造孔剤としてコーンスターチを14.30重量部、有機バインダとしてメチルセルロース(信越化学工業株式会社、商品名:メトローズSM−4000)5.49重量部及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業株式会社、商品名:メトローズ60SH−4000)2.35重量部、可塑剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエーテル(日油株式会社、商品名:ユニルーブ50MB−72)4.64重量部、並びに、潤滑剤としてグリセリン0.40重量部を加え、さらに、溶媒として水25.82重量部を加えた後、混練機を用いて25℃で混練することにより、坏土(成形用原料混合物)を調製した。ついで、この坏土を押出成形することにより、グリーンハニカム成形体を作製した。グリーンハニカム成形体は円柱状であり、直径は163mm、長さは270mmとした。貫通孔70aの断面形状は一辺1.43mmの正方形であり、隔壁の厚み0.32mmとなるようにマトリクス状に正方形配置した。
(実施例1)
このグリーンハニカム成形体の上端面に、図3の(a)に示すように、シリコーンゴムシートからなる覆い部材を載置した。
乾燥条件は以下のようにした。
マイクロ波の周波数2.45GHz、マイクロ波の出力は、乾燥開始後0〜7分の間は24kWとし、乾燥開始後7〜14分の間は14.4kWとした。
供給ガスは空気、供給ガスの加熱温度は40℃とした。ガスの供給量は、気体分散板の直上での気体分散板の面積平均のガスの風速が1m/sとなるように設定した。グリーンハニカム成形体の外側に供給する水蒸気の温度は120℃、供給量は1.4kg/minとした。なお、グリーンハニカム成形体の外側への水蒸気の導入は乾燥開始後0〜7分の間のみ行った。
グリーンハニカム成形体の乾燥率は、93.6%であった。なお、乾燥率は、グリーンハニカム成形体の乾燥前重量及び乾燥後重量の値に基づいて下記式によって算出される値である。
乾燥率(%)=(乾燥前重量−乾燥後重量)/(乾燥前重量×含水率)×100
<比較例1>
グリーンハニカム成形体の上端面に覆い部材を載置しなかったことの他は、実施例1と同様にしてグリーンハニカム成形体の乾燥処理を行った。グリーンハニカム成形体の乾燥率は、94.0%であった。
実施例1及び比較例1における乾燥後のグリーンハニカム成形体の直角度を測定した。なお、直角度は以下のようにして得られるものであり、数値が小さいほど乾燥後のグリーンハニカム成形体の外形が円柱に近いことを意味する。比較例1のグリーンハニカム成形体(乾燥後)の直角度を1とすると、実施例1のグリーンハニカム成形体(乾燥後)の直角度は0.78であった。
(直角度)
グリーンハニカム成形体を立たせた状態とし、縦断面について円周方向に15°ピッチで24点測定を行い、基準面(グリーンハニカム成形体の下端面)に降ろした垂線と変位が最大となる値を直角度(mm)とした。
20…マイクロ波源、30…加熱気体源、70A,70B…グリーンハニカム成形体、70a,71a,71b…貫通孔、70d…下端面、70u…上端面、80,85…覆い部材、85a…平板部、85b…周縁部、90…シール部材、100…乾燥装置。

Claims (5)

  1. 一方の端面から他方の端面にかけて設けられた複数の貫通孔を有するグリーンハニカム成形体をマイクロ波及び加熱気体によって乾燥する方法であって、
    加熱気体を放出可能な気体分散板上に前記グリーンハニカム成形体を、当該成形体の一方の端面が当接するように載置する準備工程と、
    前記グリーンハニカム成形体の周りに水蒸気が存在する雰囲気下で、前記気体分散板を通じて前記グリーンハニカム成形体の各貫通孔に加熱気体を供給すると同時に、前記グリーンハニカム成形体にマイクロ波を照射する乾燥工程と、
    を備え、
    前記乾燥工程において、当該成形体の他方の端面にガスの移動を制限する覆い部材で覆った状態で、マイクロ波により加熱する、グリーンハニカム成形体の乾燥方法。
  2. 前記覆い部材は、平板状であり前記グリーンハニカム成形体の前記他方の端面と同じサイズ、又は、前記他方の端面よりも大きなサイズである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記覆い部材は、前記グリーンハニカム成形体の前記他方の端面よりも大きなサイズを有する平板部と、前記グリーンハニカム成形体の外周面に沿うように前記平板部から延在する周縁部とを有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記覆い部材は、シリコーンゴム又はフッ素ゴムからなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記覆い部材は、繊維材料からなる、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
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