WO2017090687A1 - グリーン体を乾燥する方法およびハニカム構造体の製造方法 - Google Patents

グリーン体を乾燥する方法およびハニカム構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

グリーン体を貫通孔の延在方向が上下方向をなすように配置し、グリーン体の側面から等距離を隔てた内面を有する筒状のカバーにより側面を囲繞した状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する。

Description

グリーン体を乾燥する方法およびハニカム構造体の製造方法
 本発明は、グリーン体を乾燥する方法およびハニカム構造体の製造方法に関する。
 従来、ディーゼルエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに含まれるカーボン粒子等の微細粒子を捕集するためのディーゼル粒子フィルタ(Diesel Particulate Filter)として、多孔質のセラミックスからなり、円柱体の両方の底面に開口する多数の貫通孔を有するハニカム構造体が用いられている。ハニカム構造体は、セラミクス原料、バインダ、及び溶媒を含むグリーン体を形成し、乾燥し、焼成することにより製造される。グリーン体の乾燥方法として、特許文献1には、グリーン体の変形を防止するために、円柱状のグリーン体を直方体状の容器で覆った状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する方法が開示されている。
特開2012-91948号公報
 ところで、上記のような技術においても、乾燥に伴うグリーン体の変形や外周壁の割れが生じ、歩留まりが悪化することがあり、改善が望まれている。
 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、乾燥に伴うグリーン体の変形を抑制することができるグリーン体の乾燥する方法、および変形の抑制されたハニカム構造体の製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の一態様は、柱体の両方の底面に開口する貫通孔を複数有するとともに、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含有するグリーン体を乾燥する方法に関する。本発明の一態様の方法は、該グリーン体を貫通孔の延在方向が上下方向をなすように配置し、グリーン体の側面から等距離を隔てた内面を有する筒状のカバーにより側面を囲繞した状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する乾燥工程を含む。
 この構成によれば、グリーン体を貫通孔の延在方向が上下方向をなすように配置し、グリーン体の側面から等距離を隔てた内面を有する筒状のカバーにより側面を囲繞した状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する。これにより、グリーン体からの放熱及びグリーン体から放出される高温の蒸気によってグリーン体の周りが均一に加熱される。また、蒸気が放出され易い状態であるため、グリーン体は均一に加熱されたまま、均一な乾燥が進行する。従って、乾燥に伴うグリーン体の変形を抑制することができる。
 この場合、乾燥工程では、グリーン体の上方に上蓋が配置された状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱してもよい。
 この構成によれば、乾燥工程では、グリーン体の上方に上蓋が配置された状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する。これにより、グリーン体から放出された熱がカバーの外部へと移動することや、グリーン体の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを防ぐことができるため、グリーン体の加熱及び乾燥をより均一にすることができる。
 この場合、乾燥工程では、上蓋をグリーン体の上側の底面に接触させた状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱してもよい。
 この構成によれば、上蓋をグリーン体の上側の底面に接触させた状態で、マイクロ波によりグリーン体を加熱する。これにより、グリーン体から放出された熱がカバーの外部へと移動することや、グリーン体の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることをさらに防ぐことができるため、グリーン体の加熱及び乾燥をさらに均一にすることができる。
 また、上蓋は、上蓋の下方から上蓋の上方へと連通する1個以上の開口部を有していてもよい。
 この構成によれば、上蓋は、上蓋の下方から上蓋の上方へと連通する1個以上の開口部を有する。このため、グリーン体から均一に蒸気が抜け易くなるため、均一な乾燥が促進され、グリーン体の変形がより抑制される。
 この場合、1個以上の開口部の面積の合計は、開口部が無いと仮定した上蓋の面積の10%以上であり70%以下であってもよい。
 この構成によれば、1個以上の開口部の面積の合計が、開口部が無いと仮定した上蓋の面積の10%以上であるため、グリーン体から均一に蒸気が抜け易くなる。また、1個以上の開口部の面積の合計は、開口部が無いと仮定した上蓋の面積の70%以下であるため、グリーン体から放出された熱がカバーの外部へと移動することや、グリーン体の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを上蓋が防ぐ効果が無くなることを防止できる。
 また、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、上蓋は構成されていてもよい。
 この構成によれば、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、上蓋は構成されているため、上述した上蓋の効果を奏させることができる。
 また、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、カバーは構成されていてもよい。
 この構成によれば、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、カバーは構成されているため、上述したカバーの効果を奏させることができる。
 また、グリーン体の側面とカバーの内面との距離は、0mmよりも大きく且つ60mm以下であってもよい。
 この構成によれば、グリーン体の側面とカバーの内面との距離は0mmよりも大きいため、グリーン体からの蒸気がカバーの内面に凝結して液滴となり、液滴がグリーン体に接触することを防止することができる。また、グリーン体の側面とカバーの内面との距離は60mm以下であるため、グリーン体から放熱された熱がカバーの外部へと移動することや、グリーン体の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを防ぐことができる。
 本発明の一態様は、上述した乾燥工程を含むハニカム構造体の製造方法にも関する。上述した乾燥工程によれば、乾燥に伴うグリーン体の変形を抑制することができるため、変形の抑制されたハニカム構造体を製造することができる。
 本発明の一態様のグリーン体を乾燥する方法によれば、乾燥に伴うグリーン体の変形を抑制することができる。本発明の一態様のハニカム構造体の製造方法によれば、変形の抑制されたハニカム構造体を製造することができる。
(a)は、本発明の一実施形態で形成されるグリーン体の斜視図であり、(b)は、(a)のグリーン体の平面図である。 (a)、(b)及び(c)は、本発明に係るディーゼル粒子フィルタの製造方法の一実施形態において、切断工程後のグリーン体を乾燥装置へ搬送する工程の一部を示す模式図である。 本発明の一実施形態のグリーン体用のカバーを示す斜視図である。 (a)は、図3で示したカバーの平面図であり、(b)は、(a)のカバーのIVb-IVb線方向における断面図である。 本発明の一実施形態のグリーン体用のカバーと上蓋とを示す斜視図である。 (a)は、図5で示したカバーと上蓋との平面図であり、(b)は、(a)のカバーと上蓋とのVIb-VIb線方向における断面図である。 一実施形態で用いる乾燥装置とグリーン体用のカバーとを示す断面図である。 一実施形態で用いる乾燥装置とグリーン体用のカバーと上蓋とを示す断面図である。 (a)は、一実施形態において製造されたディーゼル粒子フィルタの斜視図であり、(b)は、(a)のディーゼル粒子フィルタの平面図である。
 以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るグリーン体を乾燥する方法及びハニカム構造体について詳細に説明する。以下に説明するように、本発明の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、柱体の両方の底面に開口する貫通孔を複数有するとともに、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含有するグリーン体を形成するグリーン体製造工程と、グリーン体製造工程で形成されたグリーン体を貫通孔の延在方向が上下方向をなすように配置し、グリーン体の側面から等距離を隔てた内面を有する筒状のカバーにより側面を囲繞した状態でマイクロ波によりグリーン体を加熱する乾燥工程と、乾燥工程で加熱されたグリーン体を焼成する焼成工程とを含む。
[グリーン体製造工程]
(グリーン体)
 図1(a)及び図1(b)に示すように、グリーン体70は、円柱体の両方の底面である上端面71及び下端面72に開口する貫通孔70aを複数有するとともに、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含有する。隔壁70cによって、貫通孔70aのそれぞれは隔てられる。グリーン体70の上端面71及び下端面72の中心を通る中心軸及び側面73に、隔壁70cは平行である。換言すれば、グリーン体70には、同一方向(中心軸方向)に延びる多数の貫通孔70a(流路)が形成されている。複数の貫通孔70aは互いに平行である。貫通孔70aのそれぞれはグリーン体70の両端面に垂直である。各隔壁70cが互いになす角は、特に限定されず、90°であってもよく、120°であってもよい。貫通孔の断面が正方形である場合、正方形の一辺の長さは、例えば0.8~2.5mmであればよい。
 グリーン体70の貫通孔が延びる方向の長さは特に限定されないが、例えば、30~350mmとすることができる。また、グリーン体70の外径も特に限定されないが、例えば、10~320mmとすることできる。
(原料混合物の調製工程)
 グリーン体70のセラミクスの原料粉末、有機バインダ及び添加物等を混練機等により混合して、原料混合物を調製する。
 セラミクスの原料粉末としては、アルミナ、シリカ、ムライト、コーディエライト、ガラス、チタン酸アルミニウム等の酸化物、シリコンカーバイド、窒化珪素等が挙げられる。なお、チタン酸アルミニウムは、更に、マグネシウム及び/又はケイ素を含むことができる。セラミックスの原料粉末は、これらに限定されない。
 チタン酸アルミニウムからなるディーゼル粒子フィルタを製造する場合、原料粉末は、αアルミナ粉等のアルミニウム源粉末、及び、アナターゼ型やルチル型のチタニア粉末等のチタニウム源粉末を含む。原料粉末は、必要に応じて、更に、マグネシア粉末やマグネシアスピネル粉末等のマグネシウム源粉末及び/又は、酸化ケイ素粉末やガラスフリット等のケイ素源粉末を含むことができる。
 有機バインダとしては、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロースなどのセルロース類;ポリビニルアルコールなどのアルコール類;リグニンスルホン酸塩が挙げられる。
 添加物としては、例えば、造孔剤、潤滑剤、可塑剤、分散剤、および溶媒が挙げられる。
 造孔剤としては、グラファイト等の炭素材;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル等の樹脂類;でんぷん、ナッツ殻、クルミ殻、コーンなどの植物材料;氷;及びドライアイス等などが挙げられる。
 潤滑剤または可塑剤としては、グリセリンなどのアルコール類;カプリル酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラキジン酸、オレイン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸;ステアリン酸アルミニウムなどのステアリン酸金属塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(POAAE)などが挙げられる。
 分散剤としては、例えば、硝酸、塩酸、硫酸などの無機酸;シュウ酸、クエン酸、酢酸、リンゴ酸、乳酸などの有機酸;メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類;ポリカルボン酸アンモニウムなどの界面活性剤などが挙げられる。
 溶媒としては、アルコール類及び水などを用いることができる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、プロパノールなどの一価アルコール類;プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールなどの二価アルコール類;などを用いることができる。
(原料混合物の柱体の形成工程)
 上述の原料混合物を押出成形機のダイから水平方向に押し出すことにより、長尺の柱体を形成する。ダイは格子状の開口部を有するため、柱体にはその長手方向に延びる複数の貫通孔が形成される。なお、押出成形機内で原料混合物を混練してもよい。
(柱体の切断工程)
 押出成形機から押し出された柱体の下側の側面73の一部を、柱体の側面に対応する形状を有する受台の溝部で支持する。自動切断機を用いて、柱体をその長手方向に垂直に切断して、図2(a)に示すように、受台3で支持されたグリーン体70を形成する。可撓性を有する材料から、受台3は形成されている。そのため、切断される柱体の側面を受台3の溝部で支持することにより、切断に伴うグリーン体70の変形が抑制される。受台3の材質としては、可撓性を有するゴム、スポンジ等が挙げられ、より具体的には、ポリウレタン、発泡ポリスチレン、又は発泡ポリエチレンが挙げられる。
(搬送工程)
 図2(a)、図2(b)に示すように、受台3上のグリーン体70の切断面である下端面72を、搬送面1上に鉛直に立てた板状の台座40に当接する。台座40としては、特開2014-205594号公報に記載の台座を用いることができる。図2(b)、図2(c)に示すように、グリーン体70を当接した台座40を搬送面上に寝かして、グリーン体70を台座40の上に起てる。受台3の溝部でグリーン体70の側面を支持しながら、グリーン体70を台座40の上に起ててもよい。これにより、グリーン体70の台座40への移し替えに伴うグリーン体70の変形が抑制される。グリーン体70を載せた台座40を、ベルトコンベア又はローラコンベア等で乾燥装置へ搬送し、台座40に載せたままの状態でグリーン体70を乾燥装置内に設置して、グリーン体70を乾燥する。
[乾燥工程]
(グリーン体の乾燥用のカバー)
 図3、図4(a)及び図4(b)に示すように、貫通孔70aの延在方向が上下方向をなすように、台座40に載置されたグリーン体70の側面73から等距離の間隔80gを隔てた内面83を有する円筒状のカバー80により、側面73を囲繞する。カバー80は、グリーン体70の側面73を囲繞するための内面83を含むカバー壁82と、一対の開端部81とを有する円筒状の形状を備える。グリーン体70の上端面71の側から視て、カバー80の開端部81は、上端面71と相似形状をなす。したがって、グリーン体70の上端面71の中心とカバー80の開端部81の中心とが互いに一致するようにグリーン体70とカバー80とを配置することにより、カバー80の内面83は、グリーン体70の側面73から等距離の間隔80gを隔てることができる。
 間隔80gは、乾燥工程時にグリーン体70から放熱された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを防ぐために、60mm以下、25mm以下又は20mm以下にしてもよい。一方、間隔80gは、0mmよりも大きく、グリーン体70の側面73とカバー80の内面83とが接触していないことにより、グリーン体70からの蒸気がカバー80の内面83に凝結して液滴となり、液滴がグリーン体70に接触することを防止することができる。間隔80gは、1mm以上、4mm以上又は5mm以上にしてもよい。
 カバー80のカバー壁82の厚さ80tは、カバー壁82の材質や、間隔80gの大きさや、グリーン体70の大きさによって異なるが、例えば、1mm以上又は5mm以上にしてもよい。また、厚さ80tは、30mm以下又は20mm以下にしてもよい。
 カバー80のカバー壁82の高さは、グリーン体70よりも高くしてもよく、グリーン体70の高さの1.02倍~1.4倍の高さ、1.05倍~1.3倍の高さ又は1.1倍~1.25倍の高さにしてもよい。
 カバー80は、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上又は120℃以上の材質から構成されていてもよい。カバー80は、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン(polypropylene, PP)、シリコンゴム、またはポリアセタール(polyacetal, POM)から構成されていてもよい。あるいは、カバー80は、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PolyEther Ether Ketone, PEEK)から構成されていてもよい。あるいは、カバー80は、セラミクスから構成することができる。
 また、図5、図6(a)及び図6(b)に示すように、カバー80の上側の開端部81の全部及び一部のいずれかを上蓋85が覆った状態としてもよく、グリーン体70の上方に上蓋85が配置された状態でマイクロ波によりグリーン体70を加熱してもよい。グリーン体70の上端面71の側から視て、上蓋85は、グリーン体70の上端面71と合同である形状を有する。また、グリーン体70の上端面71の側から視て、上蓋85は、例えば、グリーン体70の上端面71と相似である形状を有し、グリーン体70の上端面71よりも1~数%大きくてもよい。グリーン体70の上端面71の中心と上蓋85の中心とは、必ずしも厳密に一致させる必要は無い。しかし、グリーン体70の上端面71の一部が上蓋85に覆われていない状態となることは乾燥の均一性の観点から好ましくない。そのため、グリーン体70の上端面71の側から視て、上蓋85は、上端面71以上の大きさにしてもよい。あるいは、グリーン体70の上端面71の側から視て、上蓋85は、例えば、カバー80の上側の開端部81に嵌合する形状を有していてもよい。また、上蓋85の配置の作業性の観点から、グリーン体70の上端面71の側から視て、上蓋85は、例えば、カバー80の上側の開端部81と相似である形状を有し、開端部81の大きさよりも1~数%小さくてもよい。グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることをさらに防ぐことができるため、上蓋85はグリーン体70の上端面71に接触した状態にしてもよい。ただし、上蓋85は必ずしもグリーン体70の上端面71に全面で接触している必要は無く、上端面71の一部において上蓋85と上端面71との間に隙間が有ってもよい。
 上蓋85は、上蓋85の下方から上蓋85の上方へ連通する1個以上の開口部86を有する。開口部86により、グリーン体70から均一に蒸気が抜け易くなるため、均一な乾燥が促進される。開口部86が無いと仮定した上蓋85の面積に対する開口部86の合計面積の比(開口率)は10%以上、30%以上又は40%以上であってもよく、80%以下、73%以下又は65%以下であってもよい。開口率を上記範囲とすることにより、グリーン体70から均一に蒸気が抜け易くなり、グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを上蓋85が防ぐ効果が無くなることを防止できる。
 開口部86の個数は、10~100個、20~80個又は30~70個にしてもよい。グリーン体70から均一に蒸気が抜け易くなるため、図6(a)に示すように、1個以上の開口部86のそれぞれは上蓋85に対称に散在していてもよい。また、乾燥工程時に、グリーン体70の下端面72から流される加熱気体の風速はグリーン体70の中心付近が速い。そこで、上蓋85による加熱気体の抵抗を減少させるために、上蓋85の中心付近ほど開口部86の単位面積当たりの個数が多く、上蓋85の周辺付近ほど開口部86の単位面積当たりの個数が少なくてもよい。また、グリーン体70から放出された水やアルコールを効率よく除去するため、1個以上の開口部86の1箇所の大きさは0.785μm以上(直径1μm)、314mm以下(直径20mm)であってもよい。これは、1箇所の開口部86の大きさが大きすぎると、グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを上蓋85が防ぐ効果が低下するためである。また、1箇所の開口部86の大きさが小さすぎると、水分やアルコール分の除去を阻害し、乾燥速度が遅くなることから、生産性の観点から好ましくないためである。
 マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上又は120℃以上の材質から、上蓋85は構成されていてもよい。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリプロピレン(polypropylene, PP)、シリコンゴム、ポリアセタール(polyacetal, POM)から、上蓋85は構成されていてもよい。あるいは、エンジニアリングプラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PolyEther Ether Ketone, PEEK)から、上蓋85は構成されていてもよい。あるいは、セラミクスから上蓋85は構成することができる。
(乾燥装置)
 図7に示すように、グリーン体70を乾燥させる乾燥装置100は、主として、容器10と、容器10内にマイクロ波を供給するマイクロ波源20と、容器10内に配置された台座40と、台座40の通気部42を介してグリーン体70の複数の貫通孔70aに加熱気体を供給する加熱気体源30と、グリーン体70の側面73を囲繞するカバー80とを備える。あるいは、図8に示すように、グリーン体70を乾燥させる乾燥装置100は、主として、容器10、マイクロ波源20、台座40、加熱気体源30及びカバー80に加えて、グリーン体70の上端面71に接触しつつ載置された上蓋85を備える。
(容器)
 容器10は、グリーン体70、台座40、管路36の出口36a、カバー80を収容する。容器10は、上蓋85を収容してもよい。容器10は、マイクロ波を遮蔽する観点から、金属であってもよい。容器10には、容器10内の気体を外部に排出する排出口10bが設けられている。また、容器10は、マイクロ波源20から供給されるマイクロ波を受け入れる導波管10aを有する。
(マイクロ波源)
 マイクロ波源20は、グリーン体70全体を加熱するためのマイクロ波を発生する。マイクロ波の波長は、グリーン体70を加熱できるものであれば特に限定されない。マイクロ波の波長は、895~940MHz、又は、2400~2500MHzにしてもよい。895~940MHzのマイクロ波でグリーン体70の内部を加熱し、2400~2500MHzのマイクロ波でグリーン体70の表面を加熱するために、マイクロ波源20は895~940MHz及び2400~2500MHzの両方の周波数域のマイクロ波を同時に発生してもよい。マイクロ波源20は、マイクロ波の出力を、乾燥の進行にしたがって低下させることができるものであってもよい。マイクロ波の出力は特に限定されないが、1個のグリーン体70あたり、例えば、1~10kWとすることができる。
(台座)
 台座40は、その上面にグリーン体70及びカバー80を載せた状態で、乾燥装置100の外部から容器10内に設置される。グリーン体70は貫通孔70aの延在方向が上下方向をなすように配置される。台座40は、通気部42と、通気部42を囲む通気性のない遮断部44とを備える。通気部42には、台座40をその厚さ方向に貫通する複数の通気口42aが形成されている。グリーン体70の複数の貫通孔70aの開口が設けられた下端面72が通気部42を覆うように、グリーン体70は通気部42上に載置される。通気部42の大きさは、グリーン体70の下端面72の大きさ以下である。通気部42が下方から供給される気体を上方に通過させる際に、通気部42は台座40の厚さ方向における気体の流れを均一化する。遮断部44は、通気部42を取り囲んでおり、側面からの気体の漏れを抑制する。
(加熱気体源)
 加熱気体源30は、容器10の外に配置されたブロア32と、ブロア32からの気体を通気部42の下面に導く管路36と、管路36に設けられて管路36を流れる気体を加熱するヒータ34とを備える。気体の加熱温度は特に限定されないが、50~200℃又は70~120℃にしてもよい。気体も特に限定されないが、経済的観点から、空気にしてもよい。気体の供給量も特に限定されないが、通気部42直上での通気口42aを通過する平均の気体の風速が0.1~10m/秒又は0.5~5m/秒にしてもよい。
 管路36の出口36aは、通気部42の下面の面積にあわせて径が広がっており、遮断部44の下面と接触している。
(水蒸気供給口)
 容器10の壁には、水蒸気供給口10cが形成されている。水蒸気供給口10cには、水蒸気供給ラインL1を介して水蒸気供給源STMが接続されており、容器10内に水蒸気を供給し、グリーン体70の周りを水蒸気が存在する雰囲気下に維持することができる。水蒸気の供給条件も特に限定されないが、例えば、温度は100~200℃、供給量は0.1~5.0kg/分としてもよい。
(乾燥工程の手順)
 グリーン体70の乾燥工程では、ブロア32を起動するとともに、ヒータ34を起動する。さらに、マイクロ波源20からマイクロ波を容器10内に供給する。さらに、水蒸気供給口10cから容器10内に水蒸気を連続的に供給し、グリーン体70の周りを水蒸気が存在する雰囲気とする。なお、乾燥工程の前に、台座40を予め暖めておいてもよい。台座40を予め暖めておくことにより、不良品の発生を抑制し、歩留まりを改善することができる。
 これにより、グリーン体70の周りが水蒸気存在雰囲気とされた状態で、加熱された気体が、管路36を通って通気部42の下面に供給され、さらに、通気部42を通過して、グリーン体70の各貫通孔70aを通過してグリーン体70の上端面71から排出される。上蓋85が配置されている場合は、グリーン体70の上端面71から上蓋85の開口部86又は上蓋85の周縁部を介して、加熱された気体は排出される。その後、グリーン体70から排出された気体は、容器10の排出口10bから容器10の外部に排出される。また、この状態で、各グリーン体70にマイクロ波が照射される。
 このような加熱及び気体の供給により、グリーン体70の溶媒成分が除去され、乾燥が進む。ここで、乾燥が進むにつれて、マイクロ波源20から供給するマイクロ波の出力を下げてもよい。これにより、過乾燥による局所的な温度上昇による暴走(発火)を抑制するという効果がある。
 グリーン体70の最終的な乾燥の程度は特に限定されないが、マイクロ波及び水蒸気の供給を止める時点で、グリーン体70の乾燥率(すなわち、グリーン体70の乾燥前の溶媒質量に対する乾燥により除去された溶媒質量の比)を80%以上、90%以上又は95%以上としてもよい。なお、マイクロ波及び水蒸気の供給を止めた後に、加熱気体のみを流すことによって、より乾燥を進めてもよい。
 なお、乾燥の抑制のために水蒸気を用いてもよく、グリーン体70の乾燥を抑制できるのであれば、水蒸気に代えて、その他の蒸気中にグリーン体70全体を保持して、上述した乾燥を行ってもよい。また、乾燥に用いる気体としては、加熱気体にしてもよく、常温の気体を用いてもよい。
 乾燥後のグリーン体70の寸法を正確に調整するための切断工程を実施してもよい。また、切断後のグリーン体70の除塵を行ってもよい。また、乾燥工程後のグリーン体70をすぐに冷却してもよい。乾燥直後のグリーン体70を冷却することにより、グリーン体70の寸法の精度を改善することができる。また、乾燥後にグリーン体70の自然冷却を行った場合におけるグリーン体70の側面73に割れが生じることを防止することができる。
[焼成工程]
 その後、グリーン体70の貫通孔70aが上端面71及び下端面72のいずれか一方において開口し、いずれか他方において封口されるように封口工程が行われる。さらに、封口工程後のグリーン体70が焼成工程において焼成される。焼成工程におけるグリーン体70の焼成温度は、通常、1300℃以上又は1400℃以上にしてもよい。また、焼成温度は、通常、1650℃以下又は1550℃以下にしてもよい。焼成温度までの昇温速度は特に限定されるものではないが、通常、1℃/時間~500℃/時間である。
 焼成は通常、大気中で行なわれるが、用いるセラミクス原料の種類や使用量比によっては、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス中で焼成してもよいし、一酸化炭素ガス、水素ガスなどのような還元性ガス中で焼成してもよい。また、水蒸気分圧を低くした雰囲気中で焼成を行なってもよい。
 焼成は通常、管状電気炉、箱型電気炉、トンネル炉、遠赤外線炉、マイクロ波加熱炉、シャフト炉、反射炉、ロータリー炉、ローラーハース炉などの通常の焼成炉を用いて行なわれる。焼成は回分式で行なってもよいし、連続式で行なってもよい。また、静置式で行なってもよいし、流動式で行なってもよい。
 焼成に要する時間は、セラミックが生成するのに十分な時間であればよく、グリーン体70の量、焼成炉の形式、焼成温度、焼成雰囲気などにより異なるが、通常は10分~24時間である。
 このようにして、図9(a)及び図9(b)に示すようなディーゼル粒子フィルタ170が製造される。ディーゼル粒子フィルタ170では、上端面71の側で封口部70bに塞がれた貫通孔70aは、下端面72の側に開口部を有する。一方、下端面72の側で封口部70bに塞がれた貫通孔70aは、上端面71に開口部を有する。貫通孔70aの隔壁表面に、アルミナ等の担体に担持された白金系金属触媒や、セリア又はジルコニア等の助触媒を付着させてもよい。
 ディーゼル粒子フィルタ170の寸法は限定されない。貫通孔70aの長手方向に垂直な断面の内径(正方形の一辺の長さ)は、例えば0.5~2.5mmである。貫通孔70aが延びる方向におけるディーゼル粒子フィルタの長さは、例えば30~350mmである。また、ディーゼル粒子フィルタの外径は、例えば10~320mmである。ディーゼル粒子フィルタの端面に開いている貫通孔70aの面積当たりの数(セル密度)は、例えば150~450cpsiである。なお、cpsiとの単位は「/inch」を意味し、「/(0.0254m)」に等しい。貫通孔70aの隔壁の厚さは、例えば0.1~0.76mmである。隔壁70cの気孔率(開気孔率)は、例えば30~70体積%である。
 本実施形態では、グリーン体70を貫通孔70aの延在方向が上下方向をなすように配置し、グリーン体70の側面73から等距離を隔てた内面83を有する筒状のカバー80により側面73を囲繞した状態で、マイクロ波によりグリーン体70を加熱する。これにより、グリーン体70からの放熱及びグリーン体70から放出される高温の蒸気によってグリーン体70の周りが均一に加熱される。また、蒸気が放出され易い状態であるため、グリーン体70は均一に加熱されたまま、均一な乾燥が進行する。従って、乾燥に伴うグリーン体70の変形や外周壁の割れが抑制され、歩留まりを向上させることができる。
 また、本実施形態では、乾燥工程では、グリーン体70の上方に上蓋85が配置された状態で、マイクロ波によりグリーン体70を加熱する。これにより、グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを防ぐことができるため、グリーン体70の加熱及び乾燥をより均一にすることができる。
 また、本実施形態では、上蓋85をグリーン体70の上端面71に接触させた状態で、マイクロ波によりグリーン体70を加熱する。これにより、グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることをさらに防ぐことができるため、グリーン体70の加熱及び乾燥をさらに均一にすることができる。
 また、本実施形態では、上蓋85は、上蓋85の下方から上蓋85の上方へと連通する1個以上の開口部86を有する。このため、グリーン体70から均一に蒸気が抜け易くなるため、均一な乾燥が促進され、グリーン体70の変形がより抑制される。
 また、本実施形態によれば、上蓋85の開口率が10%以上であるため、グリーン体70から均一に蒸気が抜け易くなる。また、上蓋85の開口率が70%以下であるため、グリーン体70から放出された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを上蓋85が防ぐ効果が無くなることを防止できる。
 また、本実施形態によれば、マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、カバー80及び上蓋85は構成されているため、上述したカバー80及び上蓋85の効果を奏させることができる。
 また、本実施形態によれば、グリーン体70の側面73とカバー80の内面83との距離は0mmよりも大きいため、グリーン体70からの蒸気がカバー80の内面83に凝結して液滴となり、液滴がグリーン体70に接触することを防止することができる。また、グリーン体70の側面73とカバー80の内面83との距離は60mm以下であるため、グリーン体70から放熱された熱がカバー80の外部へと移動することや、グリーン体70の周囲の高温の蒸気雰囲気が損なわれることを防ぐことができる。
 また、本実施形態によれば、乾燥工程において乾燥に伴うグリーン体70の変形を抑制することができるため、変形の抑制されたハニカム構造体を製造することができる。
 なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、様々な変形態様が可能である。例えば、グリーン体70の外形は、上端面71及び下端面72が円である円柱に限られず、例えば、上端面71及び下端面72が楕円である円柱、三角柱、四角柱、六角柱、八角柱等とすることができる。この場合も、グリーン体の上端面71から視た上端面71に対するカバー80の開端部81の形状を相似形状とし、グリーン体70の側面73とカバー80の内面83とが等距離を隔てるようにすることにより、上記実施形態と同様の効果を奏する。また、上端面71及び下端面72から視た貫通孔70aの形状も、正方形に限定されず、長方形、平行四辺形、菱形、三角形、六角形等とすることができる。また、上記実施形態における台座40、受台3及び乾燥装置100は、あくまでも一例であり、同じ作用効果を奏するものであれば、様々な変形態様が可能である。
 以下、本発明の一態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の一態様はこれらの実施例に限定されるものではない。
 図1に示すようなグリーン体70(直径:180mm、長さ240mm)を台座40、カバー80(polypropylene、内径198mm、厚さ13.5mm、長さ300mm)、上蓋85(シリコンラバー製、180mm、厚さ10mm)及び乾燥装置100を用いて、以下の表1に示す条件により乾燥させた。以下の表1において、「マイクロ波周波数(MHz)」の欄が「2450」及び「915」とは、それぞれ2450MHz及び915MHzのいずれか一方の周波数のマイクロ波の照射のみで乾燥工程を行ったことを示し、「2450+915」とは、2450MHz及び915MHzの両方の周波数のマイクロ波の照射により乾燥工程を行ったことを示す。なお、実施例4~8において、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離は0mmとし、上蓋85を上端面71に接触させた。マイクロ波は照量が48kw・minとなるようそれぞれ条件に応じて乾燥時間を調整した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 
 表1に示すように、カバー80を用いた実施例1~3では、乾燥工程後に、いずれも製品として使用可能な側面73の状態である「良」の評価のグリーン体70が得られた。特に、上蓋85を用いた実施例4~8では、製品としてほとんど変形が見られない優れた側面73の状態である「優」の評価のグリーン体70が得られた。一方、カバー80及び上蓋85を用いないで乾燥を行った比較例1~3では、乾燥工程後に、いずれも製品として使用不可能な側面73の状態である「不可」の評価のグリーン体70が得られた。
 次に、以下の表2に示すように、上蓋85の開口部86の開口率を変化させつつ、同様に乾燥工程を行った。なお、実施例9~13において、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離は0mmとし、上蓋85を上端面71に接触させた。また、開口部86のそれぞれは円形の形状を有し、開口部86の1箇所の直径は10mmとした。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
 表2に示すように、開口率が40%以上の実施例11~13で乾燥後のグリーン体70の上端面71と下端面72との直径差が小さくなり、高い寸法精度が得られることが判る。また、開口率が63%の実施例12で最も高い寸法精度が得られるが、開口率が80%の実施例13では、開口率が0%の実施例9や開口率が16%の実施例10に比べて高い寸法精度は得られるものの、側面73の状態が低下する。したがって、開口率の最大値は実施例12と実施例13との中間程度の値である70%や73%にしてもよいことが判る。
 表3に示すように、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離を0mmと20mmとで変化させつつ、同様に乾燥工程を行った。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 
 表3に示すように、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離を0mmとした実施例14では、製品としてほとんど変形が見られない優れた側面73の状態である「優」の評価のグリーン体70が得られた。一方、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離を20mmとした実施例15では、いずれも製品として使用可能な側面73の状態である「良」の評価のグリーン体70が得られた。従って、上蓋85とグリーン体70の上端面71との距離は0mmとし、上蓋85を上端面71に接触させてもよいことが判る。
 本発明の一態様のグリーン体を乾燥する方法によれば、乾燥に伴うグリーン体の変形を抑制することができる。本発明の一態様のハニカム構造体の製造方法によれば、変形の抑制されたハニカム構造体を製造することができる。
1 搬送面
3 受台
10 容器
10c 水蒸気供給口
20 マイクロ波源
30 加熱気体源
40 台座
42 通気部
42a 通気口
44 遮断部
70 グリーン体
70a 貫通孔
70b 封口部
70c 隔壁
71 上端面(底面)
72 下端面(底面)
73 側面
80 カバー
80t 厚さ
80g 間隔
81 開端部
82 カバー壁
83 内面
85 上蓋
86 開口部
100 乾燥装置
170 ディーゼル粒子フィルタ

Claims (9)

  1.  柱体の両方の底面に開口する貫通孔を複数有するとともに、セラミクス原料、バインダ、及び、溶媒を含有するグリーン体を乾燥する方法であって、前記グリーン体を前記貫通孔の延在方向が上下方向をなすように配置し、前記グリーン体の側面から等距離を隔てた内面を有する筒状のカバーにより前記側面を囲繞した状態で、マイクロ波により前記グリーン体を加熱する乾燥工程を含む、前記方法。
  2.  前記乾燥工程では、前記グリーン体の上方に上蓋が配置された状態で、前記マイクロ波により前記グリーン体を加熱する、請求項1に記載の方法。
  3.  前記乾燥工程では、前記上蓋を前記グリーン体の上側の底面に接触させた状態で、前記マイクロ波により前記グリーン体を加熱する、請求項2に記載の方法。
  4.  前記上蓋は、前記上蓋の下方から前記上蓋の上方へと連通する1個以上の開口部を有する、請求項2又は3に記載の方法。
  5.  1個以上の開口部の面積の合計は、前記開口部が無いと仮定した前記上蓋の面積の10%以上であり70%以下である、請求項4に記載の方法。
  6.  前記マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、前記上蓋は構成されている、請求項2~5のいずれか1項に記載の方法。
  7.  前記マイクロ波を透過し、蒸気を遮蔽し、且つ耐熱温度が100℃以上の材質から、前記カバーは構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8.  前記グリーン体の側面と前記カバーの前記内面との距離は、0mmよりも大きく且つ60mm以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9.  請求項1~8のいずれか1項に記載の乾燥工程を含むハニカム構造体の製造方法。
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