JP2005014421A - ハニカム成形体用乾燥容器およびそれを用いた乾燥法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ハニカム中の水分の吸収性、保水性に優れ、ハンドリングが容易で、しかもこの治具を使用してハニカム成形体を乾燥した場合、その形状精度が良好であるハニカム用乾燥容器の提供を目的とする。
【解決手段】ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器。
【選択図】図1
【解決手段】ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカム形状を有するセラミックス成形体用乾燥容器およびそれを使用した乾燥法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハニカム形状を有するセラミックスフィルタ(以下、単にフィルタと略す)は、ディーゼルエンジンから排出されるディーゼルパティキュレート除去用フィルタ、排気ガス浄化触媒用担体、高温ガス中の除塵用フィルタなどとして広く使用されている。なかでも炭化ケイ素質、窒化ケイ素質などの非酸化物からなるフィルタは、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れることからディーゼルパティキュレート除去用フィルタとして注目されている。
【0003】
これらのフィルタは、通常、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックス粉末に水等を添加して混練し坏土に調製して、押出成形し、得られた成形体を乾燥後、電気炉を用いて焼成して作製される。その乾燥法として、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電加熱乾燥などさまざまな方法がとられている。しかし、従来のセラミックス成形体の乾燥法では、成形体のサイズが大きくなると、表面だけが乾燥し内部は水が大量にあるというように成形体内部の乾燥状態に極端な差が生じ、それに起因する変形、クラックなどの問題があった。
【0004】
これらを解決するために、ハニカム形状を有するセラミックス成形体(以下、ハニカム成形体という)を乾燥する際、当該ハニカム成形体をガラスエポキシ製の治具で挟み、治具の自重によって成形体に一定の圧力をかけながら熱風とマイクロ波を併用して乾燥する方法が提案されている(特許文献1〜3参照。)。
【0005】
また、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂製のシート状治具を用いて、誘電乾燥する方法も提案されている(特許文献4参照。)。前記フッ素樹脂は誘電損失が少ないため、マイクロ波、電磁波を透過し、ハニカム成形体を効率的かつ均一に加熱する点で優れているが、緻密質であるため、多くの水分を含むハニカム成形体の乾燥容器に使用すると、排出された水分の吸収が不充分となり、ハニカム成形体が変形等するおそれがある。多孔質のフッ素樹脂を使用すれば、水の吸収性の点では改善されるものの、機械的強度が低下し変形や治具のハンドリング時での破損のおそれがあり、また治具代も非常に高価となってしまう問題もある。いずれにせよ、ハニカム成形体中の水分の吸収性、保水性に優れ、また乾燥時のハニカム成形体にクラック等の欠陥が発生せず、しかもハニカム成形体の保形性が良好で、ハンドリングが容易であるハニカム成形体用乾燥容器は提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−130973号公報(第3〜7頁、図2)
【特許文献2】
特開2001−19533号公報(第1〜7頁)
【特許文献3】
特開2000−44326号公報(第1〜6頁)
【特許文献4】
特開2002−228359号公報(第1〜3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハニカム成形体中の水分の吸収性、保水性に優れ、ハンドリングが容易で、この治具を使用してハニカム成形体を乾燥した場合、その形状精度が良好で、しかもクラックなどの乾燥不良が発生しないハニカム成形体用乾燥容器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器を提供する。また、別の本発明は、前記乾燥容器内にハニカム成形体を収納し、温度50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でマイクロ波乾燥することを特徴とするハニカム成形体乾燥法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム成形体用乾燥容器(以下、本容器という)は、ハニカム成形体の乾燥時に当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とする。
【0010】
本明細書において、ハニカム成形体と本容器の相対する面との関係は、変形を生ずるような機械的な応力が実質的にかからない状態で接触してもよいし、また近接して数mm程度以内の空間距離を保っていてもよいものとする。
【0011】
一例として蓋付き箱型形状を有する本容器の概要(斜視図)を図1に示す。図中、1は乾燥されるハニカム成形体を、10は本容器を、11は本容器10の側面部11を、12は本容器10の上端面を、13は本容器10の下端面を、15はハニカム成形体1と相対する面を、それぞれ示す。図2は図1のA−A断面図である。
【0012】
本容器10は、箱型形状に限定されるものではなく、無垢の無機多孔質ブロックに、ハニカム成形体1の断面より少しだけ形状の大きな断面を有する貫通穴を形成して側面部11とし、上端面12、下端面13として蓋をするようなものでもよい。このようにすると乾燥時にハニカム成形体1と本容器10の側面部11とが、近接し、または接触するためハニカム成形体1の変形防止や変形矯正の効果が得られるため好ましい。
【0013】
例えば、ハニカム成形体1が高さ方向に貫通穴を有する円柱の場合、無垢の無機多孔質ブロックに該円柱の円断面より少し大きな円断面の貫通穴を形成し、これを分割せずに、または縦方向および/または横方向に2以上に複数分割して、側面部11とし、上下端面12、13として無機多孔質板で蓋をするようなものでもよい。
【0014】
また、本容器10は、一体物で形成してもよいが、側面部11、上端面12および下端面13をそれぞれ別部材とし、ハニカム成形体1の収容時に組み合わせる等して密閉できるようなものであれば特に制限されない。
【0015】
本容器10は、ハニカム成形体1と相対する面15の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするが、好ましくはハニカム成形体1と相対する面全体が実質的に無機多孔質材料で形成されていると、乾燥時の治具内の水蒸気濃度の分布が均一になるため好ましい。また、無機多孔質材料で形成されるのは、ハニカム成形体1から蒸発した水分が本容器の内面から外面を通って本容器外に飛散できるようなもの(例えば、内表面を無機多孔質材料とし、外面を有機多孔質材料などで構成)であれば、相対する面15の表面部分だけでもよいが、表面から外面にかけて無機多孔質材料とするのが構造が簡便で好ましい。本容器が実質的に無機多孔質材料で形成されていると、乾燥時の治具内の水蒸気濃度の分布がより均一になり、ハニカム成形体1の内部での部位による乾燥状態の差がないか、または前記差が少ない状態で乾燥できるため特に好ましい。
【0016】
本容器10において、無機多孔質材料の特性としては、治具に形成後の気孔率が20〜90%であると乾燥時の本容器内部が一定の湿度に保たれるため好ましい。前記気孔率が20%未満であると乾燥時にハニカム成形体1から発生する水蒸気が通気しにくく、水蒸気が治具表面で結露しハニカム成形体1の外周に付着し変形するおそれがある。一方、前記気孔率が90%を超えると水蒸気が本容器10の外部に飛散しやすく、本容器内部での湿度が低くなりすぎるおそれがある。前記気孔率が30〜80%であるとさらに好ましい。
【0017】
なお、ハニカム成形体1が多角柱や円柱などの柱状体の場合、該柱状体の側面と相対する側面部11の気孔率(以下、側面部気孔率という)と、該柱状体の端面と相対する上端面12、下端面13の気孔率(以下、端面部気孔率という)とを意図的に変化させてもよい。例えば、側面部気孔率を20〜60%、端面部気孔率を40〜90%とし、より好ましくは端面部気孔率を側面部気孔率より大きくすると水蒸気が効果的に治具外に飛散すること、また変形を防止しながら柱状体の側面部と端面部を同程度に乾燥させていくことができるため好ましい。これは側面部11に比べて端面部の上端面12、下端面13で結露が発生しやく、上端面12、下端面13の気孔率を側面部11の気孔率より大きくすることにより結露を防止できることによるものと推測される。
【0018】
本容器10において、無機多孔質材料の特性としては、治具に形成後の平均細孔直径(以下、平均細孔径という)が1〜100μmであるとハニカム成形体全体から水分を効果的に除去、排出できるため好ましい。平均細孔径が10〜50μmであるとさらに好ましく、20〜30μmであると特に好ましい。
【0019】
本容器10において、無機多孔質材料としては、CaSO4、SiO2、またはAl2O3のいずれか1種以上を成分として含むものであるとマイクロ波を充分に透過し、ハニカム成形体内部まで均一に乾燥するため好ましい。このようなものとしてはセッコウが好ましく挙げられる。
【0020】
本容器10において、無機多孔質材料としては、Fe、NiおよびCoの含有量の合計が5質量%以下であると、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥する際に効率よく乾燥できるため好ましい。無機多孔質材料中、Fe、NiおよびCoの含有量の合計が5質量%を超えると、マイクロ波のエネルギーの一部が、本容器の加熱に浪費されるおそれがあり、乾燥効率が低下するため好ましくない。無機多孔質材料中のFe、NiおよびCoの含有量の合計が2質量%以下であるとさらに好ましい。
【0021】
本容器10を用いた乾燥法としては、特に制限されないが、設備の簡易性、作業性など生産性などの点からマイクロ波乾燥が好ましい。マイクロ波乾燥は、前述のような長所があるが、それでもハニカム成形体のサイズが大きくなると本容器を使用しない場合には表皮部分だけが局所的に加熱され、表皮部分は水がほとんどない状態まで乾燥されるものの、内部は水分を含んだままとなり場所によって乾燥の程度に差が発生し、割れなどが発生しやすくなる。
【0022】
サイズの大きなハニカム成形体をマイクロ波乾燥する際に、本容器10を使用すると、割れやクラック、焼き付けなどの不良がない乾燥体が得られる。その理由の詳細は不明であるが、次のように推測される。本容器10はハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されているため、ハニカム成形体から蒸発した水蒸気が該無機多孔質材料中の空孔内に一部とどまって治具内部の湿度を一定のレベルに保ち、その結果、ハニカム成形体内部での部位による乾燥程度の差が小さい状態で乾燥される、すなわちハニカム成形体全体が湿った状態で乾燥が進行するためと思われる。
【0023】
なお、全体が湿った状態で乾燥が進行するためには時間の経過とともにマイクロ波の吸収が順次ハニカム成形体の内部に移動することが重要であるが、水のマイクロ波の吸収は25℃前後で最大の吸収を示す特性を有することから、マイクロ波吸収により温度が上昇するとともに、表皮部分からの内部へとマイクロ波の吸収ポイントが移動するため、前記要請に応えることとなる。
【0024】
次に、本容器10を使用したハニカム成形体乾燥法(以下、本乾燥法という)を説明する。本乾燥法においては、本容器10内にハニカム成形体を収納し、温度50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でハニカム成形体をマイクロ波乾燥することを特徴とする。
【0025】
雰囲気温度が50℃未満か、相対湿度が80%を超えるとハニカム成形体から蒸発した水蒸気が前記治具10内で結露してしまい好ましくない。一方、雰囲気温度が130℃を超えるとハニカム成形体中に含まれるバインダーが変質・炭化するおそれがあり、また相対湿度が2%未満であると、湿度が低すぎてハニカム成形体内の乾燥状態に極端な差を引き起こすおそれがあり好ましくない。雰囲気が温度90〜120℃、相対湿度2〜50%であるとさらに好ましく、雰囲気が温度95〜110℃、相対湿度5〜30%であると特に好ましい。
【0026】
本乾燥法において、通例、ハニカム成形体1は端面の片方を下にして側面部が高さ方向になるように、すなわち、ハニカム成形体1に形成された複数の互いに平行な貫通穴が本容器10の高さ方向と平行になるようにハニカム成形体1を収納するため、乾燥時の変形、特にハニカム成形体1の側面部の傾き、倒れ等の変形、を防止し、場合によっては前記変形を矯正するために、側面部11の内面とハニカム成形体1の側面部とが可能な限り近接し、実質的に接触していると好ましい。なお、前記接触はハニカム成形体1の側面部の全面でも、またその一部でもよいが、ハニカム成形体1の側面部の全面と接触するのがより好ましい。
【0027】
本乾燥法において、前記治具10とハニカム成形体1との間に主として無機繊維からなる布を介在させると、ハンドリングによるハニカム成形体1の変形を防止でき、さらにハニカム成形体1を収納する際に、側面部11の内面とハニカム成形体1の側面部とを変形を発生させないように接触させることができ、乾燥時の変形防止と変形矯正ができるため好ましい。このような無機繊維からなる布としては、特に制限がないが、フェルトや不織布などが挙げられ、無機繊維の材質としてはガラスファイバ、セラミックファイバ、無機鉱物ファイバ、ロックウール、絶縁コーティングを施した炭素繊維等が挙げられる。
【0028】
本発明において、ハニカム成形体としては、セラミックス粉末(金属ケイ素粉末のように窒化ケイ素、炭化ケイ素等の原料となる金属粉末を含む)に水、有機バインダ等を添加して坏土とし、これを押出成形したものであれば特に制限されない。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
【0030】
[例1(実施例)]
平均粒子直径20μmの金属ケイ素粉末100質量部に対し、気孔形成剤30質量部、バインダとしてヒドロキシメチルセルロース22.5質量部、イオン交換水を72.5質量部秤量し、混合、混練した原料を押出成形し直径150mm、長さ180mm、セルピッチ1.8mm、壁厚0.35mmのハニカム成形体1を得た。得られたハニカム成形体1の外径寸法は、所定値に対して、−0.5mm〜+0.8mm、の範囲内にあった。
【0031】
このハニカム成形体1を収納するため、ほぼ中央にハニカム成形体1の円断面より大きな円断面の貫通穴を形成し、しかも縦方向に2分割したセッコウ製の側面部11(気孔率45%、平均細孔径2μm)と、SiO2系の多孔質セラミックスからなる上端面12、下端面13(気孔率50%、平均細孔径15μm)からなる治具10を準備した。なお、治具中のFe、NiおよびCoの含有量の合計は0.5質量%以下であった。
【0032】
ハニカム成形体1を、その側面にセラミックスファイバ製のフェルトを介した状態で前記治具10内に収納した。ハニカム成形体1を収納した前記治具10内を相対湿度20%、雰囲気温度95℃に制御されたマイクロ波乾燥機の中にセットした。セット後、出力2000W、時間14分で乾燥した。乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の90%が蒸発していた。さらに、このハニカム成形体1の中心部と外部での水分量の差を計測したところわずか2%の差であった。
【0033】
乾燥後のハニカム成形体1の外形について寸法測定したところ、目標寸法に対し、−0.7mm〜+1.0mmの範囲内で乾燥されおり、乾燥後においても形状精度が良好であった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したが、クラック、バインダの変質等による焦げなどの乾燥不良は観察されなかった。
【0034】
[例2(実施例)]
例1において、側面部11をセッコウ製の代わりにAl2O3系の多孔質セラミックス(気孔率30%、平均細孔径5μm)とした以外は例1と同様にして乾燥した。なお、治具中のFe、NiおよびCoの含有量の合計は0.5質量%以下であった。
【0035】
乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の87%が蒸発していた。さらに、このハニカム成形体1の中心部と外部での水分量の差を計測したところわずか3%の差であった。
【0036】
乾燥前後のハニカム成形体1の外形について寸法測定したところ、乾燥前が目標寸法に対して−0.6mm〜+0.4mmの範囲内であったのに対して、乾燥後が目標寸法に対して−0.7mm〜+0.8mmの範囲内で乾燥されており、乾燥後においても形状精度が良好であった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したが、クラック、バインダの変質等による焦げなどの乾燥不良は観察されなかった。
【0037】
[例3(比較例)]
例1において、前記治具10に収納せずに直接ハニカム成形体1をマイクロ波乾燥機にセットした以外は例1と同様にして乾燥した。乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の80%が蒸発していた。このハニカム成形体1について中心部と外部での水分量の差を計測したところ15%と大きな差があった。乾燥前後の外形寸法を測定したところ、乾燥前が目標寸法に対して−0.3mm〜+0.6mmの範囲内であったのに対して、乾燥後が目標寸法に対して−1.2mm〜+2.0mmの範囲内と乾燥により変形が大きくなった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したところ、表面の一部にバインダが変質し、焦げている箇所が認められた。またセル内部にクラックがあるのが観察された。
【0038】
【発明の効果】
本容器内にハニカム成形体を収納してハニカム成形体を乾燥すると、クラック等の乾燥不良を発生させることなく、形状精度よく乾燥させることができる。特に、サイズの大きなハニカム成形体を乾燥させる際に、その効果が顕著である。本容器を使用した乾燥法としては、特に限定されないが、マイクロ波を利用した乾燥法に特に好適である。
【0039】
また、前記治具内にハニカム成形体を収納して50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でマイクロ波乾燥させると、クラックなどの欠陥がなく、形状精度のよいハニカム成形体の乾燥体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋付き箱型形状を有する本容器の概要(斜視図)。
【図2】図1のA−A断面図。
【符号の説明】
1:ハニカム成形体。
10:本容器。
11:本容器の側面部。
12:本容器の上端面。
13:本容器の下端面。
15:ハニカム成形体と相対する面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカム形状を有するセラミックス成形体用乾燥容器およびそれを使用した乾燥法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハニカム形状を有するセラミックスフィルタ(以下、単にフィルタと略す)は、ディーゼルエンジンから排出されるディーゼルパティキュレート除去用フィルタ、排気ガス浄化触媒用担体、高温ガス中の除塵用フィルタなどとして広く使用されている。なかでも炭化ケイ素質、窒化ケイ素質などの非酸化物からなるフィルタは、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性に優れることからディーゼルパティキュレート除去用フィルタとして注目されている。
【0003】
これらのフィルタは、通常、窒化ケイ素、炭化ケイ素などのセラミックス粉末に水等を添加して混練し坏土に調製して、押出成形し、得られた成形体を乾燥後、電気炉を用いて焼成して作製される。その乾燥法として、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電加熱乾燥などさまざまな方法がとられている。しかし、従来のセラミックス成形体の乾燥法では、成形体のサイズが大きくなると、表面だけが乾燥し内部は水が大量にあるというように成形体内部の乾燥状態に極端な差が生じ、それに起因する変形、クラックなどの問題があった。
【0004】
これらを解決するために、ハニカム形状を有するセラミックス成形体(以下、ハニカム成形体という)を乾燥する際、当該ハニカム成形体をガラスエポキシ製の治具で挟み、治具の自重によって成形体に一定の圧力をかけながら熱風とマイクロ波を併用して乾燥する方法が提案されている(特許文献1〜3参照。)。
【0005】
また、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂製のシート状治具を用いて、誘電乾燥する方法も提案されている(特許文献4参照。)。前記フッ素樹脂は誘電損失が少ないため、マイクロ波、電磁波を透過し、ハニカム成形体を効率的かつ均一に加熱する点で優れているが、緻密質であるため、多くの水分を含むハニカム成形体の乾燥容器に使用すると、排出された水分の吸収が不充分となり、ハニカム成形体が変形等するおそれがある。多孔質のフッ素樹脂を使用すれば、水の吸収性の点では改善されるものの、機械的強度が低下し変形や治具のハンドリング時での破損のおそれがあり、また治具代も非常に高価となってしまう問題もある。いずれにせよ、ハニカム成形体中の水分の吸収性、保水性に優れ、また乾燥時のハニカム成形体にクラック等の欠陥が発生せず、しかもハニカム成形体の保形性が良好で、ハンドリングが容易であるハニカム成形体用乾燥容器は提案されていない。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−130973号公報(第3〜7頁、図2)
【特許文献2】
特開2001−19533号公報(第1〜7頁)
【特許文献3】
特開2000−44326号公報(第1〜6頁)
【特許文献4】
特開2002−228359号公報(第1〜3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ハニカム成形体中の水分の吸収性、保水性に優れ、ハンドリングが容易で、この治具を使用してハニカム成形体を乾燥した場合、その形状精度が良好で、しかもクラックなどの乾燥不良が発生しないハニカム成形体用乾燥容器の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器を提供する。また、別の本発明は、前記乾燥容器内にハニカム成形体を収納し、温度50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でマイクロ波乾燥することを特徴とするハニカム成形体乾燥法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のハニカム成形体用乾燥容器(以下、本容器という)は、ハニカム成形体の乾燥時に当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とする。
【0010】
本明細書において、ハニカム成形体と本容器の相対する面との関係は、変形を生ずるような機械的な応力が実質的にかからない状態で接触してもよいし、また近接して数mm程度以内の空間距離を保っていてもよいものとする。
【0011】
一例として蓋付き箱型形状を有する本容器の概要(斜視図)を図1に示す。図中、1は乾燥されるハニカム成形体を、10は本容器を、11は本容器10の側面部11を、12は本容器10の上端面を、13は本容器10の下端面を、15はハニカム成形体1と相対する面を、それぞれ示す。図2は図1のA−A断面図である。
【0012】
本容器10は、箱型形状に限定されるものではなく、無垢の無機多孔質ブロックに、ハニカム成形体1の断面より少しだけ形状の大きな断面を有する貫通穴を形成して側面部11とし、上端面12、下端面13として蓋をするようなものでもよい。このようにすると乾燥時にハニカム成形体1と本容器10の側面部11とが、近接し、または接触するためハニカム成形体1の変形防止や変形矯正の効果が得られるため好ましい。
【0013】
例えば、ハニカム成形体1が高さ方向に貫通穴を有する円柱の場合、無垢の無機多孔質ブロックに該円柱の円断面より少し大きな円断面の貫通穴を形成し、これを分割せずに、または縦方向および/または横方向に2以上に複数分割して、側面部11とし、上下端面12、13として無機多孔質板で蓋をするようなものでもよい。
【0014】
また、本容器10は、一体物で形成してもよいが、側面部11、上端面12および下端面13をそれぞれ別部材とし、ハニカム成形体1の収容時に組み合わせる等して密閉できるようなものであれば特に制限されない。
【0015】
本容器10は、ハニカム成形体1と相対する面15の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするが、好ましくはハニカム成形体1と相対する面全体が実質的に無機多孔質材料で形成されていると、乾燥時の治具内の水蒸気濃度の分布が均一になるため好ましい。また、無機多孔質材料で形成されるのは、ハニカム成形体1から蒸発した水分が本容器の内面から外面を通って本容器外に飛散できるようなもの(例えば、内表面を無機多孔質材料とし、外面を有機多孔質材料などで構成)であれば、相対する面15の表面部分だけでもよいが、表面から外面にかけて無機多孔質材料とするのが構造が簡便で好ましい。本容器が実質的に無機多孔質材料で形成されていると、乾燥時の治具内の水蒸気濃度の分布がより均一になり、ハニカム成形体1の内部での部位による乾燥状態の差がないか、または前記差が少ない状態で乾燥できるため特に好ましい。
【0016】
本容器10において、無機多孔質材料の特性としては、治具に形成後の気孔率が20〜90%であると乾燥時の本容器内部が一定の湿度に保たれるため好ましい。前記気孔率が20%未満であると乾燥時にハニカム成形体1から発生する水蒸気が通気しにくく、水蒸気が治具表面で結露しハニカム成形体1の外周に付着し変形するおそれがある。一方、前記気孔率が90%を超えると水蒸気が本容器10の外部に飛散しやすく、本容器内部での湿度が低くなりすぎるおそれがある。前記気孔率が30〜80%であるとさらに好ましい。
【0017】
なお、ハニカム成形体1が多角柱や円柱などの柱状体の場合、該柱状体の側面と相対する側面部11の気孔率(以下、側面部気孔率という)と、該柱状体の端面と相対する上端面12、下端面13の気孔率(以下、端面部気孔率という)とを意図的に変化させてもよい。例えば、側面部気孔率を20〜60%、端面部気孔率を40〜90%とし、より好ましくは端面部気孔率を側面部気孔率より大きくすると水蒸気が効果的に治具外に飛散すること、また変形を防止しながら柱状体の側面部と端面部を同程度に乾燥させていくことができるため好ましい。これは側面部11に比べて端面部の上端面12、下端面13で結露が発生しやく、上端面12、下端面13の気孔率を側面部11の気孔率より大きくすることにより結露を防止できることによるものと推測される。
【0018】
本容器10において、無機多孔質材料の特性としては、治具に形成後の平均細孔直径(以下、平均細孔径という)が1〜100μmであるとハニカム成形体全体から水分を効果的に除去、排出できるため好ましい。平均細孔径が10〜50μmであるとさらに好ましく、20〜30μmであると特に好ましい。
【0019】
本容器10において、無機多孔質材料としては、CaSO4、SiO2、またはAl2O3のいずれか1種以上を成分として含むものであるとマイクロ波を充分に透過し、ハニカム成形体内部まで均一に乾燥するため好ましい。このようなものとしてはセッコウが好ましく挙げられる。
【0020】
本容器10において、無機多孔質材料としては、Fe、NiおよびCoの含有量の合計が5質量%以下であると、ハニカム成形体をマイクロ波乾燥する際に効率よく乾燥できるため好ましい。無機多孔質材料中、Fe、NiおよびCoの含有量の合計が5質量%を超えると、マイクロ波のエネルギーの一部が、本容器の加熱に浪費されるおそれがあり、乾燥効率が低下するため好ましくない。無機多孔質材料中のFe、NiおよびCoの含有量の合計が2質量%以下であるとさらに好ましい。
【0021】
本容器10を用いた乾燥法としては、特に制限されないが、設備の簡易性、作業性など生産性などの点からマイクロ波乾燥が好ましい。マイクロ波乾燥は、前述のような長所があるが、それでもハニカム成形体のサイズが大きくなると本容器を使用しない場合には表皮部分だけが局所的に加熱され、表皮部分は水がほとんどない状態まで乾燥されるものの、内部は水分を含んだままとなり場所によって乾燥の程度に差が発生し、割れなどが発生しやすくなる。
【0022】
サイズの大きなハニカム成形体をマイクロ波乾燥する際に、本容器10を使用すると、割れやクラック、焼き付けなどの不良がない乾燥体が得られる。その理由の詳細は不明であるが、次のように推測される。本容器10はハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されているため、ハニカム成形体から蒸発した水蒸気が該無機多孔質材料中の空孔内に一部とどまって治具内部の湿度を一定のレベルに保ち、その結果、ハニカム成形体内部での部位による乾燥程度の差が小さい状態で乾燥される、すなわちハニカム成形体全体が湿った状態で乾燥が進行するためと思われる。
【0023】
なお、全体が湿った状態で乾燥が進行するためには時間の経過とともにマイクロ波の吸収が順次ハニカム成形体の内部に移動することが重要であるが、水のマイクロ波の吸収は25℃前後で最大の吸収を示す特性を有することから、マイクロ波吸収により温度が上昇するとともに、表皮部分からの内部へとマイクロ波の吸収ポイントが移動するため、前記要請に応えることとなる。
【0024】
次に、本容器10を使用したハニカム成形体乾燥法(以下、本乾燥法という)を説明する。本乾燥法においては、本容器10内にハニカム成形体を収納し、温度50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でハニカム成形体をマイクロ波乾燥することを特徴とする。
【0025】
雰囲気温度が50℃未満か、相対湿度が80%を超えるとハニカム成形体から蒸発した水蒸気が前記治具10内で結露してしまい好ましくない。一方、雰囲気温度が130℃を超えるとハニカム成形体中に含まれるバインダーが変質・炭化するおそれがあり、また相対湿度が2%未満であると、湿度が低すぎてハニカム成形体内の乾燥状態に極端な差を引き起こすおそれがあり好ましくない。雰囲気が温度90〜120℃、相対湿度2〜50%であるとさらに好ましく、雰囲気が温度95〜110℃、相対湿度5〜30%であると特に好ましい。
【0026】
本乾燥法において、通例、ハニカム成形体1は端面の片方を下にして側面部が高さ方向になるように、すなわち、ハニカム成形体1に形成された複数の互いに平行な貫通穴が本容器10の高さ方向と平行になるようにハニカム成形体1を収納するため、乾燥時の変形、特にハニカム成形体1の側面部の傾き、倒れ等の変形、を防止し、場合によっては前記変形を矯正するために、側面部11の内面とハニカム成形体1の側面部とが可能な限り近接し、実質的に接触していると好ましい。なお、前記接触はハニカム成形体1の側面部の全面でも、またその一部でもよいが、ハニカム成形体1の側面部の全面と接触するのがより好ましい。
【0027】
本乾燥法において、前記治具10とハニカム成形体1との間に主として無機繊維からなる布を介在させると、ハンドリングによるハニカム成形体1の変形を防止でき、さらにハニカム成形体1を収納する際に、側面部11の内面とハニカム成形体1の側面部とを変形を発生させないように接触させることができ、乾燥時の変形防止と変形矯正ができるため好ましい。このような無機繊維からなる布としては、特に制限がないが、フェルトや不織布などが挙げられ、無機繊維の材質としてはガラスファイバ、セラミックファイバ、無機鉱物ファイバ、ロックウール、絶縁コーティングを施した炭素繊維等が挙げられる。
【0028】
本発明において、ハニカム成形体としては、セラミックス粉末(金属ケイ素粉末のように窒化ケイ素、炭化ケイ素等の原料となる金属粉末を含む)に水、有機バインダ等を添加して坏土とし、これを押出成形したものであれば特に制限されない。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
【0030】
[例1(実施例)]
平均粒子直径20μmの金属ケイ素粉末100質量部に対し、気孔形成剤30質量部、バインダとしてヒドロキシメチルセルロース22.5質量部、イオン交換水を72.5質量部秤量し、混合、混練した原料を押出成形し直径150mm、長さ180mm、セルピッチ1.8mm、壁厚0.35mmのハニカム成形体1を得た。得られたハニカム成形体1の外径寸法は、所定値に対して、−0.5mm〜+0.8mm、の範囲内にあった。
【0031】
このハニカム成形体1を収納するため、ほぼ中央にハニカム成形体1の円断面より大きな円断面の貫通穴を形成し、しかも縦方向に2分割したセッコウ製の側面部11(気孔率45%、平均細孔径2μm)と、SiO2系の多孔質セラミックスからなる上端面12、下端面13(気孔率50%、平均細孔径15μm)からなる治具10を準備した。なお、治具中のFe、NiおよびCoの含有量の合計は0.5質量%以下であった。
【0032】
ハニカム成形体1を、その側面にセラミックスファイバ製のフェルトを介した状態で前記治具10内に収納した。ハニカム成形体1を収納した前記治具10内を相対湿度20%、雰囲気温度95℃に制御されたマイクロ波乾燥機の中にセットした。セット後、出力2000W、時間14分で乾燥した。乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の90%が蒸発していた。さらに、このハニカム成形体1の中心部と外部での水分量の差を計測したところわずか2%の差であった。
【0033】
乾燥後のハニカム成形体1の外形について寸法測定したところ、目標寸法に対し、−0.7mm〜+1.0mmの範囲内で乾燥されおり、乾燥後においても形状精度が良好であった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したが、クラック、バインダの変質等による焦げなどの乾燥不良は観察されなかった。
【0034】
[例2(実施例)]
例1において、側面部11をセッコウ製の代わりにAl2O3系の多孔質セラミックス(気孔率30%、平均細孔径5μm)とした以外は例1と同様にして乾燥した。なお、治具中のFe、NiおよびCoの含有量の合計は0.5質量%以下であった。
【0035】
乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の87%が蒸発していた。さらに、このハニカム成形体1の中心部と外部での水分量の差を計測したところわずか3%の差であった。
【0036】
乾燥前後のハニカム成形体1の外形について寸法測定したところ、乾燥前が目標寸法に対して−0.6mm〜+0.4mmの範囲内であったのに対して、乾燥後が目標寸法に対して−0.7mm〜+0.8mmの範囲内で乾燥されており、乾燥後においても形状精度が良好であった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したが、クラック、バインダの変質等による焦げなどの乾燥不良は観察されなかった。
【0037】
[例3(比較例)]
例1において、前記治具10に収納せずに直接ハニカム成形体1をマイクロ波乾燥機にセットした以外は例1と同様にして乾燥した。乾燥後、取り出したハニカム成形体1は全水分量の80%が蒸発していた。このハニカム成形体1について中心部と外部での水分量の差を計測したところ15%と大きな差があった。乾燥前後の外形寸法を測定したところ、乾燥前が目標寸法に対して−0.3mm〜+0.6mmの範囲内であったのに対して、乾燥後が目標寸法に対して−1.2mm〜+2.0mmの範囲内と乾燥により変形が大きくなった。また、乾燥後のハニカム成形体1の外観を目視で観察したところ、表面の一部にバインダが変質し、焦げている箇所が認められた。またセル内部にクラックがあるのが観察された。
【0038】
【発明の効果】
本容器内にハニカム成形体を収納してハニカム成形体を乾燥すると、クラック等の乾燥不良を発生させることなく、形状精度よく乾燥させることができる。特に、サイズの大きなハニカム成形体を乾燥させる際に、その効果が顕著である。本容器を使用した乾燥法としては、特に限定されないが、マイクロ波を利用した乾燥法に特に好適である。
【0039】
また、前記治具内にハニカム成形体を収納して50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下でマイクロ波乾燥させると、クラックなどの欠陥がなく、形状精度のよいハニカム成形体の乾燥体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蓋付き箱型形状を有する本容器の概要(斜視図)。
【図2】図1のA−A断面図。
【符号の説明】
1:ハニカム成形体。
10:本容器。
11:本容器の側面部。
12:本容器の上端面。
13:本容器の下端面。
15:ハニカム成形体と相対する面。
Claims (7)
- ハニカム成形体の乾燥時に、当該ハニカム成形体を収納するためのハニカム成形体用乾燥容器であって、当該ハニカム成形体と相対する面の少なくとも一部が無機多孔質材料で形成されることを特徴とするハニカム成形体用乾燥容器。
- 前記無機多孔質材料の主成分がCaSO4、SiO2またはAl2O3のいずれか1種以上である請求項1記載のハニカム成形体用乾燥容器。
- 前記無機多孔質材料中のFe、NiおよびCoの含有量の合計が5質量%以下である請求項1または2記載のハニカム成形体用乾燥容器。
- 前記無機多孔質材料の気孔率が20〜90%である請求項1、2または3記載のハニカム成形体用乾燥容器。
- 前記ハニカム成形体と相対する面の内、ハニカム成形体の側面と相対する面の無機多孔質材料の気孔率が20〜70%で、ハニカム成形体の端面と相対する面の無機多孔質材料の気孔率が30〜90%である請求項4記載のハニカム成形体用乾燥容器。
- 請求項1〜5のいずれか記載のハニカム成形体用乾燥容器にハニカム成形体を収納し、温度50〜130℃、相対湿度2〜80%の雰囲気下で当該ハニカム成形体をマイクロ波乾燥することを特徴とするハニカム成形体乾燥法。
- 前記ハニカム成形体と前記ハニカム用乾燥容器との間に主として無機繊維からなる布を介在させる請求項6記載のハニカム成形体乾燥法。
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