JP2018165444A - 嵌着部材のフランジ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】管又は開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材において、装着容易で抜けにくいなど装着時と脱離時の抵抗が違うフランジ構造を提供する。【解決手段】管に外嵌されて着脱可能な嵌着部材のフランジ構造において、前記管に嵌合可能な形状からなる嵌着基体10と、この嵌着基体10から鍔状に外側に張り出して着脱方向に傾倒自在なフィンフランジ11と、を備え、このフィンフランジ11の着脱方向XYの一方には、フィンフランジ11が傾倒可能なスペースが形成されているとともに、着脱方向の他方には、張り出し幅がフィンフランジ11より小さく、フィンフランジ11と外周端で当接してフィンフランジ11のそれ以上の傾倒を阻止する突起フランジ12が並設されている。【選択図】図8

Description

本発明は、管端キャップや開孔に嵌着される栓又は多重管(ないし多段式)パイプの抜け止め防止部材など、開孔に嵌め込んで嵌着する嵌着部材のフランジ構造に関するものである。
出願人は、打ち込み時の抵抗力を少なくするために多段式とし、傾斜地盤内を流れる地下水を排水して、水圧を下げることで斜面崩壊を防止する多段式排水パイプを提案した。例えば、特許文献1には、単管パイプ60と、この単管パイプ60の先端に取り付けられた円盤状の押圧体61とからなる貫入治具を用いて、管径の大きな管体から順次地盤に貫入させる多段式排水パイプ、及びその打ち込み方法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1,4、明細書の段落[0035]〜[0044]、図面の図7〜図9等参照)。
このような多段式排水パイプ1は、先端部が縮径されるとともに後端部が拡径されており、多段式の各パイプの拡縮された端部が互いに嵌合される長さまでパイプ長を自在に伸長できる仕組みとなっている。掘削する孔の深さは施工現場によって異なるため、多段式の各パイプが全て伸長するパイプ長で施工しない場合もある。この場合、外管と内管等が嵌合していないため、万が一、地盤内に貫入した管の周辺摩擦を超える力が作用した場合に、内管等が移動して施工時よりもパイプ長が短くなるおそれがあった。
このため、装着時には、摩擦抵抗が少なくスムーズに挿入できるとともに、引抜き時には、摩擦抵抗が高く抜けにくく、前記のような内管等が移動して施工時よりもパイプ長が短くなるおそれを防止することが可能な多段式排水パイプの抜止部材が求められていた。
また、特許文献2には、鋳鉄管1内へ嵌入できる円筒体3と、その中央に周設した中央突条4と、その両側へ対称的に定間隔毎に先端が鋳鉄管の内径dよりも高く突出する可撓性環状フィン5よりなり、適当な可撓性と強度を具え、鋳鉄管寸法のばらつきや屈曲した管路でも管内周面に追随して吸収する防食コア2が開示されている(特許文献2の特許請求の範囲の請求項1、明細書の段落[0021]〜[0028]、図面の図1等参照)。
特許文献2に記載の防食コア2は、適当な可撓性を有し、屈曲に追随可能となっており、抜けにくいものとなっている。しかし、装着時には、摩擦抵抗などの抵抗が少なくスムーズに挿入できる構成にはなっておらず、装着が困難で、所定の位置に嵌め込むのが難しいという問題があった。
特開2015−166519号公報 特開平9−250683号公報
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、管又は開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材において、装着容易で抜けにくいなど装着時と脱離時の抵抗が違うフランジ構造を提供することにある。
第1発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材のフランジ構造であって、前記嵌着部材は、前記開孔に嵌合可能な形状からなる嵌着基体と、前記嵌着基体から鍔状に外側又は内側に張り出して着脱方向に傾倒自在なフィンフランジと、を備え、前記フィンフランジは、着脱方向の一方に傾倒可能なスペースが形成されているとともに、前記着脱方向の他方に、張り出し幅が前記フィンフランジより小さく、前記フィンフランジと外周端で当接して前記フィンフランジの傾倒を阻止する突起フランジが並設されていることを特徴とする。
第2発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明において、前記フィンフランジは、複数設けられ、前記フィンフランジの張り出し幅以上離間していることを特徴とする。
第3発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明又は第2発明において、前記突起フランジは、前記嵌着基体の外側に張り出すとともに、外周端面に前記着脱方向の他方に拡径するテーパー面を備えることを特徴とする。
第4発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明又は第2発明において、前記突起フランジは、前記嵌着基体の内側に張り出すとともに、内周端面に前記着脱方向の他方に縮径するテーパー面を備えることを特徴とする。
第5発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記フィンフランジと前記突起フランジは、交互に設けられ、前記突起フランジは、前記フィンフランジの前記他方側に隣接又は当接して設けられているとともに、前記フィンフランジの前記一方側には、前記フィンフランジが傾倒して前記開孔と接触しない位置まで前記突起フランジが離間して設けられていることを特徴とする。
第6発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第5発明のいずれかの発明において、前記フィンフランジは、外周端に断面円形状又は楕円形状の曲面部を備えることを特徴とする。
第7発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第6発明のいずれかの発明において、前記嵌着基体は、中空となっていることを特徴とする。
第8発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第7発明のいずれかの発明において、前記フィンフランジは、前記着脱方向に沿ったスリットが形成されていることを特徴とする。
第9発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第8発明のいずれかの発明において、前記嵌着基体及び前記突起フランジは、前記着脱方向に沿ったスリットが形成されていることを特徴とする。
第10発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第9発明のいずれかの発明において、前記フィンフランジは、ゴム弾性体又は軟質樹脂から形成されていることを特徴とする。
第11発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第10発明のいずれかの発明において、前記嵌着部材は、前記開孔を有する管に嵌着されることを特徴とする。
第12発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第11発明のいずれかの発明において、前記嵌着部材は、複数のパイプを備える多重管構造の排水パイプの外管内部に挿入されて、前記内管の端部および外管内周面に当接する抜止部材であることを特徴とする。
第13発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第11発明のいずれかの発明において、前記嵌着部材は、前記開孔を有する管の端部に嵌着される管端キャップであることを特徴とする。
第14発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、第1発明ないし第10発明のいずれかの発明において、前記嵌着部材は、前記開孔に外部から嵌着される栓であることを特徴とする。
第1発明〜第14発明によれば、開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材において、装着容易で抜けにくいなど装着時と脱離時の抵抗が違うフランジ構造を提供することができる。
特に、第2発明によれば、複数のフィンフランジ同士は、張り出し幅以上離間しているので、例えば、管や開孔への装着時に、フィンフランジ同士が干渉せず、さらに装着し易い。
特に、第3発明及び第4発明によれば、突起フランジは、前記嵌着基体の外側に張り出すとともに、外周端面に前記着脱方向の他方に拡径するテーパー面を備えるか、又は突起フランジは、前記嵌着基体の内側に張り出すとともに、内周端面に前記着脱方向の他方に縮径するテーパー面を備えるので、テーパー面でフィンフランジの基端部を適切な角度に保持することができ、着脱方向の一方向への嵌着部材の摩擦抵抗がさらに大きい嵌着部材を提供することができる。即ち、例えば、離脱方向への嵌着部材の摩擦抵抗をさらに大きくして抜けにくい嵌着部材を提供することができる。
特に、第5発明によれば、前記フィンフランジの前記一方側には、前記フィンフランジが傾倒して前記管又は前記開孔と接触しなくなる位置まで前記突起フランジが離間して設けられているので、例えば、管や開孔への装着時に、フィンフランジと突起フランジとが干渉せず、装着し易く、且つ、離脱時に所望の摩擦抵抗を有して抜け難いものとすることができる。
特に、第6発明によれば、フィンフランジの外周端は、断面円形状又は楕円形状に曲面加工されているので、装着時にフィンフランジが管や開孔に引っ掛かることがなく、且つ、離脱時には、フィンフランジと管や開孔との接触面積を増やしてさらに抜けにくくすることができる。
特に、第7発明によれば、嵌着基体は、中空となっているので、さらに弾性変形容易で装着が容易になるとともに、中空に流体を挿通することができ、本発明を排水管などの流体の挿通管に適用することができる。
特に、第8発明によれば、スリットの大きさにより、適切な摩擦力に調整することが可能になる。
特に、第9発明によれば、スリットの大きさにより、適切な摩擦力に調整することが可能になるだけでなく、開孔径が多少違っても同一の嵌着部材で対応することができる。このため、嵌着部材の寸法違いによる種類数を低減してコストダウンを達成することができる。
特に、第10発明によれば、安価な汎用素材により所望の可撓性と摩擦抵抗を得やすく、嵌着部材の製造コストを低減することができる。
特に、第12発明によれば、多重管構造の排水パイプに適用することにより、万が一、地盤内に貫入した管の周辺摩擦を超える力が作用した場合であっても、多段式の内管等が移動して施工時のパイプ長よりもパイプ長が短くなるおそれを防ぐことができる。
特に、第13発明によれば、管端キャップに適用することにより、装着し易く外れにくいキャップとすることができ、通行人や作業員等が管端に接触して怪我をすることを未然に防止することができる。
特に、第14発明によれば、開孔に嵌着される栓に適用することにより、流体を貯蔵するタンクの外部から止栓可能で、且つ、装着が容易な栓を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造を適用する多段式排水パイプの用途を模式的に示した断面図である。 同上の多段式排水パイプを中間省略して示す側面図である。 同上の多段式排水パイプの第1管体と第2管体との接合部分である継手形状を、第1管体部分を断面で示し、第2管体部分を側面図で示す部分切断断面図である。 本発明の第1実施形態に係る嵌着部材である抜止部材の使用状態を示す鉛直断面図である。 同上の抜止部材を示す斜視図である。 同上の抜止部材を脱着方向に沿って装着方向前方から見た正面図である。 同上の抜止部材を示す平面図である。 同上の抜止部材を示す図8のA−A線断面図である。 同上の抜止部材のフィンフランジの外周端を示す図9のB部拡大断面図であり、(a)が、第1実施形態に係るフィンフランジの外周端、(b)が、その変形例1である。 同上の抜止部材のフィンフランジと突起フランジの機能を説明する断面図であり、(a)が、第1実施形態に係るフィンフランジの外周端、(b)が、その変形例1である。 同上の抜止部材の変形例2に係る抜止部材を示す斜視図である。 同上の変形例2に係る抜止部材を示す正面図である。 同上の抜止部材の変形例3に係る抜止部材を示す斜視図である。 同上の変形例3に係る抜止部材を示す正面図である。 本発明の第2実施形態に係る嵌着部材である管端キャップの使用状態を示す鉛直断面図である。 同上の管端キャップの鉛直断面図である。 同上の管端キャップの変形例に係る管端キャップを示す鉛直断面図である。 同上の変形例に係る管端キャップの使用状態を示す鉛直断面図である。 本発明の第3実施形態に係る嵌着部材である栓の使用状態を示す鉛直断面図である。
以下、本発明の実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造として、嵌着部材が多段式排水パイプの内管が中管から抜け出して地表面から突出するのを防止する抜止部材である場合を例示して説明する。
<多段式排水パイプ>
先ず、図1〜図4を用いて、多段式排水パイプについて説明する。図1は、実施形態に係る多段式パイプを傾斜した地盤に設置した状態を鉛直断面で模式的に示した断面図である。図1に示すように、本実施形態に係る多段式排水パイプTPは、鉄道、道路、宅地等の盛土や切土などの土工構造物において、セメント被覆等がされていない未被覆の土の斜面に貫入される。そして、この多段式排水パイプTPは、地下水を排水して、降雨時の地下水位の上昇を抑制するとともに、地震時の過剰間隙水圧を消散して、前記斜面の耐降雨性や耐震性を高める機能を有している。
この多段式排水パイプTPは、板厚2.3mmの高耐食性のメッキ鋼管で、長さが2m程度の大中小の管径の異なる3つの管体(P1〜P3)を備えている。
図2は、多段式排水パイプTPを中間省略して示す側面図、図3は、多段式排水パイプTPの第1管体P1と第2管体P2との接合部分である継手形状を、第1管体部分を断面で示し、第2管体部分を側面図で示す部分切断断面図である。
図2、図3に示すように、多段式排水パイプTPは、外管となる第1管体P1と、中管となる第2管体P2と、内管となる第3管体P3など、から構成されている。第2管体P2は、第1管体P1に収容され、第3管体P3は、第2管体P2に収容されている。
そして、これらの第1管体P1、第2管体P2、第3管体P3には、図2、図3に示すように、それぞれ地下水や過剰間隙水を透水する集水孔H1が、多数穿設されており一度に多くの排水が可能となっている。このため、近年の異常降雨にも対応することができる。
さらに、図3に示すように、第1管体P1の先端部P1aは、テーパー部分を経て徐々に縮径されているとともに、第2管体P2の後端部P2bは、テーパー部分を経て徐々に拡径されている。このため、伸長時に第1管体P1の先端部P1aと第2管体P2の後端部P2bとがテーパー部分において互いに嵌合するようになっている。
また、同様に、第2管体P2の先端部P2aは、縮径されているとともに、第3管体P3の後端部P3bは、拡径され、伸長時に第2管体P2の先端部P2aと第3管体P3の後端部P3bとが互いに嵌り合って嵌合する構成となっている(特に拡大図は示さず、図2参照)。このため、多段式排水パイプTPを伸ばして所定長さまで貫入すると、管体同士の端部が係合する仕組みとなっている。本実施形態に係る多段式排水パイプTPは、伸長時において全長6m程度となる。なお、先端とは、多段式排水パイプTPを地盤に貫入させる際の進行方向(貫入方向)の管体の端部を指し、後端とは、その反対側の端部を指している(以下同じ)。
以上説明した本実施形態に係る多段式排水パイプTPによれば、入れ子形式の押出式構造となっているので、貫入治具を用いて外側の径の大きな第1管体P1から順次押し出すことで土の斜面への貫入が可能となっている。このため、貫入時のパイプと土の摩擦抵抗を分割でき、従来であれば、プレボーリングが必要な長尺な排水パイプであっても斜面の地盤を緩めることなく、設置することができる。
また、多段式排水パイプTPによれば、貫入時の摩擦抵抗を分割できるため、大型の重機を必要とせず、狭隘な現場や重機の搬入ができない場所でも排水パイプの設置が可能である。そのうえ、従来の排水パイプより長尺な排水パイプを設置できるため、広範囲の地中水を集水して排水可能である。
それに加え、多段式排水パイプTPによれば、プレボーリングを不要とすることで、排水パイプの施工コストを低減することができる。また、高耐食めっき鋼板を使用し、連続生産したパイプを用いることにより、材料コストを低減することができるだけでなく、メンテナンス費用を低減してライフサイクルコストを削減することができる。
<抜止部材>
次に、図4〜図8を用いて、本発明の第1実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造として、前述の多段式排水パイプTPの抜止部材1に適用する場合について説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る嵌着部材である抜止部材1の使用状態を示す鉛直断面図である。
本発明の第1実施形態に係る嵌着部材である抜止部材1は、ゴム弾性体又は軟質樹脂から金型及び射出成形等で一体形成された部材である。ここで、ゴム弾性体とは、常温でのヤング率が約1〜100MPa程度と、小さな応力で破断することなく大きく伸び、しかも外力を除くとほとんど瞬間的に基に戻るというゴム弾性を示す物体を指している。
また、軟質樹脂とは、常温におけるヤング率が100MPa以下のものをいい、具体的には、オレフィン系重合体、エチレン系重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンプロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレンプロピレンゴムなど、の樹脂が挙げられる。勿論、ゴム弾性体と軟質樹脂にいずれにも当てはまる場合はいずれにカテゴライズしても良いことは云うまでもない。
なお、抜止部材1の素材は、用途に応じて適宜選択可能であり、所定の摩擦力と可撓性を有するものであれば、ゴム弾性体や軟質樹脂に限られるものではない。但し、抜止部材1がゴム弾性体又は軟質樹脂から構成されることにより、安価な汎用素材により所望の可撓性と摩擦抵抗を得やすく、嵌着部材の製造コストを低減することができる。
図4に示すように、抜止部材1は、前述の多段式排水パイプTPが伸びきっておらず、外管である第1管体P1との先端部P1aと、内管となる第2管体P2の後端部P2bとが嵌合していない状態のときに用いられる。
この抜止部材1は、第1管体P1内に挿入されて、第2管体P2の後端部P2bに当接する位置まで押し込まれ、多段式パイプの内管である第2管体P2が移動するのを防止する機能を有している。
図5は、本発明の第1実施形態に係る嵌着部材である抜止部材1を示す斜視図である。また、図6は、この抜止部材1を脱着方向に沿って装着方向前方から見た正面図であり、図7は、その平面図、図8は、図8のA−A線断面図である。
図5〜図8に示すように、抜止部材1は、中空円筒状の嵌着基体10と、この嵌着基体10から外側にリング状(鍔状)に張り出した複数のフィンフランジ11と、同様に、嵌着基体10から外側にリング状(鍔状)に張り出した複数の突起フランジ12など、から構成されている。
(嵌着基体)
嵌着基体10は、挿入される多段式排水パイプTPの形状に応じた厚さ10mm程度の中空円筒状の部位であり、外径が、挿入(装着)する第1管体P1の内径72mm程度より小さい64mm程度に設定されている。勿論、本発明に係る嵌着基体は、円筒状や多角形の筒状、又は、中空ではなく円柱や多角形状であってもよい。要するに、本発明に係る嵌着基体は、装着する管や開孔に応じて適宜設定されるものであり、装着する管や開孔に嵌合可能な形状であればよい。
(フィンフランジ)
フィンフランジ11は、図5〜図8に示すように、円板状(リング状)の部材であり、ゴム弾性体又は軟質樹脂からなるため、着脱方向XY(装着方向X及び離脱方向Y)いずれにも傾倒自在となっている。また、フィンフランジ11は、着脱方向に傾斜した際に外周端が第1管体P1に接するために、嵌着基体10の外径を足し合わせたときに第1管体P1の内径を超える幅となっている。半径方向外側に張り出し幅w1=6mm程度で嵌着基体10の外周面から張り出している(図9も参照)。
(突起フランジ)
突起フランジ12は、リング状の部位である。即ち、突起フランジ12は、嵌着基体10の外周面から張り出し幅w2=2〜3mm程度で張り出している(図9も参照)。
また、突起フランジ12の外周端面は、装着方向(挿入方向)Xに行くに従って拡径するテーパー面12aとなっている。勿論、テーパー面12aの傾斜は、管径等に応じて適宜設定すればよい。
このフィンフランジ11と突起フランジ12は、図9等に示すように、間隔をおいて交互に5枚ずつ設けられている。但し、隣接するフィンフランジ11と突起フランジ12の間隔は異なっており、フィンフランジ11に対して、装着方向(挿入方向)X側の間隔d1より、離脱方向(引抜方向)Y側の間隔d2の方が広く設定されている。
本実施形態に係る抜止部材1では、装着方向X側の間隔d1は、フィンフランジ11の張り出し幅w1=6mmより狭い3mmに設定され、離脱方向Y側の間隔d2は、フィンフランジ11の張り出し幅w1=6mm以上の6mmに設定されている。このため、フィンフランジ11は、離脱方向Y側には、傾倒自在となっているのに対し、反対の装着方向X側には、突起フランジ12が邪魔になり傾倒が阻止される構成となっている。
勿論、これらの間隔の寸法等は適宜設置可能であり、フィンフランジ11が離脱方向Y側に傾倒可能なスペースが形成されているとともに、離脱方向Y側に突起フランジ12の外周端に当接してそれ以上の傾倒が阻止される構成であればよい。
<嵌着部材のフランジ構造>
次に、図8〜図10を用いて、第1実施形態に係る嵌着部材である抜止部材1のフランジ構造についてさらに詳細に説明する。図9は、抜止部材1のフィンフランジ11の外周端を示す図9のB部拡大断面図であり、(a)がフィンフランジ11の外周端、(b)が別の実施形態(変形例)に係るフィンフランジ11’の外周端である。また、図10は、抜止部材1のフィンフランジ11と突起フランジ12の機能を説明する断面図であり、(a)がフィンフランジ11の外周端、(b)が変形例に係るフィンフランジ11’の外周端である。
前述のように、フィンフランジ11の離脱方向Y側には、間隔d2を隔てて突起フランジ12が突設されており、フィンフランジ11は、離脱方向Y側には、傾倒自在となっている(図8、図9参照)。このため、抜止部材1を装着方向Xにスライド挿入する際は、図11(a)の一点鎖線で示すように、フィンフランジ11が傾倒する。このとき、抜止部材1を挿入する際の抵抗は、フィンフランジ11を倒れ込ませて曲げる力と、多段式排水パイプTPの第1管体P1との摺動摩擦程度である。よって、抜止部材1を第1管体P1内にスムーズに挿入して装着することができる。
これに対して、フィンフランジ11の装着方向X側には、間隔d1を隔てて突起フランジ12が突設されている。このため、抜止部材1を離脱方向Yに引き抜く際は、図10(a)の実線で示すように、フィンフランジ11は、装着方向X側に傾倒する。しかし、フィンフランジ11は、離脱方向Y側に傾倒させると突起フランジ12のテーパー面12aに当接してそれ以上の傾倒が阻止される。
このとき、突起フランジ12の最外径が70mmで、第1管体P1の内径が72mmであることを勘案すると、突起フランジ12と第1管体P1の内周面との隙間h1は、1mm程度である。よって、突起フランジ12の張り出し幅自体も縮まるものの、抜止部材1を離脱方向Yに引き抜く際は、フィンフランジ11の厚さが隙間h1以上あれば、抜止部材1を引き抜けないこととなる。このため、抜止部材1を離脱方向Yに引き抜く際は、フィンフランジ11の第1管体P1との摺動摩擦に加え、フィンフランジ11を押し潰す抵抗が加わり、極めて引き抜きにくいものとなる。
勿論、これらの数値は、管径や抜止部材1に用いる素材のヤング係数等に応じて適宜設定可能である。
<変形例1に係る嵌着部材のフランジ構造>
次に、図9(b)、図10(b)を用いて、第1実施形態に係る抜止部材1の別の実施形態である変形例1に係る抜止部材1’のフランジ構造について説明する。変形例1に係る抜止部材1’が、第1実施形態に係る抜止部材1と相違する点は、フィンフランジの外周端の形状だけであるので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明を省略する。
変形例に係る抜止部材1’のフィンフランジ11’の外周端は、曲面加工されたリング状に形成されている。勿論、この断面形状は、円形状や球面形状に限られず、後述のように管(第1管体P1)との接触が線接触となる楕円形状など他の曲面状でも構わない。
変形例1に係る抜止部材1’のフィンフランジ11’も前述のフィンフランジ11と同様に、抜止部材1’を装着方向Xにスライド挿入する際は、図10(b)の一点鎖線で示すように、フィンフランジ11が傾倒する。このとき、抜止部材1を挿入する際の抵抗は、フィンフランジ11を倒れ込ませて曲げる力と、多段式排水パイプTPの第1管体P1との摺動摩擦程度である。
しかも、変形例1に係るフィンフランジ11’の外周端の形状は、断面円形状に面加工されているため、第1管体P1との接触は、図10(b)に示すように、線接触(図上では点接触)となる。このため、第1実施形態に係るフィンフランジ11と比べても第1管体P1との摺動摩擦が低減され、抜止部材1’を第1管体P1内により少ない力でスムーズに挿入して装着することができる。
これに対して、抜止部材1’を離脱方向Yに引き抜く際は、図10(b)の実線で示すように、フィンフランジ11は、装着方向X側に傾倒し、突起フランジ12のテーパー面12aに当接してそれ以上の傾倒が阻止される。
<変形例2、3に係る嵌着部材のフランジ構造>
次に、図11〜図14を用いて、第1実施形態に係る抜止部材1のさらに別の実施形態である変形例2に係る抜止部材1”、及び変形例3に係る抜止部材1#について説明する。変形例2、3に係る抜止部材1”,1#が、第1実施形態に係る抜止部材1と相違する点は、スリットが形成されている点だけであるので、その点について主に説明し、同一構成は同一符号を付し、その他の説明を省略する。図11は、第1実施形態に係る抜止部材1の変形例2に係る抜止部材1”のフィンフランジのみにスリットが形成されている場合を示す斜視図であり、図12は、その抜止部材1”を示す正面図である。図13は、変形例3に係る抜止部材1#の嵌着基体までスリットが形成されている場合を示す斜視図であり、図14は、その抜止部材1#を示す正面図である。
図11、図12に示すように、変形例2に係る抜止部材1”の嵌着基体及び突起フランジは、第1実施形態に係る抜止部材1と同構成の嵌着基体10及び突起フランジ12となっている。そして、フィンフランジ11”には、スリット11aが複数形成されている(図示実施形態では5箇所)。このため、スリット11aの大きさにより、適切な摩擦力に調整することが可能になる。
図13、図14に示すように、変形例3に係る抜止部材1#の嵌着基体10”は、前述の中空円筒状の嵌着基体10に、その円筒の軸方向、即ち、着脱方向XYに沿ってスリット10aが形成されている。また、同様に、この嵌着基体10#から外側に鍔状に張り出した複数のフィンフランジ11#、及び複数の突起フランジ12#にもスリット11a,スリット12bが形成されている。
このため、抜止部材1#は、嵌着基体10#の径の大きさに応じた径の管や開孔より小さい径の管や開孔にもすぼめて装着可能となっている。よって、管径や開孔径が多少違っても同一の抜止部材1#(嵌着部材)で対応することができ、嵌着部材の寸法違いによる種類数を低減してコストダウンを達成することができる。
また、抜止部材1#は、嵌着基体10#の径の大きさに応じた径の管や開孔に装着する場合であっても、スリット10a等の幅で管等と摺接する面積を調整することにより、所望の抵抗に調整することが容易となる。
以上説明した第1実施形態に係る抜止部材1及びその変形例に係る抜止部材1’、抜止部材1”、抜止部材1#によれば、装着容易で抜けにくいという装着時と脱離時の抵抗が違うものとすることができる。また、複数のフィンフランジ11,11’,11”,11#同士は、張り出し幅w1以上離間しているので、装着時に、フィンフランジ11,11’,11” ,11#同士が干渉せず、装着し易い。
その上、万が一、盤内に貫入した多段式排水パイプTPに周辺摩擦を超える力が作用した場合であっても、多段式の内管(第2管体P2等)等が移動して施工時のパイプ長より短くなることを防ぐことができる。
それに加え、変形例1に係る抜止部材1’によれば、抜止部材1より装着(挿入)時の摺動摩擦抵抗を低減してさらに装着し易くできるとともに、離脱(引き抜き)時の抵抗をさらに増加ことができる。
また、変形例2に係る抜止部材1”,変形例3に係る抜止部材1#によれば、スリット10a等の幅で所望の抵抗に調整することが容易となる。その上、変形例3に係る抜止部材1#によれば、管径や開孔径が多少違っても同一の抜止部材1#(嵌着部材)で対応することができ、嵌着部材の寸法違いによる種類数を低減してコストダウンを達成することができる。
[第2実施形態]
次に、図15〜図18を用いて、本発明の第2実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造として、管端に人が接触することを防止するための管端キャップに適用する場合について説明する。本発明の第2実施形態に係る嵌着部材である管端キャップ2が、前述の抜止部材1と相違する点は、嵌着基体の形状だけであるので、その点について主に説明し、その他の説明を省略する。図15は、本発明の第2実施形態に係る嵌着部材である管端キャップ2の使用状態を示す鉛直断面図であり、図16は、管端キャップ2のみを示す鉛直断面図である。
第2実施形態に係る管端キャップ2は、前述の抜止部材1と同様に、ゴム弾性体又は軟質樹脂からインジェクション成形等で一体形成された部材であり、図15に示すように、単管パイプPに装着されて管端Paに人が接触することを防止し、安全を確保する機能を有している。
この管端キャップ2は、キャップ状の嵌着基体20と、この嵌着基体20から外側にリング状(鍔状)に張り出した前述のフィンフランジ11と同様の複数のフィンフランジ21と、嵌着基体20から外側にリング状(鍔状)に張り出した前述の突起フランジ12と同様の複数の突起フランジ22など、から構成されている。
(嵌着基体)
嵌着基体20は、前述の嵌着基体10と略同形の厚さ10mmの中空円筒状の本体部20aと、その本体部20aの一端を閉塞するドーム状のキャップ部20bなどから構成されている。この本体部20aは、外径が挿入(装着)する単管パイプPの内径より若干小さい所定径に設定されている。勿論、本発明に係る嵌着基体は、円筒状や多角形の筒状、又は、中空ではなく円柱や多角形状であってもよい。要するに、本発明に係る嵌着基体は、装着する管や開孔に応じて適宜設定されるものであり、装着する管や開孔に嵌合可能な形状であればよい。
(フィンフランジ)
フィンフランジ21は、図16に示すように、前述のフィンフランジ11と略同形で、円板状(リング状)の部材である。
(突起フランジ)
突起フランジ22は、図16に示すように、リング状の部位である。また、突起フランジ22の外周端面も、装着方向(挿入方向)Xに行くに従って拡径する前述のテーパー面12aと同傾斜のテーパー面22aとなっている。
そして、このフィンフランジ21と突起フランジ22は、図16に示すように、間隔をおいて交互に5枚ずつ設けられており、隣接するフィンフランジ21と突起フランジ22の間隔は異なっており、フィンフランジ21に対して、装着方向(挿入方向)X側の間隔d1より、離脱方向(引抜方向)Y側の間隔d2の方が広く設定されている。
本実施形態に係る管端キャップ2では、装着方向X側の間隔d1は、フィンフランジ21の張り出し幅より狭い値に設定され、離脱方向Y側の間隔d2は、フィンフランジ21の張り出し幅以上に設定されている。このため、フィンフランジ21は、離脱方向Y側には、傾倒自在となっているのに対し、反対の装着方向X側には、突起フランジ22が邪魔になり傾倒が阻止される構成となっている。
次に、図17、図18を用いて、第2実施形態に係る管端キャップ2の変形例に係る管端キャップ2’について説明する。図17は、前述の管端キャップ2のさらに別の実施形態である変形例に係る管端キャップ2’を示す鉛直断面図であり、図18は、その管端キャップ2’の使用状態を示す鉛直断面図である。変形例に係る管端キャップ2’が、前述の管端キャップ2と相違する点は、フィンフランジ及び突起フランジの突出方向だけであるので、その点について主に説明し、その他の説明を省略する。
図17、図18に示すように、管端キャップ2’では、フィンフランジ21と突起フランジ22は、前述の嵌着基体20の本体部20aの内周面から内側へ突出する円板状(リング状)の部材であり、突出幅や間隔は、前述のフィンフランジ21と突起フランジ22同様である。このように、フィンフランジ21と突起フランジ22が、嵌着基体20から内側に張り出すとともに、装着方向(挿入方向)Xに行くに従って縮径するテーパー面22aとなっている。このため、単管パイプPに外嵌される嵌着部材である場合でも、嵌め込み易くて抜けにくいという作用効果を奏することは明らかである。
以上説明した第2実施形態に係る管端キャップ2及び管端キャップ2’によれば、装着容易で抜けにくいという装着時と脱離時の抵抗が違うものとすることができる。また、複数のフィンフランジ21同士は、張り出し幅以上離間しているので、装着時に、フィンフランジ21同士が干渉せず、装着し易い。
その上、第2実施形態に係る管端キャップ2及び管端キャップ2’によれば、装着し易く外れにくいキャップとすることができ、通行人や作業員等が管端Paに接触して怪我をすることを未然に防止することができる。このため、安全性が向上する。
[第3実施形態]
次に、図19を用いて、本発明の第3実施形態に係る嵌着部材のフランジ構造として、流体を貯蔵するタンクの開孔に外部から嵌着される栓に適用する場合について説明する。本発明の第3実施形態に係る嵌着部材である外栓3が、前述の管端キャップ2と相違する点は、嵌着基体の形状と長さだけであるので、その点について主に説明し、その他の説明を省略する。図19は、本発明の第3実施形態に係る嵌着部材である外栓3の使用状態を示す鉛直断面図である。
本発明の第3実施形態に係る嵌着部材である外栓3は、前述の抜止部材1と同様に、ゴム弾性体又は軟質樹脂から金型又は射出成型で一体形成された部材である。図16に示すように、この外栓3は、各現場において移動しながら用いられる仮設タンクT1の開孔THに装着されて、仮設タンクT1の外部から止栓するための栓として用いられる。
この外栓3は、キャップ状の嵌着基体30と、この嵌着基体30から外側にリング状(鍔状)に張り出した前述のフィンフランジ11と同様の複数のフィンフランジ31と、嵌着基体30から外側にリング状(鍔状)に張り出した前述の突起フランジ12と同様の複数の突起フランジ32など、から構成されている。
(嵌着基体)
嵌着基体30は、前述の嵌着基体10と略同径で軸方向の長さが短い中空円筒状の本体部30aと、その本体部30aの一端を閉塞する円板状のキャップ部30bなどから構成されている。この本体部30aは、外径が挿入(装着)する開孔THの内径より若干小さい所定径に設定されている。勿論、本発明に係る嵌着基体は、円筒状や多角形の筒状、又は、中空ではなく円柱や多角形状であってもよい。要するに、本発明に係る嵌着基体は、装着する管や開孔に応じて適宜設定されるものであり、装着する管や開孔に嵌合可能な形状であればよい。
(フィンフランジ)
フィンフランジ31は、図16に示すように、前述のフィンフランジ11と略同形で、所定厚さ、所定径に設定された、薄い孔開き円板状(リング状)の部材である。
(突起フランジ)
突起フランジ32は、図16に示すように、所定径のリング状の部位である。また、突起フランジ32の外周端面も、装着方向(挿入方向)Xに行くに従って拡径する前述のテーパー面12aと同傾斜のテーパー面32aとなっている。
そして、このフィンフランジ31と突起フランジ32は、図16に示すように、一定間隔で交互に2枚ずつ設けられており、隣接するフィンフランジ31と突起フランジ32の間隔は異なっており、フィンフランジ31に対して、装着方向(挿入方向)X側の間隔より、離脱方向(引抜方向)Y側の間隔の方が広く設定されている。
本実施形態に係る外栓3では、装着方向X側の間隔は、フィンフランジ31の張り出し幅より狭い値に設定され、離脱方向Y側の間隔は、フィンフランジ31の張り出し幅以上に設定されている。このため、フィンフランジ31は、離脱方向Y側には、傾倒自在となっているのに対し、反対の装着方向X側には、突起フランジ32が邪魔になり傾倒が阻止される構成となっている。
以上説明した第3実施形態に係る外栓3によれば、装着容易で抜けにくいという装着時と脱離時の抵抗が違うものとすることができる。また、複数のフィンフランジ31同士は、張り出し幅以上離間しているので、装着時に、フィンフランジ31同士が干渉せず、装着し易い。
その上、第3実施形態に係る外栓3によれば、装着し易く外れにくい栓とすることができるだけでなく、流体を貯蔵するタンクの外部から止栓が可能となり、流体を空にしないと作業できない内部作業が必要なくなり、作業効率が格段に向上する。
以上、本発明の実施形態に係る嵌着部材及びそのフランジ構造について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
また、嵌着部材のフランジ構造として嵌め込み易くて抜けにくい構成を例示して説明したが、フランジ構造の配列を逆にして嵌め込み難くて抜け易い構成とすることも可能である。
本発明に係る嵌着部材のフランジ構造は、前述の多段式排水パイプの抜止部材、単管パイプの管端キャップ、及び仮設タンクの外栓に適用できるだけでなく、管又は開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材において、装着容易で抜けにくいなど装着時と脱離時の抵抗が違うことが望まれる構造には広く適用することができる。
TP :多段式排水パイプ(管)
P1 :第1管体
P1a :先端部
P2 :第2管体
P2a :先端部
P2b :後端部
P3 :第3管体
P3a :先端部
P3b :後端部
H1 :集水孔
P :単管パイプ(管)
Pa :管端
T1 :仮設タンク
TH :開孔
X :装着方向(着脱方向)
Y :離脱方向(着脱方向)
1,1’,1”,1# :抜止部材
10,10’,10”,10# :嵌着基体
10a,11a,12b :スリット
11,11’,11”,11# :フィンフランジ
12,12# :突起フランジ
12a :テーパー面
2,2’ :管端キャップ
20 :嵌着基体
20a :本体部
20b :キャップ部
21 :フィンフランジ
22 :突起フランジ
22a :テーパー面
3 :外栓
30 :嵌着基体
30a :本体部
30b :キャップ部
31 :フィンフランジ
32 :突起フランジ
32a :テーパー面

Claims (14)

  1. 開孔に内嵌又は外嵌されて着脱可能な嵌着部材のフランジ構造であって、
    前記嵌着部材は、前記開孔に嵌合可能な形状からなる嵌着基体と、前記嵌着基体から鍔状に外側又は内側に張り出して着脱方向に傾倒自在なフィンフランジと、を備え、
    前記フィンフランジは、着脱方向の一方に傾倒可能なスペースが形成されているとともに、前記着脱方向の他方に、張り出し幅が前記フィンフランジより小さく、前記フィンフランジと外周端で当接して前記フィンフランジの傾倒を阻止する突起フランジが並設されていること
    を特徴とする嵌着部材のフランジ構造。
  2. 前記フィンフランジは、複数設けられ、前記フィンフランジの張り出し幅以上離間していること
    を特徴とする請求項1に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  3. 前記突起フランジは、前記嵌着基体の外側に張り出すとともに、外周端面に前記着脱方向の他方に拡径するテーパー面を備えること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  4. 前記突起フランジは、前記嵌着基体の内側に張り出すとともに、内周端面に前記着脱方向の他方に縮径するテーパー面を備えること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  5. 前記フィンフランジと前記突起フランジは、交互に設けられ、
    前記突起フランジは、前記フィンフランジの前記他方側に隣接又は当接して設けられているとともに、
    前記フィンフランジの前記一方側には、前記フィンフランジが傾倒して前記開孔と接触しない位置まで前記突起フランジが離間して設けられていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  6. 前記フィンフランジは、外周端に断面円形状又は楕円形状の曲面部を備えること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  7. 前記嵌着基体は、中空となっていること
    を特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  8. 前記フィンフランジは、前記着脱方向に沿ったスリットが形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  9. 前記嵌着基体及び前記突起フランジは、前記着脱方向に沿ったスリットが形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  10. 前記フィンフランジは、ゴム弾性体又は軟質樹脂から形成されていること
    を特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  11. 前記嵌着部材は、前記開孔を有する管に嵌着されること
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  12. 前記嵌着部材は、複数のパイプを備える多重管構造の排水パイプの外管内部に挿入されて、前記内管の端部および外管内周面に当接する抜止部材であること
    を特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  13. 前記嵌着部材は、前記開孔を有する管の端部に嵌着される管端キャップであること
    を特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
  14. 前記嵌着部材は、前記開孔に外部から嵌着される栓であること
    を特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の嵌着部材のフランジ構造。
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