JP2008002180A - マンホール - Google Patents
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Abstract
【課題】施工性及び生産性の低下を招来することなく、しかも余分な材料費を要さずに浮き上がりを有効に防止できるマンホールを提供する。
【解決手段】マンホール本体2の外周面2aに、マンホール本体2と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部2Xを設けた。
【選択図】図1
【解決手段】マンホール本体2の外周面2aに、マンホール本体2と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部2Xを設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、管路の中継点や分岐部等に設置される組立式のマンホールに関するものである。
従来より、管路の中継点等に設置されるマンホールとして、施工効率化及び工期短縮化を図るためにプレキャストコンクリート製の組立式のものが広く使用されている。この種のマンホールは、管路の取付作業を確保すべく掘削された地盤の周囲に矢板を打ち込み、その地盤内に、底版ブロック体、管取付壁ブロック体、直壁ブロック体、斜壁ブロック体、蓋体をこの順で組み立てることによって構築されるものであり、管取付壁ブロック体に管路を接続するようにしている。組立完了後は、各ブロック体からなるマンホール本体と矢板との間の空隙を土砂等の埋め戻し材料によって転圧充填される。ところで、掘削される地盤の領域は、マンホール本体の最大径より僅かに大きい領域であるため、マンホール本体と矢板との空隙は狭小であり、このような狭小な空間を埋め戻す際に大型の転圧用機械を使用するこができず、十分な締め固めが行われていない傾向にある。
このようなマンホールが地下水位の高い場所に施工された場合、通常時は埋め戻し材料の土粒子同士が噛み合って安定した状態にあるが、地震等の震動を受けると土粒子同士の噛み合わせが霧散して土粒子は個々に浮遊する。震動初期においては相対的に密度の小さい水が土粒子に押される格好で圧力を受けて上昇し(過剰間隙水圧)、マンホールを押し上げようとする力が作用するが、この段階では当該押し上げようとする力よりもマンホールの重量が上回っているため浮き上がる可能性は極めて低い。しかし、その後、水が土粒子を巻き込んで地盤が液状化すると、この密度の大きな液体による浮力がマンホールの重量を上回ってマンホールが浮き上がり、地表面から突出する等の問題が発生している。
このような問題を解消するために、例えば、埋め戻し時にセメント等の固化材を埋め戻し材料に添加することによって噛み合わせを強化し、液状化現象の発生自体を抑制する態様(以下、「第1態様」と称す)や、下記特許文献1に示すように、マンホール本体の所定部位に通水口を設け、過剰間隙水圧が発生した場合に水位が上昇した水を通水口からマンホール内に取り込むことによってマンホールの重量を増加させ、マンホールの浮き上がりを防止する態様(以下、「第2態様」と称す)が考えられている。なお、特許文献1には、マンホール本体内へのみ通水させる逆止弁を各通水口に取り付ける態様も開示されている。
特開平8−170349号公報
しかしながら、前記第1態様を採用した場合、埋め戻し材料に添加する固化材が必須であるため、材料費が嵩むとともに、施工現場において固化材を埋め戻し材料に添加・攪拌する作業を要するため、施工効率の悪化を招来するという問題が生じる。
一方、前記第2態様を採用した場合、プレキャストコンクリート製のマンホールは遠心成形によって製造するのが通例であり、遠心成形を利用した製造時にマンホール本体に通水口を設けることは不可能又は極めて困難であるため、結局のところ、遠心成形後にマンホール本体に通水口を削孔する作業と、通水口に逆止弁を取り付ける作業とが必要となり、作業工数が増えて施工性を損なうとともに逆止弁の材料費等コストも増加するという問題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、施工性及び生産性の低下を招来することなく、しかも余分な材料費を要さずに浮き上がりを有効に防止できるマンホールを提供することにある。
すなわち、本発明のマンホールは、複数のブロック体を積み上げて接続したマンホール本体と、当該マンホール本体の上方開口部を蓋封する蓋体とを具備したマンホールであって、前記各ブロック体が、接続に寄与する機能上不可欠な鍔部を有しないものであり、前記マンホール本体の外面に、マンホール本体と土砂等の埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部を設けていることを特徴とする。
このようなものであれば、マンホール本体の外面に設けた突部によってマンホール本体と土粒子を含む液体との接触面が増大し、液状化の状態においても土粒子を含んだ液体とマンホール本体との間の摩擦力及び粘着力によってマンホール本体の浮き上がりを抑制することができるとともに、マンホール本体に土粒子を含んだ液体による浮力が作用しても、突部が土粒子を含む液体を剪断しようとするため、この剪断抵抗力によりやはりマンホール本体の浮き上がりを防止することができる。さらに、突部はマンホール本体の外面に設けたものであり、このようにマンホール本体の外面の形状のみを変化させる態様であるため、遠心成形によって製造することが可能であり、従来のような遠心成形後の二次加工が不要である。加えて従来使用していた逆止弁等の付属部品や固化材も不要となり、コストの削減に資する。
また、本発明のマンホールの別態様として、複数のブロック体を積み上げて接続したマンホール本体と、当該マンホール本体の上方開口部を蓋封する蓋体とを具備したマンホールであって、前記各ブロック体のうち少なくとも1体が、接続に寄与する鍔部を有するものであり、前記マンホール本体の外面のうち前記鍔部とは異なる部位に、マンホール本体と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部を設けていることを特徴とするものが挙げられる。
この場合、突部に加えて、ブロック体同士の接続に寄与する鍔部もマンホール本体と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るものとなり、これら突部及び鍔部によって上述した効果はより顕著となる。
特に、前記突部を前記マンホール本体の軸方向に沿って所定ピッチで複数段設けていれば、マンホール本体と埋め戻し材料との接触面を有効に稼ぐことができ、浮き上がりをより確実に防止することができる。
一方、前記突部を前記マンホール本体の下端部又は下端部近傍にのみ設けていれば、埋め戻し時の転圧作業を容易且つ的確に行うことが可能である。
突部の具体的な実施態様としては、前記マンホール本体の外面を水平方向に周回するものや、或いは前記マンホール本体の外面を周回する方向に間欠的に設けたものが挙げられる。
また、前記突部に、前記マンホール本体の軸方向に貫通し且つ過剰間隙水圧を逃がす貫通口を形成していれば、貫通口を形成するという簡単な構造によって震動初期に生じる過剰間隙水圧を逃がし、地盤内における過剰間隙水圧の蓄積を防止し、液状化現象の発生を抑制することができる。
なお、前記突部の厚み方向への突出寸法は特に限定されるものではないが、前記マンホール本体のうち、最も厚み方向に突出した部位(例えば前記鍔部を有するものであれば当該鍔部、鍔部を有しないものであれば複数のブロック体のうち最も外方に突出した部位を有するブロック体)よりも厚み方向へ突出し得る寸法に設定されていることが好ましい。このような突出寸法に設定することによりマンホール本体と埋め戻し材料との接触面増大及び剪断抵抗力増大をより有効に図ることが可能である。
以上説明したように本発明によれば、液状化現象が発生した場合であっても、突部によってマンホール本体と土粒子を含む液体との接触面が増大し、土粒子を含んだ液体とマンホール本体との間の摩擦力及び粘着力の作用でマンホール本体の浮き上がりを抑制することができるとともに、マンホール本体に土粒子を含んだ液体による浮力が作用しても、突部が土粒子を含む液体を剪断しようとするため、この剪断抵抗力によりやはりマンホール本体の浮き上がりを防止することができる。さらに、マンホール本体の外面の形状のみを変化させる態様であるため、遠心成形によって製造することが可能であり、従来のような遠心成形後の二次加工が不要である。加えて従来使用していた逆止弁等の付属部品や固化材も不要となり、コストの削減に資する。
このように、本発明によれば、施工性及び生産性を低下させることなく、しかもコストの削減をも図ったものでありながらマンホールの浮き上がりを有効に防止できる。
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照して説明する。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係るマンホール1は、図1(図1(b)、(c)、(d)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図、z−z線断面図である)に示すように、マンホール本体2と、マンホール本体2の上方開口部を蓋封する蓋体3とを備えたものである。
〈第1実施形態〉
第1実施形態に係るマンホール1は、図1(図1(b)、(c)、(d)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図、z−z線断面図である)に示すように、マンホール本体2と、マンホール本体2の上方開口部を蓋封する蓋体3とを備えたものである。
マンホール本体2は、複数のプレキャストコンクリート製のブロック体、つまり底版ブロック体21と、管取付壁ブロック体22と、直壁ブロック体23と、斜壁ブロック体24とを順次積み重ねて相互に図示しない継手等を介して接続することにより構築されるものである。
底版ブロック体21は、例えば敷モルタル層を介して基礎上に敷設される円板状のものである。管取付壁ブロック体22は、円筒状をなし且つ外周面2aに流入管や流出管等の管路が接続可能な取付口(図示省略)を形成したものである。また、直壁ブロック体23は円筒状をなすものであり、斜壁ブロック体24はテーパ状に傾斜させた切頭円錐面を一部に有する概略円筒状のものである。そしてこの斜壁ブロック体24の上端部に、蓋体3を開閉可能に保持する受け枠25を固定している。なお、斜壁ブロック体24の上端部と受け枠25との間には調整リング26を介在させている。
しかして、本実施形態では、マンホール本体2の外周面2aのうち、管取付壁ブロック体22及び直壁ブロック体23の外周面に、厚み方向(径方向)に突出した突部2Xをマンホール本体2の軸方向に沿って所定ピッチで複数段設けている。
各突部2Xは、マンホール本体2の外周面2aを周回する円筒状のものであり、本実施形態では、これら各突部2Xを管取付壁ブロック体22及び直壁ブロック体23に一体に設けている。具体的には、これら各突部2Xは、遠心成形によって管取付壁ブロック体22及び直壁ブロック体23を製造する際に同時に成形されたものである。また、各突部2Xの厚み方向への突出寸法を、マンホール本体2のうち、最も厚み方向に突出した部位である底版ブロック体21よりも厚み方向へ突出し得る寸法に設定している。
このような構成を有するマンホール1は、従来と略同様に、管路の取付作業を確保すべく掘削された地盤の周囲に矢板を打ち込み、その地盤内に、前記各ブロック体(底版ブロック体21、管取付壁ブロック体22、直壁ブロック体23、斜壁ブロック体24)をこの順で組み立てることによって構築される。そして、組立完了後は、マンホール本体2と矢板との間の空隙を土砂等の埋め戻し材料によって転圧充填する。
このようなマンホール1を地盤中に設置した状態において、例えば地震等の震動によって水が土粒子を巻き込んで地盤が液状化した場合、この密度の大きな液体による浮力がマンホール1自体の重量を上回り、マンホール本体2に対して浮力が作用するが、マンホール本体2の外周面2aに複数の突部2Xを設けていることによって、マンホール本体2と土粒子を含む液体との接触面が増大し、液状化の状態においても土粒子を含んだ液体とマンホール本体2との間の摩擦力及び粘着力によってマンホール本体2の浮き上がりを抑制する。さらに、マンホール本体2が浮き上がろうとした場合、各突部2Xがそれぞれ土粒子を含む液体を剪断しようとするため、この剪断抵抗力によりやはりマンホール本体2の浮き上がりを抑制する。また、この各突部2Xの上部で流動する土粒子を含んだ液体自体が、その重量によりマンホール本体2の浮き上がりを抑制する役割を果たす。
しかも、マンホール本体2の外周面2aの形状のみを変化させる態様であるため、遠心成形によって製造することが可能であり、従来のような遠心成形後の二次加工を施す手間を省くことができる。また、従来使用していた逆止弁等の付属部品や、埋め戻し材料に添加する固化材も不要となり、コストの削減に資する。
このように、本実施形態に係るマンホール1は、良好な施工性及び生産性を確保し、コストの削減を図りながらもマンホール1の浮き上がりを有効に防止できる。
以下、本実施形態とは異なる態様のマンホールA1、B1、C1、D1について説明するが、これら各マンホールA1、B1、C1、D1は、本実施形態に係るマンホール1と比較して「突部」の形状や構造、成形部位のみが異なるものであり、他の基本的な構造については略同様であるため、図2以下では、前記実施形態に係るマンホール1の各部位に対応する部位には、それぞれ符号の頭に「A」、「B」、「C」、「D」を付して示す。
〈第2実施形態〉
第2実施形態に係るマンホールA1は、図2(図2(b)、(c)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図である)に示すように、マンホール本体A2の外周面A2aに突部A2Xを複数設けたものであり、各突部A2aは、マンホール本体A2の外周面A2aにその周方向に沿って間欠的に設けた部分円筒状をなすものである。本実施形態では、このような突部A2Xをマンホール本体A2の外周面A2aに複数段設けている。
第2実施形態に係るマンホールA1は、図2(図2(b)、(c)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図である)に示すように、マンホール本体A2の外周面A2aに突部A2Xを複数設けたものであり、各突部A2aは、マンホール本体A2の外周面A2aにその周方向に沿って間欠的に設けた部分円筒状をなすものである。本実施形態では、このような突部A2Xをマンホール本体A2の外周面A2aに複数段設けている。
このような態様を採用しているため、第1実施形態に係るマンホール1と略同様の効果を得ることができるのみならず、マンホール本体A2と土粒子を含む液体との接触面をさらに大きく稼ぐことができるため、液状化の状態においても土粒子を含んだ液体とマンホール本体A2との間の摩擦力及び粘着力がさらに増大し、その結果、マンホール本体A2の浮き上がりをより確実に抑制することが可能である。
なお、これら第1実施形態及び第2実施形態に係るマンホール1、A1の変形例として、各ブロック体の何れか1体(例えば直壁ブロック体のみ、或いは管取付壁ブロック体のみ)の外周面に突部を設けた態様を採用してもよく、各突部の突出寸法や形状、個数や段数は適宜変更しても構わない。
〈第3実施形態〉
第3実施形態に係るマンホールB1は、図3(図3(b)、(c)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図である)に示すように、底版ブロック体B21の外径を管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23の外径よりも十分に大きく(例えば管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23の外径の1.5〜2倍)設定し、この底版ブロック体B21のうち管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23よりも径方向に張り出している領域を、本発明の「突部B2X」として機能させたものである。すなわち、本実施形態に係るマンホールB1は、マンホール本体B2の下端部にのみ突部B2Xを設けたものである。また、底版ブロック体B21のうち管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23よりも径方向に張り出して領域によって形成されたこの突部B2Xは、マンホール本体B2の外周面B2aを周回する筒状のものであるといえる。
第3実施形態に係るマンホールB1は、図3(図3(b)、(c)はそれぞれ同図(a)のx−x線断面図、y−y線断面図である)に示すように、底版ブロック体B21の外径を管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23の外径よりも十分に大きく(例えば管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23の外径の1.5〜2倍)設定し、この底版ブロック体B21のうち管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23よりも径方向に張り出している領域を、本発明の「突部B2X」として機能させたものである。すなわち、本実施形態に係るマンホールB1は、マンホール本体B2の下端部にのみ突部B2Xを設けたものである。また、底版ブロック体B21のうち管取付壁ブロック体B22及び直壁ブロック体B23よりも径方向に張り出して領域によって形成されたこの突部B2Xは、マンホール本体B2の外周面B2aを周回する筒状のものであるといえる。
さらに、本実施形態では、前記突部B2Xに、マンホール本体B2の軸方向(換言すれば、底版ブロック体B21の肉厚方向)に貫通する貫通口B2Xaを形成している。図3には、貫通口B2Xaの一例として、周方向に沿って間欠的に形成した円形のものを例示している。
このような構成を有するマンホールB1を地盤中に設置した状態において、例えば地震等の震動が発生した場合、先ず過剰間隙水圧が生じ得るが、この過剰間隙水圧を貫通口B2Xaによって逃がすことが可能であるため、地盤内における過剰間隙水圧の蓄積を防止して、液状化現象の発生を抑制するとともに、マンホール本体B1を押し上げる力を低減させることができる。また、その後、水が土粒子を巻き込んで地盤が液状化した場合であっても、マンホール本体B2の下端部にのみ設けた突部B2Xの存在により、この突部B2Xの上部で流動する土粒子を含んだ液体の重量によりマンホール本体B2の浮き上がりを抑制するとともに、突部B2Xによって大きな剪断抵抗力が得られるため、やはりマンホール本体B2の浮き上がりを抑制する。また、突部B2Xを設けることによって、マンホール本体B2と土粒子を含む液体との接触面が増大し、液状化の状態においても土粒子を含んだ液体とマンホール本体B2との間の摩擦力及び粘着力によってマンホール本体B2の浮き上がり防止を期待できる。
しかも、底版ブロック体B21の外形状を大きくすることによって突部B2Xを構成することができるため、このような突部B2Xを備えた底版ブロック体B21を所定の型枠を利用して製造することができ、製造後の二次加工も不要となり、生産性及び施工性に優れている。加えて、前記貫通口B2Xaも、製造時に穴あけ用の補助型枠をセットするだけで簡単に形成でき、好適である。
さらに、マンホール本体B2の下端部にのみ突部B2Xを設けた態様であるため、埋め戻し時の転圧作業をスムーズ且つ的確に行うことができ、施工効率の向上に資する。
なお、貫通口の形状や個数は適宜変更しても構わない。
また、本実施形態では、突部2Xに貫通口B2Xaを形成した態様を例示したが、図4(図4(b)は同図(a)のx−x線断面図である)に示すように、貫通口B2Xaを有しない突部C2Xを採用しても構わない。この場合、前記突部B2Xと比較して、突部C2Xの平面積を大きく稼ぐことができ、その結果、この突部C2Xの上部で流動する土粒子を含んだ液体の重量を増加させることとなり、マンホール本体C2の浮き上がりを抑制することができる。
さらには、マンホール本体の下端部にのみ突部を設ける態様に替えて、図5(図5(b)は同図(a)のx−x線断面図である)に示すように、突部D2Xを管取付壁ブロック体D22の下端部にのみ設けることにより、突部D2Xをマンホール本体D2の下端部近傍にのみ設けた態様を採用してもよい。このような態様を採用したマンホールD1であっても前記第3実施形態に係るマンホールB2と略同様の効果を得ることができる。なお、この突部D2Xに、マンホールB1と同様に過剰間隙水圧を逃がすための貫通口を形成しても構わない。
また、突部として、マンホール本体の外面を周回する方向に間欠的に設けた部分筒状のものを適用してもよい。
〈第4実施形態〉
第4実施形態に係るマンホールE1は、図6(同図において第1実施形態に係るマンホール1の各部位に対応する部位には「E」を付している)に示すように、プレキャストコンクリート製ブロック体E21、E22、E23、E24のうち、管取付壁ブロック体E22の上端部と、直壁ブロック体E23の上端部及び下端部と、斜壁ブロック体E24の下端部に、それぞれ対応する鍔部E2jを設け、組み立て時にこれら鍔部E2j同士の間にモルタル等を介在させて相互に接続可能に構成している点で上記各実施形態に示すマンホール1、A1、B1、C1、D1とは異なる。
〈第4実施形態〉
第4実施形態に係るマンホールE1は、図6(同図において第1実施形態に係るマンホール1の各部位に対応する部位には「E」を付している)に示すように、プレキャストコンクリート製ブロック体E21、E22、E23、E24のうち、管取付壁ブロック体E22の上端部と、直壁ブロック体E23の上端部及び下端部と、斜壁ブロック体E24の下端部に、それぞれ対応する鍔部E2jを設け、組み立て時にこれら鍔部E2j同士の間にモルタル等を介在させて相互に接続可能に構成している点で上記各実施形態に示すマンホール1、A1、B1、C1、D1とは異なる。
しかして、マンホール本体E2の外周面E2aのうち鍔部E2jとは異なる部位(図では底版ブロック体E21)に突部E2Xを設けている。そして突部E2Xの厚み方向への突出寸法を、鍔部E2jよりも厚み方向へ突出し得る寸法に設定している。
このような構成を有するマンホールE1は、接続に寄与する機能上欠かすことのできない各鍔部E2jが、結果としてマンホール本体E2と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るため、このような各鍔部E2jが突部E2Xと相俟って上述した効果、すなわち、施工性及び生産性を確保しつつ浮き上がりを防止できるという効果はより顕著となる。
なお、図6では、突部E2Xとして図3及び図4に示す突部B2X、C2Xに対応したものを例示したが、これに限らず、図1、図2或いは図5に示す突部2X、A2X、D2Xに対応したものを適用しても勿論構わない。また、鍔部の突出寸法や形状、成形部位等も適宜変更しても構わない。
また、上述した各実施形態では、マンホール本体として、概略円筒状のものを採用しているが、これに限らず、概略多角筒状のものや楕円筒状のもの等種々の形状のものを採用してもよい。
また、前記第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態に示す突部2X、A2X、E2Xに、過剰間隙水圧を逃がすための貫通口を形成しても構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
1、A1、B1、C1、D1、E1…マンホール
2、A2、B2、C2、D2、E2…マンホール本体
21、A21、B21、C21、D21、E21…底版ブロック体
22、A22、B22、C22、D22、E22…管取付壁ブロック体
23、A23、B23、C23、D23、E23…直壁ブロック体
24、A24、B24、C24、D24、E24…斜壁ブロック体
25、A25、B25、C25、D25、E25…受け枠
26、A26、B26、C26、D26、E26…調整リング
2a、A2a、B2a、C2a、D2a、E2a…外周面
2X、A2X、B2X、C2X、D2X、E2X…突部
3、A3、B3、C3、D3、E3…蓋体
B2Xa…貫通口
E2j…鍔部
2、A2、B2、C2、D2、E2…マンホール本体
21、A21、B21、C21、D21、E21…底版ブロック体
22、A22、B22、C22、D22、E22…管取付壁ブロック体
23、A23、B23、C23、D23、E23…直壁ブロック体
24、A24、B24、C24、D24、E24…斜壁ブロック体
25、A25、B25、C25、D25、E25…受け枠
26、A26、B26、C26、D26、E26…調整リング
2a、A2a、B2a、C2a、D2a、E2a…外周面
2X、A2X、B2X、C2X、D2X、E2X…突部
3、A3、B3、C3、D3、E3…蓋体
B2Xa…貫通口
E2j…鍔部
Claims (7)
- 複数のブロック体を積み上げて接続したマンホール本体と、当該マンホール本体の上方開口部を蓋封する蓋体とを具備したマンホールであって、
前記各ブロック体が接続に寄与する鍔部を有しないものであり、
前記マンホール本体の外面に、マンホール本体と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部を設けていることを特徴とするマンホール。 - 複数のブロック体を積み上げて接続したマンホール本体と、当該マンホール本体の上方開口部を蓋封する蓋体とを具備したマンホールであって、
前記各ブロック体のうち少なくとも1体が、接続に寄与する鍔部を有するものであり、
前記マンホール本体の外面のうち前記鍔部とは異なる部位に、マンホール本体と埋め戻し材料との接触面を増大させ且つ剪断抵抗力を発揮し得るように厚み方向に突出する突部を設けていることを特徴とするマンホール。 - 前記突部を前記マンホール本体の軸方向に沿って所定ピッチで複数段設けている請求項1又は2記載のマンホール。
- 前記突部を前記マンホール本体の下端部又は下端部近傍にのみ設けている請求項1又は2記載のマンホール。
- 前記突部が、前記マンホール本体の外面を周回するものである請求項1、2、3又は4記載のマンホール。
- 前記突部が、前記マンホール本体の外面の周回方向に間欠的に設けたものである請求項1、2、3又は4記載のマンホール。
- 前記突部に、前記マンホール本体の軸方向に貫通し且つ過剰間隙水圧を逃がす貫通口を形成している請求項1、2、3、4、5又は6記載のマンホール。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008144419A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Free Kogyo Kk | マンホールの構造 |
JP2009228393A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Nichikon:Kk | マンホール浮上抑制装置 |
KR101138017B1 (ko) | 2010-01-27 | 2012-04-20 | 강원대학교산학협력단 | 연약지반용 폴리머콘크리트 맨홀 |
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2006
- 2006-06-23 JP JP2006173491A patent/JP2008002180A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008144419A (ja) * | 2006-12-07 | 2008-06-26 | Free Kogyo Kk | マンホールの構造 |
JP2009228393A (ja) * | 2008-03-25 | 2009-10-08 | Nichikon:Kk | マンホール浮上抑制装置 |
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