JP2018165418A - ペーパータオルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低坪量で破れにくい、安価なペーパータオルの製造方法を提供する。【解決手段】1プライ当たりの坪量が30〜36g/m2である古紙パルプ配合のペーパータオルの製造方法であって、繊維原料として古紙パルプを90〜100質量%含む紙料に対して、マシンタンク及びミキシングタンクの少なくとも一方で、両性の乾燥紙力剤を添加する第一乾燥紙力剤添加工程と、第一乾燥紙力剤添加工程を経た紙料に対して、ミキシングタンクの後段の種箱で、カチオン性の湿潤紙力剤を添加する湿潤紙力剤添加工程と、湿潤紙力剤添加工程を経た紙料に対して、両性の乾燥紙力剤及びカチオン性の乾燥紙力剤の少なくとも一方を添加する第二乾燥紙力剤添加工程と、を有するペーパータオルの製造方法により解決される。【選択図】図1

Description

本発明は、ペーパータオルの製造方法に関する。
衛生意識の高まりによりペーパータオルの需要が増加している。
それに伴ってコスト意識やニーズの多様化も進み、古紙パルプを原料として含む安価な古紙ペーパータオルが求められるようになってきている。
ペーパータオルは、低坪量化することにより原料コストが下がるため価格を低くすることができるが、その一方で、低坪量化は紙が薄く、また、強度が低下するため破れやすくなり、使用者の満足度が低くなることがある。
ペーパータオルを破れにくくする一つの方法として、製造時におけるクレープ率を下げることがある。クレープ率を下げることで、強度を向上させることができるが、クレープ率を下げると紙厚が薄くなるため、使用時、特に手を拭いた際における使用者の満足度が低くなることがある。
ペーパータオルを破れにくくする他の方法として、乾燥紙力剤や湿潤紙力剤といった紙力剤等の薬品添加量を増やす方法がある。ペーパータオルでは、繊維原料に紙力剤を効果的に定着させるべく、種箱において湿潤紙力剤を供給し、次いでファンポンプ等で紙料を抄紙設備に移送する際など、種箱の後段で乾燥紙力剤を供給する。
しかし、安価な低坪量のペーパータオルの場合には薬品や原料の歩留りが悪く、添加量を増やしてもその効果が十分に発揮されにくい。また、紙力剤の使用量を増やすことはコスト高となり、製品価格を低価格にするのが難しくなる。また、安価な古紙配合のペーパータオルでは、古紙原料由来のアニオントラッシュが多く、紙力剤の定着が阻害されやすい。また、製紙において薬剤の歩留りを上げる方法としては、硫酸バンドや高分子凝集剤などの歩留り向上剤等の使用があるが、肌に触れる用途が主である衛生薄葉紙では安全性やコスト等の問題から使用されない。
特開2013−108197
そこで、本発明の主たる課題が、低坪量で破れにくい、安価なペーパータオルの製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための手段は次記のとおりである。
その第一の手段は、
1プライ当たりの坪量が30〜36g/m2である古紙パルプ配合のペーパータオルの製造方法であって、
繊維原料として古紙パルプを90〜100質量%含む紙料に対して、マシンタンク及びミキシングタンクの少なくとも一方で、両性の乾燥紙力剤を添加する第一乾燥紙力剤添加工程と、
第一乾燥紙力剤添加工程を経た紙料に対して、ミキシングタンクの後段の種箱で、カチオン性の湿潤紙力剤を添加する湿潤紙力剤添加工程と、
湿潤紙力剤添加工程を経た紙料に対して、両性の乾燥紙力剤及びカチオン性の乾燥紙力剤の少なくとも一方を添加する第二乾燥紙力剤添加工程と、
を有することを特徴とするペーパータオルの製造方法である。
第二の手段は、ウェットクレープ付与工程とドライクレープ付与工程のどちらか一方を有する上記第一の手段に係るペーパータオルの製造方法である。
第一手段によると、低坪量であっても、乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤の歩留まりが高くなり、低坪量で破れにくい、品質のペーパータオルとなる。
また、特に、乾燥紙力剤は、同じ原単位でもより、高い紙力を得ることができるようになる。
さらに、乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤の歩留まりが高くなるため、紙料を調整する工程を行う設備の汚れも少なくなる。
このような紙力向上のメカニズムは、必ずしも定かではないが、古紙パルプを原料として含む紙料に対してマシンタンクやミキシングタンクで両性の乾燥紙力剤を添加するとまずフロックが形成され、そのフロックが後段の種箱内で効果的に湿潤紙力剤を取り込むことで、湿潤紙力剤の歩留りが高まり、紙力が上昇するものと推測される。また、両性の乾燥紙力剤を、マシンタンク及びミキシングタンクにすべて供給した場合には、両性の乾燥紙力剤が古紙パルプに対して過度に定着しすぎてしまい、湿潤紙力剤の定着性が低下するため十分に紙力が向上しないのではないかと推測される。
本発明によれば、低坪量で破れにくい、安価なペーパータオルの製造方法が提供される。
本発明の実施形態に係るペーパータオルの製造方法例に係る抄紙原料調整工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係るペーパータオルの製造方法例に係る抄紙工程を説明するための図である。
本発明の実施形態に係るペーパータオルの製造方法例を、図面を参照しながら説明する。但し、本発明によるペーパータオルの製造方法は、この方法に必ずしも限定されるわけではない。
本発明に係る製造方法は、古紙パルプ配合の1プライのペーパータオルの製造方法である。1プライのペーパータオルは、積層工程を要さず安価に製造できる。古紙パルプ配合の1プライのペーパータオルには、20〜50g/m2の坪量のものがあるが、一般的な製品では1プライ当たり30〜45g/m2の範囲にある。本発明に係る製造方法により製造されるペーパータオルは、一般的な古紙パルプ配合のペーパータオルの坪量の範囲のなかで、特に坪量が30〜36g/m2の範囲にある低坪量で安価な製品である。特には、本発明に係る製造方法は、30g/m2以上34g/m2未満の範囲において有効である。なお、このようなペーパータオルの紙厚は、通常140〜280μmの範囲あり、その多くは150〜200μmの範囲にある。
つまり、本発明に係るペーパータオルの製造方法は、坪量30g/m2以上36g/m2以下、好ましくは、30g/m2以上34g/m2未満の古紙パルプ配合の1プライのペーパータオルを製造するのに特に適し、低価格でありながら破れにくいペーパータオルとすることができる。
ここで、本発明に係るペーパータオルの製造方法は、上記のとおり古紙パルプ配合のペーパータオルであり、その繊維原料としては、古紙パルプが用いられる。本発明の製造方法においては、繊維原料中における古紙パルプの割合が90質量%以上、特には原料パルプが古紙パルプ100質量%である場合、すなわち、かかる古紙パルプが高配合のペーパータオルにおいて、紙力剤の効果が発現し特に効果的である。なお、古紙パルプ以外の繊維原料としては、針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフトパルプ等のペーパータオルに用いられる公知の原料パルプを用いることができる。
本発明に係るペーパータオルの製造方法は、抄紙原料調整工程P1で繊維原料をスラリー化するとともに調整して抄紙原料S4とし、その抄紙原料S4を抄紙工程に送り、抄紙工程にて抄紙設備2で抄紙して、ペーパータオル原紙D1を製造する。その後、ペーパータオル原紙D1を加工して、個々のペーパータオルとする。例えば、ロール状に加工してロール状のペーパータオルとしたり、インターフォルダーで折り畳み加工して、ポップアップ式のペーパータオル束を有する製品とする。ペーパータオル原紙から製品としてのペーパータオルに加工する工程は公知の技術による。
抄紙原料調整工程P1は、図1に示すように、古紙パルプ等の繊維原料を、原料タンク11、ミキシングタンク12、マシンタンク13、種箱14、スクリーン16の各設備にて添加剤を供給したり攪拌処理するなどして調整し、抄紙設備2で抄紙するための抄紙原料を調整する工程である。本実施形態は、この抄紙原料調整工程において、紙力剤の添加を特有に行う。
原料タンク11は、パルプ工程にて生産した繊維原料をストックするためのタンクであり、単にチェストと称されることもある。原料タンクから紙料S1をミキシングタンク12又はマシンタンク13へ供給する。
ミキシングタンク12は、ミキシングボックスとも称され、撹拌により薬剤と繊維原料とを混合する装置の一つである。抄紙設備2に付設される一般的な抄紙原料調整設備1は、ミキシングタンク12を有するが、特に、古紙配合ペーパータオルを生産するための抄紙設備では、このミキシングタンク12を有さないものもある。ミキシングタンク12を有さない場合には、原料タンク11からマシンタンク13へ繊維原料を供給する。
マシンタンク13は、原料の撹拌を行い、タンク内の濃度を一定に保持するようにし、また、紙料をストックする装置であり、タンク内の撹拌により薬品と繊維原料とを混合することが可能である。マシンタンクは、完成タンク、マシンチェストなどとも称される。
種箱は、紙料中の繊維や薬剤の濃度を調整しながら貯槽し、また、紙料の対流を利用して薬剤を混合する装置である。また、所定の圧力で後段へ紙料を流下させる。
種箱を経て調整された紙料は、ファンポンプ等の流体移送装置によって、抄紙原料として抄紙設備へと移送される。なお、図示例では、スクリーンを経て抄紙原料として抄紙設備に移送される。
本実施形態の抄紙原料調整工程では、特徴的に、まず、繊維原料として古紙パルプを90〜100質量%含む紙料S1に対して、ミキシングタンク12及びマシンタンク13の少なくとも一方で、両性の乾燥紙力剤を添加する第一乾燥紙力剤添加工程を行う。抄紙原料調整設備1にミキシングタンク12がない場合には、マシンタンク13で乾燥紙力剤を添加する。乾燥紙力剤の添加は、ミキシングタンク12、マシンタンク13に分けて行ってもよいし、いずれか一方で行ってもよい。但し、より後段のマシンタンク13において一括に添加するのがよい。一つのタンクに添加する方が二つのタンクへの添加に比して作業管理が容易である。
本実施形態の抄紙原料調整工程では、特徴的に、次に、第一乾燥紙力剤添加工程を経た紙料S2に対して、マシンタンク13の後段の種箱14で、カチオン性の湿潤紙力剤を添加する湿潤紙力剤添加工程を行う。
本実施形態の抄紙原料調整工程では、特徴的に、さらに、湿潤紙力剤添加工程を経た紙料S3に対して、両性の乾燥紙力剤及びカチオン性の乾燥紙力剤の少なくとも一方を添加する第二乾燥紙力剤添加工程を行う。この第二乾燥紙力剤添加工程は、種箱14で調整された紙料S3を移送するためのファンポンプ等の流体移送装置15の位置で添加するのがよい。特に、ファンポンプの場合には、紙料の攪拌もなされるため、流体移送装置をファンポンプとして、ファンポンプで添加するのがよい。
本実施形態の抄紙原料調整工程にしたがい上記の各位置で第一乾燥紙力剤添加工程、湿潤紙力剤添加工程、第二乾燥紙力剤添加工程をこの順に行い、乾燥紙力剤を分割して、湿潤紙力剤の添加の前後で添加するようにすると、乾燥紙力剤、湿潤紙力剤の歩留まりがともに高くなり、紙力剤の添加量を増加させることなく、破れにくさが向上する。また、紙力剤の定着率が向上することで抄紙原料調整工程の設備の汚れも軽減する。
これは、ミキシングタンク12やマシンタンク13に乾燥紙力剤を添加することでフロックが形成され、そのフロックが湿潤紙力剤をキャッチすることで、湿潤紙力剤の歩留りが高まったと考えられる。また、結果、本実施形態のようにすることで、紙力が向上すると考える。古紙パルプの場合、特に、乾燥紙力剤をマシンタンク12及びミキシングタンク13で全量添加すると乾燥紙力剤が古紙パルプに対して過度に定着し、湿潤紙力剤が定着しづらくなり、紙力があまり向上しないと考えられる。 乾燥紙力剤の種類としては、ミキシングタンク12及びマシンタンク13の少なくとも一方で行う第一乾燥紙力剤添加工程で使用するものとしては、両性ポリアクリルアミド化合物が挙げられる。種箱から紙料を移送する過程のファンポンプ等で行う第二乾燥紙力剤添加工程で使用するものとしては、両性ポリアクリルアミド化合物、カチオン性ポリアクリルアミド化合物、カチオン澱粉等が挙げられる。
種箱14で行う湿潤紙力剤添加工程で使用する湿潤紙力剤としては、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(PAE)、ポリビニルアミン(PVAm)が挙げられる。
乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤の組み合わせとしては、第一乾燥紙力剤添加工程における乾燥紙力剤を両性ポリアクリルアミド化合物、第二乾燥紙力剤添加工程における乾燥紙力剤を両性ポリアクリルアミド化合物、湿潤紙力剤添加工程における湿潤紙力剤をポリアミドエピクロロヒドリン樹脂とするのが望ましい。
乾燥紙力剤及び湿潤紙力剤の添加量は、乾燥紙力剤にあっては原料パルプ1トンあたり5〜30kg、湿潤紙力剤にあっては原料パルプ1トンあたり10〜40kgである。乾燥紙力剤は、前記の添加量を、第一乾燥紙力剤添加工程と第二乾燥紙力剤添加工程とに分けて添加する。第一乾燥紙力剤添加工程と第二乾燥紙力剤添加工程とにおける添加量の配分(第一乾燥紙力剤添加工程:第二乾燥紙力剤添加工程)としては、30:70〜70:30である。好ましくは、40:60〜60:40である。なお、添加量は、所望の坪量、紙厚、強度や古紙パルプの配合割合に応じて調整する。
このようにして抄紙原料調整工程で調整された抄紙原料S4は、抄紙設備に供給され抄紙工程を経てペーパータオル原紙に抄紙される。なお、抄紙原料S4のスラリー濃度は、0.10〜0.20質量%とするのが特に望ましい。また、抄紙原料のフリーネス(CSF)は、400±150ccとするのが望ましい。
次いで、本実施形態に係る抄紙工程について説明する。図2に示すように本実施形態に係る抄紙設備2は、ワイヤーパートP2、プレスパートP3、ドライヤーパートP4を有するものであり、丸網方式、長網方式のいずれでもよい。但し、プレスパートの距離が短い丸網方式のほうが望ましい。抄紙設備2のフォーマーの形式については特に限定されない。なお、ワイヤーパートP2、プレスパートP3、ドライヤーパートP4の厳密な境界は、抄紙設備2により異なる。本実施形態では、湿紙W1を形成し安定させる工程をワイヤーパートP2、湿紙W1を脱水してドライヤーパートへ移行させるに十分な水分率まで低下させる工程をプレスパートP3、ドライヤーにて湿紙W3を乾燥して乾紙にする工程をドライヤーパートP4と称している。
ワイヤーパートP2のフォーマー部21においては、ヘッドボックスとも称されるストックインレット24から抄紙原料調整工程で調整した抄紙原料をフェルト23又はワイヤー上に形成する。この際、所望の坪量となるように原料濃度と吐出量を調整する。なお、この抄紙設備2は、ワイヤーとフェルトのいずれかのみで湿紙を搬送する設備に限定されない。ワイヤーで湿紙を搬送する工程とフェルトで湿紙を搬送する工程とが混在する設備であってもよい。
このようにしてワイヤーパートP2のフォーマー部21において形成した湿紙W1は、フェルト23又はワイヤーによってワイヤーパート後段へ移送され、さらにプレスパートP3へと移送される。ワイヤーパートP2後段、さらにプレスパートP3においては、既知のペーパータオルの製造方法と同様に行うことができる。プレスパートP3では、フェルト23又はワイヤーの湿紙接触面と反対面に位置するサクションロールやサクションボックス(図示しない)の吸引作用やプレスロール54によって湿紙W2の水分を搾水することができる。サクションロール、サクションボックス及びプレスロール54は複数設けることができる。また、サクションロール、サクションボックスにおける吸引力やプレスロール54によるプレス圧は、製造すべきペーパータオルの紙厚等の物性を考慮して既知の方法により調整する。
本実施形態においては、プレスパートP3において脱水された水分率が低下した湿紙W2にウェットクレープを付与するウェットクレープ付与工程3を有する。このウェットクレープ付与時の湿紙W2の水分率は、40〜60%であるのが望ましい。つまり、プレスパートP3において湿紙W2の水分率を40〜60%にまで低下させて、ドライヤー60に移送する。そして、ここでのクレープ率は5〜25%とするのが望ましい。ウェットクレープを付与し、そのクレープ率を5〜15%とすることで、吸水速度及び柔らかさの向上と十分な強度がより達成しやすくなる。特に、湿潤状態での強度と嵩高さの発現による吸水速度の向上に良好な影響を与えることがある。なお、クレープ率は、クレーピングドクター等の掻き取り装置の前後の湿紙の搬送速度の差から算出される。例えば、図示例のようにプレスロール54上の湿紙をクレーピングドクター55により掻き取り、後段のバルキーワイヤー26へと移送するようにする場合、クレープ率は次式により算出される。クレープ率:{(ヤンキードライヤー(図2の符号60)の周速)−(ロール(図2の符号54)の周速)}/(ヤンキードライヤーの周速)×100。
ウェットクレープ付与工程3においてウェットクレープを付与した湿紙W3は、ドライヤーパートにて乾燥する。ドライヤーパートP4では、タッチロール56等を介してバルキーワイヤー26上の湿紙W3をヤンキードライヤー60に移送して乾燥するのが望ましい。ウェットクレープを付与した後、湿紙をバルキーワイヤー26に移送し、ドライヤーパートP4に移行させることで、バルキーワイヤー26のメッシュ痕がウェットクレープが付与された湿紙の表面に形成され、品質の高いペーパータオルとなる。
ドライヤーパートP4における乾燥工程は、既知のペーパータオルの乾燥工程と同様に行うことができる。ドライヤーパートP4のドライヤー60にて乾燥され湿紙W3から乾紙D1とされた後には、適宜の巻き取り工程に移送してペーパータオルの原紙を巻き取った原反ロール70とされる。なお、ドライヤー60から乾紙を剥がす際にドライクレープを付与するドライクレープ付与工程4を行うのが望ましい。ウェットクレープを付与するウェットクレープ付与工程3とドライクレープを付与するドライクレープ付与工程4とを行うとより嵩高となる。
かくして形成されたペーパータオルの原紙である乾紙D1が巻き取られた原反ロール70は、図示しない後段の公知のペーパータオルの製品化工程、例えば、エンボス加工工程、インターフォルダーによる折り工程を経てペーパータオルの製品とされる。
なお、ペーパータオルにおける必要な強度は、概ね、縦方向の乾燥引張強度が1500cN/25mm以上、好ましくは1500cN/25mm以上2500cN/以下、横方向の乾燥引張強度が900cN/25mm以上、好ましくは900cN/25mm以上1700cN/25mm以下、縦方向の湿潤引張強度が500cN/25mm以上、好ましくは500cN/25mm以上1000cN/25mm以下、横方向の湿潤引張強度が250cN/25mm以上、好ましくは250cN/25mm以上600cN/25mm以下であり、本実施形態のペーパータオルの製造方法では、十分にこの範囲とすることができる。
本発明に係るペーパータオルの製造方法に関して試験を行った。まず、試験1として、本発明に係る製造方法を模して抄紙原料を調整したペーパータオル(試験例1)とそれ以外の製造方法を模して抄紙原料を調整したペーパータオル(試験例2〜試験例6)との紙質データを測定した。試験1は、マシンタンク及びミキシングタンク、種箱、種箱後段のファンポンプを模した容器を用い、各設備における滞留時間に相当する時間で紙料と紙力剤とを混合して抄紙原料を調整した。
結果は、各例の抄紙原料の調整手順とともに下記表1に示す。なお、ペーパータオルは、試験用に抄紙したものである。また、各例ともに原料パルプはすべて同じ古紙パルプ100%のものを用いた。紙質データの測定方法は下記のとおりである。なお、使用した乾燥紙力剤は、星光PMC社製T‐DS530であり、湿潤紙力剤は、星光PMC社製WS−4024である。
〔坪量〕
JIS P 8124(1998)に従って測定した。
〔乾燥引張強度〕
JIS P 8113(1998)の引張試験に従って測定した。
〔湿潤引張強度〕
JIS P 8135(1998)の引張試験に従って測定した。
Figure 2018165418
表1に示すとおり、本発明の製造方法を模した試験例1は、従来例を模した試験例2と同様の乾燥紙力剤の総使用量でありながら、引張強さ(乾燥)も引張強さ(湿潤)が向上している。試験例3は、従来例を模した試験例2と同様の乾燥紙力剤の添加位置(種箱後段)で乾燥紙力剤を増量したものであるが、引張強さ(乾燥)も引張強さ(湿潤)ともに試験例2からほとんど高まっていない。試験例4は、従来例を模した試験例2における乾燥紙力剤と湿潤紙力剤の添加位置を変更したものである。この例では、引張強さ(湿潤)は、高まっているが引張強さ(乾燥)が低下している。試験例5は、湿潤紙力剤を分割し、乾燥紙力剤の前後で添加するようにした例であるが、この例も試験例2と同じように、引張強さ(湿潤)は、高まっているが引張強さ(乾燥)が低下している。試験1では、本発明に係る試験例1の紙力剤の添加順の場合に、紙力の向上効果が得られた。
次に、試験2として、抄紙原料調整設備及び抄紙設備を用いて、本発明に係る製造方法で抄紙原料を調整したペーパータオル(実施例1)と、従来の製造方法で抄紙原料を調整したペーパータオル(従来例)とについて紙質データを測定した。試験2では、試験1よりも坪量を低いものとした。
結果は、各例の抄紙原料の調整手順とともに下記表2に示す。なお、各例ともに原料パルプは試験1と同じ古紙パルプ100%のものを用い、抄紙原料調整設備及び抄紙設備も同様のものを用いた。紙質データの測定方法は試験1と同様で上記のとおりである。なお、使用した乾燥紙力剤は、星光PMC社製T‐DS530であり、湿潤紙力剤は、星光PMC社製WS−4024であり、試験1と同様である。
Figure 2018165418
表2に示すとおり、本発明の実施例は、坪量を考慮すれば、従来例と同様の紙力剤の使用量でありながら、乾燥時及び湿潤時において縦方向の引張強さは、ほぼ同等であり、横方向の引張強さが各段に向上している。試験1の結果と同様に、本発明の製造方法により、紙力が向上することが確認された。特に、クレープ紙であるペーパータオルは、縦方向よりも横方向の引張強さが低いため、この横方向の引張強さの向上は、実際の使用時における破れにくさが向上しているといえる。
以上のように試験1及び試験2の結果より、本発明のペーパータオルの製造方法とすることで、紙力剤の総添加量を変更することなく、紙力を向上させることができ、特に、低坪量で破れにくい、安価なペーパータオルを製造することが可能となる。
1…抄紙原料調整設備、2…丸網抄紙設備、3…ウェットクレープ付与工程、4…ドライクレープ付与工程、11…原料タンク、12…ミキシングタンク、13…マシンタンク、14…種箱、15…流体移送装置(ファンポンプ)、16…スクリーン、S1〜S3…紙料、S4…抄紙原料、21…フォーマー部、23…フェルト(ワイヤー)、24…フォーマー(インレット)、26…バルキーワイヤー、54…プレスロール、55…クレーピングドクター、56…タッチロール、60…ヤンキードライヤー、70…原反ロール、W1〜W3…湿紙、D1…乾紙(ペーパータオル原紙)、P1…抄紙原料調整工程、P2…ワイヤーパート、P3…プレスパート、P4…ドライヤーパート。

Claims (2)

  1. 1プライ当たりの坪量が30〜36g/m2である古紙パルプ配合のペーパータオルの製造方法であって、
    繊維原料として古紙パルプを90〜100質量%含む紙料に対して、マシンタンク及びミキシングタンクの少なくとも一方で、両性の乾燥紙力剤を添加する第一乾燥紙力剤添加工程と、
    第一乾燥紙力剤添加工程を経た紙試に対して、ミキシングタンクの後段の種箱で、カチオン性の湿潤紙力剤を添加する湿潤紙力剤添加工程と、
    湿潤紙力剤添加工程を経た紙料に対して、両性の乾燥紙力剤及びカチオン性の乾燥紙力剤の少なくとも一方を添加する第二乾燥紙力剤添加工程と、
    を有することを特徴とするペーパータオルの製造方法。
  2. ウェットクレープ付与工程とドライクレープ付与工程の何れか一方を有する請求項1記載のペーパータオルの製造方法。
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