JP2018165311A - エチレン共重合体組成物 - Google Patents

エチレン共重合体組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018165311A
JP2018165311A JP2017063081A JP2017063081A JP2018165311A JP 2018165311 A JP2018165311 A JP 2018165311A JP 2017063081 A JP2017063081 A JP 2017063081A JP 2017063081 A JP2017063081 A JP 2017063081A JP 2018165311 A JP2018165311 A JP 2018165311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
mass
copolymer composition
parts
olefin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017063081A
Other languages
English (en)
Inventor
菊地 義治
Yoshiharu Kikuchi
義治 菊地
市野 光太郎
Kotaro Ichino
光太郎 市野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP2017063081A priority Critical patent/JP2018165311A/ja
Publication of JP2018165311A publication Critical patent/JP2018165311A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、機械的物性および耐熱老化性が改良された架橋成形体を得るに好適なエチレン共重合体組成物を得ることにある。【解決手段】本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、有機過酸化物(B)を0.1〜5質量部、補強剤(C)を10〜300質量部およびレーザー回折法によって求められる平均粒径(D50)が2.0〜5.0μmおよびBET法により測定した比表面積が100m2/g未満の範囲にある酸化マグネシウム(D)を0.5〜20質量部含有することを特徴とするエチレン共重合体組成物に係る。【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体および特定の酸化マグネシウムを含むエチレン共重合体組成物およびその用途に関する。詳しくは、本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含み、耐熱老化性に優れる架橋成形体を製造し得るエチレン共重合体組成物、ならびに該エチレン系共重合体組成物を用いた架橋成形体に関する。
エチレン・α−オレフィン共重合体やエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体などのエチレン系共重合体は、主鎖に不飽和結合を持たないため、ジエン系のゴムと比較して耐候性、耐熱性、耐オゾン性に優れ、自動車工業部品、工業用ゴム製品、電気絶縁材、土木建材用品、ゴム引布等のゴム製品等に広く用いられている。
特に、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体は、非共役ポリエンに由来する二重結合が架橋反応に関与でき、架橋反応を起こすことによりゴム製品においてより優れた強度とゴム弾性を達成することができるので、広く使用されている。
一般にエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を各種用途に用いる場合は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を単独で使用することはなく、例えば、加硫剤(架橋剤)として、硫黄、あるいは硫黄化合物など、加硫促進助剤として、酸化亜鉛、酸化マグネシウムなど、補強材としてカーボンブラックなど、あるいは可塑剤としてプロセスオイルなどが配合されている。
例えば、特許文献1には、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴムに、BET法により測定した比表面積が30〜130m2/gである酸化マグネシウムを配合することにより、未加硫ゴム組成物の貯蔵安定性、押出し加工性が改良されることが提案されている。
しかしながら、特許文献1の実施例に記載されている架橋剤(加硫剤)として、硫黄を用いた場合は、耐熱老化性に劣ることが判った。
特開2008−069276号公報
本発明の課題は、さらに機械的物性および耐熱老化性が改良された架橋成形体を得るに好適なエチレン共重合体組成物を得ることにある。
本発明者は、このような状況において鋭意検討した結果、特定の粒子径と比表面積の酸化マグネシウムとエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含む樹脂組成物を用いると、機械物性と耐熱老化性が改善された架橋成形体を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、有機過酸化物(B)を0.1〜5質量部、補強剤(C)を10〜300質量部およびレーザー回折法によって求められる平均粒径(D50)が2.0〜5.0μmおよびBET法により測定した比表面積が100m2/g未満の範囲にある酸化マグネシウム(D)を0.5〜20質量部含有することを特徴とするエチレン共重合体組成物に係る。
本発明のエチレン共重合体組成物によれば、機械物性と耐熱老化性に優れた架橋成形体を製造することができる。本発明の架橋成形体は優れた耐熱老化性および耐疲労性を示し、高温下で用いる用途にも好適に用いることができ、自動車用、モーターバイク用、工業機械用、建設機械用または農業機械用等のホース、特にターボチャージャーホース等の用途に好適に用いることができる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)>
本発明に係るエチレン共重合体組成物に含まれる成分の一つであるエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)〔以下、「共重合体(A)」と呼称する場合がある。〕は、エチレンから導かれる構成単位と、炭素数3以上、好ましくは炭素数3〜20のα−オレフィンから導かれる構成単位と、非共役ポリエンから導かれる構成単位を含む共重合体である。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、1種単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよい。該共重合体(A)は、本発明の効果を奏する限り、トランス体やシス体など、構造異性体に何ら限定されない。
炭素数3以上のα−オレフィンとしては、具体的には、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、9−メチル−1−デセン、14−メチル−1−ドデセンおよび12−-エチル−1−テトラデセンなどが挙げられる。なかでも、炭素原子数3〜10のα−オレフィンが好ましく、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンがより好ましく、特に、プロピレンおよび1−ブテンが好ましい。
これらα-オレフィンは、単独で、または2種以上組み合わせて用いられる。
非共役ポリエンとしては、具体的には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエンおよび4-エチリデン-1,7-ウンデカジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-イソブテニル-2-ノルボルネン、シクロペンタジエンおよびノルボルナジエン等の環状非共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン等のトリエンなどが挙げられる。なかでも、1,4−ヘキサジエン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンの混合物が好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンの混合物がより好ましい。
これらの非共役ポリエンは、単独で、または2種類以上組み合わせて用いられる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、好ましくは、下記要件(A−1)〜(A−3)を満たす。
(A−1)
エチレンから導かれる構成単位を、70質量%を超えて99質量%以下、好ましくは70〜90質量%、より好ましくは70〜85質量%で含み、炭素数3以上のα−オレフィンから導かれる構成単位を、1質量%以上30質量%未満、好ましくは10〜30質量%、より好ましくは15〜30質量%で含む〔ただし、エチレンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量を100質量%とする。〕。
非共役ポリエンから導かれる構成単位は、エチレンから導かれる構成単位とα−オレフィンから導かれる構成単位の合計量100質量部に対して、通常1.0〜20.0質量部であり、好ましくは3.0〜15.0質量部、より好ましくは4.0〜14.0質量部の量で含まれる。
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の組成は、たとえば、ASTM D 3900およびASTM D 6047に準拠して、13C−NMRなどを用いて測定できる。
(A−2)
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、ASTM D 1646に準じて測定して得られた、100℃におけるムーニー粘度ML(1+4)(100℃)が、1〜90、より好ましくは1〜60、さらに好ましくは1〜30の範囲にある。ムーニー粘度が上記範囲にあると、良加工性および良物性を示すため好ましい。
(A−3)
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、135℃、デカリン中で測定される極限粘度〔η〕が、1.0〜5.0dl/g、好ましくは1.0〜4.0dl/gである。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造方法>
本発明に係るエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)は、たとえば、チーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒など公知の重合用触媒を用いて製造することができる。重合方法としても特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、バルク重合法などの液相重合法、気相重合法、その他公知の重合方法で行うことができる。また、これらの共重合体は、本発明の効果を奏する限り限定されず、市販品としても入手可能である。市販品としては、たとえば、エクソンモービル社製のVistalon(登録商標)、住友化学(株)社製のエスプレン(登録商標)、三井化学(株)社製の三井EPT(登録商標)が挙げられる。
《有機過酸化物(B)》
本発明に係る有機過酸化物(B)としては、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、ert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド等が挙げられる。
このうちでは、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル-2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル-2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート等の2官能性の有機過酸化物が好ましく、中でも、2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが最も好ましい。
《補強剤(C)》
本発明に係る補強剤(C)は、ゴム組成物の補強剤として、通常用いられる補強剤である。補強剤の具体例としては、カーボンブラック、シランカップリング剤で表面処理したカーボンブラック、シリカ、微粉タルク、微粉ケイ酸などを例示できる。
これら補強剤として、カーボンブラックを用いる場合は、より機械的強度、耐熱老化性に優れる架橋成形体が得られうる。
〈カーボンブラック〉
本発明に係るカーボンブラックとしては、各種の市販品を特に制限なく用いることができる。具体的には、旭#15HS、旭#50、旭#55G、旭#50HG、旭#60および旭#60G(商品名;旭カーボン社製)ならびにシースト(SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FTおよびMTなど)などのカーボンブラック(東海カーボン社製)あるいはこれらのカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理したものが挙げられる。
これらカーボンブラック(C)は、一種単独でも、二種以上組み合わせて用いてもよい。
<酸化マグネシウム(D)>
本発明に係る共重合体組成物に含まれる成分の一つである酸化マグネシウム(D)は、レーザー回折法によって求められる平均粒径(D50)が2.0〜5.0μm、このましくは2.5〜4.0μmの範囲およびBET法により測定した比表面積が100m2/g未満、好ましくは10〜50m2/gの範囲にある酸化マグネシウムである。
平均粒径(D50)及び比表面積が上記範囲にある酸化マグネシウム(D)を用いることにより、機械的物性および耐熱老化性が改良された架橋成形体が得られうる。
平均粒径(D50)及び比表面積が上記範囲にある酸化マグネシウムとしては、例えば、協和化学工業株式会社から商品名キョウワマグR30として販売されている。
<エチレン共重合体組成物>
本発明のエチレン共重合体組成物は、上記エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、有機過酸化物(B)を0.1〜5質量部、より好ましくは1〜4質量部、および補強剤(C)を10〜300質量部、より好ましくは50〜200質量部および上記酸化マグネシウム(D)を0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部の範囲で含む。
本発明のエチレン共重合体組成物は、上記有機過酸化物(B)、上記補強剤(C)に加え、上記酸化マグネシウム(D)を上記範囲で含むことにより、機械的物性および耐熱老化性が改良された架橋成形体が得られうる。
本発明のエチレン系共重合体組成物は、さらに好ましくは、B)成分、(C)成分および上記(D)成分に加え、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、可塑剤(E)を10〜80質量部、より好ましくは20〜70質量部含む。
《可塑剤(E)》
本発明に係る可塑剤(E)は、種々公知の可塑剤であり、具体的には、プロセスオイル(例えば、ダイアナプロセスオイル PW−380、ダイアナプロセスオイル PW−100(商品名;出光興産(株)製)、ダイアナプロセスオイル PS−430(商品名;出光興産社製))、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルトおよびワセリンなどの石油系可塑剤;コールタールおよびコールタールピッチなどのコールタール系可塑剤;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油およびヤシ油などの脂肪油系可塑剤;蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどのロウ類;リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウムおよびラウリン酸亜鉛などの脂肪酸またはその塩;ナフテン酸、パイン油およびロジンまたはその誘導体;テルペン樹脂、石油樹脂、アタクチックポリプロピレンおよびクマロンインデン樹脂などの合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどのエステル系可塑剤;その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、炭化水素系合成潤滑油、トール油およびサブ(ファクチス)などが挙げられる。
これらのなかでも、石油系可塑剤が特に好ましい。本発明に係る可塑剤(E)は、一種単独で用いてもよいし、二種以上組み合わせて用いてもよい。
《その他添加剤》
本発明のエチレン系共重合体組成物には、上記酸化マグネシウム(D)、架橋剤(B)、補強剤(C)および可塑剤(E)に加え、用途により、目的に応じて他の添加剤、例えば、加工助剤、活性剤、吸湿剤、さらに耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤等を含んでいてもよい。
《架橋成形体》
本発明の架橋成形体は、上記本発明のエチレン系共重合体組成物を必要に応じて成形し、架橋することにより得られる。架橋の際には、金型を用いても、用いなくてもよい。金型を用いない場合には、エチレン系共重合体組成物は、通常連続的に成形、架橋される。
本発明のエチレン系共重合体組成物を架橋させる方法としては、(a)エチレン系共重合体組成物を、通常、押出し成形、プレス成形、インジェクション成形等の成形法や、ロール加工により所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を架橋槽内に導入して加熱する方法や、(b)エチレン系共重合体組成物を上記と同様に予備成形し、次いで電子線を照射する方法等を例示することができる。
なお、(a)の方法では、加熱によりエチレン系共重合体組成物中の架橋剤(有機過酸化物)による架橋反応が起こり、架橋体が得られる。また、(b)の方法では、電子線により架橋反応が起こり、架橋体が得られる。(b)の方法においては通常、予備成形が施されたエチレン系共重合体組成物に、0.1〜10MeVのエネルギーを有する電子線を、エチレン系共重合体組成物の吸収線量が通常は0.5〜36Mrad、好ましくは0.5〜20Mrad、さらに好ましくは1〜10Mradになるように照射する。
<用途>
本発明のエチレン系共重合体組成物は、低温特性、機械特性、押出し成形性、プレス成形性、インジェクション成形性等の成形性、およびロール加工性に非常に優れており、本発明のエチレン系共重合体組成物から、耐熱老化性、低温特性(低温での柔軟性、ゴム弾性等)、機械特性などに優れる成形体を好適に得ることができる。
また、本発明のエチレン系共重合体組成物は、前述の(A)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含むことにより、成形性および架橋特性に優れ、耐熱安定性に優れた架橋体を製造することができるため、本発明のエチレン系共重合体組成物から得られた架橋成形体は、高温下での長期使用が見込まれる用途にも好適に使用することができる。
本発明のエチレン系共重合体組成物、該組成物から得られる架橋成形体は、様々な用途に用いることができる。具体的には、タイヤ用ゴム、O−リング、工業用ロール、パッキン(例えばコンデンサーパッキン)、ガスケット、ベルト(例えば、断熱ベルト、複写機ベルト、搬送ベルト)、自動車用ホースなどのホース類(例えば、ターボチャージャーホース、ウォーターホース、ブレーキリザーバーホース、ラジエターホース、エアーホース)、防振ゴム、防振材あるいは制振材(例えば、エンジンマウント、モーターマウント)、マフラーハンガー、スポンジ(例えば、ウェザーストリップスポンジ、断熱スポンジ、プロテクトスポンジ、微発泡スポンジ)、ケーブル(イグニッションケーブル、キャブタイヤケーブル、ハイテンションケーブル)、電線被覆材(高圧電線被覆材、低電圧電線被覆材、舶用電線被覆材)、グラスランチャネル、カラー表皮材、給紙ロール、ルーフィングシート等に好適に用いられる。
次に本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。以下の実施例等の記載において、特に言及しない限り「部」は「質量部」を示す。
<エチレン系共重合体組成物(未架橋)物性の評価>
(1)ムーニー粘度(ML(1+4)125℃)
実施例および比較例における未架橋のエチレン系共重合体組成物(組成物1)の125℃におけるムーニー粘度(ML(1+4)125℃)は、JIS K6300に準拠して、ムーニー粘度計((株)島津製作所製SMV202型)を用いて、125℃の条件下で測定した。
(2)加硫誘導時間
実施例および比較例における未架橋のエチレン系共重合体組成物(組成物2)を用いて、加硫測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)により、温度180℃および時間30分の測定条件下で、誘導時間(TS1)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。最小トルク値からトルク1point(1dNm)上がるまでの時間を加硫誘導時間(TS1;分)とした。
(3)加硫速度
実施例および比較例における未架橋のエチレン系共重合体組成物(組成物2)を用いて、測定装置:MDR2000(ALPHA TECHNOLOGIES 社製)により、温度180℃および時間30分の測定条件下で、加硫速度(TC90)を以下のとおり測定した。
一定温度および一定のせん断速度の条件下で得られるトルク変化を測定した。トルクの最大値と最小値との差の90%のトルクに達成するまでの時間を加硫速度(TC90;分)とした。
<架橋物の物性>
(1)硬さ試験(デュロ−A硬度)
JIS K 6253に従い、シートの硬度(タイプAデュロメータ、HA)の測定は、平滑な表面をもっている2mmの架橋物のシート6枚を用いて、平らな部分を積み重ねて厚み約12mmとして行った。ただし、試験片に異物の混入したもの、気泡のあるもの、およびキズのあるものは用いなかった。また、試験片の測定面の寸法は、押針先端が試験片の端から12mm以上離れた位置で測定できる大きさとした。
(2)引張試験
実施例および比較例で得た架橋物シートを打抜いてJIS K 6251(2001年)に記載されている3号形ダンベル試験片を調製した。この試験片を用いて同JIS K 6251に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張り試験を行ない、25%モジュラス(M25)、50%モジュラス(M50)、100%モジュラス(M100)、200%モジュラス(M200)、300%モジュラス(M300)、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
(3)耐熱老化試験
架橋物シートを、JIS K 6257に従い、160℃で96h保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、引張破断点応力、引張破断点伸びを、前記[硬度(Durometer−A)]の項目、前記[モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び]の項目と同様の方法で測定した。
[実施例1]
第一段階として、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、三井EPT(商標)2060M:100質量部を1分間素練りし、次いでこれに
キョーワマグ30(酸化マグネシウム、協和化学工業株式会社)5質量部、
ステアリン酸(日油株式会社)1質量部、
旭#50 (SRFカーボン、旭カーボン株式会社)45質量部、
旭#60 (FEFカーボン、旭カーボン株式会社)30質量部、
旭#15HS(FTカーボン、旭カーボン株式会社)40質量部、
Sunpar 2280(パラフィン系オイル、日本サン石油)47質量部
をそれぞれ加え、140℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、1分間混練を行ない、約150℃で排出し、第一段階の配合物(組成物1)を得た。
次に、第二段階として、第一段階で得られた組成物1を、6インチロ−ル(日本ロール(株)社製、前ロールの表面温度50℃、後ロールの表面温度50℃、前ロールの回転数16rpm、後ロールの回転数18rpm)に巻き付けて、これに、Perhexa25B(100%)(ジアルキルパーオキサイド)、2質量部を加え10分間混練して未架橋の共重合体組成物(組成物2)を得た。
得られた共重合体組成物を用いて、前記記載の方法で物性を評価した。
次いで、当該共重合体組成物をシート状に分出し、100トンプレス成形機を用いて180℃で10分間プレスし、厚み2mmの架橋物のシートを調製した。得られた架橋物のシートを用いて、前記記載の方法で物性の評価を行った。
結果を表1に示す。
[比較例1〜4]
実施例1において、第一段階および第二段階で配合する各配合物の種類および量を表1に示す通りとすること以外は、実施例1と同様にして、組成物1、組成物2および架橋物シートを得た。次いで、実施例1と同様に、得られた組成物等を、前記記載の方法で物性の評価を行った。
結果を表1に示す。
Figure 2018165311

Claims (3)

  1. エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、有機過酸化物(B)を0.1〜5質量部、補強剤(C)を10〜300質量部およびレーザー回折法によって求められる平均粒径(D50)が2.0〜5.0μmおよびBET法により測定した比表面積が100m2/g未満の範囲にある酸化マグネシウム(D)を0.5〜20質量部含有することを特徴とするエチレン共重合体組成物。
  2. 補強剤(C)がカーボンブラックである請求項1に記載のエチレン共重合体組成物。
  3. エチレン系共重合体組成物が、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A):100質量部に対し、さらに可塑剤(E)を10〜80質量部を含む請求項1または2に記載のエチレン共重合体組成物。
JP2017063081A 2017-03-28 2017-03-28 エチレン共重合体組成物 Pending JP2018165311A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017063081A JP2018165311A (ja) 2017-03-28 2017-03-28 エチレン共重合体組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017063081A JP2018165311A (ja) 2017-03-28 2017-03-28 エチレン共重合体組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018165311A true JP2018165311A (ja) 2018-10-25

Family

ID=63922398

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017063081A Pending JP2018165311A (ja) 2017-03-28 2017-03-28 エチレン共重合体組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018165311A (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069276A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物、繊維ゴム複合体およびホース

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008069276A (ja) * 2006-09-14 2008-03-27 Yokohama Rubber Co Ltd:The ゴム組成物、繊維ゴム複合体およびホース

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
播田實 隆一, 青嶋 正志: "エチレンプロピレンゴムの耐熱性と配合設計", 日本ゴム協会誌, vol. 第53巻,第6号, JPN6020042487, 1980, pages 79 - 86, ISSN: 0004536081 *

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5972200B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物、それを用いた成形体、および用途
KR100630590B1 (ko) 열가소성 엘라스토머 및 그 성형체
JPWO2002081958A1 (ja) 熱可塑性エラストマーからなるホース
JP6121062B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法
JP2020117649A (ja) 熱可塑性樹脂組成物、それを用いた成形体、及び用途
JP2018165312A (ja) エチレン重合体組成物
JP6900219B2 (ja) エチレン系共重合体組成物
JP2018165311A (ja) エチレン共重合体組成物
JP5189245B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP2007039575A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP4615441B2 (ja) 加硫ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる複合成形体およびその用途
JP5611849B2 (ja) エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体およびそれを含む熱可塑性エラストマー
JP3911707B2 (ja) シール用パッキン
JP5675518B2 (ja) 組成物およびその架橋体
JP5361779B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物および該組成物から得られる発泡体
JP5204512B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4922820B2 (ja) 複合部材およびその製造方法
JP5095920B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP4758185B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその成形体
JP7481884B2 (ja) エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体組成物およびその用途
JP2020152863A (ja) ゴム組成物およびその架橋体
WO2023136287A1 (ja) 共重合体組成物、発泡成形体、架橋成形体、及びこれらの製造方法
JP2023146519A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物およびその用途
EP4130141A1 (en) Thermoplastic elastomer composition and molded body of same
JP2020132809A (ja) ゴム組成物およびその架橋体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201029

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201110

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210309

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210629