(1)パチンコ遊技機の構造
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の遊技機としてのパチンコ遊技機10は、図1に示すように、遊技機枠11の内部に遊技盤15を取り付けて構成される。遊技機枠11は、外枠12、内枠13、及び、前面側のガラス扉部14、を備える。外枠12は、パチンコ遊技機10の外郭部となる枠体であり、内枠13は、遊技盤15が取り付けられる枠体であり、ガラス扉部14は、遊技盤15を保護するとともに発射ハンドル43等が配設される前枠である。ガラス扉部14は、遊技盤15の前面側における遊技球の転動する遊技領域16や遊技球の転動を予定していない非遊技領域17を目視できるように、それらの前側を覆う透明なガラス部14aと、そのガラス部14aの下方の皿ユニット部14bとを備える。
ガラス扉部14は、外枠12や内枠13に対してヒンジ11aによりそれぞれ回動自在とされ、内枠13は、外枠12とガラス扉部14とに対してヒンジ11aによりそれぞれ回動自在としている。
ガラス扉部14の前面側には、ガラス部14aの下方の皿ユニット部14bに、上皿42aと下皿42bとを有した球受け皿42、発射ハンドル43、下皿42bの球を抜く皿球抜きボタン44、上皿42aの球を下皿42bに移す通路球抜きボタン45、演出キー47、及び、後述する操作装置としての演出ボタン装置108が、配設されている。また、ガラス扉部14の前面側には、上部側に、スピーカ48や枠ランプ49が配設されている。
遊技盤15には、発射ハンドル43の操作により発射された遊技球が転動する遊技領域16が、レール部材35で囲まれて形成されている。遊技領域16には、遊技球を誘導する多数の図示しない障害釘や風車が突設され、さらに、盤ランプ50が埋設されている。
遊技領域16の中央には、略円環状に囲む枠体部18aを備えたセンター役物装置18が、配設されている。センター役物装置18には、中央の後部側に、表示手段及び演出手段としての画像表示部20の表示画面20aが配置されている。実施形態の画像表示部20は、液晶表示装置であり、表示画面20aは液晶画面としている。画像表示部20は、客待ち用のデモ表示、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出等を表示画面20aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の演出画像とにより構成されて、変動表示を経て確定停止させることにより表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定、特別図柄抽選ともいう)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の後述する第1始動口22または第2始動口23への入賞に対して行われる。
さらに、画像表示部20は、操作手段としての演出ボタン装置108を使用して行う操作演出やその演出を表示させるように演出ボタン装置108の操作を促す操作指示表示も、表示画面20aに表示する。
センター役物装置18の枠体部18aの左部には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部18cへ遊技球を流出させるワープ部18bが配設されている。枠体部18aの下部のステージ部18cは、ワープ部18bから流入した遊技球を、上面で転動させて、第1始動口22へと案内したり、あるいは、そのまま、第1始動口22の上方より左右にずれた位置から、落下させる。
遊技領域16の左右方向における中央下部には、始動入賞装置21が設けられている。始動入賞装置21は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口22と、電動チューリップ(以下「電チュー」という。「可変入賞装置」に相当する。)24により開閉される第2始動口23とを備えている。電チュー24は、電チューソレノイド24a(図2参照)により駆動される。第2始動口23は、電チュー24が開いているときのみ遊技球が入賞可能となる。
また、遊技領域16には、大入賞装置(特別可変入賞装置)26が設けられている。大入賞装置26は、始動入賞装置21の右方に配置されており、大入賞口27と、大入賞口ソレノイド26a(図2参照)により動作する開閉部材26bとを備えている。大入賞口27は、開閉部材26bにより開閉される。
また、遊技領域16には、複数の普通入賞装置29、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。各普通入賞装置29は、始動入賞装置21の左方に配置されている。各普通入賞装置29に入った遊技球は、その普通入賞装置29内の普通入賞口30に入賞する。ゲート28は、センター役物装置18の右部に配置されている。ゲート28は、いわゆる右打ちをした際に、遊技球が通過する可能性がある通過口である。
また、遊技領域16の外側の非遊技領域17であって遊技盤15の右下部には、表示器類が配置されている。パチンコ遊技機10には、表示器類として、普通図柄表示器37、第1特別図柄表示器39a、及び、第2特別図柄表示器39bが設けられるとともに、普通図柄保留ランプ38、第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40b、及び、状態表示器41が設けられている。
第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39bは、それぞれ、遊技球の第1始動口22、第2始動口23への入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される特別図柄により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39bに停止表示された特別図柄が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口27を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。簡単に述べれば、始動口22,23への入賞による判定条件の成立により、大当たり判定(抽選)が行われ、その判定結果が大当たりであれば、遊技者に有利な特別遊技としての大当たり遊技が実行されることとなる。
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口22または第2始動口23に入賞すると、メイン制御部60(図2参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口22への入賞であれば第1特図保留記憶部63aに、第2始動口23への入賞であれば第2特図保留記憶部63bに、特図保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた特図保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40bは、それぞれ、第1特図保留記憶部63a、第2特図保留記憶部63bに記憶されている特図保留記憶の個数を表示するものである。第1特図保留記憶部63a、第2特図保留記憶部63bに記憶される特図保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1特図保留記憶部63aに4個の特図保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口22に入賞したときや、第2特図保留記憶部63bに4個の特図保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口23に入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
普通図柄表示器37は、遊技球のゲート28への通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知する(これを「普通図柄変動」という)ものである。普通図柄表示器37に停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、電チュー24を開く補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート28を通過すると、メイン制御部60は、その通過に対して取得した当たり乱数等の乱数を、普図保留記憶部63cに普図保留記憶として記憶する。そして、普通図柄変動を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた普図保留記憶に基づいて当たりか否かの判定を行い、普通図柄変動を実行する。
普通図柄保留ランプ38は、普図保留記憶部63cに記憶されている普図保留記憶の個数を表示するものである。普図保留記憶部63cに記憶される普図保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、普図保留記憶部63cに4個の普図保留記憶がある状態で遊技球がゲート28を通過したときは、その通過に対して当たり乱数は取得されない。
状態表示器41は、大当たり遊技における後述するラウンド数を示すラウンドランプ、右打ちをすべき状態(後述する時短状態)であることを示す右打ちランプ、及び、後述する遊技状態を示す遊技状態ランプを備えている。
サブ側表示ランプ140は、第1特別図柄、第1特図保留記憶の個数、第2特別図柄、第2特図保留記憶の個数、普通図柄普図保留記憶の個数、右打ちをすべき状態(後述する時短状態)であること、を示すランプを備えている。
遊技領域16の下端には、入賞しなかった遊技球が排出されるアウト口33が配設されている。
(2)パチンコ遊技機の電気系統
次に、実施形態のパチンコ遊技機10の電気系統について説明する。図2に示すように、パチンコ遊技機10は、メイン制御部60、払出制御部70、演出制御手段としてのサブ制御部85を備え、サブ制御部85は、演出制御部90、画像音響制御部95、及び、ランプ制御部100を備えている。そして、払出制御部70及び演出制御部90はメイン制御部60に接続され、画像音響制御部95及びランプ制御部100は演出制御部90に接続されている。各制御部は、CPU61,71,91,951,101、ROM62,72,92,952,102、RAM63,73,93,953,103等を備えている。また、メイン制御部60は、RAM63内に、第1特図保留記憶部63a、第2特図保留記憶部63b、及び、普図保留記憶部63cを備えている。さらに、演出制御部90は、RTC(リアルタイムクロック)94を備えている。RTC94は、日時を計測しており、パチンコ遊技機10の電源が遮断されても図示しないバックアップ電源により計測動作を継続する。
メイン制御部60は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御部60には、第1始動口22内に設けられて第1始動口22に入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)22a、第2始動口23内に設けられて第2始動口23に入賞した遊技球を検出する第2始動口SW23a、電チュー24を駆動する電チューソレノイド24a、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するゲートSW28a、大入賞口27内に設けられて大入賞口27に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW27a、開閉部材26bを駆動する大入賞口ソレノイド26a、各普通入賞口30内にそれぞれ設けられてその普通入賞口30に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW30a、第1特別図柄保留ランプ40a、第2特別図柄保留ランプ40b、普通図柄保留ランプ38、第1特別図柄表示器39a、第2特別図柄表示器39b、普通図柄表示器37、及び、状態表示器41がそれぞれ接続され、矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御部60に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御部60から信号が出力される。
また、メイン制御部60は、払出制御部70に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御部70から信号を受信する。払出制御部70には、払出部75が接続され、払出制御部70は、メイン制御部60から受信したコマンドに従って払出部75を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御部60には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する盤用外部情報端子基板105が接続されている。メイン制御部60は、払出制御部70から取得済みの払い出した賞球数の情報やメイン制御部60の状態等の情報を、盤用外部情報端子基板105を介して、ホストコンピュータに送信する。
払出制御部70は、払出部(払出駆動モータ)75、払出球検出SW76、球有り検出SW77、満タン検出SW78、及び、発射部79と接続される。
払出制御部70は、払出部(払出駆動モータ)75に対して入賞時の賞球数を払い出す制御を行う。払出部75は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すための払出駆動モータからなる。そして、払出制御部70は、払出部75に対して各入賞口(第1始動口22、第2始動口23、大入賞口27、普通入賞口30)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御を行う。
また、払出制御部70は、発射部79に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部79は、遊技のための遊技球を発射するものであり、発射ハンドル43からの遊技者による遊技操作を検出するセンサや遊技球を発射させるソレノイド等を備える。払出制御部70は、発射部79のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤15の遊技領域16に遊技球を送り出す。
また、払出制御部70は、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、既述の払出球検出SW76、球有り検出SW77、満タン検出SW78等がある。
さらに、払出制御部70には、ホールに設置された図示しないホストコンピュータに対して各種情報を送信する枠用外部情報端子基板106が接続されている。払出制御部70は、払出部(払出駆動モータ)75を駆動させて払い出した賞球数の情報等を枠用外部情報端子基板106を介してホストコンピュータに送信し、また、同様の情報をメイン制御部60にも送信する。
また、メイン制御部60は、演出制御部90に対し各種コマンドを送信し、演出制御部90は、画像音響制御部95との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像音響制御部95には画像表示部20及びスピーカ48が接続され、画像音響制御部95は、演出制御部90から受信したコマンドに従って、画像表示部20の表示画面20aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ48から音声を出力する。
詳しくは、画像音響制御部95は、演出内容を表現する画像及び音響を制御する際の演算処理を行うCPU951と、CPU951にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM952と、CPU951の作業用メモリとして用いられるRAM953と、VDP(Video Display Processor)954と、CGROM955と、SNDROM956とを備えている。
CGROM955には、画像表示部20において表示する各種画像、具体的には、遊技者に大当たり判定の結果を報知するための装飾図柄、背景画像、遊技者に大当たり判定の結果を示唆する示唆演出や遊技者に大当たり判定の結果を予告する予告演出等を表示するためのキャラクタ、アイテム、文字等の画像データが記憶されている。SNDROM956には、画像データと同期させて又は画像データとは独立にスピーカ48から出力させる楽曲や音声、ジングル等の効果音等の各種音響データが記憶されている。
CPU951は、演出制御部90から送信された各種コマンドに基づいて、アニメーションパターンの解析や、描画に関するコマンドをまとめたディスプレイリストの作成、ディスプレイリストのVDP954への送信等を行う。VDP954は、CPU951から受信したディスプレイリストに基づいて、CGROM955やSNDROM956に記憶された画像データや音響データを読み出し、読み出した画像データを用いて、装飾図柄、背景画像、キャラクタ、アイテム、文字等を表示するための描画処理を行うとともに、読み出した音響データを用いて音声処理を行う。そして、VDP954は、描画処理された画像データにより画像表示部20における画面表示を制御し、音声処理された音響データによりスピーカ48から出力される音響を制御する。実施形態では、VDP954が描画処理とともに音声処理も行うように構成したが、これに限らず、音声処理を専用で行うプロセッサを別途設けてもよい。
また、演出制御部90は、ランプ制御部100との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御部100には、枠ランプ49、盤ランプ50、可動役物装置130、及び、サブ側表示ランプ140の図示しない駆動モータやセンサが接続され、ランプ制御部100は、演出制御部90から受信したコマンドに従って、ランプ49,50を点灯・消灯するとともに、可動役物装置130の駆動モータを駆動させて、可動役物装置130の可動体としての星型の可動役物131(図1参照)を左右に揺動させるように動作させる。
具体的には、ランプ制御部100のROM102には、演出制御部90にて決定される演出内容に応じたランプ49,50の発光パターンデータ(点灯/点滅や発光色に関するデータ)が記憶されている。ランプ制御部100のCPU101は、ROM102に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部90から受信したコマンドに対応したものを選択して読み出し、読み出した発光パターンデータに従ってランプ49,50の発光を制御する。また、ランプ制御部100のROM102には、演出制御部90にて決定される演出内容に応じた可動役物装置130の動作パターンデータが記憶されている。ランプ制御部100のCPU101は、読み出した動作パターンデータに従って、可動役物装置130の動作を制御する。
また、演出制御部90には、操作装置としての演出ボタン装置108における遊技者が操作する演出ボタン(操作部・押下部)115(図1参照)が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW120が接続されており、演出ボタン115が押下されると、演出ボタン検出SW120から演出制御部90に対して信号が出力される。さらに、演出キー47のキー検出SW47aも演出制御部90に接続されている。演出キー47は、遊技者によってキー操作されると、キー操作に対応したキー検出SW47aの信号が演出制御部90へ入力される。
すなわち、演出ボタン115を押下操作すれば、演出ボタン検出SW120はON信号(立上り信号)を演出制御部90に出力し、演出ボタン115から手を離せば、演出ボタン検出SW120はOFF信号(下がり信号)を演出制御部90に出力することとなる。
(4)遊技状態等の説明
実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄に係る遊技状態として、特別図柄の当選確率が1/300に設定された低確率状態と、10/300に設定された高確率状態と、がある。
また、普通図柄に係る遊技状態として、普通図柄抽選の当選確率が1/20、普通図柄変動時間が12秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、0.2秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、0.2秒の開放ののち4.0秒の開放をおこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)と、がある時短なし状態と、普通図柄抽選の当選確率が19/20、普通図柄変動時間が0.5秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、3.0秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、5.0秒の開放を1回おこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)と、がある時短状態と、がある。
なお、実施形態において、時短状態は、大当たり終了後に特別図柄の平均変動時間が短い状態となること、特図保留記憶の数によって特別図柄の変動時間が短い状態となること、及び、それらと上記普通図柄の当選確率、変動時間、開放パターンとの組み合わせを含むものとする。
特別図柄に係る遊技状態と普通図柄に係る遊技状態との組み合わせによって、四つの遊技状態があり、低確率状態、かつ、時短なし状態である状態を通常遊技状態といい、低確率状態、かつ、時短状態である状態を時短遊技状態といい、高確率状態、かつ、時短状態である状態を確変遊技状態といい、高確率状態、かつ、時短なし状態である状態を潜確遊技状態という。
通常遊技状態では、特別図柄の当選確率が1/300となるとともに、普通図柄抽選の当選確率が1/20、普通図柄変動時間が12秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、0.2秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、0.2秒の開放ののち4.0秒の開放をおこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)とがある。
時短遊技状態では、通常遊技状態と同様に特別図柄の当選確率が1/300となるとともに、普通図柄抽選の当選確率が19/20、普通図柄変動時間が0.5秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、3.0秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、5.0秒の開放を1回おこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)とがある。
確変遊技状態では、特別図柄の当選確率が10/300となり通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすくなるとともに、時短遊技状態と同様に、普通図柄抽選の当選確率が19/20、普通図柄変動時間が0.5秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、3.0秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、5.0秒の開放を1回おこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)とがある。
潜確遊技状態では、確変遊技状態と同様に特別図柄の当選確率が10/300となり通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすくなるとともに、通常遊技状態と同様に普通図柄抽選の当選確率が1/20、普通図柄変動時間が12秒となっており、第2始動口23の開放パターンとして、0.2秒の開放を1回おこなう短開放パターン(短開放図柄への当選時)と、0.2秒の開放ののち4.0秒の開放をおこなう長開放パターン(長開放図柄への当選時)とがある。
換言すれば、潜確遊技状態では、第2始動口23の開放パターンが、通常遊技状態と変わらないので、遊技者が、高確率状態であることを認識できない状態で遊技を行うことになり、大当たりに対する期待を抱いていない状態で、大当たりになることで、遊技者に意外性を感じさせることになるので遊技の趣向性を向上させることにつながる。
また、実施形態のパチンコ遊技機10では、特別図柄抽選の結果実行される遊技として、大当たり遊技(15Rの大当たり遊技と2Rの大当たり遊技)、小当たり遊技があり、普通図柄抽選の結果実行される遊技として、補助遊技がある。実施形態では、大当たり遊技が、遊技者に有利な特別遊技となる。
そして、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態であり、大当たりに当選すると、大入賞口27を所定回数開閉する大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。大当たりの種類には、ほとんど賞球の獲得が望めない短当たりとして、2R(ラウンド)潜確大当たりがあり、多くの賞球を獲得可能な長当たりとして、15R(ラウンド)確変大当たり、15R(ラウンド)通常大当たりがある。また、これら大当たりの他に小当たりがある。ラウンドとは大入賞口27の開放期間を言う。2R潜確大当たりでは、大入賞口27を1ラウンドで1回の極短時間開放(0.1秒の開放)を2ラウンド行う大当たり遊技を行った後、潜確遊技状態に遷移し、15R確変大当たりでは、大入賞口27を1ラウンドで1回の開放(29.5秒の開放)を15ラウンド行う大当たり遊技を行った後、確変遊技状態に遷移し、15R通常大当たりでは、大入賞口27を1ラウンドで1回の開放(29.5秒の開放)を15ラウンド行う大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移する。2R潜確大当たり、15R通常大当たり、15R確変大当たりでは、大入賞口27の総開放時間の経過、または、大入賞口27への入賞が9個カウントされることより、1ラウンドが終了する。また、小当たりは、遊技時間を2R潜確大当たりと同一又は同程度の時間として、大入賞口27を、遊技時間内に2回の極短時間開放(0.1秒の開放)するとともに、開放タイミングも2R潜確大当たりと同一又は類似するものとして、遊技者に見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作をするもので、大入賞口27を極短時間(0.1秒)2回開放する小当たり遊技を行うが、遊技状態は遷移しない。そして、総開放時間が2.0秒を超えない態様で、大入賞口27が二回極短時間開放される動作が行われることで小当たりが終了する。
2R潜確大当たりでは、1ラウンドにおける総開放時間0.1秒とし、小当たりでは、一回における総開放時間を0.1秒として、開放するタイミングも同様のタイミングで開放させている。そして、小当たりは、見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作と認識させることで、遊技者に大当たりへの期待感が途切れないようにするものである。
時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく、例えば100回の特別図柄変動が行われたときも、通常遊技状態に遷移する。
大当たり及び小当たりの抽選は大当たり乱数を用いて行われ、大当たりに当選した場合に当選した大当たりがいずれの種類の大当たりとなるかの抽選は、大当たり図柄乱数を用いて行われる。大当たり乱数は、例えば、図34(a)に示すように、0〜299までの範囲で値をとることとされ、低確率状態では、取得した乱数値が0のとき大当たりと判定され、大当たりに当選する割合が1/300となるよう当選する乱数値が定められる。大当たりと判定されない乱数値のうち、10、11、12であると小当たりと判定され、小当たりに当選する割合が3/300となるよう、小当たりに当選する乱数値が定められている。また、大当たり乱数は、高確率状態では、取得した乱数値が0〜9のとき大当たりと判定され、大当たりに当選する割合が10/300となるよう、大当たりに当選する乱数値が定められる。大当たりと判定されない乱数値のうち、10、11、12であると小当たりと判定され、小当たりに当選する割合が3/300となるよう、小当たりに当選する乱数値が定められている。大当たり図柄乱数は、例えば、図34(b)に示すように、0〜249までの範囲で値をとることとされ、第1始動口22への入賞に対しては、取得した乱数値が0〜99のとき15R通常大当たりと判定され、15R通常大当たりに当選する割合が100/250となり、取得した乱数値が100〜174のとき15R確変大当たりと判定され、15R確変大当たりに当選する割合が75/250となり、取得した乱数値が175〜249のとき2R潜確大当たりと判定され、2R潜確大当たりに当選する割合が75/250になるよう各大当たりに当選する乱数値が定められている。第2始動口23への入賞に対しては、取得した乱数値が0〜99のとき15R通常大当たりと判定され、15R通常大当たりに当選する割合が100/250となり、取得した乱数値が100〜249のとき15R確変大当たりと判定され、15R確変大当たりに当選する割合が150/250となるよう各大当たりに当選する乱数値が定められており、第1始動口22へ入賞したときよりも長当たりに当選する割合が高くなっている。すなわち、実施形態のパチンコ遊技機10では、第1始動口22に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選よりも、第2始動口23に遊技球が入球して行われる大当たり抽選の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
また、大当たり抽選の結果がハズレであった場合に、特別図柄変動に並行して行われる装飾図柄変動演出においてリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択するか否かは、リーチ乱数を用いて行われる。リーチ乱数は、例えば、図34(c)に示すように、0〜249までの範囲で値をとることとされ、取得した乱数値が0〜39のときリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択すると判定され、すなわち、リーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択するに当選する割合が40/250となり、取得した乱数値が40〜249のときリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択しないと判定され、すなわち、リーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択しないに当選する割合が210/250となるようリーチに当選する乱数値が定められている。
また、補助遊技を行うか否かの抽選、すなわち普通図柄抽選は、当たり乱数を用いて行われ、当たりに当選した場合に当選した当たりがいずれの種類の当たりとなるかの抽選は、当たり図柄乱数を用いて行われる。当たり乱数は、例えば、図34(d)に示すように、0〜19までの範囲で値をとることとされ、時短なし状態である、通常遊技状態、潜確遊技状態、および大当たり遊技の実行中では、取得した乱数値が0のとき当たりと判定され、当たりに当選する割合が1/20となるよう当たりに当選する乱数値が定められ、時短状態である、時短遊技状態および確変遊技状態では、取得した乱数値が1〜19のとき当たりと判定され、当たりに当選する割合が19/20となるよう当たりに当選する乱数値が定められている。また、当たり図柄乱数は、例えば、図34(e)に示すように、0〜10までの範囲で値をとることとされ、取得した乱数値が0〜1のとき短開放図柄に当選と判定され、短開放図柄に当選する割合が2/11となり、取得した乱数値が2〜10のとき長開放図柄に当選と判定され、長開放図柄に当選する割合が9/11となるよう各当たりに当選する乱数値が定められている。普通図柄抽選の結果がハズレである場合には、当たり図柄乱数を判定することなくハズレとする。
(5)パチンコ遊技機の動作
≪メイン制御部での処理≫
次に、図3〜12に基づいてメイン制御部60の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAM63に設けられ、パチンコ遊技機10の電源投入時にゼロクリアされる。
メイン制御部60は、電源の供給が開始されると、図示しない起動処理や電源遮断監視処理等を含んだメイン制御処理の実行を開始し、メイン制御部60への電源の供給中、このメイン制御処理を継続的に実行する。そして、メイン制御部60は、このメイン制御処理に対して、所定周期毎(例えば4msec毎)、図3に示すタイマ割込処理を割り込ませて実行する。
[メイン側タイマ割込処理]
メイン制御部60は、図3に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。すなわち、乱数更新処理(S201)、始動口SW処理(S202)、ゲートSW処理(S203)、大入賞口SW処理(S204)、普通入賞口SW処理(S205)、特別図柄処理(S206)、普通図柄処理(S207)、大入賞口処理(S208)、電チュー処理(S209)、賞球処理(S210)、及び、出力処理(S211)を繰り返して行う。
[乱数更新処理]乱数更新処理(S201)では、図示しないが、メイン制御部60は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たり図柄の種類(15R通常図柄、15R確変図柄、または2R潜確図柄)を決めるための大当たり図柄乱数、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出においてリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択するか否かを決めるためのリーチ乱数、どの特別図柄変動時間とするかを決定する変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当たり乱数、当たり図柄の種類(長開放図柄、短開放図柄、又は、ハズレ図柄)を決めるための当たり図柄乱数等を更新する乱数更新処理を行う。
[始動口SW処理]
始動口SW処理(S202)では、図4に示すように、メイン制御部60は、第1始動口SW22aがONしたか否かを判定し(S301)、ONしていなければステップS308に進み、ONしていれば、第1特図保留記憶部63aに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第1始動口保留カウンタの値U1が、上限値の4未満か否かを判定する(S302)。4未満でない場合はステップS308に進み、4未満の場合は、各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得し第1特図保留記憶部63aに格納して(S303)、U1に1を加算する(S304)。
ステップS305では、格納した各種乱数に基づいて、大当たり判定、大当たり図柄判定、変動パターン判定の事前判定(先読み判定)処理を行い(S305)、事前判定情報(事前判定の結果)を含む事前判定結果コマンドをセットするとともに(S306)、第1保留数増加コマンドをセットして(S307)、ステップS308に進む。
ステップS308では、メイン制御部60は第2始動口SW23aがONしたか否かを判定し、ONしていなければ始動口SW処理を終え、ONしていれば、第2特図保留記憶部63bに記憶されている大当たり乱数の個数を数える第2始動口保留カウンタの値U2が、上限値の4未満か否かを判定する(S309)。4未満でない場合は始動口SW処理を終え、4未満の場合は、各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得し第2特図保留記憶部63bに格納して(S310)、U2に1を加算する(S311)。
ステップS312では、格納した各種乱数に基づいて、大当たり判定、大当たり図柄判定、変動パターン判定の事前判定(先読み判定)処理を行い(S312)、事前判定情報(事前判定の結果)を含む事前判定結果コマンドをセットするとともに(S313)、第2保留数増加コマンドをセットして(S314)、始動口SW処理を終える。
[事前判定処理]
ステップS305,S312の事前判定処理について説明する。メイン制御部60は、後述する大当たり判定処理(図7参照)と同様に、特図保留記憶とされた大当たり乱数に基づいて、その特図保留記憶により特別図柄変動が実行されるときの遊技状態に応じた大当たり判定テーブルを参照し、大当たりであるか否かを判定する。大当たり判定テーブルは、低確率状態であれば約1/300、高確率状態であれば約1/30の確率で大当たりとなるように構成されている。また、大当たりと判定した場合には、特図保留記憶とされた大当たり図柄乱数に基づいて、大当たり図柄決定テーブルを参照し、大当たり図柄を判定する。大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。また、ここで先読み判定した大当たり図柄を第1特図保留記憶部63a若しくは第2特図保留記憶部63bに格納しておくことにより、その特図保留記憶により特別図柄変動が実行されるときの遊技状態は把握可能である。大当たり図柄決定テーブルは、入賞種別によって、大当たりの種類が決まるように構成されている。また、後述する変動パターン選択処理(図8参照)と同様にして、特図保留記憶とされたリーチ乱数及び変動パターン乱数に基づいて特別図柄の変動パターンを選択する。
事前判定処理について、図5に基づいてさらに詳細に説明する。メイン制御部60は、特別図柄に係る遊技状態が高確率状態か否かを判定する(S305-1)。そして、高確率状態であると判定すれば、上述したように大当たりとなる確率が約1/30となるような高確率用大当たり判定テーブルを用いて、大当たり乱数により大当たりか否かを判定し、大当たりであれば、さらに、大当たり図柄決定テーブルを用いて、大当たり図柄乱数により大当たり図柄を決定する(S305-2)。上述したように、大当たり図柄決定テーブルは、入賞種別によって、大当たりの種類が決まるように構成されている。一方、特別図柄に係る遊技状態が低確率状態であると判定すれば、上述したように大当たりとなる確率が約1/300となるような低確率用大当たり判定テーブルを用いて、大当たり乱数により大当たりか否かを判定し、大当たりであれば、さらに、大当たり図柄決定テーブルを用いて、大当たり図柄乱数により大当たり図柄を決定する(S305-3)。
次に、メイン制御部60は、普通図柄に係る遊技状態が時短有りか否か、すなわち、時短状態か時短なし状態かを判定する(S305-4)。そして、時短有りと判定した場合には、時短状態用のリーチ乱数判定テーブルを用いて、リーチ乱数によりリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択するか否かの判定を行い(S305-5)、時短状態用の変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数により変動パターンを選択する(S305-6)。一方、時短なしと判定した場合には、時短なし状態用のリーチ乱数判定テーブルを用いて、リーチ乱数によりリーチ演出ができる特別図柄変動時間の変動パターンを選択するか否かの判定を行い(S305-7)、時短なし状態用の変動パターンテーブルを用いて、変動パターン乱数により変動パターンを選択する(S305-8)。変動パターンテーブルは、時短状態の場合、時短なし状態よりも、選択される変動パターンの平均変動時間が短くなるように構成されている。メイン制御部60は、以上の事前判定の結果(すなわち、大当たり乱数の事前判定の結果、大当たり図柄乱数の事前判定の結果、リーチ乱数の事前判定の結果、及び、変動パターン乱数の事前判定の結果)を、事前判定情報として記憶し(S305-9)、事前判定処理を終える。
[ゲートSW処理]ゲートSW処理(S203)では、図示しないが、メイン制御部60が、ゲートSW28aがONしたと判定したとき、普通図柄保留球数が「4」未満であることを条件として当たり乱数を取得、格納する。
[大入賞口SW処理]大入賞口SW処理(S204)では、図示しないが、大入賞口SW27aがONしていれば、大当たり遊技中又は小当たり遊技中(後述する当たり遊技フラグがON)か否かを判定して、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値に1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
[普通入賞口SW処理]普通入賞口SW処理(S205)は、図示しないが、普通入賞口SW30aがONしていれば普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
続いて、メイン制御部60は、後述する特別図柄処理(S206)、普通図柄処理(S207)、後述する大入賞口処理(S208)、電チュー処理(S209)、賞球処理(S210)、及び、出力処理(S211)を行う。
[普通図柄処理]普通図柄処理(S207)においては、図示しないが、ゲートSW処理において格納した当たり乱数が、現在の遊技状態(確変遊技状態、通常遊技状態、潜確遊技状態又は時短遊技状態)に対応して予め設定された当たり乱数値であるかハズレ乱数値であるかの判定を行うとともに、現在の遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を選択し、普通図柄表示器37に選択した変動時間だけ普通図柄を変動表示させ、変動時間が経過して普通図柄の変動表示を停止させたとき、当たり乱数が当たり乱数値である場合に補助遊技フラグをONする。補助遊技フラグがONされると、電チュー処理(S209)において、電チュー24が、現在の遊技状態に応じて設定された開時間及び回数だけ開放動作される。
[電チュー処理]電チュー処理(S209)においては、図示しないが、上述した普通図柄処理において補助遊技フラグがONされたとき、第2始動口23の電チュー24を現在の遊技状態に応じた開時間及び回数だけ開放動作する。
[賞球処理]賞球処理(S210)においては、図示しないが、遊技球の入球に応じた大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり15球)、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり10球)、及び、始動入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり3球)を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする。
[出力処理]出力処理(S211)においては、図示しないが、各種コマンドを払出制御部70及び演出制御部90に出力する。
[特別図柄処理]
特別図柄処理(S206)では、メイン制御部60は、図6に示すように、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、又は、短当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S401)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S402)。そして、変動中であればステップS411に進み、変動中でなければ、第2始動口保留カウンタの値U2又は第1始動口保留カウンタの値U1が1以上か否かを判定する(S403,S405)。そして、U2及びU1が1以上でなければ特別図柄処理を終え、U2又はU1が1以上であればU2又はU1から1を減算して(S404,S406)、ステップS303又はS310で格納しておいた大当たり乱数を用いて後述する大当たり判定処理(S407)を行い、次いで、後述する変動パターン選択処理を行う(S408)。
その後、メイン制御部60は、第1特別図柄表示器39aまたは第2特別図柄表示器39bにおいて特別図柄の変動を開始し(S409)、変動開始コマンドをセットして(S410)、ステップS411に進む。ステップS411では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理を終えるが、経過していれば特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を確定表示し(S412)、変動停止コマンドをセットする(S413)。そして、後述する停止中処理(S414)を行って、特別図柄処理を終える。
[大当たり判定処理]
大当たり判定処理(S407)では、メイン制御部60は、図7に示すように、遊技状態に応じた大当たり判定用テーブルを用いて、大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行う(S501)。そして、大当たりであれば(S502でYES)、ステップS303又はステップS310で格納しておいた大当たり図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを判定し(S503)、その大当たり図柄をセットする(S504)。大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる。一方、大当たり乱数が大当たりでないが(S502でNO)、小当たりであれば(S505でYES)、小当たり図柄をセットする(S506)。小当たりでもなければ(S505でNO)、ハズレ図柄をセットする(S507)。
[変動パターン選択処理]
変動パターン選択処理(S408)では、メイン制御部60は、図8に示すように、直前の大当たり判定処理(図6参照)で大当たりと判定していれば(S601でYES)、変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルをセットし(S602)、小当たりと判定していれば(S601でNO、S603でYES)、変動パターンテーブルとして小当たり用テーブルをセットする(S604)。大当たりでも小当たりでもない場合には(S603でNO)、リーチ乱数判定テーブルを参照してステップS303又はS310で格納しておいたリーチ乱数が、リーチ演出ができる特別図柄変動時間であることを示すものであるか否かの判定を行い(S605)、リーチ演出ができる特別図柄変動時間である場合は(S606でYES)、変動パターンテーブルとしてリーチハズレ用テーブルをセットし(S607)、リーチ演出ができる特別図柄変動時間でない場合は(S606でNO)、変動パターンテーブルとしてバラハズレ用テーブルをセットする(S608)。ここで、バラハズレとは、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、特別図柄の変動終了に伴って、装飾図柄をリーチ状態としないで確定停止させることにより表示させることをいう。装飾図柄のリーチ状態とは、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、左装飾図柄、中装飾図柄、右装飾図柄と3つある装飾図柄のうちの2つを同じ装飾図柄で微小動作をともなう仮停止表示させた状態をいう。そして、特別図柄の変動時間が終了することに伴って装飾図柄の変動時間が終了して、装飾図柄が確定的に停止することを確定停止といい、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄の変動時間内(特別図柄の変動時間内)における微小動作をともなう仮停止表示させた状態を仮停止状態という。各装飾図柄は、例えば「1」〜「9」までの数字を装飾した図柄などから構成される。
次に、メイン制御部60は、上記のようにセットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS303又はステップS310で格納しておいた変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い(S609)、その変動パターン乱数が示す変動パターンをセットする(S610)。変動パターンには変動時間を示す情報が含まれている。
また、変動パターン乱数は、例えば、0〜99までの値をとり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか小当たりであるかハズレであるか、大当たりである場合は大当たり図柄の種類が何であるか、ハズレである場合はリーチハズレであるかバラハズレであるか、によって異なる変動パターンテーブルを参照して判定されて、変動パターンの中から1つの変動パターンを決めるための乱数である。
図16〜18、21〜23に基づいて、変動パターンテーブルについて説明する。図16に示す、大当たり用変動パターンテーブルは、大当たり判定処理で大当たりと判定された場合(S502でYESの場合)に選択される変動パターンすなわち、ステップS602でセットされる大当たり用テーブルであり、低確率かつ時短なし状態(通常遊技状態)における第1始動口22への入賞に対して用いられるもので、特別図柄判定結果と、大当たり図柄と、変動パターン乱数と、変動パターンと、特別図柄変動時間と、が対応付けられている。また、内容(演出の内容)、選択率は、大当たり用変動パターンテーブルの情報ではないが、理解を容易にするため参考として記載している。
図16に示す大当たり用変動パターンテーブルでは、特別図柄判定結果が、15R確変大当たりでは、大当たり図柄として図柄Aが選択され、15R通常大当たりでは、図柄Bが選択され、2R潜確大当たりでは、図柄Cが選択される。変動パターン乱数は、乱数の値の範囲が0〜99に設定されている。15R確変大当たりでは、変動パターン乱数の値が0〜44のときに変動パターンPA1−1が選択され、変動パターンPA1−1は選択率45%とされ、変動パターン乱数の値が45〜79のときに変動パターンPA1−2が選択され、変動パターンPA1−2は選択率35%とされ、変動パターン乱数の値が80〜89のときに変動パターンPA1−3が選択され、変動パターンPA1−3は選択率10%とされ、変動パターン乱数の値が90〜98のときに変動パターンPA1−4が選択され、変動パターンPA1−4は選択率9%とされ、変動パターン乱数の値が99のときに変動パターンPA1−5が選択され、変動パターンPA1−5は選択率1%とされている。
15R通常大当たりでは、選択される変動パターンは15R確変大当たりと同じであるが、変動パターン乱数の値が0〜29のときに変動パターンPA1−1が選択され、変動パターンPA1−1は選択率30%とされ、変動パターン乱数の値が30〜59のときに変動パターンPA1−2が選択され、変動パターンPA1−2は選択率30%とされ、変動パターン乱数の値が60〜77のときに変動パターンPA1−3が選択され、変動パターンPA1−3は選択率18%とされ、変動パターン乱数の値が78〜94のときに変動パターンPA1−4が選択され、変動パターンPA1−4は選択率17%とされ、変動パターン乱数の値が95〜99のときに変動パターンPA1−5が選択され、変動パターンPA1−5は選択率5%とされ、15R確変大当たりとは、変動パターンの選択率が異なっている。
2R潜確大当たりでは、変動パターン乱数の値が0〜73のときに変動パターンPA1−6が選択され、変動パターンPA1−6は選択率74%であり、変動パターン乱数の値が74〜88のときに変動パターンPA1−7が選択され、変動パターンPA1−7は選択率15%であり、変動パターン乱数の値が89〜98のときに変動パターンPA1−8が選択され、変動パターンPA1−8は選択率10%であり、変動パターン乱数の値が99のときに変動パターンPA1−9が選択され、変動パターンPA1−9は選択率1%とされる。特別図柄変動時間は、変動パターンPA1−1が160秒、変動パターンPA1−2が150秒、変動パターンPA1−3が110秒、変動パターンPA1−4が100秒、変動パターンPA1−5が30秒、変動パターンPA1−6が45秒、変動パターンPA1−7が40秒、変動パターンPA1−8が35秒、変動パターンPA1−9が30秒とされている。
図21に示される大当たり用変動パターンテーブルは、高確率かつ時短状態(確変遊技状態)における第2始動口23への入賞に対して用いられるものである。図16の大当たり用変動パターンテーブルに対して、2R潜確大当たりの欄が無く、変動パターンがPA2−1等と表記される以外は同様であるので詳細な説明は省略する。
図17に示されるリーチハズレ用変動パターンテーブルは、大当たり判定処理ではずれと判定され、リーチ乱数判定処理でリーチ演出ができる特別図柄変動時間であると判定された場合(S601でNO、S603でNO、S606でYESの場合)に選択される変動パターンすなわち、ステップS607でセットされるリーチハズレ用テーブルであり、特別図柄判定結果と、変動パターン乱数と、変動パターンと、特別図柄変動時間と、が対応付けられている。また、内容(演出の内容)、選択率は、リーチハズレ用変動パターンテーブルの情報ではないが、理解を容易にするため参考として記載している。
図17に示すリーチハズレ用変動パターンテーブルでは、変動パターン乱数は、乱数の値の範囲が0〜99に設定されている。変動パターン乱数の値が0〜4のときに変動パターンPR1−1が選択され、変動パターンPR1−1は選択率5%とされ、変動パターン乱数の値が5〜11のときに変動パターンPR1−2が選択され、変動パターンPR1−2は選択率7%とされ、変動パターン乱数の値が12〜24のときに変動パターンPR1−3が選択され、変動パターンPR1−3は選択率13%とされ、変動パターン乱数の値が25〜39のときに変動パターンPR1−4が選択され、変動パターンPR1−4は選択率15%とされ、変動パターン乱数の値が40〜99のときに変動パターンPR1−5が選択され、変動パターンPR1−5は選択率60%とされている。特別図柄変動時間は、変動パターンPR−1が158秒、変動パターンPR1−2が148秒、変動パターンPR1−3が98秒、変動パターンPR1−4が78秒、変動パターンPR1−5が28秒とされている。
図22に示されるリーチハズレ用変動パターンテーブルは、高確率かつ時短状態(確変遊技状態)における第2始動口23への入賞に対して用いられるものである。図17のリーチハズレ用変動パターンテーブルに対して、変動パターンがPR2−1等と表記される以外は同様であるので詳細な説明は省略する。
図18に示されるバラハズレ用変動パターンテーブルは、リーチ乱数判定処理でリーチ演出ができる特別図柄変動時間ではないと判定された場合(S606でNOの場合)に選択される変動パターンすなわち、ステップS608でセットされるバラハズレ用テーブルであり、特別図柄判定結果と、変動パターン乱数と、保留数と、変動パターンと、特別図柄変動時間と、が対応付けられている。そして、バラハズレになる場合には、保留数に応じて変動パターンが選択されるように構成されている。また、内容(演出の内容)、選択率は、バラハズレ用変動パターンテーブルの情報ではないが、理解を容易にするため参考として記載している。
第1始動口22への入賞の保留数が0〜2個の場合には変動時間8秒の変動パターンPH1−3、変動時間13秒の変動パターンPH1−4、保留数が3個の場合には変動時間4秒の変動パターンPH1−1、変動時間7秒の変動パターンPH1−2、が選択される。
変動パターン乱数は、第1始動口22への入賞の保留数が0〜2個の場合と、保留数が3個の場合と、に分けられてそれぞれ乱数の値の範囲が0〜99となるように設定されている。保留数が3個の場合では、変動パターン乱数の値が0〜89のときに変動パターンPH1−1が選択され、変動パターンPH1−1は選択率90%とされ、変動パターン乱数の値が90〜99のときに変動パターンPH1−2が選択され、変動パターンPH1−2は選択率10%とされる。保留数が0〜2個の場合では、変動パターン乱数の値が0〜69のときに変動パターンPH1−3が選択され、変動パターンPH1−3は選択率70%とされ、変動パターン乱数の値が70〜99のときに変動パターンPH1−4が選択され、変動パターンPH1−4は選択率30%とされている。
なお、第1始動口22への入賞と第2始動口23への入賞のそれぞれにつき、記憶される特図保留記憶の個数(保留数)は、最大4個記憶されることがあるが、特別図柄の変動パターンは、特別図柄処理において保留数から1を減算したあとに決定されるので(S206,S404,S406,図6参照)、保留数は0〜3となる。
図23に示されるバラハズレ用変動パターンテーブルは、高確率かつ時短状態(確変遊技状態)における第2始動口23への入賞に対して用いられるもので、特別図柄判定結果と、変動パターン乱数と、保留数と、変動パターンと、特別図柄変動時間と、が対応付けられている。また、内容(演出の内容)、選択率は、バラハズレ用変動パターンテーブルの情報ではないが、理解を容易にするため参考として記載している。
この場合、第2始動口23への入賞の保留数が0個の場合には変動時間8秒の変動パターンPH2−3、変動時間13秒の変動パターンPH2−4、保留数が1〜3個の場合には変動時間3秒の変動パターンPH2−1、変動時間6秒の変動パターンPH2−2、が選択される。
変動パターン乱数は、第2始動口23への入賞の保留数が0個の場合と、保留数が1〜3個の場合と、に分けられてそれぞれ乱数の値の範囲が0〜99となるように設定されている。保留数が1〜3個の場合では、変動パターン乱数の値が0〜89のときに変動パターンPH2−1が選択され、変動パターンPH2−1は選択率90%とされ、変動パターン乱数の値が90〜99のときに変動パターンPH2−2が選択され、変動パターンPH2−2は選択率10%とされる。保留数が0個の場合では、変動パターン乱数の値が0〜29のときに変動パターンPH2−3が選択され、変動パターンPH2−3は選択率30%とされ、変動パターン乱数の値が30〜99のときに変動パターンPH2−4が選択され、変動パターンPH2−4は選択率70%とされている。
なお、図示はしないが、低確率状態かつ時短状態(時短遊技状態)、高確率状態かつ時短なし状態(潜確遊技状態)、高確率状態かつ時短状態(確変遊技状態)、における第1始動入賞に対して用いられる変動パターンテーブルも設けられている。また、低確率状態かつ時短状態(時短遊技状態)、高確率状態かつ時短なし状態(潜確遊技状態)、低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態)、における第2始動入賞に対して用いられる変動パターンテーブルも設けられている。また、一部又は全部の遊技状態において、共通の変動パターンテーブルを設け、参照することも可能である。
図19、20、24、25は、変動パターンに対応して一義的に決定された変動演出パターンテーブルであり、変動パターンと変動演出パターンとの対応関係が示され、変動演出パターンの演出の内容として、疑似連続演出の回数、開始時アクションの有無、ノーマルリーチ演出の種別、SPリーチ演出の種別、SPSPリーチ演出の種別、仮停止時アニメーションの有無、が示されている。なお、演出の内容における、回数、種別、演出の有無等は、適宜変更することができる。
図19は大当たり用の、図20はハズレ用の、変動演出パターンテーブルで、低確率かつ時短なし状態(通常遊技状態)における第1始動口22への入賞に対して用いられるものである。また、図24は大当たり用の、図25はハズレ用の、変動演出パターンテーブルで、高確率かつ時短状態(確変遊技状態)における第2始動口23への入賞に対して用いられるものである。
演出の内容として、「疑似連続演出の回数」とは、「疑似連続予告の実行回数」を意味しており、「疑似連続予告」とは、1回の大当たりの抽選に対応する特別図柄の変動表示中に、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄を一旦仮停止させた後に再び変動させて、装飾図柄の変動と仮停止とを複数回行う変動態様による予告を意味している。
図19、20において、後で詳説するSPSPリーチ演出が行われる場合には、疑似連続演出が2回行われる、SPSPリーチ演出に至らない場合には、疑似連続演出が1回である。大当たりになる場合において、疑似連続演出が2回行われる選択率が高く(15R確変大当たりでは合計75%、15R通常大当たりでは合計60%)、疑似連続演出の回数が多いと大当たり期待度が高いことになる。
また、「開始時アクション」とは、図26(b)〜(d)に参照するように、全ての装飾図柄Fが確定停止している状態から、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが、順次変動開始するアクション(装飾図柄Fは通常状態では下側に変動するが、装飾図柄Fが一度上側に少し上がってから下側に変動することをいう)を行うこと意味している。すなわち、開始時アクションは、特別図柄の変動開始に伴って、装飾図柄が変動開始する際に行われる演出である。図19、20、24、25において、符号OAで示され、アクションの有無を「有」、「無」で示している。
開始時アクションは、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動の開始を認識し易くするものであって、大当たり抽選の結果が大当たりであるか小当たりであるかハズレであるか、ハズレである場合はリーチハズレであるかバラハズレであるか、に拘らず行うことができる演出である。
そして、演出するための条件を設けて、例えば、開始時アクションがある場合には、少なくともリーチ状態となることを遊技者に認識させる演出態様とすることで、開始時アクションが出現すると大当たりへの期待度が高いことを遊技者に認識させることが可能となる。
また、「ノーマルリーチ演出」とは、図30−1(f)に参照するように、3つの装飾図柄Fのうち、左右の装飾図柄、すなわち、左図柄LFと右図柄RFが同一の装飾図柄で仮停止することがリーチであり、リーチ成立後に、例えば、図30−1(h)に参照するように、左図柄LFと右図柄RFを仮停止させた状態で、中図柄CFのみが変動する、大当たりの期待度が低いリーチ演出を意味している。図19、20、24、25において、符号N1、N2等で示され、数字が異なると異なる演出となる。
そして、例えば、背景が赤色だと、N1、背景が青色だとN2となる。また、N1が出現する場合には、N2、3が出現する場合より、特別図柄変動時間が長く設定されるというように、Nの番号に応じて大当たりへの期待度が異なるようにされている。図16、17を参照すると、ノーマルリーチ演出止まりの場合には、大当たりになる場合において、ノーマルリーチ演出止まりの選択率は低く(例えば、15R確変大当たりでは1%、15R通常大当たりでは5%)、リーチハズレになる場合においてノーマルリーチ演出止まりの選択率は高く(60%)、ノーマルリーチ演出止まりであると、大当たり期待度が低いことになる。
また、「SPリーチ演出」とは、ノーマルリーチ演出の後に行われ、ノーマルリーチ演出よりも大当たりの期待度が高いスーパーリーチ演出を意味している。図19、20、24、25において符号SP1、SP2等で示される。SP1とSP2とでは、登場するキャラクタが異なる演出とされ、また、SP1が出現する場合には、SP2が出現する場合より、特別図柄変動時間が長く設定され、大当たりへの期待度が高くなるようにされている。
図16、17を参照すると、SPリーチ演出止まりの場合には、大当たりになる場合において、SPリーチ演出止まりの選択率は中程度で(例えば、15R確変大当たりでは合計19%、15R通常大当たりでは35%)、リーチハズレになる場合においてもSPリーチ演出止まりの選択率は中程度で(合計28%)、SPリーチ演出止まりであると、大当たり期待度が中程度となる。
また、「SPSPリーチ演出」とは、スーパーリーチ演出の後に行われ、スーパーリーチ演出よりも大当たりの期待度が高いスペシャルリーチ演出を意味している。図19、20、24、25において符号SPSP1、SPSP2等で示される。SPSP1とSPSP2とでは、ストーリ展開が異なり、また、SPSP1が出現する場合には、SPSP2が出現する場合より、特別図柄変動時間が長く設定され、大当たりへの期待度が高くなるようにされている。
図16、17を参照すると、SPSPリーチ演出が行われる場合には、大当たりになる場合において、選択率が高く(15R確変大当たりでは合計80%、15R通常大当たりでは合計60%)、リーチハズレになる場合においてSPSPリーチ演出の選択率は低く(合計で12%)、SPSPリーチが出現すると大当たり期待度が高いことになる。
また、「仮停止時アニメーション」とは、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動を開始し、全ての装飾図柄Fが高速変動となり、全ての装飾図柄Fの高速変動が終了して、装飾図柄Fが確定停止する際の仮停止時に、少なくとも一部の装飾図柄Fの装飾部FDにおいて、キャラクタが動くアニメーション等が行われることを意味している。すなわち、仮停止時アニメーションは、特別図柄の変動停止に伴って、装飾図柄Fの変動が確定停止する際に行われる演出である。図19、20、24、25において、符号EAで示され、アニメーションの有無を「有」、「無」で示している。
仮停止時アニメーションは、特別図柄変動の停止に伴う装飾図柄変動の確定停止を認識し易くするものであって、大当たり抽選の結果が大当たりであるか小当たりであるかハズレであるか、ハズレである場合はリーチハズレであるかバラハズレであるか、に拘らず行うことができる演出である。
そして、演出するための条件を設けて、例えば、図18に参照するように、リーチ状態とならないバラハズレの場合において、比較的特別図柄変動時間が長い場合に(8秒、13秒)仮停止時アニメーションは出現し、アニメーションが行われている装飾図柄Fで確定停止することを示唆することが可能である。
なお、仮停止時アニメーションと類似する演出として、図30−1(g)等に示されるようなリーチ成立演出がある。リーチ成立演出は、リーチ状態となったときに、仮停止した少なくとも一部の装飾図柄Fの装飾部FDにおいて、キャラクタが動くアニメーション等が行われることを意味している。すなわち、リーチ成立演出は、リーチが成立したこと、リーチ演出が開始すること、を報知する演出である。
内容について説明すると、例えば、図20に示される変動演出パターンER1−1では、変動パターンPR1−1に対応して一義的に決定され、装飾図柄変動演出において、疑似連続演出が2回行われることを示し、開始時アクション、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、が行われ、仮停止時アニメーションは行われないことを示している。変動演出パターンER1−1においては、後述する演出例において、リーチ成立後に行われる、図30−1(g)等に示されるようなリーチ成立演出と、仮停止時アニメーションとは同様な演出となるので、仮停止時アニメーションを行わない事としている。
また、変動演出パターンER1−5では、変動パターンPR1−5に対応して一義的に決定され、装飾図柄変動演出において、疑似連続演出が1回行われることを示し、開始時アクション、ノーマルリーチ演出、が行われ、仮停止時アニメーションは行われないことを示している。
また、変動演出パターンEH1−1では、変動パターンPH1−1に対応して一義的に決定され、装飾図柄変動演出において、疑似連続演出、開始時アクション、ノーマルリーチ演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出、仮停止時アニメーションは行われないことを示している。変動演出パターンEH1−1では、特別図柄変動時間が4秒と短いので、装飾図柄Fの高速変動の時間を確保するため、開始時アクション、仮停止時アニメーションは行われない。
また、変動演出パターンEH1−4では、変動パターンPH1−4に対応して一義的に決定され、装飾図柄変動演出において、開始時アクション、仮停止時アニメーションのみが行われることを示している。
[停止中処理]
停止中処理(S414)では、メイン制御部60は、図9に示すように、時短状態否かを判定し(S701)、時短状態でない場合はステップS705に進むが、時短状態の場合は、時短状態中の特別図柄の変動回数を数える時短変動カウンタの値Jを1減算し(S702)、Jが0であれば時短なしフラグをONしてステップS705に進み(S703, S704)、Jが0でなければステップS705に進む(S703)。
ステップS705では、メイン制御部60は、高確率状態か否かを判定し(S705)、高確率状態でない場合はステップS709に進むが、高確率状態の場合は、高確率状態中の特別図柄の変動回数を数える高確率変動カウンタの値Xを1減算し(S706)、Xが0であれば低確率フラグをONしてステップS709に進み(S707, S708)、Xが0でなければステップS709に進む(S707)。
ステップS709では、メイン制御部60は、大当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が大当たり図柄か否か)を判定し、大当たりである場合は(S709でYES)、その大当たりが長当たりであるか否か判定する(S710)。長当たりである場合は、長当たり遊技フラグをセットし(S711)、一方、長当たりでない場合は、短当たりであるので、短当たり遊技フラグをセットする(S712)。そして、高確率変動カウンタの値X又は時短変動カウンタの値J及び高確率変動カウンタの値Xをゼロクリアするとともに(S713)、時短なしフラグ、低確率フラグをONして(S714)、ステップS717に進む。
一方、大当たりでない場合は(S709でNO)、メイン制御部60は、小当たりか否か(即ち、停止した特別図柄が小当たり図柄か否か)を判定し(S715)、小当たりでない場合には停止中処理を終え、小当たりである場合には、小当たり遊技フラグをONして(S716)、ステップS717に進む。
ステップS717では、メイン制御部60は、当たり遊技(大当たり遊技又は小当たり遊技)のオープニングを開始するとともに(S717)、オープニングコマンドをセットして(S718)、停止中処理を終える。
[大入賞口処理]
大入賞口処理(S208)では、メイン制御部60は、図10に示すように、まず、当たり遊技フラグがONか否かを判定し(S801)、ONでなければ大入賞口処理を終えるが、ONであれば、オープニング中であるか否かを判定する(S802)。オープニングとは、当たり遊技の開始から第1ラウンドの開始までの期間をいう。メイン制御部60は、オープニング中と判定した場合には、オープニング時間が経過したか否かを判定し(S803)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば、当たりの種類に応じた最大R数(ラウンド数)と作動パターンとを設定する(S804)。そして、入賞個数カウンタの値Cをゼロクリアし(S805)、ラウンドカウンタの値Rに1を加算し(S806)、大入賞口27の作動(開放)を開始する(S807)。
次に、メイン制御部60は、大入賞口27の作動時間(1ラウンドにおける総開放時間。実施形態では、1ラウンドにおける総開放時間が、長当たりであれば29.5秒、短当たりであれば0.1秒、小当たりであれば一回の小当たりにおける総開放時間)が経過したか否かを判定し(S808)、経過していれば大入賞口27を閉口し(S810)、経過していなければ、入賞個数カウンタの値Cが規定個数(実施形態では、1ラウンドにおける入賞個数が9個)であるか否かを判定して(S809)、規定個数でなければ大入賞口処理を終え、規定個数であれば大入賞口27を閉口する(S810)。
そして、メイン制御部60は、ラウンドカウンタの値Rが最大R数であるか否かを判定し(S811)、最大R数でなければ、インターバル時間の計測を開始して(S822)、大入賞口処理を終え、最大R数であれば、エンディングを開始して(S812)、エンディングコマンドをセットし(S813)、ラウンドカウンタの値Rをゼロクリアする(S814)。エンディングとは、最終ラウンドの終了から当たり遊技の終了までの期間をいう。次に、メイン制御部60は、エンディング時間が経過したか否かを判定し(S819)、経過していなければ大入賞口処理を終え、経過していれば後述する遊技状態設定処理を行って(S820)、当たり遊技フラグをOFFする(S821)。
一方、メイン制御部60は、ステップS802においてオープニング中でないと判定したときは、大入賞口27がエンディング中であるか否かを判定し(S815)、エンディング中であればステップS819に移行し、エンディング中でなければ、インターバル中であるか否かを判定する(S816)。そして、インターバル中でないと判定したときは、ステップS818に進み、インターバル中と判定したときは、インターバル時間が経過したかを判定し(S817)、経過していれば、ステップS818に進み、経過してなければ大入賞口処理を終える。ステップS818では、メイン制御部60は、大入賞口27の作動中か否かを判定して、作動中でなければステップS805に移行し、作動中であればステップS808に移行する。
[遊技状態設定処理]
遊技状態設定処理(S820)では、メイン制御部60は、図11に示すように、終了する当たり遊技が、小当たりであれば(S901でYES)、遊技状態を遷移させないので遊技状態設定処理を終え、15R通常大当たりであれば(S902でYES)、時短変動カウンタの値Jを100とし、時短遊技状態に遷移させるため低確率フラグ及び時短フラグをONして(S903)、遊技状態設定処理を終える。また、終了する当たり遊技が、15R確変大当たりであれば(S904でYES)、高確率変動カウンタの値Xを10000とするとともに時短変動カウンタの値Jを10000とし、確変遊技状態に遷移させるため高確率フラグ及び時短フラグをONして(S905)、遊技状態設定処理を終え、2R潜確大当たりであれば(S904でNO)、高確率変動カウンタの値Xを10000とし、潜確遊技状態に遷移させるため高確率フラグ及び時短なしフラグをONして(S906)、遊技状態設定処理を終える。
≪演出制御部での処理≫
以上のメイン制御部60における処理と並行して、サブ制御部85の演出制御部90では図12〜15に示すようなサブ側メイン処理とサブ側タイマ割込処理を行う。
[サブ側メイン処理]
演出制御部90は、図12に示すように、まず、起動時に初期設定を行い(S1001)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1002)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しつつ(S1003)、タイマ割り込み処理を受け付ける。
[サブ側タイマ割込処理]
演出制御部90は、図13に示すようなサブ側タイマ割込処理を例えば1msecといった短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、コマンド受信処理(S1101)と、演出ボタン処理(S1102)と、コマンド受信処理及び演出ボタン処理でセットしたコマンドを画像音響制御部95やランプ制御部100に送信するコマンド送信処理(S1103)とを行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像音響制御部95やランプ制御部100は、各種演出装置(画像表示部20、スピーカ48、枠ランプ49、盤ランプ50、及び、可動役物装置130)を用いて各種演出(装飾図柄変動演出、大当たり演出、操作演出等)を実行する。
[コマンド受信処理]
コマンド受信処理(S1101)では、演出制御部90は、図14に示すように、メイン制御部60から事前判定結果コマンド(S306,S313参照)を受信したか否かを判定し(S1201)、受信していなければステップS1205に進み、受信していれば、メイン制御部60から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンドまたは第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定し(S1202)、受信していなければステップS1205に進み、受信していれば、第1保留数増加コマンドであれば第1保留数を、第2保留数増加コマンドであれば第2保留数を加算し(S1203)、その保留数を表示画面20aに表示させるための保留数コマンドをセットする(S1203)。次いで、演出制御部90は、図示しないが、事前判定結果コマンド及び保留増加コマンドに基づいて、表示画面20aにどのような保留アイコンを表示させるかを選択する先読み演出選択処理を行う(S1204)。
次に、演出制御部90は、メイン制御部60から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1205,S1206)、変動停止コマンドを受信していれば変動演出終了中処理を行う(S1207,S1208)。そして、演出制御部90は、オープニングコマンドを受信していれば、当たり演出選択処理を行い(S1209,S1210)、エンディングコマンドを受信していれば、エンディング演出選択処理を行う(S1211,S1212)。続いて、演出制御部90は、客待ちコマンド受信処理を行って(S1213)、コマンド受信処理を終える。
[演出選択処理]
演出選択処理(S1206)では、演出制御部90は、図15に示すように、まず、メイン制御部60から受信した変動開始コマンドを解析するとともに(S1301)、演出モードを示すモードフラグを参照する(S1302)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選において選択された特別図柄及び変動パターンを示す情報が含まれている。また、演出モードとは、画像表示部20における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景画像が異なる等、画像表示部20に表示される画像が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが実行される。例えば、演出モードには、時短遊技状態であることを示す時短モード、確変遊技状態であることを示す確変モード、潜確遊技状態であることを示唆する潜確モード、通常遊技状態であることを示す通常モードなどがある。ここで、各モード中に実行される背景画像等の演出を、それぞれ、時短モード演出、確変モード演出、潜確モード演出、通常モード演出という。
続いて、演出制御部90は、保留数を1減算してその保留数を表示画面20aに表示させるための保留数コマンドをセットする保留数減算処理を行う(S1303)。そして、解析した変動開始コマンド及び参照した演出モードに基づいて、変動演出パターンテーブルをセットし、セットした変動演出パターンテーブルを参照して、変動演出パターンを選択する(S1304)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出などを含めて装飾図柄変動演出としてどのような演出を行うかが決定される。ついで、S1304において選択された変動演出パターンを参照して、演出ボタン装置108の操作を指示するか否か、そして、その指示に基づく操作に対応する操作演出を表示する操作演出選択処理(S1305)を行い、さらに、選択した変動演出パターンにて装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットし(S1306)、演出選択処理を終了する。
[変動演出終了中処理]変動演出終了中処理(S1208)においては、図示しないが、演出制御部90は、受信した変動停止コマンド(S1207)を解析し、当たりの場合は、上限継続回数を設定し直してモードフラグを変更し、ハズレの場合は、現在のモードの上限継続回数に到達するまで「1」を減算し、変動演出終了コマンドをセットする。上限継続回数に到達して「0」となれば、通常モードに戻すためにモードフラグを0として、変動演出終了コマンドをセットする。
[当たり演出選択処理]当たり演出選択処理(S1210)においては、演出制御部90は、図示しないが、オープニングコマンドを解析し(S1209)、当たり演出パターンを選択し、オープニング演出開始コマンドをセットする。
[エンディング演出選択処理]エンディング演出選択処理(S1212)においては、演出制御部90は、図示しないが、エンディングコマンドを解析し(S1211)、エンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットする。
[客待ちコマンド受信処理]客待ちコマンド受信処理(S1213)においては、図示しないが、演出制御部90は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し、客待ちコマンドを受信すると、客待ち時間の計測を開始し、タイムアップすると客待ち演出コマンドをセットする処理などを行う。
[演出ボタン処理]
演出ボタン処理(S1102)では、演出制御部90は、演出ボタン検出SWからの信号により、演出ボタン115が操作されたか否か、換言すれば、演出ボタン115から、ON信号 、OFF信号が出力されているか否かを判定する。演出ボタン115が操作されていれば演出ボタンコマンドをセットし、処理を終える。
S1102でセットした演出ボタンコマンドは、コマンド送信処理(S1103)において、演出制御部90から画像音響制御部95やランプ制御部100に送信される。
[操作演出選択処理]
操作演出選択処理では、図示しないが、演出制御部90は、まず、直前の変動演出パターン選択処理において選択された変動演出パターンを参照し、選択された変動演出パターンに演出ボタン115の操作を基準とする操作演出が含まれていれば、操作演出選択処理を行なって、処理を終え、操作演出が含まれていなければ、操作演出選択処理を行うことなく処理を終える。
(6)実施形態のパチンコ遊技機の演出例
特別遊技判定手段としてのメイン制御部60は、遊技者の発射した遊技球が例えば第1始動口22に入賞して、第1始動口SW22aがONし、始動口SW処理(S202,S301〜S314、図4参照)により取得した大当たりに関する乱数に基づき、特別図柄処理(S206、図6参照)の大当たり判定処理(S407,S501〜S507、図7参照)において、大当たりか否かを判定し、また、特別図柄変動の変動時間も、特別図柄処理(S206、図6参照)の変動パターン選択処理(S408,S601〜S610、図8参照)において設定する。
そして、サブ制御部85における演出制御手段を構成する演出制御部90は、これらの大当たり判定及び変動パターンに関するコマンドを受信し(コマンド受信処理S1101,S1201〜S1213、図13,14参照)、変動パターンに対応して一義的に決定される変動演出パターンを選択する(演出選択処理S1206,S1301〜S1306、図15参照)。選択された変動演出パターンに基づいて、特別図柄変動に伴って装飾図柄変動演出が行われる。
装飾図柄Fは、図26〜33−2に参照するように、左図柄LF、中図柄CF、右図柄RFで構成される。そして、左図柄LF、中図柄CF、右図柄RFは、図26の(a)等に示すように、確定停止した時を基本状態とすると、数字が表示される数字部FNと、キャラクタが表示される装飾部FDと、でそれぞれ構成される。
装飾図柄Fは、図32−2(i)等に示すように、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出の演出中においては、演出を視認する際に妨げとならないように、基本状態より縮小された数字部FNのみの表示となる。詳説すれば、縮小された左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動する状態となる。また、装飾図柄Fは、図30−2(i)等に示すように、Nリーチ(ノーマルリーチ)演出、SPリーチ演出、SPSPリーチ演出の終了に近づくと、基本状態より拡大された数字部FNのみの表示となる。詳説すれば、拡大された左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動した状態となる。
装飾部FDは、図27等に示すように、選択された、変動演出パターンに応じて、表示されるキャラクタが、アニメーションを行なったり(動画状態)、行わなかったりする(静止画状態)。
1.低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態、第一の遊技状態に相当する)第1始動口22への入賞に基づく特図保留記憶の場合の装飾図柄変動演出
(1)バラハズレ 保留数0〜2の場合
図18、20における、変動パターンのPH1−4、変動演出パターンEH1−4が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図26の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示されている。このとき、左図柄LF、中図柄CF、右図柄RFは、数字部FNと、装飾部FDとが表示された状態となっている。
そして、図26の(b)〜(e)に示すように、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。
換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行うことになる(図18、20におけるOAに相当する)。この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図26の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、装飾図柄Fが、順に微小動作をともなって仮停止する。図26(f)では、左図柄LF、右図柄RFが仮停止した状態となっている。
その後、図26の(g)に示すように、全ての装飾図柄Fは、数字部FNと、装飾部FDとが表示され、微小動作をともなう仮停止状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり微小動作を行っているため、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。
そして、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右方向において反対側に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる(図18、20におけるEAに相当する。以下において確定停止前の仮停止時アニメーションともいう)。換言すれば、全ての装飾図柄Fの高速変動が終了したあとの仮停止状態のときに、仮停止時アニメーションが行われる。仮停止時アニメーションは、特別図柄変動の停止に伴う装飾図柄変動の確定停止を認識し易くするものである。
また、本演出例では、特別図柄変動時間が13秒と比較的長いので、仮停止時アニメーションを出現させて、アニメーションが行われている装飾図柄Fで確定停止することを示唆することとしている。
そして、図26の(h)に示すように、装飾図柄Fは、微小動作が終了して、左図柄LFと右図柄RFと中図柄CFの数字部FNの数字が全て異なる状態で確定停止するとともに、装飾部FDも確定停止する。装飾図柄Fが、確定停止することで、特別図柄の変動停止に伴って、装飾図柄Fの変動が終了したことを遊技者に報知する。
(2)バラハズレ 保留数3の場合
この場合、図18、20における、変動パターンのPH1−1、変動演出パターンEH−1が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図27の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、変動を開始する。このとき、図27の(b)に示すように、全ての装飾図柄F(左図柄LF、中図柄CF、右図柄RF)が一斉に下方に高速で移動する。換言すれば、並行して行われる特別図柄の変動時間が4秒と短いので、装飾図柄の高速変動の時間を確保するため、変動開始時に装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行なわないことになる。
そして、図27の(c)に示す、全ての装飾図柄Fが高速変動する状態から、図27(d)に示すように、全ての装飾図柄Fは、微小動作をともなう仮停止状態となる。このとき、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出の変動時間が短い(4秒)ため、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右方向において反対側に振り向いて人を探すアニメーションは行われない。
換言すれば、遊技者に、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄Fの変動が行われた(行われている)ことを容易に認識してもらうため、装飾図柄Fが変動している時間を多く取っているので、アニメーションは行わない。
そして、図27の(e)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄の変動停止に伴って、微小動作が終了して、左図柄LFと右図柄RFと中図柄CFの数字部FNの数字が全て異なる状態で確定停止する。
2.高確率かつ時短状態(確変遊技状態、第二の遊技状態に相当する)第2始動口23への入賞に基づく特図保留記憶の場合
(1)バラハズレ 保留数0の場合
図23、25における、変動パターンPH2−4、変動演出パターンEH2−4が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図28の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図28の(b)〜(e)に示すように、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。
換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行うことになる(図23、25におけるOAに相当する)。この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図28の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、図28(f)に示すように、装飾図柄Fが、順に微小動作をともなう仮停止した状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり微小動作を行っているため、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。
その後、図28の(g)に示すように、全ての装飾図柄Fは、微小動作をともなう仮停止状態となる。このとき、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右方向において反対側に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる(図23、25におけるEAに相当する)。
換言すれば、全ての装飾図柄Fの高速変動が終了したあとの仮停止状態のときに、仮停止時アニメーションが行われる。仮停止時アニメーションは、特別図柄変動の停止に伴う装飾図柄変動の確定停止を認識し易くするものである。
また、本演出例では、特別図柄変動時間が13秒と比較的長いので、仮停止時アニメーションを出現させて、アニメーションが行われている装飾図柄Fで確定停止することを示唆することとしている。
そして、図28の(h)に示すように、装飾図柄Fは、微小動作が終了して、左図柄LFと右図柄RFと中図柄CFの数字部FNの数字が全て異なる状態で確定停止するとともに、装飾部FDも確定停止する。装飾図柄Fが、確定停止することで、特別図柄の変動停止に伴って、装飾図柄Fの変動が終了したことを遊技者に報知する。
(2)バラハズレ 保留数1〜3の場合
この場合、図23、25における、変動パターンPH2−1、変動演出パターンEH2−1が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図29の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図29の(b)に示すように、全ての装飾図柄F(左図柄LF、中図柄CF、右図柄RF)が一斉に下方に高速で移動する。換言すれば、並行して行われる特別図柄の変動時間が3秒と短いので、装飾図柄Fの高速変動の時間を確保するため、変動開始時に装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行なわないことになる。
そして、図29の(c)に示す、全ての装飾図柄Fが高速変動する状態から、図29(d)に示すように、装飾図柄Fは、数字部FNと、装飾部FDとが表示され、微小動作をともなう仮停止状態となる。このとき、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出の変動時間が短い(3秒)ため、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右方向において反対側に振り向いて人を探すアニメーションは行われない。換言すれば、遊技者に装飾図柄Fの変動が行われた(行われている)ことを容易に認識してもらうため、装飾図柄Fが変動している時間を多く取っているので、アニメーションは行わない。
そして、図29の(e)に示すように、装飾図柄Fは、微小動作が終了して、特別図柄の変動停止に伴って、左図柄LFと右図柄RFと中図柄CFの数字部FNの数字が全て異なる状態で確定停止するとともに、装飾部FDも確定停止する。
3.低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態、第一の遊技状態に相当する)第1始動口22への入賞に基づく特図保留記憶の場合の装飾図柄変動演出
(1)Nリーチハズレの場合
この場合、図17、20における、変動パターンPR1−5、変動演出パターンER1−5が選択される。
画像表示部20の表示画面20aには、図30−1の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図30−1の(b)〜(e)に示すように、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。
換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行うことになる(図17、20における符号OAに相当する)。この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図30−1の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、疑似連続演出が1回行われ、図30−1の(f)に示すように、左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが同じ数字で微小動作をともなう仮停止状態となり、中図柄CFが変動するリーチが成立した状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり微小動作を行っているため、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。ここまでは、装飾部FDは、静止画像が表示されている(静止画状態)。
そこから、リーチ成立演出が行われる。実施形態では、図30−1の(g)に示すように、左図柄LF、右図柄RFの装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる。なお、このリーチ成立演出は、上述した確定停止前の仮停止時アニメーション(EA)と類似するものの、同一の演出ではない。以下の説明においても同様とする。
そして、ノーマルリーチ演出に移行する。実施形態では、図30−1の(h)に示すように、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し、中図柄CFが変動する状態となる。ノーマルリーチ演出は、大当たり期待度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)に発展する期待感を抱かせることで、遊技の趣向性を向上させている。
さらに、図30−2の(i)に示すように、装飾図柄Fは、拡大された数字部FNのみの表示となり、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し中図柄CFが変動する状態となる。
そして、図30−2(j)に示すように、中図柄CFが仮停止し、すべての装飾図柄Fが高速変動した状態から、微小動作をともなう仮停止した状態となる。
その後、図30−2の(k)に示すように、装飾図柄Fは、数字部FNと、装飾部FDとが表示され、微小動作をともなう仮停止状態となる。このとき、装飾部FDでは、キャラクタのアニメーションは行われず、静止画像の表示となっている。既にリーチ成立演出において、類似するアニメーションが行われているので、遊技者を飽きさせないために、ここでは、キャラクタのアニメーションは行われない。
そして、図30−2の(l)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄が変動停止する際に、微小動作が終了して、左図柄LFと右図柄RFとが同じ数字の数字部FNで、中図柄CFの数字部FNの数字のみが異なる状態で確定停止するとともに、装飾部FDも確定停止する。確定停止することで、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fの変動が終了したことを遊技者に報知する。
4.高確率状態かつ時短状態(確変遊技状態、第二の遊技状態に相当する)第2始動口23への入賞に基づく特図保留記憶の場合
(1)Nリーチハズレの場合
この場合、図22、25における、変動パターンPR2−5、変動演出パターンER2−5が選択される。変動パターンPR1−5、変動演出パターンER1−5の内容と同様であり、図30−1、30−2と同様の演出となるので詳細な説明は省略する。
5.低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態)第1始動口22への入賞に基づく特図保留記憶の場合の装飾図柄変動演出
(1)Nリーチ大当たりの場合
この場合、図16、19における、変動パターンPA1−5、変動演出パターンEA1−5が選択されるものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図31−1の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図31−1の(b)〜(e)に示すように、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。
換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行うことになる。(図16、19における符号OAに相当する)この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図31−1の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、疑似連続演出が1回行われ、図31−1の(f)に示すように、左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが同じ数字で微小動作をともなう仮停止状態となり、中図柄CFが変動するリーチが成立した状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり微小動作を行っているため、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。ここまでは、装飾部FDは、静止画像が表示されている(静止画状態)。
そこから、リーチ成立演出が行われる。実施形態では、図31−1の(g)に示すように、左図柄LF、右図柄RFの装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる。
そして、ノーマルリーチ演出に移行する。実施形態では、図31−1の(h)に示すように、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し、中図柄CFが変動する状態となる。ノーマルリーチ演出は、大当たり期待度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)に発展する期待感を抱かせることで、遊技の趣向性を向上させている。
その後、表示画面20aには、図31−2の(i)に示すように、装飾図柄Fは、拡大された数字部FNのみの表示となり、左図柄LFと右図柄RFが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動した状態となる。
そして、装飾図柄Fは、図31−2の(j)に示すように、特別図柄が変動停止する際に、左図柄LF、右図柄RF、中図柄CFの数字部FNの数字がすべてそろった仮停止状態となる。既にリーチ成立演出において、類似するアニメーションが行われているので、遊技者を飽きさせないために、ここでは、キャラクタのアニメーションは行われない。
そして、図31−2の(k)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄の変動停止に伴って、左図柄LF、右図柄RF、中図柄CFの数字部FNの数字がすべてそろった状態で確定停止して大当たり演出に移行していく。確定停止することで、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fの変動が終了したことを遊技者に報知する。
6.高確率状態かつ時短状態(確変遊技状態)第2始動口23への入賞に基づく特図保留記憶の場合
(1)Nリーチ大当たりの場合
この場合、図21、24における、変動パターンPA2−5、変動演出パターンEA2−5が選択される。変動パターンPA1−5、変動演出パターンEA1−5の内容と同様であり、図31−1、31−2と同様の演出となるので詳細な説明は省略する。
7.低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態)第1始動口22への入賞に基づく特図保留記憶の場合の装飾図柄変動演出
(1)SPSPリーチハズレの場合
この場合、図17、20における、変動パターンPR1−1、変動演出パターンER1−1が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図32−1の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図32−1の(b)〜(e)に示すように、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行うことになる(図17、20における符号OAに相当する)。この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図32−1の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、疑似連続演出が2回行われ、図32−1の(f)に示すように、左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが同じ数字で微小動作をともなう仮停止状態となり、中図柄CFが変動するリーチが成立した状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、微小動作を行っているため、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。ここまでは、装飾部FDは、静止画像が表示されている(静止画状態)。
そこから、リーチ成立演出が行われる。実施形態では、図32−1の(g)に示すように、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる。
そして、ノーマルリーチ演出に移行する。実施形態では、図32−1の(h)に示すように、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し、中図柄CFが変動する状態となる。ノーマルリーチ演出は、大当たり期待度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)に発展する期待感を抱かせることで、遊技の趣向性を向上させている。
そこから、図32−2の(i)に示すように、SPリーチ演出に発展移行する。実施形態では、表示画面20aにおいて、探していた人と再開するアニメーションが表示される。このとき、装飾図柄Fは、縮小された数字部FNのみの表示となり、同じ数字の左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動する状態となっている。
そして、SPSPリーチ演出に移行する。実施形態では、図32−2の(j)に示すように、表示画面20aには、二人でドライブをするアニメーションと、SPリーチ演出から引き続き左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動する縮小された数字部FNと、が表示される。
そして、図32−2の(k)に示すように、ドライブのアニメーションの表示が終了し、装飾図柄Fは、左下の縮小された数字部FNが、拡大された数字部FNの表示となり、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し中図柄CFが変動する状態となる。このとき表示画面20aには、演出ボタン115の操作を促す「押せ!!」の操作指示表示OIが表示される。
そして、図32−2(l)に示すように、中図柄CFが仮停止し、すべての装飾図柄Fが、微小動作をともなう仮停止した状態となる。
その後、図32−2の(m)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄が変動停止する際に、数字部FNと、装飾部FDとが表示され、微小動作をともなう仮停止状態となる。このとき、装飾部FDでは、キャラクタのアニメーションは行われず、静止画像の表示となっている。既にリーチ成立演出において、類似するアニメーションが行われているので、遊技者を飽きさせないためにここでは、キャラクタのアニメーションは行われない。
そして、図32−2の(n)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄の変動停止に伴って、微小動作が終了して、左図柄LFと右図柄RFとが同じ数字の数字部FNで、中図柄CFの数字部FNの数字のみが異なる状態で確定停止するとともに、装飾部FDも確定停止する。確定停止することで、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fの変動が終了したことを遊技者に報知する。
8.高確率状態かつ時短状態(確変遊技状態)第2始動口23への入賞に基づく特図保留記憶の場合
(1)SPSPリーチハズレの場合
この場合、図22、25における、変動パターンPR2−1、PR2−2のいずれかが選択され、それに対応する変動演出パターンER2−1、ER2−2が選択される。例えば、変動パターンPR2−1、変動演出パターンER2−1が選択されたのであれば、変動パターンPR1−1、変動演出パターンER1−1の内容と同様であり、図32−1、32−2と同様の演出となるので詳細な説明は省略する。
9.低確率状態かつ時短なし状態(通常遊技状態)第1始動口22への入賞に基づく特図保留記憶の場合の装飾図柄変動演出
(1)SPSPリーチ大当たりの場合
この場合、図16、19における、変動パターンPA1−1、変動演出パターンEA1−1が選択されたものとする。
画像表示部20の表示画面20aには、図33−1の(a)に示すように、前回の特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出が終了して、確定停止した装飾図柄Fが表示された状態となっている。そして、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが、図33−1の(b)〜(e)に示すように、先ず右図柄RFが上方に少し移動し、中図柄CFがそれに続いて上方に移動し、最後に左図柄LFが上方に少し移動したあとに、全ての装飾図柄Fが下方に高速で移動する。
換言すれば、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクションを行う(図16、19における符号OAに相当する)。この開始時アクションによって、遊技者は、特別図柄変動の開始に伴う装飾図柄変動が開始されたことを容易に認識(視認)することができる。
そして、図33−1の(e)に示す、全ての装飾図柄Fが高速で変動する状態から、疑似連続演出が2回行われ、図33−1の(f)に示すように、左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが同じ数字で微小動作をともなう仮停止状態となり、中図柄CFが変動するリーチが成立した状態となる。この仮停止状態は、遊技者には一見停止しているように見えるが、確定停止と異なり微小動作を行っているため、特別図柄変動と並行して行われる装飾図柄変動演出において、装飾図柄Fが変動中であることを報知するものである。ここまでは、装飾部FDは、静止画像が表示されている(静止画状態)。
そこから、リーチ成立演出が行われる。実施形態では、図33−1の(g)に示すように、装飾部FDにおいて、キャラクタが、左右に振り向いて人を探すようなアニメーションが行われる。
そして、ノーマルリーチ演出に移行する。実施形態では、図33−1の(h)に示すように、左図柄LFと右図柄RFが仮停止し、中図柄CFが変動する状態となる。ノーマルリーチ演出は、大当たり期待度が高い演出(SPリーチ演出、SPSPリーチ演出)に発展する期待感を抱かせることで、遊技の趣向性を向上させている。
そこから、図33−2の(i)に示すように、SPリーチ演出に発展移行する。実施形態では、表示画面20aにおいて、探していた人と再開するアニメーションが表示される。このとき、装飾図柄Fは、縮小された数字部FNのみの表示となり、同じ数字の左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動する状態となっている。
そして、図33−2の(j)に示すように、SPSPリーチ演出に移行する。実施形態では、表示画面20aには、二人でドライブをするアニメーションと、SPリーチ演出から引き続き、左図柄LFと右図柄RFの数字部FNが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動する縮小された数字部FNと、が表示される。
その後、表示画面20aには、図33−2の(k)に示すように、ドライブのアニメーションの表示が終了し、装飾図柄Fは、数字部FNが縮小された状態から拡大された状態となり、左図柄LFと右図柄RFが微小動作をともなって仮停止し、中図柄CFが変動した状態となる。このとき、表示画面20aには、演出ボタン115の操作を促す「押せ!」の操作指示表示OIが表示される。
そして、図33−3の(l)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄が変動停止する際に、拡大された数字部FNのみの表示となり、左図柄LF、右図柄RF、中図柄CFの数字部FNの数字がすべてそろった仮停止状態となる。既にリーチ成立演出において、類似するアニメーションが行われているので、遊技者を飽きさせないために、ここでは、キャラクタのアニメーションは行われない。
そして、図33−2の(m)に示すように、装飾図柄Fは、特別図柄の変動停止に伴って、左図柄LF、右図柄RF、中図柄CFの数字部FNの数字がすべてそろった状態で確定停止して大当たり演出に移行していく。
10.高確率状態かつ時短状態(確変遊技状態)第2始動口23への入賞に基づく特図保留記憶の場合
(1)SPSPリーチ大当たりの場合
この場合、図21、24における、変動パターンPA2−1、PA2−2のいずれかが選択され、それに対応する変動演出パターンEA2−1、EA2−2が選択される。例えば、変動パターンPA2−1、変動演出パターンEA2−1が選択されたのであれば、変動パターンPA1−1、変動演出パターンEA1−1の内容と同様であり、図33−1、33−2と同様の演出となるので詳細な説明は省略する。
(7)実施形態のパチンコ遊技機の作用・効果、及び、変形例
実施形態のパチンコ遊技機10では、取得条件の成立により、判定情報を取得する取得手段(メイン制御部60)と、
始動条件の成立により、前記判定情報に基づいて特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段(メイン制御部60)と、
前記判定が行われると図柄を変動表示してから当該判定の判定結果を示す態様で前記図柄を停止表示する図柄制御手段(メイン制御部60)と、
前記判定情報を所定数を上限に記憶する記憶手段(メイン制御部60)と、
演出を制御する演出制御手段(演出制御部90)と、
を備え、
前記演出制御手段は、
前記図柄の変動表示が開始されると複数の演出図柄(左図柄LF、中図柄CF、及び、右図柄RFからなる装飾図柄F)の変動表示を行ってから仮停止表示を行い、前記図柄の停止表示に伴って前記演出図柄を確定停止表示する演出図柄制御手段(演出制御部90、画像音響制御部95、及び、画像表示部20)と、
前記演出図柄がリーチ状態で仮停止表示されるとリーチ演出を実行するリーチ演出制御手段(演出制御部90、画像音響制御部95、及び、画像表示部20)と、を有し、
前記演出図柄制御手段は、
前記演出図柄を仮停止表示させるときに前記演出図柄を用いた所定の演出を実行可能であり、
前記リーチ演出が行われる演出図柄の変動表示の場合に、前記複数の演出図柄のうちリーチ状態で仮停止表示する演出図柄(左図柄LF、右図柄RF)を用いた前記所定の演出(リーチ成立演出、図30−1等)を実行可能である一方、前記リーチ状態で仮停止表示することのない演出図柄(中図柄CF)を用いた前記所定の演出(図30−1等)の実行を制限することを特徴とする。
これによれば、リーチ状態で仮停止表示する演出図柄において、アニメーション(リーチ成立演出)を行い、リーチが成立したこと、リーチ演出が開始すること、を報知することで、遊技者に、後に続く演出に対して期待感を持たせることができるとともに、リーチ状態となった演出図柄の種類(数字)を認識し易くすることができる。よって、遊技の趣向性を向上させることができる。
また、遊技状態によって、開始時アクション(OA)の有無の決定条件(保留数に関する条件)が異なるので、遊技者に遊技状態の違いを示唆させることで、遊技の趣向性を向上させることができる。
また、バラハズレとなる場合において、保留数により開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)をやるかやらないかが決まる。実施形態では、低確率状態かつ時短なし状態において保留数が3個、高確率状態かつ時短状態において保留数が1〜3個のときに、特別図柄変動時間を短めに設定して変動回数を多くさせるとともに、低確率状態かつ時短なし状態において保留数が0〜2個、高確率状態かつ時短状態において保留数が0個のときに、特別図柄変動時間を長めに設定して保留を発生させる時間を確保することで、遊技者に意向に沿った遊技となるので、遊技の趣向性を高めることができる。
また、リーチ状態となる場合には、開始時アクション(OA)があることを遊技者に認識させる演出態様で、遊技者の大当たりへの期待度を向上させて、遊技の趣向性を高めることができる。
また、少なくともノーマルリーチ演出をする場合に、仮停止時アニメーション(EA)を行わないという演出態様で、次の変動に早く移行することで、遊技者を飽きさせないという効果を有する。よって、遊技の趣向性を向上させることができる。
また、実施形態においては、リーチ成立演出と、仮停止時アニメーション(EA)とは類似する演出であるので、仮停止時アニメーション(EA)を行わないことで遊技者が飽きてしまうことを抑制することに寄与する。
また、実施形態では、遊技機として、パチンコ遊技機10を例示したが、表示画面20aを備え、装飾図柄Fを変動させる構成を有するのであれば、パチスロ遊技機等に本発明を適用してもよい。
11.変形例
(1)図18、23に示される、変動パターンPH1−2、PH2−2においては、特別図柄変動時間がそれぞれ6秒、7秒とされ、変動パターンPH1−1、PH2−1の特別図柄変動時間の4秒、3秒に対して比較的長いので、図28の(b)〜(e)に示すように、特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクション(開始時アクション(OA))を行ない、図28の(g)に示すように、全ての装飾図柄Fの高速変動が終了したあとの仮停止状態のときに、左右方向において反対側に振り向いて人を探すようなアニメーション(仮停止時アニメーション(EA))を行うことも可能である。すなわち、バラハズレのときに、変動時間によって、開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)の有無を決めてもよい。
上記変形例によれば、同じ保留数であっても、変動時間によって演出の内容が変わることになる(開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)の有無が変わる)。開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)の有無の決定を保留数ではなく、特別図柄変動時間に応じて行うことを可能とすることで、遊技者の当たりハズレの予測に意外性を感じさせて、飽きさせることなく遊技の趣向性と向上させることができる。
(2)リーチ成立演出と、仮停止時アニメーション(EA)は類似するアニメーションとしたが、同一のアニメーションとすることも可能である。これにより、変動演出パターンテーブルに格納するデータ容量を少なくすることができる。
(3)バラハズレの場合のみ仮停止時アニメーション(EA)をおこなっているが、大当たりとなる場合に、装飾図柄Fを、縮小された数字部FNのみの状態から、図32−2の(m)に示すように、数字部FNと、装飾部FDとが表示される仮停止状態とし、装飾部FDで、キャラクタのアニメーションを行うことも可能である。大当たり演出に移行するときの演出としてアニメーションを行って、遊技の趣向性を向上させることができる。
(4)ノーマルリーチ演出を行う場合において、開始時アクション(OA)を、保留数で条件を設定したり、乱数値を設定したうえで抽選したりして、行うか行わないかを決定してもよい。開始時アクション(OA)が行われないため、リーチが成立しないと遊技者が認識していたところで、予想していなかった状態でリーチが成立すれば、遊技の趣向性を向上させることができる。
(5)特別図柄変動の開始に伴って装飾図柄Fが変動状態となり、全ての装飾図柄Fが高速変動する前に、装飾図柄Fが順次変動開始するアクション(開始時アクション(OA))の代わりに、装飾部FDで、仮停止時アニメーション(EA)と同様なキャラクタのアニメーションを行うことも可能である。確定停止前の仮停止時に、装飾部FDで、キャラクタのアニメーション(確定停止前の仮停止時アニメーション(EA))を行う代わりに、開始時アクション(OA)と同様な装飾図柄Fが順次変動停止するアクションを行うことも可能である。
(6)上記の演出例では、バラハズレの場合のみに、保留の数、特別図柄変動時間の長さに応じて、開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)の有無の決定を行っていたが、リーチハズレの場合にも、保留の数、特別図柄変動時間の長さに応じて、開始時アクション(OA)、仮停止時アニメーション(EA)の有無の決定を行うことで、遊技者の当たりハズレの予測に意外性を感じさせて、飽きさせることなく遊技の趣向性を向上させることができる。