JP2018163340A - 感光性組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性、透明性、平坦性、残膜率、解像性、及び屈折率に優れた硬化膜を与える感光性組成物を提供すること。前記感光性組成物によって形成される硬化膜、前記硬化膜を有する電子部品を提供すること。【解決手段】ポリエステルアミド酸、重合性二重結合を有する化合物、光重合開始剤、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤、及び無機微粒子を含む感光性組成物であって、前記ポリエステルアミド酸がテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる感光性組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、各種素子に使用される感光性組成物、該感光性組成物から形成される硬化膜、及び硬化膜を用いたカラーフィルター、絶縁膜、保護膜或いは光導波路に関する。
表示素子などの素子の製造工程中には、有機溶剤、酸、アルカリ溶液などの種々の薬品処理がなされたり、スパッタリングにより配線電極を成膜する際に、表面が局部的に高温に加熱されたりすることがある。そのため、各種の素子の表面の劣化、損傷、変質を防止する目的で表面保護膜が設けられる場合がある。これらの保護膜には、上記のような製造工程中の各種処理に耐えることができる諸特性が要求される。具体的には、耐熱性、耐溶剤性・耐酸性・耐アルカリ性等の耐薬品性、耐水性、ガラスなどの下地基板への密着性、透明性、耐傷性、平坦性、耐光性などが要求される。また、表示素子の高視野角化、高速応答化、高精細化、広色域化などの高性能化が進むなか、例えばカラーフィルター保護膜として用いられる場合には、透明性、耐熱性及び耐溶剤性が向上した材料が望まれている。
また、上記保護膜は上述したそれぞれの役割を満足させるのはもちろんのこと、例えばトップエミッション型有機EL素子の光学系部材として使用する場合には、光取出し効率を向上させるため、高屈折率、高透明性が要求される。
これらの保護膜を形成するための硬化性組成物の種類としては、感光性組成物、熱硬化性組成物に大別できる。熱硬化性組成物は、膜形成時に高温加熱により完全に硬化させるため、その後の工程において高温に加熱された場合でも発生する揮発分が少なく、耐熱性に優れる。この優れた特性を有する熱硬化性の保護膜材料としては、例えば、特許文献1に示すような、ポリエステルアミド酸組成物がある。しかしながら、熱硬化性組成物は、微細パターンを形成することが出来ず、微細パターン形成に当たっては、レジスト材料や多くの追加工程を必要とする。
一方、感光性組成物の場合、微細パターンの形成が容易であり、成形性に優れる。感光性組成物は光重合性基を持つポリマーやオリゴマーあるいはモノマーと光重合開始剤からなり、紫外線をはじめとする光のエネルギーによって化学反応を起こし、硬化するものである。感光性組成物の基板への塗布、露光、現像、焼成等の工程を経て微細パターンを形成する。
近年、パターン形成の容易さから感光性組成物の保護膜としてのニーズが増えており、より高い現像後残膜率(以下残膜率と表記)で、微細パターン形成が可能な感光性組成物が求められている。また光学系部材への使用目的から、高い残膜率で微細パターン形成が可能であることに加えて、硬化膜が高屈折率や高透明性、高耐熱性を有することも求められている。
高屈折率な硬化膜を与える感光性組成物の例として、特許文献2に示すように、無機微粒子を含む感光性組成物の例が報告されている。しかし、特許文献2ではアクリル系樹脂を含む感光性組成物から形成した硬化膜の透過率や屈折率は開示されているが、耐熱性を十分に満足できるものではなく、更なる改良が求められている。
また感光性組成物に無機微粒子を添加する場合において、感光性組成物に含まれる樹脂に対する無機微粒子の分散性が悪い場合には、無機微粒子の凝集が起こり、得られた硬化膜の透過率低下や、残膜率の低下を生じてしまう等の問題が発生することがある。
本発明の課題は、カラーフィルター、絶縁膜、保護膜、または光導波路等、種々の用途に適用するために、耐熱性、透明性、平坦性、さらには、特に残膜率、解像性、屈折率に優れた硬化膜を提供することである。また、このような硬化膜を形成することができる感光性組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、ポリエステルアミド酸、重合性二重結合を有する化合物、光重合開始剤、エポキシ化合物、エポキシ硬化剤、無機微粒子を含む組成物、及び該組成物を硬化して得られる硬化膜により、上記目的を達することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を含む。
本発明は以下の構成を含む。
[1] ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)、及び無機微粒子(F)を含む感光性組成物であって;
前記ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記の式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られ、下記式(3)で表される構成単位と下記式(4)で表される構成単位を含み;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)は、重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物を含み;
前記エポキシ化合物(D)は、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含み;
前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、前記重合性二重結合を有する化合物(B)の総量は20〜300重量部であり、前記エポキシ化合物(D)の総量は20〜200重量部である感光性組成物;
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
式(3)及び式(4)において、R1はテトラカルボン酸二無水物から2つの−CO−O−CO−を除いた残基であり、R2はジアミンから2つの−NH2を除いた残基であり、R3は多価ヒドロキシ化合物から2つの−OHを除いた残基である。
前記ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記の式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られ、下記式(3)で表される構成単位と下記式(4)で表される構成単位を含み;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)は、重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物を含み;
前記エポキシ化合物(D)は、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含み;
前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、前記重合性二重結合を有する化合物(B)の総量は20〜300重量部であり、前記エポキシ化合物(D)の総量は20〜200重量部である感光性組成物;
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
[2] 前記ポリエステルアミド酸(A)の原料成分が、さらにモノヒドロキシ化合物を含む、[1]項に記載の感光性組成物。
[3] 前記モノヒドロキシ化合物が、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、及び4−メトキシフェノールから選択される少なくとも1つである、[2]項に記載の感光性組成物。
[4] 前記ポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜200,000であり;
前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)から選択される少なくとも1つであり;
前記ジアミンが、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選択される少なくとも1つであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、及びイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)から選択される少なくとも1つであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートから選択される少なくとも1つを、前記重合性二重結合を有する化合物の総重量に対し50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(オキシラニルメチル)−5−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物から選択される少なくとも1つである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)から選択される少なくとも1つであり;
前記ジアミンが、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選択される少なくとも1つであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、及びイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)から選択される少なくとも1つであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートから選択される少なくとも1つを、前記重合性二重結合を有する化合物の総重量に対し50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(オキシラニルメチル)−5−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物から選択される少なくとも1つである、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[5] 前記光重合開始剤(C)が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤から選択される少なくとも1つである、[1]〜[4]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[6] 前記エポキシ硬化剤(E)がトリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物及び2−ウンデシルイミダゾールから選択される少なくとも1つである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[7] 前記テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1つであり;
前記ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)がジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選択される少なくとも1つであり;
前記光重合開始剤(C)が、下記式(5)で表される化合物を、光重合開始剤の全重量に対して50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンから選択される少なくとも1つであり;
前記エポキシ硬化剤(E)がトリメリット酸無水物及び2−ウンデシルイミダゾールから選択される少なくとも1つを含み;
更に、溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性組成物;
式中、R4、R5、R7はそれぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数2〜5のアルケニル基、又は炭素数2〜5のアルキニル基であり、R6は炭素数1〜15のアルキル基、炭素数2〜15のアルケニル基、又は炭素数2〜15のアルキニル基であり、nはそれぞれ独立に、0〜5の整数である。
前記ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)がジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選択される少なくとも1つであり;
前記光重合開始剤(C)が、下記式(5)で表される化合物を、光重合開始剤の全重量に対して50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンから選択される少なくとも1つであり;
前記エポキシ硬化剤(E)がトリメリット酸無水物及び2−ウンデシルイミダゾールから選択される少なくとも1つを含み;
更に、溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、[1]〜[6]のいずれか1項に記載の感光性組成物;
[8] 前記ポリエステルアミド酸(A)の原料がスチレン−無水マレイン酸共重合体を含む、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[9] 前記無機微粒子(F)が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して30〜300重量部含有する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[10] 前記無機微粒子(F)の一次粒子径が1〜100nmの酸化チタン又は酸化ジルコニアである、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の感光性組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれか1項に記載の感光性組成物から得られる硬化膜。
[12] [11]項に記載の硬化膜を透明保護膜として有するカラーフィルター。
[13] [11]項に記載の硬化膜を有する電子デバイス。
以上の構成により、本発明に係る感光性組成物は、耐熱性、透明性、平坦性、さらには、特に残膜率、解像性、及び屈折率に優れた硬化膜を形成することができる。この硬化膜はカラーフィルター、保護膜、絶縁膜、光導波路などの種々の用途に応用することができる。
1. 感光性組成物
本発明の感光性組成物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含むエポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)、及び無機微粒子(F)を含む組成物である。さらに、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、重合性二重結合を有する化合物(B)の総量は20〜300重量部であり、エポキシ化合物(D)の総量は20〜200重量部であり、無機微粒子(F)の総量は30〜300重量部である。
本発明の感光性組成物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含むエポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)、及び無機微粒子(F)を含む組成物である。さらに、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、重合性二重結合を有する化合物(B)の総量は20〜300重量部であり、エポキシ化合物(D)の総量は20〜200重量部であり、無機微粒子(F)の総量は30〜300重量部である。
なお、本発明に係る感光性組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、上記以外の他の成分をさらに含有してもよい。
1−1.ポリエステルアミド酸(A)
ポリエステルアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる。さらに、ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、前記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られる。
ポリエステルアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物を必須の原料成分として反応させることにより得られる。さらに、ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、前記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られる。
また、ポリエステルアミド酸(A)は、式(3)で表される構成単位、式(4)で表される構成単位を有する。式(3)、式(4)において、R1はテトラカルボン酸二無水物から2つの−CO−O−CO−を除いた残基であり、R2はジアミンから2つの−NH2を除いた残基である。R3は重合性二重結合を有してもよい。
ポリエステルアミド酸(A)の合成には、少なくとも溶剤が必要であり、この溶剤をそのまま残してハンドリング性等を考慮した液状やゲル状の感光性組成物としてもよいし、この溶剤を除去して運搬性などを考慮した固形状の組成物としてもよい。また、ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、必要に応じて、モノヒドロキシ化合物及びスチレン−無水マレイン酸共重合体から選択される1種以上の化合物を含んでいてもよく、なかでも、モノヒドロキシ化合物を含むことが好ましい。また、ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の化合物を含んでいてもよい。このような他の原料の例として、シリコン含有モノアミンが挙げられる。
1−1−1.テトラカルボン酸二無水物
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。好ましいテトラカルボン酸二無水物の具体例は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化株式会社)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及びエタンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。好ましいテトラカルボン酸二無水物の具体例は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化株式会社)、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及びエタンテトラカルボン酸二無水物を挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
これらの中でも、硬化膜に良好な透明性を与える、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及びTMEG−100がより好ましく、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物が特に好ましい。
1−1−2.ジアミン
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、ジアミンを用いる。好ましいジアミンの具体例は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、ジアミンを用いる。好ましいジアミンの具体例は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンを挙げることができる。これらのうち1種以上を用いることができる。
これらの中でも、硬化膜に良好な透明性を与える、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンがより好ましく、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンが特に好ましい。
1−1−3.多価ヒドロキシ化合物
本発明は、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、重合性二重結合を有さない多価ヒドロキシ化合物、又は/及び重合性二重結合を有する多価ヒドロキシ化合物を用いる。
本発明は、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、重合性二重結合を有さない多価ヒドロキシ化合物、又は/及び重合性二重結合を有する多価ヒドロキシ化合物を用いる。
重合性二重結合を有さない多価ヒドロキシ化合物として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、3,6−オクタンジオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,10−デカントリオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンを挙げることができる。
重合性二重結合を有する多価ヒドロキシ化合物の具体例として、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ジペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ジペンタエリスリトールジアリルエーテル、ジペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ソルビトールモノアリルエーテル、ソルビトールジアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ソルビトールテトラアリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールモノ(メタ)アクリレート、ソルビトールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビキシレノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビフェノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、フルオレンジフェノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、及びエポキシ基を1分子あたり2個以上含む他の化合物の(メタ)アクリル酸変性物を挙げることができ、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。
これらの中で、反応溶剤への溶解性が良好な化合物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物がより好ましい。また、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物が特に好ましい。
エチレングリコールジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物として、下記市販品を用いることができる。
エチレングリコールジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル40EM(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル70PA(商品名;共栄社化学株式会社)である。トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル200PA(商品名;共栄社化学株式会社)である。グリセリンジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル80MFA(商品名;共栄社化学株式会社)である。ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3000MK(商品名;共栄社化学株式会社)である。ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3000A(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3002M(N)(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3002A(N)(商品名;共栄社化学株式会社)である。
1−1−4.モノヒドロキシ化合物
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、重合性二重結合を有さないモノヒドロキシ化合物、及び/又は重合性二重結合を有するモノヒドロキシ化合物を用いてもよい。モノヒドロキシ化合物を用いると、感光性組成物の保存安定性が向上する。
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、重合性二重結合を有さないモノヒドロキシ化合物、及び/又は重合性二重結合を有するモノヒドロキシ化合物を用いてもよい。モノヒドロキシ化合物を用いると、感光性組成物の保存安定性が向上する。
重合性二重結合を有さないモノヒドロキシ化合物の具体例は、好ましくは、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、テルピネオール、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、ジメチルベンジルカルビノール、及び4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル;MEHQ)を挙げることができる。
重合性二重結合を有するモノヒドロキシ化合物の具体例は、好ましくは、フルフリルアルコール、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸 4−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−(2−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリル酸、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、フェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、及びエポキシ基を1分子あたり1個含む他の化合物の(メタ)アクリル酸変性物を挙げることができ、これらのうち少なくとも1種を用いることができる。
これらの中で、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、4−メトキシフェノール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸 4−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、3−(2−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリル酸は、より好ましい。これらを使用してできるポリエステルアミド酸(A)と、エポキシ基含有ポリマー、エポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)、無機微粒子(F)を混合した場合の相溶性や、感光性組成物のカラーフィルター上への塗布性を考慮すると、モノヒドロキシ化合物には、ベンジルアルコール、4−メトキシフェノール、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートの使用が特に好ましい。
メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド、及び1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートとして、下記市販品を用いることができる。メタクリル酸4−ヒドロキシフェニルの具体例は、HQMA(商品名;大阪有機化学工業株式会社)である。p−ヒドロキシメタアクリルアニリドの具体例は、HMAd(商品名;大阪有機化学工業株式会社)である。1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレートの具体例は、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(CHDMMA)(商品名;日本化成株式会社)である。
モノヒドロキシ化合物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の総量100重量部に対し、0〜300重量部含有して反応させることが好ましい。より好ましくは5〜200重量部である。
1−1−5.スチレン−無水マレイン酸共重合体
また、本発明に用いられるポリエステルアミド酸(A)は、上記の原料に酸無水物基を3個以上有する化合物を添加して合成してもよい。そうすることで硬化膜の残膜率が向上するので、好ましい。酸無水物基を3個以上有する化合物の例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。スチレン−無水マレイン酸共重合体を構成する各成分の比率については、スチレン/無水マレイン酸のモル比が0.5〜4であり、好ましくは1〜3である。さらには、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
また、本発明に用いられるポリエステルアミド酸(A)は、上記の原料に酸無水物基を3個以上有する化合物を添加して合成してもよい。そうすることで硬化膜の残膜率が向上するので、好ましい。酸無水物基を3個以上有する化合物の例としては、スチレン−無水マレイン酸共重合体を挙げることができる。スチレン−無水マレイン酸共重合体を構成する各成分の比率については、スチレン/無水マレイン酸のモル比が0.5〜4であり、好ましくは1〜3である。さらには、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体の具体例としては、SMA3000P、SMA2000P、SMA1000P(いずれも商品名;川原油化株式会社)を挙げることができる。これらのなかでも、硬化膜の耐熱性及び耐アルカリ性が良好となるSMA1000Pが特に好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜500重量部含有することが好ましい。より好ましくは10〜300重量部である。
1−1−6.シリコン含有モノアミン
ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の原料を含んでいてもよく、他の原料の例として、シリコン含有モノアミンが挙げられる。
ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の原料を含んでいてもよく、他の原料の例として、シリコン含有モノアミンが挙げられる。
本発明で用いられるシリコン含有モノアミンの具体例は、好ましくは、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、及びm−アミノフェニルメチルジエトキシシランを挙げることができる。これらのうち少なくとも1種を用いることができる。
これらの中で、硬化膜の耐酸性が良好である3−アミノプロピルトリエトキシシラン及びp−アミノフェニルトリメトキシシランがより好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランが耐酸性、相溶性の観点から特に好ましい。
シリコン含有モノアミンは、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の総量100重量部に対し、0〜300重量部含有することが好ましく、より好ましくは5〜200重量部である。
1−1−7.ポリエステルアミド酸(A)の合成反応に用いる溶剤
ポリエステルアミド酸(A)を得るための合成反応に用いる溶剤の具体例として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノンを挙げることができる。これらのなかでもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、又はジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましい。
ポリエステルアミド酸(A)を得るための合成反応に用いる溶剤の具体例として、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノンを挙げることができる。これらのなかでもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、又はジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましい。
1−1−8.ポリエステルアミド酸(A)の合成方法
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)の合成方法は、テトラカルボン酸二無水物Xモル、ジアミンYモル、及び多価ヒドロキシ化合物Zモルを上記溶剤中で反応させる。このときX、Y及びZはそれらの間に下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。この範囲であれば、ポリエステルアミド酸の溶剤への溶解性が高く、したがって組成物の塗布性が向上し、結果として平坦性に優れた硬化膜を得ることができる。
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
式(1)において、好ましくは0.7≦Z/Y≦7.0であり、より好ましくは1.0≦Z/Y≦5.0である。また、式(2)において、好ましくは0.5≦(Y+Z)/X≦4.0であり、より好ましくは0.6≦(Y+Z)/X≦2.0である。
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)の合成方法は、テトラカルボン酸二無水物Xモル、ジアミンYモル、及び多価ヒドロキシ化合物Zモルを上記溶剤中で反応させる。このときX、Y及びZはそれらの間に下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。この範囲であれば、ポリエステルアミド酸の溶剤への溶解性が高く、したがって組成物の塗布性が向上し、結果として平坦性に優れた硬化膜を得ることができる。
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
式(1)において、好ましくは0.7≦Z/Y≦7.0であり、より好ましくは1.0≦Z/Y≦5.0である。また、式(2)において、好ましくは0.5≦(Y+Z)/X≦4.0であり、より好ましくは0.6≦(Y+Z)/X≦2.0である。
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)は、上記の反応条件においてY+Zに対してXを過剰に用いた条件下では、末端に酸無水物基(−CO−O−CO−)を有する分子が、末端にアミノ基や水酸基を有する分子より過剰に生成すると考えられる。そのようなモノマーの構成で反応させる場合には、必要により、分子末端の酸無水物基と反応させて末端をエステル化するために、上述したモノヒドロキシ化合物を添加することができる。モノヒドロキシ化合物を添加して反応することにより得られたポリエステルアミド酸(A)は、エポキシ化合物(D)及びエポキシ硬化剤(E)との相溶性が改善されるとともに、それらを含む本発明の感光性組成物の塗布性が改善される。
また、上述したモノマーの構成で反応させる場合には、分子末端の酸無水物基と反応させて末端にシリル基を導入するために、シリコン含有モノアミンを添加することができる。シリコン含有モノアミンを添加して反応することにより得られたポリエステルアミド酸(A)を含有する感光性組成物を用いると、硬化膜の耐酸性が改善する。
反応溶剤は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の総量100重量部に対し、100重量部以上使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は40℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのがよい。
反応原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。すなわち、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を同時に反応溶剤に加える手法、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を反応溶剤に溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を添加する手法、テトラカルボン酸二無水物及び多価ヒドロキシ化合物をあらかじめ反応させた後、その反応生成物にジアミンを添加する手法、或いはテトラカルボン酸二無水物とジアミンをあらかじめ反応させた後、その反応生成物に多価ヒドロキシ化合物を添加する手法など、いずれの手法も用いることができる。
前記のシリコン含有モノアミンを反応させる場合、テトラカルボン酸二無水物と、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物の反応後、反応液を40℃以下まで冷却した後、シリコン含有モノアミンを添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させるとよい。また、モノヒドロキシ化合物は反応のどの時点で添加してもよい。
このようにして合成されたポリエステルアミド酸(A)は、式(3)で表される構成単位、式(4)で表される構成単位を含み、その末端は、原料であるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、多価ヒドロキシ化合物、若しくはモノヒドロキシ化合物に由来する酸無水物基、アミノ基、ヒドロキシ基、若しくは1価の有機基、又はこれらの化合物以外の添加物によって構成される。このような構成を含むことで、硬化性が良好となる。
得られたポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量は、好ましくは、1,000〜200,000であり、3,000〜50,000がより好ましい。これらの範囲にあれば、平坦性及び耐熱性が良好である。
本明細書中の重量平均分子量は、GPC法(カラム温度:35℃、流速:1ml/min)により求めたポリスチレン換算での値である。標準のポリスチレンには、分子量が645〜132,900のポリスチレン(例えば、アジレント・テクノロジー株式会社のポリスチレンキャリブレーションキットPL2010−0102)、カラムにはPLgel MIXED−D(アジレント・テクノロジー株式会社)を用い、移動相としてTHFを使用して測定することができる。本明細書中の市販品の重量平均分子量はカタログ掲載値である。
1−2.重合性二重結合を有する化合物(B)
1−2−1.重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物
本発明に用いられる重合性二重結合を有する化合物(B)は特に限定されないが、重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物であることが好ましい。
1−2−1.重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物
本発明に用いられる重合性二重結合を有する化合物(B)は特に限定されないが、重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物であることが好ましい。
重合性二重結合を有する化合物(B)は、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して20〜300重量部用いられるが、50〜300重量部であると残膜率が良好となり好ましい。
本発明の感光性組成物に含有される重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンエチレンオキシド変性アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマー、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ポリエステルトリアクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、(メタ)アクリル化イソシアヌレート、フェニルグリシジルエーテルアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、フェニルグリシジルエーテルアクリレート トルエンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート トルエンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、ペンタエリスリトールトリアクリレート イソホロンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマー、無黄変タイプオリゴウレタンアクリレート、フェノールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸変性物、及びカルボン酸含有ウレタンアクリレートオリゴマー等を挙げることができる。
重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物は、上記の化合物を単独で用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。
重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物の中でも、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマー、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、又はこれらの混合物を用いることが、硬化膜の耐熱性、耐薬品性の観点から好ましい。
トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマー、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、又はこれらの混合物としては、下記市販品を用いることができる。
トリメチロールプロパントリアクリレートの具体例は、アロニックス M−309(商品名;東亞合成株式会社)である。ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物の具体例は、アロニックス M−306(65〜70重量%)、M−305(55〜63重量%)、及びM−450(10重量%未満)(いずれも商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のペンタエリスリトールトリアクリレートの含有率のカタログ掲載値)である。ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物の具体例は、アロニックス M−403(50〜60重量%)、M−400(40〜50重量%)、M−402(30〜40重量%)、M−404(30〜40重量%)、M−406(25〜35重量%)、及びM−405(10〜20重量%)(いずれも商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のジペンタエリスリトールペンタアクリレートの含有率のカタログ掲載値)である。多塩基酸変性(メタ)アクリルオリゴマーの具体例としては、アロニックス M−510及びM−520(いずれも商品名;東亞合成株式会社)である。イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートの具体例は、アロニックス M−215(商品名;東亞合成株式会社)である。イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート及びイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートの混合物の具体例は、アロニックス M−315(3〜13重量%)(商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートの含有率のカタログ掲載値)である。フェノールノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸変性物の具体例は、TEA−100(商品名;ケーエスエム株式会社)である。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のアクリル酸変性物の具体例は、CNEA−100(商品名;ケーエスエム株式会社)である。
1−2−2.その他の重合性二重結合を有する化合物
重合性二重結合を有する化合物(B)は前記の重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物に該当しない、その他の重合性二重結合を有する化合物を含んでもよい。その他の重合性二重結合を有する化合物として、本発明の感光性組成物には解像性の観点から、重合性二重結合を1分子あたり1個有し、かつ、−OH及び−COOHから選ばれる官能基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物を更に含有してもよい。重合性二重結合を1分子あたり1個有し、かつ、−OH及び−COOHから選ばれる官能基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物は、ポリエステルアミド酸100重量部に対して1〜50重量部であると解像性が良好となる。
重合性二重結合を有する化合物(B)は前記の重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物に該当しない、その他の重合性二重結合を有する化合物を含んでもよい。その他の重合性二重結合を有する化合物として、本発明の感光性組成物には解像性の観点から、重合性二重結合を1分子あたり1個有し、かつ、−OH及び−COOHから選ばれる官能基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物を更に含有してもよい。重合性二重結合を1分子あたり1個有し、かつ、−OH及び−COOHから選ばれる官能基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物は、ポリエステルアミド酸100重量部に対して1〜50重量部であると解像性が良好となる。
このような重合性二重結合を1分子あたり1個有し、かつ、−OH及び−COOHから選ばれる官能基を1分子あたり少なくとも1個有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、コハク酸 2−(メタ)アクリロイロキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸 2−(メタ)アクリロイロキシエチル、フタル酸 2−(メタ)アクリロイロキシエチル、フタル酸 2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸 4−ヒドロキシフェニル、p−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリド、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、3−(2−ヒドロキシフェニル)(メタ)アクリル酸、及びβ−カルボキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸 4−ヒドロキシフェニル及びp−ヒドロキシ(メタ)アクリルアニリドは解像性が良好となり、好ましい。
1−3.光重合開始剤(C)
本発明の感光性組成物に含有される光重合開始剤(C)は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、及びエポキシ硬化剤(E)、無機微粒子(F)を含有する組成物の重合を開始し得るものであれば特に限定されない。
本発明の感光性組成物に含有される光重合開始剤(C)は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、及びエポキシ硬化剤(E)、無機微粒子(F)を含有する組成物の重合を開始し得るものであれば特に限定されない。
本発明の感光性組成物に含有される光重合開始剤(C)としては、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、キサントン、チオキサントン、イソプロピルキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−4’−イソプロピルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、イソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、カンファーキノン、ベンズアントロン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン(例えば、商品名;IRGACURE 907、BASFジャパン株式会社)、2−(ジメチルアミノ)−1−[4−(4−モルホリノ)フェニル]−2−(フェニルメチル)−1−ブタノン(例えば、商品名;IRGACURE 369、BASFジャパン株式会社)、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4,4’−ジ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,4,4’−トリ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)(例えば、商品名;IRGACURE OXE01、BASFジャパン株式会社)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(例えば、商品名;IRGACURE OXE02、BASFジャパン株式会社)、IRGACURE OXE03(商品名;BASFジャパン株式会社)、1,2−プロパンジオン,1−[4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルチオ]フェニル]−2−(O−アセチルオキシム)(例えば、商品名;アデカアークルズ NCI−930、株式会社ADEKA)、アデカアークルズ NCI−831(商品名;株式会社ADEKA)、アデカオプトマー N−1919(商品名;株式会社ADEKA)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2−(4’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジメトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4’−ペンチルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)]−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(2’−クロロフェニル)−s−トリアジン、1,3−ビス(トリクロロメチル)−5−(4’−メトキシフェニル)−s−トリアジン、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノスチリル)ベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、2−(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラキス(4−エトキシカルボニルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、3−(2−メチル−2−ジメチルアミノプロピオニル)カルバゾール、3,6−ビス(2−メチル−2−モルホリノプロピオニル)−9−n−ドデシルカルバゾール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、及びビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等を挙げることができる。
光重合開始剤(C)は単独で用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。光重合開始剤(C)の中でも、α−アミノアルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、オキシムエステル系光重合開始剤であることが、露光時の塗膜の感度及び硬化膜の透明性の観点から好ましい。なお、本明細書では、基板上にスピンコート、印刷その他の方法で形成された感光性組成物の薄膜を予備乾燥(プリベーク)して得られた薄膜を「塗膜」と称する。この塗膜は、その後の露光−現像−洗浄−乾燥等の工程を経た後、本焼成(ポストベーク)によって硬化膜となる。本明細書では、前記予備乾燥から乾燥までの工程における薄膜をいずれも「塗膜」とし、例えば、「露光時の塗膜」、「現像後の塗膜」という表記によって、成膜工程のどの段階の塗膜であるかを表すことにする。
光重合開始剤(C)の中でも、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)又は1,2−プロパンジオン,1−[4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルチオ]フェニル]−2−(O−アセチルオキシム)が光重合開始剤の全重量に対し20重量%以上であることが、塗膜の感度及び硬化膜の透明性の観点からより好ましい。また、50重量%以上であるとさらに好ましい。光重合開始剤が1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−,2−(O−ベンゾイルオキシム)又は1,2−プロパンジオン,1−[4−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニルチオ]フェニル]−2−(O−アセチルオキシム)のみからなるものでもよい。
1−4.エポキシ化合物(D)
本発明に用いられるエポキシ化合物(D)は、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含む。本発明の感光性組成物にエポキシ化合物(D)を添加することにより、硬化膜の耐熱性を高めることができる。エポキシ化合物(D)は、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、20〜200重量部であると平坦性が良好となる。
本発明に用いられるエポキシ化合物(D)は、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含む。本発明の感光性組成物にエポキシ化合物(D)を添加することにより、硬化膜の耐熱性を高めることができる。エポキシ化合物(D)は、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、20〜200重量部であると平坦性が良好となる。
エポキシ化合物(D)の好ましい例として、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えば、商品名;セロキサイド2021P、株式会社ダイセル)、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン(例えば、商品名;セロキサイド3000、株式会社ダイセル)、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物(例えば、商品名;TECHMORE VG3101L、株式会社プリンテック)、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル(例えば、商品名;jER 1032H60、三菱ケミカル株式会社)、1,3−ビス(オキシラニルメチル)−5−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物(例えば、商品名;EHPE3150、株式会社ダイセル)等を挙げることができる。
1−5.エポキシ硬化剤(E)
本発明の感光性組成物には、平坦性、耐薬品性を向上させるために、エポキシ硬化剤(E)が用いられる。エポキシ硬化剤(E)としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、触媒型硬化剤、及びスルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等の感熱性酸発生剤などがあるが、硬化膜の着色を避けること及び硬化膜の耐熱性の観点から、酸無水物系硬化剤又はイミダゾール系硬化剤が好ましい。
本発明の感光性組成物には、平坦性、耐薬品性を向上させるために、エポキシ硬化剤(E)が用いられる。エポキシ硬化剤(E)としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、触媒型硬化剤、及びスルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等の感熱性酸発生剤などがあるが、硬化膜の着色を避けること及び硬化膜の耐熱性の観点から、酸無水物系硬化剤又はイミダゾール系硬化剤が好ましい。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物等、芳香族多価カルボン酸無水物、例えば、無水フタル酸、トリメリット酸無水物等が挙げられる。これらの中でも、感光性組成物の溶剤に対する溶解性を損なうことなく硬化膜の耐熱性を向上させることができる、トリメリット酸無水物及びヘキサヒドロトリメリット酸無水物が特に好ましい。
イミダゾール系硬化剤の具体例としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイトが挙げられる。これらのなかでも、感光性組成物の溶剤に対する溶解性を損なうことなく硬化膜の硬化性を向上させることができる、2−ウンデシルイミダゾールが特に好ましい。
1−6.無機微粒子(F)
無機微粒子(F)は特に限定されないが、Si、Al、Mg、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ag、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの酸化物、硫酸塩、炭酸塩、フッ化物などの単独塩もしくは、複塩(MgAl2O4など)が挙げられる。
無機微粒子(F)は特に限定されないが、Si、Al、Mg、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Ag、In、Sn、Sb、Te、Cs、Ba、Hf、Ta、W、Re、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luなどの酸化物、硫酸塩、炭酸塩、フッ化物などの単独塩もしくは、複塩(MgAl2O4など)が挙げられる。
無機微粒子(F)としては、これらの中でも周期律表第4属元素の酸化物粒子であることが好ましく、また屈折率の高い微粒子を添加することにより、得られる硬化膜の屈折率をさらに高めることができる。この具体例としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム及びこれらの金属酸化物と酸化ケイ素や酸化スズの複合粒子が挙げられ、得られる硬化膜の屈折率を高める効果の点から、酸化チタン及び酸化ジルコニウムが好ましい。
酸化チタンは、光触媒活性が有るため、光学用途に用いるためには粒子表面を酸化ケイ素で被覆することが好ましい。また、酸化チタンには、結晶型の違いにより、アナターゼ型とルチル型が存在するが、屈折率が高く、耐光性に優れることからルチル型が好ましい。
感光性組成物中に無機微粒子(F)が分散した組成物に光が入射すると、分散粒子によるレイリー散乱が生じるが、このレイリー散乱を小さくすると照射した光が散乱されることなく組成物中を透過することができる。例えば、組成物を硬化させて電子デバイスの封止剤などを作製した場合、上述するような光取出し効率を向上させたりすることができる。また組成物を硬化させて光導波路を作製した場合、光導波路を伝搬する光信号の散乱が少ないので、光導波路の光伝搬損失が低減する。レイリー散乱は分散粒子の粒子径の3乗に比例することから、その散乱を抑制するためには、組成物中の無機微粒子(F)の一次粒子径は小さい方が好ましい。
感光性組成物中の無機微粒子(F)の一次粒子径は、無機微粒子(F)の二次凝集による硬化膜の白化を防止するために1nm以上であり、薄膜形成時の面均一性に優れるには100nm以下である。一次粒子径は好ましくは1〜50nmであり、より好ましくは5〜15nmである。組成物中の無機微粒子(F)は、凝集が完全にほぐれた一次粒子の状態にあるものと、複数個の一次粒子が凝集した状態にあるものが存在する。ここで、無機微粒子(F)の一次粒子径とは、凝集していない粒子の粒子径であり、一次粒子が凝集した凝集体の粒子径は凝集粒子径である。組成物中の無機微粒子(F)の一次粒子径を測定する方法としては、SEM(走査型電子顕微鏡)やTEM(透過型電子顕微鏡)により直接粒子を観察する方法や、光散乱法によって測定する方法があげられる。
無機微粒子(F)の屈折率(ナノ粒子ではなくバルク材料としての屈折率nD)は、1.6〜3.5であり、好ましくは1.8〜3.0であり、より好ましくは2.0〜2.8でる。
無機微粒子(F)は、粉体状であってもよいし、溶媒分散体であってもよい。分散媒としては、例えば、メタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
無機微粒子(F)として用いることができる市販品の例としては、例えば、酸化チタンナノフィラー分散液(テイカ社製のND−139、御国色素社製のC007Mなど)、酸化ジルコニウムナノフィラー分散液(御国色素社製のMHI B642M、御国色素社製のB943M、ソーラー(株)製のZR−011など)、酸化ケイ素被覆アナターゼ型酸化チタン−メタノール分散ゾル(触媒化成工業社製、オプトレイクシリーズ)、酸化ケイ素被覆−酸化スズ含有ルチル型酸化チタン−メタノール分散ゾル(テイカ社製、TSシリーズ)、酸化ジルコニウム−メチルエチルケトン分散ゾル(大阪セメント社製、HXU−120JC)等が挙げられる。
無機微粒子(F)の含有量はポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して、30〜300重量部である。得られる硬化物の屈折率が下記の所望の範囲であるためには、無機微粒子(F)の含有量は30重量部以上である。また、フォトリソグラフィー法によるパターン加工を行った場合に、得られる硬化物の残膜率が適正であるためには、無機微粒子(F)の含有量は300重量部以下である。
感光性組成物を硬化膜とした場合の屈折率(nD)は、1.6〜3.0である。好ましくは1.6〜2.0であり、さらに好ましくは1.6〜1.8である。屈折率(nD)は、ナトリウムのD線、波長589.3nmの光に対する屈折率であり、測定方法は実施例で示すとおりである。
1−7.その他の成分
本発明の感光性組成物には、塗布均一性、接着性、透明性、解像性、平坦性、及び耐薬品性を向上させるために各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系又はシリコン系の界面活性剤、カップリング剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤、分子量調整剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱架橋剤、光酸発生剤、溶剤が主に挙げられる。
本発明の感光性組成物には、塗布均一性、接着性、透明性、解像性、平坦性、及び耐薬品性を向上させるために各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系又はシリコン系の界面活性剤、カップリング剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤、分子量調整剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱架橋剤、光酸発生剤、溶剤が主に挙げられる。
1−7−1.界面活性剤
本発明の感光性組成物には、塗布均一性を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の具体例は、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(いずれも商品名;共栄社化学株式会社)、ディスパーベイク(Disperbyk)−161、ディスパーベイク−162、ディスパーベイク−163、ディスパーベイク−164、ディスパーベイク−166、ディスパーベイク−170、ディスパーベイク−180、ディスパーベイク−181、ディスパーベイク−182、BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−342、BYK−346、BYK−361N、BYK−UV3500、BYK−UV3570(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、KP−341、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(いずれも商品名;信越化学工業株式会社)、サーフロンS611(商品名;AGCセイミケミカル株式会社)、フタージェント650A、FTX−218(いずれも商品名;株式会社ネオス)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−410、メガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックF−559、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K、メガファックRS−76−NS、メガファックDS−21(いずれも商品名;DIC株式会社)、TEGO Twin 4000、TEGO Twin 4100、TEGO Flow 370、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Rad 2200N(いずれも商品名;エボニック ジャパン株式会社)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が挙げられる。これらから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
本発明の感光性組成物には、塗布均一性を向上させるために、界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の具体例は、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(いずれも商品名;共栄社化学株式会社)、ディスパーベイク(Disperbyk)−161、ディスパーベイク−162、ディスパーベイク−163、ディスパーベイク−164、ディスパーベイク−166、ディスパーベイク−170、ディスパーベイク−180、ディスパーベイク−181、ディスパーベイク−182、BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−342、BYK−346、BYK−361N、BYK−UV3500、BYK−UV3570(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、KP−341、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(いずれも商品名;信越化学工業株式会社)、サーフロンS611(商品名;AGCセイミケミカル株式会社)、フタージェント650A、FTX−218(いずれも商品名;株式会社ネオス)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−410、メガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックF−559、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K、メガファックRS−76−NS、メガファックDS−21(いずれも商品名;DIC株式会社)、TEGO Twin 4000、TEGO Twin 4100、TEGO Flow 370、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Rad 2200N(いずれも商品名;エボニック ジャパン株式会社)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩が挙げられる。これらから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
これらの界面活性剤の中でも、BYK−306、BYK−342、BYK−346、KP−341、KP−368、サーフロン−S611、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント601AD、フタージェント650A、メガファックF−477、メガファックF−556、メガファックF−559、メガファックRS−72−K、メガファックDS−21、TEGO Twin4000、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、及びフルオロアルキルアミノスルホン酸塩の中から選ばれる少なくとも1種であると、感光性組成物の塗布均一性が高くなるので好ましい。
本発明の感光性組成物における界面活性剤の含有量は、感光性組成物全量に対して0.01〜10重量%であることが好ましい。
1−7−2.カップリング剤
本発明の感光性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、カップリング剤をさらに含有してもよい。
本発明の感光性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、カップリング剤をさらに含有してもよい。
このようなカップリング剤としては、例えば、シラン系、アルミニウム系又はチタネート系のカップリング剤を用いることができる。具体的には、3−グリシジルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(例えば、商品名;サイラエースS510、JNC株式会社)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(例えば、商品名;サイラエースS530、JNC株式会社)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(例えば、商品名;サイラエースS810、JNC株式会社)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの重合体(例えば、商品名;COATOSIL MP 200、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)等のシラン系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、及びテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
これらの中でも、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
カップリング剤の含有量は、感光性組成物全量に対して、0.01重量%以上、かつ10重量%以下であることが、形成される硬化膜と基板との密着性が向上するので好ましい。
1−7−3.酸化防止剤
本発明の感光性組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温に晒された場合の黄変を防止する観点から、酸化防止剤をさらに含有してよい。
本発明の感光性組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温に晒された場合の黄変を防止する観点から、酸化防止剤をさらに含有してよい。
本発明の感光性組成物には、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物などの酸化防止剤を添加してもよい。この中でもヒンダードフェノール系が耐候性の観点から好ましい。具体例としては、Irganox1010、Irganox1010FF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1098、Irganox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425 WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox259、Irganox3114、Irganox565、Irganox565DD(いずれも商品名;BASFジャパン株式会社)、ADK STAB AO−20、ADK STAB AO−30、ADK STAB AO−50、ADK STAB AO−60、ADK STAB AO−80(いずれも商品名;株式会社ADEKA)が挙げられる。この中でもIrganox1010、ADK STAB AO−60がより好ましい。
酸化防止剤は、感光性組成物全量に対して、0.1〜10重量部添加して用いられる。
1−7−4.分子量調整剤
本発明の感光性組成物は、重合により分子量が高くなることを抑制し、優れた解像性を発現するために、分子量調整剤をさらに含有してもよい。分子量調整剤としては、メルカプタン類、キサントゲン類、キノン類、ヒドロキノン類、フェノール類、カテコール類、クレゾール類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、フェノチアジン等が挙げられる。
本発明の感光性組成物は、重合により分子量が高くなることを抑制し、優れた解像性を発現するために、分子量調整剤をさらに含有してもよい。分子量調整剤としては、メルカプタン類、キサントゲン類、キノン類、ヒドロキノン類、フェノール類、カテコール類、クレゾール類、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、フェノチアジン等が挙げられる。
分子量調整剤の具体例としては、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾキノン、1,4−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、アントラキノン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、3,6−ジヒドロキシベンゾノルボルナン、4−メトキシフェノール、2,2’,6,6’−テトラ−t−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、4−t−ブチルピロカテコール、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、フェノチアジン、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
1−7−5.紫外線吸収剤
本発明の感光性組成物は、形成したパターン状透明膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から紫外線吸収剤を含んでもよい。
本発明の感光性組成物は、形成したパターン状透明膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から紫外線吸収剤を含んでもよい。
紫外線吸収剤の具体例は、TINUVIN P、TINUVIN 120、TINUVIN 144、TINUVIN 213、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 571、TINUVIN 765(いずれも商品名;BASFジャパン株式会社)である。
紫外線吸収剤は感光性組成物全量に対して、0.01〜10重量部添加して用いられる。
1−7−6.凝集防止剤
本発明の感光性組成物は、固形分を溶剤となじませ、凝集を防止させる観点から凝集防止剤を含んでもよい。
本発明の感光性組成物は、固形分を溶剤となじませ、凝集を防止させる観点から凝集防止剤を含んでもよい。
凝集防止剤の具体例は、ディスパーベイク(Disperbyk)−145、ディスパーベイク−161、ディスパーベイク−162、ディスパーベイク−163、ディスパーベイク−164、ディスパーベイク−182、ディスパーベイク−184、ディスパーベイク−185、ディスパーベイク−2163、ディスパーベイク−2164、BYK−220S、ディスパーベイク−191、ディスパーベイク−199、ディスパーベイク−2015(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、FTX−218、フタージェント710FM、フタージェント710FS(いずれも商品名;株式会社ネオス)、フローレンG−600、フローレンG−700(いずれも商品名;共栄社化学株式会社)である。
凝集防止剤は感光性組成物全量に対して、0.01〜10重量部添加して用いられる。
1−7−7.熱架橋剤
本発明の感光性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から熱架橋剤を含んでもよい。
本発明の感光性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から熱架橋剤を含んでもよい。
熱架橋剤の具体例は、ニカラックMW−30HM、ニカラックMW−100LM、ニカラックMX−270、ニカラックMX−280、ニカラックMX−290、ニカラックMW−390、ニカラックMW−750LM(いずれも商品名;株式会社三和ケミカル)である。
熱架橋剤は感光性組成物全量に対して、0.1〜10重量部添加して用いられる。
1−7−8.光酸発生剤
本発明の感光性組成物は、解像度を向上させる観点から光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤としては1,2−キノンジアジド化合物が用いられる。
本発明の感光性組成物は、解像度を向上させる観点から光酸発生剤を含んでもよい。光酸発生剤としては1,2−キノンジアジド化合物が用いられる。
1,2−キノンジアジド化合物の具体例は、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルである。
2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,3’,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、トリ(p−ヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル;
2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、及び2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルである。
光酸発生剤は感光性組成物全量に対して、0.01〜10重量部添加して用いられる。
1−8.溶剤
本発明の感光性組成物には、溶剤が添加されてもよい。本発明の感光性組成物に任意に添加される溶剤は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)等を溶解できる溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸3−メトキシブチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びジエチレングリコールメチルエチルエーテルである。溶剤は、これらの1種でもよく、これらの2種以上の混合物でもよい。
本発明の感光性組成物には、溶剤が添加されてもよい。本発明の感光性組成物に任意に添加される溶剤は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)等を溶解できる溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、酢酸3−メトキシブチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ブタンジオール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、及びジエチレングリコールメチルエチルエーテルである。溶剤は、これらの1種でもよく、これらの2種以上の混合物でもよい。
2.感光性組成物の保存
本発明の感光性組成物は、−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい。
本発明の感光性組成物は、−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい。
3.感光性組成物から得られる硬化膜
本発明の感光性組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)及び無機微粒子(F)を混合し、目的とする特性によっては、さらに溶剤、カップリング剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
本発明の感光性組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)及び無機微粒子(F)を混合し、目的とする特性によっては、さらに溶剤、カップリング剤、界面活性剤、及びその他の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
上記のようにして調製された、感光性組成物(溶剤がない固形状態の場合には溶剤に溶解させた後)を、基体表面に塗布し、例えば加熱などにより溶剤を除去すると、塗膜を形成することができる。基体表面への感光性組成物の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、フレキソ法、スプレー法、及びスリットコート法など従来から公知の方法を用いることができる。次いで、この塗膜はホットプレート又はオーブンなどで加熱(プリベーク)される。加熱条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常70〜150℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。
その後、塗膜に所望のパターン形状のマスクを介して紫外線を照射する。紫外線照射量はi線で5〜1000mJ/cm2が適当である。紫外線が照射された感光性組成物は、重合性二重結合を有する化合物(B)の重合により三次元架橋体となり、アルカリ現像液に対して不溶化する。
次いで、シャワー現像、スプレー現像、パドル現像、ディップ現像等により塗膜をアルカリ現像液に浸し、不要な部分を溶解除去する。アルカリ現像液の具体例は、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類の水溶液、並びにテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の有機アルカリ類の水溶液である。又、上記アルカリ現像液にメタノール、エタノール、及び界面活性剤等を適当量添加して用いることもできる。
最後に塗膜を完全に硬化させるために180〜250℃、好ましくは200〜250℃で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
このようにして得られた硬化膜は、加熱時においてさらに、1)ポリエステルアミド酸(A)のポリアミド酸部分が脱水環化しイミド結合を形成し、2)ポリエステルアミド酸(A)のカルボン酸がエポキシ基含有ポリマーと反応して高分子量化しているため、非常に強靭であり、透明性、耐熱性、耐薬品性、平坦性、密着性、耐光性、及び耐スパッタ性に優れている。またこの硬化膜は現像後に良好な残膜率を有する。したがって、本発明の硬化膜はカラーフィルター用の保護膜として用いると効果的であり、このカラーフィルターを用いて液晶表示素子や固体撮像素子を製造することができる。また、本発明の硬化膜は、カラーフィルター用の保護膜以外にも、TFTと透明電極間に形成される透明絶縁膜や透明電極と配向膜間に形成される透明絶縁膜、LED発光体の保護膜として用いると効果的である。さらに、本発明の硬化膜は、高い屈折率を有しており、有機EL素子用の光導波路として用いても効果的である。
本発明の電子デバイスは、上述の硬化膜付き基板を有する電子デバイスである。本発明の硬化膜付き基板を利用することで、フレキシブルな電子デバイスが得られる。
本発明の感光性組成物から得られる硬化物は高屈折率であるため光導波路に好ましく使用される。光導波路は、電子機器などの回路基板上に形成され、基板上に実装されたIC間の光信号を伝送する働きを有する。光導波路は光信号が伝搬するコア部と、コア部を囲むコア部よりも屈折率の低いクラッディング部からなる。光導波路には、線状のコア部の周囲をクラッディング部が囲む構造を有するチャネル型光導波路や、層状のコア部の上下を層状のクラッディング部が覆う構造を有するスラブ型光導波路などがあるが、本発明の感光性組成物から得られる硬化物はどちらでも使用することができ、また、コア部とクラッディング部の両方に用いてもよいし、どちらか一方のみに用いてもよい。
光導波路のクラッディング部及びコア部の屈折率や厚さは、設計する光導波路により任意に選択することができる。マルチモード光導波路の場合は、コア部とクラッディング部の屈折率差を大きくして、コア部を厚くすることが適している。シングルモード光導波路の場合は、コア部とクラッディング部の屈折率差を小さくして、コア部を薄くして、シングルモード伝搬が実現するようにする。
次に本発明を合成例、参考例、実施例、及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
表1〜2中の各成分の略称について、
ODPAは3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
BT−100は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、
SMA1000Pはスチレン−無水マレイン酸共重合体 (商品名;川原油化株式会社)、
MEHQは4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、
エポキシエステル70PAはプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物(商品名;共栄社化学株式会社)
DDSは3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
M−520は重合性二重結合を有する化合物 アロニックスM−520(商品名;東亞合成株式会社)、
NCI−930は光重合開始剤 アデカアークルズNCI−930(商品名;株式会社ADEKA)、
VG3101Lはエポキシ化合物 TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)、
TMAはエポキシ硬化剤 トリメリット酸無水物、
ND−139は無機微粒子(商品名;テイカ株式会社)、
S510はカップリング剤 サイラエースS510(商品名;JNC株式会社)、
AO−60は酸化防止剤 ADK STAB AO−60(商品名;株式会社ADEKA)、
BYK−342は界面活性剤 BYK−342(商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、
PGMEAは溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
PGMEは溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテル、
EDMは溶剤 ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、である。
ODPAは3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、
BT−100は1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、
SMA1000Pはスチレン−無水マレイン酸共重合体 (商品名;川原油化株式会社)、
MEHQは4−メトキシフェノール(ヒドロキノンモノメチルエーテル)、
エポキシエステル70PAはプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物(商品名;共栄社化学株式会社)
DDSは3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、
M−520は重合性二重結合を有する化合物 アロニックスM−520(商品名;東亞合成株式会社)、
NCI−930は光重合開始剤 アデカアークルズNCI−930(商品名;株式会社ADEKA)、
VG3101Lはエポキシ化合物 TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)、
TMAはエポキシ硬化剤 トリメリット酸無水物、
ND−139は無機微粒子(商品名;テイカ株式会社)、
S510はカップリング剤 サイラエースS510(商品名;JNC株式会社)、
AO−60は酸化防止剤 ADK STAB AO−60(商品名;株式会社ADEKA)、
BYK−342は界面活性剤 BYK−342(商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、
PGMEAは溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
PGMEは溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテル、
EDMは溶剤 ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、である。
[合成例1]ポリエステルアミド酸溶液(A1)の合成
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製したPGMEA、BT−100、SMA1000P、ベンジルアルコール、1,4−ブタンジオールの順に下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下125℃で3時間攪拌した。
PGMEA 42.81g
BT−100 3.04g
SMA1000P 14.45g
ベンジルアルコール 4.64g
1,4−ブタンジオール 0.92g
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製したPGMEA、BT−100、SMA1000P、ベンジルアルコール、1,4−ブタンジオールの順に下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下125℃で3時間攪拌した。
PGMEA 42.81g
BT−100 3.04g
SMA1000P 14.45g
ベンジルアルコール 4.64g
1,4−ブタンジオール 0.92g
その後、反応液を25℃まで冷却し、DDS、PGMEAを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、125℃で2時間攪拌した。
DDS 0.95g
PGMEA 7.04g
〔Z/Y=2.7、(Y+Z)/X=0.9〕
DDS 0.95g
PGMEA 7.04g
〔Z/Y=2.7、(Y+Z)/X=0.9〕
その後、反応液を25℃まで冷却し、トリメリット酸無水物(TMA)、PGMEAを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した。
TMA 0.24g
PGMEA 6.15g
TMA 0.24g
PGMEA 6.15g
溶液を室温まで冷却し、淡黄色透明なポリエステルアミド酸の30重量%溶液(A1)を得た。溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。得られたポリエステルアミド酸(A1)の重量平均分子量は15,000であった。
[合成例2〜4]ポリエステルアミド酸溶液(A2〜A4)の合成
合成例1の方法に準じて、表1に記載の温度、時間、及び割合(単位:g)で各成分を反応させ、ポリエステルアミド酸溶液を得た。
合成例1の方法に準じて、表1に記載の温度、時間、及び割合(単位:g)で各成分を反応させ、ポリエステルアミド酸溶液を得た。
[実施例1]
合成例1で得られたポリエステルアミド酸(A1)の30重量%溶液、M−520、NCI−930、VG3101L、TMA、ND−139、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、S510、AO−60、BYK−342、PGMEA、PGME、EDMを表2に記載の割合(単位:g)で混合溶解し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して感光性組成物を得た。
合成例1で得られたポリエステルアミド酸(A1)の30重量%溶液、M−520、NCI−930、VG3101L、TMA、ND−139、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、S510、AO−60、BYK−342、PGMEA、PGME、EDMを表2に記載の割合(単位:g)で混合溶解し、メンブランフィルター(0.2μm)で濾過して感光性組成物を得た。
[実施例2〜8及び比較例1〜2]
実施例1の方法に準じて、表2に記載の割合(単位:g)で各成分を混合溶解し、感光性組成物を得た。
実施例1の方法に準じて、表2に記載の割合(単位:g)で各成分を混合溶解し、感光性組成物を得た。
[評価用成膜方法]
感光性組成物をガラス基板上に400rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で120秒間プリベークした。そして、空気中にて50μm幅のホール及びラインパターンを有するマスクを介して、プロキシミティー露光機TME−150PRCを使用し、露光ギャップ100μmで露光した。露光量は積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して30mJ/cm2とした。露光後の塗膜を、炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウムの緩衝液を用いて27℃で60秒間パドル現像した後、未露光部を除去した。現像後の塗膜を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。さらにオーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmのパターン状硬化膜付きガラス基板を得た。
感光性組成物をガラス基板上に400rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で120秒間プリベークした。そして、空気中にて50μm幅のホール及びラインパターンを有するマスクを介して、プロキシミティー露光機TME−150PRCを使用し、露光ギャップ100μmで露光した。露光量は積算光量計UIT−102、受光器UVD−365PDで測定して30mJ/cm2とした。露光後の塗膜を、炭酸ナトリウム・炭酸水素ナトリウムの緩衝液を用いて27℃で60秒間パドル現像した後、未露光部を除去した。現像後の塗膜を純水で20秒間洗ってから100℃のホットプレートで2分間乾燥した。さらにオーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmのパターン状硬化膜付きガラス基板を得た。
このようにして得られた硬化膜について、残膜率、解像性、屈折率、透明性、平坦性について特性を評価した。
[残膜率の評価方法]
段差・表面粗さ・微細形状測定装置(商品名;P−17、KLA TENCOR株式会社)を用いて、現像前膜厚及び現像後膜厚を測定し、残膜率(現像後の膜厚×100/現像前の膜厚)を算出した。残膜率が80%以上の場合を○、現像後の残膜率が80%未満の場合を×とした。
段差・表面粗さ・微細形状測定装置(商品名;P−17、KLA TENCOR株式会社)を用いて、現像前膜厚及び現像後膜厚を測定し、残膜率(現像後の膜厚×100/現像前の膜厚)を算出した。残膜率が80%以上の場合を○、現像後の残膜率が80%未満の場合を×とした。
[解像性の評価方法]
得られたパターン状硬化膜付きガラス基板を、50倍の光学顕微鏡で観察し、マスクサイズ50μm幅に対応したホール及びラインパターンの解像性を評価した。ホール及びラインパターンが解像した場合を「○」、解像しなかった場合を「×」とした。
得られたパターン状硬化膜付きガラス基板を、50倍の光学顕微鏡で観察し、マスクサイズ50μm幅に対応したホール及びラインパターンの解像性を評価した。ホール及びラインパターンが解像した場合を「○」、解像しなかった場合を「×」とした。
[屈折率の評価方法]
反射分光膜厚計FE−3000(大塚電子(株)製)を用いて、上記硬化膜の屈折率を測定した。屈折率が1.60以上の場合を○、1.60未満の場合を×とした。
反射分光膜厚計FE−3000(大塚電子(株)製)を用いて、上記硬化膜の屈折率を測定した。屈折率が1.60以上の場合を○、1.60未満の場合を×とした。
[透明性の評価方法]
へイズメーターHAZE−GARD PLUS(BYK(株)製)を用いて、上記硬化膜の全光線透過率、及びヘイズを測定した。透過率が90%以上の場合を○、90%未満の場合を×とした。ヘイズが1%以下の場合を○、1%超の場合を×とした。
へイズメーターHAZE−GARD PLUS(BYK(株)製)を用いて、上記硬化膜の全光線透過率、及びヘイズを測定した。透過率が90%以上の場合を○、90%未満の場合を×とした。ヘイズが1%以下の場合を○、1%超の場合を×とした。
[平坦性の評価方法]
R、G、Bを含む画素を有する硬化膜無しカラーフィルター基板上に、感光性組成物を400rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で120秒間プリベークした。続いてオーブン中230℃で30分間ポストベークし、保護膜の平均膜厚1.5μmである硬化膜付きカラーフィルター基板を得た。その後、得られた硬化膜付きカラーフィルター基板に対して、段差・表面粗さ・微細形状測定装置を用いて表面段差を測定し、結果を表3に示した。最大段差が0.25μm以下の場合を平坦性○、0.26μm以上の場合を平坦性×と評価した。尚、硬化膜無しカラーフィルター基板は、最大段差が1μmのものを用いた。
R、G、Bを含む画素を有する硬化膜無しカラーフィルター基板上に、感光性組成物を400rpmで10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で120秒間プリベークした。続いてオーブン中230℃で30分間ポストベークし、保護膜の平均膜厚1.5μmである硬化膜付きカラーフィルター基板を得た。その後、得られた硬化膜付きカラーフィルター基板に対して、段差・表面粗さ・微細形状測定装置を用いて表面段差を測定し、結果を表3に示した。最大段差が0.25μm以下の場合を平坦性○、0.26μm以上の場合を平坦性×と評価した。尚、硬化膜無しカラーフィルター基板は、最大段差が1μmのものを用いた。
以下、実施例1〜8及び比較例1〜2の硬化膜の評価結果を表3に示した。
解像性:50μmのホールパターンを開口できれば○
屈折率:1.60以上であれば○
透明性:全光線透過率90%以上且つ、ヘイズ1%以下であれば○
平坦性:最大段差が0.25μm以下の場合○、0.26μm以上の場合×
表3に示した結果から明らかなように、実施例1〜8の硬化膜は、残膜率、解像性、屈折率、透明性、平坦性すべての点においてバランスがとれていることが分かる。一方、比較例1〜2の硬化膜は、各評価項目すべて「○」となるものはない。比較例1の硬化膜は残膜率が劣り、比較例2の硬化膜は現像後に膜が全て溶解してしまった。以上のように、合成例に記載のポリエステルアミド酸を用い、無機微粒子添加量の割合が本発明の範囲内である場合、すべての特性を満足させることができた。
本発明の感光性組成物は高い耐熱性を有するポリエステルアミド酸を主材としており、同組成物によって形成された硬化膜は、耐熱性、透明性、平坦性に優れ、解像性、残膜率、屈折率において既存の膜の性能を凌駕している。本発明の硬化膜は光学材料としての特性に優れており、カラーフィルター、LED発光素子及び受光素子などの各種光学材料などの保護膜、並びに、TFTと透明電極間及び透明電極と配向膜間に形成される透明絶縁膜として利用できる。
Claims (13)
- ポリエステルアミド酸(A)、重合性二重結合を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)、エポキシ化合物(D)、エポキシ硬化剤(E)、及び無機微粒子(F)を含む感光性組成物であって;
前記ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記の式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で反応させることにより得られ、下記式(3)で表される構成単位と下記式(4)で表される構成単位を含み;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)は、重合性二重結合を1分子あたり2個以上有する化合物を含み;
前記エポキシ化合物(D)は、エポキシ基を1分子あたり2〜10個含み;
前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対し、前記重合性二重結合を有する化合物(B)の総量は20〜300重量部であり、前記エポキシ化合物(D)の総量は20〜200重量部である感光性組成物;
0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)
- 前記ポリエステルアミド酸(A)の原料成分が、さらにモノヒドロキシ化合物を含む、請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記モノヒドロキシ化合物が、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、ヒドロキシエチルメタクリレート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、及び4−メトキシフェノールから選択される少なくとも1つである、請求項2に記載の感光性組成物。
- 前記ポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量が1,000〜200,000であり;
前記テトラカルボン酸二無水物が、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)から選択される少なくとも1つであり;
前記ジアミンが、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン及びビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンから選択される少なくとも1つであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、及びイソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)から選択される少なくとも1つであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)が、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、及びイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートから選択される少なくとも1つを、前記重合性二重結合を有する化合物の総重量に対し50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が、3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物、2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタントリグリシジルエーテル、1,3−ビス(オキシラニルメチル)−5−(2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及び2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物から選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性組成物。 - 前記光重合開始剤(C)が、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤から選択される少なくとも1つである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記エポキシ硬化剤(E)がトリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物及び2−ウンデシルイミダゾールから選択される少なくとも1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記テトラカルボン酸二無水物が3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物から選択される少なくとも1つであり;
前記ジアミンが3,3’−ジアミノジフェニルスルホンであり;
前記多価ヒドロキシ化合物が1,4−ブタンジオールであり;
前記重合性二重結合を有する化合物(B)がジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートから選択される少なくとも1つであり;
前記光重合開始剤(C)が、下記式(5)で表される化合物を、光重合開始剤の全重量に対して50重量%以上含有し;
前記エポキシ化合物(D)が2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンと1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールとの混合物及び2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパンから選択される少なくとも1つであり;
前記エポキシ硬化剤(E)がトリメリット酸無水物及び2−ウンデシルイミダゾールから選択される少なくとも1つを含み;
更に、溶剤として3−メトキシプロピオン酸メチル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性組成物;
- 前記ポリエステルアミド酸(A)の原料がスチレン−無水マレイン酸共重合体を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記無機微粒子(F)が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して30〜300重量部含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記無機微粒子(F)の一次粒子径が1〜100nmの酸化チタン又は酸化ジルコニアである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の感光性組成物から得られる硬化膜。
- 請求項11に記載の硬化膜を透明保護膜として有するカラーフィルター。
- 請求項11に記載の硬化膜を有する電子デバイス。
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