JP2021059713A - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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尚樹 渡辺
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Abstract

【課題】平坦性に優れる硬化膜を与える熱硬化性組成物、及び該熱硬化性組成物によって形成される硬化膜を提供する。さらに、該硬化膜を有する電子部品を提供する。【解決手段】ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を含む熱硬化性組成物であって、ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン、及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で含む原料の反応生成物であることを特徴とする、熱硬化性組成物。0.2≦Z/Y≦8.0(1)0.2≦(Y+Z)/X≦5.0(2)【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性組成物に関する。また、当該組成物を用いて形成した絶縁膜、パッシベ−ション膜、バッファーコート膜、平坦化膜、又はカラーフィルター用保護膜等の電子材料に関する。さらに、当該材料を用いた電子部品に関する。またさらに、当該部品を用いた半導体装置又は液晶表示素子等の電気製品に関する。
液晶表示素子等の素子の製造工程では、素子が有機溶剤等による薬品処理を受けることや、スパッタリング等による配線電極成膜時に加熱処理を受けることがある。そのため、各種素子の表面劣化、損傷、変質を防止する目的で表面保護膜を設ける場合がある。これらの保護膜には、上記のような製造工程中の処理に耐えることが要求される。具体的には、耐熱性、耐溶剤性等の耐薬品性、耐水性、ガラス等の下地基板への密着性、透明性、耐傷性、平坦性、耐光性等が要求される。また、熱硬化性組成物には、前期保護膜を形成させる際の塗布性が良好であることが要求される。
また更に、近年では液晶表示素子の製造拠点は海外移設や海外新設が進められており、熱硬化性材料の輸送期間は従来よりも長期化しており、熱硬化性材料には例えば長期保管でも粘度の変化が見られないといった優れた保存安定性も要求される。
表示素子に求められる信頼性の要求特性が向上するに伴い、表示素子部材に求められる耐熱性が向上している中、耐熱性の良好なポリエステルアミド酸及びエポキシ化合物を含む熱硬化性組成物が提唱されていた(特許文献1)。更に、近年の生産ラインの大型化により、例えば配向膜のラビング時の面内ムラを低減するために、従来よりもラビングローラーを強く押し当てる必要が生じ、このため保護膜の耐傷性向上が求められている。これに対して前記発明のエポキシ化合物の分子量を調整し、さらにアクリル化合物を含んだ熱硬化性組成物が提唱され、耐熱性が良好であることに加えて、耐傷性が改善された(特許文献2)。
近年の液晶表示素子における高精細化、薄型化の要求に伴い、保護膜には従来よりも優れた平坦性が求められている。平坦性とは液晶表示素子に用いられるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)等の画素で構成されるカラーフィルター上に保護膜を塗布、成膜した際の表面段差を表したもので、表面段差が大きいと表示品位が低下する。熱硬化性材料に対し、更なる平坦性向上が課題となっていた。
特開2005−105264 特開2018−028062
本発明の課題は、上記の諸特性を満足させた上で、さらに従来よりも平坦性に優れる硬化膜を与える熱硬化性組成物、及び該熱硬化性組成物によって形成される硬化膜を提供することであり、更には該硬化膜を有する電子部品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の反応生成物であるポリエステルアミド酸、エポキシ化合物、重合性二重結合を有する化合物、並びに単官能アクリルアミド化合物を含む組成物を硬化して得られる硬化膜により、上記目的を達することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の構成を含む。
[1] ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を含む熱硬化性組成物であって、
前記ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン、及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で含む原料の反応生成物であることを特徴とする、熱硬化性組成物。

0.2≦Z/Y≦8.0・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0・・・(2)
[2] 前記ポリエステルアミド酸(A)が、下記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位を含む、[1]項に記載の熱硬化性組成物。
Figure 2021059713
式(3)及び式(4)において、Rはテトラカルボン酸二無水物から2つの−C(=O)−O−C(=O)−を除いた構造であり、Rはジアミンから2つの−NHを除いた構造であり、Rは多価ヒドロキシ化合物から2つの−OHを除いた構造である。
[3] 前記重合性二重結合を有する化合物(C)が、(メタ)アクリロイル基を1分子あたり3個以上有する化合物であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の熱硬化性組成物。
[4] 前記エポキシ化合物(B)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して20〜400重量部であり、前記重合性二重結合を有する化合物(C)の含有量が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して1〜200重量部であり、前記単官能アクリルアミド化合物(D)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して41〜200重量部である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
[5] 前記エポキシ化合物(B)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して20〜400重量部であり、前記重合性二重結合を有する化合物(C)の含有量が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して1〜200重量部であり、前記単官能アクリルアミド化合物(D)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して50〜150重量部である[1]〜[3]のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
[6] [1]〜[5]のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜。
[7] [6]項に記載の硬化膜を透明保護膜として有するカラーフィルター。
本発明の好ましい態様に係る熱硬化性組成物は、平坦性に優れた膜を形成させることができる点で、特に優れた材料である。例えば、カラ−液晶表示素子のカラーフィルター用保護膜として用いた場合、表示品位を向上させることができる。特に、染色法、顔料分散法、電着法及び印刷法により製造されたカラーフィルター用保護膜として有用である。又、各種電子部品の絶縁膜、パッシベ−ション膜、バッファーコート膜、又は平坦化膜としても使用することができる。
本明細書においては、本発明に係る硬化膜の段差が小さいほど、硬化膜及びその硬化膜を形成するための熱硬化性組成物が「平坦性に優れる」と表現する。また、本発明に係る熱硬化性材料を一定期間保管した際の粘度の変化が小さいほど、「保存安定性に優れる」と表現する。
本明細書中、「アクリレート」及び「メタクリレート」の一方又は両方を示すために、「(メタ)アクリレート」のように表記することがある。同様に、「アクリロキシ」及び「メタクリロキシ」の一方又は両方を示すために、「(メタ)アクリロキシ」のように表記することがある。
1.本発明の熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を含む原料の反応生成物であるポリエステルアミド酸、エポキシ化合物、重合性二重結合を有する化合物、並びに単官能アクリルアミド化合物を含む組成物であって、ポリエステルアミド酸100重量部に対し、エポキシ化合物が20〜400重量部、重合性二重結合を有する化合物が1〜200重量部であって、単官能アクリルアミド化合物が41〜200重量部の範囲であることを特徴とする熱硬化性組成物である。
1−1.ポリエステルアミド酸(A)
ポリエステルアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を含む原料の反応生成物である。更に詳しくは、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で含む原料の反応生成物である。

0.2≦Z/Y≦8.0・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0・・・(2)
ポリエステルアミド酸(A)は下記式(3)で表される構成単位及び式(4)で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 2021059713
式(3)及び式(4)において、Rはテトラカルボン酸二無水物から2つの−C(=O)−O−C(=O)−を除いた構造であり、好ましくは炭素数2〜30の有機基である。Rはジアミンから2つの−NHを除いた構造であり、好ましくは炭素数2〜30の有機基である。Rは多価ヒドロキシ化合物から2つの−OHを除いた構造であり、好ましくは炭素数2〜20の有機基である。
ポリエステルアミド酸(A)の合成には、少なくとも溶剤が必要であり、この溶剤をそのまま残してハンドリング性等を考慮した液状やゲル状の熱硬化性組成物としてもよいし、この溶剤を除去して運搬性等を考慮した固形状の組成物としてもよい。又、ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、必要に応じて、モノヒドロキシ化合物及びスチレン−無水マレイン酸共重合体から選択される1種以上の化合物を含んでいてもよく、特にモノヒドロキシ化合物を含むことが好ましい。又、ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の化合物を含んでいてもよい。
1−1−1.テトラカルボン酸二無水物
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。好ましいテトラカルボン酸二無水物の具体例は、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)(商品名;TMEG−100、新日本理化株式会社)、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、及びエタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸二無水物である。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でも、良好な透明性を与える、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2−[ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)]ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、及びエチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)がより好ましく、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、及び1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物が更に好ましい。
1−1−2.ジアミン
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、ジアミンを用いる。好ましいジアミンの具体例は、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル][3−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、及び2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパンである。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でも、良好な透明性を与える、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン又はビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンがより好ましく、3,3’−ジアミノジフェニルスルホンが更に好ましい。
1−1−3.多価ヒドロキシ化合物
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、多価ヒドロキシ化合物を用いる。
多価ヒドロキシ化合物の具体例は、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2−ヘプタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2,7−ヘプタントリオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、3,6−オクタンジオール、1,2,8−オクタントリオール、1,2−ノナンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2,9−ノナントリオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2,10−デカントリオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールS(ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン)、ビスフェノールF(ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン)、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェノキシエタノール)、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グリセリンモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテル、ジペンタエリスリトールモノアリルエーテル、ジペンタエリスリトールジアリルエーテル、ジペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ソルビトールモノアリルエーテル、ソルビトールジアリルエーテル、ソルビトールトリアリルエーテル、ソルビトールテトラアリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールモノ(メタ)アクリレート、ソルビトールジ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビキシレノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビフェノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、フルオレンジフェノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、及びエポキシ基を1分子あたり2個以上含む他の化合物の(メタ)アクリル酸変性物を挙げることができる。
これらの中で、反応溶剤への溶解性が良好な、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、4,4’−ジヒドロキシジシクロヘキシル、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェノキシエタノール)、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールSジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、又はプロピレンオキシド変性ビスフェノールFジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物が好ましい。さらに、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−ヒドロキシベンジルアルコール、4−ヒドロキシベンジルアルコール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−フェノキシエタノール)、2−(4−ヒドロキシフェニル)エタノール、エチレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物、又はプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル酸変性物が特により好ましい。
エチレングリコールジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、グリセリンジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物、プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物、及びプロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物として、下記市販品を用いることができる。
エチレングリコールジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル40EM(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル70PA(商品名;共栄社化学株式会社)である。トリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル200PA(商品名;共栄社化学株式会社)である。グリセリンジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル80MFA(商品名;共栄社化学株式会社)である。ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3000MK(商品名;共栄社化学株式会社)である。ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3000A(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのメタクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3002M(N)(商品名;共栄社化学株式会社)である。プロピレンオキシド変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルのアクリル酸変性物の具体例は、エポキシエステル3002A(N)(商品名;共栄社化学株式会社)である。
1−1−4.モノヒドロキシ化合物
本発明では、ポリエステルアミド酸(A)を得るための材料として、モノヒドロキシ化合物を用いてもよい。モノヒドロキシ化合物を用いることで、熱硬化性組成物の保存安定性が向上する。好ましいモノヒドロキシ化合物の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、フェノール、ボルネオール、マルトール、リナロール、テルピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンである。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でもイソプロピルアルコール、アリルアルコール、ベンジルアルコール、プロピレングリコールモノエチルエーテル、又は3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンがより好ましい。これらを使用してできるポリエステルアミド酸(A)と、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を混合した場合の相溶性や、熱硬化性組成物のカラーフィルター上への塗布性を考慮すると、モノヒドロキシ化合物にはベンジルアルコールの使用が更に好ましい。
モノヒドロキシ化合物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜300重量部含有して反応させることが好ましい。より好ましくは5〜200重量部である。
1−1−5.スチレン−無水マレイン酸共重合体
又、本発明に用いられるポリエステルアミド酸(A)は、上記の原料に酸無水物基を3個以上有する化合物を添加して合成してもよい。酸無水物基を3個以上有する化合物を添加して合成したポリエステルアミド酸(A)は、透明性の向上が期待されるため好ましい。酸無水物基を3個以上有する化合物の例は、スチレン−無水マレイン酸共重合体である。スチレン−無水マレイン酸共重合体を構成する各成分の比率については、スチレン/無水マレイン酸のモル比が0.5〜4であり、好ましくは1〜3である。スチレン/無水マレイン酸のモル比は1又は2がより好ましく、1が更に好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体の具体例は、SMA3000P、SMA2000P、及びSMA1000P(いずれも商品名;川原油化株式会社)である。これらの中でも耐熱性及び耐アルカリ性が良好なSMA1000Pが特に好ましい。
スチレン−無水マレイン酸共重合体は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜500重量部含有することが好ましい。より好ましくは10〜300重量部である。
1−1−6.アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物
ポリエステルアミド酸(A)の合成には、原料として、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて上記以外の他の原料を含んでいてもよく、このような他の原料の例は、アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物である。アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物はポリエステルアミド酸(A)の末端の酸無水物基と反応させて末端にシリル基を導入するために用いられる。アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物を添加して反応することにより得られたポリエステルアミド酸(A)を含有する本発明の熱硬化性組成物を用いると、得られた硬化膜の耐酸性が改善される。更に、上述したモノマーの構成で反応させる場合には、モノヒドロキシ化合物及びアミノ基を1つ有するアミノシラン化合物を両方添加して反応させることもできる。
本発明で用いられるアミノ基を1つ有するアミノシラン化合物の具体例は、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4−アミノブチルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、及びm−アミノフェニルメチルジエトキシシランである。これらの内1種以上を用いることができる。
これらの中でも硬化膜の耐酸性が良好になる3−アミノプロピルトリエトキシシラン又はp−アミノフェニルトリメトキシシランがより好ましく、3−アミノプロピルトリエトキシシランが耐酸性、相溶性の観点から更に好ましい。
アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計量100重量部に対して0〜300重量部含有することが好ましい。より好ましくは5〜200重量部である。
1−1−7.ポリエステルアミド酸(A)の合成反応に用いる溶剤
ポリエステルアミド酸(A)を得るための合成反応に用いる溶剤(以降、「反応溶剤」と称することがある。)の具体例は、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチル、シクロヘキサノン、N−メチル−2−ピロリドン、及びN,N−ジメチルアセトアミドである。これらの中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、又はジエチレングリコールメチルエチルエーテルが好ましい。
1−1−8.ポリエステルアミド酸(A)の合成方法
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物Xモル、ジアミンYモル、及び多価ヒドロキシ化合物Zモルを上記溶剤中で反応させることで合成され、このときX、Y、及びZはそれらの間に下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。この範囲であれば、ポリエステルアミド酸(A)の溶剤への溶解性が高く、したがって組成物の塗布性が向上し、結果として平坦性に優れた硬化膜を得ることができる。

0.2≦Z/Y≦8.0 ・・・・・・・(1)
0.2≦(Y+Z)/X≦5.0 ・・・(2)

式(1)において、好ましくは0.7≦Z/Y≦7.0であり、より好ましくは1.0≦Z/Y≦5.0である。又、式(2)において、好ましくは0.5≦(Y+Z)/X≦4.0であり、より好ましくは0.6≦(Y+Z)/X≦2.0である。
本発明で用いられるポリエステルアミド酸(A)は、上記の反応条件において(Y+Z)に対してXを過剰に用いた条件下では、末端に酸無水物基(−C(=O)−O−C(=O)−)を有する分子が、末端にアミノ基や水酸基を有する分子より過剰に生成すると考えられる。そのようなモノマーの構成で反応させる場合には、必要により、分子末端の酸無水物基と反応させて末端をエステル化するために、上述したモノヒドロキシ化合物を添加することができる。モノヒドロキシ化合物を添加して反応することにより得られたポリエステルアミド酸(A)は、エポキシ化合物及びエポキシ硬化剤との相溶性が改善されるとともに、それらを含む本発明の熱硬化性組成物の塗布性が改善される。
反応溶剤は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の合計100重量部に対し100重量部〜1000重量部使用すると、反応がスムーズに進行するので好ましい。反応は40℃〜200℃で、0.2〜20時間反応させるのがよい。
反応原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。すなわち、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物を同時に反応溶剤に加える方法、ジアミン及び多価ヒドロキシ化合物を反応溶剤中に溶解させた後、テトラカルボン酸二無水物を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物と多価ヒドロキシ化合物をあらかじめ反応させた後、その生成物にジアミンを添加する方法、又はテトラカルボン酸二無水物及びジアミンをあらかじめ反応させた後、その生成物に多価ヒドロキシ化合物を添加する方法等いずれの方法も用いることができる。
前記のアミノ基を1つ有するアミノシラン化合物を反応させる場合には、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、及び多価ヒドロキシ化合物の混合物の反応が終了した後に、反応後の溶液を40℃以下まで冷却した後、アミノ基を1つ有するアミノシラン化合物を添加し、10〜40℃で0.1〜6時間反応させるとよい。又、モノヒドロキシ化合物は反応のどの時点で添加してもよい。
このようにして合成されたポリエステルアミド酸(A)は式(3)で表される構成単位及び式(4)で表される構成単位を含み、その末端は原料であるテトラカルボン酸二無水物、ジアミン若しくは多価ヒドロキシ化合物に由来する酸無水物基、アミノ基若しくはヒドロキシ基であるか、又はこれら化合物以外の添加物がその末端を構成する。このような構成を含むことで、硬化性が良好となる。
得られたポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量は1,000〜200,000であることが好ましく、2,000〜50,000がより好ましい。これらの範囲にあれば、平坦性及び耐熱性が良好となる。
前記ポリエステルアミド酸(A)の重量平均分子量は、GPC法(カラム温度:35℃、流速:1ml/分)により求めたポリスチレン換算での値である。標準のポリスチレンには、アジレント・テクノロジ−株式会社のポリスチレンキャリブレ−ションキットPL2010−0102の、重量平均分子量が645、2590、10290、37600、及び124500であるポリスチレンを使用した。カラムにはPLgel MIXED−D(アジレント・テクノロジ−株式会社)を用い、移動相としてTHFを使用した。また、本明細書中に記載した市販のポリマーの重量平均分子量はカタログ掲載値である。
1−2.エポキシ化合物(B)
本発明に用いられるエポキシ化合物(B)は、1分子当たり2つ以上のエポキシ基を有する化合物である。
エポキシ化合物(B)の例は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、エポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、及びシロキサン結合部位を有するエポキシ化合物である。
ビスフェノールA型エポキシ化合物の市販品の具体例は、jER 828、1004、1009(いずれも商品名;三菱ケミカル株式会社)であり;ビスフェノールF型エポキシ化合物の市販品の具体例は、jER 806、4005P(いずれも商品名;三菱ケミカル株式会社)であり;グリシジルエーテル型エポキシ化合物の市販品の具体例は、TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)、EHPE3150(商品名;株式会社ダイセル)、EPPN−501H、502H(いずれも商品名;日本化薬株式会社)、及びjER 1032H60(商品名;三菱ケミカル株式会社)であり;グリシジルエステル型エポキシ化合物の市販品の具体例は、デナコール EX−721(商品名;ナガセケムテックス株式会社)、及び1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル(商品名;東京化成工業株式会社製)であり;ビフェニル型エポキシ化合物の市販品の具体例は、jER YX4000、YX4000H、YL6121H(いずれも商品名;三菱ケミカル株式会社)、及びNC−3000、NC−3000−L、NC−3000−H、NC−3100(いずれも商品名;日本化薬株式会社)であり;フェノールノボラック型エポキシ化合物の市販品の具体例は、EPPN−201(商品名;日本化薬株式会社)、及びjER 152、154(いずれも商品名;三菱ケミカル株式会社)等であり;クレゾールノボラック型エポキシ化合物の市販品の具体例は、EOCN−102S、103S、104S、1020(いずれも商品名;日本化薬株式会社)等であり;ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物の市販品の具体例は、jER 157S65、157S70(いずれも商品名;三菱ケミカル株式会社)であり;環式脂肪族エポキシ化合物の市販品の具体例は、セロキサイド2021P、3000(いずれも商品名;株式会社ダイセル)であり;シロキサン結合部位を有するエポキシ化合物の市販品の具体例は、1,3−ビス[2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン(商品名;ジェレストインコ−ポレイテッド)、TSL9906(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マーテリアルズ・ジャパン合同会社)、COATOSIL MP200(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マーテリアルズ・ジャパン合同会社)、コンポセラン SQ506(商品名;荒川化学株式会社)、ES−1023(商品名;信越化学工業株式会社)である。
尚、TECHMORE VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)は2−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−2−[4−[1,1−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]エチル]フェニル]プロパン及び1,3−ビス[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−[4−[1−[4−(2,3−エポキシプロポキシ)フェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチル]フェノキシ]−2−プロパノールの混合物であり;EHPE3150(商品名;株式会社ダイセル)は2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物であり;セロキサイド2021P(商品名;株式会社ダイセル)は3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートであり;セロキサイド3000(商品名;株式会社ダイセル)は1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタンであり;COATOSIL MP200(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マーテリアルズ・ジャパン合同会社)は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの重合体である。
これらのエポキシ化合物の中でも、エポキシ化合物(B)は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、エポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、又はシロキサン結合部位を有するエポキシ化合物を用いることが好ましい。また、エポキシ化合物(B)は、ビスフェノールA型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、エポキシ基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体、又はシロキサン結合部位を有するエポキシ化合物を用いることがより好ましい。
エポキシ化合物(B)は上記の化合物を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の熱硬化性組成物におけるポリエステルアミド酸(A)100重量部に対するエポキシ化合物(B)の総量の割合は、20〜400重量部である。エポキシ化合物(B)の総量の割合がこの範囲であると、平坦性、耐熱性、耐薬品性、密着性のバランスが良好である。エポキシ化合物(B)の総量は50〜300重量部の範囲であることが更に好ましい。
1−3.重合性二重結合を有する化合物(C)
本発明に用いられる重合性二重結合を有する化合物(C)は、(メタ)アクリロイル基を1分子当り3個以上有する限り特に限定されるものではない。
重合性二重結合を有する化合物(C)の内、(メタ)アクリロイル基を1分子当り3個以上有する化合物の具体例は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロールヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロールヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン・エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートである。
重合性二重結合を有する化合物は上記の化合物を単独で用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。
重合性二重結合を有する化合物の中でも、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、又はカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1つを用いることが、平坦性及び耐傷性の観点から好ましい。
重合性二重結合を有する化合物は、下記のような市販品を用いることができる。イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートの混合物の具体例は、M−315(3〜13重量%、以下「M−315」と略記)(いずれも商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のイソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレートの含有率のカタログ掲載値)であり;トリメチロールプロパントリアクリレートの具体例は、アロニックス M−309(商品名;東亞合成株式会社)であり;ペンタエリスリトールトリアクリレート及びペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物の具体例は、アロニックス M−306(65〜70重量%)、M−305(55〜63重量%)、M−303(30〜60重量%)、M−452(25〜40重量%)、及びM−450(10重量%未満)(いずれも商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のペンタエリスリトールトリアクリレートの含有率のカタログ掲載値)であり;ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物の具体例は、アロニックス M−403(50〜60重量%)、M−400(40〜50重量%)、M−402(30〜40重量%、以下「M−402」と略記)、M−404(30〜40重量%)、M−406(25〜35重量%)、及びM−405(10〜20重量%)(いずれも商品名;東亞合成株式会社、カッコ内の含有率は混合物中のジペンタエリスリトールペンタアクリレートの含有率のカタログ掲載値)であり;カルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートの具体例は、アロニックス M−510及びM−520(以下「M−520」と略記)(いずれも商品名;東亞合成株式会社)である。
本発明の熱硬化性組成物におけるポリエステルアミド酸(A)100重量部に対する重合性二重結合を有する化合物(C)の総量の割合は、1〜200重量部である。重合性二重結合を有する化合物(C)の総量の割合がこの範囲であると、平坦性、耐傷性のバランスが良好である。重合性二重結合を有する化合物(C)の総量は50〜150重量部の範囲であることが更に好ましい。
1−4.単官能アクリルアミド化合物(D)
本発明に用いられる単官能アクリルアミド化合物(D)は、アクリルアミド基を1分子当り1個有する限り特に限定されるものではない。
単官能アクリルアミド化合物(D)の具体例は、アクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、6−アクリルアミドヘキサン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N−ドデシルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アクリルアミド、3−アクリルアミドフェニルボロン酸である。
単官能アクリルアミド化合物(D)は、下記のような市販品を用いることができる。N−n−ブトキシメチルアクリルアミド(商品名;MCCユニテック株式会社)、N−イソブトキシメチルアクリルアミド(商品名;MCCユニテック株式会社)、DEAA(商品名;株式会社興人)、HEAA(商品名;KJケミカルズ株式会社)、N,N−ジメチルアクリルアミド(商品名;KJケミカルズ株式会社)である。
これらのアクリルアミド化合物の中でも、単官能アクリルアミド化合物(D)は、アクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、6−アクリルアミドヘキサン酸から選択される少なくとも1つを用いることが好ましい。また、単官能アクリルアミド化合物(D)は、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミドから選択される少なくとも1つを用いることがより好ましい。
単官能アクリルアミド化合物(D)は上記の化合物を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の熱硬化性組成物におけるポリエステルアミド酸(A)100重量部に対する単官能アクリルアミド化合物(D)の総量の割合は、41〜200重量部の範囲であることが好ましい。単官能アクリルアミド化合物(D)の総量の割合がこの範囲であると、平坦性、耐傷性、保存安定性のバランスが良好である。単官能アクリルアミド化合物(D)の総量の割合は50〜150重量部の範囲であることが更に好ましい。
1−5.その他の成分
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性、接着性を向上させるために各種の添加剤を添加することができる。添加剤には、硬化剤、溶剤、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系又はシリコン系の界面活性剤・レベリング剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤、分子量調整剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、熱架橋剤、スチレン−無水マレイン酸共重合体等のその他の添加剤が主に挙げられる。
1−5−1.硬化剤
本発明の熱硬化性組成物には、耐熱性、耐薬品性をさらに向上させるために、硬化剤を用いてもよい。硬化剤としては、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、カルボン酸含有ポリマー、イミダゾール系硬化剤、ピラゾール系硬化剤、トリアゾール系硬化剤、触媒型硬化剤、並びにスルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、及びホスホニウム塩等の感熱性酸発生剤等があるが、硬化膜の着色を避けること及び硬化膜の耐熱性の観点から、酸無水物系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、又はピラゾール系硬化剤が好ましい。
酸無水物系硬化剤の具体例は、無水マレイン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物等の脂肪族ジカルボン酸無水物;無水フタール酸、トリメリット酸無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、並びにスチレン−無水マレイン酸共重合体である。これらの中でも耐熱性と溶剤に対する溶解性のバランスの良好な、トリメリット酸無水物、及びヘキサヒドロトリメリット酸無水物が挙げられる。
カルボン酸含有ポリマーの具体例としては、ARUFON UC−3000、ARUFON UC−3090、ARUFON UC−3900(いずれも商品名;東亞合成株式会社)、マープルーフ MA−0215Z、マープルーフ MA−0217Z、及びマープルーフ MA−0221Z(いずれも商品名;日油株式会社)が挙げられる。これらの中でも耐熱性と溶剤に対する溶解性、及び平坦性が良好な、ARUFON UC−3900が好ましい。
イミダゾール系硬化剤の具体例は、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール及び1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールである。これらの中でも硬化性と溶剤に対する溶解性のバランスの良好な、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、及び1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが挙げられる。
ピラゾール系硬化剤の具体例は、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロンである。硬化性と溶剤に対する溶解性のバランスの良好な、3,5−ジメチルピラゾールが好ましい。
トリアゾール系硬化剤の具体例は4−アミノ−1,2,4−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、1,2,3−トリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾールである。硬化性と溶剤に対する溶解性のバランスの良好な、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールが好ましい。
フェノール系硬化剤の具体例は、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、4,4’−(3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキサンジイル)ビス(フェノール)、及び1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンが挙げられる。これらの中でも耐熱性及び相溶性のバランスが良好な、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、及び9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレンが挙げられる。
硬化剤を使用する場合、エポキシ化合物(B)100重量部に対して、0.1〜60重量部の範囲であることが好ましい。
1−5−2.溶剤
本発明の熱硬化性組成物には、溶剤を用いてもよい。本発明の熱硬化性組成物に任意に添加される溶剤は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)が溶解できる溶剤が好ましい。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、シクロペンタノン、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、及び重量平均分子量1,000以下のポリプロピレングリコールである。溶剤は、これらの1つであってもよいし、これらの2つ以上の混合物であってもよい。
溶剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、65〜95重量部であることが好ましい。より好ましくは70〜90重量部である。
1−5−3.界面活性剤
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性を向上させるために界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤の具体例は、ポリフロ−No.75、ポリフロ−No.90、ポリフロ−No.95(以上いずれも商品名;共栄社化学株式会社)、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−166、DISPERBYK−170、DISPERBYK−180、DISPERBYK−181、DISPERBYK−182、BYK−300、BYK−306、BYK−310、BYK−320、BYK−330、BYK−342、BYK−346、BYK−361N、BYK−UV3500、BYK−UV3570(以上いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、KP−341、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商品名;信越化学工業株式会社)、サ−フロン(SurfloN)S611(商品名;AGCセイミケミカル株式会社)、フタージェント222F、フタージェント208G、フタージェント251、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント601AD、フタージェント602A、フタージェント650A、FTX−218(以上いずれも商品名;株式会社ネオス)、メガファックF−410、メガファックF−430、メガファックF−444、メガファックF−472SF、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックF−552、メガファックF−553、メガファックF−554、メガファックF−555、メガファックF−556、メガファックF−558、メガファックF−559、メガファックR−94、メガファックRS−75、メガファックRS−72−K、メガファックRS−76−NS、メガファックDS−21(以上いずれも商品名;DIC株式会社)、TEGO TwiN 4000、TEGO TwiN 4100、TEGO Flow 370、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Rad 2200N(以上いずれも商品名;エボニックジャパン株式会社)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨ−ジド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、及びアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩である。これらから選ばれる少なくとも1つを用いることが好ましい。
これらの界面活性剤の中でも、BYK−306、BYK−342、BYK−346、KP−341、KP−368、サ−フロンS611、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント650A、メガファックF−477、メガファックF−556、メガファックRS−72−K、メガファックDS−21、TEGO TwiN 4000、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、又はフルオロアルキルアミノスルホン酸塩の中から選ばれる少なくとも1つであると、熱硬化性組成物の塗布均一性が高くなるので好ましい。
本発明の熱硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して0.01〜10重量部であることが好ましい。
1−5−4.密着性向上剤
本発明の熱硬化性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性を更に向上させる観点から、密着性向上剤を更に含有してもよい。密着性向上剤の例として、シラン系、アルミニウム系又はチタネ−ト系のカップリング剤が挙げられる。具体的には、3−グリシジルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン(例えば、サイラエ−スS510;商品名;JNC株式会社)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(例えば、サイラエ−スS530;商品名;JNC株式会社)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(例えば、サイラエ−スS810;商品名;JNC株式会社)、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの共重合体(例えば、商品名;COATOSIL MP200、モメンティブ・パフォーマンス・マーテリアルズ・ジャパン合同会社)等のシラン系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、及びテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネ−ト等のチタネ−ト系カップリング剤である。
これらの中でも、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
密着性向上剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01重量部〜10重量部であることが好ましい。
1−5−5.酸化防止剤
本発明の熱硬化性組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止する観点から、酸化防止剤を更に含有してよい。
本発明の熱硬化性組成物には、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物等の酸化防止剤を添加してもよい。この中でもヒンダードフェノール系が耐光性の観点から好ましい。具体例は、Irganox1010、Irganox1010FF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1098、IrgaNox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox259、Irganox3114、Irganox565、Irganox565DD(いずれも商品名;BASFジャパン株式会社)、ADK STAB AO−20、ADK STAB AO−30、ADK STAB AO−50、ADK STAB AO−60、及びADK STAB AO−80(いずれも商品名;株式会社ADEKA)である。この中でもIrganox1010、又はADK STAB AO−60が好ましい。
酸化防止剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.1〜5重量部であることが好ましい。
1−5−6.分子量調整剤
本発明の熱硬化性組成物は、重合により分子量が高くなることを抑制し、優れた保存安定性を発現するために、分子量調整剤をさらに含有してもよい。分子量調整剤としては、メルカプタン類、キサントゲン類、キノン類、ヒドロキノン類、及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン等が挙げられる。
分子量調整剤の具体例としては、1,4−ナフトキノン、1,2−ベンゾキノン、1,4−ベンゾキノン、メチル−p−ベンゾキノン、アントラキノン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2,5−ジ−t−アミルヒドロキノン、1,4−ジヒドロキシナフターレン、3,6−ジヒドロキシベンゾノールボルナン、4−メトキシフェノール、2,2’,6,6’−テトラt−ブチル−4,4’−ジヒドロキシビフェニル、3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸ステアリル、2,2’−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)メシチレン、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナ−ト]、4−t−ブチルピロカテコール、N−ヘキシルメルカプタン、N−オクチルメルカプタン、N−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、4,4’−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、フェノチアジン、及び2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等が挙げられる。
分子量調整剤は単独で用いてもよく、2つ以上を組み合わせて用いてもよい。分子量調整剤の中でも、ナフトキノン系分子量調整剤であると、優れた保存安定性を発現するという点から好ましい。
分子量調整剤の中でも、フェノール性水酸基を有する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノンであると、保存安定性の観点からより好ましい。
1−5−7.紫外線吸収剤
本発明の熱硬化性組成物は、形成した透明膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から紫外線吸収剤を含んでもよい。
紫外線吸収剤の具体例は、TINUVIN P、TINUVIN 120、TINUVIN 144、TINUVIN 213、TINUVIN 234、TINUVIN 326、TINUVIN 571、TINUVIN 765(いずれも商品名;BASFジャパン株式会社)である。
紫外線吸収剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。
1−5−8.凝集防止剤
本発明の熱硬化性組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を溶剤となじませ、凝集を防止させる観点から凝集防止剤を含んでもよい。
凝集防止剤の具体例は、DISPERBYK−145、DISPERBYK−161、DISPERBYK−162、DISPERBYK−163、DISPERBYK−164、DISPERBYK−182、DISPERBYK−184、DISPERBYK−185、DISPERBYK−2163、DISPERBYK−2164、BYK−220S、DISPERBYK−191、DISPERBYK−199、DISPERBYK−2015(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン株式会社)、FTX−218、フタージェント710FM、フタージェント710FS(いずれも商品名;株式会社ネオス)、フローレンG−600、及びフローレンG−700(いずれも商品名;共栄社化学株式会社)である。
凝集防止剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量部であることが好ましい。
1−5−9.熱架橋剤
本発明の熱硬化性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から熱架橋剤を含んでもよい。
熱架橋剤の具体例は、ニカラックMW−30HM、ニカラックMW−100LM、ニカラックMX−270、ニカラックMX−280、ニカラックMX−290、ニカラックMW−390、及びニカラックMW−750LM(いずれも商品名;株式会社三和ケミカル)である。
熱架橋剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.1〜10重量部であることが好ましい。
1−5−10.その他の添加剤
その他の成分としてスチレン−無水マレイン酸共重合体を添加してもよい。
1−6.熱硬化性組成物の保存
本発明の熱硬化性組成物は、−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の保存安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物の発生もなくより好ましい。
2.熱硬化性組成物から得られる硬化膜
本発明の熱硬化性組成物は、ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を混合し、目的とする特性によっては、更に硬化剤、溶剤、界面活性剤、密着性向上剤、酸化防止剤、及びその他の添加剤を必要により選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
上記のようにして調製された、熱硬化性組成物(溶剤がない固形状態の場合には溶剤に溶解させた後)を、基体表面に塗布し、例えば加熱等により溶剤を除去すると、塗膜を形成することができる。基体表面への熱硬化性組成物の塗布は、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、及びスリットコート法等従来から公知の方法により塗膜を形成することができる。次いでこの塗膜はホットプレート、又はオーブン等で仮焼成される。仮焼成条件は各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常70〜150℃で、オーブンなら5〜15分間、ホットプレートなら1〜5分間である。その後、塗膜を硬化させるために本焼成される。本焼成条件は、各成分の種類及び配合割合によって異なるが、通常180〜250℃、好ましくは200〜250℃で、オーブンなら30〜90分間、ホットプレートなら5〜30分間であり、加熱処理することによって硬化膜を得ることができる。
このようにして得られた硬化膜は平坦性に優れているのみならず、加熱時において、1)ポリエステルアミド酸のポリアミド酸部分が脱水環化しイミド結合を形成、2)ポリエステルアミド酸のカルボン酸がエポキシ化合物と反応して高分子量化、及び3)エポキシ化合物が硬化し高分子量化しているため、非常に強靭であり、耐傷性、透明性、密着性、吸湿性、及び耐熱性に優れている。又、耐光性、耐スパッタ性、耐傷性、塗布性に関しても、同様の理由から、優れることが期待される。したがって、本発明の硬化膜は、カラーフィルター用保護膜として用いると効果的であり、このカラーフィルターを用いて、液晶表示素子や固体撮像素子を製造することができる。又、本発明の硬化膜は、例えばカラーフィルター用保護膜以外にも、TFTと透明電極間に形成される透明絶縁膜や透明電極と配向膜間に形成される透明絶縁膜として用いると効果的である。更に、本発明の硬化膜は、例えばLED発光体の保護膜として用いても効果的である。
次に本発明を合成例、実施例及び比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
以下略号はそれぞれ以下のモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤、溶剤等を表す。
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
BT−100:1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、リカシッドBT−100(商品名;新日本理化株式会社)
DDS:3,3’−ジアミノジフェニルスルホン
SMA1000P:スチレン−無水マレイン酸共重合体 SMA1000P(商品名;川原油化株式会社)
PGMEA:溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
PGME:溶剤 プロピレングリコールモノメチルエーテル
MMP:溶剤 3−メトキシプロピオン酸メチル
VG3101L:エポキシ化合物 テクモア VG3101L(商品名;株式会社プリンテック)
NBMA:単官能アクリルアミド化合物 N−n−ブトキシメチルアクリルアミド(商品名;MCCユニテック株式会社)
DMAA:同 N,N−ジメチルアクリルアミド(商品名;KJケミカルズ株式会社)
HEAA:同 HEAA(商品名;KJケミカルズ株式会社)
IBMA:同 N−イソブトキシメチルアクリルアミド(商品名;MCCユニテック株式会社)
DEAA:同 DEAA(商品名;株式会社興人)
FAM−301:2官能以上のアクリルアミド化合物 FAM−301(商品名;富士フィルム株式会社)
TMA:硬化剤 トリメリット酸無水物
C11Z:硬化剤 キュアゾールC11Z(商品名;四国化成株式会社)
MP200:密着性向上剤 COATOSIL MP200(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マーテリアルズ・ジャパン合同会社)
AO−60:酸化防止剤 ADK STAB AO−60(商品名;株式会社ADEKA)
DS−21:界面活性剤 メガファック DS−21(商品名;DIC株式会社)
M−510:重合性二重結合を有する化合物 アロニックス M−510(商品名;東亞合成株式会社)
先ず、テトラカルボン酸二無水物、ジアミン、モノヒドロキシ化合物、多価ヒドロキシ化合物等の反応生成物であるポリエステルアミド酸溶液を以下に示すように合成した(合成例1〜2、表1を参照)。
[合成例1]ポリエステルアミド酸(A1)の合成
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製したMMP、ODPA、1,4−ブタンジオール、ベンジルアルコールを下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下125℃で2時間攪拌した(合成1段階目)。
MMP 49.00g
ODPA 20.36g
1,4−ブタンジオール 3.55g
ベンジルアルコール 2.84g
その後、反応後の溶液を室温まで冷却し、DDS、MMPを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、125℃で1時間攪拌した(合成2段階目)。
DDS 3.26g
MMP 21.00g

〔Z/Y=3.0、(Y+Z)/X=0.8〕
溶液を室温まで冷却し、淡黄色透明なポリエステルアミド酸(A1)の30重量%溶液を得た。溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られたポリエステルアミド酸(A1)の重量平均分子量は4,200であった。
[合成例2]ポリエステルアミド酸(A2)の合成
攪拌機付き四つ口フラスコに、脱水精製したPGMEA、BT−100、SMA1000P、1,4−ブタンジオール、ベンジルアルコールの順に下記の重量で仕込み、乾燥窒素気流下125℃で2時間攪拌した(合成1段階目)。
PGMEA 53.49g
BT−100 3.83g
SMA1000P 18.23g
1,4−ブタンジオール 1.16g
ベンジルアルコール 5.57g
その後、反応後の溶液を室温まで冷却し、DDS、PGMEAを下記の重量で投入し、20〜30℃で2時間攪拌した後、125℃で1時間攪拌した(合成2段階目)。
DDS 1.20g
PGMEA 16.51g

〔Z/Y=2.7、(Y+Z)/X=0.9〕
溶液を室温まで冷却し、淡黄色透明なポリエステルアミド酸(A2)の30重量%溶液を得た。溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)により重量平均分子量を測定した。その結果、得られたポリエステルアミド酸(A2)の重量平均分子量は10,000であった。
Figure 2021059713
次に、合成例1〜2で得られたポリエステルアミド酸(A1)〜(A2)の30重量%溶液を用いて、熱硬化性組成物を以下に示すように調製し、該熱硬化性組成物から硬化膜を得て、この硬化膜の評価を行った。
[実施例1]
合成例1で得られたポリエステルアミド酸(A1)の30重量%溶液、VG3101L、M−510、NBMA、TMA、C11Z,MP200、AO−60、DS−21、MMP、PGMEA、及びPGMEを表2−1に記載の割合(単位:g)で混合溶解し、メンブランフィルタ−(0.2μm)で濾過して熱硬化性組成物を得た。下記記載の方法にて、平坦性、耐傷性、透明性、密着性、吸湿性、耐熱性、及び保存安定性の評価を行った。結果を表2−1に示した。
[実施例2〜13及び比較例1〜2]
実施例1の方法に準じて、表2−1〜表2−2及び表3に記載の割合(単位:g)で各成分を混合溶解し、熱硬化性組成物を得た。実施例1の方法に準じて、平坦性、耐傷性、透明性、密着性、吸湿性、耐熱性、及び保存安定性を評価し、それぞれ結果を表2−1〜表2−2及び表3に示した。
尚、この熱硬化性組成物に含まれる溶剤の総量は、ポリエステルアミド酸(A)の30重量%溶液等添加する原料に含まれるMMP及びPGMEAの小計、並びに溶剤のMMP、PGMEA、及びPGMEの小計の総量であり、この工程で固形分濃度がおよそ15重量%となるよう調整した。
[平坦性の評価方法]
予め段差・表面粗さ・微細形状測定装置(商品名;P−17、KLA TENCOR株式会社)を用いて表面段差を測定したR、G、Bを含む画素を有する硬化膜無しカラーフィルター基板上に、熱硬化性組成物を300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。続いてオーブン中230℃で30分間ポストベークし、保護膜の平均膜厚1.5μmである硬化膜付きカラーフィルター基板を得た。その後、得られた硬化膜付きカラーフィルター基板に対して、表面段差を測定した。硬化膜無しカラーフィルター基板及び硬化膜付きカラーフィルター基板の表面段差の最大値(以下、「最大段差」と略記)から、下記計算式を用いて平坦化率(DOP(%))を算出した。平坦化率が85.0%以上の場合を平坦性○、85.0%未満の場合を平坦性×と評価した。尚、硬化膜無しカラーフィルター基板は、最大段差が1.0μmのものを用いた。

平坦化率(DOP(%))=((硬化膜無しカラーフィルター基板の最大段差−硬化膜付きカラーフィルター基板の最大段差)/(硬化膜無しカラーフィルター基板の最大段差))×100
[耐傷性の評価方法]
熱硬化性組成物をガラス基板上に300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。オーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmである硬化膜付きガラス基板を得た。得られた硬化膜付きガラス基板に対し、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験を行うことで、硬化膜の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度が3H以上の場合を耐傷性○、2H以下の場合を耐傷性×と評価した。
[透明性の評価方法]
熱硬化性組成物をガラス基板上に300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。オーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmである硬化膜付きガラス基板を得た。得られた硬化膜付きガラス基板に対し、紫外可視分光光度計により硬化膜の透過率を測定した。波長400nmの透過率が95.0%以上の場合を透明性○、95.0%未満の場合を透明性×と評価した。
[密着性の評価方法]
熱硬化性組成物をガラス基板上に300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。オーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmである硬化膜付きガラス基板を得た。得られた硬化膜付きガラス基板を、ISO2409に従って試験した。試験結果が分類0から分類1の密着性を示した場合を○、分類2から分類5の密着性を示した場合を×とした。
[吸湿性の評価方法]
熱硬化性組成物をガラス基板上に300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。オーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmである硬化膜付きガラス基板を得た。得られた硬化膜を削り粉末とし、熱重量示差熱分析装置による加熱前後での重量変化を測定した。このとき、熱重量示差熱分析装置試験では室温から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で20分間加熱した。室温から150℃へ昇温を開始した時点の重量を加熱前の重量とし、150℃で20分間加熱した後の重量を加熱後の重量とし、下記計算式を用いて重量減少量を算出した。重量減少量が2.0%以下を示した場合を○、重量減少量が2.0%を超える値を示した場合を×とした。

重量減少量(wt%)=((加熱後の重量−加熱前の重量)/(加熱前の重量))×100
[耐熱性の評価方法]
熱硬化性組成物をガラス基板上に300rpmで10秒間スピンコートし、90℃のホットプレート上で2分間プリベークした。オーブン中230℃で30分間ポストベークし、膜厚1.5μmである硬化膜付きガラス基板を得た。得られた硬化膜を削り粉末とし、熱重量示差熱分析装置による加熱前後の重量変化を測定した。このとき、熱重量示差熱分析装置試験では室温から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で20分間加熱した後に、150℃から250℃まで10℃/分で昇温し、250℃で30分間加熱した。150℃から250℃へ昇温を開始した時点の重量を加熱前の重量とし、250℃で30分間加熱した後の重量を加熱後の重量とし、下記計算式を用いて重量減少量を算出した。重量減少量が3.0%以下を示した場合を○、重量減少量が3.0%を超える値を示した場合を×とした。

重量減少量(wt%)=((加熱後の重量−加熱前の重量)/(加熱前の重量))×100
[保存安定性の評価方法]
熱硬化性組成物を32mL調製し、そのうち16mLを取り分け、粘度を測定した。このときの粘度を初期粘度とした。次に残った熱硬化性組成物16mLを20mLのガラス製容器に注ぎ、窒素ガスを吹き込んだ後蓋をし、蓋をパラフィルムで封止した。これを恒温恒湿槽(条件:40℃、湿度60%)に入れ、3週間静置した。静置後、サンプルを取り出し、粘度を測定した。下記計算式を用いて粘度変化率を算出した。3週間後の粘度変化率が20%以下であった場合を○、粘度変化率が20%を超える値を示した場合を×とした。

粘度変化率(%)=((静置後の粘度−初期粘度)/(初期粘度))×100
Figure 2021059713
Figure 2021059713
Figure 2021059713
表2−1〜表2−2に示した結果から明らかなように、実施例1〜13の熱硬化性組成物は、平坦性が優れると同時に熱硬化性組成物に求められるその他の特性も満たしていることが分かる。一方、表3に示した結果から明らかなように、比較例1及び2はこれらの特性の内、1つ以上を満たしていないことが分かる。
本発明の熱硬化性組成物を用いて形成した膜は平坦性が高く、耐傷性、透明性、密着性、吸湿性、及び耐熱性が優れる点から、カラーフィルター用保護膜として使用できる。又、各種電子部品の絶縁膜、パッシベ−ション膜、バッファーコート膜、又は平坦化膜としても使用することができる。

Claims (7)

  1. ポリエステルアミド酸(A)、エポキシ化合物(B)、重合性二重結合を有する化合物(C)、及び単官能アクリルアミド化合物(D)を含む熱硬化性組成物であって、
    前記ポリエステルアミド酸(A)は、Xモルのテトラカルボン酸二無水物、Yモルのジアミン、及びZモルの多価ヒドロキシ化合物を、下記式(1)及び式(2)の関係が成立するような比率で含む原料の反応生成物であることを特徴とする、熱硬化性組成物。

    0.2≦Z/Y≦8.0・・・・・・・(1)
    0.2≦(Y+Z)/X≦5.0・・・(2)
  2. 前記ポリエステルアミド酸(A)が、下記式(3)で表される構成単位及び下記式(4)で表される構成単位を含む、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
    Figure 2021059713
    式(3)及び式(4)において、Rはテトラカルボン酸二無水物から2つの−C(=O)−O−C(=O)−を除いた構造であり、Rはジアミンから2つの−NHを除いた構造であり、Rは多価ヒドロキシ化合物から2つの−OHを除いた構造である。
  3. 前記重合性二重結合を有する化合物(C)が、(メタ)アクリロイル基を1分子あたり3個以上有する化合物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の熱硬化性組成物。
  4. 前記エポキシ化合物(B)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して20〜400重量部であり、前記重合性二重結合を有する化合物(C)の含有量が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して1〜200重量部であり、前記単官能アクリルアミド化合物(D)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して41〜200重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  5. 前記エポキシ化合物(B)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して20〜400重量部であり、前記重合性二重結合を有する化合物(C)の含有量が、ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して1〜200重量部であり、前記単官能アクリルアミド化合物(D)の含有量が、前記ポリエステルアミド酸(A)100重量部に対して50〜150重量部である請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜。
  7. 請求項6に記載の硬化膜を透明保護膜として有するカラーフィルター。
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