JP2023084214A - ポリアミド酸およびそれを用いた熱硬化性組成物、硬化膜および液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】穏和な溶剤に可溶なポリアミド酸およびそれを用いた熱硬化性組成物、硬化膜および液晶表示素子を提供すること。また、本発明のポリアミド酸を用いた液晶および重合性液晶に対する配向能力と下地に対する平坦化能力を有する熱硬化性組成物を提供すること。さらに、本発明の熱硬化性組成物からなる高透過率、高電圧保持率を与える硬化膜を提供すること。該硬化膜を有する液晶表示素子や固体撮像素子などの電子部品を提供すること。【解決手段】特定構造を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物と特定構造を有する脂肪族ジアミンを含む原料を反応させて得られるポリアミド酸。およびこのポリアミド酸を用いた熱硬化性組成物。【選択図】 なし
Description
本発明は、穏和な溶剤に可溶なポリアミド酸、カラーフィルターに対する浸食性が抑えられる該ポリアミド酸を含む熱硬化性組成物、および該熱硬化性組成物からなる配向能力と平坦化能力を兼備した硬化膜と、その硬化膜を有する液晶表示素子や固体撮像素子などの電子部品に関する。
液晶表示装置には、視野角の拡大、画像色調の調整などのために、位相差膜が配置されている。このような位相差膜として、延伸ポリマーフィルムまたは重合性液晶組成物からなる塗布型の硬化膜が用いられている。重合性液晶組成物からなる塗布型の硬化膜は従来のポリマーフィルムと比べ、位相差膜の薄膜化、耐久性の向上により、液晶表示装置の薄型化や表示品位向上が可能となる。
重合性液晶を用いた位相差膜は、配向処理を施した配向膜を有する基板上に重合性液晶組成物溶液を塗布し、重合性液晶組成物を配向させた後、該重合性液晶組成物を重合させることで形成される(特許文献1)。配向処理の方法として、ラビング法および光配向法等が知られている。重合性液晶用の配向膜(重合性液晶配向膜)としては駆動液晶用の配向膜(液晶配向膜)を用いることが可能である。以降、本明細書において液晶配向膜および重合性液晶配向膜を合わせて、配向膜と称する場合がある。
液晶配向膜用組成物の多くはポリイミドやその前駆体のポリアミド酸を含む組成物である。ポリイミドやその前駆体のポリアミド酸は有機溶剤中の溶解性が乏しい。そのため、液晶配向膜用組成物の溶剤としては、極性が高いN-メチル-2-ピロリドン(以下「NMP」と称する)が使われている。
一方、液晶表示素子のカラー化方法の1つとして、カラーフィルター基板が使用されている。近年、カラー表示の広色域化に対応するため、微細化した顔料や染料が使用されるようになってきた。これらの微細化した顔料や染料は、NMPのような極性が高い環状アミド化合物に容易に溶出するため、液晶配向膜用組成物中の溶剤に対する耐性が低い。溶剤の浸食を受けたカラーフィルターは、色変化や色抜きが発生することで、カラーフィルターの性能が劣化し、結果として液晶表示素子の表示品位が低下してしまう。
また、液晶表示素子に用いられるR(赤色)、G(緑色)、B(青色)等の画素で構成されるカラーフィルターは上記RGBの色毎に塗膜の厚さが違い、表面に段差として現れる。表面段差が大きいと液晶表示素子の表示品位が低下する。これらのことから、カラーフィルターに対する溶剤浸食の抑制や表面段差の平坦化のため、透明保護膜(以下「オーバーコート膜」と称する)が設けられている。
液晶表示装置の普及に伴い、製造工程の短縮など製造コストの削減が求められ、1つの塗膜層に複数の機能を持たせる材料開発が必要とされている。上記の配向膜とオーバーコート膜の二層膜構造を単層膜にする場合、その単層膜に配向膜の機能およびオーバーコート膜の両機能、すなわち、配向能力および平坦化能力を兼備することが必要である。また、その単層膜を形成する際に、組成物の溶液をカラーフィルター上に直接塗布するため、下地であるカラーフィルターに対する浸食性の高い溶剤の含有量を抑えた、もしくは含まない組成物が求められている。
一方、配向能力および平坦化能力を兼備する組成物に関する報告は極めて少ない。芳香族ポリアミド酸からなる熱硬化性組成物が報告されたが(特許文献2)、該組成物から得られる硬化膜の平坦性と電圧保持率は改善の余地がある。
穏和な溶剤に可溶なポリアミド酸を提供すること。また、本発明のポリアミド酸を用いた液晶および重合性液晶に対する配向能力と下地に対する平坦化能力を有する熱硬化性組成物を提供すること。さらに、本発明の熱硬化性組成物からなる高透過率、高電圧保持率を与える硬化膜を提供すること。該硬化膜を有する液晶表示素子や固体撮像素子などの電子部品を提供すること。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定構造を有する脂肪族テトラカルボン酸二無水物と特定構造を有する脂肪族ジアミンを含む原料を反応させることで、穏和な溶剤に可溶なポリアミド酸が得られることを見出した。本発明のポリアミド酸を用いることで、熱硬化性組成物において、下地であるカラーフィルターに対する浸食性の高い溶剤の使用量を抑えることのみならず、このような溶剤を全く使用しないことが可能になった。さらに、本発明の熱硬化性組成物を用いることで、配向膜およびオーバーコート膜の両機能を兼備すると共に、満足できる高透過率、高電圧保持率を有する硬化膜が得られることを見出し、本発明を完成させた。本明細書において穏和な溶剤とは、下地となるカラーフィルターに対する浸食性が高いNMP等の環状アミド化合物の含有量が全溶剤中5重量%以下の溶剤組成物であり、カラーフィルターに対する浸食性が低い単一溶剤の場合も含む。
本発明は以下の構成を含む。
[1] テトラカルボン酸二無水物とジアミンを含む原料を反応させて得られるポリアミド酸であり、前記テトラカルボン酸二無水物中、式(1)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有量が90モル%以上であり、前記ジアミン中、ビス(アミノメチル)ノルボルナンの含有量が70モル%以上である、ポリアミド酸(A)。
式(1)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立にH、CH3、またはFである。
[2] 前記ジアミン中、さらに4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを含む、項1に記載のポリアミド酸(A)。
[3] 項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の反応溶剤(B1)を含むポリアミド酸溶液。
[4] 項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
[5] 項3に記載のポリアミド酸溶液とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
[6] さらに、硬化剤(C)を含む、項4または5に記載の熱硬化性組成物。
[7] さらに、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、密着性向上剤および酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(D)を含む、項4~6のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
[8] 項4~7のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜。
[9] 項8に記載の硬化膜を液晶配向膜、重合性液晶配向膜および透明保護膜の少なくとも1つとして有する液晶表示素子。
[1] テトラカルボン酸二無水物とジアミンを含む原料を反応させて得られるポリアミド酸であり、前記テトラカルボン酸二無水物中、式(1)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有量が90モル%以上であり、前記ジアミン中、ビス(アミノメチル)ノルボルナンの含有量が70モル%以上である、ポリアミド酸(A)。
式(1)中、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ独立にH、CH3、またはFである。
[2] 前記ジアミン中、さらに4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを含む、項1に記載のポリアミド酸(A)。
[3] 項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の反応溶剤(B1)を含むポリアミド酸溶液。
[4] 項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
[5] 項3に記載のポリアミド酸溶液とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
[6] さらに、硬化剤(C)を含む、項4または5に記載の熱硬化性組成物。
[7] さらに、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、密着性向上剤および酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(D)を含む、項4~6のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
[8] 項4~7のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜。
[9] 項8に記載の硬化膜を液晶配向膜、重合性液晶配向膜および透明保護膜の少なくとも1つとして有する液晶表示素子。
本発明のポリアミド酸は特定の構造を有し、穏和な溶剤に可溶である。本発明の熱硬化性組成物は、上記特定のポリアミド酸を含み、溶剤にNMPを含まないため、製膜時に下地に対する浸食性を抑えることが可能である。また、得られる硬化膜は高透過率、高電圧保持率を持たせることが可能になる。さらに、この組成物からなる硬化膜は液晶および重合性液晶に対し配向能力を有することや、下地に対し平坦化能力を有することから、配向膜およびオーバーコート膜として兼用することができる。
1.本発明のポリアミド酸(A)
本発明のポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを含む原料を反応させて得られる重合体である。
本発明のポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを含む原料を反応させて得られる重合体である。
1-1.テトラカルボン酸二無水物
本発明では、ポリアミド酸(A)を得るための原料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。テトラカルボン酸二無水物として、脂肪族テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。本発明のポリアミド酸(A)は、良好な溶解性を与えるという観点から、原料のテトラカルボン酸二無水物中、式(1)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有量が90モル%以上であることを特徴とする。
本発明では、ポリアミド酸(A)を得るための原料として、テトラカルボン酸二無水物を用いる。テトラカルボン酸二無水物として、脂肪族テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。本発明のポリアミド酸(A)は、良好な溶解性を与えるという観点から、原料のテトラカルボン酸二無水物中、式(1)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物の含有量が90モル%以上であることを特徴とする。
式(1)で表される化合物の含有量は、原料のテトラカルボン酸二無水物中95モル%以上がより好ましい。
式(1)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物のうち、安価であることからR1~R4がHである1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物が好適に用いられる。
本ポリアミド酸(A)の効果が維持できる範囲において、任意のテトラカルボン酸二無水物と併用することが可能である。併用するテトラカルボン酸二無水物は脂肪族テトラカルボン酸二無水物と芳香族テトラカルボン酸二無水物いずれでも良い。電圧保持率の観点からは脂肪族テトラカルボン酸二無水物を併用することが好ましい。耐熱性、高屈折率の観点からは、芳香族テトラカルボン酸二無水物を併用することが好ましい。
併用できる脂肪族テトラカルボン酸二無水物の具体例として、エタンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、およびシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
併用できる芳香族テトラカルボン酸二無水物の具体例として、3,3’,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、4,4’-スルホニルジフタル酸無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸無水物、1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン酸二無水物、p-フェニレンビス(トリメリテート無水物)、および4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物が挙げられる。
1-2.ジアミン
本発明では、ポリアミド酸(A)を得るための原料として、ジアミンを用いる。ジアミンとして、脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンが挙げられる。本発明のポリアミド酸(A)は、良好な溶解性を与えるという観点から、原料のジアミン中、脂肪族ジアミンである、ビス(アミノメチル)ノルボルナンの含有量が70モル%以上であることを特徴とする。
本発明では、ポリアミド酸(A)を得るための原料として、ジアミンを用いる。ジアミンとして、脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンが挙げられる。本発明のポリアミド酸(A)は、良好な溶解性を与えるという観点から、原料のジアミン中、脂肪族ジアミンである、ビス(アミノメチル)ノルボルナンの含有量が70モル%以上であることを特徴とする。
ビス(アミノメチル)ノルボルナンの含有量は、原料のジアミン中95モル%以上がより好ましい。
ビス(アミノメチル)ノルボルナンは、2,5-ビス(アミノメチル)ノルボルナンと2,6-ビス(アミノメチル)ノルボルナンの異性体混合物である。
本ポリアミド酸(A)の効果が維持できる範囲において、任意のジアミンと併用することが可能である。併用するジアミンは脂肪族ジアミンと芳香族ジアミンいずれでも良い。電圧保持率の観点からは脂肪族ジアミンを併用することが好ましい。耐熱性、高屈折率の観点からは、芳香族ジアミンを併用することが好ましい。
併用できる脂肪族ジアミンの例として、1,2-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4-ビスアミノメチルシクロヘキサン、1-アミノ-3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロへキサン、および1,3-ビス(3-アミノプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンが挙げられる。
併用できる芳香族ジアミンの例として、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン、1,3-ジアミノベンゼン、2,4-ジアミノトルエン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ジメチル-4,4’-ジアミノビフェニル、2,2’-ビス(トリフルオロメチル)-4,4’-ジアミノビフェニル、3,7-ジアミノージメチルジベンゾチオフェン-5,5’-ジオキシド、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、3,3’-ジアミノベンゾフェノン、4,4’-ビス(4-アミノフェニル)スルフィド、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、3,3’-ジヒドロキシ-4,4’-ジアミノビフェニル、および3,3’,4,4’-テトラアミノビフェニルが挙げられる。これらのなかでも、4,4’-ジアミノジフェニルエーテルが併用することが好ましい。
1-3.テトラカルボン酸二無水物とジアミンの比率
本発明で用いられるポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミンを反応させることで合成される。使用するテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の差が大きいと重合体の分子量が伸びず残存モノマーが多くなり、液晶表示素子形成時の表示特性の低下につながる。よって原料中のテトラカルボン酸二無水物とジアミンの比率は、テトラカルボン酸二無水物をXモルとし、ジアミンをYモルとし、0.8≦X/Y≦1.2の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。より好ましくは0.9≦X/Y≦1.1であり、さらに好ましくは0.95≦X/Y≦1.05である。
本発明で用いられるポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物、ジアミンを反応させることで合成される。使用するテトラカルボン酸二無水物とジアミンのモル数の差が大きいと重合体の分子量が伸びず残存モノマーが多くなり、液晶表示素子形成時の表示特性の低下につながる。よって原料中のテトラカルボン酸二無水物とジアミンの比率は、テトラカルボン酸二無水物をXモルとし、ジアミンをYモルとし、0.8≦X/Y≦1.2の関係が成立するような割合に定めることが好ましい。より好ましくは0.9≦X/Y≦1.1であり、さらに好ましくは0.95≦X/Y≦1.05である。
1-4.末端封止剤
本発明のポリアミド酸(A)は、原料に末端封止剤を含んでいてもよい。末端封止剤としては、モノヒドロキシ化合物、モノアミン化合物または酸無水物が挙げられる。
本発明のポリアミド酸(A)は、原料に末端封止剤を含んでいてもよい。末端封止剤としては、モノヒドロキシ化合物、モノアミン化合物または酸無水物が挙げられる。
末端封止剤としてモノヒドロキシ化合物とモノアミン化合物の少なくとも1つを用いると、ポリアミド酸の末端の酸無水物基を封止することができ、末端封止剤として酸無水物を用いると、ポリアミド酸の末端のアミノ基を封止することができる。これらの末端封止により得られたポリアミド酸(A)は、熱硬化性組成物の保存安定性が向上する。
モノヒドロキシ化合物の具体例として、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、ボルネオール、リナロール、テルピネオール、および3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンを挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
溶剤の項にて後述するプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等はモノヒドロキシ化合物であるが、適切な沸点を有することで塗布性がよく、下地に対する浸食性が低いことから、本発明の熱硬化性組成物に使用する溶剤として有用である。ポリアミド酸(A)の合成時に溶剤として用いた場合に、その一部が末端封止剤のように反応している可能性があるが、本明細書においては末端封止剤に含めず溶剤として取り扱う。
これらの中でも、ベンジルアルコール、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタンがより好ましい。
原料組成物中のモノヒドロキシ化合物の含有量は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの総量100モル部に対して、0.01~20モル部が好ましく、0.01~10モル部がより好ましく、0.01~5モル部がさらに好ましい。
モノアミン化合物の具体例として、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン等の脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等の脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミン等の芳香族モノアミン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、4-アミノブチルトリメトキシシラン、4-アミノブチルトリエトキシシラン、4-アミノブチルメチルジエトキシシラン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリエトキシシラン、p-アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p-アミノフェニルメチルジエトキシシラン、m-アミノフェニルトリメトキシシラン、およびm-アミノフェニルメチルジエトキシシラン等のアミノシランを挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でも、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、シクロヘキシルアミン、アニリン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
原料組成物中のモノアミン化合物の含有量は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの総量100モル部に対して、0.01~20モル部が好ましく、0.01~10モル部がより好ましく、0.01~5モル部がさらに好ましい。
酸無水物の具体例として、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸を挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でも、無水トリメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸が好ましい。
原料組成物中の酸無水物の含有量は、テトラカルボン酸二無水物およびジアミンの総量100モル部に対して、0.01~20モル部が好ましく、0.01~10モル部がより好ましく、0.01~5モル部がさらに好ましい。
1-5.ポリアミド酸(A)の合成反応に用いる溶剤(B1)
ポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンそして必要に応じて末端封止剤を溶剤中で反応させて合成することができる。ポリアミド酸(A)を得るための合成反応に用いる溶剤を以下反応溶剤(B1)と称する。
ポリアミド酸(A)は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンそして必要に応じて末端封止剤を溶剤中で反応させて合成することができる。ポリアミド酸(A)を得るための合成反応に用いる溶剤を以下反応溶剤(B1)と称する。
反応溶剤(B1)の具体例として、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルプロピオンアミド、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルプロピオンアミド、N-メチルプロピオンアミド、およびジメチルカーボネートを挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中でも、ポリアミド酸の溶解性および得られる熱硬化性組成物の塗布時の下地に対する浸食性の観点からジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、およびN,N-ジエチルプロピオンアミドが好ましい。
ハンドリング性の観点から、この溶剤をそのまま残してポリアミド酸溶液やゲル状物としてもよい。ポリアミド酸溶液の状態で熱硬化性組成物の調製に使用することは、製造時間の短縮などから好ましい。このような場合には、反応溶剤は、下地に対する浸食性を抑えるために、NMPを含まない。
運搬の観点から、この溶剤を除去してポリアミド酸固形物やその粉体としてもよい。反応溶剤を含むポリアミド酸溶液からポリアミド酸固形物を取り出すには、再沈殿法が簡便である。再沈殿法によりポリアミド酸固形物を得る方法は、以下である。
再沈殿法には、ポリアミド酸を溶解させにくい貧溶剤を用いる。大過剰の貧溶剤中にポリアミド酸溶液を添加してポリアミド酸を沈殿させ、回収する。回収した沈殿を減圧乾燥して溶剤を蒸発させ、ポリアミド酸固形物を得る。貧溶剤としては、メタノール、アセトン、メチルアルコール、水等が挙げられる。詳しくは国際公開第2004/053583号、特開2005-336246号公報等を参照することができる。
このように反応溶剤を実質的に除いたポリアミド酸固形物を得た後、後述する本発明の熱硬化性組成物に用いる溶剤(B2)に溶解させて本発明の熱硬化性組成物を調製することができる。
1-6.ポリアミド酸(A)の合成方法
原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。前記のモノヒドロキシ化合物、モノアミン化合物、酸無水物を用いて末端封止反応させる場合には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させた後、反応系の温度を40℃以下まで冷却した後に添加し、10~40℃で0.1~12時間反応させるとよい。
原料の反応系への添加順序は、特に限定されない。前記のモノヒドロキシ化合物、モノアミン化合物、酸無水物を用いて末端封止反応させる場合には、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを反応させた後、反応系の温度を40℃以下まで冷却した後に添加し、10~40℃で0.1~12時間反応させるとよい。
得られたポリアミド酸(A)の重量平均分子量は1,000~200,000であることが好ましく、2,000~50,000がより好ましい。これらの範囲にあれば、溶剤(B)への溶解性が良好であり、得られる硬化膜の配向能力および平坦性が良好である。
前述のように、本発明におけるポリアミド酸は、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを含む原料を反応させて得られた重合体である。本明細書においては反応の工程において一部が脱水環化してポリイミドになっている形態もポリアミド酸に含める。
2.本発明の熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物は、ポリアミド酸(A)と、溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物である。
本発明の熱硬化性組成物は、ポリアミド酸(A)と、溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物である。
2-1.熱硬化性組成物に用いる溶剤(B2)
本発明の熱硬化性組成物に用いる溶剤(B2)は、ポリアミド酸(A)、硬化剤(C)、添加剤(D)等を溶解できる溶剤が好ましい。また、下地のカラーフィルターに対する浸食性が低い溶剤が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物に用いる溶剤(B2)は、ポリアミド酸(A)、硬化剤(C)、添加剤(D)等を溶解できる溶剤が好ましい。また、下地のカラーフィルターに対する浸食性が低い溶剤が好ましい。
なお、ポリアミド酸(A)の合成で得られたポリアミド酸溶液からポリアミド酸固形物を取り出さずに、ポリアミド酸溶液の状態で熱硬化性組成物に用いる場合には、ポリアミド酸溶液に含まれる反応溶剤(B1)も溶剤(B2)に含める。
溶剤(B2)の具体例として、4-ヒドロキシ-2-ブタノン、ジアセトンアルコール、2-ブタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸ブチル、乳酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-オキシプロピオン酸メチル、3-ヒドロキシプロピオン酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシブチルアセテート、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシプロピオン酸プロピル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2-オキソブタン酸メチル、2-オキソブタン酸エチル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、1,4-ブタンジオール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロピオンアミド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロリレングリコールモノメチルエーテル、ジプロリレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、重量平均分子量1,000以下のポリエチレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリプロピレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリジプロピレングリコール、重量平均分子量1,000以下のポリトリプロピレングリコール、および重量平均分子量1,000以下のポリテトラプロピレングリコールを挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジエチルプロピオンアミド、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびジエチレングリコールモノブチルエーテルから選択することが好ましい。
より溶解性を重視する場合には、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン、N,N-ジメチルイソブチルアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、およびN,N-ジエチルプロピオンアミドからなる第1群溶剤中1つ以上を選択して用いることが好ましい。
より塗布性およびカラーフィルターへの浸食性が低いことを重視する場合には、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、およびジエチレングリコールモノブチルエーテルからなる第2群溶剤中1つ以上を選択して用いることがより好ましい。
溶解性および塗布性のバランスを重視する場合には、前述第1群溶剤および第2群溶剤から、それぞれ1つ以上を選択し混合して用いることがより好ましい。
溶剤(B2)には、下地に対する浸食性を抑えるために、NMPを含まない。
溶剤(B2)の含有量は、熱硬化性組成物全量中、60~99重量%であることが好ましい。より好ましくは70~96重量%である。
2-2.硬化剤(C)
本発明の熱硬化性組成物には、さらに硬化剤(C)を含有してもよい。硬化剤を添加することにより、熱硬化性組成物が硬化する過程で、架橋反応が起こることが想定される。よって、得られる硬化膜は、後で実施されるラビング工程において、ラビングによる膜の削れが抑制できる。また、架橋により、より高い耐熱性が期待できる。
本発明の熱硬化性組成物には、さらに硬化剤(C)を含有してもよい。硬化剤を添加することにより、熱硬化性組成物が硬化する過程で、架橋反応が起こることが想定される。よって、得られる硬化膜は、後で実施されるラビング工程において、ラビングによる膜の削れが抑制できる。また、架橋により、より高い耐熱性が期待できる。
硬化剤(C)は、カルボキシル基と反応する官能基を1分子中に2個以上有する化合物であれば特に限定されない。
カルボキシル基と反応する官能基の例はエポキシ基およびオキサゾリン基である。
カルボキシル基と反応する官能基を1分子当たり2個以上有する化合物として、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、グリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、ビフェニル型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル化合物、環式脂肪族エポキシ化合物、シロキサン結合部位を有するエポキシ化合物、およびグリシジルアミン型エポキシ化合物など1分子当たり2個以上のエポキシ基を有する化合物、1分子当たり2個以上のオキサゾリン基を有する化合物、およびエポキシ基とオキサゾリン基の少なくとも1つを1分子当たり2個以上有する重合体を挙げることができる。
1分子当たり2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例として、ビスフェノールA型エポキシ化合物であるjER 828、jER 1004、jER 1009(いずれも商品名;三菱ケミカル(株))、ビスフェノールF型エポキシ化合物であるjER 806、jER 4005P(いずれも商品名;三菱ケミカル(株))、グリシジルエーテル型エポキシ化合物であるTECHMORE VG3101L(商品名;(株)プリンテック)、EHPE3150(商品名;(株)ダイセル)、EPPN-501H、EPPN-502H(いずれも商品名;日本化薬(株))、jER 1032H60(商品名;三菱ケミカル(株))、グリシジルエステル型エポキシ化合物であるデナコール EX-721(商品名;ナガセケムテックス(株))、1,2-シクロヘキサンジカルボン酸ジグリシジル(商品名;東京化成工業(株))、ビフェニル型エポキシ化合物であるjER YX4000、jER YX4000H、jER YL6121H(いずれも商品名;三菱ケミカル(株))、NC-3000、NC-3000-L、NC-3000-H、NC-3100(いずれも商品名;日本化薬(株))、フェノールノボラック型エポキシ化合物であるEPPN-201(商品名;日本化薬(株))、jER 152、jER 154(いずれも商品名;三菱ケミカル(株))、クレゾールノボラック型エポキシ化合物であるEOCN-102S、EOCN-103S、EOCN-104S、EOCN-1020(いずれも商品名;日本化薬(株))、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物であるjER 157S65、jER 157S70(いずれも商品名;三菱ケミカル(株))、環式脂肪族エポキシ化合物であるセロキサイド2021P、セロキサイド3000、エポリードGT401(いずれも商品名;(株)ダイセル)、シロキサン結合部位を有するエポキシ化合物である1,3-ビス[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル]テトラメチルジシロキサン(商品名;ジェレストインコ-ポレイテッド)、TSL9906(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、COATOSIL MP200(商品名;モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)、コンポセラン SQ506(商品名;荒川化学(株))、ES-1023(商品名;信越化学工業(株))、グリシジルアミン型エポキシ化合物であるN,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、スミエポキシELM-434(商品名;住友化学(株))、スミエポキシELM-100(商品名;住友化学(株))を挙げることができる。
1分子当たり2個以上のオキサゾリン基を有する化合物の具体例として、2,2’-(1,3-フェニレン)ビス-(2-オキサゾリン)を挙げることができる。
硬化剤(C)の添加量は、ポリアミド酸(A)100重量部に対して0.5~60重量部が好ましく、1~30重量部がより好ましい。
2-3.添加剤(D)
本発明の熱硬化性組成物には、平坦性、耐傷性、塗布均一性、接着性などの膜物性を向上させるために各種の添加剤(D)を添加することができる。添加剤(D)には、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、酸化防止剤が主に挙げられる。
本発明の熱硬化性組成物には、平坦性、耐傷性、塗布均一性、接着性などの膜物性を向上させるために各種の添加剤(D)を添加することができる。添加剤(D)には、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、酸化防止剤が主に挙げられる。
2-3-1.重合性二重結合を有する化合物
本発明の熱硬化性組成物には、重合性二重結合を有する化合物を用いてもよい。本発明の熱硬化性組成物に用いられる重合性二重結合を有する化合物は、重合性二重結合を1分子当り2個以上有すれば、特に限定されない。
本発明の熱硬化性組成物には、重合性二重結合を有する化合物を用いてもよい。本発明の熱硬化性組成物に用いられる重合性二重結合を有する化合物は、重合性二重結合を1分子当り2個以上有すれば、特に限定されない。
上記重合性二重結合を有する化合物の内、重合性二重結合を1分子当り2個有する化合物の具体例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、ビス[(メタ)アクリロキシネオペンチルグリコール]アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン・エチレンオキシド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸ジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、およびイソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレートを挙げることができる。
上記重合性二重結合を有する化合物の内、重合性二重結合を1分子あたり3個以上有する化合物の具体例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン・エチレンオキシド変性リン酸トリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリス[(メタ)アクリロキシエチル]イソシアヌレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、およびアルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、およびカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。
上記重合性二重結合を有する化合物は上記の化合物を単独で用いてもよく、2つ以上を混合して用いてもよい。
上記重合性二重結合を有する化合物の中、平坦性および耐傷性の観点から、エチレンオキシド変性ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性ジアクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキシド変性トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、およびカルボキシル基含有多官能(メタ)アクリレートから選択することが好ましい。
上記重合性二重結合を有する化合物の含有量は、平坦性、耐熱性、液晶および重合性液晶に対する配向能力のバランスが良いとの観点から、本発明の熱硬化性組成物におけるポリアミド酸(A)100重量部に対し、1~60重量部である。より配向能力を重視する場合には1~20重量部であることが好ましい。
2-3-2.界面活性剤
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性を向上させるためにアニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系またはシリコン系のレベリング剤・界面活性剤を添加してもよい。
本発明の熱硬化性組成物には、塗布均一性を向上させるためにアニオン系、カチオン系、ノニオン系、フッ素系またはシリコン系のレベリング剤・界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤の具体例として、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(いずれも商品名;共栄社化学(株))、Disperbyk-161、Disperbyk-162、Disperbyk-163、Disperbyk-164、Disperbyk-166、Disperbyk-170、Disperbyk-180、Disperbyk-181、Disperbyk-182、BYK-300、BYK-306、BYK-310、BYK-320、BYK-330、BYK-342、BYK-346、BYK-361N、BYK-3560、BYK-UV3500、BYK-UV3570(いずれも商品名;ビックケミー・ジャパン(株))、KP-341、KP-368、KP-96-50CS、KP-50-100CS(いずれも商品名;信越化学工業(株))、サーフロンS611(商品名;AGCセイミケミカル(株))、フタージェント222F、フタージェント208G、フタージェント251、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント601AD、フタージェント650A、FTX-218(いずれも商品名;(株)ネオス)、メガファックF-410、メガファックF-430、メガファックF-444、メガファックF-472SF、メガファックF-475、メガファックF-477、メガファックF-552、メガファックF-553、メガファックF-554、メガファックF-555、メガファックF-556、メガファックF-558、メガファックF-559、メガファックR-94、メガファックRS-75、メガファックRS-72-K、メガファックRS-76-NS、メガファックDS-21(いずれも商品名;DIC(株))、TEGO Twin 4000、TEGO Twin 4100、TEGO Flow 370、TEGO Flow 375、TEGO Glide 440、TEGO Glide 450、TEGO Rad 2200N(いずれも商品名;エボニックジャパン(株))、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、およびアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩を挙げることができる。これらの内1つ以上を用いることができる。
これらの中、高い塗布均一性の観点から、BYK-306、BYK-342、BYK-346、BYK-361N、BYK-3560、KP-341、サーフロンS611、フタージェント710FL、フタージェント710FM、フタージェント710FS、フタージェント650A、メガファックF-477、メガファックF-556、メガファックRS-72-K、メガファックDS-21、TEGO Twin 4000、TEGO Flow 375、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルスルホン酸塩、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、およびフルオロアルキルアミノスルホン酸塩が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、熱硬化性組成物全量中0.005~1重量%であることが好ましい。
2-3-3.密着性向上剤
本発明の熱硬化性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、シラン系、アルミニウム系またはチタネート系のカップリング剤などの密着性向上剤をさらに含有してもよい。
本発明の熱硬化性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、シラン系、アルミニウム系またはチタネート系のカップリング剤などの密着性向上剤をさらに含有してもよい。
密着性向上剤の具体例として、3-グリシジルオキシプロピルジメチルエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、およびテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
これらの中、3-グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
密着性向上剤の含有量は、熱硬化性組成物全量中、0.01~10重量%であることが好ましい。
2-3-4.酸化防止剤
本発明の熱硬化性組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止する観点から、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの酸化防止剤をさらに含有してよい。この中でも安定性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、透明性の向上、硬化膜が高温にさらされた場合の黄変を防止する観点から、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤などの酸化防止剤をさらに含有してよい。この中でも安定性の観点から、フェノール系酸化防止剤が好ましい。
フェノール系酸化防止剤の具体例として、tert‐ブチルヒドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン、ANTAGE SP(商品名;川口化学工業(株))、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’-(ヘキサン-1,6-ジイル)ビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパンアミド]、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート]、1,6-ヘキサンジオールビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-ヒドロ肉桂酸、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、4,4’-ブチリデンビス(6-tert-ブチル-3-メチルフェノール)、アクリル酸2-tert-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-tert-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル、1,3,5-トリス[[4-(1,1-ジメチルエチル)-3-ヒドロキシ-2,6-ジメチルフェニル]メチル]-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、1,3,5-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン、4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-1,3,5-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,2’-ジメチル-2,2’-(2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン-3,9-ジイル)ジプロパン-1,1’-ジイル=ビス[3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロパノアート]を挙げることができる。
この中でも熱安定性の観点から、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]がより好ましい。溶解性の観点から、ブチルヒドロキシトルエン、オクチル-3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシーヒドロ肉桂酸がより好ましい。
酸化防止剤の含有量は、ポリアミド酸(A)100重量部に対して0.01~5.0重量部であることが好ましく、0.05~2.0重量部であることがより好ましい。
2-4.熱硬化性組成物の調製
本発明の熱硬化性組成物は、ポリアミド酸(A)、溶剤(B2)、さらに、必要に応じて硬化剤(C)、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、密着性向上剤、および酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(D)並びにその他の添加剤等を選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
本発明の熱硬化性組成物は、ポリアミド酸(A)、溶剤(B2)、さらに、必要に応じて硬化剤(C)、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、密着性向上剤、および酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(D)並びにその他の添加剤等を選択して添加し、それらを均一に混合溶解することにより得ることができる。
2-5.熱硬化性組成物の保存
本発明の熱硬化性組成物は、-30℃~25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。-20℃~10℃がより好ましい。
本発明の熱硬化性組成物は、-30℃~25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。-20℃~10℃がより好ましい。
3.熱硬化性組成物から得られる硬化膜
上記のようにして調製された熱硬化性組成物を、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、およびスリットコート法等従来から公知の塗布方法により基板表面に塗布し、塗膜を形成することができる。次いでこの塗膜はホットプレート、またはオーブン等で仮焼成を行った後、塗膜を硬化させるために本焼成を行うことにより硬化膜を得ることができる。仮焼成の前に、減圧により溶剤を一部除する工程を入れることも好ましい。次いで、ラビング法を用いて配向処理を行うことで、配向能力が付与される。ラビングは公知の方法で行うことができる。
上記のようにして調製された熱硬化性組成物を、スピンコート法、ロールコート法、ディッピング法、およびスリットコート法等従来から公知の塗布方法により基板表面に塗布し、塗膜を形成することができる。次いでこの塗膜はホットプレート、またはオーブン等で仮焼成を行った後、塗膜を硬化させるために本焼成を行うことにより硬化膜を得ることができる。仮焼成の前に、減圧により溶剤を一部除する工程を入れることも好ましい。次いで、ラビング法を用いて配向処理を行うことで、配向能力が付与される。ラビングは公知の方法で行うことができる。
仮焼成条件は各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常60~100℃のホットプレート上あるいはオーブン中、1~15分間である。本焼成条件は、各成分の種類および配合割合によって異なるが、通常120~250℃のホットプレート上あるいはオーブン中、5~90分間である。
熱硬化性組成物が硬化剤を含む場合は、本焼成工程においてポリアミド酸のカルボキシル基と硬化剤のエポキシ基あるいはオキサゾリン基による架橋反応が起こる。そのため、得られた硬化膜は非常に強靭である。
本発明の硬化膜は、配向処理により、液晶および重合性液晶に対する配向能力を有し、かつ透明性、平坦性、電圧保持率が優れている。したがって、配向膜およびオーバーコート膜の機能を兼備し、両者の塗膜層として兼用することができる。この塗膜層を用いて、液晶表示素子や固体撮像素子を製造することができる。
次に本発明を合成例、実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例中に記載している略号について、対応する化合物名、商品名等を以下に記載する。
<溶剤>
GBL:γ-ブチロラクトン
ECa:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
3MP:3-メトキシプロピオン酸メチル
DEF:N,N-ジエチルホルムアミド
<テトラカルボン酸二無水物>
CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BT-100:1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物(リカシッドBT-100;商品名;新日本理化(株))
ODPA:3,3’ ,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
<ジアミン>
DDS:4,4’-ジアミノジフェニルスルホン
NBDA:ビス(アミノメチル)ノルボルナン(商品名;三井化学ファイン(株))
DDE:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
<硬化剤>
1,3-PBO:2,2’-(1,3-フェニレン)ビス-(2-オキサゾリン)
<添加剤>
M208:エチレンオキシド変性ビスフェノールFジアクリレート(アロニックスM-208;商品名;東亞合成(株))
M402:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(アロニックスM-402;商品名;東亞合成(株))
F-477:メガファックF-477(商品名;DIC(株))
<溶剤>
GBL:γ-ブチロラクトン
ECa:ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル
PGME:プロピレングリコールモノメチルエーテル
3MP:3-メトキシプロピオン酸メチル
DEF:N,N-ジエチルホルムアミド
<テトラカルボン酸二無水物>
CBDA:1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BT-100:1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸二無水物(リカシッドBT-100;商品名;新日本理化(株))
ODPA:3,3’ ,4,4’-ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
<ジアミン>
DDS:4,4’-ジアミノジフェニルスルホン
NBDA:ビス(アミノメチル)ノルボルナン(商品名;三井化学ファイン(株))
DDE:4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
<硬化剤>
1,3-PBO:2,2’-(1,3-フェニレン)ビス-(2-オキサゾリン)
<添加剤>
M208:エチレンオキシド変性ビスフェノールFジアクリレート(アロニックスM-208;商品名;東亞合成(株))
M402:ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(アロニックスM-402;商品名;東亞合成(株))
F-477:メガファックF-477(商品名;DIC(株))
実施例における測定項目の略称を以下に示す。
Mw:重量平均分子量
Mn:数平均分子量
DOP:平坦化率
Mw:重量平均分子量
Mn:数平均分子量
DOP:平坦化率
ポリアミド酸のMw及びMnは、2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計(Waters製)を用いてGPC法により測定し、ポリスチレン換算することにより求めた。得られたポリアミド酸をリン酸-DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100:重量比)で、ポリアミド酸濃度が約1重量%になるように希釈した。カラムはHSPgel RT MB-M(Waters製)を使用し、前記混合溶液を展開剤として、カラム温度50℃、流速0.40mL/minの条件で測定を行った。標準ポリスチレンは東ソー(株)製TSK標準ポリスチレンを用いた。
DOPは以下のように算出した。予め最大段差を測定しておいたカラーフィルター基板(ガラス基板上にR、G、Bの3色のパターン状着色体を有する基板)上に、熱硬化性組成物を塗布した。塗布にはスピンコーターを用い、膜厚が約1.5μmになるように回転数を調整した。次いで、組成物が塗布された基板を、ホットプレート上で、60℃で3分間乾燥後、230℃のオーブン内で30分間焼成することで、平坦性評価用硬化膜を有する試験基板を作成した。得られた試験基板について、最大段差を測定した。ここで最大段差とは、基板の表面段差の最大値であり、基板上の最も膜厚が厚い箇所と最も膜厚が薄い箇所の膜厚差に相当する。なお、硬化膜無しカラーフィルター基板は、最大段差が1.0μmのものを用いた。
DOP(%)=(t1-t2)/t2×100
t1(μm):硬化膜無しカラーフィルター基板の最大段差
t2(μm):硬化膜を有する試験基板の最大段差
DOP(%)=(t1-t2)/t2×100
t1(μm):硬化膜無しカラーフィルター基板の最大段差
t2(μm):硬化膜を有する試験基板の最大段差
次に、実施例で使用した装置および分析条件を示す。
<GPC>
装置:Waters社製 2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計
溶剤:リン酸-DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100重量比)
流速:0.40mL/min
カラム温度:50℃
使用カラム:Waters社製 HSPgel RT MB-M
校正曲線用標準試料:東ソー(株)製 TSK標準ポリスチレン
<スピンナー>
装置:ミカサ(株)製 MS-A150
<粘度測定>
装置:東機産業(株)製 E型粘度計「TV-22」(商品名)
測定方法:JIS C 2103 5.3項に従う。
測定温度:25℃
<膜厚測定>
装置:KLA-Tencor Japan(株)製 触針式膜厚計P-16(商品名)
測定方法:3箇所を測定し、その平均値を膜厚とした。
<透過率測定>
装置:日本分光(株)製 紫外可視分光光度計V-670(商品名)
<電圧保持率測定>
装置:(株)東陽テクニカ製 液晶物性評価装置6254型(商品名)
パルス電圧ゲート幅:60μs
周波数:3Hz
波高値:1V
測定温度:60℃
<GPC>
装置:Waters社製 2695セパレーションモジュール・2414示差屈折計
溶剤:リン酸-DMF混合溶液(リン酸/DMF=0.6/100重量比)
流速:0.40mL/min
カラム温度:50℃
使用カラム:Waters社製 HSPgel RT MB-M
校正曲線用標準試料:東ソー(株)製 TSK標準ポリスチレン
<スピンナー>
装置:ミカサ(株)製 MS-A150
<粘度測定>
装置:東機産業(株)製 E型粘度計「TV-22」(商品名)
測定方法:JIS C 2103 5.3項に従う。
測定温度:25℃
<膜厚測定>
装置:KLA-Tencor Japan(株)製 触針式膜厚計P-16(商品名)
測定方法:3箇所を測定し、その平均値を膜厚とした。
<透過率測定>
装置:日本分光(株)製 紫外可視分光光度計V-670(商品名)
<電圧保持率測定>
装置:(株)東陽テクニカ製 液晶物性評価装置6254型(商品名)
パルス電圧ゲート幅:60μs
周波数:3Hz
波高値:1V
測定温度:60℃
[ポリアミド酸の合成]
[合成例1]ポリアミド酸(A1)の合成
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、CBDA(40.30g;205.50mmol)、NBDA(31.70g;205.50mmol)およびDEF(151.20g)を室温で加えた。該反応容器を80℃に保持したオイルバス中で2時間加熱し、反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。室温に冷却した後、PGME(16.80g)を加え、さらに100℃で4時間攪拌した。室温に冷却し、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A1)の溶液を得た。ポリアミド酸(A1)のMwは34,400であり、Mnは22,900である。この溶液(以下SA1と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[合成例1]ポリアミド酸(A1)の合成
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、CBDA(40.30g;205.50mmol)、NBDA(31.70g;205.50mmol)およびDEF(151.20g)を室温で加えた。該反応容器を80℃に保持したオイルバス中で2時間加熱し、反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。室温に冷却した後、PGME(16.80g)を加え、さらに100℃で4時間攪拌した。室温に冷却し、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A1)の溶液を得た。ポリアミド酸(A1)のMwは34,400であり、Mnは22,900である。この溶液(以下SA1と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[合成例2]ポリアミド酸(A2)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(39.78g;202.83mmol)、NBDA(28.16g;182.55mmol)とDDE(4.06g;20.28mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A2)の溶液を得た。ポリアミド酸(A2)のMwは58,800であり、Mnは35,900である。この溶液(以下SA2と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(39.78g;202.83mmol)、NBDA(28.16g;182.55mmol)とDDE(4.06g;20.28mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A2)の溶液を得た。ポリアミド酸(A2)のMwは58,800であり、Mnは35,900である。この溶液(以下SA2と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[合成例3]ポリアミド酸(A3)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(39.78g;202.83mmol)、NBDA(21.94g;141.98mmol)とDDE(13.71g;60.85mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A3)の溶液を得た。ポリアミド酸(A3)のMwは71,500であり、Mnは42,200である。この溶液(以下SA3と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(39.78g;202.83mmol)、NBDA(21.94g;141.98mmol)とDDE(13.71g;60.85mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A3)の溶液を得た。ポリアミド酸(A3)のMwは71,500であり、Mnは42,200である。この溶液(以下SA3と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[合成例4]ポリアミド酸(A4)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(36.25g;184.84mmol)、BT-100(4.07g;20.54mmol)とNBDA(31.68g;205.38mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A4)の溶液を得た。ポリアミド酸(A4)のMwは32,400であり、Mnは22,000である。この溶液(以下SA4と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(36.25g;184.84mmol)、BT-100(4.07g;20.54mmol)とNBDA(31.68g;205.38mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A4)の溶液を得た。ポリアミド酸(A4)のMwは32,400であり、Mnは22,000である。この溶液(以下SA4と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[合成例5]ポリアミド酸(A5)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(35.78g;182.45mmol)、BT-100(4.02g;20.27mmol)、NBDA(28.14g;182.45mmol)とDDE(4.06g;20.27mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A5)の溶液を得た。ポリアミド酸(A5)のMwは53,100であり、Mnは31,800である。この溶液(以下SA5と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(35.78g;182.45mmol)、BT-100(4.02g;20.27mmol)、NBDA(28.14g;182.45mmol)とDDE(4.06g;20.27mmol)に変更した以外は合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A5)の溶液を得た。ポリアミド酸(A5)のMwは53,100であり、Mnは31,800である。この溶液(以下SA5と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[比較合成例1]ポリアミド酸(A6)の合成
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、ODPA(26.66g;85.94mmol)、DDS(21.34g;85.94mmol)およびGBL(144.00g)を室温で加え、1時間攪拌し、反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。ECa(48.00g)を加え、該反応容器を80℃に保持したオイルバス中にさらに1時間攪拌し、室温に冷却し、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A16)の溶液を得た。ポリアミド酸(A6)のMwは8,200であり、Mnは3,100である。この溶液(以下SA6と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、ODPA(26.66g;85.94mmol)、DDS(21.34g;85.94mmol)およびGBL(144.00g)を室温で加え、1時間攪拌し、反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。ECa(48.00g)を加え、該反応容器を80℃に保持したオイルバス中にさらに1時間攪拌し、室温に冷却し、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A16)の溶液を得た。ポリアミド酸(A6)のMwは8,200であり、Mnは3,100である。この溶液(以下SA6と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[比較合成例2]ポリアミド酸(A7)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、ODPA(14.82g;47.77mmol)、BT-100(9.46g;47.75mmol)、DDS(23.72g;95.53mmol)、溶剤をGBL(144.00g)とBCS(48.00g)に変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却したあと、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A7)の溶液を得た。ポリアミド酸(A7)のMwは31,100であり、Mnは22,000である。この溶液(以下SA7と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、ODPA(14.82g;47.77mmol)、BT-100(9.46g;47.75mmol)、DDS(23.72g;95.53mmol)、溶剤をGBL(144.00g)とBCS(48.00g)に変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却したあと、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A7)の溶液を得た。ポリアミド酸(A7)のMwは31,100であり、Mnは22,000である。この溶液(以下SA7と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[比較合成例3]ポリアミド酸(A8)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(21.18g;108.01mmol)、DDS(26.82g;108.01mmol)、溶剤をGBL(144.00g)とBCS(48.00g)に変更した以外は比較合成例2と同様にして反応させた。室温に冷却したあと、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A8)の溶液を得た。ポリアミド酸(A8)のMwは53,700であり、Mnは22,050である。この溶液(以下SA8と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(21.18g;108.01mmol)、DDS(26.82g;108.01mmol)、溶剤をGBL(144.00g)とBCS(48.00g)に変更した以外は比較合成例2と同様にして反応させた。室温に冷却したあと、固形分濃度が20.0%の均一な透明なポリアミド酸(A8)の溶液を得た。ポリアミド酸(A8)のMwは53,700であり、Mnは22,050である。この溶液(以下SA8と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[比較合成例4]ポリアミド酸(A9)の合成
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、CBDA(11.55g;58.91mmol)、ODPA(18.27g;58.91mmol)、NBDA(18.17g;117.81mmol)およびGBL(144.00g)を室温で加え、該反応容器を85℃に保持したオイルバス中に2時間攪拌した。反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。室温に戻しBCS(48.00g)を加え、さらに85℃に保持したオイルバス中に5時間攪拌した。冷却する際に析出物が発生したため、目的とするポリアミド酸(A9)を得ることができなかった。
温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた500mLの四つ口セバラブルフラスコに、CBDA(11.55g;58.91mmol)、ODPA(18.27g;58.91mmol)、NBDA(18.17g;117.81mmol)およびGBL(144.00g)を室温で加え、該反応容器を85℃に保持したオイルバス中に2時間攪拌した。反応容器内の内容物が溶解したことを確認した。室温に戻しBCS(48.00g)を加え、さらに85℃に保持したオイルバス中に5時間攪拌した。冷却する際に析出物が発生したため、目的とするポリアミド酸(A9)を得ることができなかった。
[比較合成例5]ポリアミド酸(A10)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(31.11g;158.63mmol)、ODPA(12.30g;39.66mmol)、NBDA(30.59g;198.29mmol)、溶剤を、GBLを(126.00g)とBCS(42.00g)に変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A10)の溶液を得た。ポリアミド酸(A10)のMwは10,200であり、Mnは9,800である。この溶液(以下SA10と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(31.11g;158.63mmol)、ODPA(12.30g;39.66mmol)、NBDA(30.59g;198.29mmol)、溶剤を、GBLを(126.00g)とBCS(42.00g)に変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A10)の溶液を得た。ポリアミド酸(A10)のMwは10,200であり、Mnは9,800である。この溶液(以下SA10と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
[比較合成例6]ポリアミド酸(A11)の合成
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(38.87g;198.20mmol)、NBDA(15.29g;99.10mmol)、DDE(19.84g;99.10mmol)、溶剤を、DEF(155.40g)とPGME(17.27)gに変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A11)の溶液を得た。ポリアミド酸(A11)のMwは78,300であり、Mnは45,500である。この溶液(以下SA11と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
テトラカルボン酸二無水物およびジアミンを、CBDA(38.87g;198.20mmol)、NBDA(15.29g;99.10mmol)、DDE(19.84g;99.10mmol)、溶剤を、DEF(155.40g)とPGME(17.27)gに変更した以外は比較合成例1と同様にして反応させた。室温に冷却した後、固形分濃度が30.0%の均一な透明なポリアミド酸(A11)の溶液を得た。ポリアミド酸(A11)のMwは78,300であり、Mnは45,500である。この溶液(以下SA11と記す)のままで、熱硬化性組成物の調製に用いた。
表1-1~表1-2に、それぞれのポリアミド酸(A)の合成に用いたテトラカルボン酸二無水物、ジアミン、使用した反応溶剤(B1)、得られたポリアミド酸(A)の溶解性、Mw、Mn、Mw/Mnを記載した。表1-1~表1-2において角カッコ内の数字は投入した原料のモル分率を表している。例えば合成例1の場合、テトラカルボン酸二無水物100モル%に対して、ジアミンNBDAを100モル%となるように各原料を計量し投入した。溶解性の欄には、均一かつ透明なポリアミド酸(A)が得られた場合は〇、内容物が溶解せず、重合体が得られなかった場合や、析出によりポリアミド酸が溶解しなかった場合は×を記載した。
[熱硬化性組成物の調製]
[調製例1]
ポリアミド酸溶液(SA1)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0315g)、GBL(5.3604g)、DEF(4.3923g)およびPGME(1.0868g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物1を得た。
[調製例1]
ポリアミド酸溶液(SA1)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0315g)、GBL(5.3604g)、DEF(4.3923g)およびPGME(1.0868g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物1を得た。
[調製例2]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA2)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物2を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA2)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物2を得た。
[調製例3]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA3)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物3を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA3)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物3を得た。
[調製例4]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA4)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物4を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA4)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物4を得た。
[調製例5]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA5)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物5を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA5)に変更した以外は調製例1と同様にして調製、ろ過を行い、組成物5を得た。
[調製例6]
ポリアミド酸溶液(SA1)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、M208(0.3000g)、F-477(0.0315g)、GBL(5.8704g)、DEF(5.4123g)およびPGME(1.2568g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物6を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、M208(0.3000g)、F-477(0.0315g)、GBL(5.8704g)、DEF(5.4123g)およびPGME(1.2568g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物6を得た。
[調製例7]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA2)に、添加剤M208をM402(0.3000g)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物7を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA2)に、添加剤M208をM402(0.3000g)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物7を得た。
[調製例8]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA4)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物8を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA4)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物8を得た。
[調製例9]
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA5)に、添加剤M208をM402(0.3000g)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物9を得た。
ポリアミド酸溶液(SA1)をポリアミド酸溶液(SA5)に、添加剤M208をM402(0.3000g)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物9を得た。
[比較調製例1]
ポリアミド酸溶液(SA6)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1000g)、F-477(0.0021g)、GBL(0.3133g)、BCS(1.1912g)、3MP(2.3824g)およびECa(0.0250g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物10を得た。
ポリアミド酸溶液(SA6)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1000g)、F-477(0.0021g)、GBL(0.3133g)、BCS(1.1912g)、3MP(2.3824g)およびECa(0.0250g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物10を得た。
[比較調製例2]
ポリアミド酸溶液(SA7)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1000g)、F-477(0.0021g)、GBL(1.5045g)、BCS(0.0250g)および3MP(2.3824g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物11を得た。
ポリアミド酸溶液(SA7)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1000g)、F-477(0.0021g)、GBL(1.5045g)、BCS(0.0250g)および3MP(2.3824g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物11を得た。
[比較調製例3]
ポリアミド酸溶液(SA7)をポリアミド酸溶液(SA8)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物12を得た。
ポリアミド酸溶液(SA7)をポリアミド酸溶液(SA8)に変更した以外は調製例6と同様にして調製、ろ過を行い、組成物12を得た。
[比較調製例4]
ポリアミド酸溶液(SA10)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0032g)、GBL(6.3641g)、BCS(0.0368g)およびPGME(4.4670g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物13を得た。
ポリアミド酸溶液(SA10)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0032g)、GBL(6.3641g)、BCS(0.0368g)およびPGME(4.4670g)を混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物13を得た。
[比較調製例5]
ポリアミド酸溶液(SA11)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0032g)、GBL(5.3604g)、PGME(1.0868g)およびDEF(4.4207g)およびを混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物14を得た。
ポリアミド酸溶液(SA11)(10.0000g)、1,3-PBO(0.1500g)、F-477(0.0032g)、GBL(5.3604g)、PGME(1.0868g)およびDEF(4.4207g)およびを混合溶解した後、フッ素樹脂製のメンブレンフィルター(0.5μm)でろ過することにより組成物14を得た。
[実施例1]~[実施例9]、[比較例1]~[比較例5]
上記調製例で得られた組成物1~14それぞれについて、以下のようにして各種評価を行った。
上記調製例で得られた組成物1~14それぞれについて、以下のようにして各種評価を行った。
<透過率測定>
熱硬化性組成物を、スピンコーターで、膜厚が約1.5μmになるように回転数を調整して、コーニング社製ガラス基板「EAGLE XG」(商品名、厚さ0.7mm)上に塗布した。次いで、組成物が塗布された基板を、ホットプレート上で、60℃で3分間乾燥後、230℃のオーブン内で30分間焼成することで、透過率測定用硬化膜を有する試験基板を作成し、透過率測定を行った。透過率は透過波長400nm、313nmでの値について評価した。透過波長400nmにおいて、透過率90%以上を〇、90%未満を×とした。透過波長313nmにおいて、透過率80%以上を〇、80%未満を×とした。結果は表3-1~3-3に示した。
熱硬化性組成物を、スピンコーターで、膜厚が約1.5μmになるように回転数を調整して、コーニング社製ガラス基板「EAGLE XG」(商品名、厚さ0.7mm)上に塗布した。次いで、組成物が塗布された基板を、ホットプレート上で、60℃で3分間乾燥後、230℃のオーブン内で30分間焼成することで、透過率測定用硬化膜を有する試験基板を作成し、透過率測定を行った。透過率は透過波長400nm、313nmでの値について評価した。透過波長400nmにおいて、透過率90%以上を〇、90%未満を×とした。透過波長313nmにおいて、透過率80%以上を〇、80%未満を×とした。結果は表3-1~3-3に示した。
<平坦性評価>
平坦性は、[0097]記載の方法でDOPを算出し、評価した。DOPが100%に近いほど平坦性が優れていると言える。DOP60%未満を×、60%以上70%未満を△とし、70%以上を〇とした。結果は表3-1~3-3に示した。
平坦性は、[0097]記載の方法でDOPを算出し、評価した。DOPが100%に近いほど平坦性が優れていると言える。DOP60%未満を×、60%以上70%未満を△とし、70%以上を〇とした。結果は表3-1~3-3に示した。
<配向性評価>
予め、評価に使用する重合性液晶組成物溶液を以下のように調製した。
パリオカラーLC242(商品名;BASFジャパン(株))を20.00g、IRGACURE907(商品名;BASFジャパン(株))を1.00g、BYK-361Nを0.020g、さらに溶剤としてトルエンを加えて溶剤が全体の85重量%になるように調製し、均一に混合溶解する。この組成物を重合性液晶組成物溶液(PLC-1)とする。
予め、評価に使用する重合性液晶組成物溶液を以下のように調製した。
パリオカラーLC242(商品名;BASFジャパン(株))を20.00g、IRGACURE907(商品名;BASFジャパン(株))を1.00g、BYK-361Nを0.020g、さらに溶剤としてトルエンを加えて溶剤が全体の85重量%になるように調製し、均一に混合溶解する。この組成物を重合性液晶組成物溶液(PLC-1)とする。
前述した透過率測定用硬化膜の作製方法に従って、もう一枚透過率測定用硬化膜を作製した。得られた透過率測定用硬化膜に対して、レーヨン製のラビング布YA-18-R(商品名;吉川化工(株))を装着したラビング装置を用いてラビング処理を施した。ラビング速度は60mm/sec、ローラー回転数は1,000rpmである。次に、重合性液晶組成物溶液(PLC-1)を該基板上にスピンコーターで塗布し、ホットプレート上で80℃にて1分間乾燥後、超高圧水銀灯を用いて300mJ/cm2照射を行った。露光量はカットフィルターと偏光板は用いず、365nmの照度計を用いて測定した値である。さらに、230℃のオーブン内で30分間ポストベークすることで、配向性評価用硬化膜を有する試験基板を作成し、配向性の評価を行った。
得られた配向性評価用硬化膜を有する試験基板を、直交(クロスニコル)状態の2枚の直線偏光板の間に偏光板に平行な向きで挟み、偏光板に平行な向きを保ちながら光学異方体付きガラス基板を回転させ、バックライトを下から照射して観察した。配向性評価用硬化膜を有する試験基板を回転させて明暗が見られる場合を配向性有りと判断し表3-1~3-3に〇と記載し、明暗が見られない場合を重合性液晶化合物の配向性無しと判断し、表3-1~3-3に×と記載した。
<電圧保持率評価>
熱硬化性組成物を2枚のITO電極付きガラス基板にスピンナー法により塗布した。塗膜後基板を60℃で3分間加熱乾燥した後、230℃のオーブン中で30分間加熱処理を行った。この加熱処理により形成された膜厚約100nmの硬化膜をラビング処理した(押し込み;0.3mm、ステージ送り速度;60m/s、回転数;1000rpm、ラビング布;YA-18-R(レーヨン))。続いて、この硬化膜付きの基板を超純水中で5分間超音波洗浄し、120℃のオーブン中で30分間乾燥した。片方の硬化膜上に7μmのギャップ剤を散布したあと、2枚の硬化膜付きの基板を、硬化膜の膜面を向き合わせ、ラビング方向が逆平行になるように対向配置させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作製した。このセルに液晶組成物(LC-1)を注入し、注入口を光硬化性封止剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、電圧保持率測定用液晶表示素子を作製した。
熱硬化性組成物を2枚のITO電極付きガラス基板にスピンナー法により塗布した。塗膜後基板を60℃で3分間加熱乾燥した後、230℃のオーブン中で30分間加熱処理を行った。この加熱処理により形成された膜厚約100nmの硬化膜をラビング処理した(押し込み;0.3mm、ステージ送り速度;60m/s、回転数;1000rpm、ラビング布;YA-18-R(レーヨン))。続いて、この硬化膜付きの基板を超純水中で5分間超音波洗浄し、120℃のオーブン中で30分間乾燥した。片方の硬化膜上に7μmのギャップ剤を散布したあと、2枚の硬化膜付きの基板を、硬化膜の膜面を向き合わせ、ラビング方向が逆平行になるように対向配置させた後、エポキシ硬化剤でシールし、ギャップ7μmのアンチパラレルセルを作製した。このセルに液晶組成物(LC-1)を注入し、注入口を光硬化性封止剤で封止した。次いで、110℃で30分間加熱処理を行い、電圧保持率測定用液晶表示素子を作製した。
得られた液晶表示素子を用いて、電圧保持率(VHR)を測定した。電圧保持率の値が100%に近いほど良好である。電圧保持率の値が70%未満を×とし、70%以上90%未満を△とし、90%以上を〇とした。結果は表3-1~3-3に示した。
表1-2の比較合成例4は、NMPを含まない穏和な溶剤には溶解しにくい結果となり、本発明の原料組成(原料の組み合わせと比率)が優れた溶解性を示すことが分かった。
比較合成例1~3および5~6では、NMPを含まない穏和な溶剤に溶解するポリアミド酸が得られた。しかし表3-1~表3-2と表3-3を比較すると分かる通り、透過率や平坦性等の特性は本発明の硬化膜より劣っている。本発明の硬化膜は、液晶または重合性液晶に対する安定した配向能力を示すだけでなく、特に313nmでの透過率が比較例より全てにおいて優れていることが分かった。また、平坦性および電圧保持率も優れていることが分かった。
本発明によれば、平坦化能力と配向能力を兼備した高透過率、高電圧保持率を有する硬化膜を提供することができる。
Claims (9)
- 前記ジアミン中、さらに4,4’-ジアミノジフェニルエーテルを含む、請求項1に記載のポリアミド酸(A)。
- 請求項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の反応溶剤(B1)を含むポリアミド酸溶液。
- 請求項1または2に記載のポリアミド酸(A)とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
- 請求項3に記載のポリアミド酸溶液とN-メチル-2-ピロリドン以外の溶剤(B2)を含む熱硬化性組成物。
- さらに、硬化剤(C)を含む、請求項4または5に記載の熱硬化性組成物。
- さらに、重合性二重結合を有する化合物、界面活性剤、密着性向上剤および酸化防止剤からなる群から選択された少なくとも1種の添加剤(D)を含む、請求項4~6のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物。
- 請求項4~7のいずれか1項に記載の熱硬化性組成物を硬化させて得られる硬化膜。
- 請求項8に記載の硬化膜を液晶配向膜、重合性液晶配向膜および透明保護膜の少なくとも1つとして有する液晶表示素子。
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