JP2018162396A - 硬化性組成物並びにこれを用いてなる目地構造及び防水構造 - Google Patents
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Abstract
Description
硬化性組成物に含まれているポリアルキレンオキサイド系重合体(A)は、加水分解性シリル基を有している。加水分解性シリル基とは、珪素原子に1〜3個の加水分解性基が結合してなる基である。
硬化性組成物は、アクリル系重合体(B)を含有している。
硬化性組成物は、モノアミン化合物(C)を含有している。モノアミン化合物は、1分子中に1個のみアミノ基(−NH2)を有している。
硬化性組成物は、可塑剤をさらに含んでいてもよい。可塑剤として、具体的には、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル類、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキサイド類などが挙げられる。ポリアルキレンオキサイド類は、加水分解性シリル基を含有していない。
硬化性組成物は、充填剤(D)を更に含んでいるのが好ましい。充填剤(D)によれば、機械的強度に優れている硬化物を得ることが可能な硬化性組成物を提供することができる。
硬化性組成物は、脱水剤をさらに含んでいるのが好ましい。脱水剤によれば、硬化性組成物を保存している際に、空気中などに含まれている水分によって硬化性組成物が硬化することを抑制することができる。
硬化性組成物は、シラノール縮合触媒をさらに含有していることが好ましい。シラノール縮合触媒とは、加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド系重合体(A)が含有する加水分解性シリル基、及び、アクリル系重合体(B)が必要に応じて有する加水分解性シリル基などが加水分解することにより形成されたシラノール基同士の脱水縮合反応を促進させるための触媒である。
硬化性組成物は、チキソ性付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、沈降防止剤、及び溶剤など他の添加剤を含んでいてもよい。なかでも、チキソ性付与剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤が好ましく挙げられる。
硬化性組成物は、ヒンダードアミン系光安定剤を含んでいることが好ましい。ヒンダードアミン系光安定剤によれば、硬化後に優れたゴム弾性をより長期間に亘って維持することができる硬化性組成物を提供することができる。
ステル類;エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリ
レート、オクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデン
等のハロゲン化ビニル類;N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−置換マレイミド類などが挙げられる。
[加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド系重合体(A)]
・メチルジメトキシシリル基を含有し且つ主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドからなるポリアルキレンオキサイド系重合体(A1)(旭硝子株式会社製 製品名「エクセスター S2420」、分子量分布:1.49、数平均分子量:18990)
・メチルジメトキシシリル基を含有し且つ主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドからなるポリアルキレンオキサイド系重合体(A2)(旭硝子株式会社製 製品名「エクセスター S4530」分子量分布:1.16、数平均分子量:25294)
・メチルジメトキシシリル基を含有し且つ主鎖骨格がポリプロピレンオキサイドからなるポリアルキレンオキサイド系重合体(A3)(旭硝子株式会社製 製品名「ESSXT02」、分子量分布:1.10、数平均分子量:19500、)
・ジメトキシシリル基を有するアクリル系重合体(B1)(1分子当たりのメチルジメトキシシリル基の平均個数:1.47個、数平均分子量:20000、重合にメルカプト系化合物: 約0.6質量%使用)
・メチルジメトキシシリル基を有するアクリル系重合体(B2)(1分子当たりのジメトキシシリル基の平均個数:1.9個、数平均分子量:24000、重合にメルカプト系化合物 :未使用)
・トリメトキシシリル基を有するアクリル系重合体(B3)(東亞合成社製 製品名「US6170」、1分子当たりのトリメトキシシリル基の平均個数:0.5個、数平均分子量:2000、重合にメルカプト系化合物:未使用)
・トリメトキシシリル基を有するアクリル系重合体(B4)(東亞合成社製 製品名「US6110」、1分子当たりのトリメトキシシリル基の平均個数:0.9個、数平均分子量:2400、重合にメルカプト系化合物:未使用)
・メチルジメトキシシリル基を有するアクリル系重合体(B5)(カネカ社製 製品名「SA310S」、1分子当たりのジメトキシメチルシリル基の平均個数2.0個:数平均分子量:28000、重合にメルカプト系化合物:未使用)
・モノアミン化合物(C1)(ステアリルアミン、炭素数:18個)
・モノアミン化合物(C2)(ヘキサメチレンジアミン)
・コロイダル炭酸カルシウム(D1)(丸尾カルシウム社製 製品名「カルファイン200M」、平均粒子径:80nm)
・コロイダル炭酸カルシウム(D2)(白石カルシウム社製 製品名「EL−20」、平均粒子径:100nm)
・シリカ(D3)(日本アエロジル社製、製品名「アエロジルR972」、平均粒子径:16nm)
・アミノシランカップリング剤(N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業株式会社製 製品名「KBM−603」)
・ビニルトリメトシシラン(信越化学工業社製 製品名「KBM−1003」)
・シラノール縮合触媒(1,1,3,3−テトラブチル−1,3−ジラウリルオキシカルボニル−ジスタノキサン,日東化成株式会社製 製品名「ネオスタンU−130」)
・ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(BASFジャパン社製 製品名「チヌビン326」)
・ヒンダードフェノール系酸化防止剤(BASFジャパン社製 製品名「イルガノックス1010」)
・NH型ヒンダードアミン系光安定剤(BASFジャパン社製 製品名「チヌビン770」)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた0.5Lセパラブルフラスコに、n−ブチルアクリレート(日本触媒社製)100質量部、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン(信越化学社製、商品名「KBM−502」)0.6質量部、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(連鎖移動剤、信越化学社製、商品名「KBM−802」)0.9質量部及び酢酸エチル100質量部を供給して混合し、モノマー混合溶液を作製した。
攪拌機付ステンレス製反応容器の内部を脱酸素し、臭化第一銅0.8質量部及びブチルアクリレート60質量部を仕込んで混合液を作製した後、混合液を加熱しながら攪拌した。
加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド系重合体(A)、アクリル系重合体(B)、モノアミン化合物(C)、充填剤、アミノシランカップリング剤、脱水剤、シラノール縮合触媒、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定剤それぞれ表1に示した配合量となるようにして、密封した攪拌機中で減圧しながら均一になるまで混合することにより硬化性組成物を得た。
硬化性組成物を用いて、JIS A1439 4.21に準拠して、H型試験体を作製した。
硬化性組成物をアルミニウム板上に厚さ1mmとなるように塗工し、硬化性組成物を23℃、相対湿度50%の雰囲気下で14日間に亘って養生して硬化させて硬化物を得た。
硬化性組成物を3号ダンベル形状に繰り抜いたポリ塩化ビニル(PVC)シート上に10mm厚で塗工し、硬化性組成物を23℃、相対湿度50%の雰囲気下で14日間養生して硬化性組成物を硬化させて試験体を得た。
80%以上で且つ90%未満の場合を「○」、80%未満の場合を「×」とした。
11 防水シートの端縁部に連続する防止面
2 防水シート
21 防水シートの端縁部
22 防水シートの対向端部
3 硬化物
A 建築構造物
Claims (8)
- 加水分解性シリル基を有するポリアルキレンオキサイド系重合体(A)と、アクリル系重合体(B)と、モノアミン化合物(C)とを含む硬化性組成物であって、上記硬化性組成物の全質量に対してメルカプト系化合物の含有量が50ppm以下であることを特徴とする硬化性組成物。
- モノアミン化合物(C)が脂肪族アミンであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性組成物。
- シリカを更に含有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の硬化性組成物。
- 建築構造物の壁部を構成し且つ合成樹脂を含有する壁部材と、
上記壁部材間に形成された目地部に充填された請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性組成物の硬化物と
を含むことを特徴とする目地構造。 - 建築構造物と、
上記建築構造物の防水面上に配設され且つ合成樹脂を含有する防水シートと、
上記防水シートの端縁部と上記防水シートの端縁部に連なる建築構造物の防水面とを被覆している請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性組成物の硬化物と
を含むことを特徴とする防水構造。 - 建築構造物と、
上記建築構造物の防水面上に配設され且つ合成樹脂を含有し、対向端部同士が互いに重ね合わされている複数枚の防水シートと、
上記防水シートの重ね合わせ部分を被覆している請求項1〜3の何れか1項に記載の硬化性組成物の硬化物と
を含むことを特徴とする防水構造。 - 合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂を含有することを特徴とする請求項4に記載の目地構造。
- 合成樹脂がポリ塩化ビニル系樹脂を含有することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の防水構造。
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