JP2018161119A - 苦残低減剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性エンドウ多糖類の新規な用途としての苦残低減剤、及びそれを用いて、後味に残る苦味と渋みを抑え、香味の改善した、イソα酸含有飲料の提供。【解決手段】水溶性エンドウ多糖類を有効成分とする、イソα酸含有飲料の苦残低減剤。前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万〜100万であることが好ましい苦残低減剤。麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料であって、水溶性エンドウ多糖類を0.03w/v%以上、好ましくは0.03w/v%以上含有するイソα酸含有飲料。苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が433以下であることが更に好ましいイソα酸含有飲料。【選択図】図1

Description

本発明は、イソα酸含有飲料の苦残低減剤に関する。
イソα酸は、独特の苦味を有しており、飲料に含有させることですっきりとしたキレの良い香味とすることができる。
しかしながら、イソα酸は渋みや後味に残る苦味も有しており、イソα酸含有飲料の製造にあたっては、香味改善のため様々な試みがなされている(特許文献1から2)。
ところで、水溶性エンドウ多糖類はエンドウ種子から抽出される水溶性の多糖類であり、近年、その生理作用に関する研究がすすめられている。例えば、特開2014−124119号公報(特許文献3)には、水溶性エンドウ多糖類が炭酸飲料の二酸化炭素保持効果を有することが、特開2015−204794号公報(特許文献4)には、水溶性エンドウ多糖類が凍結耐性を付与できることが知られている。また、特開2016−178906号公報(特許文献5)には、水溶性エンドウ多糖類がビール風味炭酸飲料の泡持ちや泡質に良好な効果があることが知られている。しかし、水溶性エンドウ多糖類がイソα酸含有飲料における苦残に与える影響は知られていなかった。
特開2014−55号公報 特開2014−68559号公報 特開2014−124119号 特開2015−204794号公報 特開2016−178906号公報
本発明の課題は、水溶性エンドウ多糖類の新規な用途を提供する点にある。
前記課題は、以下の手段により解決することができる。
(1)水溶性エンドウ多糖類を有効成分とする、イソα酸含有飲料の苦残低減剤。
(2)前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする(1)に記載の苦残低減剤。
(3)麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料であって、水溶性エンドウ多糖類を0.03w/v%以上含有することを特徴とするイソα酸含有飲料。
(4)前記水溶性エンドウ多糖類を0.05w/v%以上含有することを特徴とする(3)に記載のイソα酸含有飲料。
(5)前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする(3)又は(4)に記載のイソα酸含有飲料。
(6)麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料であって、苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が433以下であることを特徴とするイソα酸含有飲料。
(7)前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする(6)に記載のイソα酸含有飲料。
本発明によると、水溶性エンドウ多糖類の新規な用途を提供することができる。また、本発明によると、水溶性エンドウ多糖類を含有させる(好ましくは添加する)という非常に簡便な手段で、スムースさを付与しつつ、苦残が低減された麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料を提供することができる。
本発明の実施形態における調製したサンプル飲料の配合組成、計算値及び官能検査結果の一例を示す説明図である。(実施例1) 本発明の実施形態における調製したサンプル飲料の配合組成、計算値及び官能検査結果の一例を示す説明図である。(実施例2)
以下、本発明における苦残低減剤、およびイソα酸含有飲料を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(苦残)
本発明における「苦残」とは、苦味の消え方が遅く後味が残ることを意味する。また「苦残」とは、「苦味切れず」と称されることもある。なお、本発明において「苦味」とは、味覚の5つの基本味(甘味、塩味、酸味、苦味、旨味)のうちのひとつである。
(スムースさ)
本発明における「スムースさ」とは、適度に味の厚み(濃さ)があり、時間経過ともに下がっていくことを意味する。また、「スムースさ」は、マイルド、平板、スッキリとは区分けされる概念である。
(苦残低減剤)
本発明における苦残低減剤とは、水溶性エンドウ多糖類を有効成分として含有しているものであれば特に限定されない。
(水溶性エンドウ多糖類)
本発明における水溶性エンドウ多糖類は、従来公知の種々の方法(例えば特開2016−178906号公報記載の方法)で得られる水溶性エンドウ多糖類を使用することができる。工業的には、エンドウ種子に含まれる蛋白質画分並びに澱粉画分を除去した繊維画分を原料として、水熱又は水で抽出して得ることが出来る。製造法の一例を示せば、原料に5〜20倍量の水を加水したのち、酸又はアルカリを添加して好ましくはpH4からpH10の範囲に調整する。続いて、好ましくは80℃以上130℃以下の温度で水溶性エンドウ多糖類を抽出する。抽出時間は概ね0.5〜3時間であるが、原料の状態や温度等により、任意に調整することが出来る。抽出した水溶性エンドウ多糖類は、不溶性繊維分を遠心分離機等により分離した後に、任意で除澱粉・除蛋白・除低分子等の精製処理や殺菌処理を行い、そのまま水溶液として用いても良いし、乾燥して用いても良い。
本発明における水溶性エンドウ多糖類の平均絶対分子量(MM)は10万以上が好ましく、20万以上がより好ましい。
一方、本発明における水溶性エンドウ多糖類の平均絶対分子量(MM)は100万以下が好ましく、80万以下がより好ましい。
本発明における水溶性エンドウ多糖類は原料に水を加水したのち、酸又はアルカリを添加するが、pH3以上の溶媒が好ましく、pH4以上の溶媒が更に好ましい。
一方、本発明における水溶性エンドウ多糖類は原料に水を加水したのち、酸又はアルカリを添加するが、pH12以下の溶媒が好ましく、pH10以下の溶媒が更に好ましい。
本発明における水溶性エンドウ多糖類は原料に水を加水したのち、酸又はアルカリを添加するが、60℃以上の溶媒が好ましく、80℃以上の溶媒が更に好ましい。
一方、本発明における水溶性エンドウ多糖類は原料に水を加水したのち、酸又はアルカリを添加するが、150℃以下の溶媒が好ましく、130℃以下の溶媒が更に好ましい。
本発明における苦残低減剤のイソα酸含有飲料に対する水溶性エンドウ多糖類の含有量は、0.01w/v%以上であることが好ましく、0.03w/v%以上がより好ましく、0.04w/v%以上が更に好ましく、0.05w/v%以上が更に好ましく、0.1w/v%以上が特に好ましい。これにより、イソα酸含有飲料の苦残低減作用がより顕著なものとなる。含有量が0.01w/v%未満であると、苦残低減作用が不十分となる場合がある。
一方、本発明における苦残低減剤のイソα酸含有飲料に対する水溶性エンドウ多糖類の含有量は、1.0w/v%以下であることが好ましく、0.5w/v%以下であることがより好ましい。これにより、イソα酸含有飲料の苦残低減作用がより顕著なものとなる。含有量が1.0w/v%より大きいと、イソα酸含有飲料としての香味が悪くなる場合がある。
本発明におけるイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)は、1300以下であることが好ましく、433以下であることがより好ましく、325以下であることが更に好ましく、260以下であることが更に好ましく、130以下であることが特に好ましい。これにより、イソα酸含有飲料の苦残低減作用がより顕著なものとなる。
本発明におけるイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)は、13以上であることが好ましく、26以上であることがより好ましい。苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が13より小さいと、イソα酸含有飲料としての香味が悪くなる場合がある。
(イソα酸含有飲料)
本発明におけるイソα酸含有飲料は、イソα酸を含有していればよく、例えば、ビール、ビールテイスト飲料、炭酸飲料、果汁入り飲料、野菜汁入り飲料、果汁および野菜汁入り飲料、茶飲料、牛乳、豆乳、乳飲料、ドリンクタイプのヨーグルト、コーヒー、ココア、栄養ドリンク、スポーツ飲料、飲用水(ミネラルウォーター等)等を例示することができ、特に限定されるものではないが、イソα酸含有飲料はすっきりとしたキレのある飲料であるため、ビールテイスト飲料や炭酸飲料であるとより好ましい。
(ビールテイスト飲料)
本発明におけるビールテイスト飲料は、ビール様(風)飲料とも称され、ビールのような味わいを奏する、つまり、ビールを飲用したような感覚を飲用者に与える飲料を意味している。ビールテイスト飲料はアルコール含有量を任意の濃度とすることができるが、0.5v/v%未満が好ましく、0.005v/v%未満がより好ましい。アルコール含有量を0.005v/v%未満とすることで水溶性エンドウ多糖類の苦残低減作用がより顕著なものとなる。
(炭酸飲料)
本発明における炭酸飲料は、炭酸ガスを含有する飲料である。炭酸飲料はアルコール含有量を任意の濃度とすることができるが、0.5v/v%未満が好ましく、0.005v/v%未満がより好ましい。アルコール含有量を0.005v/v%未満とすることで水溶性エンドウ多糖類の苦残低減作用がより顕著なものとなる。
そして、本発明におけるイソα酸含有飲料は、発泡性又は非発泡性のいずれでもよいが、発泡性とするのが好ましい。ここで、本発明における発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)以上であることをいい、非発泡性とは、20℃におけるガス圧が0.049MPa(0.5kg/cm2)未満であることをいう。
また、本発明におけるイソα酸含有飲料は、麦汁又は麦芽抽出物を含有しないことが好ましい。麦汁又は麦芽抽出物を含有しないことで、味の厚みが時間経過とともに下がりやすく、よりスムースさに優れたイソα酸含有飲料とすることができる。
(麦汁)
本発明における麦汁とは、大麦の発芽物である麦芽や、麦芽の磨砕物や、粉砕物の糖化液をいう。
(麦芽抽出物)
本発明における麦芽抽出物とは、大麦の発芽物である麦芽や、麦芽の磨砕物や粉砕物から水や熱湯で抽出した抽出液や、抽出液の濃縮物や乾燥物、又は麦汁の濃縮物や乾燥物をいう。麦芽抽出物は、従来公知の種々の方法で得ることができる。
本発明における麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料に対する水溶性エンドウ多糖類の含有量は、0.03w/v%以上であることが好ましく、0.04w/v%以上であることがより好ましく、0.05w/v%以上が更に好ましく、0.1w/v%以上であると特に好ましい。これにより、水溶性エンドウ多糖類の苦残低減作用がより顕著なものとなり、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供することができる。
一方、本発明における麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料に対する水溶性エンドウ多糖類の含有量は、1.0w/v%以下であることが好ましく、0.5w/v%以下であることがより好ましい。これにより、水溶性エンドウ多糖類の苦残低減作用がより顕著なものとなり、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供することができる。含有量が1.0w/v%より大きいと、イソα酸含有飲料としての香味が悪くなる場合がある。
本発明における麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)は、433以下であることが好ましく、325以下であることがより好ましく、260以下であることが更に好ましく、130以下であることが特に好ましい。これにより、イソα酸含有飲料の苦残低減作用がより顕著なものとなる。
一方、本発明における麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)は、13以上であることが好ましく、26以上であることがより好ましい。これにより、水溶性エンドウ多糖類の苦残低減作用がより顕著なものとなり、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供することができる。苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が13より小さいと、イソα酸含有飲料としての香味が悪くなる場合がある。
(イソα酸)
本発明におけるイソα酸とは、α酸溶液を煮沸して得られるシス−イソフムロンやトランス−イソフムロン等のイソα酸であってもよく、α酸を化学的に変換して得られるρイソα酸、テトラヒドロイソα酸、及びヘキサヒドロイソα酸等であってもよい。イソα酸の元となるα酸は、ホップ及び/又はホップエキスから抽出することができる。したがって、本発明におけるイソα酸含有飲料は、ホップ及び/又はホップエキスを使用して製造されてもよい。また、既にイソ化されているホップエキスを使用して製造されてもよい。
(苦味価)
苦味価(Bitterness Unit;BU)は、ビールやビールテイスト飲料における苦味の度合いを表す指標値である。本発明におけるイソα酸含有飲料における苦味価は、ASBC(AmericanSociety of Brewing Chemists)が採用するビールの苦味価の公定法(American Society of Brewing Chemists.Methods of Analysis (7th reviseded.),Beer−23A(1976))に従って、イソα酸含有飲料から溶媒抽出されるイソα酸の量に基づいて算出される。従って、イソα酸含有飲料におけるイソα酸の量は、苦味価を基準に評価することができる。
イソα酸含有飲料の苦味価(BU)は、5以上であれば特に限定されないが、10以上であるとより好ましい。これにより、より苦残が低減されスムースさが顕著に高められたイソα酸含有飲料を提供することができる。
一方、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)は、50以下であれば特に限定されないが、35以下であるとより好ましい。苦味価が50より高い場合は、苦味が過大となり、ドリンカビリティが低くなる場合がある。
本発明におけるエキス分の総量とは、イソα酸含有飲料のアルコール度数が0.005v/v%以上の場合、日本の酒税法におけるエキス分、すなわち、温度15℃の時において原容量100立方センチメートル中に含有する不揮発性成分のグラム数をいい、アルコール度数が0.005v/v%未満のイソα酸含有飲料においては、脱ガスしたサンプルをビール酒造組合国際技術委員会(BCOJ)が定める「ビール分析法(2004年11月1日改訂版)7.2エキス」に従い測定したエキス値(w/v%)をいう。なお、本発明におけるイソα酸含有飲料のエキス分の総量は4w/v%未満であることが好ましい。
(他の原料)
本発明におけるイソα酸含有飲料においては、糖類、糖アルコール、サポニン等の各種配糖体、香料、色素、食物繊維や多糖類、酸類、酵母エキス等の原料を併用することができる。糖類としては、グルコース、フルクトース、マルトース等の還元糖や蔗糖等の少糖類、各種デキストリンやオリゴ糖類が挙げられ、香料としては、モルトフレーバー、ホップフレーバー、ビールフレーバー、アルコールフレーバー、カラメルフレーバー等を挙げることができる。ビール風味を付与・補強する香料として、モルトフレーバーが好ましい。酸類としては、クエン酸、乳酸、酒石酸等の有機酸や、塩酸、リン酸等の鉱酸が例示できる。
以下の例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1
(1)水溶性エンドウ多糖類Pの調製
水溶性エンドウ多糖類Pは、特開2016−178906号公報に記載の方法と同様にして得た。したがって、水溶性エンドウ多糖類Pは、エンドウ種子に含まれる蛋白質画分並びに澱粉画分を除去した繊維画分を原料として、5〜20倍量の水を加水したのち、酸を添加してpH4からpH10の範囲に調整し、80℃以上130℃以下の温度で水溶性エンドウ多糖類を抽出し、平均絶対分子量(MM)が20万以上80万以下の水溶性エンドウ多糖類Pを得た。
(2)飲料の調製
全イオン交換水に、乳酸(武蔵野科学研究所社製)、イソ化ホップエキス(三栄源社製)、水溶性エンドウ多糖類Pを図1に示すような濃度で含有するように添加し、各サンプル飲料「1−1」〜「1−4」を調製した。なお、各サンプル飲料は、エタノール含量0.00v/v%である。
(3)サンプル飲料の評価
(1)で調製された各サンプル飲料を、官能評価試験に供した。具体的には、良く訓練され、飲料の評価に熟練したパネル5名が試飲し、以下の基準で官能評価を行った。
(苦残)
4点:苦残を極めて感じる
3点:苦残を少し感じる
2点:苦残をあまり感じない
1点:苦残を感じない
(スムースさ)
4点:スムースさに極めて優れている
3点:スムースさに優れている
2点:スムースさがある
1点:スムースさがない
サンプル飲料「1−1」から「1−4」のサンプル飲料を評価した結果を図1に示した。
図1に示すように、「水溶性エンドウ多糖類」を使用したサンプル飲料(「1−2」と「1−3」)は、苦残の評価が「3.0」以下であり、これらを使用していないサンプル飲料と比較して苦残をより低減できていた。この結果から、水溶性エンドウ多糖類は、イソα酸含有飲料の苦残を低減する効果があることを確認することができた。
また、イソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を含有させ、かつモルトエキスを含有しないサンプル飲料(「1−2」)においては、イソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を含有させ、かつモルトエキスを含有しているサンプル飲料(「1−3」)よりもスムースさの評価が高くなった。この結果から、麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を含有させると、苦残が低減され、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供できることが分かった。なお、「1−3」は、特開2014−124119号公報に記載されている実施例11に相当する配合である。
実施例2
実施例1の水溶性エンドウ多糖類の添加量を、図2に示したとおりに変更した点以外は、実施例1と同様にサンプル飲料を得た。また、苦残、スムースさについて実施例1と同様に評価した。
図2に示すように、水溶性エンドウ多糖類を0.01w/v%以上含有するサンプル飲料(「2−2」〜「2−6」)においては、苦残の評価が「3.0」以下であり、水溶性エンドウ多糖類の含有量が0.01w/v%以上だとイソα酸含有飲料の苦残を低減する効果があることを確認できた。また、水溶性エンドウ多糖類を0.05w/v%以上含有するサンプル飲料(「2−4」〜「2−6」)においては、苦残の評価が「2.0」以下であり、水溶性エンドウ多糖類の含有量が0.05w/v%以上だとイソα酸含有飲料の苦残を顕著に低減する効果があることを確認できた。
また、イソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を0.03w/v%以上含有させ、かつモルトエキスを含有しないサンプル飲料(「2−3」〜「2−6」)において、スムースさの評価が高くなった。この結果から、麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を0.03w/v%以上含有させると、苦残が低減され、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供できることが分かった。
そして、イソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を0.05w/v%以上含有させ、かつモルトエキスを含有しないサンプル飲料(「2−4」〜「2−6」)において、スムースさの評価が「3.0」以上であり、よりスムースさに優れたイソα酸含有飲料とすることができた。この結果から、麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料に水溶性エンドウ多糖類を0.05w/v%以上含有させると、苦残が低減され、スムースさに顕著に優れたイソα酸含有飲料を提供できることが分かった。
図2に示すように、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が1300以下であるサンプル飲料(「2−2」〜「2−6」)において、苦残の評価が「3.0」以下であり、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が130以下だとイソα酸含有飲料の苦残を低減する効果があることを確認できた。イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が260以下であるサンプル飲料(「2−4」〜「2−6」)においては、苦残の評価が「2.0」以下であり、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が260以下だとイソα酸含有飲料の苦残を顕著に低減する効果があることを確認できた。
また、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が433以下であり、かつモルトエキスを含有しないサンプル飲料(「2−3」〜「2−6」)において、スムースさの評価が高くなった。この結果から、麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が433以下であると、苦残が低減され、スムースさに優れたイソα酸含有飲料を提供できることが分かった。
そして、イソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が260以下であり、かつモルトエキスを含有しないサンプル飲料(「2−4」〜「2−6」)において、スムースさの評価が「3.0」以上であり、よりスムースさに優れたイソα酸含有飲料とすることができた。この結果から、麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料の苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が260以下であると、苦残が低減され、スムースさに顕著に優れたイソα酸含有飲料を提供できることが分かった。

Claims (7)

  1. 水溶性エンドウ多糖類を有効成分とする、イソα酸含有飲料の苦残低減剤。
  2. 前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする請求項1に記載の苦残低減剤。
  3. 麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料であって、水溶性エンドウ多糖類を0.03w/v%以上含有することを特徴とするイソα酸含有飲料。
  4. 前記水溶性エンドウ多糖類を0.05w/v%以上含有することを特徴とする請求項3に記載のイソα酸含有飲料。
  5. 前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする請求項3又は4に記載のイソα酸含有飲料。
  6. 麦芽抽出物及び麦汁を含有しないイソα酸含有飲料であって、苦味価(BU)/水溶性エンドウ多糖類(w/v%)が433以下であることを特徴とするイソα酸含有飲料。
  7. 前記水溶性エンドウ多糖類の平均分子量が、10万以上100万以下であることを特徴とする請求項6に記載のイソα酸含有飲料。
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