JP2018159625A - 異常診断装置 - Google Patents

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明生 中島
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Abstract

【課題】左右のモータ駆動装置を備えた車両に設けられる温度センサの異常を診断する異常診断装置において、各温度センサの異常を個別に判断することができる異常診断装置を提供する。【解決手段】この異常診断装置は、左右独立駆動式の車両に設けられる温度センサの異常を診断する。温度センサとして、左右のモータ温度センサSaL,SaRと、左右の冷却油温度センサSbL,SbRとを備える。初期診断時に、各モータ6の温度および各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を互いに比較する温度比較手段23と、各センサの温度と、全ての温度の平均値を互いに比較する対平均値比較手段26と、温度比較手段23で比較された結果と、対平均値比較手段26で比較された結果とから各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常の有無を個別に判断する温度センサ個別異常判断手段25とを備えている。【選択図】図9

Description

この発明は、異常診断装置に関し、複数のモータを駆動源とした車両に設けられる温度センサの異常を診断する異常診断装置に関する。
モータを駆動源とした車両において、モータの温度を検出するモータ温度センサを備えた技術が開示されている。従来、モータ温度センサの異常を検出する異常検出装置が提案されている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の異常検出装置は、モータ温度センサと、モータ等を冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサとを備えている。この異常検出装置では、車両の停止時に、各センサから検出されたモータ温度と冷却水温度との関係を一次関数として算出した現状特性と、予め記憶された正常なモータ温度と冷却水温度との関係を一次関数として算出した正常特性とを比較することで、モータ温度センサの劣化状態を判定している。
なお左右の車輪を独立して駆動するインホイールモータ駆動装置では、冷却水を車両からインホイールモータ駆動装置まで配管することが困難なため、モータを冷却油で冷却し、その冷却油をインホールモータ内において走行風で冷却する構造が従来から用いられている。
特開2016−125960号公報
特許文献1では、冷却水温度センサに異常が発生した場合、モータ温度センサの劣化状態を判定できない。また冷却水温度センサが正常か異常か不明の場合、モータ温度センサを客観的に異常判断することができない。
インホイールモータ駆動装置では、モータの温度を監視するために、例えば、モータの温度を検出するモータ温度センサと、モータを冷却する冷却油の温度を検出する冷却油温度センサとを備えている。温度センサに異常が発生した場合を考えると、インホイールモータ駆動装置につき、これら温度センサを多数配置することが理想であるが、コストの点で、インホイールモータ駆動装置につき、一個のモータ温度センサと、一個の冷却油温度センサにすることが望まれる。その場合、温度センサを多数配置する場合に比べて、各温度センサの異常または劣化を判定するうえで温度センサの値を個別に検証することが困難である。
この発明の目的は、左右のモータ駆動装置を備えた車両に設けられる温度センサの異常を診断する異常診断装置において、各温度センサの異常を個別に判断することができる異常診断装置を提供することである。
この発明における第1の発明の異常診断装置は、左右の車輪2,2を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータ6の温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサSaL,SaRの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサSbL,SbRの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、
前記左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される前記各モータ6の温度、および前記左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を比較する温度比較手段23と、
前記左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される前記各モータ6の温度、および前記左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記モータ温度センサSaL,SaRおよび前記冷却油温度センサSbL,SbRで検出される温度の平均値とを比較する対平均値比較手段26と、
前記温度比較手段23の比較結果と、前記対平均値比較手段26の比較結果とから前記モータ温度センサSaL,SaRおよび前記冷却油温度センサSbL,SbRの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段25と、を備えている。
前記一定時間は、設計等によって任意に定める時間であり、例えば300m秒程度の短時間である。
前記定められた二つの温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な温度を求めて定められる。
この構成によると、車両の初期診断時に、温度比較手段23は、各モータ6の温度および各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を互いに比較する。前記初期診断時において、対平均値比較手段26は、各温度と、モータ温度センサSaL,SaRおよび冷却油温度センサSbL,SbRで検出される温度の平均値とを比較する。温度センサ個別異常判断手段25は、温度比較手段23の比較結果と、対平均値比較手段26の比較結果とから、モータ温度センサSaL,SaRおよび冷却油温度センサSbL,SbRの異常の有無を判断する。
温度センサ個別異常判断手段25において、例えば、温度比較手段23で比較された二つの温度が同程度で、各温度と全ての温度の平均値が同程度である場合、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常は無いと判断する。温度センサ個別異常判断手段25において、例えば、一つの温度センサで検出される温度のみが平均値よりも著しく小さい場合、前記温度センサの異常有りと判断する。このように、既存の各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRを用いて、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常を個別に判断することができる。異常と判断された温度センサは、その後温度検出に使用しない等の対策を講じることができる。
この発明の第2の発明の異常診断装置は、左右の車輪2,2を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータ6の温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサSaL,SaRの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサSbL,SbRの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、
前記車両は、この車両の外気温を検出する気温センサSdを備え、
前記左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される前記各モータ6の温度、および前記左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を定められた条件に従い互いに比較する温度比較手段23と、
前記左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される前記各モータ6の温度、および前記左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記気温センサSdで検出される外気温とを比較する対外気温比較手段24と、
前記温度比較手段23の比較結果と、前記対外気温比較手段24の比較結果とから各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段25と、を備えている。
前記一定時間は、設計等によって任意に定める時間であり、例えば300m秒程度の短時間である。
前記定められた条件は、設計等によって任意に定める条件であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な条件を求めて定められる。
前記定められた二つの温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方等により適切な温度を求めて定められる。
この構成によると、車両の初期診断時に、温度比較手段23は、各モータ6の温度および各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を互いに比較する。前記初期診断時において、対外気温比較手段24は、各温度と気温センサSdで検出される外気温とを比較する。温度センサ個別異常判断手段25は、温度比較手段23の比較結果と、対外気温比較手段24の比較結果とから、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常の有無を判断する。
温度センサ個別異常判断手段25において、例えば、温度比較手段23で比較された二つの温度が同程度で、各温度が外気温よりも著しく大きい場合、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常は無いと判断する。温度センサ個別異常判断手段25において、例えば、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRでそれぞれ検出される温度が外気温よりも著しく小さい場合、外気温センサSdの異常有りと判断する。温度センサ個別異常判断手段25において、例えば、一つの温度センサで検出される温度のみが外気温よりも著しく小さい場合、前記温度センサの異常有りと判断する。このように、既存の各温度センサ等を用いて、各温度センサSaL,SaR,SbL,SbRの異常を個別に判断することができる。異常と判断された温度センサは、その後温度検出に使用しない等の対策を講じることができる。
前記温度センサ個別異常判断手段25は、前記車両の走行中に、前記モータ温度センサSaL,SaRおよび前記冷却油温度センサSbL,SbRの異常の有無を判断しても良い。
この構成によると、車両の走行中に左右のモータ6,6が同一トルクとなるようにトルク指令する場合、左右のモータ6,6のモータ温度は同程度になるはずである。大きな乖離がある場合、異常と判断する。また左右の冷却油温度センサSbL,SbRのセンサ出力も同程度になるはずである。大きな乖離がある場合、異常と判断する。モータ温度センサSaL,SaRと冷却油温度センサSbL,SbRの関係に関しては、モータ6の温度の時定数が油温に比べて小さく、モータ温度の上昇が相対的に早い。発熱源はモータ6であるため、常にモータ温度が冷却油温に比べて高いはずである。逆の場合は、どちらかのセンサが異常と判断する。
この発明における第1の発明の異常診断装置は、左右の車輪を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータの温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を比較する温度比較手段と、前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記モータ温度センサおよび前記冷却油温度センサで検出される温度の平均値と比較する対平均値比較手段と、前記温度比較手段の比較結果と、前記対平均値比較手段の比較結果とから前記モータ温度センサおよび前記冷却油温度センサの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段と、を備えている。このため、各温度センサの異常を個別に判断することができる。
この発明における第2の発明の異常診断装置は、左右の車輪を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータの温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、前記車両は、この車両の外気温を検出する気温センサを備え、前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を定められた条件に従い互いに比較する温度比較手段と、前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記気温センサで検出される外気温とを比較する対外気温比較手段と、前記温度比較手段の比較結果と、前記対外気温比較手段の比較結果とから各温度センサの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段と、を備えている。このため、各温度センサの異常を個別に判断することができる。
この発明の実施形態に係る異常診断装置を搭載した電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。 同電気自動車におけるインホイールモータ駆動装置の断面図である。 同インホイールモータ駆動装置の給油機構のポンプを軸方向から見た図である。 同インホイールモータ駆動装置の基本構造を示すブロック図である。 同インホイールモータ駆動装置の制御系のブロック図である。 モータ温度および油温の変化例を示す図である。 同異常診断装置の初期診断時の過程を段階的に示すフローチャートである。 同異常診断装置の車両走行中の過程を段階的に示すフローチャートである。 同異常診断装置の制御系の変形例を示すブロック図である。 この発明の他の実施形態に係るモータ駆動装置を備えた車両を平面図で示す概念構成のブロック図である。
この発明の実施形態を図1ないし図8と共に説明する。
<この電気自動車(車両)の概念構成について>
図1は、この実施形態に係る異常診断装置を搭載した電気自動車を平面図で示す概念構成のブロック図である。この電気自動車は、車体1の左右の後輪となる車輪2が駆動輪とされ、左右の前輪となる車輪3が従動輪とされた4輪の自動車である。前輪となる車輪3は操舵輪とされている。駆動輪となる左右の車輪2,2は、それぞれ独立の走行用のモータ6により駆動される。各モータ6は、後述のインホイールモータ駆動装置IWMを構成する。各車輪2,3には、ブレーキが設けられている。また左右の前輪となる操舵輪である車輪3,3は、図示しない転舵機構を介して転舵可能であり、ハンドル等の操舵手段15により操舵される。
<インホイールモータ駆動装置IWMの概略構成について>
図2に示すように、左右のモータ駆動装置である各インホイールモータ駆動装置IWMは、それぞれ、モータ6、減速機7、車輪用軸受4、および後述の給油機構Jk(図3)を有し、これらの一部または全体が車輪内に配置される。モータ6の回転は、減速機7および車輪用軸受4を介して駆動輪である車輪2に伝達される。車輪用軸受4のハブ輪4aのフランジ部には前記ブレーキを構成するブレーキロータ5が固定され、同ブレーキロータ5は、車輪2と一体に回転する。モータ6は、例えば、ロータ6aのコア部に永久磁石が内蔵された埋込磁石型同期モータである。このモータ6は、ハウジング8に固定したステータ6bと、回転出力軸9に取り付けたロータ6aとの間にラジアルギャップを設けたモータである。
<給油機構について>
図2および図3に示すように、給油機構Jkは、モータ6の冷却および減速機7の潤滑,冷却に用いられる潤滑油を回転出力軸9の内部から供給するいわゆる軸心給油機構である。この給油機構Jkは、ポンプ27と、潤滑油貯留部10と、複数の油路11とを有する。ポンプ27、潤滑油貯留部10は、それぞれハウジング8内に設けられる。ポンプ27は、潤滑油貯留部10に貯留された潤滑油を、潤滑油貯留部10から吸い上げて前記複数の油路11に循環させる。
ポンプ27は、出力部材12の回転により回転するインナーロータ40と、このインナーロータ40の回転に伴って従動回転するアウターロータ41と、ポンプ室42と、吸入口43と、吐出口44とを有するサイクロイドポンプである。インナーロータ40は、出力部材12の回転により回転できるように構成されている。モータ6に駆動される出力部材12の回転によりインナーロータ40が回転すると、アウターロータ41は従動回転する。このときインナーロータ40およびアウターロータ41はそれぞれ異なる回転中心c1、c2を中心として回転することで、ポンプ室42の容積が連続的に変化する。これにより、潤滑油貯留部10に貯留された潤滑油は、吸い上げられて前記吸入口43から流入し、前記吐出口44から前記複数の油路11に順次圧送される。
この電気自動車では、モータ6の回転時に、回転出力軸9の内部に圧送された潤滑油は、ロータ6aの遠心力とポンプ27の圧力とにより、潤滑油の一部がモータ6に導かれてモータ6を冷却する。この冷却に供された潤滑油は、重力によって下方に移動しハウジング8の下部に落ち、その後、このハウジング8の下部に連通する潤滑油貯留部10に貯留される。モータ6の冷却に使われなかった残りの潤滑油は、遠心力とポンプ27の圧力により減速機7内に導かれ、減速機7内の各部を潤滑・冷却する。この潤滑等に供された潤滑油は重力によって下方に移動して、図示外のオイル排出口を介して、潤滑油貯留部10に貯留される。
<センサ類について>
図4に示すように、左の車輪2を駆動するインホイールモータ駆動装置IWMには、左のモータ温度センサSaLと左の冷却油温度センサSbLとが設けられ、右の車輪2を駆動するインホイールモータ駆動装置IWMには、右のモータ温度センサSaRと右の冷却油温度センサSbRとが設けられている。左右のインホイールモータ駆動装置IWMにつき、合計四つの温度センサが設けられている。各温度センサは、モータ6の温度を監視するために設けられている。
これらモータ温度センサSaL,SaR、冷却油温度センサSbL,SbRとして、例えば、抵抗の温度変化をある一定の電流を流したときの電圧値で検知するサーミスタが用いられる。各モータ温度センサSaL,SaRは、例えば、各モータ6のハウジング8(図2)または円周方向に互いに隣り合うモータコイル間の隙間等に設けられている。各冷却油温度センサSbL,SbRは、例えば、各潤滑油貯留部10(図2)に設けられ、減速機7およびモータ6を冷却する冷却油の温度を検出する。四つのセンサ出力である温度センサ信号は、左右のインバータ装置13またはECU14に取り込まれ、各モータ6の温度上昇を監視する。
また、この電気自動車には、この電気自動車の外気温を検出する気温センサSdが設けられている。この気温センサSdのセンサ出力は、左右のインバータ装置13またはECU14に取り込まれ、後述する初期診断時に用いられる。気温センサSdとして、この異常診断装置の専用品を使用しても良いし、冷却水温度、各種ECU温度、インバータIGBT温度、吸気温度、エアコン温度等を利用しても良い。但し、冷却水温度、各種ECU温度、インバータIGBT温度、吸気温度、エアコン温度等を後述する初期診断に用いる場合には、大気温度との差を評価時に考慮する。
<制御系について>
図5は、このインホイールモータ駆動装置IWMの制御系のブロック図である。図1および図5に示すように、制御装置は、自動車全般の制御を行う電気制御ユニットであるECU14と、このECU14の指令に従って走行用の左右のモータ6の制御を行うインバータ装置13,13とを有する。ECU14は、電気自動車の場合、VCU(車両制御ユニット)とも称される。図5に示すように、インバータ装置13は、各モータ6に対して設けられたパワー回路部16と、このパワー回路部16を制御するモータコントロール部17とを有する。モータコントロール部17は、このモータコントロール部17が持つインホイールモータ駆動装置IWMに関する各検出値および制御値等の各情報をECU14に出力する機能を有する。
パワー回路部16は、バッテリ18の直流電力をモータ6の駆動に用いる3相の交流電力に変換するインバータ16aと、このインバータ16aを制御するPWMドライバ16bとを有する。インバータ16aは、複数の半導体スイッチング素子(図示せず)で構成される。PWMドライバ16bは、入力された電流指令をパルス幅変調し、前記各半導体スイッチング素子にオンオフ指令を与える。
モータコントロール部17は、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成され、その基本となる制御部としてモータ駆動制御部19を有している。ECU14は、アクセル操作部20(図1)の出力するアクセル開度の信号(加速指令)と、ブレーキ操作部21(図1)の出力する減速指令とから、あるいは加速指令と減速指令と操舵手段15(図1)の出力する旋回指令とから、左右の後輪2,2(図1)のモータ6,6に与える加速・減速指令をトルク指令として生成し、各インバータ装置13へ出力する。
モータ駆動制御部19は、上位制御手段であるECU14から与えられるトルク指令等による加速・減速指令に従い、加速・減速指令を電流指令に変換して、PWMドライバ16bに電流指令を与える手段である。モータ駆動制御部19は、インバータ16aからモータ6に流すモータ電流を電流検出手段Seから得て、電流フィードバック制御を行う。また、モータ駆動制御部19は、モータ6のロータ6a(図2)の回転角度を回転速度検出センサScから得てベクトル制御を行う。
この実施形態では、ECU14に、温度センサSaL,SaR、SbL,SbRおよび気温センサSdの異常を診断する異常診断装置22を設けている。この異常診断装置22は、温度比較手段23と、対外気温比較手段24と、温度センサ個別異常判断手段25とを備える。温度比較手段23は、左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される各モータ6の温度、および左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を互いに比較する。対外気温比較手段24は、各モータ6の温度および各冷却油の温度の各温度と、気温センサSdで検出される外気温とを互いに比較する。温度センサ個別異常判断手段25は、温度比較手段23で比較された結果と、対外気温比較手段24または対平均値比較手段26(気温センサが無い場合:図9)で比較された結果とから、各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの異常の有無を個別に判断する。また温度センサ個別異常判断手段25は、いずれかの温度センサが異常と判断されたとき、例えば、車両のコンソールパネル等に設けられた表示装置28に、温度センサSaL(SaR,SbL,SbR)の異常を知らせる表示を出力するよう指令する。
ここで図6は、一つのインホイールモータ駆動装置におけるモータ温度および油温の変化例を示す図である。車両の走行中(図6の(1))は、モータ温度、油温ともモータの損失によって温度が上下する。通常、モータ温度の方が油温より高い。駐車中(車両の電源をオフにした停車状態)(図6の(2))は、モータ温度および油温が外気温によって下がる。そして、駐車によりモータ温度および油温が下がった後に再度車両の走行を行い(図6の(3))、次に、短時間だけ停車を行った場合(図6の(4))、次の車両の走行開始時(図6の(5))には、未だモータ温度、油温とも高くなっている。
図7は、この異常診断装置の初期診断時の過程を段階的に示すフローチャートである。図5および表1と共に、車両に気温センサSdがあるときの初期診断を説明する。表1において、Tat:気温センサの温度、Trm:右のモータ温度センサで検出される温度、Tro:右の冷却油温度センサで検出される温度、Tlm:左のモータ温度センサで検出される温度、Tlo:左の冷却油温度センサで検出される温度を示す。また、表1において、”≒”は温度が同程度であることを示し、例えば温度差が±5℃以内である場合を示すとする。また、表1において、”>>”、および”<<”温度差が著しく大きい、場合を示し、著しくとは、例えば温度差が10℃以上である場合を示すとする。後述する表2、表3についても同じである。また表1におけるα、βは任意の正の数で、車両の停止時間、停止時温度、外気温等の関数となる。
<気温センサがあるときの初期診断>
Figure 2018159625
この車両の電源の投入時から車両走行前の一定時間内に、この異常診断装置22による初期診断が開始され、異常診断装置22は、気温センサSdがあるとの判定で(ステップa1:Yes)、対外気温比較手段24により条件1を充足するか否かを判定する(ステップa2)。前記一定時間は、設計等によって任意に定める時間であり、例えば300m秒程度の短時間である。なお、この車両が気温センサSdを元々備えていない場合には、気温センサSdの有無を判定するステップa1、およびステップa4,a6〜a8を削除し、本処理開始後ステップa9に移行しても良い。
条件1を充足する(ステップa2:Yes)とは、Trm≒Tat、Tro≒Tat、Tlm≒Tat、Tlo≒Tatを全て満足する場合であり、停車から充分時間が経っており、全温度センサの温度(センサ出力)が気温と同程度になっている場合である。
条件1を充足しない(ステップa2:No)との判定で、対外気温比較手段24により条件2を充足するか否かを判定する(ステップa3)。
条件2を充足する(ステップa3:Yes)とは、Trm>>Tat、Tro>>Tat、Tlm>>Tat、Tlo>>Tatを全て満足する場合であり、停車直後で、モータ6および油温が温まっている場合である。
条件2を充足しない(ステップa3:No)との判定で、対外気温比較手段24により条件3を充足するか否かを判定する(ステップa4)。
条件3を充足するとは、Trm≒Tat+α、Tro≒Tat+α、Tlm≒Tat+β、Tlo≒Tat+βを全て満足する場合であり、左右の車輪のうちいずれか一方の車輪が太陽光等で温まっている、または、いずれか一方の車輪が水や雪等で急冷された場合である。条件1〜3のいずれかが成立する場合は、各温度センサに明らかな異常は認められない。そのため、温度センサ個別異常判断手段25は、全ての温度センサを正常と判断する(ステップa5)。このステップa5の後、初期診断は正常終了する。また、時間の経過で条件2から条件1に移行する場合、どちらの条件にも当てはまらない場合があれば、実際の運用では、中間の条件を加えることもできる。
条件3を充足しない(ステップa4:No)との判定で、対外気温比較手段24により条件4を充足するか否かを判定する(ステップa6)。
条件4を充足する(ステップa6:Yes)とは、Trm<<Tat、Tro<<Tat、Tlm<<Tat、Tlo<<Tatを全て満足する場合である。この条件4を充足する場合(ステップa6:Yes)、温度センサ個別異常判断手段25は、気温センサSdが異常と判断する。気温センサSdの温度が各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの温度よりも大きく低温になることは無いからである。したがって、温度センサ個別異常判断手段25は、この気温センサSdを使用しないで、以後、気温センサSdが無いものとみなして動作させる(ステップa7)。ステップa7の後、気温センサSdが無いときの初期診断(条件9〜15)に移行する(後述する)。
条件4を充足しないとき(ステップa6:No)、対外気温比較手段24により条件5〜8を充足するか否かを判定する(ステップa8)。
条件5〜8を充足する場合とは、左右のモータ温度センサSaL,SaRおよび左右の冷却油温度センサSbL,SbRの四つのセンサ出力のうち、三つの温度センサが出力する温度が、気温センサSdのセンサ出力と同程度であり、残りの一つの温度センサが出力する温度が気温センサSdの出力する温度より著しく小さい場合である。
この場合、温度センサ個別異常判断手段25は、気温センサSdのセンサ出力よりも著しく小さい温度を出力する温度センサを異常と判定することができる(ステップa10)。この場合、今後、当該温度センサのセンサ出力をモータ6の制御に、すなわちモータ駆動制御部19が使用しない等の対策を講じ得る。ステップa10の後、初期診断を終了する。また図7および表1には無いが、四つの温度センサSaL,SaR、SbL,SbRのうち、三つのセンサ出力が気温センサSdのセンサ出力より著しく大きく、且つ、残りの一つのセンサ出力が気温センサSdのセンサ出力より著しく小さい場合も、上述した場合と同様に、気温センサSdのセンサ出力よりも著しく小さい温度を出力する温度センサを異常と判定することができる。
<気温センサが無いときの初期診断>
Figure 2018159625
図9に示すように、気温センサが無いときの初期診断時に、温度センサ個別異常判断手段25は、前記温度比較手段23で比較された結果と、対平均値比較手段26で比較された結果とから、各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの異常の有無を表2の条件に従って個別に判断する。対平均値比較手段26は、左右のモータ温度センサSaL,SaRで検出される各モータ6の温度、および左右の冷却油温度センサSbL,SbRで検出される各冷却油の温度の各温度と、全ての温度の平均値を互いに比較する。
図7、図9および表2と共に、車両に気温センサが無いとき(気温センサが無いものとみなす場合も含む)の初期診断を説明する。表2において、Tavは、四つの温度センサSaL,SaR、SbL,SbRのセンサ出力の平均値であり、対平均値比較手段26によりTav=(Trm+Tro+Tlm+Tlo)/4で求められる(後述の表3についても同じである)。換言すれば、Tavとは、4つの温度センサSaL,SaR、SbL,SbRが出力する温度の平均値である。この初期診断において、先ず、対平均値比較手段26は、条件9を充足するか否かを判定する(ステップa9)。
条件9を充足するとは、Trm≒Tav、Tro≒Tav、Tlm≒Tav、Tlo≒Tavを全て満足する場合であり、停車から充分時間が経っており、全温度センサが出力する温度(センサ出力)が同程度になっている場合である。条件9を充足する場合(ステップa9:Yes)、ステップa5に移行し全ての温度センサを正常と判断する。条件9を充足しない(ステップa9:No)との判定で、温度比較手段23により条件10を充足するか否かを判定する(ステップa11)。
条件10を充足するとは、Trm≒Tlm、且つ、Tro≒Tloを満足する場合であり、停車直後で、モータ6および油温が温まっている場合に、モータ温度と油温に温度差がある場合でも、左右のモータ温度、左右の油温がそれぞれ同程度になっている場合である。条件10を充足する場合(ステップa11:Yes)、ステップa5に移行し全ての温度センサを正常と判断する。条件10を充足しない(ステップa11:No)との判定で、温度比較手段23により条件11を充足するか否かを判定する(ステップa12)。
条件11を充足するとは、Trm≒Tro、且つ、Tlm≒Tloを満足する場合であり、左右の車輪のうちいずれか一方の車輪が太陽光等で温まっている、または、いずれか一方の車輪が水や雪等で急冷された場合であり、右のモータ温度と右の油温、左のモータ温度と左の油温がそれぞれ同程度になっている場合である。条件11を充足する場合(ステップa12:Yes)、ステップa5に移行し全ての温度センサを正常と判断する。条件11を充足しない(ステップa12:No)との判定で、対平均値比較手段26により条件12〜15を充足するか否かを判定する(ステップa13)。
条件12〜15を充足する場合とは、四つの温度センサのうちの三つの温度センサが出力する温度比べて、残りの一つの温度センサが出力する温度のみが極端に低い場合である。この場合、温度センサ個別異常判断手段25は、他の三つのセンサの出力した温度よりも極端に低い温度を出力する温度センサを異常と判定する(ステップa10)。この場合、今後、当該温度センサのセンサ出力をモータ6の制御に、すなわちモータ駆動制御部19が使用しない等の対策を講じ得る。また、上記診断で異常が出た場合は、検出の誤動作等も考慮して、一回だけでなく数回連続で試験し、全ての回で異常と判断した場合のみ、その異常と検出されたセンサを使用しない等の処理に移行することもできる。
<車両走行中の診断>
Figure 2018159625
図9に示すように、車両の走行中に、温度センサ個別異常判断手段25は、温度比較手段23で比較された結果と、対平均値比較手段26で比較された結果とから、各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの異常の有無を表3の条件に従って個別に判断する。異常診断装置22は、例えば、電流検出手段Seから得たモータ電流、および回転速度検出センサScから得たモータ回転角度のいずれか一方または両方から車両が走行中か否かを判断し得る。
図8、図9および表3と共に、車両走行中の診断を説明する。この車両走行中の診断において、先ず、対平均値比較手段26は、条件16を充足するか否かを判定する(ステップb1)。条件16を充足するとは、Trm≒Tav、Tro≒Tav、Tlm≒Tav、Tlo≒Tavを全て満足する場合であり、全温度センサの温度が同程度になっている場合である。条件16を充足する場合(ステップb1:Yes)、ステップb2に移行し全ての温度センサを正常と判断する。その後、診断結果は正常で本処理を終了する。
条件16を充足しない(ステップb1:No)との判定で、温度比較手段23により条件17を充足するか否かを判定する(ステップb3)。条件17を充足するとは、Trm≒Tlm、且つ、Tro≒Tloを満足する場合であり、モータ温度と油温に温度差がある場合でも、左右のモータ温度、左右の油温がそれぞれ同程度になっている場合である。条件17を充足する場合(ステップb3:Yes)、ステップb2に移行し全ての温度センサを正常と判断する。
条件17を充足しない(ステップb3:No)との判定で、温度比較手段23により条件18を充足するか否かを判定する(ステップb4)。条件18を充足するとは、Trm≒Tro、且つ、Tlm≒Tloを満足する場合であり、右のモータ温度と右の油温、左のモータ温度と左の油温がそれぞれ同程度になっている場合である。条件18を充足する場合(ステップb4:Yes)、ステップb2に移行し全ての温度センサを正常と判断する。条件18を充足しない(ステップb4:No)との判定で、温度比較手段23により条件19を充足するか否かを判定する(ステップb5)。
条件19を充足するとは、Trm<<Troを満足する場合であり、右のモータ温度が右の油温に比べて著しく低い場合である。この場合は、例えば、一定時間後(ステップb6)、再度、条件19を充足するか否かの判定を行い(ステップb7)、再度条件19を充足すれば(ステップb7:Yes)、右のモータ温度センサSaRまたは右の冷却油温度センサSbRが異常と判断される(ステップb8)。その後、診断結果は異常で本処理を終了する。
条件19を充足しない場合(ステップb5:No、ステップb7:No)、温度比較手段23により条件20を充足するか否かを判定する(ステップb9)。条件20を充足するとは、Tlm<<Tloを満足する場合であり、左のモータ温度が左の油温に比べて著しく低い場合である。この場合は、例えば、一定時間後(ステップb10)、再度条件20を充足するか否かの判定を行い(ステップb11)、再度条件20を充足すれば(ステップb11:Yes)、左のモータ温度センサSaLまたは左の冷却油温度センサSbLが異常と判断される(ステップb12)。
条件20を充足しない場合(ステップb9:No、ステップb11:No)、対平均値比較手段26により条件21〜24を充足するか否かを判定する(ステップb13)。条件21〜24を充足する場合とは、四つの温度センサのうちの三つの温度センサが出力する温度比べて、残りの一つの温度センサが出力する温度のみが極端に低い場合である。この場合(ステップb13:Yes)、温度センサ個別異常判断手段25は、極端に低い温度を出力する温度センサを異常と判定する(ステップb14)。この場合、今後、当該温度センサのセンサ出力をモータ6の制御に、すなわちモータ駆動制御部19が使用しない。条件21〜24を全て充足しない場合(ステップb13:No)、ステップb2に移行して全ての温度センサを正常と判断する。
これらのテストは、車両の走行中、例えば10秒毎など、一定時間毎に実施する。また異常の判断は、検出の誤動作等も考慮して、一回だけでなく数回連続で異常と判断した場合のみ、その異常と検出された温度センサを使用しない等の処理に移行することもできる。
また、図8は、初期診断で異常な温度センサが無いと判断(全ての温度センサを正常と判断)された場合であり、初期診断で異常とされた温度センサがある場合は、別にそれを考慮したシーケンスを考慮する必要がある。
<作用効果について>
以上説明した異常診断装置22によれば、初期診断時に、定められた条件に従い、既存の左右のモータ温度センサSaL,SaRと、左右の冷却油温度センサSbL,SbRと、気温センサSdがある場合は気温センサSdとを用いて、各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの異常を個別に判断することができる。異常と判断された温度センサは、その後温度検出に使用せず、正常な温度センサのみを用いてモータ6の温度を監視することができる。
車両走行中においても、定められた条件に従い、左右のモータ温度センサSaL,SaRと、左右の冷却油温度センサSbL,SbRとを用いて、各温度センサSaL,SaR、SbL,SbRの異常を個別に判断することができる。異常と判断された温度センサは、その後温度検出に使用せず、正常な温度センサのみを用いてモータ6の温度を監視することができる。
なお、車両走行中において、正常な温度センサのみを用いてモータ温度を監視する場合において、例えば、モータ温度が閾値を超えたとき、前記制御装置は、各モータ6の電流を低減するように、モータ駆動制御部19からパワー回路部16に指令する。この場合に、現在のモータ電流に対して定められた割合でモータ電流を低減しても良いし、定められた値低下させても良い。これによりモータ6の過負荷を防止することができる。制御装置は、一定時間後にモータ温度が前記閾値以下になると、各モータ6への出力制限を解除する。前記閾値は、試験やシミュレーションにより定められる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
インホイールモータ駆動装置においては、サイクロイド式の減速機、遊星減速機、2軸並行減速機、その他の減速機を適用可能である。また、前記の実施形態のインホイールモータ駆動装置においては、後輪駆動を示したが、前輪駆動でも4輪駆動としても良い。
前記の実施形態においては、インホイールモータ駆動装置を備えた電気自動車に駆動制御装置を適用した例を説明したが、図10に示すように、車体1に二台のモータ6,6および各モータ6に対応する減速機7,7を設け、これらモータ6,6により左右の車輪3,3を駆動する二モータオンボードタイプの電気自動車に、異常診断装置を備えても良い。図10において、モータ6で駆動する左右の車輪は前後輪3,2のいずれであっても良い。また、4輪駆動としても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2,3…車輪
6…モータ
22…異常診断装置
23…温度比較手段
24…対外気温比較手段
25…温度センサ個別異常判断手段
26…対平均値比較手段
IWM…インホイールモータ駆動装置(モータ駆動装置)
aL,SaR…左右のモータ温度センサ
bL,SbR…左右の冷却油温度センサ
Sd…気温センサ

Claims (3)

  1. 左右の車輪を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータの温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、
    前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を比較する温度比較手段と、
    前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記モータ温度センサおよび前記冷却油温度センサで検出される温度の平均値と比較する対平均値比較手段と、
    前記温度比較手段の比較結果と、前記対平均値比較手段の比較結果とから前記モータ温度センサおよび前記冷却油温度センサの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段と、を備えた異常診断装置。
  2. 左右の車輪を独立して駆動する左右のモータ駆動装置を備えた車両における前記左右のモータ駆動装置の各モータの温度をそれぞれ検出する左右のモータ温度センサの異常と、前記左右のモータ駆動装置を冷却する各冷却油の温度をそれぞれ検出する左右の冷却油温度センサの異常とを、前記車両の電源の投入時から車両走行開始前の一定時間内である初期診断時に診断する異常診断装置において、
    前記車両は、この車両の外気温を検出する気温センサを備え、
    前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度のうち、定められた二つの温度を定められた条件に従い互いに比較する温度比較手段と、
    前記左右のモータ温度センサで検出される前記各モータの温度、および前記左右の冷却油温度センサで検出される各冷却油の温度の各温度と、前記気温センサで検出される外気温とを定比較する対外気温比較手段と、
    前記温度比較手段の比較結果と、前記対外気温比較手段の比較結果とから各温度センサの異常の有無を判断する温度センサ個別異常判断手段と、を備えた異常診断装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の異常診断装置において、前記温度センサ個別異常判断手段は、前記車両の走行中に、前記モータ温度センサおよび前記冷却油温度センサの異常の有無を判断する異常診断装置。
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