JP2018159595A - 差圧センサチップ、差圧発信器、および差圧センサチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
差圧発信器の一形態として、半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとを有し、夫々のダイアフラムに加えられた圧力差をピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に変換し、その抵抗値の変化に基づく電気信号を圧力の計測結果として出力するものがある。
このオイルの封入方法としては、真空ポンプを用いて、オイルを封入すべき空間内のガスを排出して真空状態にした後で、上記空間内にオイルを導入する手法が従来から知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。同図には、本実施の形態に係る差圧発信器100の断面形状が模式的に示されている。
図1に示される差圧発信器100は、感圧素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のダイアフラム並列配置型のセンサチップを用いた差圧発信器である。
差圧センサチップ2は、計測対象の流体の圧力差を検出する半導体チップである。
差圧センサチップ2は、例えば、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムを構成する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。
上記溝の側面および底面と半導体膜23との間の空間が、部屋28_1と部屋28_2とを導通する連通孔25となる。連通路25は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、ダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための圧力連通路として機能する。以下、連通孔25を「圧力連通路25」とも称する。
図2A,2Bは、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図2Aには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の断面図が示されている。図2Bには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の上面図が示されている。
なお、図2A、図2Bでは、オイル27を導入する前の第2基部22の構造が図示されている。
図2A,2Bに示されるように、凹部260_1,260_2および連通路261_1,261_2は、例えば、主面22bに垂直な方向(Z方向)から見て略円形に夫々形成されている。連通路261_1は、その一端が凹部260_1の底面に接続され、その他端がストッパ部24_1に接続されている。連通路261_2は、その一端が凹部260_2の底面に接続され、その他端がストッパ部24_2に接続されている。
支持基板3は、ダイアフラムベース1上で差圧センサチップ2を支持するとともに、ダイアフラムベース1と差圧センサチップ2とを絶縁するための基板である。支持基板3は、例えばガラス基板である。
ダイアフラムベース1は、差圧センサチップ2を支持するとともに、計測対象の流体の圧力を差圧センサチップ2に導くための金属材料から成る基台である。上記金属材料としては、ステンレス鋼(SUS)を例示することができる。
ダイアフラムベース1には、主面1aと主面1bとを貫通する2つの貫通孔11_1,11_2が形成されている。図1に示されるように、貫通孔11_1,11_2は、主面1a側の開口部が主面1b側の開口部よりも開口面積が広く形成されている。
具体的には、図1に示すように、中継基板4は、その一方の主面に形成された、上記外部出力端子としての複数の電極パッド40を有している。複数の電極パッド40は、例えば金(Au)等の金属材料から成るボンディングワイヤ8によって、差圧センサチップ2の主面20b上に形成された電極パッド29と夫々接続されている。
なお、信号処理回路や電源回路等は、中継基板4に配置されていてもよいし、中継基板4と上記外部出力ピンによって接続される別の回路基板(図示せず)に配置されていてもよい。
上述した構造を有する差圧発信器100は、以下のように動作する。
例えば、計測対象の流体が流れるパイプラインに差圧発信器100を実装する場合を考える。この場合、例えば、パイプラインの上流側(高圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_1で検出し、下流側(低圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_2で検出するように、差圧発信器100をパイプラインに実装する。
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
ここでは、一例として、半導体膜23を介して第1基部20と第2基部22とを接合したチップを作製するチップ作製工程と、チップ作製工程で作製した半導体チップに圧力伝達物質としてのオイル27を封入するオイル封入工程とに分けて説明する。
図3A〜3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
これにより、第1基部20が作製される。
以上の工程により、オイルが封入されていない、支持基板3が接合された差圧センサチップ2が作製される。
次に、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程について説明する。
図4A〜4Fは、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
具体的には、各オイル導入路26_1,26_2の凹部260_1,260_2に、例えば金錫(AuSn)を主成分とする合金から成る球体状の金属材料を嵌め込み、当該金属材料にレーザーを照射することにより、溶解させる。これにより、上記金属材料を加工した封止部材7によってオイル導入路26_1,26_2が夫々封止される。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
図5Aに示される差圧センサチップ2Aのように、オイル導入路26A_1,26A_2は、第2基部22の主面22a(22b)に垂直な側面22c,22dに形成されていてもよい。例えば、オイル導入路26A_1の開口部が第2基部22の側面22cに形成され、オイル導入路26A_2の開口部が第2基部22の側面22dに形成されていてもよい。
図5Bに示される差圧センサチップ2Bのように、オイル導入路26B_1,26B_2は、夫々の開口部の位置、すなわちダイアフラム23_1,23_2からの高さ(Z方向の高さ)が相違していてもよい。例えば、図5Bに示されるように、例えば、オイル導入路26A_1の開口部が第2基部22の側面22cに形成され、オイル導入路26A_2の開口部が第2基部22の主面22bに形成されていてもよい。
図5Cには、オイル導入路の別の第3の例に係る差圧センサチップ2Cの模式的な断面構造(断面図)が示され、図5Dには、オイル導入路の別の第3の例に係る差圧センサチップ2Cの模式的な平面構造(上面図)が示されている。
図5C,5Dに示される差圧センサチップ2Cのように、オイル導入路26C_1の開口部26_1cの開口面積とオイル導入路26_2の開口面積は、互いに相違していてもよい。
Claims (12)
- 計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップの製造方法であって、
第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間の第1部屋と、前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間の第2部屋と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、圧力伝達物質を導入するための一端と、前記第1部屋に接続された他端とを有する第2連通路と、前記圧力伝達物質を導入するための一端と、前記第2部屋に接続された他端とを有する第3連通路とを有する半導体チップを形成する第1ステップと、
前記第2連通路の前記一端または前記第3連通路の前記一端から、圧力伝達物質を導入する第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端を封止する第3ステップと、を含む
差圧センサチップの製造方法。 - 請求項1に記載の差圧センサチップの製造方法において、
前記第2ステップは、前記第2連通路および前記第3連通路の何れか一方の前記一端から導入された前記圧力伝達物質が他方の前記一端から溢れ出るまで、前記圧力伝達物質を導入するステップを含む
ことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。 - 請求項1または2に記載の差圧センサチップの製造方法において、
前記半導体チップは、
第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する前記第1圧力導入孔および前記第2圧力導入孔とを有する第1基部と、
前記第1圧力導入孔および前記第2圧力導入孔を覆って前記第1基部の前記第2主面上に配置され、前記2主面と垂直な方向から見て前記第1圧力導入孔と重なる領域が前記第1ダイアフラムとして機能するとともに、前記第2圧力導入孔と重なる領域が前記第2ダイアフラムとして機能する半導体膜と、
第3主面と、前記第3主面に形成された凹部としての前記第1ストッパ部および前記第2ストッパ部と、前記第1ストッパ部と前記第2ストッパ部とを連通する前記第1連通路と、一端が前記第3主面以外の面に開口し、他端が前記第1ストッパ部に接続された前記第2連通路と、一端が前記第3主面以外の面に開口し、他端が前記第2ストッパ部に接続された前記第3連通路とを含み、前記第3主面が前記第3主面に垂直な方向から見て、前記第1ストッパ部の少なくとも一部が前記第1ダイアフラムと重なり、且つ前記第2ストッパ部の少なくとも一部が前記第2ダイアフラムと重なった状態で、前記第1基部の前記第2主面の前記半導体膜上に配置された第2基部と、を有する
ことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。 - 請求項3に記載の差圧センサチップの製造方法において、
前記第2基部は、前記第3主面と反対側の第4主面を更に有し、
前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端は、前記第4主面に夫々開口している
ことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。 - 請求項3に記載の差圧センサチップの製造方法において、
前記第2基部は、前記第3主面と垂直な側面を有し、
前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端は、前記側面に夫々開口している
ことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。 - 請求項3に記載の差圧センサチップの製造方法において、
前記第2基部は、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記第3主面と垂直な側面とを更に有し、
前記第2連通路の前記一端は、前記側面に開口し、
前記第3連通路の前記一端は、前記第4主面に開口している
ことを特徴とする差圧センサチップの製造方法。 - 第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する第1圧力導入孔および第2圧力導入孔とを有する第1基部と、
前記第1基部の前記第2主面上に設けられた半導体膜と、
第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、前記第3主面が前記半導体膜上に接合された第2基部と、を有し、
前記半導体膜は、
前記第1基部の前記第2主面上に設けられ、前記第1圧力導入孔の一端を覆うように構成された第1ダイアフラムと、
前記第1基部の前記第2主面上に設けられ、前記第2圧力導入孔の一端を覆うように構成された第2ダイアフラムと、
前記第1ダイアフラムに設けられ、計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、
前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、を含み、
前記第2基部は、
前記第3主面の前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第1ダイアフラムとともに第1部屋を形成する第1凹部と、
前記第3主面の前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第2ダイアフラムとともに第2部屋を形成する第2凹部と、
前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、
一端が前記第3主面以外の面に開口し、他端が前記第1ストッパ部に接続された第2連通路と、
一端が前記第3主面以外の面に開口し、他端が前記第2ストッパ部に接続された第3連通路とを有する
差圧センサチップ。 - 請求項7に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第2基部は、前記第3主面と反対側の第4主面を更に有し、
前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端は、前記第4主面に夫々開口している
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項7に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第2基部は、前記第3主面と垂直な側面を更に有し、
前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端は、前記側面に夫々開口している
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項7に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第2基部は、前記第3主面と反対側の第4主面と、前記第3主面と垂直な側面とを更に有し、
前記第2連通路の前記一端は、前記第4主面に開口し、
前記第3連通路の前記一端は、前記側面に開口している
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項7乃至10の何れか一項に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第1部屋、前記第2部屋、前記第1連通路、前記第2連通路、および前記第3連通路に充填された圧力伝達物質と、
前記第2連通路の前記一端および前記第3連通路の前記一端を夫々封止する封止部材と、を更に有する
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項11に記載の差圧センサチップと、
第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、夫々前記第5主面と前記第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔および第2流体圧力導入孔とを有する基台と、
前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラムと、
前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラムと、
第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、夫々前記第7主面および前記第8主面に開口する第1貫通孔および第2貫通孔とを有し、前記第7主面が前記基台上に固定され、前記第8主面が前記第1基部の前記第1主面に接合されて、前記差圧センサチップを支持する支持基板と、を備え、
前記第1流体圧力導入孔と前記第1貫通孔とが連通し、
前記第2流体圧力導入孔と前記第2貫通孔とが連通している、
ことを特徴とする差圧発信器。
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