JP2022143649A - オイル封入方法およびオイル封入用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】差圧センサチップの支持基板に接合される接合面がオイルで汚染されることがないオイル封入方法およびオイル封入用治具を提供する。【解決手段】複数のセンサチップ領域Aを有する基板5に、第1、第2ダイアフラム11,12と、オイル導入路24と、圧力導入路27とを形成する第1ステップと、オイル注入路58が形成された板状部材51を基板5に載置し、板状部材51を基板5に重ねる第2ステップとを有する。剣山部材52を板状部材51に重ね、板状部材51と基板5とが互いに密着するようにこれら両者を加圧保持する第3ステップと、大気圧よりも低い第1圧力への減圧の以前または減圧中を含む第1圧力の環境下においてオイル注入路58に注入されたオイルでオイル導入路24内および圧力導入路27内を満たす第4ステップを有する。大気圧環境下で板状部材51と基板5との加圧保持を止め、これら両者を引き離す第5ステップと、 センサチップ領域A毎に形成されている開口部31を封止する第6ステップとを有する方法である。【選択図】 図5

Description

本発明は、差圧発信器を構成する圧力センサチップに圧力伝達物質としてのオイルを封入するオイル封入方法およびこの方法に使用するオイル封入用治具に関する。
各種プロセス系において圧力の差を検出する計測機器として、差圧センサチップを使用したダイアフラム並列配置型の差圧発信器が知られている。この種の差圧発信器に用いる差圧センサチップには、ピエゾ素子が形成された半導体膜から成る低圧検出用ダイアフラムと高圧検出用ダイアフラムとが半導体チップ内に平面方向に並んで形成されている。低圧検出用ダイアフラムの直上に低圧側の圧力室が形成され、高圧検出用ダイアフラムの直上に高圧側の圧力室が形成されている。低圧側の圧力と高圧側の圧力室は、連通路によって互いに空間的に接続されている。
従来のダイアフラム並列配置型の差圧発信器では、一般に、一方のダイアフラムに加えられた圧力を他方のダイアフラムに伝達するために、2つの圧力室内および連通路内を圧力伝達物質(オイル)で満たしている。
ダイアフラム並列配置型の差圧発信器に用いる差圧センサチップは、1枚のダイアフラムを介して2つの圧力導入孔を対面配置させた圧力センサチップに比べて、差圧センサチップの製造プロセスを簡素化することが可能になるため、差圧発信器の製造コスト削減が可能になる。
しかし、オイルを導入すべき箇所が多いため、差圧センサチップの製造後のパッケージ工程が複雑になる。例えば、特許文献1や特許文献2に開示されたオイル封入方法のように、半導体ウェハから切り出した差圧センサチップ毎にオイル充填用パイプを接着してオイルを封入する場合、オイル封入工程が煩雑になる。また、オイル充填用パイプがウェハプロセスやパッケージング工程等において物理的な障害となるため、差圧発信器の製造工程に制約が生じ、差圧発信器の製造コストを削減する上で不利となる。
差圧センサチップのオイル封入工程を簡略化するためには、例えば特許文献3に記載されているオイル封入方法を採用することで実現可能である。特許文献3には、差圧発信器を構成する圧力センサチップの製造工程において、複数のセンサチップ領域を有する基板に対してオイルを封入する方法が開示されている。
このオイル封入方法では、真空下でウェハ内のオイルが封入される圧力室や導圧用の通路を真空状態とし、オイルの封入口が開口するウェハの主面に板状部材を密接させる。その後、ウェハと板状部材とをオイルで満たされた容器に投入する。このとき、板状部材がウェハの下に位置する姿勢でウェハが部分的にオイル内に浸漬されるように行う。そして、板状部材を容器内でウェハから離れるように移動させる。このように容器内でウェハの主面がオイルに晒されることにより、ウェハの主面に開口している封入口からオイルがウェハ内に浸入し、ウェハ内の圧力室や導圧用の通路がオイルで満たされる。
特開2003-194649号公報 特開2018-159592号公報 特開2018-159597号公報
特許文献3に示すオイル封入方法では、オイル封入工程でウェハの主面全体がオイルによって汚染される。また、オイルで満たされた容器にウェハを投入する際、封入口を下向きにするため、オイル充填後に封入口を塞ぐ次の工程に進む際にウェハを上下方向に反転させる必要がある。ウェハの上下を反転させた際に、オイルがウェハの主面から反対面まで回り込み、反対面もオイルによって汚染されてしまう。反対面は、ガラス基板等の絶縁体からなる支持基板との接合面である。支持基板は、金属からなるダイアフラムベース(メータボディ)と差圧センサチップとの間に介在されるものである。ウェハの反対面がオイルで汚染されてしまうと、ウェハから分断された差圧センサチップを支持基板に接合することができなくなる。
本発明の目的は、差圧センサチップの支持基板に接合される接合面がオイルで汚染されることがないオイル封入方法およびオイル封入用治具を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明に係るオイル封入方法は、複数のセンサチップ領域を有する基板に、ダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面に圧力を導入する圧力導入路と、前記基板の一方の主面に開口部を有し前記圧力導入路に連通したオイル導入路とを各前記センサチップ領域に夫々設けられるように形成する第1ステップと、平坦な主面を有し、前記オイル導入路の前記開口部の位置に対応してオイル注入路が形成された板状部材を前記基板の前記主面に載置し、前記センサチップ領域毎に形成された前記オイル導入路の前記開口部と前記板状部材の前記オイル注入路が連通するように前記板状部材の前記主面を前記基板に重ねる第2ステップと、前記板状部材が前記基板に重なる状態を維持したうえで、前記板状部材と対向しかつ平行である第1の表面とこの第1の表面と反対側の第2の表面を有する板面部と、前記板面部の前記第1の表面から前記板状部材に向かって延伸する複数の加圧柱状部と、前記板面部の前記第1の表面と前記第2の表面とに開口して前記板面部を貫通する複数の貫通穴とを備えた剣山部材を前記板状部材に重ね、前記剣山部材の複数の前記加圧柱状部を前記板状部材に設けられた前記オイル注入路を避けて前記板状部材に当接加圧させることで前記板状部材と前記基板とが互いに密着するようにこれら両者を加圧保持する第3ステップと、 前記第3ステップの後に、前記基板の前記オイル導入路内および前記圧力導入路内を大気圧よりも低い第1圧力に減圧し、この減圧の以前または減圧中を含む前記第1圧力の環境下において、前記剣山部材の前記貫通穴を通して前記板状部材にオイルを供給し、更に、供給された前記オイルを前記板状部材の前記オイル注入路を介して前記基板の前記オイル導入路へ注入し、前記基板の前記オイル導入路内および前記圧力導入路内を前記オイルで満たす第4ステップと、
前記第4ステップの後に、前記基板、前記板状部材および前記剣山部材を大気圧環境下に戻し、前記基板の前記オイル導入路および前記開口部に前記オイルが満たされた状態において、前記剣山部材による前記板状部材と前記基板との加圧保持を止め、前記剣山部材を撤去したうえで前記板状部材を前記基板から引き離す第5ステップと、前記第5ステップの後に、前記基板の前記センサチップ領域毎に形成されている前記開口部を封止する第6ステップと、を含む方法である。
本発明は、前記オイル封入方法において、前記剣山部材の前記第2の表面の外縁部にはこの外縁部に沿って前記第2の表面と直交する外縁壁が形成されていてもよい。
本発明は、前記オイル封入方法において、前記剣山部材の前記貫通穴の1つが前記第2の表面の中心部に形成されていてもよい。
本発明は、前記オイル封入方法において、前記剣山部材の前記貫通穴は、前記板面部の中央部に位置する第1の貫通穴と、前記板面部の前記中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴とを含み、前記第2の表面には、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴まで延伸する複数の連通溝が形成されていてもよい。
本発明は、前記オイル封入方法において、前記連通溝は、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴に向かって連続的に深くなるように形成されていてもよい。
本発明は、前記オイル封入方法において、前記基板は、前記ダイアフラムとしての第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第1部屋と、前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第2部屋と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する連通路と、前記基板の前記主面に前記開口部を有し、前記連通路に連通した前記オイル導入路と、を前記センサチップ領域毎に有していてもよい。
本発明に係るオイル封入用治具は、前記オイル封入方法を実施するために前記剣山部材として用いるオイル封入用治具であって、第1の表面とこの第1の表面と反対側の第2の表面を有する板面部と、前記板面部の前記第1の表面に突設された複数の加圧柱状部と、前記板面部の第1の表面から第2の表面へ貫通する複数の貫通穴とを備え、前記貫通穴は、前記第2の表面の中央部に位置する第1の貫通穴と、前記第2の表面の前記中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴とによって構成され、前記第2の表面には、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴まで延伸する複数の連通溝が形成され、前記連通溝は、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴に向かって連続的に深くなるように形成されていてもよい。
本発明によれば、板状部材は、剣山部材の複数の加圧柱状部によって押されることにより、その主面の全域が均等に基板に押し付けられる。そして、基板の主面が上に位置する姿勢でオイルが剣山部材の貫通穴から板状部材のオイル注入路を通って基板内に供給される。このため、基板へのオイル付着を最小限にとどめることができ、オイルが主面とは反対側の面に回り込むようなこともない。
したがって、差圧センサチップの支持基板に接合される接合面がオイルで汚染されることがないオイル封入方法およびオイル封入用治具を提供することができる。
図1は、本発明のオイル封入方法でオイルが封入された差圧センサチップの断面図である。 図2は、第1ステップを説明するための断面図である。 図3は、オイル封入用治具の断面図である。 図4は、第2ステップを説明するための断面図である。 図5は、第3ステップを説明するための断面図である。 図6は、剣山部材の斜視図である。 図7は、剣山部材の断面図である。 図8は、第3ステップを説明するための断面図である。 図9は、第3ステップを説明するための断面図である。 図10は、第4ステップを説明するための断面図である。 図11は、第5ステップを説明するための断面図である。 図12は、第5ステップを説明するための断面図である。 図13は、本発明に係るオイル封入方法を説明するためのフローチャートである。 図14は、板状部材の変形例を示す断面図である。
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るオイル封入方法およびオイル封入用治具の一実施の形態を図1~図13を参照して詳細に説明する。
(差圧センサチップの説明)
図1は、本発明の一実施の形態に係るオイル封入方法を適用して作製される差圧センサチップの構成を示す断面図である。同図には、差圧センサチップの断面形状が模式的に示されている。
図1に示すように、差圧センサチップ1は、図1の中央部に描かれている第1基部2にダイアフラムとして機能する半導体膜3を接合し、この半導体膜3に第2基部4を接合して形成されている。この実施の形態においては、第1基部2と、半導体膜3と、第2基部4と、によって本発明でいう基板5が構成されている。
第1基部2は、例えばシリコンから構成されている。第1基部2には、計測対象の流体の第1の圧力を導入するための第1圧力導入孔6と、計測対象の流体の第2の圧力を導入するための第2圧力導入孔7とが形成されている。
第1、第2圧力導入孔6,7は、第1基部2の主面2aとその反対側の主面2bとを貫通する貫通孔である。第1圧力導入孔6と第2圧力導入孔7とは、第1基部2の主面2a,2bにおいて、平面方向に離間して形成されている。
第1基部2の図1において下に位置する主面2aは、支持基板8に接合される。支持基板8は、例えば、ガラス基板等の絶縁材料によって形成されている。また、支持基板8は、図示していない金属から成るダイアフラムベース(メータボディ)に搭載される。
半導体膜3は、第1基部2の主面2b上に、少なくとも第1、第2圧力導入孔6,7を覆って形成されている。半導体膜3は、例えばシリコン(Si)によって形成されている。
半導体膜3のうち、第1圧力導入孔6および第2圧力導入孔7を覆う領域は、夫々ダイアフラムとして機能する。以下においては、半導体膜3の第1圧力導入孔6を覆う領域を第1ダイアフラム11といい、半導体膜3の第2圧力導入孔7を覆う領域を第2ダイアフラム12という。
半導体膜3は、第1、第2圧力導入孔6,7側から計測対象の流体に基づく圧力を受ける受圧面と、受圧面の反対側の面とを有している。受圧面の反対側の面側の半導体膜3内には、第1ダイアフラム11および第2ダイアフラム12に加わった圧力を検出するための複数のひずみゲージ(図示せず)が形成されている。
ひずみゲージは、例えば、複数のピエゾ抵抗素子によって形成することができる。複数のピエゾ抵抗素子は、ブリッジ回路を構成している。このブリッジ回路は、一定の電流が流れている状態において第1および第2ダイアフラム11,12に応力が発生したとき、その応力による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力する差圧検出部として機能する。
上記ブリッジ回路における各ノードは、半導体膜3の受圧面の反対側の面に形成された図示されていない配線パターンを介して、同じく受圧面の反対側の面に形成された複数の電極パッド13に夫々接続されている。電極パッド13は、例えば、図示していない中継基板上に形成された電極パッドとボンディングワイヤによって接続され、図示していない信号処理回路等の外部回路に接続される。これにより、差圧センサチップ1によって検出された圧力差に応じた電気信号が外部回路に出力される。
第2基部4は、例えばシリコンによって形成されている。この第2基部4は、半導体膜3を介して第1基部2上に固定されている。具体的には、第2基部4の図1において下に位置する主面4aが、半導体膜3の第1基部2と接合されていない面に接合されている。
第2基部4には、第1ストッパ部21および第2ストッパ部22と、連通路23と、オイル導入路24とが形成されている。
第1、第2ストッパ部21,22は、第1基部2の第1、第2圧力導入孔6,7から第1、第2ダイアフラム11,12に圧力が加わって第1、第2ダイアフラム11,12が撓んだ場合に、第1、第2ダイアフラム11,12が第1、第2ストッパ部21,22に着床することにより、第1、第2ダイアフラム11,12の一方向への変形を制限する機能部である。これにより、第1、第2ダイアフラム11,12に過大圧が加わることによる第1、第2ダイアフラム11,12の破壊を防止することが可能となる。
具体的に、第1、第2ストッパ部21,22は、第2基部4の半導体膜3と接合する主面4aに、その主面4aと垂直な方向に形成された凹部(窪み)である。第1ストッパ部21は、第1ダイアフラム11を挟んで第1圧力導入孔6と対面配置され、第2ストッパ部22は、第2ダイアフラム12を挟んで第2圧力導入孔7と対面配置されている。第1、第2ストッパ部21,22を構成する凹部は、第1、第2ダイアフラム11,12の変位に沿った曲面(例えば、非球面)を有している。
第1、第2ストッパ部21,22と第1、第2ダイアフラム11,12との間には、空間が夫々形成されている。以下、第1ストッパ部21と第1ダイアフラム11との間に形成される空間を第1部屋25と称し、第2ストッパ部22と第2ダイアフラム12との間に形成される空間を第2部屋26と称する。
第1部屋25と第2部屋26とは、連通路23を通して空間的に連通されている。この実施の形態においては、第1部屋25と、第2部屋26と、連通路23とによって、第1、第2ダイアフラム11,12の一方の面に圧力を導入する圧力導入路27が構成されている。
連通路23は、第1、第2ダイアフラム11,12の一方に加わった圧力を、第1、第2ダイアフラム11,12の他方に伝達するための圧力連通路として機能する。
第2基部4における主面4aとは反対側の端部には、連通路23と連通するオイル導入路24が形成されている。オイル導入路24は、第2基部4の図1において上に位置する主面4bに開口する穴からなる開口部31と、開口部31から連通路23迄延びる連通部32とによって構成されている。開口部31および連通部32は、主面4bに垂直な方向から見て、例えば略円形に形成されている。開口部31は、後述する封止部材33によって閉塞される。
オイル導入路24、連通路23、および第1、第2部屋25,26は、圧力伝達物質34によって満たされている。圧力伝達物質34は、第1、第2ダイアフラム11,12の一方に加わった圧力を、連通路23を介して第1、第2ダイアフラム11,12の他方に伝達するための物質である。圧力伝達物質34は、後述するオイル封入方法によって第2基部4内に封入されている。圧力伝達物質34を封入する方法は後述する。一方、第1、第2圧力導入孔6,7は、計測対象の流体の圧力を第1、第2ダイアフラム11,12に伝達するための圧力伝達物質35によって満たされている。圧力伝達物質34,35としては、シリコーンオイルやフッ素オイル等を例示することができる。
本実施の形態では、一例として、圧力伝達物質34,35が液体(例えばシリコーンオイル)であるとし、圧力伝達物質34,35をそれぞれ単に「オイル34,35」という。
封止部材33は、オイル導入路24から連通路23および第1、第2部屋25,26に導入されたオイル34を第2基部4内に封止する部品である。例えば、封止部材33は、オイル導入路24の開口部31に嵌め込んだ球体状の金属部材(例えば、金錫(AuSn)を主成分とする合金から成る金属ボール)を溶解させて形成されている。
上記構造を有する差圧センサチップ1は、支持基板8を介してダイアフラムベース(メータボディ)に搭載されることにより、差圧発信器を構成する。
(オイル封入方法の説明)
次に、オイル34を差圧センサチップ1内に封入する方法を図2~図12と図13に示すフローチャートとを参照して説明する。
(第1ステップの説明)
差圧センサチップ1は、図2(A),(B)に示す基板5から形成される。基板5を形成するステップがオイル封入方法の第1ステップS1である。図2(A)は基板5の断面図、図2(B)は基板5の一部を拡大して示す断面図である。基板5は、図2(A)に示すように、第1~第4のシリコンウェハ41~44を公知の半導体製造技術および基板接合技術によって厚み方向に互いに重なる状態で接合して形成されており、複数のセンサチップ領域Aを有している。センサチップ領域Aは、最終的に差圧センサチップ1となる部分である。
第1~第4のシリコンウェハ41~44のうち、図2(A)において最も下に位置する第1のシリコンウェハ41は、第1基部2となるものである。第1のシリコンウェハ41には、第1圧力導入孔6と第2圧力導入孔7とがセンサチップ領域A毎に形成されている。
図2(A)において下から2番目に位置する第2のシリコンウェハ42は、第1、第2ダイアフラム11,12を形成するものである。
図2(A)において下から3番目に位置する第3のシリコンウェハ43と、最も上に位置する第4のシリコンウェハ44は、第2基部4となるものである。
第3のシリコンウェハ43には、図2(B)に示すように、第1、第2ストッパ部21,22と、連通路23の一部となる貫通孔23aと、同一のセンサチップ領域A内の二つの貫通孔23a,23aどうしを接続する溝23bとが形成されている。この溝23bは、第3のシリコンウェハ43に第4のシリコンウェハ44が接合されることによって、貫通孔23a,23aどうしを連通する通路となる。
第4のシリコンウェハ44には、オイル導入路24となる開口部31と連通部32とがセンサチップ領域A毎に形成されている。オイル導入路24の開口部31は、図2において上に位置する基板5の一方の主面5aに開口することになる。
第1ステップS1においては、基板5に第1、第2圧力導入孔6,7と、第1、第2ダイアフラム11,12と、第1、第2部屋25,26と、連通路23と、オイル導入路24などが形成される。
本発明のオイルの封入方法を実施するためには、図3(A),(B)に示す板状部材51と、図5~図7に示す剣山部材52とからなるオイル封入用治具53{図5(A)参照}を使用する。板状部材51は、詳細は後述するが、オイル封入方法の第2ステップS2を実施するにあたり使用されるもので、図4に示すように基板5の主面5aに重ねられる。剣山部材52は、オイル封入方法の第3ステップS3を実施するにあたり使用されるもので、図5に示すように、板状部材51の上に重ねられる。
(第2ステップの説明および板状部材の説明)
板状部材51は、図3(A)において左右方向に延びる円板部54と、この円板部54の上面54aの外周部に重ねられたリング部55とを有している。円板部54とリング部55を形成する材料は、シリコン、ガラス、SUS等の金属材料などを用いることができる。リング部55は、円板部54に接着剤(図示せず)によって接着されている。なお、リング部55は、円板部54に一体に形成することができる。
円板部54の外径は、上述した基板5の第1~第4のシリコンウェハ41~44の外径と等しい外径である。この板状部材51は、基板5に対して予め定めた目標位置に位置するように重ねられる。この位置合わせは、図示してはいないが、例えば、円板部54に形成された位置決め用マークを基板5に形成された位置決め用マークに合わせるようにして行うことができる。
円板部54のリング部55とは反対側の下面54b、すなわち基板5に当接する当接面は、平坦に形成された平坦部56と、複数の凹部57とによって構成されている。すなわち、平坦な主面(下面54b)に複数の凹部57が形成されている。
凹部57は、センサチップ領域A毎に形成されている。詳述すると、凹部57は、板状部材51が上述した目標位置に位置するように基板5に重ねられた状態において、基板5のオイル導入路24の開口部31を上方から取り囲むように形成されている。凹部57の開口形状は、円板部54の厚み方向から見て円形である。板状部材51が基板5に対して目標位置に位置している状態において、凹部57の中心と開口部31の中心とが円板部54の厚み方向から見て一致することが望ましい。
凹部57の中心部分にはオイル注入路58が開口している。オイル注入路58は、円板部54を厚み方向に貫通するように形成されている。凹部57にはOリング59が嵌め込まれている。Oリング59は、その外周部が凹部57の内周壁に押圧保持されている。
オイル注入路58の内径d1{図3(B)参照}は、オイル導入路24の開口部31の開口幅d2{図2(B)参照}より小さい。また、オイル導入路24の開口部31の開口幅d2は、Oリング59の内径d3より小さい。
すなわち、オイル注入路58の内径をd1とし、オイル導入路24の開口部31の開口幅をd2とし、Oリング59の内径をd3としたとき、d1<d2<d3である。
このように形成された板状部材51は、図4に示すように、基板5のセンサチップ領域A毎に形成されたオイル導入路24の開口部31と板状部材51のオイル注入路58とが連通するように、基板5の主面5aに上方から重ねて載置される(第2ステップS2)。
(第3ステップの説明および剣山部材の説明)
図5~図7に示す剣山部材52は、板状部材51の円板部54と平行な板面部61と、板面部61から板状部材51に向かって延伸する複数の加圧柱状部62とを備えている。剣山部材52を形成する材料は、板状部材51を形成する材料と同一の材料を用いることができる。
板面部61は、板状部材51と対向しかつ円板部54と平行である第1の表面61aと、この第1の表面61aとは反対側の第2の表面61b(図6参照)とを有している。第1の表面61aと第2の表面61bは、板面部61の厚み方向から見て略円形に形成されている。
板面部61は、図6および図7に示すように、第1の表面61aと第2の表面61bとに開口して板面部61を厚み方向に貫通する複数の貫通穴63~65を有している。複数の貫通穴63~65は、板面部61の中央部に位置する第1の貫通穴63と、板面部61の中央部から径方向の外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴64と、第2の貫通穴64より径方向の外側に離れて位置する複数の第3の貫通穴65とから構成されている。
第1の貫通穴63は、図6および図7に示すように、第2の表面61bの中心部に開口する円形凹部66の底から第1の表面61aまで延びている。
第2の貫通穴64は、第2の表面61bを周方向に4等分する位置にそれぞれ配設されている。
第3の貫通穴65は、第2の表面61bを周方向に3等分する位置にそれぞれ2つずつ配設されている。なお、図5と図7とにおいては、第3の貫通穴65の構成を理解し易くするために、第3の貫通穴65を第2の貫通穴64と同一の断面上に描いてある。
板面部61の第2の表面61bには、第1の貫通穴63から第2の貫通穴64まで延伸する複数の連通溝67が形成されている。これらの連通溝67は、図7に示すように、第1の貫通穴63から前記第2の貫通穴64に向かって連続的に深くなるように形成されている。この実施の形態による第2の貫通穴64の穴形状は、連通溝67が延びる方向に長い長円状である。
板面部61の外周部には、板状部材51とは反対方向に突出する筒状壁68が一体に形成されている。この実施の形態においては、筒状壁68が請求項2記載の発明でいう「外縁壁」に相当する。筒状壁68は、板面部61と一体に形成する他に、板面部61とは別体に形成して接着剤によって板面部61に接着してもよい。
また、板面部61の外周部には、図6に示すように、板面部61の厚み方向と平行な方向に延びる平坦面からなる位置合わせ面69が形成されているとともに、外周部の一部が部分的に除去されてなる窓部70が形成されている。位置合わせ面69は、剣山部材52を板状部材51に位置決めする際の目印とする面である。位置決めの説明は後述する。窓部70は、板状部材51に剣山部材52が載置されている状態で板状部材51と板面部61との間を視認できるようにするために形成されている。
複数の加圧柱状部62は、それぞれ円柱状に形成され、板面部61の第1の表面61aから板面部61の厚み方向と平行な方向に所定の長さだけ突出している。加圧柱状部62の長さは、図5に示すように、板面部61が板状部材51に接触することがないような長さである。また、加圧柱状部62は、剣山部材52が板状部材51に載置されて所定の載置位置に位置決めされた状態で、板状部材51の複数のオイル注入路58を塞ぐことがない位置に配置されている。
剣山部材52を載置位置に位置決めするにあたっては、例えば、板面部61の厚み方向(上下方向)から見て剣山部材52の外周面が板状部材51の外周面と重なるとともに、位置合わせ面69を板状部材51の位置合わせ用マーク(図示せず)に合わせるようにして行うことができる。剣山部材52は、加圧柱状部62が板状部材51のリング部55に当接して移動が規制されるまで板状部材51の上で平行移動させることが可能である。この実施の形態による加圧柱状部62は、この移動可能範囲の中の何れの位置においても、オイル注入路58を塞ぐことがないように構成されている。
(第3ステップの説明)
このように構成された剣山部材52は、上述した第2ステップS2で板状部材51を基板5に載置した後に、図5および図8に示すように、板状部材51の上に載置する。そして、基板5と、板状部材51と、剣山部材52とからなる積層体71に複数の締結具(図示せず)を取付けて第3ステップS3を実施する。第3ステップS3においては、剣山部材52の複数の加圧柱状部62を、板状部材51のオイル注入路58を避けて板状部材51に当接させて押圧する。この押圧力は、全ての加圧柱状部62から板状部材51に均等に伝達される。このため、複数の加圧柱状部62が板状部材51のオイル注入路58を除く部位を均等に押圧し、板状部材51の全てのOリング59が均等に弾性変形するようになる。
締結具を締結状態に維持することにより、図9に示すように、板状部材51と基板5とが互いに密着するようにこれら両者が加圧保持される(第3ステップS)。
(第4ステップの説明)
次に、図10に示すように、オイル34を剣山部材52の円形凹部66に向けて垂らすようにして剣山部材52の上に流し入れる。このとき、筒状壁68が実質的に堰となり、オイル34が剣山部材52の外に溢れ出ることを防ぐ。
剣山部材52に供給されたオイル34は、第1の貫通穴63を通過して板状部材51の中心部に流下するとともに、複数の連通溝67を通って第2の貫通穴64に流れ込み、第2の貫通穴64を通過して板状部材51の外周部に流下する。そして、このオイル34は、板状部材51上で濡れ拡がり、リング部55の内方に溜められるようになる。
その後、積層体71を図示していない減圧用チャンバーの中に装填し、減圧用チャンバー内を大気圧よりも低い第1圧力に減圧する。この減圧は、減圧用チャンバー内が真空状態となるように実施することが望ましい。このように減圧を行うことにより、基板5内の圧力導入路27とオイル導入路24とから空気が排出され、図10に示すように、板状部材51上からオイル注入路58を通って基板5内に浸入したオイル34でオイル導入路24内および圧力導入路27内が満たされる(第4ステップS4)。
オイル34は、減圧用チャンバー内で減圧する以前に減圧用チャンバーの外あるいは減圧用チャンバー内で剣山部材52および板状部材51上に流し込むことができるし、減圧用チャンバー内で減圧が開始された後に剣山部材52および板状部材51上に流し込んだり、減圧終了後に減圧用チャンバー内で剣山部材52および板状部材51上に流し込むことができる。すなわち、減圧の以前または減圧中を含む第1圧力の環境下においてオイル注入路58に注入されたオイル34でオイル導入路24内および圧力導入路27内が満たされる。
(第5ステップの説明)
第1圧力に減圧されている状態が予め定めた時間が経過した後、減圧用チャンバー内を大気圧環境下に戻し、積層体71を減圧用チャンバーから取り出す。そして、締結具の締結状態を解除することなく板状部材51上や剣山部材52上に残存しているオイル34を除去する。
板状部材51上のオイル34を除去するためには、図11に示すように、剣山部材52の第2の貫通穴64および第3の貫通穴65や、窓部70にピペット72を挿入して吸い取って行うことができる。第2の貫通穴64は、ピペット72の挿入角度を変えて広い範囲からオイル34を吸い取ることができるように、穴形状が長円状となるように形成されている。
オイル34が除去された後、基板5のオイル導入路24、圧力導入路27および開口部31にオイル34が満たされた状態において、締結具を積層体71から取り外して剣山部材52による板状部材51と基板5との加圧保持を止め、図12に示すように剣山部材52を板状部材51から撤去するとともに板状部材51を基板5から引き離す(第5ステップS5)。このとき、板状部材51と基板5との加圧保持を止めると、Oリング59のばね力で板状部材51が基板5から上方に離れるようになる。
(第6ステップの説明)
その後、 基板5のセンサチップ領域A毎に形成されている開口部31に封止部材33を挿入し、封止部材33を加熱して溶かし、開口部31を封止する(第6ステップS6)。このように封止部材33によって開口部31を封止した後、基板5をセンサチップ領域A毎に分断し、更に、センサチップ領域A毎の基板5の両端部から第3および第4のシリコンウェハ43,44(第2基部4)を部分的に削除することによって、図1に示すような差圧センサチップ1が完成する。
(第1の実施の形態による効果の説明)
このように構成されたオイル封入方法においては、板状部材51は、剣山部材52の複数の加圧柱状部62によって押されることにより、その主面(下面54b)の全域が均等に基板5に押し付けられる。そして、基板5の主面5aが上に位置する姿勢でオイル34が剣山部材52の第1および第2の貫通穴63,64から板状部材51のオイル注入路58を通って基板5内に供給される。このため、基板5の主面5aへのオイル34の付着を最小限にとどめることができ、オイル34が主面5aとは反対側の面(第1基部2の主面2a)に回り込むようなこともない。
したがって、差圧センサチップの支持基板に接合される接合面がオイルで汚染されることがないオイル封入方法およびオイル封入用治具を提供することができる。
この実施の形態による剣山部材52の第2の表面61bの外縁部にはこの外縁部に沿って前記第2の表面61bと直交する筒状壁68(外縁壁)が形成されている。このため、オイル34を注入するときに筒状壁68が実質的に堰となるから、オイル34が漏洩して基板5に付着するようなことを確実に防ぐことができる。
この実施の形態によるオイル封入方法は、貫通穴の1つ(第1の貫通穴63)が第2の表面61bの中心部に形成されている剣山部材52を使用して実施される。このため、板状部材51上の中心部を含めて複数の位置にオイル34を注入することができ、オイル34が板状部材51上でむらなく濡れ拡がるようになる。この結果、全てのセンサチップ領域Aに均等にオイル34を導くことが可能になってオイル封入の信頼性が高くなる。
この実施の形態による剣山部材52の貫通穴は、板面部61の中央部に位置する第1の貫通穴63と、板面部61の中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴64とを含む。第2の表面61bには、第1の貫通穴63から第2の貫通穴64まで延伸する複数の連通溝67が形成されている。
このため、第1の貫通穴63に入りきらないオイル34を連通溝67によって第2の貫通穴64に導くことが出来、第2の表面61b上でオイルが不必要に拡がることがないから、オイルの消費量を最少とすることができる。
この実施の形態による連通溝67は、第1の貫通穴63から第2の貫通穴64に向かって連続的に深くなるように形成されている。
このため、オイル34が重力で第1の貫通穴63から第2の貫通穴64に向けて流れるから、オイル34を板状部材51上に速く供給することが可能になる。
この実施の形態によるオイル封入方法を実施するために用いる基板5は、第1ダイアフラム11および第2ダイアフラム12と、第1圧力導入孔6および第2圧力導入孔7と、第1ストッパ部21および第2ストッパ部22と、第1部屋25および第2部屋26と、第1部屋25と第2部屋26とを連通する連通路23と、主面5aに開口部31を有しかつ連通路23に連通したオイル導入路24とをセンサチップ領域A毎に有するものである。このため、ダイアフラム並列配置型の差圧発信器に用いる差圧センサチップ1にオイル34をチップ表面の汚染を防ぎながら封入することができる。
この実施の形態によるオイル封入方法を実施するために用いるオイル封入用治具53(剣山部材52)は、第1の表面61aと第2の表面61bを有する板面部61と、板面部61の第1の表面61aに突設された複数の加圧柱状部62と、第1の表面61aから第2の表面61bへ貫通する貫通穴(第1の貫通穴63および第2の貫通穴64)を備えている。貫通穴は、第2の表面61bの中央部に位置する第1の貫通穴63と、第2の表面61bの中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴64とによって構成されている。第2の表面61bには、第1の貫通穴63から第2の貫通穴64まで延伸する複数の連通溝67が形成されている。連通溝67は、第1の貫通穴63から第2の貫通穴64に向かって連続的に深くなるように形成されている。
この剣山部材52を使用することにより、板状部材51の略全域を均等に押圧して基板5に押し付けることができるから、オイル34の漏洩をより一層確実に防止することが可能になる。また、この剣山部材52を使用することにより、オイル34を板状部材51の中央部と、中央部から外側に離れた複数の位置とにそれぞれ供給することができ、板状部材51の広い範囲に略均等に供給することができる。このため、全てのセンサチップ領域Aに確実にオイル34を供給することができる。
この実施の形態によるオイル封入方法においては、板状部材51と基板5との間をOリング59でシールする構成を採っている。このため、オイル充填時に使用した板状部材51をオイル充填後にOリング59のばね力で基板5から容易に外すことができ、高価な製造装置を用いることなく簡易な治具でオイル34を封入できるようになる。
この実施の形態によるオイル封入方法は、オイル注入路58の内径をd1、オイル導入路24の開口部31の開口幅をd2、Oリング59の内径をd3としたとき、d1<d2<d3であるようにして実施される。このため、Oリング59がオイル導入路24の開口部31の外側に接触し、オイル34がオイル注入路58から開口部31の中に流下するようになるから、押圧時にはオイル34が基板5の主面5a側に漏洩することを確実に防ぐことができる。
(板状部材の変形例)
本発明のオイル封入方法は、図14に示すように形成された板状部材81を使用して実施することができる。図14において、図1~図4によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図14に示す板状部材81は、基板5の外径と同等の外径を有する円板部54と、円板部54に接着されたリング部55とを有している。円板部54は、図3に示した凹部57の代わりに凸部82を有している。凸部82は、基板5の主面5a側に突出し、基板5のセンサチップ領域A毎に設けられている。すなわち、凸部82は、板状部材51が基板5に対して上述した目標位置に位置付けられた状態で基板5のオイル導入路24の開口部31を取り囲むように形成されている。この凸部82の外周面にはOリング59が嵌め込まれている。Oリング59は、内周部が凸部82の外周壁に押圧保持されている。
この実施の形態においても、オイル注入路58の内径d1{図14(B)参照}は、オイル導入路24の開口部31の開口幅d2より小さい。また、オイル導入路24の開口部31の開口幅d2は、Oリング59の内径d3より小さい。すなわち、オイル注入路58の内径をd1とし、オイル導入路24の開口部31の開口幅をd2とし、Oリング59の内径をd3としたとき、d1<d2<d3である。
Oリング59は、第3ステップS3で板状部材51と基板5とが互いに密着するように加圧保持された状態で板状部材51の主面(下面54b)と基板5の主面5aとの間をシールする。
図14に示すように構成された板状部材81を使用する場合であっても、図1~図13によって示した実施の形態を採るときと同様に差圧センサチップ1の支持基板8に接合される接合面がオイル34で汚染されることを防ぐことができる。
1…差圧センサチップ、5…基板、5a,54b…主面、6…第1圧力導入孔、7…第2圧力導入孔、11…第1ダイアフラム、12…第2ダイアフラム、21…第1ストッパ部、22…第2ストッパ部、23…連通路、24…オイル導入路、25…第1部屋、26…第2部屋、31…開口部、33…封止部材、34…オイル、51,81…板状部材、52…剣山部材、53…オイル封入用治具、57…凹部、58…オイル注入路、59…Oリング、61…板面部、61a…第1の表面、61b…第2の表面、62…加圧柱状部、63…第1の貫通穴、64…第2の貫通穴、68…筒状壁(外縁壁)、A…センサチップ領域、S1…第1ステップ、S2…第2ステップ、S3…第3ステップ、S4…第4ステップ、S5…第5ステップ、S6…第6ステップ。

Claims (7)

  1. 複数のセンサチップ領域を有する基板に、ダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面に圧力を導入する圧力導入路と、前記基板の一方の主面に開口部を有し前記圧力導入路に連通したオイル導入路とを各前記センサチップ領域に夫々設けられるように形成する第1ステップと、
    平坦な主面を有し、前記オイル導入路の前記開口部の位置に対応してオイル注入路が形成された板状部材を前記基板の前記主面に載置し、前記センサチップ領域毎に形成された前記オイル導入路の前記開口部と前記板状部材の前記オイル注入路が連通するように前記板状部材の前記主面を前記基板に重ねる第2ステップと、
    前記板状部材が前記基板に重なる状態を維持したうえで、
    前記板状部材と対向しかつ平行である第1の表面とこの第1の表面と反対側の第2の表面を有する板面部と、
    前記板面部の前記第1の表面から前記板状部材に向かって延伸する複数の加圧柱状部と、
    前記板面部の前記第1の表面と前記第2の表面とに開口して前記板面部を貫通する複数の貫通穴と
    を備えた剣山部材を前記板状部材に重ね、
    前記剣山部材の複数の前記加圧柱状部を前記板状部材に設けられた前記オイル注入路を避けて前記板状部材に当接加圧させることで前記板状部材と前記基板とが互いに密着するようにこれら両者を加圧保持する第3ステップと、
    前記第3ステップの後に、前記基板の前記オイル導入路内および前記圧力導入路内を大気圧よりも低い第1圧力に減圧し、この減圧の以前または減圧中を含む前記第1圧力の環境下において、前記剣山部材の前記貫通穴を通して前記板状部材にオイルを供給し、更に、供給された前記オイルを前記板状部材の前記オイル注入路を介して前記基板の前記オイル導入路へ注入し、前記基板の前記オイル導入路内および前記圧力導入路内を前記オイルで満たす第4ステップと、
    前記第4ステップの後に、前記基板、前記板状部材および前記剣山部材を大気圧環境下に戻し、前記基板の前記オイル導入路および前記開口部に前記オイルが満たされた状態において、前記剣山部材による前記板状部材と前記基板との加圧保持を止め、前記剣山部材を撤去したうえで前記板状部材を前記基板から引き離す第5ステップと、
    前記第5ステップの後に、前記基板の前記センサチップ領域毎に形成されている前記開口部を封止する第6ステップと、を含む
    ことを特徴とするオイル封入方法。
  2. 請求項1に記載のオイル封入方法において、
    前記剣山部材の前記第2の表面の外縁部にはこの外縁部に沿って前記第2の表面と直交する外縁壁が形成されていることを特徴とするオイル封入方法。
  3. 請求項1または2に記載のオイル封入方法において、
    前記剣山部材の前記貫通穴の1つが前記第2の表面の中心部に形成されている
    ことを特徴とするオイル封入方法。
  4. 請求項3に記載のオイル封入方法において、
    前記剣山部材の前記貫通穴は、
    前記板面部の中央部に位置する第1の貫通穴と、
    前記板面部の前記中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴とを含み、
    前記第2の表面には、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴まで延伸する複数の連通溝が形成されている
    ことを特徴とするオイル封入方法。
  5. 請求項4に記載のオイル封入方法において、
    前記連通溝は、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴に向かって連続的に深くなるように形成されていることを特徴とするオイル封入方法。
  6. 請求項1~請求項5の何れか一項に記載のオイル封入方法において、
    前記基板は、
    前記ダイアフラムとしての第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、
    前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、
    前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、
    前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、
    前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、
    前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第1部屋と、
    前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第2部屋と、
    前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する連通路と、
    前記基板の前記主面に前記開口部を有し、前記連通路に連通した前記オイル導入路と、を前記センサチップ領域毎に有する
    ことを特徴とするオイル封入方法。
  7. 請求項1~請求項6の何れか一項に記載のオイル封入方法を実施するために前記剣山部材として用いるオイル封入用治具であって、
    第1の表面とこの第1の表面と反対側の第2の表面を有する板面部と、
    前記板面部の前記第1の表面に突設された複数の加圧柱状部と、
    前記板面部の第1の表面から第2の表面へ貫通する複数の貫通穴と、
    を備え、
    前記貫通穴は、
    前記第2の表面の中央部に位置する第1の貫通穴と、
    前記第2の表面の前記中央部から外側に離れて位置する複数の第2の貫通穴とによって構成され、
    前記第2の表面には、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴まで延伸する複数の連通溝が形成され、
    前記連通溝は、前記第1の貫通穴から前記第2の貫通穴に向かって連続的に深くなるように形成されていることを特徴とするオイル封入用治具。
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