JP2018159597A - オイル封入方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】圧力発信器をより低コストに作製する。【解決手段】本発明に係るオイル封入方法は、基板280に、ダイアフラム23_1,23_2と、圧力導入路28_1,28_2と、開口部260を有し圧力導入路に連通したオイル導入路26とを各センサチップ領域300に夫々形成するステップS01〜S07と、大気圧よりも低い第1圧力環境下において平坦な主面50aを有する板状部材50を基板の主面280aに載置し、各開口部260を板状部材の主面によって夫々覆うステップS11と、板状部材が載置された基板を第1圧力環境よりも圧力の大きい第2圧力環境下に配置するステップS12と、板状部材が載置された基板をオイル27に浸すステップS13と、少なくとも基板の各開口部をオイルに浸した状態において板状部材を各開口部から引き離すステップS14と、基板の各開口部を封止するステップS15とを含むことを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、圧力発信器を構成する圧力センサチップに圧力伝達物質としてのオイルを封入するオイル封入方法であって、例えば、2以上の流体圧力の差を測定する差圧発信器を構成する差圧センサチップへのオイル封入方法に関する。
従来から、各種プロセス系において流体圧力を計測する機器として圧力発信器(圧力伝送器)がある。圧力発信器としては、2以上の流体圧力の差を計測する差圧発信器(差圧伝送器)が知られている。
例えば、特許文献1に開示されているように、ピエゾ抵抗素子が形成された半導体膜から成る一つのダイアフラムの一方の面と他方の面に夫々連通する圧力導入孔(部屋)を設けた構造の差圧センサチップを用いた差圧発信器が従来から知られている。
また、特許文献2,3に開示されているように、半導体チップ内に、ピエゾ抵抗素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの圧力導入孔(部屋)を連通路によって互いに空間的に連結した構造のダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを用いた差圧発信器が知られている。
何れの差圧センサにおいても、計測対象の流体からの圧力をダイアフラムに効率よく伝達するために、圧力伝達物質としてオイル(例えばシリコーンオイル)が、差圧センサチップ内の圧力導入孔(部屋)に封入されている。
この差圧センサチップへのオイルの封入方法としては、例えば特許文献4に開示されているように、差圧センサチップ毎に、金属部品であるオイル充填用パイプを差圧センサチップに接着し、そのオイル充填用パイプを通して各差圧センサチップ内にオイルを封入する方法が従来から知られている。
この差圧センサチップへのオイルの封入方法としては、例えば特許文献4に開示されているように、差圧センサチップ毎に、金属部品であるオイル充填用パイプを差圧センサチップに接着し、そのオイル充填用パイプを通して各差圧センサチップ内にオイルを封入する方法が従来から知られている。
上述した差圧センサチップのうち、ダイアフラム並列配置型の差圧センサチップは、一枚のダイアフラムを介して2つの圧力導入孔(部屋)を対面配置させた差圧センサチップに比べて、差圧センサチップの製造プロセスを簡素化することが可能になるため、差圧発信器の製造コストの削減が可能となる。
しかしながら、ダイアフラム並列配置型の差圧センサチップは、一枚のダイアフラムを介して2つの圧力導入孔を対面配置させた差圧センサチップに比べて、オイルを導入すべき箇所が多いため、差圧センサチップの製造後のパッケージ工程が複雑になる。例えば、特許文献3に開示されたオイル封入方法のように、半導体ウエハから切り出した差圧センサチップ毎にオイル充填用パイプを接着してオイルを封入する場合、オイル封入工程が煩雑になる。
また、オイル充填用パイプを用いる場合、オイル充填用パイプがウエハプロセスやパッケージング工程等において物理的な障害となるため、差圧発信器の製造工程に制約が生じる。例えば、ウエハから個々のセンサチップを切り出し、接合工程やワイヤボンディング工程等を行った後で、オイル充填用パイプを各センサチップに接着し、オイルの封入する、というように製造工程の順序が制約される。その結果、差圧発信器の製造コストを削減する上で不利となる。
このように、ダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを用いる場合、差圧センサチップ単体の製造プロセスが簡素化されたとしても、差圧発信器全体としての製造コストが増加するおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、圧力発信器をより低コストに製造することにある。
本発明に係るオイル封入方法は、複数のセンサチップ領域(300)を有する基板(280)に、ダイアフラム(23_1,23_2)と、ダイアフラムの一方の面に圧力を導入する圧力導入路(28_1,28_2)と、基板の一方の主面(280a)に開口部(260)を有し圧力導入路に連通したオイル導入路(26)とを各センサチップ領域に夫々形成する第1ステップ(S01〜S07)と、大気圧よりも低い第1圧力環境下において、平坦な主面(50a)を有する板状部材(50)を基板の主面に載置し、各センサチップ領域に形成されたオイル導入路の開口部を板状部材の主面によって夫々覆う第2ステップ(S11)と、板状部材が載置された基板を第1圧力環境よりも圧力の大きい第2圧力環境下に配置する第3ステップ(S12)と、第3ステップの後に、板状部材が載置された基板をオイル(27)に浸す第4ステップ(S13)と、第4ステップの後に、少なくとも基板の各開口部をオイルに浸した状態において、板状部材を各開口部から引き離す第5ステップ(S14)と、第5ステップの後に、基板の各開口部を封止する第6ステップ(S15)とを含むことを特徴とする。
上記オイル封入方法において、板状部材は、その主面のセンサチップ領域毎に対応した複数の領域(500)に夫々形成された複数の凸部(501)を有し、第2ステップは、基板の各開口部を、対応する凸部によって夫々覆うステップを含んでもよい。
上記オイル封入方法において、基板の各開口部の開口幅をd1、板状部材の各凸部の幅をd2としたとき、1<d2/d1<1.5であってもよい。
上記オイル封入方法において、基板および板状部材は、シリコンから構成されていてもよい。
上記オイル封入方法において、基板は、ダイアフラムとしての第1ダイアフラム(23_1)および第2ダイアフラム(23_2)と、第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔(21_1)と、第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔(21_2)と、第1ダイアフラムを挟んで第1圧力導入孔に対面配置され、第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部(24_1)と、第2ダイアフラムを挟んで第2圧力導入孔に対面配置され、第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部(24_2)と、第1ダイアフラムと第1ストッパ部との間に形成された、圧力導入路としての第1部屋(28_1)と、第2ダイアフラムと第2ストッパ部との間に形成された圧力導入路としての第2部屋(28_1)と、第1部屋と第2部屋とを連通する連通路(25)と、基板の主面に開口部(260)を有し、連通路に連結したオイル導入路(26)とをセンサチップ領域(300)毎に有していてもよい。
本発明によれば、圧力発信器をより低コストに製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態≫
図1は、本発明の一実施の形態に係るオイル封入方法を適用して作製される差圧センサチップの構成を示す図である。同図には、差圧センサチップの断面形状が模式的に示されている。
図1は、本発明の一実施の形態に係るオイル封入方法を適用して作製される差圧センサチップの構成を示す図である。同図には、差圧センサチップの断面形状が模式的に示されている。
図1に示される差圧センサチップ2は、計測対象の流体の圧力差を検出するセンサチップである。具体的に、差圧センサチップ2は、感圧素子としてのひずみゲージが形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に連結した構造を有するダイアフラム並列配置型のセンサチップである。
以下、差圧センサチップ2の構成について詳細に説明する。
以下、差圧センサチップ2の構成について詳細に説明する。
(1)差圧センサチップ2の構成
図1に示されるように、差圧センサチップ2は、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムとして機能する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。
図1に示されるように、差圧センサチップ2は、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムとして機能する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。
第1基部20は、例えばシリコンから構成されている。第1基部20には、計測対象の流体の第1の圧力を導入するための圧力導入孔21_1、および計測対象の流体の第2の圧力を導入するための圧力導入孔21_2が形成されている。
圧力導入孔21_1,21_2は、第1基部20の主面20aとその反対側の主面20bとを貫通する貫通孔である。圧力導入孔21_1と圧力導入孔21_2とは、第1基部20の主面20a,20bにおいて、平面方向に離間して形成されている。
半導体膜23は、第1基部20の主面20b上に、少なくとも圧力導入孔21_1,21_2を覆って形成されている。半導体膜23は、例えばシリコン(Si)から構成されている。
半導体膜23のうち、圧力導入孔21_1および圧力導入孔21_2を覆う領域は、夫々ダイアフラムとして機能する。以下、半導体膜23の圧力導入孔21_1を覆う領域をダイアフラム23_1と称し、半導体膜23の圧力導入孔21_2を覆う領域をダイアフラム23_2と称する。
半導体膜23は、圧力導入孔21_1,21_2側から計測対象の流体に基づく圧力を受ける受圧面と、受圧面の反対側の面とを有している。上記受圧面の反対側の面側の半導体膜23内には、ダイアフラム23_1,23_2に加わった圧力を検出するための複数のひずみゲージ230_1,230_2が形成されている。
ひずみゲージ230_1,230_2は、例えば、ひずみゲージを構成するピエゾ抵抗素子である。複数のピエゾ抵抗素子は、ブリッジ回路を構成している。上記ブリッジ回路は、一定の電流が流れている状態においてダイアフラム23_1,23_2に応力が発生したとき、その応力による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力する差圧検出部として機能する。
上記ブリッジ回路における各ノードは、半導体膜23の受圧面の反対側の面に形成された図示されていない配線パターンを介して、同じく受圧面の反対側の面に形成された複数の電極パッド29に夫々接続されている。電極パッド29は、例えば、図示されていない中継基板上に形成された電極パッドとボンディングワイヤによって接続され、図示されていない信号処理回路等の外部回路に接続される。これにより、差圧センサチップ2によって検出された圧力差に応じた電気信号が外部回路に出力される。
第2基部22は、例えばシリコンから構成されている。第2基部22は、半導体膜23を介して第1基部20上に固定されている。具体的には、第2基部22の主面22aが、半導体膜23の第1基部20と接合されていない面に接合されている。
第2基部22には、ストッパ部24_1,24_2と、連通路25と、オイル導入路26とが形成されている。
ストッパ部24_1,24_2は、第1基部20の圧力導入孔21_1,21_2からダイアフラム23_1,23_2に圧力が加わってダイアフラム23_1,23_2が撓んだ場合に、ダイアフラム23_1,23_2がストッパ部24_1,24_2に着床することにより、ダイアフラム23_1,23_2の一方向への変形を制限する機能部である。これにより、ダイアフラム23_1,23_2に過大圧が加わることによるダイアフラム23_1,23_2の破壊を防止することが可能となる。
具体的に、ストッパ部24_1,24_2は、第2基部22の半導体膜23と接合する主面22aに、その主面22aと垂直な方向(Z方向)に形成された凹部(窪み)である。ストッパ部24_1は、ダイアフラム23_1を挟んで圧力導入孔21_1と対面配置され、ストッパ部24_2は、ダイアフラム23_2を挟んで圧力導入孔21_2と対面配置されている。ストッパ部24_1,24_2を構成する凹部は、ダイアフラム23_1,23_2の変位に沿った曲面(例えば、非球面)を有している。
ストッパ部24_1,24_2とダイアフラム23_1,23_2との間には、空間が夫々形成されている。以下、ストッパ部24_1とダイアフラム23_1との間に形成される空間を部屋28_1と称し、ストッパ部24_2とダイアフラム23_2との間に形成される空間を部屋28_2と称する。
部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25によって連通している。換言すれば、部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25を通して空間的に連結されている。
連通路25は、第2基部22の主面22aに、ストッパ部24_1とストッパ部24_2との間に形成された溝と、その溝を覆う半導体膜23の一方の主面とによって構成されている。連通路25の断面は、例えば矩形状である。
連通路25は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、ダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための圧力連通路として機能する。以下、連通路25を「圧力連通路25」とも称する。
第2基部22における主面22aの反対側の主面22bには、圧力連通路25と連通するオイル導入路26が形成されている。オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに一つの開口部を有するとともに圧力連通路25に連結している。具体的には、オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに形成された開口部としての凹部260と、凹部260と圧力連通路25との間を連通する連通路261とから構成されている。
凹部260は、主面22bに形成された穴である。連通路261は、その一端が凹部260の底面に連結され、その他端が圧力連通路25の上面(圧力連通路25の+Z方向の壁面)に連結されている。凹部260および連通路261は、主面22bに垂直な方向(Z方向)から見て、例えば略円形に形成されている。
オイル導入路26、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2は、圧力伝達物質27によって満たされている。圧力伝達物質27は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、連通路25を介してダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための物質である。同様に、圧力導入孔21_1,21_2は、計測対象の流体の圧力をダイアフラム23_1,23_2に伝達するための圧力伝達物質30によって満たされている。圧力伝達物質27,30としては、シリコーンオイルやフッ素オイル等を例示することができる。
本実施の形態では、一例として、圧力伝達物質27,30が液体(例えばシリコーンオイル)であるとし、圧力伝達物質27,30を「オイル27,30」と夫々称する。
封止部材7は、オイル導入路26から部屋28_1,28_2および圧力連通路25に導入されたオイル27を第2基部22内に封止する部品である。例えば、封止部材7は、オイル導入路26の凹部260に嵌め込んだ球体状の金属部材(例えば、金錫(AuSn)を主成分とする合金から成る金属ボール)を溶解させて形成されている。
上記構造を有する差圧センサチップ2は、例えば、ガラス基板等の絶縁材料から成る支持基板を介して、金属から成るダイアフラムベース(メータボディ)に搭載されることにより、差圧発信器を構成する。
(2)差圧センサチップ2の製造方法
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
図2A〜2Hは、差圧センサチップの製造工程を示す図である。
先ず、図2Aに示すように、公知の半導体製造技術および基板接合技術によって、第1基部20と第2基部22とを半導体膜23を介して接合した接合ウエハ280を作製する(ステップS1)。ここで、接合ウエハ280は、シリコンウエハである。
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
図2A〜2Hは、差圧センサチップの製造工程を示す図である。
先ず、図2Aに示すように、公知の半導体製造技術および基板接合技術によって、第1基部20と第2基部22とを半導体膜23を介して接合した接合ウエハ280を作製する(ステップS1)。ここで、接合ウエハ280は、シリコンウエハである。
図2Aに示されるように、接合ウエハ280は、複数のセンサチップ領域300に分けられている。各センサチップ領域300には、オイル導入路26、圧力連通路25、ストッパ部24_1,24_2が夫々形成されている。
次に、図2Bに示すように、大気圧よりも低い第1圧力環境下において、板状部材50を接合ウエハ280の主面280aに載置する(ステップS11)。ここで、第1圧力環境とは、真空であり、例えば、高真空である。
ここで、板状部材50について詳細に説明する。
板状部材50は、オイル27に対して耐食性を有する材料から構成され、平坦な主面を備えている。板状部材50としては、シリコンウエハや、少なくとも一つの主面に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化加工が施されたガラスウエハ等を例示することができる。本実施の形態では、板状部材50がシリコンウエハであるとして説明する。
板状部材50は、主面50Aに形成された複数の凸部501を有している。凸部501は、接合ウエハ280に形成された凹部260に夫々対応して形成されている。具体的には、凸部501は、板状部材50の主面50aにおける、接合ウエハ280の各センサチップ領域300に夫々対応する複数の領域500内に、一つずつ形成されている。
板状部材50は、オイル27に対して耐食性を有する材料から構成され、平坦な主面を備えている。板状部材50としては、シリコンウエハや、少なくとも一つの主面に対してCMP(Chemical Mechanical Polishing)等の平坦化加工が施されたガラスウエハ等を例示することができる。本実施の形態では、板状部材50がシリコンウエハであるとして説明する。
板状部材50は、主面50Aに形成された複数の凸部501を有している。凸部501は、接合ウエハ280に形成された凹部260に夫々対応して形成されている。具体的には、凸部501は、板状部材50の主面50aにおける、接合ウエハ280の各センサチップ領域300に夫々対応する複数の領域500内に、一つずつ形成されている。
凸部501は、例えば、主面50a上に立設した円柱状の凸部であって、主面50aに垂直な方向から見て円形状に形成されている。各凸部501の上面501aは、例えばCMP等によって平坦化されている。
凸部501の上面501aは、接合ウエハ280に形成された凹部260よりも大きく形成されている。例えば、図3A,3Bに示されるように、接合ウエハ280のオイル導入路26の凹部260の開口幅(径)をd1、凸部501の上面501aの幅(径)をd2としたとき、1<d2/d1<1.5とすることが好ましい。
ステップS11では、具体的に、第1圧力環境下において、板状部材50の主面50aと接合ウエハ280の主面280aとを対面配置した状態で、板状部材50と接合ウエハ280とを接触させ、接合ウエハ280の全ての凹部260を対応する凸部501によって夫々塞ぐ。
次に、ステップS11において板状部材50が載置された接合基板280を第1圧力環境よりも圧力の大きい第2圧力環境下に配置する(ステップS12)。例えば、板状部材50が載置された接合基板280を配置されている真空チャンバー内を真空から大気圧環境にする。このとき、接合ウエハ280の凹部260を含むオイル導入路26、圧力連通路25、部屋28_1,28_2は第2圧力環境(大気圧)よりも圧力の低い第1圧力環境(真空)となっているので、板状部材50は、接合ウエハ280に密接している。
ステップS12の後、板状部材50が載置された接合基板280をオイル27に浸す(ステップS13)。例えば、板状部材50が載置された接合基板280を真空チャンバーから出し、オイル27で満たされた容器60内に投入する。具体的には、図2Cに示されるように、少なくとも接合ウエハ280の各凹部260がオイル27に浸るまで、接合ウエハ280および板状部材50をオイル27内に入れる。
次に、少なくとも接合ウエハ280の各凹部260をオイル27に浸した状態において、板状部材50を各凹部260から引き離す(ステップS14)。例えば、図2Dに示すように、接合基板280および板状部材50の一方または双方を、接合基板280の主面280aに垂直な方向(Z方向)において、互いに離れるように移動させる。あるいは、凹部260と対応する凸部501とが接合基板280の主面280aに垂直な方向(Z方向)から見て重なりを有しない状態になるように、接合基板280または板状部材50を、接合基板280の主面280aに平行な方向(X方向またはY方向)に移動させる。
これにより、図2Dに示されるように、接合基板280の各凹部260からオイル27が流れ込み、接合各センサチップ領域300のオイル導入路26、連通路25、および部屋28_1,28_2がオイル27で満たされる。
その後、図2Eに示されるように、接合基板280の各凹部260を封止する(S15)。凹部260の封止方法は、特に限定されないが、例えば、上述したように、球体状の金属部材(例えば、金錫(AuSn)を主成分とする合金から成る金属ボール)7を凹部260に夫々嵌め込み、その金属部材に熱を加えて溶解させることにより、各凹部260を封止する。
以上により、各センサチップ領域300のオイル導入路26、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2内にオイル27が封止された接合ウエハ280が作製される。
その後、図2Fに示されるように、接合ウエハ280をセンサチップ領域300毎にダイシングして複数のチップに切り出した上で、それらのチップの不要な領域281を夫々除去することにより、複数の差圧センサチップ2を作製することができる。
以上、本発明に係る、圧力センサチップのオイル封入方法によれば、従来のオイル封入方法のように圧力センサチップ単位でオイルを封入するのではなく、ウエハ単位でオイルを封入することができるので、従来に比べて圧力センサチップへのオイル封入が容易となり、圧力センサチップのパッケージ工程を簡素化することが可能となる。これにより、圧力発信器をより低コストに製造することが可能となる。
特に、ダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを作製する場合、上述したように、従来の1つのダイアフラムを介して2つの圧力導入孔(部屋)を対面配置させた差圧センサチップに比べて差圧センサチップ単体の製造プロセスも簡素化されるので、本発明に係るオイル封入方法を採用することにより、差圧発信器全体としての製造コストを更に低減することが可能となる。
また、本発明に係るオイル封入方法では、ステップS11において、板状部材50の主面50aに形成された凸部501によって接合ウエハ280の凹部260を塞いでいるので、次のステップS13において、オイル27中で接合ウエハ280と板状部材50とを引き離すときに接合ウエハ280に加わる力によって接合ウエハ280が破壊されることを防止することが可能となる。
特に、接合ウエハ280の凹部260の開口幅d1と、凸部501の上面501aの幅d2とを“1<d2/d1<1.5”の条件を満たす値に夫々設計することにより、オイル27中で接合ウエハ280と板状部材50とを引き離す際に接合ウエハ280が破壊される確率を更に下げることが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態に係るオイル封入方法では、複数の凸部を有する板状部材を用いる場合を例示したが、接合ウエハ280と板状部材とを引き離す際に接合ウエハ280が破壊されるおそれがない場合には、凸部501を有していない板状部材を用いることも可能である。例えば、図4に示す平坦な主面52aを有する板状部材52を用いてもよい。板状部材52としては、上述の板状部材50と同様に、シリコンウエハやガラスウエハを例示することができる。
板状部材52を用いる場合には、上述のステップS11において、図5に示すように、板状部材52を接合基板280上に載置することにより、板状部材52の主面52aと接合基板280の主面280aとを接触させる。そして、次のステップS13において、例えば2〜30Nの範囲の力によって板状部材52と接合基板280とを引き離す。これにより、凸部501を有する板状部材50を用いる場合と同様に、ウエハ単位でのオイル封入が可能となる。
また、上記実施の形態では、接合ウエハ280が複数のシリコンウエハとSOIウエハとから構成される場合を例示したが、これに限られず、接合ウエハ280を構成するウエハの一部または全部がガラスウエハであってもよい。
また、上記実施の形態では、オイル導入路26の凹部260が、接合基板280の主面280aに垂直な方向(Z方向)から見て円形状に形成される場合を例示したが、これに限られない。例えば、オイル導入路26の凹部260はZ方向から見て多角形状(例えば正方形状)に形成されていてもよい。同様に、各凹部260に対応する夫々の凸部501も、Z方向から見て多角形状に形成されていてもよい。
また、上記実施の形態では、オイル導入路26において、凹部260の開口部の径と連通路261の径が互いに相違する場合を例示したが、これに限られず、凹部260の開口部の径と連通路261の径が互いに等しくてもよい。すなわち、凹部260と連通路261とを区別することなく、オイル導入路26を一つの孔によって構成してもよい。
また、上記実施の形態では、差圧発信器を構成する差圧センサチップの製造工程に、本発明に係るオイル封入方法を適用する場合を例示したが、これに限られず、ダイアフラムと、ダイアフラムに圧力を導入する圧力導入路と、当該圧力導入路に連通するオイル導入路とを有するセンサチップの製造工程であれば、同様に適用することができる。例えば、静圧を検出するセンサチップや、差圧と静圧の両方を検出可能なセンサチップ等の各種センサチップの製造工程に本発明に係るオイル封入方法を適用することにより、センサチップのパッケージ工程を簡素化することが可能となる。
2…差圧センサチップ、7…封止部材、20…第1基部、20a,20b…第1基部20の主面、21_1,21_2…圧力導入孔、22…第2基部、22a,22b…第2基部22の主面、23…半導体膜、23_1,23_2…ダイアフラム、24_1,24_2…ストッパ部、25,25A…圧力連通路、26…オイル導入路、27,30…オイル、28_1,28_2…部屋、29…電極パッド、50,52…板状部材、50a,52a…板状部材の主面、200,220,221…シリコンウエハ、230_1,230_2…ひずみゲージ、260…凹部、261…連通路、222,280…接合ウエハ、280a…接合ウエハの主面、300…センサチップ領域、500…センサチップ領域に対応する領域、501…凸部、501a…凸部501の上面。
Claims (5)
- 複数のセンサチップ領域を有する基板に、ダイアフラムと、前記ダイアフラムの一方の面に圧力を導入する圧力導入路と、前記基板の一方の主面に開口部を有し前記圧力導入路に連通したオイル導入路とを各前記センサチップ領域に夫々形成する第1ステップと、
大気圧よりも低い第1圧力環境下において、平坦な主面を有する板状部材を前記基板の前記主面に載置し、各前記センサチップ領域に形成された前記オイル導入路の前記開口部を前記板状部材の前記主面によって夫々覆う第2ステップと、
前記板状部材が載置された前記基板を前記第1圧力環境よりも圧力の大きい第2圧力環境下に配置する第3ステップと、
前記第3ステップの後に、前記板状部材が載置された前記基板をオイルに浸す第4ステップと、
前記第4ステップの後に、少なくとも前記基板の各前記開口部を前記オイルに浸した状態において、前記板状部材を各前記開口部から引き離す第5ステップと、
前記第5ステップの後に、前記基板の各前記開口部を封止する第6ステップと、を含む
ことを特徴とするオイル封入方法。 - 請求項1に記載のオイル封入方法において、
前記板状部材は、その前記主面の前記センサチップ領域毎に対応した複数の領域に夫々形成された複数の凸部を有し、
前記第2ステップは、前記基板の各前記開口部を、対応する前記凸部によって夫々覆うステップを含む
ことを特徴とするオイル封入方法。 - 請求項2に記載のオイル封入方法において、
前記基板の各前記開口部の開口幅をd1、前記板状部材の各前記凸部の幅をd2としたとき、1<d2/d1<1.5である
ことを特徴とするオイル封入方法。 - 請求項1乃至3の何れか一項に記載のオイル封入方法において、
前記基板および前記板状部材は、シリコンから構成されている
ことを特徴とするオイル封入方法。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載のオイル封入方法において、
前記基板は、
前記ダイアフラムとしての第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、
前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、
前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、
前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、
前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、
前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第1部屋と、
前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間に形成された、前記圧力導入路としての第2部屋と、
前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する連通路と、
前記基板の前記主面に前記開口部を有し、前記連通路に連結した前記オイル導入路と、を前記センサチップ領域毎に有する
ことを特徴とするオイル封入方法。
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---|---|---|---|
JP2017056204A JP2018159597A (ja) | 2017-03-22 | 2017-03-22 | オイル封入方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021089233A (ja) * | 2019-12-05 | 2021-06-10 | アズビル株式会社 | 封止構造およびその製造方法 |
-
2017
- 2017-03-22 JP JP2017056204A patent/JP2018159597A/ja active Pending
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JP2021089233A (ja) * | 2019-12-05 | 2021-06-10 | アズビル株式会社 | 封止構造およびその製造方法 |
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