JP6721529B2 - 差圧センサチップ、差圧発信器、および差圧センサチップの製造方法 - Google Patents

差圧センサチップ、差圧発信器、および差圧センサチップの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、2以上の流体圧力の差を検出する差圧センサチップ、上記差圧センサチップを用いた差圧発信器、および上記差圧センサチップの製造方法に関する。
従来から、各種プロセス系において2以上の流体圧力の差を計測する機器として、差圧発信器(差圧伝送器)が知られている。
差圧発信器の一形態として、半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとを有し、夫々のダイアフラムに加えられた圧力差をピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に変換し、その抵抗値の変化に基づく電気信号を圧力の計測結果として出力するものがある。
差圧発信器としては、例えば、半導体チップ内に、ピエゾ抵抗素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のセンサチップを用いたダイアフラム並列配置型の差圧発信器が知られている(例えば、特許文献1,2を参照)。
ダイアフラム並列配置型の差圧発信器では、一般に、一方のダイアフラムに加えられた圧力を他方のダイアフラムに伝達させるために、2つの部屋および連通路を、圧力伝達物質(オイル)で満たしている。
このオイルの封入方法としては、真空ポンプを用いて、オイルを封入すべき空間内のガスを排出して真空状態にした後で、上記空間内にオイルを導入する手法が従来から知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
特開昭53−20956号公報 特開平5−22949号公報 特開平10−300611号公報
ところで、差圧発信器のセンサチップに封入されたオイルは、センサチップの周囲環境の変化によって膨張または収縮する。例えば、温度が‐40℃〜110℃の範囲で変化したとき、センサチップ内のダイアフラムは、検出対象の流体から圧力が加わっていない場合であっても、オイルの膨張または収縮によって変形する。このようにオイルの膨張または収縮が原因でダイアフラムが変形した状態において、ダイアフラムに検出対象の流体から圧力が加わった場合、差圧発信器としての圧力の検出感度の低下のおそれや、ダイアフラムに過大な応力が発生することによるダイアフラムの破壊のおそれがある。
したがって、センサチップ内に導入されたオイルの熱による膨張または収縮の影響を受け難くするためには、センサチップに封入するオイルの量を可能な限り少なくすることが望ましい。
そこで、本願発明者らは、半導体チップ内部に導入するオイル量をできるだけ少なくするとともにオイルの注入を容易にするために、新たな構造を有するダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを作製することを検討した。具体的には、図8Aに示すように、2つのダイアフラムに夫々対応する2つの部屋を連通させる連通路の径を可能な限り小さくするとともに、上記2つの部屋および連通路に接続したオイル導入路の開口を広く形成した構造を有する差圧センサチップ2Xを作製することを検討した。
しかしながら、この差圧センサチップでは、以下に示す課題があることが、本願発明者らの検討により明らかとなった。
具体的には、図8Aに示す差圧センサチップ2Xのように、オイルが流れる流路内に、流路の断面積が急激に小さくなる箇所が存在する場合、その箇所では、オイルの表面張力が流路の濡れ性よりも大きくなるため、断面積の大きい方の流路から断面積の小さい方の流路にオイルが十分に流れ込まないという問題があることが明らかとなった。
例えば、図8Aに示すように、差圧センサチップ2Xの上部に形成した1つのオイル導入孔56の径が連通路55の径に比べて十分に大きい場合、オイル導入路26と連通路55との接続部分において、オイルの表面張力が流路の濡れ性よりも大きくなる。その結果、図8Bに示すように、オイル導入孔56の開口部から導入されたオイルが連通路55に入り込まないという現象が起きる。
仮に、何等かの手法によって差圧センサチップ2Xの2つの部屋および連通路にオイルを流し込んだとしても、差圧センサチップ2Xの構造では、上記2つの部屋および連通路内に残存ガスや真空溜まりが発生する可能性が高い。差圧センサチップ内の各部屋および連通路に残存ガスや真空溜まりが存在すると、その差圧センサチップ内が完全にオイルで満たされない。その結果、その差圧センサチップを用いた最終製品としての差圧発信器は、圧力損失が大きくなるおそれがある。
また、特許文献2の開示された差圧センサチップの製造方法(特許文献2の図1の(b)を参照)のように、1つのオイル導入孔から、一方のダイアフラム側の部屋にオイルを導入した後で、連通孔を通して他方のダイアフラム側の部屋にオイルを導入する方法でも、同様の現象が起こり得る。すなわち、他方のダイアフラム側の部屋に比べて連通孔の径が十分に小さい場合には、一方のダイアフラム側の部屋までオイルを導入することができたとしても、オイルの表面張力が連通路の濡れ性よりも大きくなり、オイルが連通孔より先に流れ込まない。あるいは、何らかの方法でオイルを流し込んだとしても、各部屋および連通路を完全にオイルで満たすことができず、残存ガスや真空溜まりが発生するおそれがある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、必要十分な量の圧力伝達物質が封入されたダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを備えた差圧発信器を実現することにある。
本発明に係る、計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップは、第1主面(20a)、および第1主面と反対側の第2主面(20b)と、夫々第1主面と第2主面とに開口する第1圧力導入孔(21_1)および第2圧力導入孔(21_2)とを有する第1基部(20)と、第1基部の第2主面上に設けられた半導体膜(23)と、第3主面、および第3主面(22a)と反対側の第4主面(22b)とを有し、第3主面が半導体膜上に接合された第2基部(22)とを有し、半導体膜は、第1圧力導入孔の一端を覆うように構成された第1ダイアフラム(23_1)と、第2圧力導入孔を覆うように構成された第2ダイアフラム(23_2)と、第1ダイアフラムに設けられ計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージ(230_1)と、第2ダイアフラムに設けられ、計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージ(230_2)とを含み、第2基部は、第3主面の第1ダイアフラムを挟んで第1圧力導入孔と対面する位置に形成され第1ダイアフラムとともに第1部屋(28_1)を形成する第1凹部(24_1)と、第3主面の第2ダイアフラムを挟んで第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、第2ダイアフラムとともに第2部屋(28_1)を形成する第2凹部(24_2)と、第1部屋と第2部屋とを連通する第1連通路(25)と、一端が第4主面に開口するとともに、他端が第1連通路に接続され、一端から他端に向かって断面積が小さくなる第2連通路とを含むことを特徴とする。
上記差圧センサチップにおいて、第1連通路と第2連通路との接続部分における、第1連通路の断面積(S25)に対する第2連通路の断面積(S26)の比率は、1以上100以下であってもよい。
上記差圧センサチップにおいて、第2連通路(26)は、第4主面に形成された第3凹部(260)と、第3凹部の底面と第1連通路とを連通し、第3凹部よりも断面積の小さい第3連通路(261)とを含んでもよい。
上記差圧センサチップにおいて、第3連通路(261A)は、第3凹部の底面から第1連通路に向かって連続的に断面積が小さくなるように形成されていてもよい。
上記差圧センサチップにおいて、第3連通路(261B)の軸線は、第4主面(22b)と垂直な方向に対して傾きを有していてもよい。
上記差圧センサチップにおいて、第2連通路は、断面積が軸線方向に沿って段階的に小さくなる複数の孔から構成されていてもよい。
上記差圧センサチップにおいて、第1部屋、第2部屋、第1連通路、および第2連通路に充填された圧力伝達物質(27)と、第2連通路の一端を封止する封止部材(7)とを含んでもよい。
上記差圧センサチップにおいて、封止部材(7)は、一端が開口し、他端が有底の金属部材であり、金属部材は、その金属部材の前記一端が第2連通路の開口部(26a)に挿入されて固定されていてもよい。
本発明に係る差圧発信器(100)は、本発明に係る差圧センサチップ(2)と、第5主面と、第5主面(1a)と反対側の第6主面(1d)と、夫々第5主面と第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔(11_1)および第2流体圧力導入孔(11_2)とを有する基台(1)と、基台の第5主面上に設けられ、第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラム(10_1)と、基台の第5主面上に設けられ、第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラム(10_2)と、第7主面(3a)と、第7主面と反対側の第8主面(3b)と、夫々第7主面および第8主面に開口する第1貫通孔(30_1)および第2貫通孔(30_2)とを有し、第7主面が基台上に固定され、第8主面が第1基部の第1主面に接合されて差圧センサチップを支持する支持基板(3)とを備え、第1流体圧力導入孔と第1貫通孔とが連通し、第2流体圧力導入孔と第2貫通孔とが連通していることを特徴とする。
本発明によれば、必要十分な量の圧力伝達物質が封入されたダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを備えた差圧発信器を実現することが可能となる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。 図2Aは、差圧センサチップのオイル導入路周辺の模式的な構造を示す断面図である。 図2Bは、差圧センサチップのオイル導入路周辺の模式的な構造を示す上面図である。 図2Cは、差圧センサチップのオイル導入路周辺の模式的な構造を示す斜視図である。 図3Aは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Bは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Cは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Dは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Eは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Fは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Gは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。 図4Aは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。 図4Bは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。 図4Cは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。 図4Dは、差圧センサチップの製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。 図5Aは、オイル導入路の第1の例を示す図である。 図5Bは、オイル導入路の第2の例を示す図である。 図5Cは、オイル導入路の第3の例を示す図である。 図6は、差圧センサチップのオイル導入路の別の封止構造を示す図である。 図7は、差圧センサチップの圧力導入路の別の構造を示す図である。 図8Aは、本願発明者らが本発明に先立って検討した先行検討例に係る差圧センサチップの模式的な構造を示す図である。 図8Bは、図8Aに示した差圧センサチップにオイルを導入したときの状態を模式的に示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態≫
図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。同図には、本実施の形態に係る差圧発信器100の断面形状が模式的に示されている。
図1に示される差圧発信器100は、感圧素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のダイアフラム並列配置型のセンサチップを用いた差圧発信器である。
差圧発信器100は、計測対象の流体の差圧を検出するための主な機能部として、差圧センサチップ2、支持基板3、ダイアフラムベース1、および中継基板4を有している。以下、上記機能部について詳細に説明する。
なお、本実施の形態では、差圧発信器100を構成する全ての機能部のうち、流体の差圧を検出するための主な機能部について詳細に説明し、それ以外の機能部、例えば、差圧センサチップ2によって検出された圧力に応じた電気信号に基づいて各種の信号処理を行う信号処理回路や、信号処理回路による信号処理結果に基づく各種情報を出力する表示装置等の機能部についての詳細な説明および図を省略する。
(1)差圧センサチップ2
差圧センサチップ2は、計測対象の流体の圧力差を検出する半導体チップである。
差圧センサチップ2は、例えば、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムとして機能する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。
第1基部20は、例えばシリコンから構成されている。第1基部20には、後述するダイアフラムベース1および支持基板3を介して、計測対象の流体の一方の圧力を導入するための圧力導入孔21_1と、計測対象の流体の他方の圧力を導入するための圧力導入孔21_2とが形成されている。
圧力導入孔21_1,21_2は、第1基部20の主面20aとその反対側の主面20bとを貫通する貫通孔である。圧力導入孔21_1と圧力導入孔21_2とは、第1基部20の主面20a,20bにおいて、平面方向に離間して形成されている。
半導体膜23は、第1基部20の主面20b上に、少なくとも圧力導入孔21_1,21_2を覆って形成されている。半導体膜23は、例えばシリコンから構成されている。
半導体膜23のうち、圧力導入孔21_1および圧力導入孔21_2を覆う領域は、夫々ダイアフラムとして機能する。以下、半導体膜23の圧力導入孔21_1を覆う領域をダイアフラム23_1と称し、半導体膜23の圧力導入孔21_2を覆う領域をダイアフラム23_2と称する。
半導体膜23は、圧力導入孔21_1,21_2側から計測対象の流体に基づく圧力を受ける受圧面と、受圧面の反対側の面とを有している。上記受圧面の反対側の面側の半導体膜23内には、ダイアフラム23_1,23_2に加わった圧力を検出するための複数の感圧素子としてのひずみゲージ230_1,230_2が形成されている。
ひずみゲージ230_1,230_2は、例えば、複数のピエゾ抵抗素子を含む。複数のピエゾ抵抗素子は、ブリッジ回路を構成している。上記ブリッジ回路は、一定の電流が流れている状態においてダイアフラム23_1,23_2に応力が発生したとき、その応力による各ピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化を電圧の変化として出力する差圧検出部として機能する。
上記ブリッジ回路における各ノードは、半導体膜23の受圧面の反対側の面に形成された配線パターンを介して、同じく受圧面の反対側の面に形成された複数の電極パッド29に夫々接続されている。
第2基部22は、例えばシリコンから構成されている。第2基部22は、半導体膜23を介して第1基部20上に固定されている。具体的には、第2基部22の主面22aが、半導体膜23の第1基部20と接合されていない面に接合されている。
第2基部22には、凹部24_1,24_2と連通路25,26が形成されている。
凹部24_1,24_2は、第1基部20の圧力導入孔21_1,21_2からダイアフラム23_1,23_2に圧力が加わってダイアフラム23_1,23_2が撓んだ場合に、ダイアフラム23_1,23_2が凹部24_1,24_2に着床することにより、ダイアフラム23_1,23_2の一方向への変形を制限する機能部である。これにより、ダイアフラム23_1,23_2に過大圧が加わることによるダイアフラム23_1,23_2の破壊を防止することが可能となる。以下、凹部24_1,24_2を、「ストッパ部24_1,24_2」とも称する。
具体的に、ストッパ部24_1,24_2は、第2基部22の半導体膜23と接合する主面22aに、その主面22aと垂直な方向(Z方向)に形成された窪みである。ストッパ部24_1は、ダイアフラム23_1を挟んで圧力導入孔21_1と対面配置され、ストッパ部24_2は、ダイアフラム23_2を挟んで圧力導入孔21_2と対面配置されている。ストッパ部24_1,24_2を構成する凹部は、ダイアフラム23_1,23_2の変位に沿った曲面(例えば、非球面)を有している。
ストッパ部24_1,24_2とダイアフラム23_1,23_2との間には、空間が夫々形成されている。以下、ストッパ部24_1とダイアフラム23_1との間に形成される空間を部屋28_1と称し、ストッパ部24_2とダイアフラム23_2との間に形成される空間を部屋28_2と称する。
部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25によって連通している。換言すれば、部屋28_1と部屋28_2とは、連通路25を通して空間的に接続されている。
例えば、図1に示すように、連通路25は、ストッパ部24_1,24_2の表面からZ軸方向に夫々延在した2つの孔と、Z軸と垂直な方向に延在し、それらの2つの孔を互いに連通させるもう1つの孔とによって構成されている。
連通路25は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、ダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための圧力連通路として機能する。以下、連通路25を「圧力連通路25」とも称する。
第2基部22における主面22aの反対側の主面22bには、圧力連通路25と連通する連通路26が形成されている。連通路26は、部屋28_1,28_2、および圧力連通路25内に圧力伝達物質を導入するための孔である。なお、連通路26の具体的な構造については後述する。
連通路26、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2は、圧力伝達物質27によって満たされている。圧力伝達物質27は、ダイアフラム23_1,23_2の一方に加わった圧力を、連通路25を介してダイアフラム23_1,23_2の他方に伝達するための物質である。圧力伝達物質27としては、シリコーンオイルやフッ素オイル等を例示することができる。
本実施の形態では、一例として、圧力伝達物質27が液体(例えばシリコーンオイル)であるとし、圧力伝達物質27を「オイル27」と、連通路26を「オイル導入路26」とも称する。
封止部材7は、オイル導入路26から部屋28_1,28_2および圧力連通路25にオイル27が導入された後に、オイル導入路26の一端を封止する機能部である。封止部材7は、例えば、一端が開口し、他端が有底の筒状の金属材料(例えばステンレス鋼(SUS))から構成されている。図1に示されるように、封止部材7は、封止部材7の開口した一端がオイル導入路26に挿入された状態で、固定部材6Dによって第2基部22に固定されている。固定部材6Dとしては、エポキシ系の接着剤を例示することができる。
次に、オイル導入路26の構造について詳細に説明する。
図2A〜2Cは、差圧センサチップ2の連通路26周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図2Aには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の断面図が示されている。図2Bには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の上面図が示されている。図2Cには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の斜視図が示されている。
なお、図2Bでは、固定部材6Dの図示を省略している。また、図2Cでは、オイル27が流れる流路の一部が模式的に示されている。
図2A〜2Cに示されるように、オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに一つの開口部26aを有するとともに圧力連通路25に接続し、開口部26aから圧力連通路25に向かって断面積が小さくなるように形成されている。
具体的には、オイル導入路26は、一端が第2基部22の主面22bに開口するとともに、他端が圧力連通路25に接続され、一端から他端に向かって断面積が小さくなる。より具体的には、オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに形成された凹部260と、凹部260の底面と圧力連通路25とを連通する連通路261とから構成されている。
凹部260は、主面22bに形成された孔である。凹部260は、例えば、主面22bに垂直な方向(Z方向)から見て略円形に形成されている。
連通路261は、例えば円柱状の孔である。連通路261は、その一端が凹部260の底面26bに接続され、その他端が圧力連通路25の上面(圧力連通路25の+Z方向の壁面)に接続されている。
凹部260の開口部26aの内径をφ1、連通路261の内径をφ2としたとき、φ1>φ2である。
凹部260および連通路261は、第2基部22の主面22bと圧力連通路25の上面との間に、同一軸線上に並んで形成されている。
これに対し、圧力連通路25は、図2Cに示されるように、例えば断面が矩形状(例えば、長方形状)の管路である。
オイル導入路26と圧力連通路25との接続部分において、圧力連通路25の断面積に対するオイル導入路26の断面積の比率は1以上100以下である。具体的には、図2Cに示すように、オイル導入路26と圧力連通路25との接続部分において、圧力連通路25の断面積をS25とし、オイル導入路26、すなわち連通路261の断面積をS26としたとき、1≦S26/S25≦100である。
ここで、S26=(φ2/2)2×πであり、S25=w×dである。
なお、上記断面積の比率(S26/S25)が大きくなると、全体のオイル量が増加する。そのため、上記の例では、その上限値を100としている。
(2)支持基板3
支持基板3は、ダイアフラムベース1上で差圧センサチップ2を支持するとともに、ダイアフラムベース1と差圧センサチップ2とを絶縁するための基板である。支持基板3は、例えばガラス基板である。
支持基板3は、主面3aとその反対側の主面3bとを貫通する貫通孔30_1,30_2が形成されている。貫通孔30_1と貫通孔30_2とは、主面3aおよび主面3bにおいて平面方向に離間して形成されている。
支持基板3は、差圧センサチップ2と接合されている。具体的には、支持基板3の主面3aに垂直な方向から見て、貫通孔30_1と圧力導入孔21_1とが重なりを有し、且つ貫通孔30_2と圧力導入孔21_2とが重なりを有している状態において、支持基板3の主面3bが第1基部20の主面20aに接合されている。
ここで、例えば、第1基部20がシリコン、支持基板3がガラスである場合には、第1基部20の主面20aと支持基板3の主面3bとは陽極接合により接合される。
(3)ダイアフラムベース1
ダイアフラムベース1は、差圧センサチップ2を支持するとともに、計測対象の流体の圧力を差圧センサチップ2に導くための金属材料から成る基台である。上記金属材料としては、ステンレス鋼(SUS)を例示することができる。
図1に示すように、ダイアフラムベース1は、主面1aとその反対側の主面1bとを有する。ダイアフラムベース1には、主面1aと主面1bとを貫通する2つの貫通孔11_1,11_2が形成されている。図1に示されるように、貫通孔11_1,11_2は、主面1a側の開口部が主面1b側の開口部よりも開口面積が広く形成されている。
貫通孔11_1の主面1a側の開口部は、計測対象の流体からの圧力を受けるためのダイアフラム10_1によって覆われている。同様に、貫通孔11_2の主面1a側の開口部は、計測対象の流体からの圧力を受けるためのダイアフラム10_2によって覆われている。ダイアフラム10_1,10_2は、例えばステンレス鋼(SUS)から構成されている。
以下、ダイアフラム10_1,10_2によって一方の開口部が覆われた貫通孔11_1,11_2を「流体圧力導入孔11_1,11_2」と夫々称する。
図1に示されるように、ダイアフラムベース1の主面1b側には、支持基板3と接合された差圧センサチップ2が載置されて固定されている。具体的には、支持基板3と接合された差圧センサチップ2は、Z方向から見て、支持基板3の主面3aに形成された貫通孔30_1,30_2と流体圧力導入孔11_1,11_2とが重なりを有する状態において、固定部材5Aによってダイアフラムベース1の主面1b上に固定される。
ここで、固定部材5Aは、例えばフッ素系の接着剤である。
ダイアフラムベース1の主面1bの支持基板3(差圧センサチップ2)が接合されている領域以外の領域には、中継基板4が固定されている。中継基板4は、例えばエポキシ系の接着剤から成る固定部材6Aによってダイアフラムベース1の主面1b上に固定されている。
中継基板4は、上述した差圧センサチップ2に形成された複数のひずみゲージ230_1,230_2(ピエゾ抵抗素子)によって構成されたブリッジ回路に電力を供給するための外部端子や、上記ブリッジ回路から電気信号を取り出すための外部端子等が形成された回路基板である。
具体的には、図1に示すように、中継基板4は、その一方の主面に形成された、上記外部出力端子としての複数の電極パッド40を有している。複数の電極パッド40は、例えば金(Au)等の金属材料から成るボンディングワイヤ8によって、差圧センサチップ2の主面20b上に形成された電極パッド29と夫々接続されている。
また、中継基板4には、上記電極パッド40の他に、複数の外部出力ピン(図示せず)が配設されるとともに、各電極パッド40と各外部出力ピンとを電気的に接続する配線パターン(図示せず)が形成されている。これにより、差圧センサチップ2は、電極パッド29、ボンディングワイヤ8、電極パッド40、上記配線パターン、および上記外部出力ピンを介して、信号処理回路や電源回路等のその他の回路と電気的に接続される。
なお、信号処理回路や電源回路等は、中継基板4に配置されていてもよいし、中継基板4と上記外部出力ピンによって接続される別の回路基板(図示せず)に配置されていてもよい。
ダイアフラムベース1の流体圧力導入孔11_1,11_2と差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1,21_2とは、支持基板3の貫通孔30_1,30_2を介して夫々連通されている。
ダイアフラムベース1の流体圧力導入孔11_1,11_2の内部と、支持基板3の貫通孔30_1,30_2の内部と、差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1,21_2の内部は、圧力伝達物質13で満たされている。圧力伝達物質13としては、圧力伝達物質27と同様に、シリコーンオイルやフッ素オイルを例示することができる。以下、圧力伝達物質13を「オイル13」とも称する。
オイル13は、差圧発信器100の製造工程において、ダイアフラムベース1に形成された流体圧力導入孔11_1,11_2と連通するオイル導入孔14_1,14_2から導入される。オイル導入孔14_1,14_2は、オイル13が導入された後、金属から成る封止部材(例えば、球状の金属材料)15_1,15_2によって夫々封止される。
(4)差圧発信器の動作
上述した構造を有する差圧発信器100は、以下のように動作する。
例えば、計測対象の流体が流れるパイプラインに差圧発信器100を実装する場合を考える。この場合、例えば、パイプラインの上流側(高圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_1で検出し、下流側(低圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_2で検出するように、差圧発信器100をパイプラインに実装する。
この状態において、ダイアフラム10_1に流体の圧力が印加されると、ダイアフラム10_1が変位し、その変位に応じて圧力伝達物質13が、流体圧力導入孔11_1から差圧センサチップ2の圧力導入孔21_1側に移動する。この圧力伝達物質13の移動に応じた圧力が差圧センサチップ2のダイアフラム23_1に印加され、ダイアフラム23_1が変位する。
同様に、ダイアフラム10_2に流体の圧力が印加されると、ダイアフラム10_2が変位し、その変位に応じて圧力伝達物質27が、流体圧力導入孔11_2から差圧センサチップ2の圧力導入孔21_2側に移動する。この圧力伝達物質27の移動に応じた圧力が差圧センサチップ2のダイアフラム23_2に印加され、ダイアフラム23_2が変位する。
このとき、ダイアフラム23_1,23_2を挟んで圧力導入孔21_1,21_2に対面配置されている部屋28_1,28_2は、圧力連通路25によって連通され、且つオイル27によって満たされていることから、ダイアフラム23_1,23_2の一方の変位に伴うオイル27の移動に応じた圧力が、圧力連通路25を介してダイアフラム23_1,23_2の他方に印加される。
したがって、例えば、圧力導入孔21_1からダイアフラム23_1に印加される圧力が圧力導入孔21_2からダイアフラム23_2に印加される圧力よりも大きい場合、ダイアフラム23_2は、上記二つの圧力の差に応じた分だけ、図1の−Z方向(支持基板3側)に変位する。一方、ダイアフラム23_1は、上記二つの圧力の差に応じた分だけ、図1の+Z方向(封止部材7側)に変位する。
これらのダイアフラム23_1,23_2の変位によってダイアフラム23_1,23_2に生じた応力がダイアフラム23_1,23_2に形成されたひずみゲージ230_1,230_2に加わることにより、上記二つの圧力差に応じた電気信号が差圧センサチップ2から出力される。この電気信号は、図示されない信号処理回路に入力され、信号処理回路が必要な信号処理を実行することにより、計測対象の流体の差圧の情報が得られる。この差圧の情報は、例えば、差圧発信器100の表示装置(図示せず)に表示され、または、通信回線を介して外部機器に送信される。
(5)差圧センサチップ2の製造方法
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
ここでは、一例として、半導体膜23を介して第1基部20と第2基部22とを接合したチップを作製するチップ作製工程と、チップ作製工程で作製した半導体チップに圧力伝達物質としてのオイル27を封入するオイル封入工程とに分けて説明する。
(i)チップ作製工程
図3A〜3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
先ず、図3Aに示すように、例えばシリコンから成る基板220にオイル導入路26を形成する(ステップS01)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板220を選択的に除去することにより、基板220の対向する2つの主面を貫通する、凹部260および連通路261としての貫通孔を形成する。
ここで、連通路261を構成する貫通孔の内径は、後の工程において形成する圧力連通路25の断面積S25に対する連通路261の断面積S2の比率が1以上100以下となるようにすることが望ましい。また、凹部260を形成する貫通孔の内径は、後述する金属管70の外径を考慮して決定すればよい。
また、図3Bに示すように、基板220とは別の、例えばシリコンから成る基板221に、ストッパ部24_1,24_2と、圧力連通路25とを形成する(ステップS02)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板221を選択的に除去することにより、基板221の対向する2つの主面の一方に、溝部250を形成するとともに、基板221の上記2つの主面の他方にストッパ部24_1,24_2を形成する。更に、溝部250とストッパ部24_1とを貫通する貫通孔251_1を形成するとともに、溝部250とストッパ部24_2とを貫通する貫通孔251_2を形成する。
このとき、曲面を有するストッパ部24_1,24_2は、よく知られた、光の透過率を変化させたグレースケールマスクを用いたフォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって、基板221を選択的に除去することにより、形成することができる(例えば、特開2005−69736号参照)。
次に、図3Cに示すように、ステップS01で加工した基板220とステップS02で加工した基板221とを接合する(ステップS03)。具体的には、公知の基板接合技術により、連通路261としての貫通孔と溝部250とを接続させた状態で、基板220と基板221とを接合させる。これにより、基板220の主面の一方と溝部250とによって圧力連通路25が形成された第2基部22が作製される。
次に、図3Dに示すように、基板231を、第2基部22に接合する(ステップS04)。ここで、基板231は、例えばシリコン基板である。基板231の一方の面側には、ひずみゲージ230_1,230_2としてのピエゾ抵抗素子、ひずみゲージ230_1,230_2等に電気的に接続するための配線パターン(図示せず)、および電極パッド29が形成されている。
具体的にステップS04では、公知の基板接合技術により、基板231における、ひずみゲージ230_1,230_2、配線パターン(図示せず)、および電極パッド29が形成された面を、第2基部22のストッパ部24_1,24_2が形成された主面22aに接合する。
次に、図3Eに示すように、基板231の第2基部22と接合された面の反対側の面を除去することにより、基板231の厚みを調整する(ステップS05)。これにより、基板231は、半導体膜23となる。
また、図3Fに示すように、例えばシリコンから成る基板200に、圧力導入孔21_1,21_2を形成する(ステップS06)。具体的には、公知の半導体製造技術、例えばよく知られたフォトリソグラフィー技術やドライエッチング技術によって、基板200を選択的に除去することにより、基板200の対向する2つの主面を貫通する、圧力導入孔21_1,21_2としての2つの貫通孔を形成する。
これにより、第1基部20が作製される。
次に、図3Gに示すように、ステップS05において加工した半導体膜23が接合された第2基部22と、ステップS06において作製された第1基部20とを接合する(ステップS07)。具体的には、公知の基板接合技術により、第2基部22の積層方向(Z方向)から見て圧力導入孔21_1とストッパ部24_1とが対面配置され、且つ圧力導入孔21_2とストッパ部24_2とが対面配置された状態で、半導体膜23と第1基部20(基板200)の主面20bとを接合する。
次に、図3Hに示されるようにステップS06で作製されたチップと、貫通孔30_1,30_2が形成された例えばガラスから成る支持基板3とを接合する(ステップS08)。具体的には、公知の陽極接合技術により、第2基部22の積層方向(Z方向)から見て、貫通孔30_1と圧力導入孔21_1とが重なりを有し、且つ貫通孔30_2と圧力導入孔21_2とが重なりを有する状態で、第1基部20の主面20aを支持基板3に接合する。
以上の工程により、オイルが封入されていない、支持基板3が接合された差圧センサチップ2が作製される。
(ii)オイル封入工程
次に、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程について説明する。
図4A〜4Fは、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
先ず、図4Aに示されるように、上述したチップ作製工程によって作製されたチップのオイル導入路26の凹部260内に、例えばステンレス鋼(SUS)から成る筒状の金属管70を配置する(ステップS11)。
このとき、上述した連通路261の断面積と圧力連通路25の断面積との関係と同様に、金属管70と連通路261との接続部分における、連通路261の断面積S26に対する金属管70内の流路の断面積S3は、1以上100以下であることが好ましい(図2C参照)。なお、本実施の形態では、金属管70の内径φ3が連通路261の内径φ2よりも大きい場合を例示しているが、これに限定されるものではない。例えば、φ2=φ3であってもよい。
次に、図4Bに示すように、金属管70を凹部260内に固定する(ステップS12)。具体的には、金属管70の一方の端部を凹部260の底面に密接させた状態において、金属管70の外周面と凹部260の内壁面との間に、固定部材6Dとしてエポキシ系の接着剤(例えば、トラボンド(登録商標))を流し込むことにより、金属管70を凹部260内に固定する。
次に、図4Cに示すように、金属管70の凹部260と当接していない方の端部から、圧力伝達物質としてのオイル27を導入する(ステップS13)。例えば、差圧センサチップ2を真空チャンバー内に配置し、真空チャンバー内を高真空状態にした上で、金属管70からオイル27を導入することにより、金属管70の内部、連通路261、圧力連通路25、および部屋28_1,28_2をオイル27で満たす。
次に、図4Dに示されるように、金属管70の凹部260と当接していない方の端部を封止する(ステップS14)。例えば、金属管70の外周面を挟み込んで押し潰した後、金属管70の押し潰した部分を溶接する。これにより、金属管70から成る封止部材7によってオイル導入路26が封止される。
以上により、オイル27が封止された差圧センサチップ2が作製される。
以上、本発明に係る差圧センサチップは、差圧センサチップの平面方向に並んで配置された2つのダイアフラム23_1,23_2に夫々対応する部屋28_1,28_2と、部屋28_1と部屋28_2とを連通する圧力連通路25とに圧力伝達物質としてのオイル27を導入するためのオイル導入路26が、開口部26aから圧力連通路25に向かって径が小さくなるように構成されている。これにより、オイル導入路26からオイル27を流し込んだときのオイル27の圧力連通路25に対する濡れ性を、オイル27の表面張力よりも大きくすることが可能となるので、オイル導入路26から圧力連通路25にオイル27を流し込むことが可能となる。
特に、オイル導入路26と圧力連通路25との接続部分における、圧力連通路25の断面積S25に対するオイル導入路26の断面積S2の比率を1以上100以下とすることにより、確実に、流路の濡れ性をオイルの表面張力よりも大きくすることができるので、オイル27をオイル導入路26から圧力連通路25に確実に流し込むことが可能となる。
これにより、ダイアフラム並列配置型の差圧センサチップ2内に封入するオイル27の量をできるだけ少なくするために、2つの部屋28_1,28_2を接続する圧力連通路25の断面積をできるだけ小さくした差圧センサチップ構造を採用した場合であっても、残存ガスや真空溜まりが無く、且つ部屋28_1,28_2および圧力連通路25に必要十分な量のオイル27が封入されたダイアフラム並列配置型の差圧センサチップを実現することが可能となる。
したがって、本発明に係る差圧センサチップを用いることにより、圧力損失の小さい差圧発信器を実現することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、オイル導入路26が同軸に形成された径の異なる2つの孔(凹部260および連通路261)から構成される場合を例示したが、オイル導入路26は、開口部26aから圧力連通路25に向かって径が小さくなるように構成されていればよく、上記形状に限定されるものではない。以下、具体例を示す。
図5Aは、オイル導入路の第1の例を示す図である。
図5Aに示される差圧センサチップ2Aのように、オイル導入路26Aは、テーパ状に形成されていてもよい。具体的には、連通路261Aは、凹部260から圧力連通路25に向かって連続的に径が小さくなるように形成されていてもよい。
図5Bは、オイル導入路の第2の例を示す図である。
図5Bに示される差圧センサチップ2Bのように、オイル導入路26Bにおいて、凹部260と連通路261Bとは、同軸に形成されていなくてもよい。例えば、図5Bに示すように、凹部260は、主面22a(主面22b)と垂直な方向(Z方向)に形成された孔であり、連通路261Bは、主面22a(主面22b)と垂直な方向に対して斜めに形成された孔であってもよい。
図5Cは、オイル導入路の第3の例を示す図である。
図5Cに示される差圧センサチップ2Cのように、オイル導入路26Cは、同軸に形成された径の異なる3つの孔から構成されていてもよい。具体的には、オイル導入路26Cは、第2基部22の主面22aに形成された凹部260と、凹部260に接続し、凹部260よりも径の小さい連通路261Cと、連通路261Cと圧力連通路25との間を連通し、連通路261Cよりも径の小さい連通路262Cとから構成されていてもよい。
なお、図5A〜5Cに示したオイル導入路26A〜26Cと圧力連通路25との接続部分におけるオイル導入路26A〜26Cの断面積は、先に示したオイル導入路26と同様に、圧力連通路25の断面積との比率に基づいて決定すればよい。
また、差圧センサチップ内に圧力伝達物質を封止するための封止部材は、オイル導入路26を封止することができるものであれば、上記実施の形態に示したものに限定されない。例えば、図6に示す差圧センサチップ2Dのように、オイル導入路26の開口部分に嵌め込んだ球体状の金属部材(例えば、金錫(AuSn)を主成分とする合金から成る金属ボール)を溶解させて形成された封止部材7Aであってもよい。
また、差圧センサチップ内に形成された圧力連通路の形状は、上記実施の形態で示したものに限定されない。例えば、図7に示す差圧センサチップ2Eのように、第2基部22の主面22aに、ストッパ部24_1とストッパ部24_2との間に形成された溝と、その溝を覆う半導体膜23の一方の主面とによって構成された連通路25Eであってもよい。
また、上記実施の形態では、オイル導入路26,26A〜26Cを構成する凹部260,連通路261,261A〜261C、および262Cの断面が円形状である場合を例示したが、これに限られず、多角形状(例えば矩形状)であってもよい。
また、上記実施の形態に係る差圧センサチップ2は、図1等に示した構造を有する差圧発信器100のみならず、各種の構造を有する差圧発信器に適用できることは言うまでもない。すなわち、上記実施の形態で示した差圧発信器100は、あくまで一例であり、差圧発信器として要求される仕様や用途等によって、例えばダイアフラムベース1を構成する材料や形状等が差圧発信器100と異なる差圧発信器にも、本発明に係る差圧センサチップを適用することが可能である。
100…差圧発信器、1…ダイアフラムベース、1a,1b…基台の主面、2,2A〜2E…差圧センサチップ、3…支持基板、3a,3b…支持基板の主面、4…中継基板、5A,6A…固定部材、7,7A…封止部材、8…ボンディングワイヤ、10_1,10_2…ダイアフラム、11_1,11_2…流体圧力導入孔、13…圧力伝達物質、14_1,14_2…オイル導入孔、15_1,15_2…封止部材、20…第1基部、20a,20b…第1基部20の主面、21_1,21_2…圧力導入孔、22…第2基部、22a,22b…第2基部22の主面、23…半導体膜、23_1,23_2…ダイアフラム、24_1,24_2…ストッパ部、25,25E…圧力連通路、26,26A,26B,26C…オイル導入路、27…圧力伝達物質、28_1,28_2…部屋、29,40…電極パッド、30_1,30_2…貫通孔、230_1,230_2…ひずみゲージ、260…凹部、261,261A,261B,261C,262C…連通路。

Claims (10)

  1. 第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する第1圧力導入孔および第2圧力導入孔とを有する第1基部と、
    前記第1基部の前記第2主面上に設けられた半導体膜と、
    第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、前記第3主面が前記半導体膜上に接合された第2基部と、を有し、
    前記半導体膜は、
    前記第1圧力導入孔の一端を覆うように構成された第1ダイアフラムと、
    前記第2圧力導入孔の一端を覆うように構成された第2ダイアフラムと、
    前記第1ダイアフラムに設けられ、計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、
    前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、を含み、
    前記第2基部は、
    前記第3主面の前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第1ダイアフラムとともに第1部屋を形成する第1凹部と、
    前記第3主面の前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第2ダイアフラムとともに第2部屋を形成する第2凹部と、
    前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、
    一端が前記第4主面に開口するとともに、他端が前記第1連通路に接続され、前記一端から前記他端に向かって断面積が小さくなる第2連通路と、を含む
    差圧センサチップ。
  2. 請求項1に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第1連通路と前記第2連通路との接続部分における、前記第1連通路の断面積に対する前記第2連通路の断面積の比率は、1以上100以下である
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  3. 請求項2に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第2連通路は、
    前記第4主面に形成された第3凹部と、
    前記第3凹部の底面と前記第1連通路とを連通し、前記第3凹部よりも断面積の小さい第3連通路とを含む
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  4. 請求項3に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第3連通路は、前記第3凹部の底面から前記第1連通路に向かって連続的に断面積が小さくなるように形成されている
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  5. 請求項3に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第3連通路の軸線は、前記第4主面と垂直な方向に対して傾きを有する
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  6. 請求項2に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第2連通路は、断面積が軸線方向に沿って段階的に小さくなる複数の孔から構成されている
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  7. 請求項1乃至6の何れか一項に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記第1部屋、前記第2部屋、前記第1連通路、および前記第2連通路に充填された圧力伝達物質と、
    前記第2連通路の前記一端を封止する封止部材と、を更に有する
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  8. 請求項7に記載の差圧センサチップにおいて、
    前記封止部材は、一端が開口し、他端が有底の金属部材であり、
    前記金属部材は、その金属部材の前記一端が前記第2連通路内に挿入されて、固定されている
    ことを特徴とする差圧センサチップ。
  9. 請求項7または8に記載の差圧センサチップと、
    第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、夫々前記第5主面と前記第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔および第2流体圧力導入孔とを有する基台と、
    前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラムと、
    前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラムと、
    第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、夫々前記第7主面および前記第8主面に開口する第1貫通孔および第2貫通孔とを有し、前記第7主面が前記基台上に固定され、前記第8主面が前記第1基部の前記第1主面に接合されて、前記差圧センサチップを支持する支持基板と、を備え、
    前記第1流体圧力導入孔と前記第1貫通孔とが連通し、
    前記第2流体圧力導入孔と前記第2貫通孔とが連通している、
    ことを特徴とする差圧発信器。
  10. 計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップの製造方法であって、
    第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間の第1部屋と、前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間の第2部屋と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、一端が前記第1連通路に接続され、圧力伝達物質を導入するための他端から前記一端に向かって断面積が小さくなる第2連通路とを有する半導体チップを形成する第1ステップと、
    前記第2連通路の前記他端から、前記圧力伝達物質を導入する第2ステップと、
    前記第2ステップの後に、前記第2連通路の前記他端を封止する第3ステップと、を含む
    差圧センサチップの製造方法。
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