JP2018159596A - 差圧センサチップ、差圧発信器、および差圧センサチップの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
差圧発信器の一形態として、半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとを有し、夫々のダイアフラムに加えられた圧力差をピエゾ抵抗素子の抵抗値の変化に変換し、その抵抗値の変化に基づく電気信号を圧力の計測結果として出力するものがある。
このオイルの封入方法としては、真空ポンプを用いて、オイルを封入すべき空間内のガスを排出して真空状態にした後で、上記空間内にオイルを導入する手法が従来から知られている(例えば、特許文献3を参照。)。
具体的には、図8Aに示す差圧センサチップ2Xのように、オイルが流れる流路内に、流路の断面積が急激に小さくなる箇所が存在する場合、その箇所では、オイルの表面張力が流路の濡れ性よりも大きくなるため、断面積の大きい方の流路から断面積の小さい方の流路にオイルが十分に流れ込まないという問題があることが明らかとなった。
図1は、本発明の一実施の形態に係る差圧センサチップを備えた差圧発信器の構成を示す図である。同図には、本実施の形態に係る差圧発信器100の断面形状が模式的に示されている。
図1に示される差圧発信器100は、感圧素子が形成された半導体膜から成る第1のダイアフラムと第2のダイアフラムとが平面方向に並んで形成されるとともに、夫々のダイアフラムの直上に形成された2つの部屋を連通路によって互いに空間的に接続した構造のダイアフラム並列配置型のセンサチップを用いた差圧発信器である。
差圧センサチップ2は、計測対象の流体の圧力差を検出する半導体チップである。
差圧センサチップ2は、例えば、第1基部20と第2基部22とが、ダイアフラムとして機能する半導体膜23を挟んで接合された構造を有している。
図2A〜2Cは、差圧センサチップ2の連通路26周辺の模式的な構造を示す断面図である。
図2Aには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の断面図が示されている。図2Bには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の上面図が示されている。図2Cには、差圧センサチップ2のオイル導入路26周辺の斜視図が示されている。
なお、図2Bでは、固定部材6Dの図示を省略している。また、図2Cでは、オイル27が流れる流路の一部が模式的に示されている。
具体的には、オイル導入路26は、一端が第2基部22の主面22bに開口するとともに、他端が圧力連通路25に接続され、一端から他端に向かって断面積が小さくなる。より具体的には、オイル導入路26は、第2基部22の主面22bに形成された凹部260と、凹部260の底面と圧力連通路25とを連通する連通路261とから構成されている。
凹部260および連通路261は、第2基部22の主面22bと圧力連通路25の上面との間に、同一軸線上に並んで形成されている。
ここで、S26=(φ2/2)2×πであり、S25=w×dである。
なお、上記断面積の比率(S26/S25)が大きくなると、全体のオイル量が増加する。そのため、上記の例では、その上限値を100としている。
支持基板3は、ダイアフラムベース1上で差圧センサチップ2を支持するとともに、ダイアフラムベース1と差圧センサチップ2とを絶縁するための基板である。支持基板3は、例えばガラス基板である。
ダイアフラムベース1は、差圧センサチップ2を支持するとともに、計測対象の流体の圧力を差圧センサチップ2に導くための金属材料から成る基台である。上記金属材料としては、ステンレス鋼(SUS)を例示することができる。
具体的には、図1に示すように、中継基板4は、その一方の主面に形成された、上記外部出力端子としての複数の電極パッド40を有している。複数の電極パッド40は、例えば金(Au)等の金属材料から成るボンディングワイヤ8によって、差圧センサチップ2の主面20b上に形成された電極パッド29と夫々接続されている。
なお、信号処理回路や電源回路等は、中継基板4に配置されていてもよいし、中継基板4と上記外部出力ピンによって接続される別の回路基板(図示せず)に配置されていてもよい。
上述した構造を有する差圧発信器100は、以下のように動作する。
例えば、計測対象の流体が流れるパイプラインに差圧発信器100を実装する場合を考える。この場合、例えば、パイプラインの上流側(高圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_1で検出し、下流側(低圧側)の流体の圧力をダイアフラム10_2で検出するように、差圧発信器100をパイプラインに実装する。
次に、差圧センサチップ2の製造方法について説明する。
ここでは、一例として、半導体膜23を介して第1基部20と第2基部22とを接合したチップを作製するチップ作製工程と、チップ作製工程で作製した半導体チップに圧力伝達物質としてのオイル27を封入するオイル封入工程とに分けて説明する。
図3A〜3Hは、差圧センサチップの製造方法におけるチップ作製工程を示す図である。
ここで、連通路261を構成する貫通孔の内径は、後の工程において形成する圧力連通路25の断面積S25に対する連通路261の断面積S2の比率が1以上100以下となるようにすることが望ましい。また、凹部260を形成する貫通孔の内径は、後述する金属管70の外径を考慮して決定すればよい。
これにより、第1基部20が作製される。
以上の工程により、オイルが封入されていない、支持基板3が接合された差圧センサチップ2が作製される。
次に、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程について説明する。
図4A〜4Fは、差圧センサチップ2の製造方法におけるオイル封入工程を示す図である。
以上により、オイル27が封止された差圧センサチップ2が作製される。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
図5Aに示される差圧センサチップ2Aのように、オイル導入路26Aは、テーパ状に形成されていてもよい。具体的には、連通路261Aは、凹部260から圧力連通路25に向かって連続的に径が小さくなるように形成されていてもよい。
図5Bに示される差圧センサチップ2Bのように、オイル導入路26Bにおいて、凹部260と連通路261Bとは、同軸に形成されていなくてもよい。例えば、図5Bに示すように、凹部260は、主面22a(主面22b)と垂直な方向(Z方向)に形成された孔であり、連通路261Bは、主面22a(主面22b)と垂直な方向に対して斜めに形成された孔であってもよい。
図5Cに示される差圧センサチップ2Cのように、オイル導入路26Cは、同軸に形成された径の異なる3つの孔から構成されていてもよい。具体的には、オイル導入路26Cは、第2基部22の主面22aに形成された凹部260と、凹部260に接続し、凹部260よりも径の小さい連通路261Cと、連通路261Cと圧力連通路25との間を連通し、連通路261Cよりも径の小さい連通路262Cとから構成されていてもよい。
Claims (10)
- 第1主面、および前記第1主面と反対側の第2主面と、夫々前記第1主面と前記第2主面とに開口する第1圧力導入孔および第2圧力導入孔とを有する第1基部と、
前記第1基部の前記第2主面上に設けられた半導体膜と、
第3主面、および前記第3主面と反対側の第4主面とを有し、前記第3主面が前記半導体膜上に接合された第2基部と、を有し、
前記半導体膜は、
前記第1圧力導入孔の一端を覆うように構成された第1ダイアフラムと、
前記第2圧力導入孔の一端を覆うように構成された第2ダイアフラムと、
前記第1ダイアフラムに設けられ、計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、
前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、を含み、
前記第2基部は、
前記第3主面の前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第1ダイアフラムとともに第1部屋を形成する第1凹部と、
前記第3主面の前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔と対面する位置に形成され、前記第2ダイアフラムとともに第2部屋を形成する第2凹部と、
前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、
一端が前記第4主面に開口するとともに、他端が前記第1連通路に接続され、前記一端から前記他端に向かって断面積が小さくなる第2連通路と、を含む
差圧センサチップ。 - 請求項1に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第1連通路と前記第2連通路との接続部分における、前記第1連通路の断面積に対する前記第2連通路の断面積の比率は、1以上100以下である
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項2に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第2連通路は、
前記第4主面に形成された第3凹部と、
前記第3凹部の底面と前記第1連通路とを連通し、前記第3凹部よりも断面積の小さい第3連通路とを含む
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項3に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第3連通路は、前記第3凹部の底面から前記第1連通路に向かって連続的に断面積が小さくなるように形成されている
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項3に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第3連通路の軸線は、前記第4主面と垂直な方向に対して傾きを有する
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項2に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第2連通路は、断面積が軸線方向に沿って段階的に小さくなる複数の孔から構成されている
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載の差圧センサチップにおいて、
前記第1部屋、前記第2部屋、前記第1連通路、および前記第2連通路に充填された圧力伝達物質と、
前記第2連通路の前記一端を封止する封止部材と、を更に有する
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項7に記載の差圧センサチップにおいて、
前記封止部材は、一端が開口し、他端が有底の金属部材であり、
前記金属部材は、その金属部材の前記一端が前記第2連通路内に挿入されて、固定されている
ことを特徴とする差圧センサチップ。 - 請求項7または8に記載の差圧センサチップと、
第5主面と、前記第5主面と反対側の第6主面と、夫々前記第5主面と前記第6主面とに開口する第1流体圧力導入孔および第2流体圧力導入孔とを有する基台と、
前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第1流体圧力導入孔の一端を覆う第3ダイアフラムと、
前記基台の前記第5主面上に設けられ、前記第2流体圧力導入孔の一端を覆う第4ダイアフラムと、
第7主面と、前記第7主面と反対側の第8主面と、夫々前記第7主面および前記第8主面に開口する第1貫通孔および第2貫通孔とを有し、前記第7主面が前記基台上に固定され、前記第8主面が前記第1基部の前記第1主面に接合されて、前記差圧センサチップを支持する支持基板と、を備え、
前記第1流体圧力導入孔と前記第1貫通孔とが連通し、
前記第2流体圧力導入孔と前記第2貫通孔とが連通している、
ことを特徴とする差圧発信器。 - 計測対象の流体の圧力差を検出する差圧センサチップの製造方法であって、
第1ダイアフラムおよび第2ダイアフラムと、前記第1ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第1ひずみゲージと、前記第2ダイアフラムに設けられ、前記計測対象の流体の圧力を検出するように構成された第2ひずみゲージと、前記第1ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第1圧力導入孔と、前記第2ダイアフラムに圧力を導入するように構成された第2圧力導入孔と、前記第1ダイアフラムを挟んで前記第1圧力導入孔に対面配置され、前記第1ダイアフラムと離間して形成された第1ストッパ部と、前記第2ダイアフラムを挟んで前記第2圧力導入孔に対面配置され、前記第2ダイアフラムと離間して形成された第2ストッパ部と、前記第1ダイアフラムと前記第1ストッパ部との間の第1部屋と、前記第2ダイアフラムと前記第2ストッパ部との間の第2部屋と、前記第1部屋と前記第2部屋とを連通する第1連通路と、一端が前記第1連通路に接続され、圧力伝達物質を導入するための他端から前記一端に向かって断面積が小さくなる第2連通路とを有する半導体チップを形成する第1ステップと、
前記第2連通路の前記他端から、前記圧力伝達物質を導入する第2ステップと、
前記第2ステップの後に、前記第2連通路の前記他端を封止する第3ステップと、を含む
差圧センサチップの製造方法。
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