この発明は、木造住宅の木質系横架材と木質梁材の端部との接合に使用する木質造梁端接合金物とこの木質梁端接合金物を用いた木造住宅における木質梁端接合構造に関する。
木造軸組み工法を用いて構築される木造住宅においては、接合金物を使用して木質梁材端部を接合する金物工法であらわし梁とする場合に、下方から梁材を見上げると、接合金物の一部が梁材の下端面から見えたり、梁材をこの接合金物に係止する係止ピンが見えたりしている。例えば、図23に開示される特許文献1の柱取付け装置のように、柱41の相対する側面に横架材接合金具42を用いて、梁材43を接合する場合に、柱41の相対する側面に横架材接合金具42をボルト44で固定し、この横架材接合金具42を構成する取付け片部45を梁材43の端に形成した係合溝46に嵌入してから、梁材43の側面から係止ピン47を差し込んで梁材43と取付け片部45を連結する取付け構造がある。
しかしながら、前記の取付け構造によると、居住空間の下方から見上げた場合に、図4に示すように、梁材41の下面に係合溝46やこの係合溝46に嵌入した取付け片部45の端部、更には、梁材43の側面に係止ピン47の頭が露出しているのが見えることになり、室内の美観を損ねる要因となっている。このような欠点を是正するために、梁材43の下面に現れる係合溝46の隙間や取付け片部45、更には、側面に現れる係止ピン47の頭を隠蔽する木栓仕様の部材も存在するが、後付けあるために一体感が得られないために、満足のゆくものではなかった。 又、梁材43に作用する鉛直下向きのせん断応力、梁軸方向に作用する引張応力共に係止ピン47が負担しているので重負担となっていた。
この発明は上記先行技術の有する課題を解決するために、あらわし梁とする木造住宅において特に使用する木造梁端接合金物及び該金物を用いる木造住宅における木造梁端接合構造を提供することを目的としてなされたものであって、その手段するところは、水平板と垂直板とがそれぞれの端縁部で直角に連結され、前記水平板には木質系横架材の上面に打ち込まれる係止具の係止用穴が形成され、前記垂直板には前記水平板と反対側へ直角に突出して前記木質系横架材に接合される木質梁材の接合端面に開口した接合穴に嵌入される接合具が固定されている木造梁端接合金物としたことにある。
又、前記水平板の略中央部にポール穴が形成されてなることにある。更に、前記水平板の垂直板と反対側の端縁に半円のポール穴が形成されていることにある。更に又、前記水平板の略中央部に接続ポールを固定したことにある。
更に又、前記接合具に縦方向の雌ねじ穴を形成したことにある。また、前記接合具が前記垂直板の縦方向に所定間隔を開けて2つ固定されていることにある。前記水平板と垂直板が直角に連結されて形成される内側に前記水平板と垂直板に両端を固定した補強板を設けたことにある。
上述した木造梁端接合金物を用いて木質系横架材に木質梁材を直角に接合する木造住宅における木造梁端接合構造において、前記木質梁材の接合端面には該木質梁材の奥行方向に前記係合具が挿入される接合穴が開口されると共に前記木質梁材の上面から下面の手前に向って前記接合穴に連通する係止ボルト穴が形成され、前記木質系横架材の前記木質梁材を接合する部位の上面には前記木造梁端接合金物の前記水平板と略同形状で同じ厚さ相当分の嵌め込み溝が形成され、前記木質系横架材の前記木質梁材を接合する部位の側面には前記木造梁端接合金物の前記垂直板の当接面又は前記木質梁材の接合端面のいずれか一方に前記垂直板と略同形状で同じ厚さ相当分の座堀溝が形成され、前記嵌め込み溝に前記木造梁端接合金物の水平板が嵌入されて前記係止穴から打ち込まれた係止具で木質系横架材の上面に固定され、前記木質梁材の接合穴には前記接合具が挿入されて前記係止ボルト穴から差し込みされた係止ボルトによって前記接合具が係止され、前記木質系横架材の側面の前記垂直板の当接面又は前記木質梁材の接合端面のいずれか一方に形成されている前記座堀溝に前記垂直板が収納されている木造住宅における木造梁端接合構造としたことにある。
前記嵌め込み溝の端部の前記木質系横架材の側面の角部に形成した嵌入隙間に前記木造梁端接合金物の補強板を嵌入したことにある。
前記木質系横架材の上面に前記水平板の略中央部に形成したポール穴が上方に位置するように開口して形成したポール挿入穴に嵌入した接続ポールの上方に柱を挿入固定したことにある。
この発明の木造梁端接合金物によると、水平板は係止用穴から木質系横架材の上面に係止具で打ち込まれるので、下方から見上げても見えず、又、垂直板に固定された接合具は木質梁材の接合端面に開口している接合穴に嵌入されるので、これも下方から見上げても見えない。更に、垂直板は木質系横架材の側面と木質梁材の接合端面の間に挟まれるので、そのままでも見え難いが、木質系横架材の側面と木質梁材の接合端面のいずれか一方に垂直板の厚さ分に相当する溝を掘って置ければ見えなくすることが出来る。
更に又、木質梁材に作用する鉛直下向きのせん断応力は接合具で阻止でき、梁軸方向に作用する引張応力は接合具に形成した係止ボルト穴に係止ボルトを差し込むなどして阻止できるので、異なる方向の2つの応力の抵抗部材が異ならせることが出来るために各部材の負担が少なくなる。
水平板の略中央部にポール穴が形成されていると、木質系横架材の上面にあるポール挿入穴に接続ポールを差し込むことが出来る。同じ木質系横架材の部位に2つの木造梁端接合金具を使用する場合には、半円のポール穴を向い合せとすることで丸穴のポール穴となり同じ効果を得られる。水平板の略中央部に接続ポールを固定した場合には、ポール穴は不要で施工も簡単になる。
接合具に縦方向の雌ねじ穴を形成しておけば、この雌ねじ穴に木質系横架材の上面から貫通した係止ボルトを螺合させることで、引張応力を一層阻止し得る。又、接合具を2つ縦方向に並べて垂直板に固定すれば、せん断応力、引張応力共に抵抗強度がその分強化される。この場合には、上方の接合具は雌ねじを刻むことなく単なる貫通穴で良い。又、水平板と垂直板の直角に連結された内側に水平板と垂直板の両端を固定しておくと、垂直板に梁軸方向の引張応力が作用した場合でも直角の角度が拡大しないように維持される。
この木造梁端接合金物を用いて、木造梁端接合構造は、木質系横架材の上面に形成した嵌め込み溝に水平板を載せて、係止具を係止用穴から木質系横架材に打設して固定すると水平板の上面と木質系横架材の上面が同一高さとなる。そして、垂直板から直角に突出している係合具を木質梁材の接合端面に開口している接合穴に入れて接合する。この時、接合具に設けた木質系横架材に形成してある係止ボルト穴から差し込まれた係止ボルトで係合具が係止されて、梁軸方向への引張応力に対抗できると共に、鉛直方向へのせん断力にも接合具によって対抗できる。垂直板の厚さ相当分の座堀溝に垂直板が収納されているので、垂直板の下面及び両側面は隠れて木質系横架材の下面及び両側面には露出しないように施工されている。これによって、あらわし梁材であっても、下方から見上げた時にも、木造梁端接合金物や木質系横架材や木質梁材に設けた溝が見えないので、美観を損なうことがない。
又、水平板の略中央部には、ポール穴がありこのポール穴の下方の木質系横架材にはポール挿入穴が開いているので、上方の柱を接続する接続ポールを立てることが出来る。2つの木造梁端接合金物を用いて半円のポール穴を向かい合わせに並べる場合も同様である。水平板にポールを固定しておけばポールは必要なく、従ってポール挿入穴を開けておく必要はなく、又、ポール穴、半円のポール穴を水平板に形成する必要もないので、簡素化できる。
水平板と垂直板の直角に交わる内側に補強板を設けた場合には、この補強板によって木質梁材引張力に対する抵抗が増大し、且つ、木質系横架材に形成した嵌入隙間に入るので、木質梁材に横方向の力即ち木質系横架材の軸心方向への力が作用した場合であっても、嵌め込み溝に当接する水平板の側面や垂直板の座堀溝に当接する垂直板の側面の阻止力に加えて横方向のずれを阻止できる。
第1実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第1実施形態の木造梁端接合金物の裏側斜視図
第1実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第1実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第1実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
第2実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第2実施形態の木造梁端接合金物の裏側斜視図
第2実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第2実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第2実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
図10の平面図
図10の側面図
第3実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第4実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第3実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第3実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第5実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第4実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第4実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
図19の平面図
図19の側面図
木造梁端接合構造を下方から見上げた斜視図
従来技術の斜視図
従来のあらわし梁を下方から見上げた斜視図
この発明の木造梁端接合金物及びこの木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造の最良の実施形態について、以下図1〜図22を参考にしつつ説明する。
まず、木造梁端接合金物1の第1実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。
木造梁端接合金具1は、水平板2と該水平板2の端縁部で直角に連結された垂直板3を具備している。この連結は、1枚の板材を直角に折り曲げて形成したものであっても、2枚の板材を端縁部で溶接したものでも良い。水平板2の奥行きは該水平板2を取付ける木質系横架材Aの上面幅の半分の長さで、木質系横架材Aの横幅である軸心方向の長さは木質梁材Bの幅方向の長さより短い範囲で求める強度に応じて適宜選択される。水平板2には2つの係止用穴4が左右に形成されると共に、奥行き端縁の中央には半円のポール穴5が切欠いて形成されている。
前記垂直板3は、横幅は前記水平板2と同じで縦方向の長さは接合する木質梁材Bの縦方向長さより短い範囲で求める強度に応じて適宜選択される。そして、垂直板3の水平板2と反対側の面の上下方向には、直角に突出して上下方向に2つの接合具6が突出して固定されている。この接合具6は、図示されている実施形態はパイプであるが、他の形状の部材であっても良い。パイプの材質や直径或いは長さ等は求める強度によって適宜選択される。上下2つの接合具6には、上下方向同じ部位にボルト穴7が形成されている。この内の下方のボルト穴7には雌ねじが刻まれていて、上方からボルト穴7を通じて挿通される係止ボルト8と螺合できるようにしている。
前記水平板2と垂直板3の直角に交差する内側には、補強板9の両端が固定されていて両水平板2と垂直板3が形成する直角を維持し、直角を広げる力が作用した場合にはそれを阻止し得るようにしている。
この木造梁端接合金物1を用いて接合する図3に示す第1実施形態の木質系横架材Aと図4に示す第1実施形態の木質梁材Bについて説明する。木質系横架材Aは桁や梁などを含むもので、一般にはここに接合する木質梁材Bよりも断面積は大きいものである。この木質系横架材Aの接合部位の上面には、前記水平板2を載置して嵌め込むための嵌め込み溝10が形成されている。この嵌め込み溝10の形状は、横幅が水平板2の横幅と略等しく、奥行きは水平板2の奥行きの長さの合計と略等しく形成されている。ここでは、図1、図2に示す木質梁端接合金物1を2枚用いているのでその合計の長さになっている。溝の深さは、水平板2の厚さに略等しくして木質系横架材Aの上面が平坦になるようにしている。この嵌め込み溝10の中心部には、上方に構築する柱等と接続するために必要な接続ポール11の端部を挿入する穴部12が形成されている。更に又、嵌め込み溝10の端部の前記木質系横架材Aの側面の角部には、前記木造梁端接合金物1の補強板9を嵌め込む嵌入隙間13が形成されている。
前記木質梁材Bは、前記木質系横架材Aに当接して接合される接合端面14に座堀溝14が形成されたものである。この座堀溝15は、図4に示されるように、接合端面14の一部を垂直板3が収納できるようにその形状と厚さ分を切欠いて形成した溝であって、上方が木質梁材Bの上面を貫通し両側と下側は木質梁材Bの材質で囲まれている。座掘溝15の底面には木質梁材Bの奥行き方向に伸びた前記接合具6が嵌入される接合穴16が対応する接合具6の形状に見合うように且つ接合具6の数と同数だけ開口されている。又、木質梁材Bの上面から前記接合穴16を貫通するように係止ボルト穴17が形成されている。
以上の第1実施形態の木造梁端接合金具1を第1実施形態の木質系横架材Aの両側面に木質梁材Bを接合して使用して図5に示す木造梁端接合構造を構築する例について説明する。まず、木質系横架材Aの上面の嵌め込み溝10に2つの木造梁端接合金物1の水平板2を相対向させて載置し垂直板3を木質系横架材Aの側面に密着させる。この時、補強板9は嵌入隙間13に嵌まり込み位置決めが確実になされる。そして、係止用穴4からビス、ねじ釘などの係止具18を挿入して固定する。この時には、2つの半円のポール穴5が穴部12の上方に位置することになる。次に、木質梁材Bの接合端面14に形成した座堀溝15に垂直板3が収納されるように接合端面14を近づけながら接合具6を接合穴16に挿入して接合端面14と木質系横架材Aの側面を密着接合する。そして、係止ボルト穴17から係止ボルト8を差し込んで上方の接合具6のボルト穴7を貫通させて下方の接合具6のボルト穴7の雌ねじと螺合させて接合を完了することで木造梁端接合構造が構築される。
木造梁端接合金具1の第2実施形態について、前記第1実施形態と共通するところは同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成について図6、図7に基づいて説明する。
異なる構成は、木質系横架材Aの片方の側面のみで木質梁材Bを接続するときに使用する金物である。従って、1つの水平板2の大きさ及び形状が嵌め込み溝10の大きさと同じであり、略中心部に円形のポール穴5が形成され、その周囲に係止用穴4が形成される。
次に、第2実施形態の木質系横架材Aを図8、第2実施形態の木質梁材Bを図9に基づきそれぞれ前記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる個所のみを説明する。第2実施形態の木質系横架材Aが異なるところは、木質系横架材Aの片方の側面のみに木質梁材Bを接合するために、片方の側面のみに垂直板3が収納される座堀溝15を形成した点であり、その他は第1実施形態と同じである。座堀溝15の構成は図4に示す前記木質梁材Bの接合端面14に形成したものと同じである。この実施形態の場合には、嵌め込み溝10の端部と座堀溝15の端部が角部で共有しているために角部が欠けた状態になる。又、第2実施形態の木質梁材Bは接続端面14の座堀溝15をなくしたこと以外は第1実施形態と同じである。
以上の第2実施形態の木造梁端接合金具1を第2実施形態の木質系横架材Aの片側面に木質梁材Bを接合して図10〜図12に示す木造梁端接合構造を構築する例について説明する。まず、木質系横架材Aの水平板1を嵌め込み溝10に嵌め込み垂直板3を座堀溝15に収納するように木質梁材Bを木質系横架材Aに被せてから、係止具18を係止用穴4を通じて木質系横架材Aの上面に打ち込んで固定する。この時、垂直板3はその両側と下側を全て木質系横架材Aの部材で囲まれ上側は水平板2と連結されて木質系横架材Aの上面と同一面となっている。その他の接合は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
第3実施形態及び第4実施形態の木造梁端接合金具1は、図13、図14に示すように、垂直板3に固定する接合具6が1つの場合である。図13に示す木造梁端接合金具1は、水平板2の略中央に円形のポール穴5に代えて円柱状の接続柱19を固定したものである。その他の構成は、第2実施形態と同じである。又、図14に示す木造梁端接合金具1は、図6と接合具6の数が異なる以外は同じ構成である。これら2つの実施形態の木造梁端接合金具1は接合具6の本数が少ない分だけ支える荷重が軽いものになる。
第3実施形態の木質系横架材Aを図15、第3実施形態の木質梁材Bを図16に基づき、それぞれ前記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる個所のみを説明する。図15に示す第3実施形態の木質系横架材Aは、嵌入隙間13が1つであることが異なるのみで他の構成は同じである。又、図16に示す第3実施形態の木質梁材Bは、接合穴16が1つであることが異なるのみで他の構成は同じである。
このような第3実施形態の木造梁端接合金具1、木質系横架材A及び木質梁材Bによる木造梁端接合構造も第1実施形態と同じようにして構築するのでその説明を省略する。
図17は第5実施形態の木造梁端接合金具1を示し、図1に示す第1実施形態と異なるところは半円のポール穴5をなくした点である。この実施形態は接続ポール11を使用しない木造梁端接合構造において使用する。図18に示す木質系横架材Aの第4実施形態が図8に示す第2実施形態と異なるところは、座堀溝15を木質系横架材Aの両側面に設けたことである。このような第5実施形態の木造梁端接合金具1と木質系横架材A及び図9に示す第2実施形態の木質梁材Bを用いて構築した木造梁端接合構造を図19乃至図21に示す。
上記のようにして構築したすべての木造梁端接合構造において、木造梁端接合金具1は座堀溝15の内部に収納されているために両側面と下側は木質梁材Bの側面及び下面の内側にあることから、図22に示すように、下方から見上げた場合には木造梁端接合金物1及び木質系横架材Aや木質梁材Bに形成した溝が全く見えないので、室内の美観を向上することが出来る。特にあらわし梁材には好適に使用できる。
この発明の木造梁端接合金物及びこの金物を使用した木造梁端接合構造は、高級感を求められる多くの木造住宅に有用に利用される。
1 木造梁端接合金具
2 水平板
3 垂直板
4 係止用穴
5 ポール穴
6 接合具
7 ボルト穴
8 係止ボルト
9 補強板
10 嵌め込み溝
11 接続ポール
12 穴部
13 嵌込隙間
14 接合溝面
15 座堀溝
16 接合穴
17 係止ボルト穴
18 係止具
19 接続柱
A 木質系横架材
B 木質梁材
この発明は、木造住宅の木質系横架材と木質梁材の端部との接合に使用する木質造梁端接合金物とこの木質梁端接合金物を用いた木造住宅における木質梁端接合構造に関する。
木造軸組み工法を用いて構築される木造住宅においては、接合金物を使用して木質梁材端部を接合する金物工法であらわし梁とする場合に、下方から梁材を見上げると、接合金物の一部が梁材の下端面から見えたり、梁材をこの接合金物に係止する係止ピンが見えたりしている。例えば、図23に開示される特許文献1の柱取付け装置のように、柱41の相対する側面に横架材接合金具42を用いて、梁材43を接合する場合に、柱41の相対する側面に横架材接合金具42をボルト44で固定し、この横架材接合金具42を構成する取付け片部45を梁材43の端に形成した係合溝46に嵌入してから、梁材43の側面から係止ピン47を差し込んで梁材43と取付け片部45を連結する取付け構造がある。
しかしながら、前記の取付け構造によると、居住空間の下方から見上げた場合に、図24に示すように、梁材43の下面に係合溝46やこの係合溝46に嵌入した取付け片部45の端部、更には、梁材43の側面に係止ピン47の頭が露出しているのが見えることになり、室内の美観を損ねる要因となっている。このような欠点を是正するために、梁材43の下面に現れる係合溝46の隙間や取付け片部45、更には、側面に現れる係止ピン47の頭を隠蔽する木栓仕様の部材も存在するが、後付けであるために一体感が得られないために、満足のゆくものではなかった。又、梁材43に作用する鉛直下向きのせん断応力、梁軸方向に作用する引張応力共に係止ピン47が負担しているので重負担となっていた。
この発明は上記先行技術の有する課題を解決するために、あらわし梁とする木造住宅において特に使用する木造梁端接合金物及び該金物を用いる木造住宅における木造梁端接合構造を提供することを目的としてなされたものであって、その手段するところは、水平板と垂直板とがそれぞれの端縁部で直角に連結され、前記水平板には木質系横架材の上面に打ち込まれる係止具の係止用穴が形成され、前記垂直板には前記水平板と反対側へ直角に突出して前記木質系横架材の側面に接合される木質梁材の接合端面に開口した接合穴に嵌入される接合具が固定され、前記水平板と垂直板とが直角に連結されて形成される内側には、前記水平板と垂直板に両端を固定して前記木質系横架材の側面の角部に形成した嵌入隙間に嵌入される補強板を設け、前記接合具は、前記垂直板の縦方向に所定間隔を開けて2つ固定され、それぞれ縦方向へ貫通するボルト穴を上下同位置に形成されており、2つの前記ボルト穴のうち下方に位置する前記ボルト穴は、雌ねじを形成される木造梁端接合金物としたことにある。
又、前記水平板の略中央部に、前記木質系横架材と、該木質系横架材よりも上方に構築される柱と、を接続する棒状の接続ポールを挿入され、前記係止用穴よりも大きな開口面積を有する接続ポール差込穴が形成されてなることにある。更に、前記水平板の垂直板と反対側の端縁に、円柱状の接続ポールを平面視において半円分嵌め込む半円状の接続ポール差込穴が形成されていることにある。更に又、前記水平板の略中央部に接続ポールを固定したことにある。
水平板と垂直板とがそれぞれの端縁部で直角に連結され、前記水平板には木質系横架材の上面に打ち込まれる係止具の係止用穴が形成され、前記垂直板には前記水平板と反対側へ直角に突出して前記木質系横架材に接合される木質梁材の接合端面に開口した接合穴に嵌入される接合具が固定されている木造梁端接合金物を用いて木質系横架材に木質梁材を直角に接合する木造住宅における木造梁端接合構造において、前記木質梁材の接合端面には該木質梁材の奥行方向に前記係合具が挿入される接合穴が開口されると共に前記木質梁材の上面から下面の手前に向って前記接合穴に連通する係止ボルト穴が形成され、前記木質系横架材の前記木質梁材を接合する部位の上面には前記木造梁端接合金物の前記水平板と略同形状で同じ厚さ相当分の嵌め込み溝が形成され、前記木質系横架材の前記木質梁材を接合する部位の側面には前記木造梁端接合金物の前記垂直板の当接面又は前記木質梁材の接合端面のいずれか一方に前記垂直板と略同形状で同じ厚さ相当分の座堀溝が形成され、前記嵌め込み溝に前記木造梁端接合金物の水平板が嵌入されて前記係止穴から打ち込まれた係止具で木質系横架材の上面に固定され、前記木質梁材の接合穴には前記接合具が挿入されて前記係止ボルト穴から差し込みされた係止ボルトによって前記接合具が係止され、前記木質系横架材の側面の前記垂直板の当接面又は前記木質梁材の接合端面のいずれか一方に形成されている前記座堀溝に前記垂直板が収納されている木造住宅における木造梁端接合構造としたことにある。
前記嵌め込み溝の端部の前記木質系横架材の側面の角部に形成した嵌入隙間に前記木造梁端接合金物の補強板を嵌入したことにある。
前記木質系横架材の上面に前記水平板の略中央部に形成した接続ポール差込穴が上方に位置するように開口して形成したポール挿入穴に嵌入した接続ポールの上方に柱を挿入固定したことにある。
この発明の木造梁端接合金物によると、水平板は係止用穴から木質系横架材の上面に係止具で打ち込まれるので、下方から見上げても見えず、又、垂直板に固定された接合具は木質梁材の接合端面に開口している接合穴に嵌入されるので、これも下方から見上げても見えない。更に、垂直板は木質系横架材の側面と木質梁材の接合端面の間に挟まれるので、そのままでも見え難いが、木質系横架材の側面と木質梁材の接合端面のいずれか一方に垂直板の厚さ分に相当する溝を掘って置ければ見えなくすることが出来る。
更に又、木質梁材に作用する鉛直下向きのせん断応力は接合具で阻止でき、梁軸方向に作用する引張応力は接合具に形成したボルト穴に係止ボルトを差し込むなどして阻止できるので、異なる方向の2つの応力の抵抗部材が異ならせることが出来るために各部材の負担が少なくなる。
水平板の略中央部に接続ポール差込穴が形成されていると、木質系横架材の上面にあるポール挿入穴に接続ポールを差し込むことが出来る。同じ木質系横架材の部位に2つの木造梁端接合金物を使用する場合には、半円の接続ポール差込穴を向い合せとすることで丸穴の接続ポール差込穴となり同じ効果を得られる。水平板の略中央部に接続ポールを固定した場合には、接続ポール差込穴は不要で施工も簡単になる。
接合具にボルト穴を形成しておけば、このボルト穴に木質系横架材の上面から貫通した係止ボルトを螺合させることで、引張応力を一層阻止し得る。又、接合具を2つ縦方向に並べて垂直板に固定すれば、せん断応力、引張応力共に抵抗強度がその分強化される。この場合には、上方の接合具は雌ねじを刻むことなく単なる貫通穴で良い。又、水平板と垂直板の直角に連結された内側に水平板と垂直板の両端を固定しておくと、垂直板に梁軸方向の引張応力が作用した場合でも直角の角度が拡大しないように維持される。
この木造梁端接合金物を用いて、木造梁端接合構造は、木質系横架材の上面に形成した嵌め込み溝に水平板を載せて、係止具を係止用穴から木質系横架材に打設して固定すると水平板の上面と木質系横架材の上面が同一高さとなる。そして、垂直板から直角に突出している係合具を木質梁材の接合端面に開口している接合穴に入れて接合する。この時、木質系横架材に形成してある係止ボルト穴から差し込まれた係止ボルトで係合具が係止されて、梁軸方向への引張応力に対抗できると共に、鉛直方向へのせん断力にも接合具によって対抗できる。垂直板の厚さ相当分の座堀溝に垂直板が収納されているので、垂直板の下面及び両側面は隠れて木質系横架材の下面及び両側面には露出しないように施工されている。これによって、あらわし梁材であっても、下方から見上げた時にも、木造梁端接合金物や木質系横架材や木質梁材に設けた溝が見えないので、美観を損なうことがない。
又、水平板の略中央部には、接続ポール差込穴がありこの接続ポール差込穴の下方の木質系横架材にはポール挿入穴が開いているので、上方の柱を接続する接続ポールを立てることが出来る。2つの木造梁端接合金物を用いて半円の接続ポール差込穴を向かい合わせに並べる場合も同様である。水平板にポールを固定しておけばポールは必要なく、従ってポール挿入穴を開けておく必要はなく、又、接続ポール差込穴、半円の接続ポール差込穴を水平板に形成する必要もないので、簡素化できる。
水平板と垂直板の直角に交わる内側に補強板を設けた場合には、この補強板によって木質梁材引張力に対する抵抗が増大し、且つ、木質系横架材に形成した嵌入隙間に入るので、木質梁材に横方向の力即ち木質系横架材の軸心方向への力が作用した場合であっても、嵌め込み溝に当接する水平板の側面や垂直板の座堀溝に当接する垂直板の側面の阻止力に加えて横方向のずれを阻止できる。
第1実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第1実施形態の木造梁端接合金物の裏側斜視図
第1実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第1実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第1実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
第2実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第2実施形態の木造梁端接合金物の裏側斜視図
第2実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第2実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第2実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
図10の平面図
図10の側面図
第3実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第4実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第3実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第3実施形態の木質梁材の接合端面が現れた斜視図
第5実施形態の木造梁端接合金物の表側斜視図
第4実施形態の木質系横架材の接合部位が現れた斜視図
第4実施形態の木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造説明図
図19の平面図
図19の側面図
木造梁端接合構造を下方から見上げた斜視図
従来技術の斜視図
従来のあらわし梁を下方から見上げた斜視図
この発明の木造梁端接合金物及びこの木造梁端接合金物を用いた木造梁端接合構造の最良の実施形態について、以下図1〜図22を参考にしつつ説明する。
まず、木造梁端接合金物1の第1実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。
木造梁端接合金物1は、水平板2と該水平板2の端縁部で直角に連結された垂直板3を具備している。この連結は、1枚の板材を直角に折り曲げて形成したものであっても、2枚の板材を端縁部で溶接したものでも良い。水平板2の奥行きは該水平板2を取付ける木質系横架材Aの上面幅の半分の長さで、木質系横架材Aの横幅である軸心方向の長さは木質梁材Bの幅方向の長さより短い範囲で求める強度に応じて適宜選択される。水平板2には2つの係止用穴4が左右に形成されると共に、奥行き端縁の中央には半円の接続ポール差込穴5が切欠いて形成されている。
前記垂直板3は、横幅は前記水平板2と同じで縦方向の長さは接合する木質梁材Bの縦方向長さより短い範囲で求める強度に応じて適宜選択される。そして、垂直板3の水平板2と反対側の面の上下方向には、直角に突出して上下方向に2つの接合具6が突出して固定されている。この接合具6は、図示されている実施形態はパイプであるが、他の形状の部材であっても良い。パイプの材質や直径或いは長さ等は求める強度によって適宜選択される。上下2つの接合具6には、上下方向同じ部位にボルト穴7が形成されている。この内の下方のボルト穴7には雌ねじが刻まれていて、上方からボルト穴7を通じて挿通され
る係止ボルト8と螺合できるようにしている。
前記水平板2と垂直板3の直角に交差する内側には、補強板9の両端が固定されていて両水平板2と垂直板3が形成する直角を維持し、直角を広げる力が作用した場合にはそれを阻止し得るようにしている。
この木造梁端接合金物1を用いて接合する図3に示す第1実施形態の木質系横架材Aと図4に示す第1実施形態の木質梁材Bについて説明する。木質系横架材Aは桁や梁などを含むもので、一般にはここに接合する木質梁材Bよりも断面積は大きいものである。この木質系横架材Aの接合部位の上面には、前記水平板2を載置して嵌め込むための嵌め込み溝10が形成されている。この嵌め込み溝10の形状は、横幅が水平板2の横幅と略等しく、奥行きは水平板2の奥行きの長さの合計と略等しく形成されている。ここでは、図1、図2に示す木質梁端接合金物1を2枚用いているのでその合計の長さになっている。溝の深さは、水平板2の厚さに略等しくして木質系横架材Aの上面が平坦になるようにしている。この嵌め込み溝10の中心部には、上方に構築する柱等と接続するために必要な接続ポール11の端部を挿入する穴部12が形成されている。更に又、嵌め込み溝10の端部の前記木質系横架材Aの側面の角部には、前記木造梁端接合金物1の補強板9を嵌め込む嵌入隙間13が形成されている。
前記木質梁材Bは、前記木質系横架材Aに当接して接合される接合端面14に座堀溝15が形成されたものである。この座堀溝15は、図4に示されるように、接合端面14の一部を垂直板3が収納できるようにその形状と厚さ分を切欠いて形成した溝であって、上方が木質梁材Bの上面を貫通し両側と下側は木質梁材Bの材質で囲まれている。座掘溝15の底面には木質梁材Bの奥行き方向に伸びた前記接合具6が嵌入される接合穴16が対応する接合具6の形状に見合うように且つ接合具6の数と同数だけ開口されている。又、木質梁材Bの上面から前記接合穴16を貫通するように係止ボルト穴17が形成されてい
る。
以上の第1実施形態の木造梁端接合金物1を第1実施形態の木質系横架材Aの両側面に木質梁材Bを接合して使用して図5に示す木造梁端接合構造を構築する例について説明する。まず、木質系横架材Aの上面の嵌め込み溝10に2つの木造梁端接合金物1の水平板2を相対向させて載置し垂直板3を木質系横架材Aの側面に密着させる。この時、補強板9は嵌入隙間13に嵌まり込み位置決めが確実になされる。そして、係止用穴4からビス、ねじ釘などの係止具18を挿入して固定する。この時には、2つの半円の接続ポール差込穴5が穴部12の上方に位置することになる。次に、木質梁材Bの接合端面14に形成した座堀溝15に垂直板3が収納されるように接合端面14を近づけながら接合具6を接合穴16に挿入して接合端面14と木質系横架材Aの側面を密着接合する。そして、係止ボルト穴17から係止ボルト8を差し込んで上方の接合具6のボルト穴7を貫通させて下方の接合具6のボルト穴7の雌ねじと螺合させて接合を完了することで木造梁端接合構造が構築される。
木造梁端接合金物1の第2実施形態について、前記第1実施形態と共通するところは同じ符号を付してその説明を省略し、異なる構成について図6、図7に基づいて説明する。異なる構成は、木質系横架材Aの片方の側面のみで木質梁材Bを接続するときに使用する金物である。従って、1つの水平板2の大きさ及び形状が嵌め込み溝10の大きさと同じであり、略中心部に円形の接続ポール差込穴5が形成され、その周囲に係止用穴4が形成される。
次に、第2実施形態の木質系横架材Aを図8、第2実施形態の木質梁材Bを図9に基づきそれぞれ前記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる個所のみを説明する。第2実施形態の木質系横架材Aが異なるところは、木質系横架材Aの片方の側面のみに木質梁材Bを接合するために、片方の側面のみに垂直板3が収納される座堀溝15を形成した点であり、その他は第1実施形態と同じである。座堀溝15の構成は図4に示す前記木質梁材Bの接合端面14に形成したものと同じである。この実施形態の場合には、嵌め込み溝10の端部と座堀溝15の端部が角部で共有しているために角部が欠けた状態になる。又、第2実施形態の木質梁材Bは接続端面14の座堀溝15をなくしたこと以外は第1実施形態と同じである。
以上の第2実施形態の木造梁端接合金物1を第2実施形態の木質系横架材Aの片側面に木質梁材Bを接合して図10〜図12に示す木造梁端接合構造を構築する例について説明する。まず、木質系横架材Aの水平板2を嵌め込み溝10に嵌め込み垂直板3を座堀溝15に収納するように木質梁材Bを木質系横架材Aに被せてから、係止具18を係止用穴4を通じて木質系横架材Aの上面に打ち込んで固定する。この時、垂直板3はその両側と下側を全て木質系横架材Aの部材で囲まれ上側は水平板2と連結されて木質系横架材Aの上面と同一面となっている。その他の接合は第1実施形態と同じであるので説明を省略する。
第3実施形態及び第4実施形態の木造梁端接合金物1は、図13、図14に示すように、垂直板3に固定する接合具6が1つの場合である。図13に示す木造梁端接合金物1は、水平板2の略中央に円形の接続ポール差込穴5に代えて円柱状の接続ポール19を固定したものである。その他の構成は、第2実施形態と同じである。又、図14に示す木造梁端接合金物1は、図6と接合具6の数が異なる以外は同じ構成である。これら2つの実施形態の木造梁端接合金物1は接合具6の本数が少ない分だけ支える荷重が軽いものになる。
第3実施形態の木質系横架材Aを図15、第3実施形態の木質梁材Bを図16に基づき、それぞれ前記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、異なる個所のみを説明する。図15に示す第3実施形態の木質系横架材Aは、嵌入隙間13が1つであることが異なるのみで他の構成は同じである。又、図16に示す第3実施形態の木質梁材Bは、接合穴16が1つであることが異なるのみで他の構成は同じである。
このような第3実施形態の木造梁端接合金物1、木質系横架材A及び木質梁材Bによる木造梁端接合構造も第1実施形態と同じようにして構築するのでその説明を省略する。
図17は第5実施形態の木造梁端接合金物1を示し、図1に示す第1実施形態と異なるところは半円の接続ポール差込穴5をなくした点である。この実施形態は接続ポール11を使用しない木造梁端接合構造において使用する。図18に示す木質系横架材Aの第4実施形態が図8に示す第2実施形態と異なるところは、座堀溝15を木質系横架材Aの両側面に設けたことである。このような第5実施形態の木造梁端接合金物1と木質系横架材A及び図9に示す第2実施形態の木質梁材Bを用いて構築した木造梁端接合構造を図19乃至図21に示す。
上記のようにして構築したすべての木造梁端接合構造において、木造梁端接合金物1は座堀溝15の内部に収納されているために両側面と下側は木質梁材Bの側面及び下面の内側にあることから、図22に示すように、下方から見上げた場合には木造梁端接合金物1及び木質系横架材Aや木質梁材Bに形成した溝が全く見えないので、室内の美観を向上することが出来る。特にあらわし梁材には好適に使用できる。
この発明の木造梁端接合金物及びこの金物を使用した木造梁端接合構造は、高級感を求められる多くの木造住宅に有用に利用される。
1 木造梁端接合金物
2 水平板
3 垂直板
4 係止用穴
5 接続ポール差込穴
6 接合具
7 ボルト穴
8 係止ボルト
9 補強板
10 嵌め込み溝
11 接続ポール
12 穴部
13 嵌込隙間
14 接合溝面
15 座堀溝
16 接合穴
17 係止ボルト穴
18 係止具
19 接続ポール
A 木質系横架材
B 木質梁材