JP2018155291A - スプライン嵌合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】組み付け作業の容易化を図りつつ、スプライン嵌合部のガタつきを抑制しつつ、スプライン嵌合体及びスプライン嵌合体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明のスプライン嵌合体は、軸スプライン9aが形成された軸部材8と、孔スプライン11が形成された軸筒部材10と、を備え、軸スプライン歯20のそれぞれは、軸方向に延在する第1歯21と、第1歯21と軸方向に離間する第2歯22を備え、第1歯21と第2歯22は、位相が異なっており、第1歯21は周方向一方に位置する孔スプライン11の孔スプライン歯12に当接し、第2歯22は周方向他方に位置する孔スプライン歯12に当接し、軸部材8は、複数の第1歯21が形成された第1軸部31と、複数の第2歯22が形成された第2軸部32と、第1軸部31と第2軸部32との間に介在し、捩じれ変形可能な捩じれ部33と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、スプライン嵌合体に関する。
車体前側に原動機を搭載する後輪駆動車又は四輪駆動車は、車体前側に搭載された変速装置から車体後側に搭載された減速機に動力を伝達するため、推進軸を備えている。
一般に、変速装置と終減速装置との距離が一定でなく、かつ、変速装置の出力軸と終減速装置の入力軸との回転中心が同軸上にない。このため、推進軸は、例えば十字軸継手などの自在継手を介して、変速装置や終減速装置に連結している。
また、推進軸を構成する鋼管が一定の長さを超えると共振点が低くなる。よって、これを防止すべく、鋼管を二つに分割し、その二つの鋼管を自在継手で連結している。
ところで、近年の車両は、前方から衝突された場合、エンジンルーム内のエンジン、変速装置を速やかに後退させ、エンジンルームを含む車体(ボディ)の圧縮変形により衝突エネルギーを吸収するようになっている。
上記理由から、推進軸等は、エンジン等の後退を妨げる「つっかい棒」とならないようにするため、前後方向からの衝突荷重を受けて短縮するようになっている。
例えば特許文献1では、推進軸の前端に設けられたスリーブ(軸筒部材)と、スリーブに内嵌されたヨーク(軸部材)と、がスプライン嵌合体を構成し、短縮するようになっている。具体的に説明すると、スリーブに孔スプラインが形成され、ヨークに軸スプラインが形成されている。そして、孔スプラインと軸スプラインとがスプライン嵌合し、スリーブとヨークとが軸方向にスライド自在(短縮自在)に連結している。
また、特許文献1では、スプライン嵌合体が短縮する場合の衝突荷重を所定値以上に設定するため、スリーブの後端部を加締めして、ヨークの後退を規制する加締め部を形成している。
特許第3722617公報
ここで、加工誤差、熱処理による変形などの要因により、軸スプラインを構成する軸スプライン歯と、孔スプラインを構成する孔スプライン歯との間に、周方向の隙間が生じることがある。
このような隙間は、車両が前進する高速回転時において、振動や騒音が生じる原因となる。よって、従来は、高速回転時に振動や騒音が生じないようにするため、軸スプライン歯に微小な捩じれ角を付与し、その軸スプライン歯を孔スプラン歯間に圧入している。
しかしながら、捩じれ角の付与により減少できる軸スプラインと孔スプラインの周方向の隙間が、上記した要因(加工誤差、熱処理による変形など)により、負の隙間となって周方向に締め代を生じさせることがある。このため、組み付け時の圧入荷重が増加し、組み付け作業が困難となった。
本発明は、このような課題を解決するために創作されたものであり、組み付け作業の容易化を図りつつ、高速回転時の不快な振動や騒音の発生することを防止することができるスプライン嵌合体及びスプライン嵌合体の製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明に係るスプライン嵌合体は、軸スプラインが外周面に形成された軸部材と、前記軸スプラインとスプライン嵌合する孔スプラインが内周面に形成された軸筒部材と、を備えたスプライン嵌合体であって、前記軸スプラインを構成する軸スプライン歯のそれぞれは、軸方向に延在する第1歯と、前記第1歯と軸方向に離間しつつ、前記第1歯よりも軸方向の長さが短い第2歯と、を備え、前記第1歯と前記第2歯は、位相が異なっており、前記第1歯は、周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接し、前記第2歯は、周方向他方に位置する前記孔スプライン歯に当接し、前記軸部材は、複数の前記第1歯が形成された第1軸部と、複数の前記第2歯が形成された第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との間に介在し、軸回りに捩じれ変形可能な捩じれ部と、を備えることを特徴とする。
前記発明によれば、第1軸部を孔スプライン歯間に挿入した後、第1歯と第2歯の位相差が減少するように、捩じれ部を捩じる。つぎに、第2歯を孔スプライン歯間に挿入する。つぎに、捩じれ部の捩じりを解除することで、捩じれ部の弾性復元力により、第2歯が周方向他方側に移動し、周方向他方側の孔スプライン歯に当接する。
以上から、軸部材の圧入作業を回避することができ、組み付け作業の容易化を図れる。また、前記構成によれば、スプラインの周方向の隙間を効果的に抑えているため、高回転時の不快な振動や騒音の発生を防止することができる。
また、前記発明において、前記第1歯に捩じれ角が付与されていることが好ましい。
前記構成によれば、第1歯と孔スプライン歯とがより強く圧着し、第1歯と孔スプライン歯との間に隙間が生じ難くなるため、高速回転時の振動や騒音がさらに生じ難くなる。
また、前記発明において、前記捩じれ部の外径は、前記第1軸部の外径及び前記第2軸部の外径よりも小径に形成されていてもよく、又は、前記捩じれ部の内部が肉抜きされていてもよい。
前記構成によれば、捩じれ部の軸回りの剛性が低くなり、変形し(捩じれ)易くなる。よって、組み付け作業の容易化をさらに図れる。
また、前記発明において、前記軸部材の端面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用孔部が形成されていてもよい。
又は、前記発明において、前記軸筒部材の外周面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用係止面が形成されていてもよい。
若しくは、前記軸部材の外周面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用係止面が形成されていてもよい。
なお、前記する治具は、前記第1歯を挿入後に前記第2歯を前記孔スプライン内に挿入する際に前記捩じれ部を捩じるための治具を係合するものである。
よって、前記構成によれば、捩じれ部を捩じる作業を容易とすることができる。
前記構成によれば、捩じれ部を捩じる作業を容易にすることができる。
また、前記課題を解決するため、本発明に係るスプライン嵌合体の製造方法は、軸スプラインが外周面に形成された軸部材と、前記軸スプラインとスプライン嵌合する孔スプラインが内周面に形成された軸筒部材と、を備え、前記軸スプラインを構成する軸スプライン歯のそれぞれは、第1歯と、前記第1歯と軸方向に離間する第2歯と、を備え、前記第1歯と前記第2歯は、位相が異なっており、複数の前記第1歯が形成された第1軸部と、複数の前記第2歯が形成された第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との間に介在し、軸回りに捩じれ変形可能な捩じれ部と、を備えたスプライン嵌合体の製造方法であって前記第1軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、前記捩じれ部を周方向一方へ捩じり、前記第1歯を周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接させるとともに、前記第2歯を周方向一方に変位させる工程と、前記第2軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、を有していることを特徴とする。
前記発明によれば、第1軸部を孔スプライン歯間に挿入した後、第1歯と第2歯の位相差が減少するように、捩じれ部を捩じる。つぎに、第2歯を孔スプライン歯間に挿入する。つぎに、捩じれ部の捩じりを解除することで、捩じれ部の弾性復元力により、第2歯が周方向他方側に移動し、周方向他方側の孔スプライン歯に当接する。
以上から、軸部材の圧入作業を回避することができ、組み付け作業の容易化を図れる。また、前記構成によれば、軸スプラインと孔スプライン間の周方向の隙間を効果的に抑えているため、高回転時の不快な振動や騒音の発生を防止することができる。
本発明によれば、組み付け作業の容易化を図りつつ、高速回転時の不快な振動や騒音の発生することを防止することができるスプライン嵌合体及びスプライン嵌合体の製造方法を提供することができる。
第1実施形態のスプライン嵌合体が適用された十字軸ジョイント及び推進軸を示す断面図である。 (a)は図1のIIA−IIA線矢視断面図であり、(b)は図1のIIIB−IIIB線矢視断面図である。 (a)は組み付け前の軸部材を回転軸Oに沿って切った断面図であり、(b)は組み付け前の軸部材を後方から視た背面図である。 組み付け前のスリーブを前方から視た正面図である。 (a)はスリーブ内に軸部材を挿入する過程を示す図であり、(b)は孔スプライン歯間に軸スプライン歯の第1歯のみを挿入した状態を示す図であり、(c)は孔スプライン歯間に軸スプライン歯の第1歯と第2歯を挿入した状態を示す図である。 (a)は図5(b)のVIA−VIA線矢視断面図であり、(b)は図6(a)の状態から軸部材の後部に回動荷重を加えた状態を示す断面図であり、(c)は図5(c)のVIC−VIC線矢視断面図である。を示す図である。 (a)は軸部材が正回転した場合における軸スプラインと孔スプラインとの係合状態を示す断面図であり、(b)は軸部材が逆回転した場合における軸スプラインと孔スプラインとの係合状態を示す断面図である。 第2実施形態のスプライン嵌合体が適用された十字軸ジョイント及び推進軸を示す断面図である。 (a)は組み付け前の軸部材を回転軸Oに沿って切った断面図であり、(b)は図8のIXB−IXB線矢視断面図である。 (a)は図8のXA−XA線矢視断面図であり、(b)は図9のXB−XB線矢視断面図である。 (a)は軸部材が正回転した場合における軸スプラインと孔スプラインとの係合状態を示す断面図であり、(b)は軸部材が逆回転した場合における軸スプラインと孔スプラインとの係合状態を示す断面図である。 軸部材に形成された軸スプラインの一部を拡大した図である。
本発明の第1実施形態及び第2実施形態について適宜図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、車両は、推進方向(前後方向)に延在する推進軸1と、その推進軸1の前端に連結された十字軸ジョイント2と、を備えている。
(推進軸)
推進軸1は、車体前側に搭載されたエンジン(不図示)から出力された動力を、車体後側に搭載された終減速装置(不図示)に伝達させる軸であり、前後方向に延在している。
推進軸1は、中間部分で分割された2つの円筒状の鋼管(図1において前側の鋼管3のみ図示)により構成され、2ピース構造になっている。
前側の鋼管3と後側の鋼管とは、図示しない等速ジョイントにより連結されている。
前側の鋼管3の前端には、十字軸ジョイント2と鋼管3とを連結するスリーブ10が設けられている。なお、以下の説明において、前側の鋼管3を単に「鋼管3」という。
(スリーブ)
スリーブ10は、略円筒状の部材であり、後端部10aが鋼管3の前端と摩擦圧接により接合している。スリーブ10の内部には、孔スプライン11と、周方向に延在する周溝16と、が形成されている。周溝16には、軸方向から視て略C字状のスナップリング17が嵌め込まれている。
(十字軸ジョイント)
十字軸ジョイント2は、変速装置の出力軸(不図示)と連結するフランジヨーク4と、スリーブ10と連結するスタブヨーク5と、フランジヨーク4とスタブヨーク5を連結する十字軸6と、を備えている。
スタブヨーク5は、二又に分かれて十字軸6を回転自在に支持するヨーク部7と、前後方向に延在する円筒部7aと、を備えている。
ヨーク部7の円筒部7aには、前後方向に貫通する組み付け孔7bが形成されている。この組み付け孔7b内には、孔スプライン7cが形成され、軸部材8がスプライン嵌合している。
軸部材8の前部には、孔スプライン7cとスプライン嵌合する軸スプライン8aが形成されている。このため、ヨーク部7と軸部材8は相対回転不能に連結している。
軸部材8には、ヨーク部7の後面に当接するフランジ8bが形成されている。
軸部材8の前端面には、組み付け孔7bから前方に突出する雄ねじ部8cが形成されている。
雄ねじ部8cには、ヨーク部7の基部7aを後方のフランジ8bに向って締め付けるナットNが螺合している。このため、スタブヨーク5は、軸部材8に前後動しないように固定されている。
(後軸部)
軸部材8の後部(以下、後軸部9と称する)は、スリーブ10内に嵌め込まれている。
後軸部9には、スリーブ10の孔スプライン11とスプライン嵌合する軸スプライン9aが形成されている。このため、スリーブ10と軸部材8とは、相対回転不能に連結している。
後軸部9の後端には、スリーブ10内の段差面18に当接するフランジ9bが形成されている。よって、軸部材8は、スリーブ10に対し前方へ移動しないようになっている。
後軸部9の後端面は、スリーブ10内のスナップリング17に当接している。このため、軸部材8に作用する衝突荷重がスナップリング17を破断できる荷重以上の場合、軸部材8は、スナップリング17を破断して後方へ移動するようになっている。
スリーブ10の前側開口部内には、Oリング9cが設けられている。よって、軸スプライン9aと孔スプライン11との隙間に泥水等が浸入しないようになっている。
つぎに、本発明のスプライン嵌合体が適用された後軸部9とスリーブ10の詳細を説明する。
(スプライン嵌合体)
図2(a)に示すように、孔スプライン11は、周方向に離間して配置される複数の孔スプライン歯12により構成されている。
孔スプライン歯12は、後方から視て回転軸Oを中心に左回り方向を向く左歯面13と、右回り方向を向く右歯面14とを有している。
そして、車両が前進する場合には、孔スプライン歯12の右歯面14が後述する軸スプライン歯20の第1歯21の歯面21aに押圧される。よって、図2(a)の矢印Aで示すように、スリーブ10が左回りに回転する。
一方で、車両が後退する場合には、孔スプライン歯12の左歯面13が軸スプライン歯20の第1歯21の歯面21bに押圧され、図2(a)の矢印Bで示すようにスリーブ10が右回りに回転する。
以下、矢印Aが指す方向を正回転方向と称し、矢印Bが指す方向を逆回転方向と称する。
図2(a)に示すように、軸スプライン9aは、周方向に互いに離間して配置される複数の軸スプライン歯20により構成されている。
図3(a)に示すように、軸スプライン歯20のそれぞれは、前側と後側に分割されており、前側に位置する第1歯21と、後側に位置する第2歯22と、を備えている。
第1歯21は、軸方向に延びており、駆動力を孔スプライン11に伝達するための歯である。よって、第1歯21の軸方向の長さは、従来の軸スプライン歯と略同等に形成されており、軸方向に長い。一方で、第2歯22は、軸方向に延びているものの、第1歯21よりも軸方向の長さが短く、剛性が低い。
図2(a)に示すように、第1歯21と第2歯22とは、軸方向から視た歯形が同一に形成されている。
また、第1歯21は、第2歯22よりも正回転方向に位置し、第1歯21と第2歯22との位相差がθ1となっている。つまり、第1歯21と第2歯22は、位相が異なった状態でスプライン嵌合している。
第1歯21の左歯面21aは、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち、正回転方向に位置する孔スプライン歯12の右歯面14に当接している。
なお、第1歯21の右歯面21bは、孔スプライン歯12に当接していない。
一方で、第2歯22の右歯面22bは、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち、逆回転方向に位置する孔スプライン歯12の左歯面13に当接している。
なお、第2歯22の左歯面22aは、孔スプライン歯12に当接していない。
図3(a)に示すように、第1歯21と第2歯22とは、前後方向に離間している。このため、後軸部9において、軸スプライン歯20が形成されていない部位が生じている。
なお、後軸部9において、第1歯21が形成された部分を第1軸部31と称し、第2歯22が形成された部分を第2軸部32と称し、軸スプライン歯20が形成されていない部位を捩じれ部33と称する。
捩じれ部33は、軸スプライン歯20が形成されていないため、第1軸部31と第2軸部32よりも捩じれ荷重に対する強度が小さい。このため、例えば、第1軸部31を正回転方向に回転させる一方で、第2軸部32を逆回転方向に回転させるような負荷をかけると、捩じれ部33が捩じれるようになっている。
また、本実施形態の軸部材8は、機械構造用炭素鋼で形成されており、弾性復元力を有している。このため、捩じれ部33も弾性復元力を有している。
また、後軸部9の後端面には、前方に向って肉抜き孔9dが形成され、捩じれ部33の内部が肉抜きされている。さらに、捩じれ部33の外周面には、切り欠き9eが設けられ、捩じれ部33の外径は、第1軸部31、第2軸部32よりも小径となっている。このため、捩じれ33部は、捩じれ荷重に対する強度が更に低減し、捩じれ易くなっている。
また、捩じれ部33に捩じれ荷重をかけるために、治具用孔9f(図3参照)と、一対の係止面19,19(図4参照)と、が形成されている。
図3に示すように、治具用孔9fは、軸部材8の後端面に形成された孔であり、肉抜き孔9dよりも拡径しており、後方から視て正六角形状(図3(b)参照)に形成されている。これによれば、外径が正六角形状の棒状部材などの治具を治具用孔9fに挿入し、後軸部9の後部(第2軸部32)側に、回転軸O周りの荷重をかけることが容易となる。
図4に示すように、一対の係止面19,19は、スリーブ10の外周面であって対向する平面である。これによれば、一対の係止面19,19を挟持可能なレンチ等の固定用治具を装着し、スリーブ10を固定することが容易となる。
ここで、図2(b)に示すように、軸部材8をスリーブ10に組み付ける前において、第1歯21と第2歯22との位相差はθ2となっており、組み付け後の位相差θ1よりも大きい。つまり、組み付け前における第1歯21と第2歯22とが占める周方向の長さSは、組み付け後よりも大きく、孔スプライン11に対し軸スプライン9aをそのまま圧入できない形状となっている。
以下において、孔スプライン11に軸スプライン9aをスプライン嵌合させる工程を含む、スタブヨーク5とスリーブ10と鋼管3との組み立て工程について説明する。
(組み立て)
最初に、軸部材8とスリーブ10との連結を行う。
図5(a)に示すように、スリーブ10の後方に軸部材8の前部を向けて配置し、スリーブ10の後開口部内に軸部材8を挿入する。
図5(b)に示すように、スリーブ10の孔スプライン歯12間に、軸スプライン9aの第1歯21のみを挿入する。
なお、この状態において、図6(a)に示すように、第1歯21と第2歯22との位相差はθ2となっている。
つぎに、スリーブ10の一対の係止面19,19(図4参照)に治具を装着してスリーブ10を固定する。さらに、軸部材8の治具用孔9fに治具を装着し、第2軸部32を正回転方向へ回動させる。
これによれば、後軸部9の第1軸部31は、第1歯21が孔スプライン歯12に係合(当接)し、回転しない(図6(b)参照)。また。回転しない第1軸部31と回転荷重が作用する第2軸部32との間に介在する捩じれ部33が捩じれ、第2軸部32が正回転方向に回動する。
この結果、図6(b)に示すように、第1歯21と第2は22との位相差が小さくなる。なお、捩じれ部33の捩じれ量は、第1歯21と第2歯22との位相差がθ1未満となる程度に行う必要がある。
つぎに、捩じれ部33が捩じれた状態を保持しながら、軸部材8をさらに挿入する。ここで、第1歯21と第2歯22との位相差はθ1未満となっているため、第2歯22の右歯面22bは、孔スプライン歯12の左歯面13に接触しない。よって、圧入することなく容易に第2歯22を孔スプライン歯12間に挿入できる。
また、軸部材8の挿入は、図5(c)に示すように、軸部材8のフランジ9bがスリーブ10内の段差面18に当接するまで行う。これにより、第2歯22の挿入が完了する。
つぎに、治具を外して後軸部9に作用する負荷を解除する。
これによれば、捩じれ部33が弾性復元力を発揮し、第2軸部32が逆回転方向に回動する。このため、図6(c)に示すように、第2歯22は、逆回転方向に移動し、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち逆回転方向に位置する孔スプライン歯12に当接する。
ここで、第2歯22が孔スプライン歯12に当接している状態において、第1歯21と第2歯22との位相差はθ1であり、捩じれ部33には(θ2−θ1)分だけ捩じれが残った状態となる。このため、組み付け後の捩じれ部33は、第1歯21と第2歯22とが周方向に離間させるような弾性復元力を発揮している。
この結果、第1歯21は、正回転方向に位置する孔スプライン歯12に押圧され(図6(c)の矢印A1参照)、第2歯22は、逆回転方向に位置する孔スプライン歯12に押圧される(図6(c)の矢印B1参照)。
つぎに、軸部材8の前端からOリング9cを挿通させ、スリーブ10と軸部材8との間にOリング9cを組み付ける(図1参照)。また、スリーブ10の後側開口部からスナップリング17を挿入し、スリーブ10内にスナップリング17を組み付ける(図1参照)。
つぎに、スリーブ10と鋼管3とを摩擦圧接により接合する。
つぎに、軸部材8の前部をヨーク部7の組み付け孔7b内に挿入するとともに、軸部材8の雄ねじ部8cにナットNで締結し、軸部材8とヨーク部7とを連結する。
以上が、スタブヨーク5とスリーブ10と鋼管3との組み付け工程である。
(車両の駆動時)
つぎに、図7を参照しながら、軸部材8からスリーブ10への動力伝達状態について説明する。
車両の前進時、軸部材8が正回転方向に回転するため、軸スプライン歯20の第1歯21及び第2歯22が正回転方向に移動する。
このため、図7(a)の矢印A2に示すように、第1歯21は当接する孔スプライン歯12の右歯面14を正回転方向に押圧し、スリーブ10が正回転方向に回転する。
また、捩じれ部33の弾性復元力により、第1歯21は、孔スプライン歯12の右歯面14に押圧されて隙間が生じないようになっている。このため、振動や騒音の発生が抑えられている。
一方で、車両の後退時、軸部材8が逆回転方向に回転するため、軸スプライン歯20の第1歯21及び第2歯22が逆回転方向に移動する。
さらに、軸部材8が回動すると、捩じれ部33が捩じれ、図7(b)に示すように、第1歯21の右歯面21bが逆回転方向に位置する孔スプライン歯12の左歯面13に当接する。
そして、さらに軸部材8が回動すると、第1歯21が孔スプライン歯12を逆回転方向に押圧し、スリーブ10が逆回転方向に回転する。
なお、軸部材8の逆回転、第1歯21と押圧される孔スプライン歯12との間には隙間が形成されているものの、車両の後退時における軸部材8等の回転は低速回転であるため、振動や騒音が生じるおそれがない。
(車両の衝突時)
つぎに、車両が前方から衝突された場合について説明する。
前方からの衝突により、軸部材8に後方に向う衝突荷重が作用する。そして、軸部材8がスナップリング17を破断した場合、軸部材8は、スリーブ10内を後退して鋼管3に移動する。
ここで、軸部材8とスリーブ10とはスプライン嵌合しているものの、孔スプライン歯12に第1歯21と第2歯22とを押し付ける力(図6(c)の矢印A1,B1参照)は、捩じれ部33の弾性復元力であって比較的小さな力である。よって、軸部材8に作用する衝突荷重が小さくても軸部材8が後退する。
また、軸スプライン歯20の第2歯22がスリーブ10の孔スプライン歯12間から脱落すると、軸スプライン9aと孔スプライン11とのスプライン嵌合が解除される。このため、軸部材8は、速やかに後退して鋼管3内に進入する。この結果、十字軸ジョイント2及び推進軸1における前後方向の長さが短縮する。
以上、第1実施形態によれば、軸部材8(捩じれ部33)を捩じることで軸部材8とスリーブ10とを組み合わせることができる。よって、従来行われてきた圧入作業を回避でき、組み付け作業の容易化を図ることができる。
以上、第1実施形態について説明したが、本発明は実施形態で説明した例に限定されない。
第1実施形態では、軸スプライン9aと孔スプライン11との隙間に泥水等が浸入することを防止するためにOリング9cを用いているが、代わりに、シール剤を充填してもよい。または、ブーツ状部材又は熱収縮シートにより、スリーブ10の前開口部を覆ってもよい。
また、第1実施形態のスタブヨーク5は、ヨーク部7と軸部材8とが分離可能なものであって、軸部材8をスリーブ10の後方から組み付けた例を挙げたが、本発明は、ヨーク部7と軸部材8とが一体なスタブヨーク105を用いてもよい。以下、スタブヨーク105を用いた第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態の説明では、第1実施形態との相違点のみを説明する。また、第1実施形態で説明した構成と同じ構成には、同一の符号を付している。
(第2実施形態)
図8に示すように、第2実施形態のスタブヨーク105は、十字軸6を回転自在に支持するヨーク部107と、ヨーク部107から後方に延びる軸部108と、を備えている。
軸部108の後部である後軸部109には、スリーブ10の孔スプライン11とスプライン嵌合する軸スプライン109aが形成されている。
図9に示すように、軸スプライン109aは、周方向に離間する複数の軸スプライン歯120を有している。
また、軸スプライン歯120のそれぞれは、前側に位置する第2歯122と、第2歯122に対して後方に離間して配置される第1歯121と、を備えている。
なお、後軸部109において、第1歯121が形成された部分を第1軸部131と称し、第2歯22が形成された部分を第2軸部132と称し、軸スプライン歯120が形成されていない部位を捩じれ部133と称する。
捩じれ部133は、軸スプライン歯120が形成されていないため、第1軸部131と第2軸部132よりも捩じれ荷重に対する強度が小さい。
また、捩じれ部133には、肉抜き孔109dと、外周面に設けられた切り欠き109eとが形成されており、捩じれ荷重に対する強度が更に低減している。
図10(a)に示すように、第1歯121は、第2歯122よりも正回転方向に位置し、第1歯121と第2歯122との位相差がθ3となっている。
また、第1歯121は、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち、正回転方向に位置する孔スプライン歯12の右歯面14に当接している。
一方で、第2歯122は、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち、逆回転方向に位置する孔スプライン歯12の左歯面13に当接している。
図10(b)に示すように、軸部108をスリーブ10に組み付ける前において、第1歯121と第2歯122との位相差はθ4となっており、組み付け後の位相差θ3よりも大きく形成されている。
つまり、第2実施形態においても、捩じれ部133は、捩じれた状態で組み付けられ、弾性復元力を有している。
このため、第1歯121は、正回転方向に位置する孔スプライン歯12に押圧され(図10(a)の矢印A3参照)、第2歯122は、逆回転方向に位置する孔スプライン歯12に押圧される(図10(a)の矢印B3参照)。
そのほか、第1実施形態の軸部材8には治具用孔9fが形成されていたが(図3(b)参照)、代わりに、第2実施形態ではヨーク部107の基部107aに治具を装着できるようになっている。
詳細に説明すると、図9(b)に示すように、ヨーク部107の基部107aは、断面形状が正六角形状となっており、レンチ等の治具によりヨーク部107及び軸部108を回動できるようになっている。
(組み立て)
つぎに、スタブヨーク105とスリーブ10と鋼管3とを組み立てる工程について説明する。
最初にスリーブ10内にスナップリング17を組み付け、その後にスリーブ10の後端と鋼管3の前端とを摩擦圧接により接合する。
つぎに、スリーブ10の前開口部からスリーブ10内にスタブヨーク105の軸部108を挿入する。また、スリーブ10の孔スプライン歯12間に、軸スプライン109aの第1歯121のみを挿入する。
つぎに、スリーブ10の一対の係止面19,19(図4参照)に治具を装着してスリーブ10が回動しないように固定する。これによれば、第1歯121が孔スプライン歯12に係合し、後軸部109の第1軸部131が回動しない。
一方で、基部107aの外周面107bに治具を装着し、スタブヨーク105を正回転方向に回動させ、後軸部109の第2軸部132を回動させる。
これにより、捩じれ部133が捩じれて第1歯121と第2歯122との位相差が小さくなり、第2歯122を孔スプライン歯12間に挿入できるようになる。
つぎに、捩じれ部133が捩じれた状態を保持しながら、スタブヨーク105をさらに挿入し、後軸部109の後端面をスナップリング17に当接させる。
つぎに、治具を外して軸部108に作用する負荷を解除する。これによれば、捻じれ部133が弾性復元力を発揮し、第2軸部132が逆回転方向に回動する。この結果、図10(a)に示すように、第2歯122は、逆回転方向に移動し、周方向に隣り合う2つの孔スプライン歯12,12のうち逆回転方向に位置する孔スプライン歯12に当接する。
つぎに、スリーブ10の前開口部とスタブヨーク105の後軸部109との間に、シール剤を充填し、軸スプライン109aと孔スプライン11との間に泥水等が浸入しないようにする。
以上がスタブヨーク5とスリーブ10と鋼管3との組み付け工程である。
(車両の駆動時)
つぎに、図11を参照しながら、スタブヨーク105からスリーブ10への動力伝達状態について説明する。
車両の前進時、スタブヨーク105が正回転方向に回転するため、軸スプライン120の第1歯121及び第2歯122が正回転方向に移動する。
このため、図11(a)の矢印A4に示すように、第1歯121は当接する孔スプライン歯12の右歯面14を正回転方向に押圧し、スリーブ10が正回転方向に回転する。
また、捩じれ部133の弾性復元力により、第1歯121は、孔スプライン歯12の右歯面14に押圧されて隙間が生じないようになっている。このため、振動や騒音の発生を抑えることができる。
なお、捩じれ部133は、第1歯121が孔スプライン歯12の右歯面14に押圧する際の反力に対抗できる弾性復元力を有するように設定されている。
一方で、車両の後退時、スタブヨーク105が逆回転方向に回転するため、軸スプライン120の第1歯121が逆回転方向に移動する。
車両の前進時は、捩じれ部133の弾性復元力により第1歯121はA4方向に押圧されるが、後退時は捩じれ部133がさらに捩じられることで第1歯121はB4方向に移動することが可能となる。
(車両の衝突時)
つぎに、車両が前方から衝突された場合を簡単に説明する。
第2実施形態において、スタブヨーク105の軸部108とスリーブ10とはスプライン嵌合しているものの、孔スプライン歯12に第1歯121と第2歯122とを押し付ける力(図10(a)の矢印A3,B3参照)は、捩じれ部133の弾性復元力であってスナップリング17を破断するのに要する荷重に対して極めて小さい。よって、車両の衝突時に推進軸の短縮に影響しない。
また、軸スプライン歯120の第1歯121がスリーブ10の孔スプライン歯12間から脱落すると、軸スプライン109aと孔スプライン11とのスプライン嵌合が解除される。このため、軸部108は、速やかに後退して鋼管3内に進入する。この結果、十字軸ジョイント2及び推進軸1における前後方向の長さが短縮する。
以上、第2実施形態によっても、従来行われてきた圧入作業を回避でき、組み付け作業の容易化を図ることができる。また、小さな衝突荷重でも軸部108が後退するため、車両の衝突時にスプライン嵌合体を確実に短縮することができる。
以上、第2実施形態について説明したが、変形例としては、スタブヨーク105の後軸部109に形成される軸スプライン109aに関し、第1歯121を前側に配置し、第2歯122を後側に配置してもよい。
なお、第1実施形態、第2実施形態において、第1歯21,121は、軸方向に直線状に形成されているが、本発明は、図12に示すように、第1歯221に捩じり角(リード角)θ5が付与されたヘリカルスプラインであってもよい。
1 推進軸
2 十字軸ジョイント
3 鋼管
5,105 スタブヨーク
7 ヨーク部
8 軸部材
9,109 後軸部
9a,109a 軸スプライン
9d 肉抜き孔
9f 治具用孔
10 スリーブ(軸筒部材)
11 孔スプライン
12 孔スプライン歯
20,120 軸スプライン歯
21,121 第1歯
22,122 第2歯
31,131 第1軸部
32,132 第2軸部
33,133 捩じれ部
前記課題を解決するため、本発明に係るスプライン嵌合体は、軸スプラインが外周面に形成された軸部材と、前記軸スプラインとスプライン嵌合する孔スプラインが内周面に形成された軸筒部材と、を備えたスプライン嵌合体であって、前記軸スプラインを構成する軸スプライン歯のそれぞれは、軸方向に延在する第1歯と、前記第1歯と軸方向に離間しつつ、前記第1歯よりも軸方向の長さが短い第2歯と、を備え、前記第1歯と前記第2歯は、位相が異なっており、前記第1歯は、周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接し、前記第2歯は、周方向他方に位置する前記孔スプライン歯に当接し、前記軸部材は、複数の前記第1歯が形成された第1軸部と、複数の前記第2歯が形成された第2軸部と、前記第1軸部と前記第2軸部との間に介在し、軸回りに捩じれ変形可能な捩じれ部と、を備え、前記第1軸部と前記第2軸部と前記捩じれ部とは、同一材料から一体形成され、前記スプライン嵌合している状態で前記捩じれ部が弾性復元力を発揮しており、前記弾性復元力により、前記第1歯が周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に押圧されるとともに、前記第2歯が周方向他方に位置する前記孔スプライン歯に押圧されていることを特徴とする。
また、前記発明において、前記捩じれ部の外径は、前記第1軸部の外径及び前記第2軸部の外径よりも小径に形成されていてもよく、又は、前記捩じれ部は、内部が肉抜きされて筒状を呈していてもよい。
また、前記発明において、前記軸部材の端面には、軸回りの荷重を前記軸部材に作用させるための治具を装着可能な治具装着用孔部が形成され、前記治具装着用孔部の内周面には、軸方向から視て互いに平行であり前記治具を係合させることができる一対の平面を少なくても1つ以上形成されていてもよい。
又は、前記発明において、前記軸筒部材の外周面には、軸回りの荷重を前記軸筒部材に作用させるための治具を装着可能な治具装着用係止面が形成され、前記治具装着用係止面は、軸方向から視て互いに平行であり前記治具を係合させることができる一対の平面を少なくても1つ以上有していてもよい。
若しくは、前記軸部材の外周面には、軸回りの荷重を前記軸部材に作用させるための治具が装着可能な治具装着用係止面が形成され
前記治具装着用係止面は、軸方向から視て互いに平行であり前記治具を係合させることができる一対の平面を少なくても1つ以上有していてもよい。
なお、前記する治具は、前記第1歯を挿入後に前記第2歯を前記孔スプライン内に挿入する際に前記捩じれ部を捩じるための治具を係合するものである
また、前記課題を解決するため、本発明に係るスプライン嵌合体の製造方法は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のスプライン嵌合体の製造方法であって前記第1軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、前記捩じれ部を周方向一方へ捩じり、前記第1歯を周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接させるとともに、前記第2歯を周方向一方に変位させる工程と、前記第2軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、を有していることを特徴とする。

Claims (8)

  1. 軸スプラインが外周面に形成された軸部材と、前記軸スプラインとスプライン嵌合する孔スプラインが内周面に形成された軸筒部材と、を備えたスプライン嵌合体であって、
    前記軸スプラインを構成する軸スプライン歯のそれぞれは、
    軸方向に延在する第1歯と、
    前記第1歯と軸方向に離間しつつ、前記第1歯よりも軸方向の長さが短い第2歯と、
    を備え、
    前記第1歯と前記第2歯は、位相が異なっており、
    前記第1歯は、周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接し、
    前記第2歯は、周方向他方に位置する前記孔スプライン歯に当接し、
    前記軸部材は、
    複数の前記第1歯が形成された第1軸部と、
    複数の前記第2歯が形成された第2軸部と、
    前記第1軸部と前記第2軸部との間に介在し、軸回りに捩じれ変形可能な捩じれ部と、
    を備えることを特徴とするスプライン嵌合体。
  2. 前記第1歯に捩じれ角が付与されていることを特徴とする請求項1に記載のスプライン嵌合体。
  3. 前記捩じれ部の外径は、前記第1軸部の外径及び前記第2軸部の外径よりも小径に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスプライン嵌合体。
  4. 前記捩じれ部の内部が肉抜きされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のスプライン嵌合体。
  5. 前記軸部材の端面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用孔部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプライン嵌合体。
  6. 前記軸筒部材の外周面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用係止面が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプライン嵌合体。
  7. 前記軸部材の外周面には、少なくとも一対以上の対向面からなる治具装着用係止面が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のスプライン嵌合体。
  8. 軸スプラインが外周面に形成された軸部材と、
    前記軸スプラインとスプライン嵌合する孔スプラインが内周面に形成された軸筒部材と、を備え、
    前記軸スプラインを構成する軸スプライン歯のそれぞれは、第1歯と、前記第1歯と軸方向に離間する第2歯と、を備え、
    前記第1歯と前記第2歯は、位相が異なっており、
    複数の前記第1歯が形成された第1軸部と、
    複数の前記第2歯が形成された第2軸部と、
    前記第1軸部と前記第2軸部との間に介在し、軸回りに捩じれ変形可能な捩じれ部と、を備えたスプライン嵌合体の製造方法であって
    前記第1軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、
    前記捩じれ部を周方向一方へ捩じり、前記第1歯を周方向一方に位置する前記孔スプラインの孔スプライン歯に当接させるとともに、前記第2歯を周方向一方に変位させる工程と、
    前記第2軸部を前記軸筒部材内に挿入する工程と、を有していることを特徴とするスプライン嵌合体の製造方法。
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