JP2018155283A - 変速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】変速装置の動力伝達の向上をするとともに、小型化をすることができる変速装置を提供すること。
【解決手段】変速装置101は、第1回転部材21および第2回転部材22の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材23を有する無段変速機構20と、3つの回転要素同士で同一回転するように隣り合わされた第1遊星歯車機構30Aおよび第2遊星歯車機構40Aと、第2サンギヤ41と連結されたモードA出力軸6と、第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結されたモードB出力軸7と、を備え、入力軸5は第1キャリア33および第2キャリア43と連結され、第1回転部材21は第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結され、第2回転部材22は第1サンギヤ31と連結され、モードA出力軸6は筒状に形成され入力軸5が内部に配置され、モードA出力軸6またはモードB出力軸7から駆動輪11L、11Rに動力を伝達する。
【選択図】図1
【解決手段】変速装置101は、第1回転部材21および第2回転部材22の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材23を有する無段変速機構20と、3つの回転要素同士で同一回転するように隣り合わされた第1遊星歯車機構30Aおよび第2遊星歯車機構40Aと、第2サンギヤ41と連結されたモードA出力軸6と、第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結されたモードB出力軸7と、を備え、入力軸5は第1キャリア33および第2キャリア43と連結され、第1回転部材21は第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結され、第2回転部材22は第1サンギヤ31と連結され、モードA出力軸6は筒状に形成され入力軸5が内部に配置され、モードA出力軸6またはモードB出力軸7から駆動輪11L、11Rに動力を伝達する。
【選択図】図1
Description
本発明は、無段変速機構と遊星歯車機構とを備える変速装置に関する。
従来、この種の変速装置としては、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の図4Aに記載の変速装置において、遊星歯車機構は、無段変速機構と遊星歯車機構を通して出力軸に直接向かう機械的経路との間にある入力シャフトの動力を分割するように構成されている。
この変速装置において、入力軸の動力は、無段変速機構の第1のリングアセンブリ側と、遊星歯車機構のキャリア側とに分割されており、無段変速機構において変速された動力は、第2のリングアセンブリから遊星歯車機構のリングギヤに伝達されている。また、遊星歯車機構のサンギヤに連結された出力ギヤから動力が取り出される。
しかしながら、特許文献1に記載の変速装置において、第2のリングアセンブリから動力を取り出す変速モードだけでなく、第1のリングアセンブリから動力を取り出す変速モードも実現しようとする場合、無段変速機構における遊星歯車機構とは反対側の位置で、第1回転部材の動力を取り出す必要がある。このため、変速装置が軸方向に大型化してしまうという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、変速装置の動力伝達の向上をするとともに、小型化をすることを目的とするものである。
本発明は、駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、第1回転部材と、第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、を備える変速装置であって、第1サンギヤと、前記第1サンギヤの外周に配置される第1リングギヤと、前記第1サンギヤと前記第1リングギヤとに噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤを回転自在に支持する第1キャリアとを有する第1遊星歯車機構と、第2サンギヤと、前記第2サンギヤの外周に配置される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと前記第2リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第2ピニオンギヤを回転自在に支持する第2キャリアとを有する第2遊星歯車機構と、前記第2サンギヤと連結されたモードA出力軸と、前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結されたモードB出力軸と、を備え、前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とが前記入力軸の軸方向に隣り合って配置され、前記第1キャリアは前記第2キャリアと連結され、前記第1リングギヤは前記第2リングギヤと連結され、前記入力軸は前記第1キャリアおよび前記第2キャリアと連結され、前記第1回転部材は前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結され、前記第2回転部材は前記第1サンギヤと連結され、前記モードA出力軸は筒状に形成され前記入力軸が内部に配置され、前記モードA出力軸または前記モードB出力軸から駆動輪に動力を伝達する、ことを特徴とする。
上記の本発明によれば、変速装置の動力伝達の向上をするとともに、小型化をすることができる。
本発明の一実施の形態に係る変速装置は、駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、第1回転部材と、第2回転部材と、第1回転部材および第2回転部材の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、を備える変速装置であって、第1サンギヤと、第1サンギヤの外周に配置される第1リングギヤと、第1サンギヤと第1リングギヤとに噛合う複数の第1ピニオンギヤと、第1ピニオンギヤを回転自在に支持する第1キャリアとを有する第1遊星歯車機構と、第2サンギヤと、第2サンギヤの外周に配置される第2リングギヤと、第2サンギヤと第2リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、第2ピニオンギヤを回転自在に支持する第2キャリアとを有する第2遊星歯車機構と、第2サンギヤと連結されたモードA出力軸と、第1リングギヤおよび第2リングギヤと連結されたモードB出力軸と、を備え、第1遊星歯車機構と第2遊星歯車機構とが入力軸の軸方向に隣り合って配置され、第1キャリアは第2キャリアと連結され、第1リングギヤは第2リングギヤと連結され、入力軸は第1キャリアおよび第2キャリアと連結され、第1回転部材は第1リングギヤおよび第2リングギヤと連結され、第2回転部材は第1サンギヤと連結され、モードA出力軸は筒状に形成され入力軸が内部に配置され、モードA出力軸またはモードB出力軸から駆動輪に動力を伝達する、ことを特徴とする。これにより、本発明の一実施の形態に係る変速装置は、変速装置の動力伝達の向上をするとともに、小型化をすることができる。
以下、本発明に係る変速装置の第1実施例について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施例の変速装置を説明する図である。
まず、構成を説明する。図1において、自動車等の車両1には、駆動源としてのエンジン2と、変速装置101と、ディファレンシャル装置10および左右の駆動輪11L、11Rとが搭載されており、エンジン2の動力が変速装置101で変速された後、駆動輪11L、11Rを駆動して走行する。なお、車両1は、駆動源としてエンジン2に代えてモータを備えていてもよい。
いる。
いる。
車両1は、エンジン2のクランク軸3と変速装置101との間に発進デバイス4を備えている。発進デバイス4は、トルクコンバータやクラッチなどからなり、この発進デバイス4を介してエンジン2の動力がクランク軸3から変速装置101に伝達される。なお、図1、図3、図5は、発進デバイス4が単板式クラッチからなる例を表しているが、発進デバイス4はトルクコンバータであってもよい。
ディファレンシャル装置10は、変速装置101と噛合うファイナルギヤ10Aを備えており、このファイナルギヤ10Aから入力された動力を左右の駆動輪11L、11Rに差動回転可能に伝達する。
変速装置101は、エンジン2の動力が発進デバイス4を介して伝達される入力軸5と、駆動輪11L、11Rに動力を伝達するカウンタ軸8と、無段変速機構20と、シングルピニオン式の第1遊星歯車機構30Aおよび第2遊星歯車機構40Aと、モードA出力軸6と、モードB出力軸7と、を変速機ケース9に備えている。
変速装置101において、入力軸5の延長線上には、発進デバイス4に近い側から順に、第2遊星歯車機構40A、第1遊星歯車機構30A、無段変速機構20が配置されている。
入力軸5はエンジン2のクランク軸3の同一軸線上に配置されている。カウンタ軸8は、入力軸5と平行に配置されている。
モードA出力軸6は筒状に形成されている。モードA出力軸6の内部には入力軸5が配置されている。モードB出力軸7は筒状に形成されている。モードB出力軸7の内部にはモードA出力軸6が配置されている。
言い換えれば、入力軸5の外周側に筒状のモードA出力軸6が同軸で配置されており、このモードA出力軸6の外周側に筒状のモードB出力軸7が同軸で配置されている。
発進デバイス4のエンジン2と反対側には、発進デバイス4に近い側から順に、後退駆動ギヤ55、モード1駆動ギヤ51、モード3駆動ギヤ53、モード2駆動ギヤ52、モード4駆動ギヤ54が配置されている。
後退駆動ギヤ55は、入力軸5に連結されており、入力軸5と一体回転する。モード1駆動ギヤ51およびモード3駆動ギヤ53は、モードA出力軸6に連結されており、モードA出力軸6と一体回転する。モード2駆動ギヤ52およびモード4駆動ギヤ54は、モードB出力軸7に設けられており、モードB出力軸7と一体回転する。
一方、カウンタ軸8には、発進デバイス4に近い側から順に、出力ギヤ8A、後退従動ギヤ65、モード1従動ギヤ61、モード3従動ギヤ63、モード2従動ギヤ62、モード4従動ギヤ64が配置されている。
ここで、モード1からモード4の名称は、有段式変速装置における1速段から4速段に相当する。本実施例では、モード1からモード4の各モードにおいて、変速比が固定されておらず、無段変速機構20によって変速比が無段階に変更される。
本実施例では、入力軸5の動力が無段変速機構20等を通過してモードA出力軸6に伝達される経路をモードA動力伝達経路といい、入力軸5の動力が無段変速機構20等を通過してモードB出力軸7に伝達される経路をモードB動力伝達経路という。モード1とモード3がモードA動力伝達経路を構成し、モード2とモード4がモードB動力伝達経路を構成する。
出力ギヤ8Aは、カウンタ軸8に連結されており、ファイナルギヤ10Aと噛み合っている。
後退従動ギヤ65は、カウンタ軸8に遊転自在に設けられている。後退従動ギヤ65と後退駆動ギヤ55との間には、後退アイドラ軸71に軸支された後退アイドラギヤ72が設けられている。後退アイドラギヤ72は、後退従動ギヤ65と後退駆動ギヤ55とに噛み合っており、後退駆動ギヤ55から伝達された回転を逆転して後退従動ギヤ65に伝達する。
モード1従動ギヤ61は、カウンタ軸8に遊転自在に設けられており、モード1駆動ギヤ51に噛み合っている。モード3従動ギヤ63は、カウンタ軸8に遊転自在に設けられており、モード3駆動ギヤ53に噛み合っている。
モード2従動ギヤ62は、カウンタ軸8に遊転自在に設けられており、モード2駆動ギヤ52に噛み合っている。モード4従動ギヤ64は、カウンタ軸8に遊転自在に設けられており、モード4駆動ギヤ54に噛み合っている。
カウンタ軸8には、発進デバイス4に近い側から順に、後退シフタSR、モード1−3シフタS13、モード2−4シフタS24が設けられている。これらの後退シフタSR、モード1−3シフタS13、モード2−4シフタS24は、平行軸歯車式変速機構におけるスリーブから構成されている。
後退シフタSRは、後退従動ギヤ65に軸方向に隣接して配置されており、カウンタ軸8と一体回転可能、かつ、軸方向に移動可能になっている。
モード1−3シフタS13は、モード1従動ギヤ61とモード3従動ギヤ63の間に配置されており、カウンタ軸8と一体回転可能、かつ、軸方向に移動可能になっている。
モード2−4シフタS24は、モード2従動ギヤ62とモード4従動ギヤ64の間に配置されており、カウンタ軸8と一体回転可能、かつ、軸方向に移動可能になっている。
ドライバまたはアクチュエータによりニュートラルが選択されているときは、後退シフタSR、モード1−3シフタS13、モード2−4シフタS24は、それぞれの中立位置に配置される。この状態では、モード1従動ギヤ61、モード2従動ギヤ62、モード3従動ギヤ63、モード4従動ギヤ64、後退従動ギヤ65はカウンタ軸8に対して遊転している。
モード1からモード4または後退モードの何れかへ選択動作が行われると、選択されたモードに応じたシフトフォークが移動し、選択されたモードの従動ギヤまたは後退従動ギヤ65がカウンタ軸8に連結されるよう、後退シフタSR、モード1−3シフタS13、モード2−4シフタS24の何れかが、噛み合い位置に移動される。
後退モードが選択されると、後退シフタSRが中立位置から噛み合い位置に移動し、後退シフタSRと後退従動ギヤ65とが側面同士で噛み合い、後退従動ギヤ65が後退シフタSRを介してカウンタ軸8と一体回転する。
これにより、入力軸5の動力は、後退駆動ギヤ55、後退アイドラギヤ72、後退従動ギヤ65を経てカウンタ軸8に伝達され、出力ギヤ8Aからファイナルギヤ10Aに伝達される。このとき、カウンタ軸8は車両前進時とは逆方向に回転する。このため、車両1は前進方向とは逆方向の後退方向に走行する。
モード1が選択されると、モード1−3シフタS13が中立位置からモード1従動ギヤ61側の噛み合い位置に移動し、モード1−3シフタS13とモード1従動ギヤ61とが側面同士で噛み合い、モード1従動ギヤ61がモード1−3シフタS13を介してカウンタ軸8と一体回転する。
モード3が選択されると、モード1−3シフタS13が中立位置からモード3従動ギヤ63側の噛み合い位置に移動し、モード1−3シフタS13とモード3従動ギヤ63とが側面同士で噛み合い、モード3従動ギヤ63がモード1−3シフタS13を介してカウンタ軸8と一体回転する。
モード1またはモード3が選択されているとき、モードA出力軸6の動力がモード1従動ギヤ61またはモード3従動ギヤ63を経てカウンタ軸8に伝達され、出力ギヤ8Aからファイナルギヤ10Aに伝達される。このとき、カウンタ軸8が車両前進時の回転方向に回転する。このため、モード1またはモード3に対応する車速域で車両1が前進方向に走行する。
モード2が選択されると、モード2−4シフタS24が中立位置からモード2従動ギヤ62側の噛み合い位置に移動し、モード2−4シフタS24とモード2従動ギヤ62とが側面同士で噛み合い、モード2従動ギヤ62がモード2−4シフタS24を介してカウンタ軸8と一体回転する。
モード4が選択されると、モード2−4シフタS24が中立位置からモード4従動ギヤ64側の噛み合い位置に移動し、モード2−4シフタS24とモード4従動ギヤ64とが側面同士で噛み合い、モード4従動ギヤ64がモード2−4シフタS24を介してカウンタ軸8と一体回転する。
モード2またはモード4が選択されているとき、モードB出力軸7の動力がモード2従動ギヤ62またはモード4従動ギヤ64を経てカウンタ軸8に伝達され、出力ギヤ8Aからファイナルギヤ10Aに伝達される。このとき、カウンタ軸8が車両前進時の回転方向に回転する。このため、モード2またはモード4に対応する車速域で車両1が前進方向に走行する。
変速装置101は、入力軸5からカウンタ軸8を介して駆動輪11L、11Rに後退方向の動力を伝達するようになっている。また、変速装置101は、モードA出力軸6またはモードB出力軸7から、カウンタ軸8を介して駆動輪11L、11Rに前進方向の動力を伝達するようになっている。
無段変速機構20は、第1回転部材21と、第2回転部材22と、第1回転部材21および第2回転部材22の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材23とを備えている。
転動部材23は、第1回転部材21と第2回転部材22とにオイル被膜を介して接触しており、第1回転部材21と第2回転部材22との間で転動し、オイル被膜を介してトルクを伝達する。無段変速機構20は、トラクションドライブ式無段変速機構として構成されている。
転動部材23の回転軸23Aは、図示しないレバーにより支持されており、このレバーをアクチュエータで操作することで回転軸23Aの傾斜角度が変更される。なお、第1回転部材21と第2回転部材22とは同方向に回転する。
無段変速機構20は、転動部材23の回転軸23Aの傾斜角度を変化させることで、第1回転部材21および第2回転部材22の一方から第1回転部材21および第2回転部材22の他方へ無段階に変速させて動力を伝達する。例えば、第1回転部材21の回転に対して第2回転部材22の回転が減速する減速状態から、第1回転部材21の回転と第2回転部材22の回転が等しい等速状態を経て、第1回転部材21の回転に対して第2回転部材22の回転が増速する増速状態に無段階に変速して、第2回転部材22に伝達する。図1では、等速状態での回転軸23Aの角度を実線で示し、最大減速状態および最大増速状態での回転軸23Aの角度を破線で示している。
本実施例において、第1遊星歯車機構30Aは、第1サンギヤ31と、この第1サンギヤ31の外周に配置される第1リングギヤ34と、第1サンギヤ31と第1リングギヤ34とに噛合う複数の第1ピニオンギヤ32と、第1ピニオンギヤ32を回転自在に支持する第1キャリア33とを有する。
また、第2遊星歯車機構40Aは、第2サンギヤ41と、この第2サンギヤ41の外周に配置される第2リングギヤ44と、第2サンギヤ41と第2リングギヤ44とに噛合う複数の第2ピニオンギヤ42と、第2ピニオンギヤ42を回転自在に支持する第2キャリア43とを有する。
第1遊星歯車機構30Aと第2遊星歯車機構40Aとで、3つの回転要素であるサンギヤ、キャリア、リングギヤの間の歯数および変速比は互いに等しく設定されている。すなわち、第1遊星歯車機構30Aと第2遊星歯車機構40Aは同一の構成を有する。
本実施例において、第2サンギヤ41はモードA出力軸6と連結されており、第1リングギヤ34および第2リングギヤ44はモードB出力軸7と連結されている。
本実施例において、第1遊星歯車機構30Aと第2遊星歯車機構40Aとは、入力軸5の軸方向に隣り合って配置されている。第1キャリア33は第2キャリア43と連結され、第1リングギヤ34は第2リングギヤ44と連結され、入力軸5は第1キャリア33および第2キャリア43と連結されている。
また、第1回転部材21は第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結され、第2回転部材22は第1サンギヤ31と連結されている。第2回転部材22と第1サンギヤ31とは、連結軸12によって連結されており、この連結軸12は入力軸5の延長線上に配置されている。
変速機ケース9は、変速機ケース本体9Aと、この変速機ケース本体9Aの外側に隣接して配置される無段変速機構ケース9Bとを有している。変速機ケース本体9Aには第1遊星歯車機構30Aと第2遊星歯車機構40Aおよび入力軸5、カウンタ軸8などが収納されている。無段変速機構ケース9Bには無段変速機構20が収納されている。
次に、動作を説明する。モード1またはモード3が選択されている場合、図1に矢印Aで示すモードA動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は第1キャリア33および第2キャリア43に伝達される。第1キャリア33の動力は、第1サンギヤ31と第1リングギヤ34とに分割(パワースプリット)される。
第1サンギヤ31の動力は、第2回転部材22から転動部材23を介して第1回転部材21に伝達され、第1リングギヤ34に合成される。そして、第1リングギヤ34の動力は、第2リングギヤ44、第2ピニオンギヤ42、第2サンギヤ41を経てモードA出力軸6に伝達される。モードA出力軸6の動力は、モード1従動ギヤ61、またはモード3従動ギヤ63を経てカウンタ軸8に伝達される。
モード2またはモード4が選択されている場合、図1に矢印Bで示すモードB動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は、第1キャリア33に伝達される。第1キャリア33の動力は、第1リングギヤ34を経て第1回転部材21に伝達され、第1回転部材21から転動部材23を介して第2回転部材22に伝達される。
第2回転部材22の動力は第1サンギヤ31、第1ピニオンギヤ32を経て第1リングギヤ34に合成される。そして、第1リングギヤ34の動力は、第2リングギヤ44を経てモードB出力軸7に伝達される。モードB出力軸7の動力は、モード2従動ギヤ62、またはモード4従動ギヤ64を経てカウンタ軸8に伝達される。
第1遊星歯車機構30Aはシングルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図2の第1遊星歯車機構30Aの共線図において、左から順に第1サンギヤ31の回転数を表すS1軸と、第1キャリア33の回転数を表すC1軸と、第1リングギヤ34の回転数を示すR1軸とが配列される。
また、第1サンギヤ31と第2回転部材22とが連結されているため、第2回転部材22の回転数は、第1サンギヤ31の回転数と等しく、S1軸上に表される。同様に、第1キャリア33と第2キャリア43とが連結されているため、第2キャリア43の回転数C2は、第1キャリア33の回転数と等しく、C1軸上に表される。
さらに、第1リングギヤ34と第2リングギヤ44と第1回転部材21とが連結されているため、第2リングギヤ44の回転数R2と第1回転部材21の回転数は、第1リングギヤ34の回転数と等しく、R1軸上に表される。
第2遊星歯車機構40Aはシングルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図2の第2遊星歯車機構40Aの共線図において、左から順に第2サンギヤ41の回転数を表すS2軸と、第2キャリア43の回転数を表すC2軸と、第2リングギヤ44の回転数を示すR2軸とが配列される。
また、第1キャリア33の回転数C1は、第2キャリア43の回転数と等しく、C2軸上に表される。また、第1リングギヤ34の回転数R1は、第2リングギヤ44の回転数と等しく、R2軸上に表される。
図2の2つの共線図から分かるように、第2キャリア43の回転数は第1キャリア33の回転数と等しく、かつ、第2リングギヤ44の回転数は第1リングギヤ34の回転数と等しいため、第2サンギヤ41の回転数は第1サンギヤ31の回転数と等しくなる。つまり、第2遊星歯車機構40Aの3つの回転要素は、第1遊星歯車機構30Aの3つの回転要素と同じ回転数で回転する。また、第1遊星歯車機構30Aの3つの回転要素の回転数が変化した場合、第2遊星歯車機構40Aも第1遊星歯車機構30Aと同じ状態に変化する。
このように、第2遊星歯車機構40Aは、第1遊星歯車機構30Aをマスターとして、スレーブとなるように動作する。
次に、本発明に係る変速装置の第2実施例について、図面を用いて説明する。図3は、本発明の第2実施例の変速装置を説明する図である。本実施例は、2つの遊星歯車機構がダブルピニオン式の遊星歯車機構からなる点において第1実施例と異なる。第1実施例と同様の部材は、同一符号を付して説明を省略する。
図3において、変速装置102は、エンジン2の動力が発進デバイス4を介して伝達される入力軸5と、駆動輪11L、11Rに動力を伝達するカウンタ軸8と、無段変速機構20と、ダブルピニオン式の第1遊星歯車機構30Bおよび第2遊星歯車機構40Bと、モードA出力軸6と、モードB出力軸7と、を変速機ケース9に備えている。
変速装置102において、入力軸5の延長線上には、発進デバイス4に近い側から順に、第2遊星歯車機構40B、第1遊星歯車機構30B、無段変速機構20が配置されている。
第1遊星歯車機構30Bは、第1サンギヤ31と、第1サンギヤ31の外周に配置される第1リングギヤ34と、第1サンギヤ31と噛み合う複数の第1内側ピニオンギヤ32Aと、第1内側ピニオンギヤ32Aと第1リングギヤ34とに噛み合う複数の第1外側ピニオンギヤ32Bと、複数の第1内側ピニオンギヤ32Aと複数の第1外側ピニオンギヤ32Bとを回転自在に支持する第1キャリア33とを有する。
第2遊星歯車機構40Bは、第2サンギヤ41と、第2サンギヤ41の外周に配置される第2リングギヤ44と、第2サンギヤ41と噛み合う複数の第2内側ピニオンギヤ42Aと、第2内側ピニオンギヤ42Aと第2リングギヤ44とに噛み合う複数の第2外側ピニオンギヤ42Bと、複数の第2内側ピニオンギヤ42Aと複数の第2外側ピニオンギヤ42Bとを回転自在に支持する第2キャリア43とを有する。
モードA出力軸6は第2サンギヤ41と連結されている。モードB出力軸7は第1キャリア33および第2キャリア43と連結されている。
第1遊星歯車機構30Bと第2遊星歯車機構40Bとが入力軸5の軸方向に隣り合って配置されている。第1キャリア33は第2キャリア43と連結され、第1リングギヤ34は第2リングギヤ44と連結され、入力軸5は第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結されている。
第1回転部材21は第1キャリア33および第2キャリア43と連結され、第2回転部材22は第1サンギヤ31と連結されている。
次に、動作を説明する。モード1またはモード3が選択されている場合、図1に矢印Aで示すモードA動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は、第1リングギヤ34を経て第1内側ピニオンギヤ32Aおよび第1外側ピニオンギヤ32Bに伝達された後、第1サンギヤ31側と第1キャリア33側とに分割(パワースプリット)される。
第1サンギヤ31の動力は、第2回転部材22から転動部材23を介して第1回転部材21に伝達され、第1キャリア33に合成される。そして、第1キャリア33の動力は、第2キャリア43、第2外側ピニオンギヤ42B、第2内側ピニオンギヤ42A、第2サンギヤ41を経てモードA出力軸6に伝達される。モードA出力軸6の動力は、モード1従動ギヤ61、またはモード3従動ギヤ63を経てカウンタ軸8に伝達される。
モード2またはモード4が選択されている場合、図1に矢印Bで示すモードB動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は、第1リングギヤ34を経て第1内側ピニオンギヤ32Aおよび第1外側ピニオンギヤ32Bに伝達される。
第1内側ピニオンギヤ32Aおよび第1外側ピニオンギヤ32Bの動力は、第1キャリア33を経て第1回転部材21に伝達される。第1回転部材21の動力は、転動部材23を介して第2回転部材22に伝達される。
第2回転部材22の動力は、第1サンギヤ31、第1内側ピニオンギヤ32Aおよび第1外側ピニオンギヤ32Bを経て第1キャリア33に戻る。第1キャリア33の動力は、第2キャリアを経てモードB出力軸7に伝達される。モードB出力軸7の動力は、モード2従動ギヤ62、またはモード4従動ギヤ64を経てカウンタ軸8に伝達される。
第1遊星歯車機構30Bはダブルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図4の第1遊星歯車機構30Bの共線図において、左から順に第1サンギヤ31の回転数を表すS1軸と、第1リングギヤ34の回転数を示すR1軸と、第1キャリア33の回転数を表すC1軸とが配列される。
また、第1サンギヤ31と第2回転部材22とが連結されているため、第2回転部材22の回転数は、第1サンギヤ31の回転数と等しく、S1軸上に表される。さらに、第1リングギヤ34と第2リングギヤ44とが連結されているため、第2リングギヤ44の回転数R2は、第1リングギヤ34の回転数と等しく、R1軸上に表される。同様に、第1キャリア33と第2キャリア43と第1回転部材21とが連結されているため、第2キャリア43と第1回転部材21の回転数C2は、第1リングギヤ34の回転数と等しく、C1軸上に表される。
第2遊星歯車機構40Bはダブルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図4の第2遊星歯車機構40Bの共線図において、左から順に第2サンギヤ41の回転数を表すS2軸と、第2リングギヤ44の回転数を示すR2軸と、第2キャリア43の回転数を表すC2軸とが配列される。
また、第1リングギヤ34の回転数R1は、第2リングギヤ44の回転数と等しく、R2軸上に表される。また、第1キャリア33の回転数C1は、第2キャリア43の回転数と等しく、C2軸上に表される。
図4の2つの共線図から分かるように、第2リングギヤ44の回転数は第1リングギヤ34の回転数と等しく、かつ、第2キャリア43の回転数は第1キャリア33の回転数と等しいため、第2サンギヤ41の回転数は第1サンギヤ31の回転数と等しくなる。つまり、第2遊星歯車機構40Bの3つの回転要素は、第1遊星歯車機構30Bの3つの回転要素と同じ回転数で回転する。また、第1遊星歯車機構30Bの3つの回転要素の回転数が変化した場合、第2遊星歯車機構40Bも第1遊星歯車機構30Bと同じ状態に変化する。
このように、第2遊星歯車機構40Bは、第1遊星歯車機構30Bをマスターとして、スレーブとなるように動作する。
次に、本発明に係る変速装置の第3実施例について、図面を用いて説明する。図5は、本発明の第3実施例の変速装置を説明する図である。本実施例は、2つの遊星歯車機構がステップドピニオンギヤを有するシングルピニオン式の遊星歯車機構からなる点において第1実施例と異なる。第1実施例と同様の部材は、同一符号を付して説明を省略する。
図5において、変速装置103は、エンジン2の動力が発進デバイス4を介して伝達される入力軸5と、駆動輪11L、11Rに動力を伝達するカウンタ軸8と、無段変速機構20と、ステップドピニオンギヤを有するシングルピニオン式の第1遊星歯車機構30Cおよび第2遊星歯車機構40Cと、モードA出力軸6と、モードB出力軸7と、を変速機ケース9に備えている。
変速装置103において、入力軸5の延長線上には、発進デバイス4に近い側から順に、第2遊星歯車機構40C、第1遊星歯車機構30C、無段変速機構20が配置されている。
第1遊星歯車機構30Cは、第1サンギヤ31と、第1サンギヤ31の外周に配置される第1リングギヤ34と、第1サンギヤ31と噛み合う複数の第1小径ピニオンギヤ32Cと、第1小径ピニオンギヤ32Cと連結され、かつ、第1リングギヤ34と噛み合う複数の第1大径ピニオンギヤ32Dと、複数の第1小径ピニオンギヤ32Cと複数の第1大径ピニオンギヤ32Dとを回転自在に支持する第1キャリア33とを有する。
第2遊星歯車機構40Cは、第2サンギヤ41と、第2サンギヤ41の外周に配置される第2リングギヤ44と、第2サンギヤ41と噛み合う複数の第2小径ピニオンギヤ42Cと、第2小径ピニオンギヤ42Cと連結され、かつ、第2リングギヤ44と噛み合う複数の第2大径ピニオンギヤ42Dと、複数の第2小径ピニオンギヤ42Cと複数の第2大径ピニオンギヤ42Dとを回転自在に支持する第2キャリア43とを有する。
モードA出力軸6は第2サンギヤ41と連結されている。モードB出力軸7は第1リングギヤ34および2リングギヤと連結されている。
第1遊星歯車機構30Cと第2遊星歯車機構40Cとが入力軸5の軸方向に隣り合って配置されている。第1キャリア33は第2キャリア43と連結され、第1リングギヤ34は第2リングギヤ44と連結され、入力軸5は第1キャリア33および第2キャリア43と連結されている。
第1回転部材21は第1リングギヤ34および第2リングギヤ44と連結され、第2回転部材22は第1サンギヤ31と連結されている。
次に、動作を説明する。モード1またはモード3が選択されている場合、図1に矢印Aで示すモードA動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は第1キャリア33および第2キャリア43に伝達される。第1キャリア33の動力は、第1サンギヤ31と第1リングギヤ34とに分割(パワースプリット)される。
第1サンギヤ31の動力は、第2回転部材22から転動部材23を介して第1回転部材21に伝達され、第1リングギヤ34に合成される。そして、第1サンギヤ31の動力は、第2リングギヤ44、第2大径ピニオンギヤ42D、第2小径ピニオンギヤ42C、第2サンギヤ41を経てモードA出力軸6に伝達される。モードA出力軸6の動力は、モード1従動ギヤ61、またはモード3従動ギヤ63を経てカウンタ軸8に伝達される。
モード2またはモード4が選択されている場合、図1に矢印Bで示すモードB動力伝達経路が形成される。すなわち、入力軸5の動力は、第1キャリア33に伝達される。第1キャリア33の動力は、第1リングギヤ34を経て第1回転部材21に伝達され、第1回転部材21から転動部材23を介して第2回転部材22に伝達される。
第2回転部材22の動力は第1サンギヤ31、第1小径ピニオンギヤ32C、第1大径ピニオンギヤ32Dを経て第1リングギヤ34に合成される。そして、第1リングギヤ34の動力は、第2リングギヤ44を経てモードB出力軸7に伝達される。モードB出力軸7の動力は、モード2従動ギヤ62、またはモード4従動ギヤ64を経てカウンタ軸8に伝達される。
第1遊星歯車機構30Cはシングルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図6の第1遊星歯車機構30Cの共線図において、左から順に第1サンギヤ31の回転数を表すS1軸と、第1キャリア33の回転数を表すC1軸と、第1リングギヤ34の回転数を示すR1軸とが配列される。また、第1サンギヤ31と第2回転部材22とが連結されているため、第2回転部材22の回転数は、第1サンギヤ31の回転数と等しく、S1軸上に表される。同様に、第1キャリア33と第2キャリア43とが連結されているため、第2キャリア43の回転数C2は、第1キャリア33の回転数と等しく、C1軸上に表される。さらに、第1リングギヤ34と第2リングギヤ44と第1回転部材21とが連結されているため、第2リングギヤ44の回転数R2と第1回転部材21の回転数は、第1リングギヤ34の回転数と等しく、R1軸上に表される。
第2遊星歯車機構40Cはシングルピニオン式の遊星歯車機構であるため、図6の第2遊星歯車機構40Cの共線図において、左から順に第2サンギヤ41の回転数を表すS2軸と、第2キャリア43の回転数を表すC2軸と、第2リングギヤ44の回転数を示すR2軸とが配列される。また、第1キャリア33の回転数C1は、第2キャリア43の回転数と等しく、C2軸上に表される。また、第1リングギヤ34の回転数R1は、第2リングギヤ44の回転数と等しく、R2軸上に表される。
図6の2つの共線図から分かるように、第2キャリア43の回転数は第1キャリア33の回転数と等しく、かつ、第2リングギヤ44の回転数は第1リングギヤ34の回転数と等しいため、第2サンギヤ41の回転数は第1サンギヤ31の回転数と等しくなる。つまり、第2遊星歯車機構40Cの3つの回転要素は、第1遊星歯車機構30Cの3つの回転要素と同じ回転数で回転する。また、第1遊星歯車機構30Cの3つの回転要素の回転数が変化した場合、第2遊星歯車機構40Cも第1遊星歯車機構30Cと同じ状態に変化する。このように、第2遊星歯車機構40Cは、第1遊星歯車機構30Cをマスターとして、スレーブとなるように動作する。
次に、第1実施例から第3実施例の作用効果について説明する。なお、第1実施例から第3実施例に共通する作用効果を説明する際は、各実施例の変速装置、第1遊星歯車機構および第2遊星歯車機構の符号を列記し、変速装置101、102、103、第1遊星歯車機構30A、30B、30C、第2遊星歯車機構40A、40B、40Cと記す。この場合、変速装置101、102、103の何れか、または第1遊星歯車機構30A、30B、30Cの何れか、または第2遊星歯車機構40A、40B、40Cの何れかを意味する。
従来、遊星歯車機構と連結した無段変速機構において、無段変速機構の第1回転部材および第2回転部材から出力を取り出す場合に、サンギヤと連結されるいずれか一方の回転部材の出力軸はサンギヤと反対側からしか取り出せない。
つまり、無段変速機構から遊星歯車機構を跨いで出力軸を配置することはできず、一方の回転部材の出力軸は無段変速機構の遊星歯車機構とは反対側に配置される。一方、他方の回転部材の出力軸は、無段変速機構の遊星歯車機構側に配置される。したがって、両方の出力軸が分散して配置されていた。このため、両方の出力軸から動力を伝達するためにカウンタ軸を延ばす必要があり、カウンタ軸の全長が長くなってしまっていた。
また、カウンタ軸を延ばす場合に、途中にある無段変速機構および遊星歯車機構に干渉しないようにするためにカウンタ軸を径方向で出力軸から離す必要があり、出力軸とカウンタ軸の軸間距離が長くなってしまっていた。
これに対し、第1実施例から第3実施例では、第1遊星歯車機構30A、30B、30Cの3つの回転要素と、第2遊星歯車機構40A、40B、40Cの3つの回転要素とが等しい速度で回転するようにしている。
このため、第2回転部材22の出力は、第2回転部材22の回転数と等しくなる第2サンギヤ41から取り出すことができる。つまり、第2サンギヤ41と連結したモードA出力軸6を、無段変速機構20から第1遊星歯車機構30A、30B、30Cを跨いで配置することができる。
一方、第1回転部材21の出力は、第2リングギヤ44から取り出すことができる。よって、第2リングギヤ44と連結したモードB出力軸7を、無段変速機構20の第1遊星歯車機構30A、30B、30C側に配置することができる。
すなわち、モードA出力軸6とモードB出力軸7は、無段変速機構20の第1遊星歯車機構30A、30B、30C側(図1、図3、図5において無段変速機構20の右側)にまとめて配置することができる。
また、第1実施例から第3実施例ではモードA出力軸6の外周側に筒状のモードB出力軸7が同軸で配置されている。
このため、カウンタ軸8の全長が長くなることを抑制できるとともに、カウンタ軸8と入力軸5の軸間距離が長くなることを抑制できる。
具体的には、モードA出力軸6とモードB出力軸7は、発進デバイス4と第2遊星歯車機構40A、40B、40Cの間に配置されるため、カウンタ軸8は、出力ギヤ8A側を起点とした場合に第2遊星歯車機構40A、40B、40Cを超える長さにはならない。したがって、無段変速機構20、第1遊星歯車機構30A、30B、30Cおよび第2遊星歯車機構40A、40B、40Cを径方向で避ける必要がない。
このため、カウンタ軸8の重量が低減でき、動力伝達の向上をすることができる。また、カウンタ軸8を収納する変速機ケース本体9Aを小型化することができる。この結果、変速装置101、102、103の動力伝達の向上をするとともに、小型化をすることができる。
これに加え、無段変速機構20を変速装置101、102、103の端部に配置することができるため、無段変速機構20を他の構成部品から離隔して変速機ケース9に収納することができる。また、カウンタ軸8に関連するシフトフォーク等の部品の配置性を向上させることができる。
また、第1実施例から第3実施例では、変速機ケース9は、変速機ケース本体9Aと、この変速機ケース本体9Aの外側に隣接して配置される無段変速機構ケース9Bとを有している。そして、変速機ケース本体9Aには第1遊星歯車機構30A、30B、30Cおよび第2遊星歯車機構40A、40B、40Cが収納され、無段変速機構ケース9Bには無段変速機構20が収納されている。
これにより、無段変速機構20を、第1遊星歯車機構30A、30B、30Cおよび第2遊星歯車機構40A、40B、40C等の構成部品から離隔して、無段変速機構ケース9Bに収納できる。
ここで、無段変速機構20はオイル被膜を介してトルクを伝達するための専用の潤滑オイルが用いられるため、第1遊星歯車機構30A、30B、30C、第2遊星歯車機構40A、40B、40Cとは隔離する必要がある。
従来のように無段変速機構の両側に出力軸が配置され、無段変速機構が出力軸の中間に配置されるような場合、無段変速機構20は両側を密封する必要があり、変速機ケースに2つの隔壁を設ける構造となり、変速機ケースが複雑化、かつ大型化するおそれがあった。
第1実施例から第3実施例では、無段変速機構20は変速装置101、102、103の端部にあり、変速機ケース本体9Aの側面が隔壁となり、椀状の無段変速機構ケース9Bで覆うことによって無段変速機構20を側方から密封することができる。
これにより、変速機ケース9の構造を複雑化することなく、無段変速機構20を隔離でき、変速装置101、102、103を小型化できる。
さらに、第1遊星歯車機構30A、30B、30Cおよび第2遊星歯車機構40A、40B、40Cで発生した摩耗粉等の異物が無段変速機構20の潤滑オイルに混入することを防止でき、無段変速機構20の性能を維持することができる。
また、第1実施例から第3実施例では、モードB出力軸7には、最上位の変速段の変速ギヤであるモード4駆動ギヤ54が配置されている。
これにより、モード4駆動ギヤ54には、第2遊星歯車機構40A、40B、40Cの内部を経ずに、第1遊星歯車機構30A、30B、30Cから動力が直接伝達されるため、動力損失を低減できる。このため、最上位の変速段を使用する高速走行時において、動力伝達効率を向上させることができる。
なお、第1実施例から第3実施例では、偶数モードであるモード1およびモード3を形成する際に、モード1−3シフタS13を中立位置から移動することで、モードA出力軸6から動力を取り出している。
また、奇数モードであるモード2およびモード4を形成する際に、モード2−4シフタS24を中立位置から移動することで、モードB出力軸7から動力を取り出している。また、モード1−3シフタS13とモード2−4シフタS24とが独立して作動可能である。
このため、隣接するモードにシフトチェンジする際に、モード1−3シフタS13またはモード2−4シフタS24のうち、シフトチェンジ先のモードのシフタを噛み合い直前の位置に待機させておくことで、動力伝達が断絶することを防止できる。
また、隣接するモードにシフトチェンジする際に、無段変速機構20における変速比を調整することで、動力伝達経路の切換え時のショックを低減することができる。
また、第2実施例では、第1遊星歯車機構30Bと第2遊星歯車機構40Bとにダブルピニオン式の遊星歯車機構を採用したので、各遊星歯車機構においてサンギヤ歯数をリングギヤ歯数の半分にすることで、共線図上でサンギヤ−リングギヤ間の変速比と、リングギヤ−キャリア間の変速比とを等しくできる。
これにより、モードA出力軸6上のモード1駆動ギヤ51およびモード3駆動ギヤ53と、モードB出力軸7上のモード2駆動ギヤ52およびモード4駆動ギヤ54との間の変速比幅を等しくできる。
また、第3実施例では、第1遊星歯車機構30Cと第2遊星歯車機構40Cとにステップドピニオンギヤを有するシングルピニオン式の遊星歯車機構を採用したので、各遊星歯車機構においてサンギヤ歯数をリングギヤ歯数の半分にすることで、共線図上でサンギヤ−リングギヤ間の変速比と、リングギヤ−キャリア間の変速比とを等しくできる。
これにより、モードA出力軸6上のモード1駆動ギヤ51およびモード3駆動ギヤ53と、モードB出力軸7上のモード2駆動ギヤ52およびモード4駆動ギヤ54との間の変速比幅を等しくできる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
2...エンジン(駆動源)、4...発進デバイス、5...入力軸、6...モードA出力軸、7...モードB出力軸、9...変速機ケース、9A...変速機ケース本体、9B...無段変速機構ケース、11L、11R...駆動輪、20...無段変速機構、21...第1回転部材、22...第2回転部材、23...転動部材、30A,30B,30C...第1遊星歯車機構、31...第1サンギヤ、32...第1ピニオンギヤ、32A...第1内側ピニオンギヤ、32B...第1外側ピニオンギヤ、32C...第1小径ピニオンギヤ、32D...第1大径ピニオンギヤ、33...第1キャリア、34...第1リングギヤ、40A,40B,40C...第2遊星歯車機構、41...第2サンギヤ、42...第2ピニオンギヤ、42A...第2内側ピニオンギヤ、42B...第2外側ピニオンギヤ、42C...第2小径ピニオンギヤ、42D...第2大径ピニオンギヤ、43...第2キャリア、44...第2リングギヤ、101,102,103...変速装置
Claims (5)
- 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
第1回転部材と、第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、を備える変速装置であって、
第1サンギヤと、前記第1サンギヤの外周に配置される第1リングギヤと、前記第1サンギヤと前記第1リングギヤとに噛合う複数の第1ピニオンギヤと、前記第1ピニオンギヤを回転自在に支持する第1キャリアとを有する第1遊星歯車機構と、
第2サンギヤと、前記第2サンギヤの外周に配置される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと前記第2リングギヤとに噛合う複数の第2ピニオンギヤと、前記第2ピニオンギヤを回転自在に支持する第2キャリアとを有する第2遊星歯車機構と、
前記第2サンギヤと連結されたモードA出力軸と、
前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結されたモードB出力軸と、を備え、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とが前記入力軸の軸方向に隣り合って配置され、
前記第1キャリアは前記第2キャリアと連結され、
前記第1リングギヤは前記第2リングギヤと連結され、
前記入力軸は前記第1キャリアおよび前記第2キャリアと連結され、
前記第1回転部材は前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結され、
前記第2回転部材は前記第1サンギヤと連結され、
前記モードA出力軸は筒状に形成され前記入力軸が内部に配置され、
前記モードA出力軸または前記モードB出力軸から駆動輪に動力を伝達する、ことを特徴とする変速装置。 - 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
第1回転部材と、第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、を備える変速装置であって、
第1サンギヤと、前記第1サンギヤの外周に配置される第1リングギヤと、前記第1サンギヤと噛み合う複数の第1内側ピニオンギヤと、前記第1内側ピニオンギヤと前記第1リングギヤとに噛み合う複数の第1外側ピニオンギヤと、複数の前記第1内側ピニオンギヤと複数の前記第1外側ピニオンギヤとを回転自在に支持する第1キャリアとを有する第1遊星歯車機構と、
第2サンギヤと、前記第2サンギヤの外周に配置される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと噛み合う複数の第2内側ピニオンギヤと、前記第2内側ピニオンギヤと前記第2リングギヤとに噛み合う複数の第2外側ピニオンギヤと、複数の前記第2内側ピニオンギヤと複数の前記第2外側ピニオンギヤとを回転自在に支持する第2キャリアとを有する第2遊星歯車機構と、
前記第2サンギヤと連結されたモードA出力軸と、
前記第1キャリアおよび前記2キャリアと連結されたモードB出力軸と、を備え、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とが前記入力軸の軸方向に隣り合って配置され、
前記第1キャリアは前記第2キャリアと連結され、
前記第1リングギヤは前記第2リングギヤと連結され、
前記入力軸は前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結され、
前記第1回転部材は前記第1キャリアおよび前記第2キャリアと連結され、
前記第2回転部材は前記第1サンギヤと連結され、
前記モードA出力軸は筒状に形成され前記入力軸が内部に配置され、
前記モードA出力軸または前記モードB出力軸から駆動輪に動力を伝達する、ことを特徴とする変速装置。 - 駆動源の動力が発進デバイスを介して伝達される入力軸と、
第1回転部材と、第2回転部材と、前記第1回転部材および前記第2回転部材の一方の回転を無段階に変速して他方に伝達する転動部材とを有する無段変速機構と、を備える変速装置であって、
第1サンギヤと、前記第1サンギヤの外周に配置される第1リングギヤと、前記第1サンギヤと噛み合う第1小径ピニオンギヤと、前記第1小径ピニオンギヤと連結され、かつ、第1リングギヤと噛み合う第1大径ピニオンギヤと、複数の前記第1小径ピニオンギヤと複数の前記第1大径ピニオンギヤとを回転自在に支持する第1キャリアとを有する第1遊星歯車機構と、
第2サンギヤと、前記第2サンギヤの外周に配置される第2リングギヤと、前記第2サンギヤと噛み合う第2小径ピニオンギヤと、前記第2小径ピニオンギヤと連結され、かつ、第2リングギヤと噛み合う第2大径ピニオンギヤと、複数の前記第2小径ピニオンギヤと複数の前記第2大径ピニオンギヤとを回転自在に支持する第2キャリアとを有する第2遊星歯車機構と、
前記第2サンギヤと連結されたモードA出力軸と、
前記第1リングギヤおよび前記2リングギヤと連結されたモードB出力軸と、を備え、
前記第1遊星歯車機構と前記第2遊星歯車機構とが前記入力軸の軸方向に隣り合って配置され、
前記第1キャリアは前記第2キャリアと連結され、
前記第1リングギヤは前記第2リングギヤと連結され、
前記入力軸は前記第1キャリアおよび前記第2キャリアと連結され、
前記第1回転部材は前記第1リングギヤおよび前記第2リングギヤと連結され、
前記第2回転部材は前記第1サンギヤと連結され、
前記モードA出力軸は筒状に形成され前記入力軸が内部に配置され、
前記モードA出力軸または前記モードB出力軸から駆動輪に動力を伝達する、ことを特徴とする変速装置。 - 前記第1遊星歯車機構および前記第2遊星歯車機構を収納する変速機ケース本体と、
前記変速機ケース本体の外側に隣接して配置される無段変速機構ケースと、を備え、
前記無段変速機構ケースに前記無段変速機構が収納されることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の変速装置。 - 前記モードB出力軸に、最上位の変速段の変速ギヤが配置されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の変速装置。
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