JP2018154483A - 搬送制御方法及び搬送装置並びに印刷装置 - Google Patents

搬送制御方法及び搬送装置並びに印刷装置 Download PDF

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Abstract

【課題】加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも搬送ムラを抑制する。
【解決手段】制御部51は、PID制御により第1の駆動ローラM1などを操作する際、各テンションセンサTP1〜TP3の検出値と目標値との差分が安定幅内で、その状態が安定時間を維持している安定状態であるかを判定する。安定状態であると判定された場合には、PID制御のゲインを初期値よりも小さくする。加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも連続紙WPの搬送ムラを抑制でき、印刷部19による連続紙WPへの印刷品質を向上させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、長尺の印刷媒体を所定の方向に搬送する搬送制御方法及び搬送装置並びに印刷装置に関する。
従来、この種の搬送装置を備えた印刷装置として、給紙部と、印刷部と、排紙部と、搬送装置とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
上記の搬送装置は、第1の駆動ローラと、第2の駆動ローラと、第3の駆動ローラと、第4の駆動ローラとを備えている。第1の駆動ローラは、長尺の印刷用紙を供給する給紙部の下流側に配置されており、給紙部からの印刷用紙を送り出すニップローラを備えている。第2の駆動ローラは、第1の駆動ローラで送られてきた印刷用紙を、印刷部の直下に相当する印刷領域に送り込むニップローラを備えている。第3の駆動ローラ(ヒートローラとも呼ばれる)は、印刷部で印刷された印刷用紙を、大きな巻き付け角で巻き回して乾燥させるとともに印刷用紙を送り出す。第4の駆動ローラは、ニップローラを備え、第3の駆動ローラで乾燥された印刷用紙を排紙部に送り出す。さらに、搬送装置は、第1の駆動ローラの下流側に配置され、第1の駆動ローラで送られた印刷用紙のテンションを検出する第1のテンションセンサと、第2の駆動ローラの下流側であって印刷部の上流側に配置され、印刷部の上流側における印刷用紙のテンションを検出する第2のテンショセンサと、第4の駆動ローラの上流側に配置され、第4の駆動ローラの上流側におけるテンションを検出する第3のテンションセンサとを備えている。
このような構成の搬送装置は、第2の駆動ローラを一定の搬送速度で駆動させながら、他の駆動ローラを操作することによって印刷用紙の搬送を制御する搬送制御方法を採用している。具体的には、第1のテンションセンサの値が目標値となるように第1の駆動ローラを操作する。また、第2のテンションセンサが目標値となるように第3の駆動ローラを操作する。さらに、第3のテンションセンサが目標値となるように第4の駆動ローラを操作する。なお、第4の駆動ローラには、第2のテンションセンサで操作されている第3の駆動ローラの速度変化分を反映させて、印刷領域において生じたテンションの変動を反映させる。また、上述した各操作では、PID(Proportional Integral Differential)制御を行っている。そのゲインは、印刷用紙の搬送開始時点から搬送停止時点までの間、例えば100%に固定されている。
特開2014−24266号公報(図1)
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の搬送制御方法は、搬送速度がほぼ一定である印刷速度における第1、第3、第4の駆動ローラへの操作量の変動幅が大きくなり、印刷用紙の搬送ムラが生じやすいという問題がある。このような搬送ムラは、印刷領域における印刷用紙の張り具合に影響するので、印刷品質に悪影響を与える。したがって、搬送ムラは小さい方が好ましい。
そこで、本発明者等は、PID制御におけるゲインを100%から30%に下げて搬送制御を行ってみた。このようにパラメータを30%に下げることにより、搬送速度がほぼ一定である印刷速度における操作量の変動幅を抑制することができた。しかしながら、停止時から印刷速度へ搬送速度を上げる加速時において、テンションが大きく変動するという別異の問題が生じた。テンションの変動が大き過ぎると、印刷用紙に対して搬送方向へ負荷が加わって印刷用紙に破損等が生じる原因となるので、変動は小さい方が好ましい。そのため、PID制御におけるゲインを下げて搬送制御を行うことは現実的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、テンション制御の安定度合いに応じてゲインを可変することにより、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも搬送ムラを抑制できる搬送制御方法及び搬送装置並びに印刷装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、媒体の搬送方向における上流側に配置された上流駆動ローラと、前記搬送方向における下流側に配置された下流駆動ローラとにより前記媒体を所定方向に搬送する際に、前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記下流駆動ローラの上流側で前記媒体のテンションを検出するテンションセンサの検出値に基づきPID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する搬送制御方法において、前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定ステップと、前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン減少ステップと、を実施することを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、安定状態判定ステップにおいて、テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内にあって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態と判定された場合は、ゲイン減少ステップにおいて、PID制御のゲインを初期値よりも小さくする。したがって、加速時などテンション制御が安定していない場合には、初期値のゲインでPID制御を行い、テンション制御が安定しているときだけゲインを小さくして感度を下げた状態でPID制御を行う。その結果、加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも媒体の搬送ムラを抑制できる。
また、本発明において、前記上流駆動ローラを停止から駆動させ始める際及び前記上流駆動ローラを停止に向けて減速させ始める際に、前記ゲインを初期値に設定する初期値設定ステップを実施することが好ましい(請求項2)。
加速時及び減速時は、テンションが安定しない。したがって、小さなゲインではなく初期値で制御することにより、操作量が大きくなるので、加減速時にテンションの変動を抑制できる。
また、本発明において、前記ゲイン減少ステップの後、前記差分が前記安定幅から外れるか、前記安定幅内であっても安定時間を維持できない非安定状態となった場合には、前記ゲインを大きくするゲイン増加ステップを実施することが好ましい(請求項3)。
非安定状態となった場合には、ゲインを大きくして操作量を大きくすることにより、テンションの変動が大きい場合であっても、テンションを安定させることができる。
また、本発明において、前記安定状態判定ステップ及び前記ゲイン減少ステップは、前記安定幅を少なくとも二種類とすることが好ましい(請求項4)。
テンションの安定した状態を少なくとも二種類の安定幅で判定することにより、ゲインを小さくする際に、テンションの変動に応じてきめ細かいゲインの調整ができる。
また、本発明において、前記ゲイン減少ステップは、前記ゲインを初期値よりも小さくしていく際に、最小ゲインを下限として設けてあることが好ましい(請求項5)。
最小ゲインを下限として設けることにより、ゲインを小さくし過ぎて感度が低くなりすぎ、テンションの調整に不具合が生じることを回避できる。
また、本発明において、前記ゲイン増加ステップは、前記ゲインを大きくしていく際に、最大ゲインを上限として設けてあることが好ましい(請求項6)。
最大ゲインを上限として設けることにより、ゲインを大きくし過ぎて感度が高くなりすぎ、テンションの調整に不具合が生じることを回避できる。
また、本発明において、前記ゲインは、比例ゲインであることが好ましい(請求項7)。
長尺の印刷媒体の搬送制御においては、比例ゲインを調整するだけで制御を良好に行うことができる。
また、請求項8に記載の発明は、媒体を所定方向に搬送する搬送装置において、前記媒体の搬送方向における上流側に配置された上流駆動ローラと、前記搬送方向における下流側に配置された下流駆動ローラと、前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記上流駆動ローラの上流側に配置され、前記媒体のテンションを検出するテンションセンサと、前記テンションセンサの検出値に基づいて、PID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する駆動制御部と、前記操作の際に、前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定部と、前記安定状態判定部により、前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン調整部と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項8に記載の発明によれば、駆動制御部がPID制御により下流駆動ローラを操作する際、安定状態判定部は、テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内にあって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する。安定状態であると判定された場合には、ゲイン調整部がPID制御のゲインを初期値よりも小さくする。したがって、加速時などテンション制御が安定していない場合には、初期値のゲインでPID制御を行い、テンション制御が安定しているときだけゲインを小さくして感度を下げた状態でPID制御を行う。その結果、加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも媒体の搬送ムラを抑制できる。
また、請求項15に記載の発明は、所定の方向に長尺の印刷媒体を搬送しつつ印刷を行う印刷装置において、前記印刷媒体の搬送経路に沿った印刷領域にて前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、前記印刷領域における上流側に配置された上流駆動ローラと、前記印刷領域の下流側に配置された下流駆動ローラと、前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記印刷領域の上流側に配置され、前記印刷媒体のテンションを検出するテンションセンサと、前記テンションセンサの検出値に基づいて、PID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する駆動制御部と、前記操作の際に、前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定部と、前記安定状態判定部により、前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン調整部と、を備えていることを特徴とするものである。
[作用・効果]請求項15に記載の発明によれば、駆動制御部がPID制御により下流駆動ローラを操作する際、安定状態判定部は、テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内にあって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する。安定状態であると判定された場合には、ゲイン調整部がPID制御のゲインを初期値よりも小さくする。したがって、加速時などテンション制御が安定していない場合には、初期値のゲインでPID制御を行い、テンション制御が安定しているときだけゲインを小さくして感度を下げた状態でPID制御を行う。その結果、加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも印刷媒体の搬送ムラを抑制できる。その結果、印刷部による印刷媒体への印刷品質を向上させることができる。
本発明に係る搬送制御方法によれば、安定状態判定ステップにおいて、テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内にあって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態と判定された場合は、ゲイン減少ステップにおいて、PID制御のゲインを初期値よりも小さくする。したがって、加速時などテンション制御が安定していない場合には、初期値のゲインでPID制御を行い、テンション制御が安定しているときだけゲインを小さくして感度を下げた状態でPID制御を行う。その結果、加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも媒体の搬送ムラを抑制できる。
実施例に係る搬送装置を備えたインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図である。 第1〜第4の駆動ローラの制御関係を示した模式図である。 第2の駆動ローラへの指示値と、ゲインと、テンションとの関係を示したグラフである。 制御例を示すフローチャートである。 制御例を示すフローチャートである。 実施例に係るインクジェット印刷システムにおけるテンションの変化を示すグラフである。 実施例に係るインクジェット印刷システムにおける指示値の変化を示すグラフである。 従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを100%とした場合のテンションの変化を示すグラフである。 従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを100%とした場合の指示値の変化を示すグラフである。 従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを30%とした場合のテンションの変化を示すグラフである。 従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを30%とした場合の指示値の変化を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。
図1は、実施例に係る搬送装置を備えたインクジェット印刷システムの全体を示す概略構成図である。
本実施例に係るインクジェット印刷システム1は、インクジェット印刷装置3と、給紙部5と、排紙部7とを備えている。
インクジェット印刷装置3は、長尺の連続紙WPに対して印刷を行う。給紙部5は、連続紙WPのロールを水平軸周りに回転可能に保持し、連続紙WPのロールから連続紙WPを巻き出してインクジェット印刷装置3に対して供給する。排紙部7は、インクジェット印刷装置3で印刷された連続紙WPを水平軸周りに巻き取る。連続紙WPの供給側を上流とし、連続紙WPの排紙側を下流とすると、給紙部5はインクジェット印刷装置3の上流側に配置され、排紙部7はインクジェット印刷装置3の下流側に配置されている。
なお、インクジェット印刷装置3が本発明における「印刷装置」に相当し、連続紙WPが「印刷媒体」及び「媒体」に相当する。
インクジェット印刷装置3は、給紙部5からの連続紙WPを取り込むための第1の駆動ローラM1を上流側に備えている。第1の駆動ローラM1によって給紙部5から巻き出された連続紙WPは、回転自在の搬送ローラ11等に沿って下流側の排紙部7に向かって搬送される。
第1の駆動ローラM1の下流側には、エッジ位置制御部15が配置されている。エッジ位置制御部15は、連続紙WPが搬送方向と直交する方向へ蛇行すると自動で調整し、連続紙WPが正しい位置に搬送されるように制御する。
エッジ位置制御部15の下流側には、第2の駆動ローラM2が配置されている。第2の駆動ローラM2により下流側へ送られた連続紙WPは、搬送経路に沿った、印刷を行うための印刷領域PAに、第2の駆動ローラM2の下流側に配置された搬送ローラ11によって搬送方向が変えられる。この搬送ローラ11は、ロータリエンコーダ13が取り付けられている。印刷領域PAには、連続紙WPの搬送経路に沿って複数個の搬送ローラ11が配置されている。
印刷領域PAの上方には、印刷部19が配置されている。本実施例における印刷部19は、例えば、4個のインクジェットヘッド19a〜19dで構成されている。例えば、最上流のインクジェットヘッド19aは、ブラック(K)のインク滴を吐出し、次のインクジェットヘッド19bは、シアン(C)のインク滴を吐出し、次のインクジェットヘッド19cは、マゼンタ(M)のインク滴を吐出し、次のインクジェットヘッド19dは、イエロー(Y)のインク滴を吐出する。各インクジェットヘッド19a〜19dは、搬送方向において所定の間隔だけ離間して配置されている。
印刷領域PAにて印刷された連続紙WPは、下流側の搬送ローラ11によって搬送方向が変えられる。その位置には、第3の駆動ローラM3が配置されている。第3の駆動ローラM3は、大きな巻付角で連続紙WPを巻き付け、連続紙WPに当接して連続紙WPのインク滴を乾燥させる。この第3の駆動ローラM3は、ヒータを内蔵しており、ヒートドラムとも呼ばれる。
第3の駆動ローラM3によって乾燥された連続紙WPは、複数個の搬送ローラ11によって方向を変えられながら、第4の駆動ローラM4によって排紙部7に送られる。第4の駆動ローラM4の上流側には、検査部23が配置されている。検査部23は、印刷部19によって印刷された連続紙WPを検査する。排紙部7は、検査部23で検査された連続紙WPをロール状に巻き取る。
上述した第1の駆動ローラM1と、第2の駆動ローラM2と、第4の駆動ローラM4は、個別にニップローラ25が回転可能に取り付けられている。連続紙WPへの搬送力は、ニップローラ25によって、各駆動ローラとの間に連続紙WPが挟持されることで付与される。ニップローラ25による押圧力は、例えば、エアシリンダ(不図示)で付与される。ニップローラ25は、例えば、ゴムなどの弾性体で構成されている。
第1の駆動ローラM1の下流側であってエッジ位置制御部15の上流側には、第1のテンションセンサTP1が配置されている。また、第2の駆動ローラM2の下流側であって印刷領域PAの上流側には、第2のテンションセンサTP2が配置され、第3の駆動ローラM3の下流側であって第4の駆動ローラM4の上流側には、第3のテンションセンサTP3が配置されている。第1〜第3のテンションセンサTP1〜TP3は、連続紙WPに付与されている現在のテンションを逐次検出して、テンションの検出値として出力する。
上述したインクジェット印刷装置3と、給紙部5と、排紙部7とは、主制御部49によって統括的に制御される。
主制御部49は、制御部51と記憶部57とを備えている。制御部51は、CPUなどで構成されている。制御部51は、オペレータによる印刷開始の指示に伴い、第2の駆動ローラM2に対して搬送速度を指示する指示値を与えるとともに、PID制御を用いて第1の駆動ローラM1と、第3の駆動ローラM3と、第4の駆動ローラM4とに対して詳細後述するような操作量を与え、連続紙WPの搬送を制御する。その制御は、予めオペレータによって設定される印刷条件に応じた印刷時の搬送速度が印刷速度になるように、第2の駆動ローラM2に与えられる指示値を基準として行われる。制御部51は、連続紙WPの搬送速度や搬送距離を、ロータリエンコーダ13の出力信号に基づいて判断する。印刷条件は、例えば、連続紙WPの搬送速度や、連続紙WPに付与される各部におけるテンションの各目標値などの印刷品質に関わる条件である。記憶部57は、後述する二種類の安定幅、安定時間、テンションの目標値、ゲインの初期値、ゲイン減少量、ゲイン増加量、二種類の最小ゲイン、最大ゲインなどを予め記憶している。
ここで、図2を参照する。なお、図2は、第1〜第4の駆動ローラの制御関係を示した模式図である。
制御部51は、第1のテンションセンサTP1が設けられている箇所において連続紙Wに付与されるべきテンションの目標値と、第1のテンションセンサTP1の検出値との差分に基づいてPID制御を行い、その目標値に検出値が一致するように第1の駆動ローラM1に操作量を与える。また、制御部51は、第2のテンションセンサTP2が設けられている箇所において連続紙WPに付与されるべきテンションの目標値と、第2のテンションセンサTP2の検出値との差分に基づいてPID制御を行い、その目標値に検出値が一致するように第3の駆動ローラに操作量を与える。同様に、制御部51は、第3のテンションセンサTP3が設けられている箇所において連続紙WPに付与されるべきテンションの目標値と、第3のテンションセンサTP3の検出値との差分に基づいてPID制御を行い、その目標値に検出値が一致するように第4の駆動ローラM4に操作量を与える。さらに、制御部51は、第3の駆動ローラM3の回転速度の変化分に基づく調整値を、第4の駆動ローラM4に対する上記の操作量に加えて操作を行うことが好ましい。
なお、上述した第2の駆動ローラM2が本発明における「上流駆動ローラ」に相当し、第3の駆動ローラM3が本発明における「下流駆動ローラ」に相当し、上述した第2のテンションセンサTP2が本発明における「第1のテンションセンサ」に相当する。
上述した制御部51は、検出値と目標値との差分に基づいてPID制御を行うが、その際のゲインは、初期値が100%とされる。また、本実施例においては、PID制御のうち、PIだけによる制御を行っており、以下に説明するように安定状態であると判定された場合に調整するゲインは、比例ゲイン(P)だけとしている。
なお、上述した制御部51が本発明における「駆動制御部」と、「安定状態判定部」と、「ゲイン調整部」とに相当する。
ここで図3を参照する。なお、図3は、第2の駆動ローラへの指示値と、ゲインと、テンションとの関係を示したグラフである。
第2の駆動ローラM2への指示値、つまり、基準となる搬送速度の制御は、上述したロータリエンコーダ13に基づく換算速度が一定となる制御である。したがって、第2の駆動ローラM2へは、距離0(時間にも相当する)において0の指示値であり、距離d1において印刷速度SPとなるような指示値であり、印刷が終了する距離d18において印刷速度SPからの減速を開始し、距離d19で搬送速度が0となる指示値が与えられる。
一方、第1の駆動ローラM1と、第3の駆動ローラM3と、第4の駆動ローラM4へは、例えば、第2の駆動ローラM2への指示値のグラフにおいて点線で上下にぶれた点線で示すように変動する。具体的には、第1〜第3のテンションセンサTP1〜TP3における各テンションの検出値と目標値との差分と、比例ゲインに応じて制御部51から指示値が出力される。なお、制御部51が差分を求める際は、テンションの検出値を移動平均値とすることが好ましい。これにより、ノイズの影響や外部要因による一時的なテンションの変動による制御の乱れを抑制できる。
上述した制御部51による比例ゲインの調整について説明する。ここでは、安定幅A=±500g、安定幅B=±1000g、安定時間ST=5秒、ゲインの初期値=100%、ゲイン減少量G1=20%、ゲイン増加量G2=20%、最小ゲインGmin1=20%、最小ゲインGmin2=60%、最大ゲインGmax=100%が上述した記憶部57に予め記憶されているものとする。なお、これら安定幅Aなどの値は一例で有り、搬送対象や搬送経路、ローラの特性、装置の周囲環境などに応じて種々に設定することができる。
安定幅A及び安定幅Bは、テンションが安定状態であるか否かを判定する際のテンションの変動幅を規定するものであり、テンションの検出値と目標値との差分Δtsがこれらの安定幅A、B内であって、かつ、その状態が次の安定時間STを維持する状態であれば安定状態であると判定される。安定時間ST=5秒は、差分Δtsが安定状態であるか否かを判定する際の時間を規定する。ゲインの初期値は、PID制御を開始した際のゲインを規定し、搬送速度を停止から印刷速度へ上昇させる際や、搬送速度を印刷速度から停止させる際のゲインを規定する。ゲイン減少量G1は、安定状態であると判定された場合に現在のゲインから減算されるゲインの大きさを規定する。ゲイン増加量G2は、非安定状態と判定された場合に現在のゲインに加算されるゲインの大きさを規定する。最小ゲインGmin1は、安定幅Aで安定状態と判定され、ゲインを減算していった場合の下限を規定する。最小ゲインGmin2は、安定幅Bで安定状態と判定され、ゲインを減算していった場合の下限を規定する。最大ゲインGmaxは、ゲインを加算していった場合の上限を規定する。
なお、上記の例では、安定幅Aによる判定であろうが安定幅Bによる判定であろうが、安定状態と判定された場合には同じゲイン減少量G1だけ減算している。しかしながら、安定幅Aで判断された安定状態の方が安定度的には上になるので、安定幅Aの判定による安定状態である場合には、ゲイン減少量G1より大きな値のゲイン減少量G2でゲインを小さくするようにしてもよい。これにより速くゲインを小さくできるので、安定状態が継続される場合にはより安定したテンション制御ができる。
以下の説明において、図3のテンション及びゲインは、第1のテンションセンサTP1と第1の駆動ローラM1と、第2のテンションセンサTP2と第3の駆動ローラM3と、第3のテンションセンサTP3と第4の駆動ローラM4のいずれであってもよい。
図3では、距離0からd3までは、ゲインが初期値のままの100%とされている。ここで距離d2から距離d3の安定時間ST内は、テンションの目標値TGとテンションの検出値との差分Δtsが安定幅Aには収まっていないが、安定幅B内に収まっているものとする。したがって、安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=100%)から安定幅Bのときの減少値であるゲイン減少量G1(=20%)を減算し、ゲインを80%とする。また、距離d4からd5の安定時間ST内のテンションは、安定幅B内に収まっているものとする。したがって、安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=80%)からゲイン減少量G2(=20%)を減算し、ゲインを60%とする。
距離d6から距離d7の安定時間ST内は、差分Δtsが安定幅Bより狭い安定幅A内に収まっているものとする。したがって、安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=60%)から安定幅Aのときの減少値であるゲイン減少量G1(=20%)を減算し、ゲインを40%とする。また、距離d8から距離d9の安定時間ST内は、差分Δtsが安定幅A内に収まっているとすると、現在のゲイン(=40%)からゲイン減少量G1(=20%)を減算し、ゲインを20%とする。なお、ここでさらに安定幅Aを安定時間STだけ維持できたとしても、最小ゲインGmin1=20%の下限によって規制されるので、さらにゲインが下げられることはない。したがって、ゲインが小さくなりすぎてPID制御が不安定になる不都合を回避できる。
距離d10から距離d11の安定時間ST内は、安定幅Aから外れ、さらに安定幅Bに移行しているとする。この場合、安定時間STを維持したか否かは問わない。テンションの差分Δtsが安定幅Aを超えたか否かがわかればよい。つまり、制御が不安定になり始めたか否かを判定する。したがって、非安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=20%)にゲイン増加量G2(=20%)を加算し、ゲインを40%とする。距離d12から距離d13の安定時間ST内は、安定幅Bを超えているとする。したがって、非安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=40%)にゲイン増加量G1(=20%)を加算し、ゲインを60%とする。距離d14から距離d15の安定時間ST内は、安定幅A内に収まっているとする。したがって、安定状態と判定されるので、現在のゲイン(=60%)から安定幅Aのときの減少値であるゲイン減少量G1(=20%)を減算し、ゲインを40%とする。距離d16から距離d17の安定時間ST内は、安定幅B内に収まっているとする。したがって、安定状態であると判定されるので、現在のゲイン(=40%)からゲイン減少量G1(=20%)を減算し、ゲインを20%とする。
制御部51が印刷を終えて搬送速度を印刷速度から停止に移行する際には、現在のゲインの大きさにかかわらず、最大ゲインGmax=100%に設定する。
なお、上述した第2の駆動ローラM2と、第3の駆動ローラM3と、第2のテンションセンサTP2と、制御部51とが本発明における「搬送装置」に相当する。
次に、図4及び図5を参照して、制御部51による制御フローについて説明する。なお、図4及び図5は、制御例を示すフローチャートである。
ステップS1
制御部51は、ゲインを初期値(=100%)に設定する。なお、初期値は、必ずしも100%である必要はないが、調整するゲインのうちの最大値であることが好ましい。
ステップS2
制御部51は、加速が終了するまでこの判断を繰り返し、加速が終了すると次のステップS3へ処理を移行する。
ステップS3
制御部51は、減速が開始されたか否かによって処理を分岐する。減速が開始された場合には、ゲインを初期値(=100%)に設定する。
ステップS5
テンションの検出値と目標値との差分Δtsを算出する。なお、差分Δtsを求める際のテンションの検出値は、上述した理由により移動平均値であることが好ましい。
ステップS6〜S9は、テンションの差分Δtsが安定幅A内で安定時間STを維持した場合にゲインを下げる処理を行う。
ステップS6
差分Δtsが安定幅A内であって、その状態が安定時間STを維持しているか否かを判定し、その結果に応じて処理を分岐する。差分Δtsが安定幅A内であって、その状態が安定時間STを維持している安定状態である場合には、ステップS7へ移行し、そうでない非安定状態である場合には、ステップS2へ移行する。
ステップS7
ステップS6で差分Δtsが安定幅A内であって、その状態が安定時間STを維持している安定状態であると判定された場合には、現在のゲインからゲイン減少量G1を減算したものをゲインとする。
ステップS8
ゲインを減算した結果と、最小ゲインGmin1とを比較し、その結果に応じて処理を分岐する。その結果が最小ゲインGmin1よりも大きい場合はステップS2に分岐し、その結果が最小ゲインGmin1よりも小さい場合はステップS9に移行する。
ステップS9
ゲインを減算した結果が最小ゲインGmin1よりも小さい場合は、ゲインを最小ゲインGmin1として、演算結果にかかわらずゲインを固定する。これにより、ゲインを小さくし過ぎて感度が低くなりすぎ、テンションの調整に不具合が生じることを回避できる。
ステップS10〜S13は、テンションの差分Δtsが安定幅B内で安定時間STを維持した場合にゲインを下げる処理を行う。なお、ゲイン減少量G1より大きなゲイン減少量G1aをとして、安定幅A内の場合の減少量を増加させるようにしてもよい。
ステップS10
差分Δtsが安定幅B内であって、その状態が安定時間STを維持しているか否かを判定し、その結果に応じて処理を分岐する。差分Δtsが安定幅B内であって、その状態が安定時間STを維持している安定状態である場合には、ステップS11へ移行し、そうでない場合には、ステップS14へ移行する。
ステップS11
ステップS10で差分Δtsが安定幅B内であって、その状態が安定時間STを維持している安定状態であると判定された場合には、現在のゲインからゲイン減少量G1を減算したものをゲインとする。
ステップS12
ゲインを減算した結果と、最小ゲインGmin2とを比較し、その結果に応じて処理を分岐する。その結果が最小ゲインGmin2よりも大きい場合はステップS2に分岐し、その結果が最小ゲインGmin2よりも小さい場合はステップS13に移行する。
ステップS13
ゲインを減算した結果が最小ゲインGmin2よりも小さい場合は、ゲインを最小ゲインGmin2として、演算結果にかかわらずゲインを固定する。これにより、ゲインを小さくし過ぎて感度が低くなりすぎ、テンションの調整に不具合が生じることを回避できる。また、最小ゲインGmin2>最小ゲインGmin1となっているのは、安定幅Bの方が変動幅Aよりも広く、テンションの変動が安定幅Aの場合よりも大きく、ゲインは安定幅A内での安定状態よりも大きめが好ましいからである。
ステップS14〜S17は、安定幅Aから安定幅Bへの移行を確認する。換言すると、テンション制御が荒れてきたか否かを判断する。
ステップS14
差分Δtsが安定幅Aから安定幅Bへ移行あるいは、安定幅Bより外側へ移行したか否かを判定し、その結果に応じて処理を分岐する。移行した場合には、ステップS15へ移行し、そうでない場合には、ステップS18へ移行する。
ステップS15
現在のゲインにゲイン増加量G2を加算する。
ステップS16
ゲインを加算した結果と、最大ゲインGmaxとを比較し、その結果に応じて処理を分岐する。その結果が最大ゲインGmaxよりも大きい場合はステップS17に分岐し、その結果が最大ゲインGmax以下の場合はステップS2に移行する。
ステップS17
ゲインを最大ゲインGmaxに固定する。これにより、最大ゲインGmaxを上限として設けることにより、ゲインを大きくし過ぎて感度が高くなりすぎ、テンションの調整に不具合が生じることを回避できる。
ステップS18〜S21は、安定幅Bを超える移行を確認する。換言すると、テンション制御がさらに荒れてきたか否かを判断する。
ステップS18
差分Δtsが安定幅Bを超え、その状態が安定時間STを維持しているか否かを判定し、その結果に応じて処理を分岐する。差分Δtsが安定幅B外であって、その状態が安定時間STを維持している非安定状態である場合には、ステップS19へ移行し、そうでない場合には、ステップS2へ移行する。
ステップS19
現在のゲインにゲイン増加量G2を加算する。
ステップS20
ゲインを加算した結果と、最大ゲインGmaxとを比較し、その結果に応じて処理を分岐する。その結果が最大ゲインGmaxよりも大きい場合はステップS21に分岐し、その結果が最大ゲインGmax以下の場合はステップS2に移行する。
ステップS21
ゲインを最大ゲインGmaxに固定する。
本実施例によると、制御部51は、PID制御により第1の駆動ローラM1、第3の駆動ローラM3、第4の駆動ローラM4を操作する際、第1〜第3テンションセンサTP1〜TP3の検出値と目標値との差分Δtsが安定幅A、B内にあって、かつ、その状態が安定時間STを維持している安定状態であるか否かを判定する。安定状態であると判定された場合には、PID制御のゲインを初期値よりも小さくする。したがって、加速時などテンション制御が安定していない場合には、初期値のゲインでPID制御を行い、テンション制御が安定しているときだけゲインを小さくして感度を下げた状態でPID制御を行う。その結果、加速時などでテンション制御が不安定な場合には操作量が大きくなり、一定速でテンション制御が安定している場合には操作量が小さくなるので、加速時におけるテンションの変動を抑制しつつも連続紙WPの搬送ムラを抑制できる。その結果、印刷部19による連続紙WPへの印刷品質を向上させることができる。
また、停止から印刷速度に向けて駆動させ始める際及び印刷速度から停止に向けて減速させ始める際に、ゲインを初期値に設定するので、加減速時にテンションの変動を抑制できる。さらに、非安定状態となった場合には、ゲインを大きくして操作量を大きくすることにより、テンションの変動が大きい場合であっても、テンションを安定させることができる。
ここで、図6〜図11を参照して、上述した実施例と従来例とを比較する。
図6は、実施例に係るインクジェット印刷システムにおけるテンションの変化を示すグラフであり、図7は、実施例に係るインクジェット印刷システムにおける指示値の変化を示すグラフである。また、図8は、従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを100%とした場合のテンションの変化を示すグラフであり、図9は、従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを100%とした場合の指示値の変化を示すグラフであり、図10は、従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを30%とした場合のテンションの変化を示すグラフであり、図11は、従来例に係るインクジェット印刷システムにおいてゲインを30%とした場合の指示値の変化を示すグラフである。
本実施例は、図6中に点線で囲った領域に示すように、停止から印刷速度まで搬送速度を高くする加速過程においてもテンションの変動が抑制されている。また、図7中に点線で囲った領域に示すように、特に第3の駆動ローラM3への指示値の変動が抑制され、搬送ムラが抑制されていることがわかる。
一方、ゲインを100%とした従来例は、図8に示すようにテンションの変動は少ないものの、特に図9中に点線で囲った領域に示すように、第3の駆動ローラM3への指示値の変動が大きくなっていることがわかる。
また、ゲインを30%とした従来例は、図11に点線で囲った領域に示すように、第3の駆動ローラM3への指示値の変動が抑制されているものの、図10に点線で囲った領域に示すように、停止から印刷速度まで搬送速度を高くする加速過程においてテンションの変動が大きくなっていることがわかる。
これらのテンション及び指示値のグラフから本実施例が従来例に比較して有利な効果を奏することがわかる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、安定状態と判定した場合にはゲインを複数回にわたって小さくしていったが、一度安定状態と判定した場合には一度だけゲインを小さくするようにしてもよい。
(2)上述した実施例では、安定幅を二種類としているが、本発明はこれに限定されない。例えば、安定幅を一種類としてもよく、三種類以上としてもよい。
(3)上述した実施例では、比例ゲインだけを調整しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、搬送対象によっては、比例ゲイン(P)に加え、積分ゲイン(I)や、微分ゲイン(D)を調整するようにしてもよい。
(4)上述した実施例では、印刷装置としてインクジェット印刷装置3を例にとって説明しているが、本発明はインクジェット印刷装置3に限定されるものではない。例えば、長尺の印刷媒体を搬送しつつ印刷する印刷装置であれば、印刷方式は問わない。
(5)上述した実施例では、連続紙WPの搬送経路が図1に示すように構成された場合を例にとって説明したが、本発明はこのような構成に限定されない。
(6)上述した実施例では、印刷媒体及び媒体として連続紙WPを例にとって説明したが、本発明はこのような印刷媒体及び媒体に限定されるものではない。例えば、フィルムなどの印刷媒体及び媒体であっても本発明を適用できる。
1 … インクジェット印刷システム
3 … インクジェット印刷装置
5 … 給紙部
7 … 排紙部
WP … 連続紙
M1 … 第1の駆動ローラ
M2 … 第2の駆動ローラ
M3 … 第3の駆動ローラ
M4 … 第4の駆動ローラ
11 … 搬送ローラ
PA … 印刷領域
19 … 印刷部
TP1 … 第1のテンションセンサ
TP2 … 第2のテンションセンサ
TP3 … 第3のテンションセンサ
51 … 制御部
S1 … 印刷速度
ST … 安定時間
A、B … 安定幅
G1 … ゲイン減少量
G2 … ゲイン増加量
Gmin1 … 最小ゲイン
Gmin2 … 最小ゲイン
Gmax … 最大ゲイン
Δts … 差分
TG … テンションの目標値

Claims (15)

  1. 媒体の搬送方向における上流側に配置された上流駆動ローラと、前記搬送方向における下流側に配置された下流駆動ローラとにより前記媒体を所定方向に搬送する際に、前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記下流駆動ローラの上流側で前記媒体のテンションを検出するテンションセンサの検出値に基づきPID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する搬送制御方法において、
    前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定ステップと、
    前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン減少ステップと、
    を実施することを特徴とする搬送制御方法。
  2. 請求項1に記載の搬送制御方法において、
    前記上流駆動ローラを停止から駆動させ始める際及び前記上流駆動ローラを停止に向けて減速させ始める際に、前記ゲインを初期値に設定する初期値設定ステップを実施することを特徴とする搬送制御方法。
  3. 請求項1または2に記載の搬送制御方法において、
    前記ゲイン減少ステップの後、前記差分が前記安定幅から外れるか、前記安定幅内であっても安定時間を維持できない非安定状態となった場合には、前記ゲインを大きくするゲイン増加ステップを実施することを特徴とする搬送制御方法。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の搬送制御方法において、
    前記安定状態判定ステップは、前記安定幅を少なくとも二種類とすることを特徴とする搬送制御方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の搬送制御方法において、
    前記ゲイン減少ステップは、前記ゲインを初期値よりも小さくしていく際に、最小ゲインを下限として設けてあることを特徴とする搬送制御方法。
  6. 請求項3に記載の搬送制御方法において、
    前記ゲイン増加ステップは、前記ゲインを大きくしていく際に、最大ゲインを上限として設けてあることを特徴とする搬送制御方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の搬送制御方法において、
    前記ゲインは、比例ゲインであることを特徴とする搬送制御方法。
  8. 媒体を所定方向に搬送する搬送装置において、
    前記媒体の搬送方向における上流側に配置された上流駆動ローラと、
    前記搬送方向における下流側に配置された下流駆動ローラと、
    前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記上流駆動ローラの上流側に配置され、前記媒体のテンションを検出するテンションセンサと、
    前記テンションセンサの検出値に基づいて、PID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する駆動制御部と、
    前記操作の際に、前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定部と、
    前記安定状態判定部により、前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン調整部と、
    を備えていることを特徴とする搬送装置。
  9. 請求項8に記載の搬送装置において、
    前記ゲイン調整部は、前記駆動制御部が前記上流駆動ローラを停止から駆動させ始める際及び前記上流駆動ローラを停止に向けて減速させ始める際に、前記ゲインを初期値に設定することを特徴とする搬送装置。
  10. 請求項8または9に記載の搬送装置において、
    前記ゲイン調整部は、前記ゲイン調整部が前記ゲインを減少させた後、前記安定状態判定部により、前記差分が前記安定幅から外れるか、前記安定幅内であっても安定時間を維持できない非安定状態となったと判定された場合には、前記ゲインを大きくすることを特徴とする搬送装置。
  11. 請求項8から10のいずれかに記載の搬送装置において、
    前記安定状態判定部は、前記安定幅を少なくとも二種類とすることを特徴とする搬送装置。
  12. 請求項8から11のいずれかに記載の搬送装置において、
    前記ゲイン調整部は、前記ゲインを初期値よりも小さくしていく際に、最小ゲインを下限として設けてあることを特徴とする搬送装置。
  13. 請求項10に記載の搬送装置において、
    前記ゲイン調整部は、前記ゲインを大きくしていく際に、最大ゲインを上限として設けてあることを特徴とする搬送装置。
  14. 請求項8から13のいずれかに記載の搬送装置において、
    前記ゲインは、比例ゲインであることを特徴とする搬送装置。
  15. 所定の方向に長尺の印刷媒体を搬送しつつ印刷を行う印刷装置において、
    前記印刷媒体の搬送経路に沿った印刷領域にて前記印刷媒体に印刷を行う印刷部と、
    前記印刷領域における上流側に配置された上流駆動ローラと、
    前記印刷領域の下流側に配置された下流駆動ローラと、
    前記上流駆動ローラの前記所定方向における下流側で、かつ、前記印刷領域の上流側に配置され、前記印刷媒体のテンションを検出するテンションセンサと、
    前記テンションセンサの検出値に基づいて、PID制御を用いて前記下流駆動ローラを操作する駆動制御部と、
    前記操作の際に、前記テンションセンサの検出値と目標値との差分が安定幅内であって、かつ、その状態が安定時間を維持している安定状態であるか否かを判定する安定状態判定部と、
    前記安定状態判定部により、前記差分が安定状態であると判定された場合には、前記PID制御のゲインを初期値よりも小さくするゲイン調整部と、
    を備えていることを特徴とする印刷装置。
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