JP2018153983A - 離型性積層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

【課題】離型性及びヒートシール性に優れた離型性積層フィルム及び包装体の提供。【解決手段】基材層11と、基材層11上に設けられ、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含む離型層12とを具備する離型性積層フィルム1。離型層12に含まれる水との親和性が高いポリアルキレンオキサイドにより、離型層12の表面が親水性になり、離型層12の表面に水の膜を形成するので、離型層12に疎水性を付与した場合と比較して大幅に離型性が向上する。【選択図】図1

Description

本発明は、離型性積層フィルム及び包装体に関し、例えば、水分を含む食品などに対して良好な離型性を有する離型性積層フィルム及び包装体に関する。
従来より、透明樹脂フィルムを用いた食品包装が広く行われているが、市場の拡大や消費者のニーズの多様化に伴い、透明樹脂フィルムに対する要求品質は高まってきている。特に、透明樹脂フィルムにおいては、食品用包装体として内容物を取り出す際に包装体内に内容物が残らないよう離型性の向上が望まれている。また、ブロー成形や射出成型による製造される包装体だけでなく、フィルムを深絞り成型により包装体に成型し、内容物の充填までを一括して行える製造、輸送コストを抑えられる深絞り成型用フィルムの需要が高まっている。
透明樹脂フィルムに対する離型性付与のために、基材となるフィルムの上への離型剤のコーティング及びフィルムを製膜する際に基材となる樹脂への離型剤の添加などが行われている。離型性を付与した透明樹脂フィルムとしては、例えば、生分解性フィルムにシリコーンコート層を塗布した離型フィルム(例えば、特許文献1参照)、基材層上に凹凸付与剤を含むアンカーコート層と疎水化処理された無機粒子を含む非付着層とを塗布した離型フィルム(例えば、特許文献2参照)及び合成樹脂にシリコーンオイルとポリラクトン変性ポリシロキサンを添加したフィルムが提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2007−090652号公報 特開2016−043990号公報 特開平8−003455号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の離型性フィルムでは、塗工液を塗布した後に乾燥工程及び長時間のエージング工程を必要とするので、製造コストが増大する場合がある。また、塗布工程を有する場合、製袋品向けのチューブ原反に適用することができず、基材フィルムの製造方法が制限される場合及びヒートシール性が低下する場合がある。また、特許文献3に記載のフィルムでは、合成樹脂に液状のシリコーンオイルを練り込むために、スクリュー形状、押出機の種類などが制限されてしまうこと、及び混練時に滑ってしまい分散不良になることが問題となる。また、特許文献1から特許文献3に記載の技術では、いずれもフィルムへの疎水性付与による離型性の向上が図られているが、必ずしも充分な離型性が得られない場合がある。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、離型性及びヒートシール性に優れた離型性積層フィルム及び包装体を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含有する離型層を用いることにより、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
本発明に係る離型性積層フィルムは、基材層と、前記基材層上に設けられ、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含む離型層とを具備することを特徴とする。
本発明に係る離型性積層フィルムによれば、離型層に含まれる水との親和性が高いポリアルキレンオキサイドにより、離型層の表面が親水性になり、離型層の表面に水の膜を形成するので、離型層に疎水性を付与した場合と比較して大幅に離型性が向上する。これにより、離型層の水との接触角が大幅に低下するので、離型層の表面が水分を含む食品などと接触した場合であっても、優れた離型性が得られる。そして、離型層に含まれるポリオレフィン系樹脂により十分なヒートシール性を得ることもできる。したがって、離型性及びヒートシール性に優れた離型性積層フィルム及び包装体を実現できる。
上記離型性積層フィルムにおいては、前記離型層は、水との接触角が90°以下であることが好ましい。
上記離型性積層フィルムにおいては、前記離型層の前記ポリアルキレンオキサイドの含有量が、0.5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
上記離型性積層フィルムにおいては、前記離型層は、厚さが1μm以上100μm以下であることが好ましい。
上記離型性積層フィルムにおいては、前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエチレン酢酸ビニル系樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含有することが好ましい。
上記離型性積層フィルムにおいては、共押出フィルムであることが好ましい。
上記離型性積層フィルムにおいては、ラミネートフィルムであることが好ましい。
本発明に係る包装体は、上記離型性積層フィルムを含むことを特徴とする。
上記包装体においては、前記離型層が、基材層に対して被包装体側に設けられたことが好ましい。
本発明によれば、離型性及びヒートシール性に優れた離型性積層フィルム及び包装体を実現できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る離型性積層フィルムの断面模式図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る包装体の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明するが、本発明は、以下の実施の形態によって何ら限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る離型性積層フィルムの断面模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係る離型性積層フィルム1は、熱可塑性樹脂などを含有する基材層11と、基材層11上に設けられ、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含有する離型層12とを含む。以下、本実施の形態に係る離型性積層フィルム1の各種構成要素について詳細に説明する。
基材層11としては、例えば、一般的に用いられる熱可塑性樹脂を含むものであれば制限はない。これらの熱可塑性樹脂の中でも、基材層11としては、離型性積層フィルム1の深絞り成形性、耐ピンホール性及び強度を向上する観点又は防湿性及び離型性積層フィルム1に適度なコシを付与する観点から、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂及びエチレン酢酸ビニル系樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含むことが好ましい。
基材層11としては、ポリオレフィン系樹脂(PO)層を含むものが好ましい。基材層11がポリオレフィン系樹脂を含むことにより、離型層12との層間接着性が向上すると共に、離型性積層フィルム1の厚さ増大による離型性積層フィルム1の強度増大が可能となり、離型層12を必要最小限の厚さにすることができる。
基材層11に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、例えば、離型層12に用いられるポリエチレン系樹脂と同様の樹脂、ホモポリプロピレン及びプロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)などが挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどが挙げられる。
基材層11としては、離型性積層フィルム1に深絞り成形性、耐ピンホール性、強度をより向上させる観点から、ポリアミド系樹脂(PA)を含むものが好ましい。また、基材層11は、複数の層が積層されていてもよい。基材層11が複数の層が積層されている場合、ポリアミド樹脂層は、基材層11の少なくとも1層に含まれていることが好ましい。
基材層11としては、防湿性及び離型性積層フィルム1に適度なコシを付与する観点からは、ポリプロピレン系樹脂(PP)を含むことが好ましい。基材層11として、酸素バリア性を付与する観点から、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)からなる層を配すること好ましい。基材層11として、フィルムに強度及び印刷適性を付与する観点からは、ポリエステル系樹脂を含むことが好ましい。
離型性積層フィルム1においては、離型層12がポリオレフィン系樹脂を含有するので、離型性積層フィルム12を包装体として使用する際に十分なヒートシール性を付与することが可能となる。ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ランダムポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン及び超高密度ポリエチレンなどのポリエチレン樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン‐ブテン−1共重合体、エチレン‐オクテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体などの共重合体が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、ポリオレフィン系樹脂としては、複数種をブレンドすることにより、イージーピール性(EP)を付与することもできる。これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂としては、耐熱性及びヒートシール性を向上する観点から、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン及び高密度ポリエチレンが好ましい。
また、離型層12としては、被包装体を包装する際のヒートシール性を調整する観点から、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ナイロン系樹脂などを含有してもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、包装体のヒートシールが一般に120℃以上160℃で行われる観点から、融点100℃以上155℃以下の範囲のものが好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂としては、レトルト包装に用いる場合には120℃以上155℃以下の範囲であることがより好ましい。ポリオレフィン系樹脂の融点は、JIS K 7121に準ずる方法で測定することができる。
離型層12のポリオレフィン系樹脂のメルトフローレート(JIS K 7210)は、0.1g/10分以上50g/10分以下が好ましく、1g/10分以上10g/10分以下がより好ましい。
また、離型性積層フィルム1においては、離型層12がポリアルキレンオキサイドを含有するので、ポリアルキレンオキサイドの酸素原子により離型層12と水分との親和性が向上する。これにより、離型層12の表面12Aが親水性となるので、離型層12に疎水性を付与する場合と比較して離型性が格段に向上すると考えられる。
ポリアルキレンオキサイドとしては、離型層12の表面12Aが親水性となるものであれば特に制限はない。ポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド(エチレングリコール)、プロピレンオキサイド(プロピレングリコール)、ブチレンオキサイド(ブチレングリコール)、1,2-ブチレンオキサイド、1,3-ブチレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイド、2,3-ブチレンオキサイド、ペンチルオキサイド(ペンチルグリコール)などの重合体が挙げられる。これらのアルキレンオキサイドは、単独で用いてもよく、2種以上の共重合体であってもよい。これらの中でも、離型性を発現する観点、及び入手しやすく扱いやすい観点からポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリエチレンオキサイド-ポリプロピレンオキサイド共重合体が好ましく、ポリエチレンオキサイドがより好ましい。
ポリアルキレンオキサイドとしては、重量平均分子量(Mw)が1万以上600万以下のものが好ましく、2万以上500万以下のものがより好ましく、3万以上400万以下のものが更に好ましい。ポリアルキレンオキサイドの重量平均分子量が1万以上であると、ブリードアウトによる離型性低下が起きにくく、重量平均分子量が600万以下であると分散不良による強度低下や離型性低下が起きにくい。
離型層12におけるポリアルキレンオキサイドの含有量としては、充分な離型性が得られる観点から、質量割合で0.5質量%以上が好ましく、0.7質量%以上がより好ましく、1質量%以上が更に好ましい。また、離型層12におけるポリアルキレンオキサイドの含有量の上限に制限はないが、ポリオレフィン系樹脂との分散不良による離型性積層フィルム1の強度低下及び透明性の低下を防ぐ観点、及び加熱処理等を施す際の耐熱性を向上する観点から、質量割合で50質量%以下が好ましく、45質量%以下がより好ましく、40質量%以下が更に好ましい。
離型層12には、離型性能を阻害しない限り、添加剤を加えることができる。添加剤としては、アンチブロッキング剤、スリップ剤、加工助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
離型層12の蒸留水との接触角は90°以下が好ましく、89.5°以下がより好ましく、89°以下が更に好ましい。接触角が90°以上であることにより、お餅などの水分を含有する食品の包装に用いられる場合であっても充分な離型性能が得られる。蒸留水との接触角は、離型層に蒸留水を滴下した後、20秒後の離型層12と滴下した蒸留水表面とがなす角度を測定した。
離型層12の厚みは、充分なヒートシール性が得られる観点及び製造コストを低減する観点から、1μm以上100μm以下が好ましく、2μm以上50μm以下がより好ましい。また、離型性積層フィルム1に他の熱可塑性樹脂層を配置して多層フィルムとする場合には、他層の機能及び厚みを勘案して調整することにより、離型層12の厚みを適度は範囲に設定できる。
離型層12におけるJIS K 7105に準拠した厚み10μmにおける内部ヘーズは、内容物である被包装体の充分な視認性を確保する観点から、30%以下が好ましく、20%以下がより好ましく、15%以下が更に好ましい。
また、離型性積層フィルム1においては、基材層11と離型層12との間に接着性樹脂(AD)を積層してもよく、接着性樹脂層を介して複数の基材層11を積層してもよい。離型性積層フィルム1の層構成としては、例えば、以下のものが挙げられる。なお、下記においては、接着性樹脂層の表記を省いて、基材層(各層)/離型層の順に記載している。これらの中でも、離型性積層フィルム1の強度、深絞り成形適性、製造コストの点から、(2−1)、(2−2)、(4−1)、(4−2)の層構成が好ましい。
(1) 基材層(PO)/離型層
(2−1) 基材層(PA)/離型層
(2−2) 基材層(PA)/基材層(PO)/離型層
(3−1) 基材層(PA)/基材層(EVOH)/離型層
(3−2) 基材層(PA)/基材層(EVOH)/基材層(PO)/離型層
(4−1) 基材層(PE又はPP)/基材層(PA)/離型層
(4−2) 基材層(PE又はPP)/基材層(PA)/離型層
(5−1) 基材層(PE又はPP)/基材層(PA)/基材層(EVOH)/離型層
(5−2) 基材層(PE又はPP)/基材層(PA)/基材層(EVOH)/基材層(PO)/離型層
(5−3) 基材層(PE又はPP)/基材層(PA)/基材層(EVOH)/離型層
(6−1) 基材層(PE又はPP)/基材層(EVOH)/基材層(PA)/離型層
(6−2) 基材層(PE又はPP)/基材層(EVOH)/基材層(PA)/基材層(PO)/離型層
(7−1) 基材層(EVOH)/離型層
(7−2) 基材層(EVOH/基材層(PO)/離型層
(8−1) 基材層(PET)/離型層
(8−2) 基材層(PET)/基材層(PO)/離型層
基材層11と離型層12の厚さの比に特に制限はない。基材層11と離型層12の厚さの比としては、例えば、1:500〜1:1が好ましい。
離型性積層フィルム1は、公知の方法で、例えば、共押出法、ドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法などで製造することができる。離型性積層フィルム1は、ドライラミネート法で製造することにより、基材層11と離型層12とが押出温度及び製造方法が異なっても積層することなどが可能となり好ましい。製造コストを低減する観点から、押出しラミネート法により、予め製造した基材層11からなるフィルムに、離型層12を積層することなどが可能となるため好ましく、共押出法により、基材層11と離型層12とを積層して製造することが可能となり更に好ましい。
離型性積層フィルム1は、内容物に応じて包装形態、層構成を適宜選択することができる。包装形態の例を以下に示す。
(1)深絞り包装
(2)パウチ包装
(3)ピロー包装
(4)真空包装
深絞り包装用途には、絞り加工を行う際に延伸しやすい厚手の無延伸で製造した上記離型性積層フィルムが好ましい。パウチ包装、ピロー包装及び真空包装には、無延伸にて製造した上記実施の形態に係る離型性積層フィルムと、強度及びガスバリア性の付与の観点から、例えば、二軸延伸ポリエステルフィルムなどの延伸フィルムとを、ドライラミネート法等で積層した離型性積層フィルムが好ましい。
次に、上記実施の形態に係る離型性積層フィルムを用いた包装体について説明する。図2は、本実施の形態に係る包装体2の模式図である。図2に示すように、包装体2は、一対の上記実施の形態に係る一対の離型性積層フィルム1A,1Bの間に、水分を含有する食品であるお餅13を包装するものである。包装体2においては、一対の離型性積層フィルム1A,1Bは、離型層12(図2において不図示、図1参照)が被包装体となるお餅13側に配置され、離型層12とお餅13とが接触する。離型性積層フィルム1A,1Bは、端部にシール部21A,21Bが設けられ、中央部に冷凍又はチルド状態のお餅13が配置される。そして、包装体2においては、一対の離型性積層フィルム1A,1B間の空気を排気した後に、シール部21A,21Bをヒートシールにより接着することにより、離型性積層フィルム1A,1Bの間にお餅13が包装される。その後、加熱による殺菌処理が施された後に保存される。包装体2においては、包装体2からお餅13を取出す際に、お餅13と直接接触する離型性積層フィルム1A,1Bの表面の離型層12の表面が親水性となるので、お餅13を離型性積層フィルム1A,1Bにくっつくことなく引き剥がすことができる。また、離型層12は、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含むので、お餅13の離型性に優れるだけでなく、加熱殺菌による耐熱性、加熱に伴うカールを防ぐこともできる。なお、上記実施の形態に係る離型性積層フィルム1A,1Bは、上述したお餅13の包装以外にも、豆腐などの水分を含む食品及び物品などに対して良好な離型性を有すると共に、包装体として用いる際に要求されるヒートシール性を有する。
以上説明したように、上記実施の形態に係る離型性積層フィルムによれば、離型層に含まれる水との親和性が高いポリアルキレンオキサイドにより、離型層の表面が親水性になり、離型層の表面に水の膜を形成するので、離型層に疎水性を付与した場合と比較して大幅に離型性が向上する。これにより、離型層の水との接触角が大幅に低下するので、離型層の表面が水分を含む食品などと接触した場合であっても、優れた離型性が得られる。そして、離型層に含まれるポリオレフィン系樹脂により十分なヒートシール性を得ることもできる。したがって、離型性及びヒートシール性に優れた離型性積層フィルム及び包装体を実現できる。
以下、本発明の効果を明確にするために実施した実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例及び比較例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
基材層としては、ポリアミド樹脂(BASF社製)を用いた。離型層としては、ポリオレフィン樹脂A(ランダムポリプロピレン樹脂、プライムポリマー製、融点148℃、MFR約7.0g/10分)97質量%とポリアルキレンオキサイドA(ポリエチレンオキサイド、明成化学工業社製、重量平均分子量11万)3質量%を配合し、ドライブレンドしたものを用いた。単軸押出機を用いて基材層の樹脂及び離型層の樹脂をTダイ法により樹脂温度250℃で共押出成形した後、50℃のキャストロールで急冷製膜し、総厚み100μmの無延伸多層ヒートシール性フィルムとしての離型性積層フィルムを得た。得られた離型性積層フィルムの接触角、シール評価、離型性及びヘーズを測定した。結果を下記表1に示す。
(実施例2)
ポリオレフィン樹脂Aを99質量%とし、ポリアルキレンオキサイドAに代えて、ポリアルキレンオキサイドB(ポリエチレンオキサイド、明成化学工業社製、重量平均分子量40万〜55万)を1質量%用いたこと以外は実施例1と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例3)
ポリアルキレンオキサイドAに代えて、ポリアルキレンオキサイドBを3質量%用いたこと以外は実施例2と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例4)
ポリアルキレンオキサイドAに代えて、ポリアルキレンオキサイドC(ポリエチレンオキサイド、明成化学工業社製、重量平均分子量300万)を3質量%用いたこと以外は実施例1と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例5)
ポリオレフィン系樹脂Aに代えてポリオレフィン系樹脂B(ランダムポリプロピレン樹脂、日本ポリプロ社製、融点121℃、MFR約7.0g/10分)を97質量%用いたこと以外は実施例3と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例6)
ポリオレフィン系樹脂Aを95質量%用いたこと、及びポリアルキレンオキサイドBを5質量%用いたこと以外は実施例3と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例7)
ポリオレフィン系樹脂Aを90質量%用いたこと、及びポリアルキレンオキサイドBを10質量%用いたこと以外は実施例3と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例8)
ポリオレフィン系樹脂Aを85質量%用いたこと、及びポリアルキレンオキサイドBを15質量%用いたこと以外は実施例3と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例9)
ポリオレフィン系樹脂Aを60質量%用いたこと、及びポリアルキレンオキサイドBを40質量%用いたこと以外は実施例3と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例10)
ポリアルキレンオキサイドBに代えて、ポリアルキレンオキサイドD(ポリエチレンオキサイド、明成化学工業社製、重量平均分子量25万〜40万)を5質量%用いたこと以外は実施例6と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(実施例11)
ポリオレフィン系樹脂Aに代えてポリオレフィン系樹脂C(直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)(プライムポリマー社製、融点123℃、MFR2.1g/10分)を97質量%用いたこと以外は実施例4と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(比較例1)
ポリオレフィン系樹脂Aを100質量%用いたこと、及びポリアルキレンオキサイドAを用いなかったこと以外は実施例1と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(比較例2)
ポリアルキレンオキサイドAに代えて、界面活性剤(非イオン界面活性剤、東邦化学工業社製、融点58℃)を3質量%用いたこと以外は実施例1と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(比較例3)
界面活性剤に代えてグリセリン酸エステル(理研ビタミン社製)を3質量%用いたこと以外は比較例2と同様に離型性積層フィルムを作製して評価した。結果を下記表1に示す。
(比較例4)
シリコーン塗布PETフィルム(三菱樹脂製)を離型性積層フィルムとして用いて、実施例1と同様にして評価した。結果を下記表1に示す。
(1)接触角の測定
離型性積層フィルムの表面に蒸留水を滴下した後、20秒後の離型層表面と液滴表面とがなす角度を測定した。以下の基準で評価を行った。
○:90度未満
×:90度以上
(2)ヒートシール性
得られた離型性積層フィルムの離型層同士をヒートシーラーによって、160℃、3kg/cm、シール時間2秒の条件でヒートシールした後、幅15mmの短冊上に切断した。180°剥離試験にて、剥離速度200mm/分にて剥離して剥離強度を測定し、以下の基準で評価した。
○:1kgf/15mm幅以上
△:0.5kgf/15mm幅以上1kgf/15mm幅未満
×:0.5kgf/15mm幅未満
(3)離型性
離型性積層フィルムの離型層上にお餅を置き、包装した後、冷蔵保存にて6時間静置した。6時間静置後に離型性積層フィルムを取り出し、離型性積層フィルムからお餅を剥がした際の離型層上へのお餅の付着を以下基準で評価した。
○:離型層上へのお餅の付着がない
×:離型層上にお餅が貼りつき、お餅が伸びてしまう
(4)内部ヘーズ
JIS K 7105に準拠して離型層の内部ヘーズを測定した。
Figure 2018153983
表1から分かるように、上記実施例に係る離型性積層フィルムは、離型層がポリアルキレンオキサイドとポリオレフィン系樹脂とを含有するので、水に対する接触角が90°以下となり、良好な離型性を有すると共に、充分なヒートシール性も有していた。これに対して、比較例1、2、4は、いずれもポリアルキレンオキサイドを含有せず、水との接触角が90°以上であるので、親水性がなく、離型性が悪化した。比較例3は、水との接触角が90°以下であるが、ポリアルキレンオキサイドを含有しないので、離型性が不十分であった。また、比較例4はシリコーン塗布がされているので、ヒートシール性が発現しなかった。
本発明は、親水性を付与することにより優れた離型性を有すると共に、包装体として用いる際に要求されるヒートシール性をも兼備した離型性積層フィルムが得られるという効果を有し、例えば、水分を含む食品及び物品の包装材に好適に使用できる。
1 離型性積層フィルム
11 基材層
12 離型層
13 お餅
21A,21B シール部

Claims (9)

  1. 基材層と、
    前記基材層上に設けられ、ポリオレフィン系樹脂及びポリアルキレンオキサイドを含む離型層とを具備することを特徴とする、離型性積層フィルム。
  2. 前記離型層は、水との接触角が90°以下である、請求項1に記載の離型性積層フィルム。
  3. 前記離型層は、前記ポリアルキレンオキサイドの含有量が、0.5質量%以上50質量%以下である、請求項1又は請求項2に記載の離型性積層フィルム。
  4. 前記離型層は、厚さが1μm以上100μm以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の離型性積層フィルム。
  5. 前記基材層が、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、及びエチレン酢酸ビニル系樹脂からなる群から選択された少なくとも1種を含有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の離型性積層フィルム。
  6. 共押出フィルムである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の離型性積層フィルム。
  7. ラミネートフィルムである、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の離型性積層フィルム。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の離型性積層フィルムを含む包装体。
  9. 前記離型層が、基材層に対して被包装体側に設けられた、請求項8に記載の包装体。
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