JP2018153739A - 中空糸膜モジュールの製造方法及び製造装置、並びに積層体の把持具及び積層体の製造装置 - Google Patents

中空糸膜モジュールの製造方法及び製造装置、並びに積層体の把持具及び積層体の製造装置 Download PDF

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Masatoshi Kamata
正俊 鎌田
健太郎 小田
Kentaro Oda
健太郎 小田
靖幸 糸山
Yasuyuki Itoyama
靖幸 糸山
浩之 藤木
Hiroyuki Fujiki
浩之 藤木
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Abstract

【課題】積層する複数の中空糸膜シート状物の端面を容易に揃えることができ、充分な品質の中空糸膜モジュールを安定して製造でき、機械による自動化も容易である中空糸膜モジュールの製造方法及びその製造装置を提供する。【解決手段】複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物10が複数積層された積層体2と、積層体2の長さ方向の端部2a,2bに固定された集水管とを備える中空糸膜モジュールの製造方法であって、積層体2を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げ、形態制御部材116の一対の第1押止部118a及び第2押止部118bを積層体2を挟み込むように当接させた状態で、積層体2の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bに、当接部材138の平面142aを繰り返し押し当て各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える、中空糸膜モジュールの製造方法。【選択図】図17

Description

本発明は、中空糸膜モジュールの製造方法及び製造装置、並びに積層体の把持具及び積層体の製造装置に関する。
無菌水、飲料水、高度純水の製造等に使用される中空糸膜モジュールとしては、複数本の中空糸膜をシート状に引き揃えた中空糸膜シート状物を複数積層した積層体の両端部に、それぞれ集水管が設けられた中空糸膜モジュールが知られている(特許文献1)。
このような中空糸膜モジュールの製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
平面上に1枚の中空糸膜シート状物を配置し、前記中空糸膜シート状物の長さ方向の一方の端部上に接着剤を塗布する。次いで、接着剤を塗布した中空糸膜シート状物上に、互いの端面が揃うように別の中空糸膜シート状物を重ねて端部同士を接着固定する。このような端部への接着剤の塗布と積層を繰り返す。これにより、各々の中空糸膜シート状物の長さ方向の一方の端部同士が互いの端面が揃った状態で接着固定された積層体を得る。次いで、該積層体の長さ方向の他方の端部側においても、1枚の中空糸膜シート状物の端部に接着剤を塗布し、互いの端面が揃うように隣り合う中空糸膜シート状物の端部同士と接着固定する操作を繰り返す。これにより、各々の中空糸膜シート状物の長さ方向の両方の端部同士が互いの端面が揃った状態で接着固定された積層体を得る。
次いで、積層体の長さ方向の一方の端部を集水管に挿入し、液状のポッティング樹脂(ポッティング液)を注入して硬化させ、前記端部を集水管内に液密に固定する。積層体の他方の端部も同様に集水管内に液密に固定することで、中空糸膜モジュールが得られる。
しかし、前記した製造方法では、積層する中空糸膜シート状物の枚数が多いほど、それらの端部同士を接着固定する作業が煩雑となる。また、一人で作業を行う場合、前記したように中空糸膜シート状物の端部同士の接着固定を片側ずつ行わなければならないため、作業効率が悪い。また、作業者によって積層体における各中空糸膜シート状物の端面の揃い方に差が生じるため、同等の品質の中空糸膜モジュールを安定して製造することが困難である。一方、積層体を得る工程を機械によって自動化しようとすると、各中空糸膜シート状物を積層する手段に加えて、接着剤を塗布する手段、各中空糸膜シート状物の端面の位置を把握するカメラやセンサー等が必要になることから、機構が複雑となりコストが高騰する。
国際公開第2015/152401号
本発明は、積層する複数の中空糸膜シート状物の端面を容易に揃えることができ、充分な品質の中空糸膜モジュールを安定して製造でき、機械による自動化も容易である中空糸膜モジュールの製造方法及び中空糸膜モジュールの製造装置;並びに積層する複数の中空糸膜シート状物の端面が揃った積層体を容易に製造できる積層体の把持具及び積層体の製造装置を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールの製造方法であって、
前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となるように、前記積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げ、
前記中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備える形態制御部材を用い、吊り下げられた前記積層体における前記Uターン部と前記中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた前記積層体を挟み込むように前記一対の押止部を当接させ、吊り下げられた前記積層体の膨らみを抑えた状態で、
前記積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃え、
前記積層体の端部に前記集水管を固定する、中空糸膜モジュールの製造方法。
[2]前記押止部が断面円形状の棒状体であり、軸周りに回転可能である、[1]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[3]複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体を、前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となり、上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で把持する把持具であって、
上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた前記積層体の形態を制御する形態制御部材を備え、
前記形態制御部材は、上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた前記積層体における前記Uターン部と前記中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた前記積層体を挟み込むように当接する、前記中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備える、積層体の把持具。
[4]複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層され、各中空糸膜シート状物の端面が揃えられた積層体を得るための装置であって、
[3]に記載の積層体の把持具と、
前記把持具により上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた状態で把持された前記積層体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を所定の搬送方向に案内する案内手段と、
前記積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃える端面調整手段と、
各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面が揃えられた前記積層体における各中空糸膜シート状物の動きを規制する規制手段と、
前記規制手段で各中空糸膜シート状物の動きが規制された前記積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面のずれを検査する検査手段と、を備え、
前記検査手段による検査で前記端面のずれが規定値以上の場合に前記積層体を前記端面調整手段へと返送する、積層体の製造装置。
[5]前記検査手段の後段に設けられ、各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面が揃えられた前記積層体の長さ方向の端部に集水管を装着する集水管装着手段をさらに備え、
前記検査手段による検査で前記端面のずれが規定値未満の場合に前記積層体を前記集水管装着手段へと搬送する、[4]に記載の積層体の製造装置。
[6]複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールを製造する装置であって、
[4]又は[5]に記載の積層体の製造装置と、
前記積層体の長さ方向の端部に装着された集水管内にポッティング樹脂を注入して集水管を固定するポッティング装置と、
を備える、中空糸膜モジュールの製造装置。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、積層する複数の中空糸膜シート状物の端面を容易に揃えることができ、充分な品質の中空糸膜モジュールを安定して製造でき、機械による自動化も容易である。
本発明の積層体の把持具を用いれば、積層する複数の中空糸膜シート状物の端面を容易に揃えることができる。
本発明の積層体の製造装置を用いれば、積層する複数の中空糸膜シート状物の端面が揃った積層体を容易に製造できる。
本発明の中空糸膜モジュールの製造装置を用いれば、積層する複数の中空糸膜シート状物の端面を容易に揃えることができ、充分な品質の中空糸膜モジュールを安定して製造できる。
本発明の製造方法で製造される中空糸膜モジュールの一例を示した斜視図である。 図1の中空糸膜モジュールのA−A断面図である。 図1の中空糸膜モジュールにおける中空糸膜シート状物を示した平面図である。 図3の中空糸膜シート状物における第1結束部及び第2結束部の部分を厚さ方向に切断した断面図である。 本発明の積層体の把持具の一例を示した平面図である。 図5の把持具における把持具本体上に積層体を載置した様子を示した平面図である。 図5の把持具における把持具本体上に積層体を載置した様子を示した側面図である。 図5の把持具における把持具本体上に積層体を載置し、一対の押止部を積層体に当接させた様子を示した平面図である。 図5の把持具における把持具本体上に積層体を載置し、一対の押止部を積層体に当接させた様子を示した側面図である。 図5の把持具で積層体を上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態を示した正面図である。 図5の把持具で積層体を上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態を示した正面図である。 本発明の積層体の製造装置の一例を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した正面図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した側面図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した側面図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した側面図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した側面図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一工程を示した概略構成図である。 積層体における各中空糸膜シート状物の端面のずれの最大値を説明した側面図である。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法及び製造装置は、複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールを製造するためのものである。
[中空糸膜モジュール]
以下、本発明で製造する中空糸膜モジュールの一例を示して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態の中空糸膜モジュール1は、図1〜4に示すように、4枚の中空糸膜シート状物10が積層された積層体2と、積層体2における中空糸膜16の長さ方向の両方の端部2a,2bに装着された一対の長尺な集水管12a,12bと、を備えている。積層体2の端部2a,2bは、各集水管12a,12bにそれぞれ挿入された状態で、固定用のポッティング樹脂の硬化物からなるポッティング部14により集水管12a,12bに液密に固定されている。
積層体における中空糸膜シート状物の枚数は、4枚には限定されず、3枚以下であってもよく、5枚以上であってもよい。
中空糸膜シート状物10は、複数本の中空糸膜16が、互いに平行となるようにシート状に引き揃えられ、各中空糸膜16の長さ方向の両方の開口端面16aがいずれも開口した状態で互いに固定されたものである。
中空糸膜の材質としては、例えば、ポリスルホン系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。また、これらの樹脂の一部に置換基を導入したものを使用してもよい。中空糸膜の材質は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
中空糸膜シート状物10においては、その長さ方向の両方の端部11a,11bのそれぞれに、中空糸膜16の長さ方向に対して直交する方向に延びる、一定の幅の帯状の第1結束部18a及び第2結束部18bが設けられている。第1結束部18a及び第2結束部18bにより、複数本の中空糸膜16が互いに固定されている。
中空糸膜シート状物10の第1結束部18a及び第2結束部18bのそれぞれが設けられた部分において、隣り合う中空糸膜16間の距離は、0〜1mmが好ましい。隣り合う中空糸膜16間の距離が前記範囲内であれば、有効膜面積を確保しつつ、中空糸膜の本数に対する結束部の使用量を抑制でき、コストも低減できる。
第1結束部18aは、中空糸膜シート状物10の長さ方向の両方の端部11a,11bにそれぞれ設けられている。第1結束部18aは、図4に示すように、各々の中空糸膜16の周りを埋めるように形成されて、それぞれの中空糸膜16を結束するようになっている。
第1結束部18aは、集水管12a,12b内に挿入された状態になっている。この例では、中空糸膜16の開口端面16aと第1結束部18aの開口端面16a側の側端面とは面一になっている。第1結束部18aがこのように設けられることで有効膜面積の減少を抑制しやすい。
第2結束部18bは、中空糸膜シート状物10におけるそれぞれの端部11a,11b近傍に、長さ方向において第1結束部18aから中央側に距離L2だけ離間して設けられている。第2結束部18bは、中空糸膜シート状物10における集水管12a,12bから露出した部分に位置している。第2結束部18bは、第1結束部18aと同様に、各々の中空糸膜16の周りを埋めるように形成されて、それぞれの中空糸膜16を結束するようになっている。
距離L2は、適宜設定することができ、8〜50mmが好ましい。
第1結束部18aの幅L1及び第2結束部18bの幅L3は、それぞれ3〜30mmが好ましい。幅L1及び幅L3が下限値以上であれば、充分な結束強度が得られやすい。幅L1及び幅L3が上限値以下であれば、膜面積の低下を抑えやすい。幅L1と幅L3は、同じでもよく、異なっていてもよい。
第1結束部18a及び第2結束部18bの厚み方向の表面18cと中空糸膜16の表面との距離t1は、0.1〜1mmが好ましい。距離t1が下限値以上であれば、充分な強度の結束部となりやすく、中空糸膜シート状物が破断しにくい。距離t1が上限値以下であれば、コストを低減でき、また中空糸膜モジュールあたりの中空糸膜の充填密度を高くすることが容易になる。
第1結束部18a及び第2結束部18bを形成する材料としては、例えば、JIS K6251で規定される伸び(E)が200%以上の弾性体が挙げられ、伸び(E)が300%以上の弾性体が好ましい。弾性体の伸び(E)の上限は特に制限はないが、通常は600%程度である。
第1結束部18aが前記弾性体で形成されていれば、重ねられた第1結束部18a同士や、第1結束部18aと集水管12a,12bの側壁部20a,20bとの間のシール性が充分に発揮されやすい。そのため、液状のポッティング樹脂を集水管12a,12b内に注入する際にポッティング樹脂が第1結束部18aよりも底部20c側に漏れることが抑制されやすい。第2結束部18bが前記弾性体で形成されていれば、液状のポッティング樹脂を集水管12a,12b内に注入する際に、毛細管現象によるポッティング樹脂の過度な這い上がりを抑制しやすい。
弾性体のJIS K6253で規定されるデュロメータ硬さは、A40〜80が好ましい。第1結束部18aに用いる弾性体のデュロメータ硬さが上記範囲内であれば、注入時におけるポッティング樹脂の底部20c側への漏れ出しを抑制しやすい。第2結束部18bに用いる弾性体のデュロメータ硬さが前記範囲内であれば、エアスクラビング処理時に中空糸膜に損傷が生じることを抑制しやすい。
なお、JIS K6253のデュロメータ硬さの規格は、ISO 7619に対応する。
弾性体の材質としては、熱可塑性エラストマーが好ましい。熱可塑性エラストマーの種類は、中空糸膜モジュールが使用される環境に応じて、環境への耐性等を勘案して選択できる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、塩化ビニル系エラストマー(TPVC)、エステル系エラストマー(TPC)、ウレタン系エラストマー(TPU)、アミド系エラストマー(TPA)等が挙げられる。なかでも、ゴム弾性が高く、耐薬品性に優れている点から、スチレン系エラストマー(TPS)が好ましい。弾性体の材質は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
集水管12a,12bは、互いの面同士が対向する長尺の一対の側壁部20a,20bと、一対の側壁部20a,20bの短手方向の端部同士を繋ぐ断面半円状の底部20cと、側壁部20a,20bの底部20c側から延在する長尺で板状の脚部21a,21bとを備えている。集水管12a,12bにおける短手方向の他端には、長手方向に沿って延びるスリット状の開口部22が形成されている。このように集水管12a,12bは長尺な部材である。集水管12a,12bの開口部22側の長手方向に直交する断面の形状は、U字状になっている。
中空糸膜モジュール1の積層体2では、4枚の中空糸膜シート状物10が、それぞれの第1結束部18a同士が密着し、第2結束部18b同士が密着するように重ねられている。このように各中空糸膜シート状物10が重ねられた状態で、積層体2における長さ方向の端部2a,2b、すなわち各中空糸膜シート状物10の第1結束部18aが設けられた端部11a,11bが集水管12a,12b内に挿入されている。
第2結束部18bと集水管12a,12bの開口部22との距離Lは、1〜30mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。距離Lが下限値以上であれば、集水管12a,12b内に液状のポッティング樹脂(ポッティング液)を注入することが容易になるため、ポッティング樹脂を集水管内に充分に行きわたらせた状態で硬化させやすく、リーク発生率が低下する。距離Lが上限値以下であれば、中空糸膜モジュールの有効膜面積の減少を抑制しやすい。
なお、距離Lとは、集水管12b側の第2結束部18bの場合、中空糸膜16の長さ方向における、集水管12bの開口部22から(側壁部20a,20bの先端面から)、第2結束部18bの集水管12b側の側端までの長さである。集水管12a側の第2結束部18bの距離Lについても同様である。
この例の集水管12a,12bの各側壁部20a,20bの内面には、集水管12a,12bの長手方向に沿って延びる段差部24が互いに対向する位置に形成されている。段差部24を境にして、底部20c側の側壁部20aと側壁部20bの距離(クリアランス)が、開口部22側の側壁部20aと側壁部20bの距離(クリアランス)よりも小さくなっている。この例では、段差部24の位置と、第1結束部18aにおける中空糸膜16の長手方向の中央側の側端とが一致している。
段差部24の底部20c側の側壁部20aと側壁部20bの距離は、重ねられた中空糸膜シート状物10の第1結束部18aの部分の総厚み、すなわち積層体2の端部2a,2bの厚みと同程度かやや小さくなるように設定されている。これにより、積層体2における中空糸膜シート状物10の第1結束部18aの部分が側壁部20a,20bの内面と液密に密着し、シール性が発揮されるようになっている。また、重ねられた各第1結束部18a同士も液密に密着し、シール性が発揮される。
集水管の材質としては、優れた機械的強度及び耐久性を有するものが好ましく、例えば、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリオレフィン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル樹脂、ABS樹脂、変成PPE(ポリフェニレンエーテル)等が挙げられる。集水管の材質は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
ポッティング部14は、集水管12a,12b内の各中空糸膜16の外側における、第1結束部18aから開口部22までの部分を満たすように形成されている。これにより、集水管12a,12bにおけるポッティング部14及び第1結束部18aよりも底部20c側に集水空間26が形成されている。
中空糸膜モジュール1においては、中空糸膜シート状物10を形成する複数の中空糸膜16で濾過された処理後の液体が、集水管12a,12bの集水空間26内に一旦集められてから、集水管12a,12bの長手方向の末端に形成された取水口28を経て、中空糸膜モジュール1の外部へ取り出されるようになっている。
ポッティング部14を形成するポッティング樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系充填材、各種ホットメルト樹脂が挙げられる。ポッティング部14を形成するポッティング樹脂は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
[中空糸膜モジュールの製造装置]
本発明の中空糸膜モジュールの製造装置は、積層体の製造装置と、積層体の長さ方向の端部に装着された集水管内にポッティング樹脂を注入して集水管を固定するポッティング装置と、を備える。
本実施形態の中空糸膜モジュールの製造装置は、前記した中空糸膜モジュール1を製造するための装置である。本実施形態の中空糸膜モジュールの製造装置は、積層体の製造装置と、ポッティング装置と、を備える。
(積層体の製造装置)
本発明の積層体の製造装置は、複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層され、各中空糸膜シート状物の端面が揃えられた積層体を得るための装置である。本発明の積層体の製造装置は、積層体の把持具と;前記把持具により上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた状態で把持された前記積層体を搬送する搬送手段と;前記搬送手段を所定の搬送方向に案内する案内手段と;前記積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃える端面調整手段と;各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面が揃えられた前記積層体における各中空糸膜シート状物の動きを規制する規制手段と;前記規制手段で各中空糸膜シート状物の動きが規制された前記積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面のずれを検査する検査手段と;を備える。本発明の積層体の製造装置においては、前記検査手段による検査で前記端面のずれが規定値以上の場合に前記積層体を前記端面調整手段へと返送する。
本発明の積層体の把持具は、複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体を、前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となり、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で把持する把持具である。本発明の積層体の把持具は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体の形態を制御する形態制御部材を備えている。形態制御部材は、吊り下げられた積層体におけるUターン部と中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた積層体を挟み込むように当接する、中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備えている。
以下、本発明の積層体の製造装置及び積層体の把持具の一例について、図5〜22に基づいて説明する。
本実施形態の積層体の製造装置100(以下、単に「製造装置100」ともいう。)は、複数本の中空糸膜16がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物10が複数積層され、各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bが揃えられた積層体2を得るための装置である。製造装置100は、図12及び図18に示すように、積層体の把持具102(以下、単に「把持具102」ともいう。)と、搬送手段104と、案内手段106と、端面調整手段108と、規制手段110と、検査手段112と、を備えている。
把持具102は、複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体を、前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となり、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で把持するための治具である。把持具102は、図5に示すように、把持具本体114と、形態制御部材116とを備えている。
把持具本体114は、一対の第1支持部120及び第2支持部122と、円柱状の吊り下げ部124とを備えている。第1支持部120は、平面視形状が矩形状の第1枠体120aと、第1枠体120aにおける対向する部分を繋ぐように、所定の間隔を開けて並行して設けられた複数の第1支持棒120bとを備えている。同様に、第2支持部122は、第1支持部120と同様に、平面視形状が矩形状の第2枠体122aと、第2枠体122aにおける対向する部分を繋ぐように、所定の間隔を開けて平行に設けられた複数の第2支持棒122bとを備えている。
把持具本体114においては、第1支持部120における第1枠体120aの一辺と、第2支持部122における第2枠体122aの一辺とが、吊り下げ部124を介して接続されている。また、第1支持部120における各々の第1支持棒120bと、第2支持部122における各々の第2支持棒122bは、吊り下げ部124と平行になるように配置されている。
第1支持部120と第2支持部122は吊り下げ部124の軸周りに可動式になっている。これにより把持具本体114は、図5に示すように、第1支持部120と第2支持部122を水平に広げた状態にしたり、図11に示すように、第1支持部120と第2支持部122を閉じて折り畳んだ状態にしたりすることができるようになっている。第1支持部120と第2支持部122を水平に広げた状態では、把持具本体114の平面視形状は長方形状になっている。
形態制御部材116は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2の形態を制御するための部材である。形態制御部材116は、二対の接続用基部117a,117a,117b,117bと、二対の回動棒119a,119a,119b,119bと、一対の第1押止部118a及び第2押止部118bとを備えている。
第1支持部120の吊り下げ部124から遠い側において、第1枠体120aにおける幅方向の両側の部分からそれぞれ外側に突出するように一対の接続用基部117a,117aが設けられている。各々の接続用基部117a,117aには、一対の回動棒119a,119aのそれぞれの一方の端部が接続されている。一対の回動棒119a,119aは、それぞれ側面視で接続用基部117a,117aと接続された部分を中心として回動できるようになっている。そして、一対の回動棒119a,119aのそれぞれの他方の端部を繋ぐように第1押止部118aが設けられている。
同様に、第2支持部122の吊り下げ部124から遠い側において、第2枠体122aにおける幅方向の両側の部分からそれぞれ外側に突出するように一対の接続用基部117b,117bが設けられている。各々の接続用基部117b,117bには、一対の回動棒119b,119bのそれぞれの一方の端部が接続されている。一対の回動棒119b,119bは、それぞれ側面視で接続用基部117b,117bと接続された部分を中心として回動できるようになっている。そして、一対の回動棒119b,119bのそれぞれの他方の端部を繋ぐように第2押止部118bが設けられている。
把持具102においては、図6及び図7に示すように、把持具本体114の第1支持部120と第2支持部122を水平に広げた状態で、把持具本体114上に積層体2を載置することができる。このとき、積層体2における中空糸膜16の長さ方向が吊り下げ部124と直交するように把持具本体114上に積層体2を載置する。この例では、形態制御部材116における一対の第1押止部118a及び第2押止部118bは、積層体2における中空糸膜16の長さ方向に直行する方向に延びるように配置されている。
把持具本体114を水平状態としたまま、第1押止部118a及び第2押止部のそれぞれが吊り下げ部124に近づくように、二対の回動棒119a,119aと回動棒119b,119bとをそれぞれ逆向きに回動させることで、図8及び図9に示すように、第1押止部118aと第2押止部118bを積層体2の上面側に当接させることができる。
そして、吊り下げ部124を上昇させ、第1支持部120と第2支持部122を閉じて把持具本体114を折り畳んだ状態とすることで、図10及び図11に示すように、積層体2を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げ部124に吊り下げることができる。このとき、形態制御部材116における一対の第1押止部118a及び第2押止部118bは、吊り下げられた積層体2におけるUターン部2cと中空糸膜16の長さ方向の端部2a,2bとの間の部分に、吊り下げられた積層体2を挟み込むように当接した状態となる。これにより、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2が外側に膨らむことが抑制される。
第1押止部118a及び第2押止部118bは、長さ方向に垂直な方向の断面形状が円形状の棒状体である。第1押止部118a及び第2押止部118bは、円柱状であってもよく、円筒状であってもよい。また、第1押止部118a及び第2押止部118bは、軸周りに回転可能になっている。本発明では、このように一対の押止部が断面円形状の棒状体で、それら一対の棒状体が回転可能になっていることが好ましい。これにより、積層体における中空糸膜長さ方向の端部において各中空糸膜シート状物の端面を揃える際、当接部材を繰り返し当接させて振動を与えたときに、最も外側の中空糸膜シート状物の動きに合わせて棒状体が軸周りに回転する。そのため、積層体における各中空糸膜シート状物の端部が上下動しやすくなることから、積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面を揃えることが容易になる。
なお、本発明においては、一対の押止部は棒状体には限定されず、例えば、板状体であってもよい。
一対の押止部における積層体への当接面の表面粗さRz(JIS B 0601:2013)は、12.5以下が好ましく、6.3以下がより好ましく、1.6以下がさらに好ましい。前記一対の押止部の当接面の表面粗さRzが上限値以下であれば、中空糸膜表面を損傷せずに積層体における各中空糸膜シート状物の端面を揃える際にそれら中空糸膜シート状物の端部が上下動しやすく、端面が容易に揃いやすくなる。前記一対の押止部の当接面の表面粗さRzの下限値は、特に限定されないが、実質的には0.8である。
なお、押止部の当接面の表面粗さRzは、市販の表面粗さ計により測定される。
一対の押止部における積層体への当接面には、ブラスト加工が施されていることが好ましい。これにより、一対の押止部における積層体への当接面と、中空糸膜シート状物との間の接触面積がより小さくなるため、それらの間での摩擦抵抗が小さくなり、積層体における各中空糸膜シート状物の端面を揃える際にそれら中空糸膜シート状物の端部が上下動しやすくなることで、端面を揃えることが容易になる。
一対の押止部の材質としては、特に限定されず、例えば、ポリアセタール、ナイロン、ベークライト、ABS樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、ポリオレフィン、ウレタン樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)、ポリスルホン等の樹脂材料やアルミニウム、ステンレス、チタン、FRP(繊維強化プラスチック)等が挙げられる。一対の押止部の材質としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。押止部における積層体への当接面にはフッ素系やシリコーン系の離形処理表面加工が施されていることが好ましい。これによりポッティング樹脂が接液した場合でも排除することが容易になる。また錆が発生する材質を用いる場合は防錆加工が施されていることが好ましい。
搬送手段104は、把持具102により上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた状態で把持された積層体2を搬送する手段である。図12に示すように、搬送手段104は、搬送基体126と、レール部128と、アーム部130と、滑車部132とを備えている。
搬送基体126は、正面視形状が上下方向に長い長方形状になっている。なお、搬送基体126の形状は、長方形状には限定されない。レール部128は、搬送基体126において上下方向に延在するように設けられている。アーム部130は、レール部128に沿って上下動するように設けられており、把持具102における吊り下げ部124の両端部に着脱自在に接続できるようになっている。滑車部132は、搬送基体126の上部に設けられている。
案内手段106は、搬送手段104を所定の搬送方向に案内する手段である。案内手段106は、複数の支柱134と、各々の支柱134の上部に固定された水平方向に延びるガイドレール136とを備えている。案内手段106のガイドレール136には搬送手段104の滑車部132が装着され、搬送手段104がガイドレール136に沿って水平方向に移動できるようになっている。
ガイドレール136のレイアウトは、特に限定されず、上下方向や横方向に湾曲している部分があってもよく、分岐部や合流部があってもよい。
図13に示すように、搬送手段104のアーム部130をレール部128に沿って下降させ、積層体2を載置した把持具102の吊り下げ部124の両端部とアーム部130とを接続する。この状態で、アーム部130をレール部128に沿って上昇させることで、図10、図11及び図14に示すように、積層体2を上に凸となるように長さ方向に湾曲させた状態で把持具102の吊り下げ部124に吊り下げることができる。そして、この状態で搬送手段104を案内手段106のガイドレール136に沿って移動させることで、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態の積層体2を搬送することができる。
端面調整手段108は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられている積層体2における中空糸膜16の長さ方向の端部2aと端部2bのそれぞれにおいて、各中空糸膜シート状物10の一方の端面10a同士と、各中空糸膜シート状物10の他方の端面10b同士を揃える手段である。端面調整手段108は、複数の当接部材138を備えている。複数の当接部材138は、図15に示すように、搬送手段104によって持ち上げられている把持具102の吊り下げ部124に吊り下げられた積層体2の下方に位置するように設けられている。すなわち、複数の当接部材138は、搬送手段104によって搬送されている積層体2が複数の当接部材138の上方を通過できるように設けられている。
複数の当接部材138は、把持具102における折り畳まれた状態の第1支持部120と第2支持部122のそれぞれの側に対応するように、吊り下げ部124の軸方向において間隔を空けて2列設けられている。2列の当接部材138のうち、第1支持部120側の複数の当接部材138は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられている積層体2における第1支持部120側の端部2aの幅方向に沿うように並んでいる。また、2列の当接部材138のうち、第2支持部122側の複数の当接部材138は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられている積層体2における第2支持部122側の端部2bの幅方向に沿うように並んでいる。
各々の当接部材138は、図16に示すように、バイブレータ140と、バイブレータ140上に設けられた当接板142とを備えている。当接部材138においては、当接板142の上面が中空糸膜シート状物10の端面10a,10bに当接される平面142aになっている。2列に配置された複数の当接部材138がそれぞれ上下動することで、各々の当接部材138の平面142aを、吊り下げられた積層体2の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bのそれぞれに繰り返し押し当てることができるようになっている。
2列の各当接部材138のうち、把持具102における吊り下げ部124の軸方向に並んでいる各当接部材138は、吊り下げ部124の軸方向に延びる2つの支持部材144でそれぞれ支持されている。
この例の製造装置100は、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える端面調整手段108に加えて、積層体2の側端面10c,10dを揃える幅方向調整部材146を備えている。本発明の積層体の製造装置では、このように上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体における各中空糸膜シート状物の側端面を揃える幅方向調整部材も備えていることが好ましい。
幅方向調整部材146は、バイブレータ148と、バイブレータ148上に設けられた当接板150とを備えている。当接板150の上面が中空糸膜シート状物10の側端面10cに当接される平面150aになっている。幅方向調整部材146における当接板150の平面150aを各中空糸膜シート状物10の側端面10cに繰り返し押し当てて振動させることで、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2における各中空糸膜シート状物10の側端面10c,10dを揃えることができる。
規制手段110は、案内手段106における端面調整手段108よりも後段に設けられ、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bが揃えられた積層体2における各中空糸膜シート状物10の動きを規制する手段である。規制手段110は、端面調整手段108によって各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃える処理を行った後の積層体2を挟むように押さえる一対の保持部材152を備えている。
保持部材152としては、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2における各中空糸膜シート状物10の動きを規制できるものであればよく、例えば、クランプ等が挙げられる。
検査手段112は、規制手段110で各中空糸膜シート状物10の動きが規制された積層体2における各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a同士のずれ及び端面10b同士のずれを検査する手段である。
積層体2の端部2a,2bにおいて、各中空糸膜シート状物10の端面10a同士や端面10b同士のずれが大きく、第1結束部18a同士が密着していない部分が生じると、集水管12a,12bを取り付けて液状のポッティング樹脂を注入した際に、ポッティング樹脂が集水管12a,12b内における第1結束部18aよりも底部20c側に漏れる。そのため、集水管12a,12b内における第1結束部18aよりも底部20c側へのポッティング樹脂の漏れをより安定して抑制する点から、各中空糸膜シート状物10の端面10a同士や端面10b同士を揃える操作を行った後に、それら端面のずれを検査することが好ましい。
検査手段112は、積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面のずれを測定する測距センサー154を備えている。測距センサー154は、図15及び図19に示すように、搬送手段104によって持ち上げられている把持具102の吊り下げ部124に吊り下げられた積層体2の下方に位置するように設けられている。すなわち、測距センサー154は、搬送手段104によって搬送されている積層体2が測距センサー154の上方を通過するように設けられている。検査手段112においては、積層体2における各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a同士のずれを測定する測距センサー154と、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10b同士のずれを測定する測距センサー154とがそれぞれ設けられている。
この例では、端面調整手段108によって積層体2の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃え、規制手段110によって各中空糸膜シート状物10の動きを規制した状態で、積層体2の幅方向において測距センサー154と積層体2とを相対移動させる。これにより、測距センサー154により各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bが走査され、複数の端面10a間のずれ及び複数の端面10b間のずれを測定するようになっている。測距センサー154による測定を行うことで、端面調整手段108を用いて各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃えた後に、それら端面10a同士及び端面10b同士が揃っている度合いを判定することができる。
この例では、把持具102で把持された積層体2を搬送手段104によって搬送し、測距センサー154上を通過させることで、測距センサー154に対して積層体2を相対移動させる。なお、本発明では、積層体2の搬送を停止した状態で、測距センサー154を移動させることで測距センサー154に対して積層体2を相対移動させる態様であってもよい。
測距センサー154としては、各中空糸膜シート状物10の端面10a同士のずれ及び端面10b同士のずれを測定できるものであればよく、例えば、オムロン社製スマートセンサー 二次元形状計測センサー形ZG2シリーズ等が挙げられる。
製造装置100においては、測距センサーにより測定した端面間のずれが規定値以上の場合には、搬送手段104を案内手段106のガイドレール136に沿って端面調整手段108まで逆送させ、再度、積層体2の各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える作業が行えるようになっている。このように、測距センサー154による測定の結果に基づいて、端面調整手段108による積層体2の各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える作業を再度行うことで、積層体2における各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bがより高い精度で揃えられた状態とすることができる。
なお、本発明では、案内手段106のガイドレール136に、検査手段112による検査後の積層体2を保持した搬送手段104を端面調整手段108まで返送するための返送経路を別に設けてもよい。
製造装置100では、図20及び図21に示すように、検査手段112による検査で積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bのずれが規定値未満の場合には、検査手段112よりも下流側に積層体2を搬送する。製造装置100における検査手段112の下流側では、積層体2の端部2a,2bに集水管12a,12bを装着できるようになっている。
積層体2の端部2a,2bへの集水管12a,12bの装着は、例えば、手作業で行うことができる。集水管12a,12bの装着を手作業で行う場合は、集水管12a,12bの装着作業が律速となることから、生産性を向上させる点から、案内手段106のガイドレール136を検査手段112の下流側で複数に分岐させて、集水管12a,12bの装着作業を複数箇所で並行して行えるようにすることが好ましい。
また、本発明の積層体の製造装置は、製造装置100における検査手段112の後段に、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bが揃えられた積層体2の長さ方向の端部2a,2bに集水管12a,12bを装着する集水管装着手段を設けてもよい。この場合は、検査手段112による検査で積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bのずれが規定値未満のときに、搬送手段104により積層体2を集水管装着手段へと搬送する。
製造装置100においては、積層体2の端部2a,2bへの集水管12a,12bの装着した後に、搬送手段104から把持具102を脱離させ、集水管12a,12bを装着した積層体2を後段のポッティング装置に送ることができるようになっている。
(ポッティング装置)
ポッティング装置は、積層体2における中空糸膜16の長さ方向の端部2a,2bに装着された集水管12a,12b内にポッティング樹脂を注入し、集水管12a,12bを積層体2の端部2a,2bに固定する手段である。
ポッティング装置としては、公知の装置を使用することができる。ポッティング装置としては、例えば、積層体2と集水管12a,12bを保持する保持手段と、保持された集水管12a,12b内にポッティング樹脂を注入するノズルとを備えるものが挙げられる。例えば、該ノズルを集水管12a,12bの長さ方向、すなわち積層体2の幅方向に相対的に移動させながら、該ノズルからポッティング樹脂を吐出することで、積層体2の端部2a,2bに装着された集水管12a,12b内にポッティング樹脂を注入して固定することができる。
[中空糸膜モジュールの製造方法]
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールを製造する方法である。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法では、積層体における中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となるように、積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げる。そして、該積層体の中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備える形態制御部材を用いて、吊り下げられた積層体のUターン部と中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた積層体を挟み込むように一対の押止部を当接させ、吊り下げられた積層体の膨らみを抑える。そして、その状態で、積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返し、各中空糸膜シート状物の端面を揃え、積層体の端部に集水管を固定する。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法には、本発明の積層体の製造装置を用いることができる。以下、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一例として、前記した製造装置100を用いて、中空糸膜モジュール1を製造する方法について説明する。
本実施形態の製造方法では、図6、図7及び図12に示すように、まず把持具102における把持具本体114を、第1支持部120と第2支持部122を水平に広げた状態とし、第1支持部120及び第2支持部122の上に複数枚の中空糸膜シート状物10を積層して積層体2とする。このとき、各中空糸膜シート状物10における各中空糸膜16の長さ方向が吊り下げ部124の軸方向に直交するようにする。水平状態の第1支持部120及び第2支持部122上に積層する際の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bは、綺麗に揃えておく必要はない。
次いで、把持具本体114を水平状態としたまま、第1押止部118a及び第2押止部のそれぞれが吊り下げ部124に近づくように、二対の回動棒119a,119aと回動棒119b,119bとをそれぞれ回動させる。これにより、図8及び図9に示すように、第1押止部118aと第2押止部118bを積層体2の上面側に当接させる。
次いで、図13に示すように、積層体2を載置した把持具102を搬送手段104の下へと移動させ、搬送手段104のアーム部130をレール部128に沿って下降させ、積層体2を載置した把持具102の吊り下げ部124の両端部とアーム部130とを接続する。この状態でアーム部130をレール部128に沿って上昇させ、第1支持部120と第2支持部122を閉じて把持具本体114を折り畳んだ状態とすることで、図10、図11及び図14に示すように、Uターン部2cが上になるように積層体2を長さ方向に湾曲させた状態で把持具102の吊り下げ部124に吊り下げる。このとき、形態制御部材116における一対の第1押止部118a及び第2押止部118bは、吊り下げられた積層体2におけるUターン部2cと中空糸膜16の長さ方向の端部2a,2bとの間の部分に、積層体2を挟み込むように当接した状態となる。これにより、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体2が外側に膨らむことが抑制される。
なお、本発明においては、積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた後に、形態制御部材の一対の押止部を、積層体におけるUターン部と中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に当接させてもよい。
積層体におけるUターン部と中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分において、一対の押止部を当接させる位置は、該一対の押止部を当接させていないときの積層体の形態に応じて適宜設定すればよい。本発明では、一対の押止部を当接させていないときの積層体におけるUターン部と中空糸膜の長さ方向の端部との間において、最も外側に膨らんでいる部分に一対の押止部を当接させることが好ましい。
把持具102の吊り下げ部124に積層体2を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で、搬送手段104を案内手段106のガイドレール136に沿って移動させ、図15に示すように、積層体2を端面調整手段108上まで搬送する。この状態で、図16及び図17に示すように、積層体2の長さ方向のそれぞれの端部2a,2bにおいて、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10aと端面10bのそれぞれに、当接部材138における当接板142の平面142aを、それぞれの中空糸膜シート状物10の端部11a,11bが撓むように下方から押し当てる操作を繰り返す。このように、当接板142の平面142aを繰り返し当接させることによる振動により、積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a同士と端面10b同士をそれぞれ揃えることができる。
積層体2における各中空糸膜シート状物10の長さ方向の一方の端面10a同士を揃える作業と、他方の端面10b同士を揃える作業は、それぞれ別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。本発明においては、作業効率が高く、生産性が高い点から、積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の両方の端面を同時に揃えることが好ましい。
上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面に当接部材の平面を繰り返し当接させ、各中空糸膜シート状物の端部に振動を与えてそれらの端面同士を揃える際には、各中空糸膜シート状物の長さ方向の端部の鉛直方向に対する傾きが大きいほど端面同士を揃えにくくなる。積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端部の鉛直方向に対する傾きが大きい場合には、各中空糸膜シート状物の端部に振動が加わると端面同士のずれがより大きくなることもある。
これに対して、本実施形態では、端面調整手段108によって積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃えている際に、第1押止部118a及び第2押止部118bによって、吊り下げられた積層体2が外側に膨らむことが抑制されている。そのため、積層体2の長さ方向のそれぞれの端部2aと端部2bにおいて、各々の中空糸膜シート状物10が過度に傾くことが抑制されている。これにより、積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a同士と端面10b同士をそれぞれ綺麗に揃えることができる。
一対の第1押止部118a及び第2押止部118bが当接されて外側に膨らむことが抑制された状態で吊り下げられた積層体2の長さ方向の端部2aにおける各中空糸膜シート状物10の鉛直方向に対する角度θ1(図23)は、15°以下が好ましく、10°以下がより好ましく、5°以下がさらに好ましく、0°が特に好ましい。前記角度θ1が上限値以下であれば、吊り下げられた積層体2における各中空糸膜シート状物10の端面10a同士を綺麗に揃えることが容易になる。
一対の第1押止部118a及び第2押止部118bが当接されて外側に膨らむことが抑制された状態で吊り下げられた積層体2の長さ方向の端部2bにおける各中空糸膜シート状物10の鉛直方向に対する角度θ2の好ましい範囲は、前記角度θ1の好ましい範囲と同じである。
本発明では、積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の両方の端面を揃えることに加えて、さらに各中空糸膜シート状物の側端面も揃えることが好ましい。この例では、幅方向調整部材146を用いて、上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた積層体2における各中空糸膜シート状物10の側端面10c,10dも揃えることが好ましい。具体的には、幅方向調整部材146の当接板150の平面150aを各中空糸膜シート状物10の側端面10cに繰り返し押し当てて振動させることで、積層体2における各中空糸膜シート状物10の側端面10c,10dを揃えることができる。
次いで、図18に示すように、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃えた状態で、規制手段110の保持部材152により積層体2の端部2a,2b寄りの部分を挟んで保持する。本発明では、この例のように、各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面を揃える作業を行った後に、該積層体の端部寄りの部分をクランプ等の保持部材で保持して各中空糸膜シート状物の動きを規制することが好ましい。このように規制手段により積層体の動きを規制することで、各中空糸膜シート状物の端部同士を接着剤等で固定しなくても、集水管を取り付ける際に、揃えた各中空糸膜シート状物の各端面が再び乱れることを抑制することが容易になる。そのため、接着剤による接着固定の作業負担を軽減できる。
積層体2の端部2a,2bにおいて、各中空糸膜シート状物10の端面10a同士や端面10b同士のずれが大きく、第1結束部18a同士が密着していない部分が生じると、集水管12a,12bを取り付けて液状のポッティング樹脂を注入した際に、ポッティング樹脂が第1結束部18aよりも底部20c側に漏れる。そのため、集水管内における結束部よりも底部側へのポッティング樹脂の漏れをより安定して抑制する点から、各中空糸膜シート状物の端面同士を揃える操作を行った後に、それら端面のずれを検査することが好ましい。すなわち、本発明においては、当接部材の平面を押し当てる操作を繰り返して積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面を揃えた後に、それら端面間のずれを測距センサーによって測定することが好ましい。
この例では、当接部材138によって積層体2の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃えた後に、図19に示すように、積層体2の幅方向において検査手段112の測距センサー154と積層体2とを相対移動させ、測距センサー154により各中空糸膜シート状物10の端面10aを走査して、複数の端面10a間のずれを測定する。同様に、測距センサー154によって複数の端面10b間のずれも測定する。このように、測距センサーによる測定を行うことで、当接部材を用いて各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面を揃えた後に、それらの端面同士が揃っている度合いを判定することができる。
この例では、搬送手段104によって積層体2を搬送することで、測距センサー154に対して積層体2を相対移動させることができる。なお、本発明では、搬送手段104による積層体2の搬送を停止した状態で、測距センサー154を移動させることで、測距センサー154に対して積層体2を相対移動させる方法を採用してもよい。
測距センサー154により測定した各中空糸膜シート状物10の端面10a間のずれ又は端面10b同士のずれが規定値以上の場合には、搬送手段104を案内手段106のガイドレール136に沿って端面調整手段108まで逆送させる。そして、再度、積層体2の各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える作業を行う。このように、本発明では、測距センサーにより測定した各中空糸膜シート状物の端面間のずれが規定値以上のときには、再度、積層体の各中空糸膜シート状物の端面に当接部材の平面を押し当てる操作を繰り返して端面を揃えることが好ましい。これにより、積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面同士をより高い精度で揃えることができる。
例えば、測距センサー154により測定した、各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a同士及び端面10b同士のずれの最大値X(図24)が2mm以上の場合に、搬送手段104を案内手段106のガイドレール136に沿って端面調整手段108まで逆送させ、再度、端面調整手段108により積層体2の各中空糸膜シート状物10の端面10a,10bを揃える。
積層体2の各中空糸膜シート状物10の長さ方向の端面10a,10bを揃えた後は、搬送手段104により積層体2をさらに搬送し、図20及び図21に示すように、積層体2の長さ方向の各々の端部2a,2bに集水管12a,12bをそれぞれ装着する。この例の集水管12a,12bの場合は、脚部21aと脚部21bを互いに近づけるように摘まむことで、側壁部20aと側壁部20bの先端側が離れ、開口部22が開く。このようにすることで、積層体2の端部2a,2bを集水管12a,12bに容易に挿入することができる。
積層体2の端部2a,2bに集水管12a,12bを装着した後、搬送手段104によりガイドレール136の終点部分まで積層体2を搬送し、搬送手段104から把持具102を脱離させ、積層体2をポッティング装置へと送る。
次いで、ポッティング装置において、集水管12a,12b内の積層体2との隙間に液状のポッティング樹脂(ポッティング液)を注入して硬化させ、積層体2を集水管12a,12bに液密に固定する。これにより、中空糸膜モジュール1が得られる。
中空糸膜シート状物10における第1結束部18aが設けられた部分においては、前記したように各中空糸膜16の周りが第1結束部18で埋められている。また、各中空糸膜シート状物10の第1結束部18a同士は密着し、側壁部20a,20bにおける段差部24よりも底部20c側の部分と第1結束部18aも密着している。そのため、集水管12a,12b内に注入されたポッティング樹脂は、第1結束部18aで堰き止められ、それよりも底部20c側には漏れ出さない。
ポッティング樹脂を注入する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用でき、例えば、ノズルからポッティング樹脂を吐出して注入する方法が挙げられる。本発明では、生産性の点から、積層体の長さ方向の両方の端部のそれぞれに同時に集水管を取り付けることが好ましい。
以上説明したように、本発明においては、積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で、積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃える。これにより、変形しやすい中空糸膜シート状物を積層した積層体であるにもかかわらず、それらの端面同士を容易に揃えることができる。また、各中空糸膜シート状物の端面を揃えた積層体の端部に集水管を取り付ける作業も容易である。
本発明では、1枚1枚端面を揃えながら中空糸膜シート状物を積層する場合に比べて、積層作業が容易である。また、複数の中空糸膜シート状物を積層して端面を揃える作業が、中空糸膜シート状物の枚数によらずほぼ同等になるため、中空糸膜シート状物の積層数が増えても作業負担の増大を抑制できる。また、本発明では、1枚1枚端面を揃えながら中空糸膜シート状物を積層する場合に比べて、機械がより簡便となるため、自動化も容易である。また、自動化することで、作業者によって作業斑が生じることも防止できる。
また、本発明では、積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げ、該積層体におけるUターン部の下側の端部との間に形態制御部材の一対の押止部を当接させ、吊り下げられた積層体の膨らみを抑えた状態で各中空糸膜シート状物の端面を揃える。これにより、端面を揃えている際の積層体の長さ方向の端部において、各中空糸膜シート状物が鉛直方向に対して過度に傾きすぎることが抑制されるため、各中空糸膜シート状物の端面同士を容易に高精度に揃えることができる。
なお、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法及び製造装置は、前記したものには限定されない。また、本発明の積層体の把持具及び積層体の製造装置も、前記したものには限定されない。
例えば、前記した把持具102は、第1支持部120及び第2支持部122は、第1枠体120a及び第2枠体122aと、第1枠体120a及び第2枠体122aの対向する部分を繋ぐ複数の第1支持棒120b及び第2支持棒122bとで形成され、平面視で開口部を有している。しかし、本発明の把持具は、第1支持部と第2支持部が平板からなり、開口を有しないものであってもよい。軽量化の点からは、本発明の積層体の把持具は、把持具102のように第1支持部と第2支持部が枠体と複数の支持棒からなるものであることが好ましい。
1…中空糸膜モジュール、10…中空糸膜シート状物、12a,12b…集水管、14…ポッティング部、16…中空糸膜、100…積層体の製造装置、102…積層体の把持具、104…搬送手段、106…案内手段、108…端面調整手段、110…規制手段、112…検査手段、116…形態制御部材、118a…第1押止部、118b…第2押止部、138…当接部材、140…バイブレータ、142…当接板、142a…平面、154…測距センサー。

Claims (6)

  1. 複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールの製造方法であって、
    前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となるように、前記積層体を上に凸となるように長さ方向に湾曲させて吊り下げ、
    前記中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備える形態制御部材を用い、吊り下げられた前記積層体における前記Uターン部と前記中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた前記積層体を挟み込むように前記一対の押止部を当接させ、吊り下げられた前記積層体の膨らみを抑えた状態で、
    前記積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃え、
    前記積層体の端部に前記集水管を固定する、中空糸膜モジュールの製造方法。
  2. 前記押止部が断面円形状の棒状体であり、軸周りに回転可能である、請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  3. 複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体を、前記中空糸膜の長さ方向の中央部がUターン部となり、上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げた状態で把持する把持具であって、
    上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた前記積層体の形態を制御する形態制御部材を備え、
    前記形態制御部材は、上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた前記積層体における前記Uターン部と前記中空糸膜の長さ方向の端部との間の部分に、吊り下げられた前記積層体を挟み込むように当接する、前記中空糸膜の長さ方向に交差する方向に延びる一対の押止部を備える、積層体の把持具。
  4. 複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層され、各中空糸膜シート状物の端面が揃えられた積層体を得るための装置であって、
    請求項3に記載の積層体の把持具と、
    前記把持具により上に凸になるように長さ方向に湾曲させて吊り下げられた状態で把持された前記積層体を搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段を所定の搬送方向に案内する案内手段と、
    前記積層体の各中空糸膜シート状物の長さ方向の少なくとも一方の端面に、平面を有する当接部材の前記平面を押し当てる操作を繰り返して、各中空糸膜シート状物の端面を揃える端面調整手段と、
    各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面が揃えられた前記積層体における各中空糸膜シート状物の動きを規制する規制手段と、
    前記規制手段で各中空糸膜シート状物の動きが規制された前記積層体における各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面のずれを検査する検査手段と、を備え、
    前記検査手段による検査で前記端面のずれが規定値以上の場合に前記積層体を前記端面調整手段へと返送する、積層体の製造装置。
  5. 前記検査手段の後段に設けられ、各中空糸膜シート状物の長さ方向の端面が揃えられた前記積層体の長さ方向の端部に集水管を装着する集水管装着手段をさらに備え、
    前記検査手段による検査で前記端面のずれが規定値未満の場合に前記積層体を前記集水管装着手段へと搬送する、請求項4に記載の積層体の製造装置。
  6. 複数本の中空糸膜がシート状に引き揃えられた中空糸膜シート状物が複数積層された積層体と、前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に固定された集水管と、を備える中空糸膜モジュールを製造する装置であって、
    請求項4又は5に記載の積層体の製造装置と、
    前記積層体における前記中空糸膜の長さ方向の端部に装着された集水管内にポッティング樹脂を注入して集水管を固定するポッティング装置と、
    を備える、中空糸膜モジュールの製造装置。
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CN112516800A (zh) * 2020-10-30 2021-03-19 宁波方太厨具有限公司 中空纤维膜元件及其制作方法

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