JP2018150286A - (メタ)アクリレートの製造方法 - Google Patents

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素生 大塚
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Abstract

【課題】着色が少ない高品質の(メタ)アクリレートを得ることが可能な(メタ)アクリレートの製造方法の提供。【解決手段】下記第1工程〜第3工程を含み、下記第1工程〜第3工程を順次実施する(メタ)アクリレートの製造方法。○第1工程酸性触媒の存在下、アルコールと(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程○第2工程第1工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物中の酸性触媒を除去する工程○第3工程第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加する工程【選択図】なし

Description

本発明は、(メタ)アクリレートの製造方法に関するものであり、(メタ)アクリレートの製造方法及び(メタ)アクリレートを使用する技術分野に属する。
尚、本明細書においては、アクリロイル基及びメタクリロイル基のいずれか、又は、その両方を(メタ)アクリロイル基と表し、アクリレート及びメタクリレートのいずれか、又は、その両方を(メタ)アクリレートと表し、アクリル酸及びメタクリル酸のいずれか、又は、その両方を(メタ)アクリル酸と表す。
(メタ)アクリレートは、紫外線や電子線等の活性エネルギー線の照射により、又は加熱によって硬化するため、塗料、インキ、接着剤、光学レンズ、充填剤及び成形材料等の組成物の主成分、架橋成分及び反応性希釈剤成分等として大量に使用されている。
これら(メタ)アクリレートは、スルホン酸等の酸性触媒の存在下にアルコールと(メタ)アクリル酸を反応させる脱水エステル化反応や、有機錫化合物等のエステル交換触媒の存在下にアルコールと1個の(メタ)アクリロイル基を有する化合物〔以下、「単官能(メタ)アクリレート」という〕を原料にエステル交換反応等により製造されている。
しかし、これらの反応に用いられる(メタ)アクリル酸及び単官能(メタ)アクリレートは、その分子中にビニル基等を有するため非常に重合しやすい性質を有しており、酸や塩基と接触したり、加熱や光等によりしばしば重合を起こすことが知られている。
重合物を含む(メタ)アクリレートは、硬化むらや濁りを生じるため、均一性や光透過性が重視される光学レンズ用途等では好適に使用することができない。そのため、一般に(メタ)アクリレートを製造する際に重合禁止剤を添加する方法が実施されているが、重合禁止剤の種類及び量等により着色することがある。
着色した(メタ)アクリレートは、透明性が求められる光学レンズ用途等では到底使用できないため、蒸留等により精製する方法が実施されているが、高沸点の(メタ)アクリレートの場合には蒸留精製は困難である。
そこで、(メタ)アクリレートの着色防止方法として、脱水エステル化反応時にハイドロタルサイト等の塩基性物質を添加する方法(特許文献1)、エステル交換反応時に硫酸マグネシウム等の脱水剤を添加する方法(特許文献2)、(メタ)アクリレートを経時で安定化させることを目的として(メタ)アクリレートにアルカリ金属塩を添加する方法(特許文献3)、メタクリレートを金属水素化錯化合物の水溶液で還元処理する方法(特許文献4)等が提案されている。
しかし、特許文献1及び2の方法においては、反応時に塩基性物質又は脱水剤を添加する方法であるため、反応時にこれら成分が反応を阻害してしまう問題点があった。
又、特許文献3の方法においては、高温処理が必要であるため、熱に不安定な(メタ)アクリレートは品質の劣化(着色)が生じてしまうことがあった。又、特許文献4の方法においては、水相から有機相を分離する必要があるため、水溶性アクリレート又は水に不安定なアクリレートの場合は、収率が著しく低下してしまう問題があった。
特開2007−314502号公報 特開2012−236805号公報 特開平09−067307号公報 特開平07−258160号公報
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、(メタ)アクリレートの製造において着色が少ない高品質の(メタ)アクリレートを得ることを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った。
その結果、アルコールと(メタ)アクリル酸を、酸性触媒の存在下に脱水エステル化反応させて(メタ)アクリレートを製造した後、酸性触媒の除去処理を実施し、さらにヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加することで、着色が少ない(メタ)アクリレートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記第1工程〜第3工程を含み、下記第1工程〜第3工程を順次実施する(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
○第1工程
酸性触媒の存在下、アルコールと(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程
○第2工程
第1工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物中の酸性触媒を除去する工程
○第3工程
第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加する工程
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法によれば、着色の少ない高品質の(メタ)アクリレートを得ることができる。
従って、本発明の製造方法により得られた(メタ)アクリレートは、塗料、インキ、接着剤、光学レンズ、充填剤及び成形材料等の組成物の主成分、架橋成分及び反応性希釈剤成分等として各種工業用途に好適に使用することができる。
本発明は、下記第1工程〜第3工程を含み、下記第1工程〜第3工程を順次実施する(メタ)アクリレートの製造方法に関する。
○第1工程
酸性触媒の存在下、アルコールと(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程
○第2工程
第1工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物中の酸性触媒を除去する工程
○第3工程
第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加する工程
以下、第1工程〜第3工程、その他の工程及び用途について説明する。
1.第1工程
第1工程は、酸性触媒の存在下、アルコールと(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程である。
脱水エステル化反応による(メタ)アクリレートの製造方法は、常法に従えばよく、有機溶媒中、酸性触媒の存在下、アルコール及び(メタ)アクリル酸を加熱・攪拌する方法等が挙げられる。
以下、アルコール、(メタ)アクリル酸、酸性触媒、反応条件について説明する。
1−1.アルコール
本発明において原料として使用するアルコールは、分子中に少なくとも1個以上のアルコール性水酸基を有する化合物であれば種々の化合物を使用することができ、脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール及び多価アルコールエーテル等が挙げられる。
該アルコールは、分子内にその他の官能基や結合、例えばフェノール性水酸基、ケトン基、アシル基、アルデヒド基、チオール基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、アミド結合、イミド結合、ペプチド結合、ウレタン結合、アセタール結合、ヘミアセタール結合及びヘミケタール結合等を有してもよい。
1個のアルコール性水酸基を有する1価アルコールの具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等の分子内にエーテル結合を有する一価アルコール;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(別名エチレングリコールモノビニルエーテル)、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル等の分子内にビニル基とエーテル結合を有する一価アルコール;トリシクロ[5.2.1.02,6]デセノール(別名ヒドロキシジシクロペンタジエン)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセニルオキシエタノール、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニルオキシエタノール等の環構造を有する一価アルコール;ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、p−キシレングリコールモノメチルエーテル等の芳香環を有するアルコール等が挙げられる。
上記1価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
2個のアルコール性水酸基を有する2価アルコールの具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、さらにはハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールAP、ビスフェノールAF等のフェノール性水酸基を有する化合物のアルキレンオキサイド付加物、ポリカーボネートジオール等のカーボネート結合を有するアルコール等が挙げられる。
上記2価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
3個のアルコール性水酸基を有する3価アルコールの具体例としては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、トリス(2-ヒロドキシエチル)イソシアヌレート、トリエタノールアミン及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記3価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
4個のアルコール性水酸基を有する4価アルコールの具体例としては、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
上記4価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
5個のアルコール性水酸基を有する5価アルコールの具体例としては、トリトリメチロールエタン、トリトリメチロールプロパン、トリグリセリン、ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、キシリトール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記5価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
6個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールの具体例としては、ポリトリメチロールエタン、ポリトリメチロールプロパン、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール、D−ソルビトール、L−ソルビトール及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。上記多価アルコールの具体例としては、前記以外にも特願2015−163808、特願2015−163910及び特願2015−164092の明細書で挙げたアルコールが挙げられる。
本発明ではこれらのアルコールを単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。
これらのアルコールの中では、3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールが好ましい。
さらに、3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールとしては、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、トリス(2−ヒロドキシエチル)イソシアヌレート、トリエタノールアミン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、D−ソルビトール及びポリグリセリンが好ましい。
尚、これらのアルコールについて、その水和物又は溶媒和物が存在する場合には、該水和物及び溶媒和物も本発明の製造方法におけるアルコールとして使用できる。
1−2.(メタ)アクリル酸
(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸であり、目的とするエステルがアクリレートであるか、又はメタクリレートであるかによって選択される。
アルコールと(メタ)アクリル酸との使用割合は特に制限はないが、好ましくはアルコールの水酸基1モルに対して(メタ)アクリル酸を0.4〜10.0モル、より好ましくは0.6〜5.0モル使用する。
(メタ)アクリル酸の割合を0.4モル以上とすることで、目的の(メタ)アクリレートの生成量を多くすることができ、10.0モル以下とすることで、副生成物の生成や反応液の着色を抑制し、反応終了後の精製工程を簡便にすることができる。
1−3.酸性触媒
脱水エステル化反応の酸性触媒としては、脱水エステル化反応で通常使用されるものが使用できる。
具体的には、硫酸等の鉱酸、並びにp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸及びトリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。
これら酸性触媒は単独で使用してもよく、二種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
酸性触媒の使用割合としては、アルコールと(メタ)アクリル酸を含む反応液の合計量100%中に、0.3〜10重量%が好ましい。
1−4.脱水エステル化反応による(メタ)アクリレートの製造方法
第1工程は、酸性触媒の存在下に、アルコールと(メタ)アクリル酸を加熱及び撹拌して脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程である。
第1工程における反応温度は40〜180℃であることが好ましく、60〜160℃であることが特に好ましい。反応温度を40℃以上にすることで、反応速度を速くすることができ、180℃以下とすることで、原料や生成物中の(メタ)アクリロイル基の熱重合を抑制し、反応液の着色を抑制でき、反応終了後の精製工程を簡便にすることができる。
第1工程における反応圧力は所定の反応温度を維持できれば特に制限はなく、減圧状態で実施してもよく、加圧状態で実施してもよい。通常、0.000001〜10MPa(絶対圧力)である。
第1工程においては、脱水エステル化反応の進行に伴い、反応で生成する水が副生する。
当該水は反応系外に排出することが、エステル化反応の進行をより促進することができるため好ましい。
第1工程においては、有機溶媒を使用せずに実施することもできるが、必要に応じて有機溶媒を使用してもよい。
有機溶媒の具体例としては、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、ジアミルベンゼン、トリアミルベンゼン、ドデシルベンゼン、ジドデシルベンゼン、アミルトルエン、イソプロピルトルエン、デカリン及びテトラリン等の炭化水素類;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジアミルエーテル、ジエチルアセタール、ジヘキシルアセタール、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、トリオキサン、ジオキサン、アニソール、ジフェニルエーテル、ジメチルセロソルブ、ジグライム、トリグライム及びテトラグライム等のエーテル類;18−クラウン−6等のクラウンエーテル類;安息香酸メチル及びγ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン及びベンゾフェノン等のケトン類;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート等のカーボネート化合物;スルホラン等のスルホン類;ジメチルスルホキサイド等のスルホキサイド類;尿素類又はその誘導体;トリブチルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類、イミダゾリウム塩、ピペリジニウム塩及びピリジニウム塩等のイオン液体;シリコンオイル;並びに水等が挙げられる。
これらの有機溶媒の中では、炭化水素類、エーテル類、カーボネート化合物及びイオン液体が好ましい。
これらの有機溶媒は単独で使用してもよく、二種以上を任意に組み合わせて混合溶媒として使用してもよい。
有機溶媒の使用割合は、前記アルコールと(メタ)アクリル酸の合計量に対して10〜75重量%となる割合が好ましく、15〜55重量%となる割合がより好ましい。
第1工程においては、(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で系内に含酸素ガスを導入してもよい。含酸素ガスの具体例としては、空気、酸素と窒素の混合ガス、酸素とヘリウムの混合ガス等が挙げられる。該ガスの導入方法としては、反応生成物中に吹込む(いわゆるバブリング)方法等が挙げられる。
第1工程においては、(メタ)アクリロイル基の重合を防止する目的で、反応液中に重合禁止剤を添加することが好ましい。
重合禁止剤としては、有機系重合禁止剤、無機系重合禁止剤及び有機塩系重合禁止剤等が挙げられる。
有機系重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール及び4−tert−ブチルカテコール等のフェノール系化合物、ベンゾキノン等のキノン化合物、フェノチアジン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアンモニウム、並びにN−オキシル化合物等が挙げられる。
N−オキシル化合物としては、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル及び4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル等が挙げられる。
無機系重合禁止剤としては、塩化銅、硫酸銅及び硫酸鉄等が挙げられる。
有機塩系重合禁止剤としては、ブチルジチオカルバミン酸銅及びN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤は、一種を単独で添加しても又は二種以上を任意に組み合わせて添加してもよく、本発明の最初から添加してもよいし、途中から添加してもよい。又、所望の使用量を一括で添加してもよいし、分割して添加してもよい。又、精留塔を経由して連続的に添加してもよい。
重合禁止剤としては、前記した化合物の中でも、N−オキシル化合物を使用することが好ましい。N−オキシル化合物としては、前記した化合物が好ましい。
さらに、重合禁止剤としては、N−オキシル化合物とこれ以外の重合禁止剤を併用することが好ましい。その場合のN−オキシル化合物以外の重合禁止剤としては、フェノール系化合物及びフェノチアジンが好ましく、フェノール系化合物がより好ましい。
重合禁止剤の添加割合は、反応液中重量で5〜30,000ppmが好ましく、25〜10,000ppmがより好ましい。この割合を5ppm以上とすることで重合防止効果を充分にすることができ、30,000ppm以下とすることで、着色を防止したり、生成物の硬化性低下を防止することができる。
さらに、重合禁止剤として、N−オキシル化合物とこれ以外の重合禁止剤を併用する場合、重合禁止剤の合計100重量%中にN−オキシル化合物を2〜80重量%含むことが、重合防止効果をより充分発揮させるため好ましい。
第1工程における反応時間は、使用するアルコール及び(メタ)アクリル酸、目的とする(メタ)アクリレートの構造、酸性触媒の種類と使用量、反応温度及び反応圧力等により適宜設定すれば良いが、通常0.1〜150時間、好ましくは0.5〜80時間である。
第1工程は、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法によっても実施できる。
回分式の一例としては、反応器にアルコール、(メタ)アクリル酸、酸性触媒、重合禁止剤を仕込み、含酸素ガスを反応液中にバブリングさせながら所定の温度で撹拌する。
その後、エステル化反応の進行に伴い、水が副生する。水を所定の圧力で反応器から抜き出すことで、目的の(メタ)アクリレートの生成を促進させることができる。
2.第2工程
第2工程は、第1工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物中の酸性触媒(以下、単に「触媒」という)を除去する工程である。
触媒を除去する方法としては、触媒が反応生成物中に固体として含まれる場合は濾過及び遠心分離等の固液分離、触媒が反応生成物中に溶解している場合は水、酸又はアルカリを含む水溶液による抽出洗浄、貧溶媒の添加、温度降下及び減圧濃縮による晶析、並びに吸着剤による吸着等により行うことができる。
固液分離において、濾過方法としては、濾紙、濾布、カートリッジフィルター、セルロースとポリエステルとの2層フィルター、金属メッシュ型フィルター、及び金属焼結型フィルター等を用いて減圧又は加圧下で濾過を行い、触媒を濾過残渣として分離除去する方法等が挙げられる。遠心分離方法としては、デカンターや遠心清澄機等を用いて触媒を沈降させた後、液相と沈降成分を分離する方法等が挙げられる。
抽出としては、水、硫酸や塩酸等の酸性水溶液、及び/又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ水溶液等(以下、「洗浄剤」という)を添加して撹拌等の接触処理を施した後、有機層と水層を液液分離して触媒を除去する方法等が挙げられる。この場合において、洗浄剤の液量や酸、アルカリ濃度は、公知の範囲であればよく、洗浄処理は1回のみ行ってもよいし、2回以上実施してもよい。
晶析としては、触媒の溶解度が低い溶媒(以下、「貧溶媒」という)を添加したり、温度を降下させながら撹拌等を行い、固体化して析出した触媒を固液分離する方法、減圧濃縮により系内の溶媒、副生水を系外に留去し、触媒を固体化して析出させた後、固液分離する方法等により行うことができる。貧溶媒は、単独で使用してもよいし、二種以上を任意に組み合わせて混合溶媒として使用してもよい。
貧溶媒の使用割合は特に制限はないが、目的の(メタ)アクリレート100重量部に対して5〜100重量部添加することが好ましく、より好ましくは10〜50重量部である。貧溶媒の添加割合が5重量部より少ないと触媒の除去効果が不充分であり、100重量部より多いと溶媒と目的の(メタ)アクリレートの分離が煩雑になる。
吸着としては、触媒に対して吸着能及び/又はイオン交換能を有する固体(以下、「吸着剤」という)を添加して撹拌等の接触処理を施した後、固液分離する方法等が挙げられる。
吸着剤としては、例えば、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の珪酸塩、活性白土、酸性白土、シリカゲル、及びイオン交換樹脂等が挙げられる。
珪酸塩としては、珪酸マグネシウム〔市販品としては、例えば、協和化学工業(株)製キョーワード600(商品名)、水澤化学工業(株)製ミズカライフ(商品名)等がある。以下、括弧書きは市販品の例を意味する。〕、珪酸アルミニウム〔協和化学工業(株)製キョーワード700(商品名)、水澤化学工業(株)製ネオビードSA(商品名)等〕、活性白土としては、モンモリロナイト系化合物〔水澤化学工業(株)製ガレオンアース(商品名)、ミズカエース(商品名)、ガレオナイト(商品名)等〕、酸性白土としては、ベントナイト系化合物〔水澤化学工業(株)製ベンクレイ(商品名)等)、イオン交換樹脂としては、例えばダウケミカル社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)、ダウケミカル社製のダウエックス(登録商標)等が挙げられる。
これらの吸着剤は、単独で又は二種以上を任意に組み合わせて使用できる。
吸着剤の使用割合は特に制限はないが、好ましくは目的の(メタ)アクリレート1部に対して吸着剤を0.001〜1.5部使用することが好ましく、0.005〜0.8部使用することが特に好ましい。0.001部より少ないと触媒の除去効果が不充分であり、1.5部より多いと吸着剤と目的の(メタ)アクリレートとの分離が煩雑になる。
第2工程の実施温度は、特に制限はないが、−10〜140℃であることが好ましく、30〜100℃であることが特に好ましい。実施温度を−10℃以上とすることで目的の(メタ)アクリレートや溶媒の固体化を抑制することができ、固液分離が煩雑になることを抑制することができ、140℃以下とすることで目的の(メタ)アクリレートの重合を防止することができる。
第2工程の実施圧力は特に制限はなく、減圧状態で実施してもよく、加圧状態で実施してもよい。通常、0.000001〜10MPa(絶対圧力)である。
第2工程の実施時間は、(メタ)アクリレートの種類、実施温度等により異なるが、通常0.05〜80時間、好ましくは0.2〜40時間である。
第2工程を実施することにより、第1工程で使用した触媒のうち、80重量%以上の触媒を目的の(メタ)アクリレートを含む反応生成物から除去することが好ましく、90重量%以上除去することがさらに好ましい。触媒の除去が80重量%未満では、色調に対する本発明の効果が不充分となったり、後記する第3工程や活性炭処理工程を実施中に目的の(メタ)アクリレートが重合することがある。
3.第3工程
第3工程は、第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加する工程である。第3工程を実施することにより、着色が低減された高品質の(メタ)アクリレートを得ることができる。
第3工程で使用するヒドロキシルアミン又はヒドラジンとしては、種々の化合物を使用することができる。
ヒドロキシルアミンとしては、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018150286
〔上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基を意味する。R1及びR2は、同一でも異なっていても良い。〕
ヒドロキシルアミンの具体例としては、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジプロピルヒドロキシルアミン、N,N−ジブチルヒドロキシルアミン、N,N−メチルエチルヒドロキシルアミン、N,N−エチルプロピルヒドロキシルアミン、N,N−プロピルブチルヒドロキシルアミン、N,N−ジデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジフェニルヒドロキシルアミン、及びN,N−ジベンジルヒドロキシルアミン等が挙げられる。
これら化合物の中でも、容易に入手可能で優れた着色低減効果が得られるN,N−ジエチルヒドロキシルアミン及びN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンが好ましい。
ヒドラジンとしては、下記一般式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2018150286
〔上記一般式(2)において、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基を意味する。R3及びR4は、同一でも異なっていても良い。〕
ヒドラジンの具体例としては、ヒドラジン、ヒドラジン一水和物、N−フェニルヒドラジン、N−アセチルヒドラジン、N−ベンゾイルヒドラジン、N,N−ジメチルヒドラジン、N,N−ジエチルヒドラジン、N,N−ジプロピルヒドラジン、N,N−ジブチルヒドラジン、N,N−メチルエチルヒドラジン、N,N−エチルプロピルヒドラジン、N,N−プロピルブチルヒドラジン、N,N−ジデシルヒドラジン、N,N−ジフェニルヒドラジン及びN,N−ジベンジルヒドラジン等が挙げられる。
これら化合物の中でも、容易に入手可能で優れた着色低減効果が得られるヒドラジン一水和物が好ましい。
着色低減効果がより優れるため、第3工程におけるヒドロキシルアミン又はヒドラジンとしては、ヒドロキシルアミンを使用することがより好ましい。
第3工程におけるヒドロキシルアミン又はヒドラジンの使用割合は特に制限はないが、第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物の合計量に対して10〜100,000重量ppm使用することが好ましく、50〜50,000重量ppm使用することが特に好ましい。
10重量ppm以上使用することで色調を低減することができ、100,000重量ppm以下とすることで、得られる(メタ)アクリレートの硬化速度の低下を抑制することができる。
第3工程において使用するヒドロキシルアミン又はヒドラジンは、所望の使用量を一括で使用してもよいし、分割して使用してもよい。
又、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを反応生成物に添加する際には、撹拌や振とうを行ってもよく、窒素等の不活性ガスや酸素と窒素の混合ガス等を導入してもよい。
第3工程における実施温度は、特に制限はないが、−10〜140℃であることが好ましく、20〜100℃であることが特に好ましい。
実施温度を−10℃以上とすることで着色低減効果を充分にすることができ、140℃以下とすることでヒドロキシルアミン又はヒドラジンの副反応を防止したり、重合を防止することができる。
第3工程における実施圧力は、特に制限はなく、減圧状態で実施してもよく、加圧状態で実施してもよい。通常、0.000001〜10MPa(絶対圧力)である。
第3工程における実施時間は、(メタ)アクリレートの種類、実施温度等により異なるが、通常0.05〜80時間、好ましくは0.2〜40時間である。
第3工程は、前記した第2工程を実施した後に行う。
第1工程、又は第2工程を実施中にヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加すると、色調に対する本発明の効果が不充分となったり、特に重合禁止剤としてN−オキシル化合物を使用した場合に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンの有する還元性によりN−オキシル化合物が還元され、重合禁止剤としての作用が減退するため、(メタ)アクリレートの重合が惹起されることがある。
4.その他の工程
本発明の製造方法は、前記した第1工程〜第3工程を含む(メタ)アクリレートの製造方法であるが、必要に応じてその他の工程を含んでいても良い。
本発明の製造方法では、第3工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に対して、活性炭との接触処理(以下、「活性炭処理工程」という)を行うことが好ましい。
これにより着色が低減されて長期間にわたって着色が抑制される高品質の(メタ)アクリレートを得ることができる。
接触処理とは、例えば(メタ)アクリレートを含む反応生成物に活性炭を添加して撹拌又は振とうしたり、活性炭を充填した固定層へ(メタ)アクリレートを含む反応生成物を通液することにより実施できる。
活性炭処理工程において使用する活性炭としては、薬品賦活された活性炭及び水蒸気賦活された活性炭等が使用できる。
活性炭は市販されており、具体的には、薬品賦活された活性炭としては、フタムラ化学(株)製商品名「太閤S」、大阪ガスケミカルズ(株)製商品名「カルボラフィン」、「強力白鷺」、「精製白鷺」及び「特製白鷺」等が挙げられる。
水蒸気賦活された活性炭としては、フタムラ化学(株)製商品名「太閤K」及び「太閤P」等、大阪ガスケミカルズ(株)製商品名「白鷺C」、「白鷺M」、「白鷺A」及び「白鷺P」等が挙げられる。
活性炭の性状としては、粉末、粒状、破砕及び造粒等のいずれでも良い。
活性炭の添加形態は、乾燥品及び水との混合品のどちらでも良い。
活性炭の処理方法は、バッチ式でも連続式でも良い。
活性炭処理工程における活性炭の使用割合は特に制限はないが、第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物の合計量に対して0.01〜50重量%使用することが好ましく、0.1〜5.0重量%使用することが特に好ましい。
活性炭の使用割合を0.01重量%以上とすることで色調を充分に低減させることができ、50重量%以下とすることで活性炭と目的の(メタ)アクリレートの分離を容易にすることができる。
活性炭処理工程において使用する活性炭は、所望の使用量を一括で使用してもよいし、分割して使用してもよい。
上記活性炭との接触処理を実施した後の活性炭は、上記した濾過等の固液分離により除去することが好ましい。
活性炭処理工程における実施温度は、特に制限はないが、0〜150℃であることが好ましく、20〜130℃であることが特に好ましい。反応温度が0℃より低いと色調の低減が不充分であり、150℃より高いと(メタ)アクリロイル基の重合が惹起される。
活性炭処理工程における実施圧力は、特に制限はなく、減圧状態で実施してもよく、加圧状態で実施してもよい。通常、0.000001〜10MPa(絶対圧力)である。
活性炭処理工程における実施時間は、(メタ)アクリレートの種類、実施温度、接触処理の方式等により異なるが、通常0.1〜150時間、好ましくは0.5〜80時間である。
本発明の製造方法では、第3工程と活性炭処理工程を同時に実施してもよい。即ち、第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に対して、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンの添加と活性炭による接触処理を同時に実施してもよい。
5.用途
本発明の製造方法により得られた(メタ)アクリレートは、従来(メタ)アクリレートが使用されている種々の用途に使用することができる。例えば、塗料、インキ、接着剤、フィルム、シート、光学レンズ等の光学用途、充填剤及び成形材料等の用途において、組成物の主成分、架橋成分、又は反応性希釈剤成分等として各種工業用途に好適に使用することができる。
上記用途で使用する場合には、本発明の製造方法により得られた(メタ)アクリレートに上記用途で使用される種々の成分、例えば光重合開始剤、熱重合開始剤、着色剤、顔料分散剤、有機溶剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、シランカップリング剤、表面改質剤及び重合禁止剤等を配合して使用する。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」の表示は「重量部」を意味し、「%」の表示は「重量%」、「ppm」の表示は「重量ppm」を意味する。
1.定性
実施例及び比較例において目的のアクリレートが反応生成物及び精製処理物中に含まれることの確認は、UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフ(カラム:日本ウォーターズ株式会社製 ACQUITY UPLC BEH C18(Part No.186002350、カラム内径2.1mm、カラム長さ50mm)、検出波長:210nm、溶媒:0.03重量%トリフルオロ酢酸水溶液とメタノールの混合溶媒)を用いて行った。
2.評価方法
実施例及び比較例において得たアクリレートを含む精製処理物について、下記の方法で色調を測定して本発明の効果を評価した。
1)色調の測定
色差計(日本電色工業製 石油製品色試験器OME−2000)を使用し、APHA及びa1値を測定した。
3.実施例及び比較例
1)実施例1
(1)第1工程
還流管を設置した500mLの側管付き四口フラスコに、ジペンタエリスリトール76.3部(0.30モル)、アクリル酸190部(2.64モル)、トルエン158部(1.71モル)、硫酸4.0部(0.041モル)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(以下、「MEHQ」という)0.51部(仕込んだ原料の総重量に対して1190ppm)及びハイドロキノン0.51部(仕込んだ原料の総重量に対して1190ppm)を投入し、含酸素ガス(酸素を5容量%、窒素を95容量%)を吹き込みながら反応液温度80〜110℃、反応系圧力400〜760mmHgの範囲内で加熱攪拌した。
生成する水をディーンスターク管にて系外に除去しながら5時間の脱水エステル化反応を行った。
(2)第2工程
得られた反応液を40℃以下まで冷却し、トルエン及び水を添加して抽出洗浄を行った後、20%水酸化ナトリウム水溶液を添加して中和処理を行い、さらに水を添加して抽出洗浄を行い、酸性触媒の除去を行った。
これにMEHQを0.07部添加し、含酸素ガスを吹き込みながら減圧下で60〜80℃に加温してトルエンを留去した。
(3)第3工程
得られた釜液172.4部に対して、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン(以下、「DEHA」という)を0.49部(0.0055モル)添加し、室温で1時間撹拌した。
この反応液を加圧下で濾過を行い、目的のアクリレートを得た。
得られたアクリレートを使用して色調の評価を行った結果を表1に示す。
2)比較例1
第3工程を実施しない以外は実施例1と同様にしてアクリレートを製造した。
得られたアクリレートを使用して色調の評価を行った結果を表1に示す。
Figure 2018150286
本発明の製造方法である実施例1により得られたアクリレートは、着色が少なく、高品質の(メタ)アクリレートを得ることができた。
これに対して、第3工程を実施しない比較例1で得られたアクリレートは、実施例と比較してAPHA及びa1の値が大きくなってしまい着色を有するものであった。
本発明の製造方法によれば、着色が少ない高品質の(メタ)アクリレートを製造することができる。
本発明の方法により得られた(メタ)アクリレートは、塗料、インキ、接着剤、フィルム、シート、光学レンズ等の光学用途、充填剤及び成形材料等の組成物の主成分、架橋成分及び反応性希釈剤等として各種工業用途に好適に使用できる。

Claims (11)

  1. 下記第1工程〜第3工程を含み、下記第1工程〜第3工程を順次実施する(メタ)アクリレートの製造方法。
    ○第1工程
    酸性触媒の存在下、アルコールと(メタ)アクリル酸を脱水エステル化反応させ(メタ)アクリレートを製造する工程
    ○第2工程
    第1工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物中の酸性触媒を除去する工程
    ○第3工程
    第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物に、ヒドロキシルアミン又はヒドラジンを添加する工程
  2. 前記第3工程で使用するヒドロキシルアミンが下記一般式(1)で表される化合物であるか又はヒドラジンが下記一般式(2)で表される化合物である請求項1に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
    Figure 2018150286
    〔上記一般式(1)において、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルコキシ基、炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基を意味する。R1及びR2は、同一でも異なっていても良い。〕
    Figure 2018150286
    〔上記一般式(2)において、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数1〜20のアシル基、炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された炭素数1〜20の直鎖状又は分岐状アルキル基、炭素数6〜12のアリール基及び炭素数7〜30のアラルキル基から選択される基を意味する。R3及びR4は、同一でも異なっていても良い。〕
  3. 前記第3工程が、第2工程で得られた(メタ)アクリレートを含む反応生成物と活性炭との接触処理をさらに含む請求項1又は請求項2に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  4. 前記第1工程において、重合禁止剤としてN−オキシル化合物を添加する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  5. 前記N−オキシル化合物が、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル及び4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルからなる群から選択される1種以上である請求項4に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  6. 前記第1工程において、重合禁止剤として、N−オキシル化合物と、フェノール系化合物又は/及びフェノチアジンを併用する請求項4又は請求項5のいずれかに記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  7. 前記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンが、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,N−ジプロピルヒドロキシルアミン、N,N−ジブチルヒドロキシルアミン、N,N−メチルエチルヒドロキシルアミン、N,N−エチルプロピルヒドロキシルアミン、N,N−プロピルブチルヒドロキシルアミン、N,N−ジデシルヒドロキシルアミン、N,N−ジフェニルヒドロキシルアミン、及びN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンからなる群から選択される1種以上である請求項2〜請求項6のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  8. 前記一般式(1)で表されるヒドロキシルアミンが、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン又はN,N−ジベンジルヒドロキシルアミンである請求項7に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  9. 前記一般式(2)で表されるヒドラジンが、ヒドラジン一水和物である請求項2〜請求項8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  10. 前記第1工程で使用されるアルコールが、3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールである請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
  11. 前記3個以上のアルコール性水酸基を有する多価アルコールが、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、グリセリンのアルキレンオキサイド付加物、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリエタノールアミン、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジグリセリンのアルキレンオキサイド付加物、ペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、キシリトール、ジペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールのアルキレンオキサイド付加物、D−ソルビトール及びポリグリセリンからなる群から選択されるいずれかの化合物である請求項10に記載の(メタ)アクリレートの製造方法。
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WO2016163208A1 (ja) * 2015-04-10 2016-10-13 東亞合成株式会社 (メタ)アクリレートの製造方法

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