JP2018149920A - 船舶 - Google Patents

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Abstract

【課題】船尾部分の船体を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプを低い位置に配置することができる船舶を提供する。【解決手段】船尾隔壁4よりも船尾2a側に非常用消火ポンプ6を設置する船舶1において、非常用消火ポンプ6を設置する設置区画7を、非常用消火ポンプ6が配置されるポンプ設置エリア8と、非常用消火ポンプ6の保守点検を行うための作業エリア9とを有する構成とし、ポンプ設置エリア8の床面を作業エリア9の床面よりも下方に配置する。【選択図】図4

Description

本発明は、船舶に関し、より詳細には、船尾部分の船体形状を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプを低い位置に配置することができる船舶に関する。
従来の船舶においては、機関室外の船倉などの消火を行うために消火ポンプを用いる場合には、その消火ポンプは機関室内に配置されている。これに対して、機関室内の消火を行うために、局所消火システム等が配置されている。しかし、機関室内の火災が燃え広がった時には、機関室内の消火装置だけでは消火が困難になるので、国際的な条約である海上人命安全条約(SOLAS)等により非常用消火ポンプの設置が義務付けられている。この非常用消火ポンプは、機関室に火災が発生した状況でも稼働できるように、機関室外に配置される。
この非常用消火ポンプの配置に際しては、火災時に迅速かつ確実な作動が要求され、また、常に良好な状態であることが要求されるため、作業員が入ってメンテナンスするためのスペースが必要であるので、設置区画を設ける。しかも、非常用消火ポンプの機能は、非常時にいかなる喫水においても海水を揚程できることが要求されるため、非常用消火ポンプの容量を上げずに済むように、海面から最も近くなる位置、即ち、設置区画の底の床面に配置される。
また、SOLAS等の規定を考慮して、設置区画を船尾隔壁より後方に配置することが考えられる。しかしながら、この船尾部分の船体形状においては、船体形状の研究の進展に伴い、船舶の性能の評価上で最重要項目とされる船速との関係を考慮して、機関区画よりも後方の船体形状は、満載喫水線以下の船幅を狭くし、これに連続する上方の船体形状も痩せさせる傾向にある。
そのため、図8および図9に示すように、従来の船舶1Xにおいては、船尾2aが痩せた船型を維持しながら、船尾隔壁4よりも後方の比較的狭い船体2内部に、非常用消火ポンプ6を設置するために、一般的な床面がフラットな直方体形状の設置区画7Xを設けようとすると、この設置区画7Xでは設置床面積を確保するためにバラスト喫水線Wbから上方に離れた位置に配置せざるを得ず、非常用消火ポンプ6が配置される床面がバラスト喫水線Wbよりも高くなって、非常用消火ポンプ6とバラスト喫水線Wbとの距離が遠くなってしまう。その結果、非常用消火ポンプ6の実揚程が大きくなり、必要吸込揚程(サクションヘッド)が不足に陥り易くなるという問題が生じる。そのため、非常用消火ポンプ6の必要吸込揚程の観点から、設置区画7Xの底高さは所定の高さより低い高さに設定する必要がある。
一方で、従来の直方体形状の設置区画7Xの床面をバラスト喫水線Wb付近に配置しようとすると、船尾部分の船底面2bを低くするか、設置区画7Xの大きさに合わせて船尾部分を肥大化せざるを得ない。しかしながら、船尾部分の船底面2bを低くすると、船底面2bとプロペラ3とのクリアランスを十分に確保することが難しくなるので、騒音や振動の面で船内環境に悪影響を及ぼす可能性がある。また、船尾部分を肥大化させると、推進性能が悪化し、船速の確保が難しくなるという問題が生じる。これらの問題から、従来では、非常用消火ポンプの設置区画を船尾隔壁よりも後方に配置することは推進性能や騒音、振動面で船舶が十分な性能を確保できない配置であると考えられてきた。
そのため、従来では、これらの問題を解決するための非常用消火ポンプへの給水システムや非常用消火ポンプの配置等に関して種々の提案がなされている。例えば、機関室及びポンプ室等の火災を消火するための水を、船内または船上に設置されたタンクから非常用消火ポンプに供給する非常用消火ポンプへの給水システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、船内タンク若しくは船上タンク等の給水システムを設置するスペースが必要となるという問題がある。
また、船舶の機関区域内に所定の要件を満たす防火構造の区画を設けて、この区画内に機関区域を消火するための非常用消火ポンプを配置し、この非常用消火ポンプの吸込口の位置をバラスト喫水線の近く又は下方に配置する船舶が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、非常用消火ポンプを機関室外に設ける場合については触れられていない。
また、非常用消火ポンプを機関室の船側側の外部に配置する船舶が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、この方法は、非常用消火ポンプを機関室の船側側の外部に配置するため、従来、機関室の船側側に配置していた燃料タンクやバラストタンク等のスペースが減ってしまうという問題がある。
特開2007−14377 特許4854495号公報 特許5819755号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、船尾部分の船体を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプを低い位置に配置することができる船舶を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の船舶は、船尾隔壁よりも船尾側に非常用消火ポンプを設置する船舶において、前記非常用消火ポンプを設置する設置区画が、前記非常用消火ポンプが配置されるポンプ設置エリアと、前記非常用消火ポンプの保守点検を行うための作業エリアとを有して構成されており、前記ポンプ設置エリアの床面が前記作業エリアの床面よりも下方に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、非常用消火ポンプを設置する設置区画において、ポンプ設置エリアの床面が作業エリアの床面よりも下方に配置されている構成にすることで、比較的広いスペースを要する作業エリアの床面を比較的高い位置に配置しつつ、非常用消火ポンプが配置されるポンプ設置エリアの床面をバラスト喫水線により近い低い位置に配置することが可能になる。そして、両者の床面の高さを変えることで作業エリアの下方には窪んだ空間ができるので、この空間を利用することで、非常用消火ポンプを低い位置に配置しつつ、船尾部分の船体を痩せた船型にすることが可能となる。これにより、プロペラ直上の船底面の低下と船体の肥大化を回避して、船底面とプロペラとのクリアランスを十分に確保するとともに、推進性能の高い船尾形状を有する船舶にすることができる。
上記の船舶において、前記ポンプ設置エリアが前記設置区画の船首側に配置されている構成にすると、設置区画の船尾側が切り欠かれた形状になるので、船首側から船尾側に痩せていく船尾部分の船体を大きく変化させる必要がなくなる。
上記の船舶において、前記設置区画が船体中心線に対して片舷側のみに設けられており、前記ポンプ設置エリアが前記設置区画の前記船体中心線側に配置されている構成にすると、ポンプ設置エリアは比較的スペースに余裕がある船体中央付近に配置されるので、非常用消火ポンプと非常用ポンプに接続される海水取入口(シーチェスト)を低い位置に配置し易くなる。さらに、設置区画の船側側が切り欠かれた形状となるので、船尾部分の船体を痩せた船型のままに維持し易くなる。
上記の船舶において、前記ポンプ設置エリアの床面が、バラスト喫水線よりも上方に配置され、前記床面と前記バラスト喫水線との垂直距離がプロペラ直径の0.45倍より小さい構成にすると、運航上考えられる積付状態の喫水においても問題なくポンプ吸込位置を水面下とすることができる。
また、他方で、上記の船舶において、前記ポンプ設置エリアの床面が、バラスト喫水線と同じ高さまたはバラスト喫水線より下方に配置されている構成にすると、上記よりもさらに非常用消火ポンプと海水面との垂直距離を減少できるので、吸込配管の圧力損失を減らして、ポンプの必要吸込揚程を減少することができる。
上記の船舶において、前記作業エリアの床面の少なくとも一部が船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面で構成されていると、作業エリアの船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面に合わせて船尾部分の船体をより痩せた船型のままに維持することが可能になる。
本発明によれば、上記の効果を発揮できるので、非常用消火ポンプに求められるバラスト状態における水面からの必要距離を従来と同程度に確保することで、機関室火災時の安全性を従来技術の船舶と同様に保つことができる。また、船尾において、プロペラと船底面とのクリアランスを大きく確保することで、船体の振動や騒音を抑制することができ、船内環境を良好に維持できる。さらに、船尾の船型を痩せさせることができるため、推進性能の改善となり、CO排出量削減が可能となる。その上、設置区画の形状が比較的単純であるため、工作性を過度に損なうことがない。
そして、上記の構成は、多くの船舶に対して有効であるが、特に推進効率や燃費において高効率での運航が求められる船尾形状を痩せさせたばら積み貨物船(バルクキャリアー)やタンカー船において船尾形状を痩せさせ推進性能の改善を図ることができるため、より大きな効果を発揮できる。
本発明の船舶によれば、船尾隔壁よりも船尾側に非常用消火ポンプを設置する際に、非常用消火ポンプを配置する設置区画において、ポンプ設置エリアの床面を作業エリアの床面よりも下方に配置した構成にすることで、船尾部分の船体を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプの吸込口も低い位置に配置することが可能となる。従って、この構成を採用することにより、船尾隔壁よりも船尾側に非常用消火ポンプを設置することが容易にできるようになる。
本発明に係る第1の実施の形態の船舶の設置区画の構成及び配置を模式的に示す船尾側の側断面図である。 図1の船舶を船尾側から見た横断面図である。 図1の船舶を上側から見た平断面図である。 図1の船舶の設置区画を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る第2の実施の形態の船舶の設置区画の構成及び配置を模式的に示す船尾側の側断面図である。 図5の船舶の設置区画を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る設置区画の別の実施の形態を模式的に示す斜視図である。 従来の船舶の設置区画の構成及び配置を模式的に示す側断面図である。 図8の船舶を船尾側から見た横断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の船舶を図面を参照しながら説明する。図中のX軸は船舶の前後方向(船長方向)を示し、Y軸は船舶1の左右方向(船幅方向)を示し、Z軸は船舶の高さ方向(深さ方向)を示している。
図1に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の船舶1は、船尾隔壁4よりも船尾2a側の船体2内に非常用消火ポンプ6を設置する設置区画7が設けられる。この実施の形態では、船尾隔壁4の船首側に機関室5が設けられており、機関室5の後部隔壁5aが船尾隔壁4を構成している。設置区画7の後部隔壁7aは、プロペラ3の先端の回転円位置よりも船首側に配置されている。
図2および図3に示すように、この実施の形態では、設置区画7を船体中心線CLに対して右舷側のみに設けている。しかしながら、本発明では、この構成に限定されず、設置区画7を船体中心線CLに対して左舷側のみに設ける構成にすることもできるし、船体中心線CLの部分に縦通隔壁が設けられていないときには、設置区画7を船体中心線CLを跨ぐように船体中央部分に設ける構成にすることもできる。
図4に示すように、設置区画7は、非常用消火ポンプ6が配置されるポンプ設置エリア8と、非常用消火ポンプ6の保守点検を行うための作業エリア9とを有して構成されている。そして、ポンプ設置エリア8の床面(細かいハッチング)が作業エリア9の床面(荒いハッチング)よりも下方に配置されている。
より具体的には、この実施の形態の設置区画7は、上から見て四角形状を有している。そして、四角形状の床面を有するポンプ設置エリア8が、設置区画7の船首側で、かつ、船体中心線CL側の角の位置に配置されている。そして、このポンプ設置エリア8を除いた設置区画7の船尾側と船側側の位置に、L字形状の床面を有する作業エリア9が配置されている。ポンプ設置エリア8と作業エリア9の床面はそれぞれ略水平な床面で構成されていて、作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との間に段差が設けられている。そして、作業エリア9の下方にポンプ設置エリア8としての窪んだ空間ができている。
即ち、この設置区画7は、図4に示すように、直方体(W1×L1×(H1−H2))の角部分に下方に突出する直方体形状(W2×L2×H2)の凸部がポンプ設置エリア8として設けられた形状になっている。言い換えると、直方体(W1×L1×H1)から2つの直方体、船尾側:(W1×(L1−L2)×H2、及び船側側:(W1−W2)×L2×H2)を切欠いたような形状になっている。
設置区画7の内部には通行用梯子10が設けられており、作業員はこの通行用梯子10を利用して作業エリア9に入り、作業エリア9においてポンプ設置エリア8に配置された非常用消火ポンプ6の保守点検やメンテナンスが行えるようになっている。
設置区画7の寸法は、船舶1の船体2の大きさや船体形状に応じて適宜決定できるが、設置区画7の前後方向の長さ寸法L1は例えば2m〜4m程度、設置区画7の左右方向の幅寸法W1は例えば2m〜4m程度である。ポンプ設置エリア8は、設置区画7の平面形状の面積の例えば20%〜50%程度の床面積を有して構成される。
作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との垂直距離H2(段差の高さ)は、例えば0.5m〜2m程度である。このように、作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との垂直距離H2を0.5m〜2m程度にすると、ポンプ設置エリア8の床面を低い位置に配置しつつ、非常用消火ポンプ6の保守点検も行い易い設置区画7にすることができる。
図1および図2に示すように、この実施の形態では、ポンプ設置エリア8の床面がバラスト喫水線Wbより上方に配置され、ポンプ設置エリア8の床面とバラスト喫水線Wbとの垂直距離はプロペラ直径の0.45倍より小さい。そして、ポンプ設置エリア8の下方に、非常用消火ポンプ6のための海水取入口11が設けられている。海水取入口11は、プロペラシャフトセンターPcよりも下方に配置されている。非常用消火ポンプ6の吸込口6aと海水取入口11は吸込配管12で接続されている。
このように、本発明に係る船舶1では、非常用消火ポンプ6が設置される設置区画7において、ポンプ設置エリア8の床面を作業エリア9の床面よりも下方に配置することで、比較的広いスペースを要する作業エリア9の床面を比較的高い位置に配置しつつ、非常用消火ポンプ6が配置されるポンプ設置エリア8の床面をバラスト喫水線Wbにより近い低い位置に配置することが可能になる。そして、両者の床面の高さを変えることで作業エリア9の下方には窪んだ空間ができるので、この空間を利用することで、非常用消火ポンプ6を低い位置に配置しつつ、船尾部分の船体2を痩せた船型にすることが可能となる。
即ち、言い換えると、船尾部分の船体2を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプ6の吸込口6aを低い位置に配置することが可能となる。これにより、プロペラ直上の船底面2bの低下と船体2の肥大化を回避して、船底面2bとプロペラ3とのクリアランスを十分に確保するとともに、推進性能の高い船尾形状を有する船舶1にすることができる。そして、本発明にかかる船舶1の構成を採用することにより、船尾隔壁4(機関室5の後部隔壁5a)よりも船尾側に非常用消火ポンプ6を設置することが容易にできるようになる。
また、この実施の形態のように、ポンプ設置エリア8を設置区画7の船首側に配置することで、設置区画7の船尾側が切り欠かれた形状になるので、船首側から船尾側に痩せていく、船尾部分の船体2を大きく変化させる必要がなくなる。それ故、船尾部分の船体2を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプ6を低い位置に配置し易くなる。
さらに、設置区画7を船体中心線CLに対して片舷側のみに設け、ポンプ設置エリア8を設置区画7の船体中心線CL側に配置することで、ポンプ設置エリア8を比較的スペースに余裕がある船体中央付近に配置することができるので、非常用消火ポンプ6と非常用ポンプ6に接続される海水取入口11を低い位置に配置し易くなる。さらに、設置区画7の船側側が切り欠かれた形状となるので、船尾2aを痩せた船型のままに維持し易くなる。
また、ポンプ設置エリア8の床面をバラスト喫水線Wbより上方に配置し、かつ、ポンプ設置エリア8の床面とバラスト喫水線Wbとの垂直距離をプロペラ直径の0.45倍より小さい配置とすると運航上考えられる積付状態の喫水においても問題なくポンプ吸込口6aの位置を水面下とすることができる。また、ポンプ設置エリア8の床面と船底面2bとの距離を保つことができるため工作性に有利となり、また船底面2bとプロペラ間のクリアランスを十分に確保することができ、騒音、振動を抑えることができる。
さらに、より好ましくはポンプ設置エリア8の床面とバラスト喫水線Wbとの垂直距離がプロペラ直径の0.35倍より小さくなるように設置区画7を配置することが望ましい。ポンプ設置エリア8の床面とバラスト喫水線Wbとの垂直距離をプロペラ直径の0.35倍より小さくすることで、上述の作用効果をさらに高めることができる。
また、ポンプ設置エリア8の床面をバラスト喫水線Wb以下に配置することもできる。この場合には上記よりもさらに、非常用消火ポンプ6と海水面との垂直距離を減少できるので、吸込配管12の圧力損失を減らして、ポンプの必要吸込揚程を減少することができる。即ち、ポンプ設置エリア8の床面をバラスト喫水線Wb以下に配置すると、バラスト喫水時(軽荷喫水時)においても非常用消火ポンプ6の吸込口6aが水面以下になるので、船舶1が揺動した場合にも、非常用消火ポンプ6の必要吸込揚程が少ないか押し込みとなる。従って、非常用消火ポンプ6の吸引力に余裕を持たせることができ、これにより、海水取入口11を低い位置に配置することが可能となる。その結果、運航上考えられる積付状態の喫水においても問題なくポンプ吸込位置を水面下とすることができる。
図5に、本発明に係る第2の実施の形態の船舶1Aを示す。この船舶1Aでは、設置区画7Aの作業エリア9の床面の一部が船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面9aで構成されている。その他の構成は、先に示した実施の形態と同じである。
具体的には、図6に示すように、この設置区画7Aは、ポンプ設置エリア8よりも船尾側の作業エリア9の床面の一部が、船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面9aで構成されている。ポンプ設置エリア8の船側側に位置する作業エリア9は略水平な床面9bで構成されている。即ち、この設置区画7Aは直方体(W1×L1×H1)から2つの直方体、船尾側:(W1×(L1−L2)×H2、及び船側側:(W1−W2)×L2×H2)を切欠き、さらにそのうち船尾側の形状は三角柱(W1×H3×(L1−L2)×1/2)で切り抜き、船首側から船尾側にかけて底高さが高くなるような形状になっている。
この実施の形態のように、作業エリア9の床面の少なくとも一部を船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面9aで構成すると、作業エリア9の傾斜面9aに合わせて船尾部分の船体2をより痩せた船型のままに維持することが可能になる。それ故、船尾部分の船体2を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプ6をより低い位置に配置し易くなる。
作業エリア9の床面を傾斜面9aで構成する場合には、水平に対する傾斜面9aの傾斜角度(勾配)θを例えば2度以上18度以下に設定するとよい。傾斜面9aの傾斜角度θを2度以上にすることで、船尾部分の船体2を痩せた船型のままに維持するには有利になる。また、傾斜面9aの傾斜角度θを18度より大きくすると作業エリア9の勾配がきつくなり足場を付けたとしても作業スペースが減少してしまうことが考えられるが、傾斜面9aの傾斜角度θを18度以下にすることで活用可能な作業スペースを確保することができる。
設置区画7は、上記の実施の形態の他にも例えば、図7の(a)〜(c)に示すような構成にすることもできる。
図7の(a)に示す設置区画7Bは、上から見て四角形状を有しており、設置区画7Bの船首側の全幅に四角形状の床面を有するポンプ設置エリア8が配置されている。そして、ポンプ設置エリア8を除いた設置区画7の船尾側の全幅に四角形状の床面を有する作業エリア9が配置されている。作業エリア9とポンプ設置エリア8の床面はそれぞれ略水平な床面で構成されていて、作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との間に段差が設けられている。そして、作業エリア9の下方には窪んだ直方体形状の空間ができている。
即ち、この設置区画7Bは、直方体の船首側の全幅に下方に突出する直方体形状の凸部が設けられた形状になっている。言い換えると、直方体から船尾側の下部を1つの直方体で切欠いたような形状となっている。
図7の(b)に示す設置区画7Cは、上から見て四角形状を有しており、設置区画7Cの中央部分と船体中心線側および船首側の一部分に上から見てL字形状の床面を有するポンプ設置エリア8が配置されている。そして、ポンプ設置エリア8を除いた位置に、上から見てU字状の床面を有する作業エリア9が配置されている。作業エリア9とポンプ設置エリア8の床面はそれぞれ略水平な床面で構成されていて、作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との間に段差が設けられている。そして、作業エリア9の下方には上から見てU字状の切り欠かれた空間ができている。
即ち、この設置区画7Cは、直方体に下方に突出する上から見てL字形状の凸部が設けられた形状になっている。言い換えると、直方体から3つの直方体を切欠いたような形状となっている。
設置区画7Cのポンプ設置エリア8の床面をL字型形状とすることで、非常用消火ポンプ6の設置に必要な面積を確保しつつ、ポンプ設置エリア8の前端位置における幅方向の長さを短くすることができる。これにより、ポンプ設置エリア8の前端位置において、ポンプ設置エリア8と船尾部分の船底面2bとの間の距離を確保できるため、その間に入る構造部材の配置スペースの確保が可能となる。特に、ポンプ設置エリア8の前端位置が船尾隔壁に位置する場合においてこの形状は有効である。
図7の(c)に示す設置区画7Dは、上から見て四角形状を有しており、設置区画7Dの船首側であり、かつ、船体中心線CL側の角の位置に四角形状の床面を有するポンプ設置エリア8が配置されている。ポンプ設置エリア8の床面は略水平な床面で構成されている。ポンプ設置エリア8の船側側には、四角形状の略水平な床面で構成された第1の作業エリア9が設けられており、この第1の作業エリア9とポンプ設置エリア8の船尾側にさらに一段上方に位置する略水平な床面で構成された第2の作業エリア9が設けられている。
この設置区画7Dでは、第1の作業エリア9の床面とポンプ設置エリア8の床面との間に段差が設けられており、さらに、第1の作業エリア9の床面と第2の作業エリア9の床面との間に段差が設けられている。即ち、この設置区画7Dは、船首側から船尾側にかけて床面の高さ位置が段階的に高くなるような形状になっている。言い換えると、直方体の下方から高さと幅の異なる2つの直方体を切欠き、船首側から船尾側にかけて底高さが階段状に高くなるような形状になっている。
この設置区画7Dのように、作業エリア9の床面の少なくとも一部に船首側の床面よりも船尾側の床面が上方に位置するような段差を設けた構成にすると、作業エリア9の段差に合わせて船尾部分の船体2を痩せた船型のままに維持することがより容易に可能になる。それ故、船尾部分の船体2を痩せた船型に維持しつつ、非常用消火ポンプ6をより低い位置に配置し易くなる。
以上のように、本発明では、非常用消火ポンプ6に求められるバラスト状態における水面からの必要距離を従来と同程度に確保することで、機関室5が火災したときの安全性を従来技術の船舶1Xと同様に保つことができる。また、船尾2aにおいて、プロペラ3と船底面2bとのクリアランスを大きく確保することで、船体2の振動や騒音を抑制することができ、船内環境を良好に維持できる。さらに、本発明では船尾部分の船体2aの船型を痩せさせることができるため、推進性能の改善となり、CO排出量削減が可能となる。その上、設置区画7(7A〜7D)の形状が比較的単純であるため、工作性を過度に損なうことがない。
そして、本発明の構成は、多くの船舶に対して有効であるが、特に高効率での運航が求められる船尾形状を痩せさせたばら積み貨物船(バルクキャリアー)やタンカー船において船尾形状を痩せさせ推進性能の改善を図ることができるため、より大きな効果を発揮できる。
なお、設置区画7(7A〜7D)の形状や配置は、上記の実施の形態に限定されず、船舶1(1A)の船体形状や他の区画の配置等に応じて適宜決定することができる。また、上から見たときの作業エリア9やポンプ設置エリア8の形状は工作性を考慮すると四角形状であることが好ましいが、四角形状に限定されず、他にも例えば、三角形状やその他の多角形状、円形状、楕円形状など様々な構成にすることができる。
1、1A 船舶
1X 従来の船舶
2 船体
2a 船尾
2b 船底面
3 プロペラ
4 船尾隔壁
5 機関室
5a (機関室の)後部隔壁
6 非常用消火ポンプ
6a (非常用消火ポンプの)吸込口
7、7A〜7D 設置区画
7a (設置区画の)後部隔壁
7X 従来の設置区画
8 ポンプ設置エリア
9 作業エリア
10 通行用梯子
11 海水取入口(シーチェスト)
12 吸込配管
Wb バラスト喫水線
CL 船体中心線
Pc プロペラシャフトセンター

Claims (6)

  1. 船尾隔壁よりも船尾側に非常用消火ポンプを設置する船舶において、前記非常用消火ポンプを設置する設置区画が、前記非常用消火ポンプが配置されるポンプ設置エリアと、前記非常用消火ポンプの保守点検を行うための作業エリアとを有して構成されており、前記ポンプ設置エリアの床面が前記作業エリアの床面よりも下方に配置されていることを特徴とする船舶。
  2. 前記ポンプ設置エリアが前記設置区画の船首側に配置されている請求項1に記載の船舶。
  3. 前記設置区画が船体中心線に対して片舷側のみに設けられており、前記ポンプ設置エリアが前記設置区画の前記船体中心線側に配置されている請求項1または2に記載の船舶。
  4. 前記ポンプ設置エリアの床面が、バラスト喫水線よりも上方に配置され、前記床面と前記バラスト喫水線との垂直距離がプロペラ直径の0.45倍より小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
  5. 前記ポンプ設置エリアの床面が、バラスト喫水線と同じ高さまたはバラスト喫水線より下方に配置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の船舶。
  6. 前記作業エリアの床面の少なくとも一部が船首側から船尾側に向かって上方に傾斜する傾斜面で構成されている請求項1〜5のいずれか1項に記載の船舶。
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