JP3919201B1 - 貨物船の凹部船底構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、船舶の航行中に船底が損傷した場合であっても燃料タンク内の燃料油が海中に流出する事故を未然に回避でき、貨物容積の減少を少なくすることができる貨物船の凹部船底構造を提供する。
【解決手段】ダブルハル構造の貨物船の船底を、上層を燃料タンク、下層を船底バラストタンクとする2層構造船底とし、該2層構造船底を縦断隔壁と横断隔壁とにより区画し、縦断隔壁と横断隔壁の交差部に燃料タンクおよび船底バラストタンクを貫通する中空柱状の配管バルブスペースを配設し、燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管をそれぞれ燃料タンク内、船底バラストタンク内および配管バルブスペースを貫通して布設する構造とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、貨物船の凹部船底構造、特に、貨物船の船底部に設けられる燃料タンクおよびバラストタンクに関するものである。
従来の貨物船の燃料タンクおよび船底バラストタンクについて、図5を基に説明する。図5は、従来の貨物船の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図5(a)は、燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図5(b)は、図5(a)におけるB−B矢視断面図である。
図5に示すように、自動車運搬船に代表される貨物船10の船倉15の下部には船底外殻13と船底内殻14とからなる二重船底となっている。そして、この二重船底は縦断隔壁24および横断隔壁25によって貨物船10の進行方向に2列に並んだ複数のブロックに区画されていて、燃料タンク31や船底バラストタンク32が形成されていて、2列のブロックの船側は、舷側バラストタンク33となっている。
この燃料タンク31や船底バラストタンク32は交互に配置され、2列に並んだ複数のブロックの間は分離されていて、断面視が方形の配管トンネル35が形成されている。そして、配管トンネル35には燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管が布設されていて、燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管から分岐される燃料パイプ分岐管およびバラストパイプ分岐管が個々の燃料タンク31および船底バラストタンク32に連通されている。
したがって、従来の貨物船10は、上述した構成を採るが故に、二重船底であっても、燃料タンク31は、単板の船底外殻13によって囲まれた構造となっていて、貨物船10の航行中に衝突または座礁して船底外殻13が損傷した場合、燃料タンク31内の燃料油が海中に流出するという問題がある。
そこで、事故により貨物船の航行中の燃料タンク内の燃料油が海中に流出する、という上記の問題を回避するために、船舶の燃料タンクを二重船底と二重船側壁により囲繞する技術が、たとえば、特開2004−306694号公報に開示されている。
特開2004−306694号公報に開示の技術は、「船舶の航行中に衝突または座礁して船底が損傷した場合でも燃料タンクの外殻の損傷を防止でき、燃料タンクの燃料油が海中に流出するという問題を未然に回避できる貨物船を提供すること」を課題としている。
この特開2004−306694号公報に開示の技術の概要を、図4に基づいて説明する。なお、図4は、特開2004−306694号公報に開示された実施例の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図4(a)は、燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図4(b)は、図4(a)におけるB−B矢視断面図、図4(c)は、図4(b)におけるC部断面詳細図である。
貨物船10の船倉15の下部には、船底外殻13、船底内殻14および船底外殻13と船底内殻14との間に水平方向に設置された水平隔板21からなる船底が設けられていて、貨物船10の進行方向の中央部の船底内には縦断隔壁24および横断隔壁25によって区画された船底バラストタンク32が設けられている。そして、この船底バラストタンク32の上部には水平隔板21によって区画された燃料タンク31が設けられ、この燃料タンク31は縦断隔壁24、横断隔壁25および船底内殻12によって複数に区画されている。さらに、燃料タンク31の貨物船10の進行方向の中間部には船首から船尾にわたって配管トンネル35が設けられ、配管トンネル35内には燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45が布設されていて、燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45から分岐される燃料パイプ分岐管42およびバラストパイプ分岐管46が個々の燃料タンク31および船底バラストタンク32に連通されている。また、船底バラストタンク32および燃料タンク31の舷側には舷側バラストタンク33が設けられていて、燃料タンク31は、船底バラストタンク32と舷側バラストタンク33とによって囲まれた状態となっている。
このような構成とすることにより、特開2004−306694号公報に開示の技術は、上述した「船舶の航行中の事故による燃料油の流出」という課題の解決を図っている。
特開2004−306694号公報
しかしながら、特開2004−306694号公報に開示された技術は、船舶の航行中における船底の損傷事故の場合でも燃料タンクの燃料油が海中に流出するという問題を未然に回避でき得るが、貨物船10の進行方向の中間部に船首から船尾にわたって燃料タンク31内に配管トンネル35という独立した区画を必要としている。この配管トンネル35は、少なくとも1.5m×1.5m〜2.0m×2.0mの矩形の断面を有していて、船首から船尾にわたって設けられているため300m〜600mの容積を必要とする。すなわち、その分、船底内殻14が嵩上げされて、貨物容積が減少していることになる。
そこで、本発明は、船舶の航行中に船底が損傷した場合であっても燃料タンクの外殻の損傷を防止でき、燃料タンクの燃料油が海中に流出するという問題を未然に回避でき、貨物容積の減少を少なくすることができる貨物船の凹部船底構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本願請求項1に係る貨物船の凹部船底構造は、船底外殻および船底内殻からなる二重船底と船側外殻および船側内殻からなる二重船側壁とを具えるダブルハル構造の貨物船において、前記船底外殻と前記船底内殻との間に前記貨物船の進行方向に平行な貨物船の中心線に沿って垂設される縦断隔壁と該縦断隔壁に直交する複数の横断隔壁により水密に区画された複数のブロックの上層の燃料タンクと下層の船底バラストタンクと前記縦断隔壁には前記貨物船の中心線に相対する一対の前記ブロック毎に前記燃料タンクと前記船底バラストタンクとの間に跨って嵌設されかつ、内部にバルブ等が配設される配管バルブスペースと、前記貨物船の中心線に沿って前記燃料タンク内および前記船底バラストタンク内のそれぞれを貫通して布設される燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管と、前記配管バルブスペース内に配置される前記燃料パイプ主管および前記バラストパイプ主管から隣接する前記燃料タンクおよび前記船底バラストタンクに分岐される燃料パイプ分岐管およびバラストパイプ分岐管と、からなり、前記燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管のそれぞれの基端部は、機関室またはポンプ室内に設置された燃料用ポンプおよびバラスト水用ポンプに接続していることを特徴としている。
また、本願請求項2に係る貨物船の凹部船底構造は、請求項1に記載の貨物船の凹部船底構造であって、前記配管バルブスペースは前記縦断隔壁と前記横断隔壁との交差部に配設されている、ことを特徴としている。
そして、本願請求項3に係る貨物船の凹部船底構造は、請求項1または請求項2に記載の貨物船の凹部船底構造であって、前記燃料タンクの床面を形成する前記水平隔板は、前記ブロック内において、船底中心部に所定の幅を有する船底平行隔板とこれに連続して両舷から船舶中心線に向かう傾斜隔板からなる凹部として形成されている、ことを特徴としている。
さらに、本願請求項4に係る貨物船の凹部船底構造は、請求項3に記載の貨物船の凹部船底構造であって、前記凹部は、前記貨物船の中心線に沿って形成されている、ことを特徴としている。
本願請求項1に係る発明によれば、ダブルハル構造の貨物船の船底外殻と船底内殻との間に水平隔板を設けて上下2層に区画し、その上層を燃料タンク、下層を船底バラストタンクとしているので、燃料タンクは、側面を船側外殻と船側内殻とで形成された舷側バラストタンクに、そして、下面を船底バラストタンクに、囲まれた状態となっている。このため、貨物船の航行中に船底が損傷した場合であっても燃料タンクの外殻の損傷を防止でき、燃料タンク内の燃料油が海中に流出することはない。
また、燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管がそれぞれ燃料タンク内および船底バラストタンク内を貫通して布設され、燃料タンクと船底バラストタンクとを上下に貫通する配管バルブスペースを介して、燃料パイプ分岐管およびバラストパイプ分岐管が各燃料タンクおよび船底バラストタンクに連設されているので、燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管を布設するための配管スペースが不要であり、貨物容積をその分大きくすることができる。そして、「貨物容積を大きくすること」は、貨物船に対する船底内殻の相対的なレベルが下がることになるので、貨物船の重心が下がり復原性が向上する。
さらに、燃料パイプ主管は燃料タンク内に布設され、バラストパイプ主管は船底バラストタンク内に布設されているので、たとえ燃料パイプ主管やバラストパイプ主管が、何らかの事情により損傷を受けたとしても、燃料パイプ主管にバラスト水が混入したり、バラストパイプ主管に燃料油が混入したりして海水を汚染させることがない。
そして、本願請求項2に係る発明によれば、貨物船の中心線に相対する一対のブロック毎に縦断隔壁に嵌設される配管バルブスペースが、縦断隔壁と横断隔壁との交差部(以下、「隔壁交差部」という。)に配設されている。このため、隔壁交差部は4つの燃料タンクおよび4つの船底バラストタンクの隅部が集中する位置にあるので、隔壁交差部毎に配管バルブスペースを嵌設しても良く、あるいは、隔壁交差部一つ置きに配管バルブスペースを嵌設しても良い。また、たとえば、配管バルブスペースを中空の四角柱とした場合には、横断隔壁を四角柱の1面とすることもできる。したがって、いずれの場合であっても建造費用のコストダウンを図ることができる。
また、本願請求項3に係る発明によれば、燃料タンクの床面を形成する水平隔板は、ブロック内において船底中心部に所定の幅を有する船底平行隔板とこれに連続して両舷から船舶中心線に向かう傾斜隔板からなる凹部として形成されている。このため、各燃料タンク内の燃料油の自由表面が、燃料油の減少に伴って少なくなり、燃料油の動揺を最小限に抑えることができるとともに、燃料油の自由表面による貨物船の重心の上昇を抑えることができ、重心が上がらないので、積載効率が良くなる。
さらに、本願請求項4に係る発明によれば、請求項3に係る発明の凹部を、貨物船中心線に沿って形成することとしている。このため、請求項3に係る発明と同一の効果を得ることができるとともに、造船工程において、水平隔板の折り曲げ工数は最小限で済むことになり、建造費用のコストダウンを図ることができる。
以下、本願発明を実施するための最良の形態に係る実施例について、図1ないし図3に基づいて説明する。なお、図1は、実施例1に係る貨物船の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図1(a)は、その実施例1に係る燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図1(b)は、同図1(a)におけるB−B矢視断面図であり、図2は、実施例1に係る配管バルブスペース部分の拡大斜視図であり、図3は、実施例2に貨物船の横断面図である。また、図1(a)および図2においては、図の右側を船首側としている。
図1ないし図3において、符号1は実施例1に係る凹部船底構造、符号2は実施例2に係る凹部船底構造、符号10は貨物船、符号11は舷側外殻、符号12は舷側内殻、符号13は船底外殻、符号14は船底内殻、符号15は船倉、符号16は機関室またはポンプ室、符号21は実施例1に係る水平隔壁(従来例に係る水平隔壁と同一符号)、符号22は実施例2に係る水平隔板、符号23は溝状の凹部、符号24は縦断隔壁、符号25は横断隔壁、符号31は燃料タンク、符号32は船底バラストタンク、符号33は舷側バラストタンク、符号34は配管バルブスペース、符号41は燃料パイプ主管、符号42は燃料パイプ分岐管、符号43は燃料パイプバルブ、符号45はバラストパイプ主管、符号46はバラストパイプ分岐管、符号47はバラストパイプバルブ、符号48は空気管、である。なお、従来の貨物船における要素と同一のものについては、同一の符号を付している。
〈実施例1〉
まず、実施例1に係る凹部船底構造1の構成について、図1および図2を基に説明する。
舷側外殻11と舷側内殻12により貨物船10の両舷には、舷側バラストタンク33が形成されていて、凹部船底構造1は、舷側内殻12、12間に形成されている。すなわち、凹部船底構造1は、最下部から順に船底外殻13、水平隔壁21および船底内殻14により、二層構造となっていて、上層に燃料タンク31を配置し、下層に船底バラストタンク32を配置している。なお、船底内殻14は、舷側外殻11、11間に水平に架設されていて、船倉15の床面となっている。また、本実施例においては、水平隔壁21は水平部材であって、舷側内殻12、12間に水平に架設されている。
さらに、凹部船底構造1には、貨物船10の進行方向に平行な中心線(以下「船舶中心線」という。)に沿って縦断隔壁24が船底外殻13と船底内殻14との間に水平隔壁21を貫通して水密に垂設され、縦断隔壁24に直交して複数の横断隔壁25が船底外殻13と船底内殻14との間に水平隔壁21を貫通して水密に垂設されていて、船底内は上下二層の区画された複数個のブロックが形成されている。したがって、上述したように、この上下二層の区画された複数個のブロックは、上層を燃料タンク31とし、下層を船底バラストタンク32としているので、凹部船底構造1には、複数個の燃料タンク31と、それと同数の船底バラストタンク32から構成されている。
配管バルブスペース34は燃料タンク31と船底バラストタンク32を上下に貫通する中空の四角柱であって、各ブロックの船尾側、換言すれば、縦断隔壁24と横断隔壁25との交差部、すなわち、隔壁交差部に配置されていて、配管バルブスペース34の平面上の中心部は縦断隔壁24の中心線と一致し、横断隔壁25の一部が配管バルブスペース34の1つの面を形成している。
なお、実施例1においては、配管バルブスペース34を隔壁交差部毎に配設しているが、隔壁交差部と隔壁交差部との中間域の縦断隔壁24に嵌設させても良く、あるいは、隔壁交差部1つ置きに配設しても良いことは前述した。配管バルブスペース34を隔壁交差部1つ置きに配設した場合は、平面上の隔壁交差部の中心と配管バルブスペース34の中心とを一致させることにより、隔壁交差部で接する4つの燃料タンク31および4つの船底バラストタンク32のそれぞれに、後述する燃料パイプ分岐管42およびバラストパイプ分岐管46を連通させることができる。
燃料パイプ主管41は、船舶中心線の左舷側あるいは右舷側のいずれか一方の側(図2では左舷側)に沿って布設されていて、燃料タンク31、31、・・・および配管バルブスペース34、34、・・・を貫通している。同様に、バラストパイプ主管45は、船舶中心線の右舷側あるいは左舷側のいずれか一方の側(図2では右舷側)に沿って布設されていて、船底バラストタンク32、32・・・および配管バルブスペース34、34、・・・を貫通している。このように燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45は、船舶中心線に対してそれぞれ反対側の位置に布設しているが、同じ側に布設しても良いことは勿論である。反対側の位置に布設することにより、配管バルブスペース34の空間を有効に使用することができる、というメリットがある。
そして、配管バルブスペース34内において、燃料パイプ主管41から燃料パイプ分岐管42、42が分岐されて左舷側および右舷側の燃料タンク31、31に連通し、その先端は燃料タンク31内に開口している。同様に、配管バルブスペース34内において、バラストパイプ主管45からバラストパイプ分岐管46、46が分岐されて左舷側および右舷側の船底バラストタンク32、32に連通し、その先端は船底バラストタンク32内に開口している。そして、配管バルブスペース34内において、燃料パイプ分岐管42、42およびバラストパイプ分岐管46、46には、それぞれ燃料パイプバルブ燃料43、43およびバラストパイプバルブ47、47が介挿されている。
さらに、燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45のそれぞれの基端部は、機関室またはポンプ室16内に設置された図示外の燃料用ポンプおよびバラスト水用ポンプに接続している。
なお、燃料パイプバルブ43およびバラストパイプバルブ47には、油圧式遠隔バルブが使用されていて、この油圧式遠隔バルブの開閉操作するための空気管48が添設されている。
つぎに、本願実施例1に係る凹部船底構造の作用について説明する。
燃料タンク31への燃料油の貯蔵および燃料タンク31からの燃料油の排出は、図示外の燃料用ポンプを稼動させ、燃料パイプ主管41および燃料パイプ分岐管42を介しておこなわれる、ことは従来どおりであり、この点において、従来と変わることはない。また、船底バラストタンク32に対するバラスト水の貯蔵、排出についても従来と変わることはない。
ここで、燃料油の油送経路について見ると、基端部を図示外の燃料用ポンプに接続された燃料パイプ主管41は、燃料タンク31内→配管バルブスペース34→燃料タンク31内→配管バルブスペース34・・・という経路を辿っていることになるので、燃料油とは異質のバラスト水と交差する箇所はない。また、燃料パイプ分岐管42についても、燃料パイプ分岐管42は、配管バルブスペース34内で燃料パイプ主管41から分岐されて、燃料パイプバルブ43を経由して燃料タンク31に連通しているので、バラスト水と交差する箇所はなく、燃料油の経路は完全にバラスト水とは分離されている。同様のことはバラスト水に対してもいえるので、たとえ燃料油送出系統やバラスト水送出系統が何らかの事情により損傷を受けたとしても、燃料油とバラスト水が混入することはない。
また、燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45の大部分は、燃料タンク31内および船底バラストタンク32内を貫通して布設されているので、従来例で説明した配管トンネル35は不要であり、その分貨物容積を大きくすることができる。
〈実施例2〉
つぎに、実施例2について図2および図3に基づいて説明する。しかしながら、上記実施例1に係る凹部船底構造1と実施例2に係る凹部船底構造2との構成上の相違は、上記実施例1における水平隔板21にあるので、相違する水平隔板を中心として説明する。
上述したように、凹部船底構造2は、その構成において凹部船底構造1と略同様であるが、水平隔板22の構成において、水平隔板21と同様に上下を船底内殻14と船底外殻13とに挟まれた状態で舷側内殻12、12間に架設される。しかしながら、実施例2に係る凹部船底構造2においては、水平隔板は、船底中心部に所定の幅を有する船底平行隔板21とこれに連続して両舷から船舶中心線に向かう傾斜隔板22からなる凹部23として形成される。
なお、上記船底平行隔板21は、限りなくゼロに近い幅のものであっても良く、また、上記傾斜隔板22は、両舷から前記船底平行隔板21に傾斜する隔板であるが、これは、途中で傾斜角度を変え、複数の傾斜を有する板であっても良い。
本願実施例2に係る凹部船底構造2のその他の構成、たとえば、燃料タンク31および船底バラストタンク32の構成、配管バルブスペース34の構成、燃料パイプ主管41およびバラストパイプ主管45の構成、等については、凹部船底構造1の構成と同一であるので、その説明を省略する。
つぎに、本願実施例2に係る凹部船底構造2の作用効果について説明するが、実施例2の凹部船底構造2の作用効果は、凹部船底構造2の構成上の相違以外は実施例1の凹部船底構造1の構成と同じであり、したがって、その奏する作用効果も実施例1の凹部船底構造1の作用効果と同じであるが、実施例2に係る凹部船底構造2の作用効果は、実施例1の凹部船底構造1が奏する作用効果に加え、次に説明する実施例2の凹部船底構造2の構成から派生する特有の作用効果を奏する。
すなわち、燃料タンク31内の燃料油は、燃料タンク31の容積の96%をもって満載としているので、燃料タンク31内の燃料油には自由表面が常に発生している。そして、各燃料タンク31の床面である水平隔板21は、船底中心部に所定の幅を有する船底平行隔板21とこれに連続して両舷から船舶中心線に向かう傾斜隔板22からなる凹部23として形成されている。このため、燃料油の消費に伴って、燃料油の自由表面が小さくなるので、燃料油の動揺を最小限に抑えることができる。また、傾斜によって燃料油の自由表面が小さくなることにより、燃料の消費に伴う貨物船10の重心の上昇を抑えることができる。
図1は、実施例1に係る貨物船の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図1(a)は、燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図1(b)は、図1(a)におけるB−B矢視断面図である。 図2は、実施例1に係る配管バルブスペース部分の拡大斜視図である。 図3は、実施例2に係る貨物船の横断面図である。 図4は、特開2004−306694号公報に開示された実施例の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図4(a)は、燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図4(b)は、図4(a)におけるB−B矢視断面図、図4(c)は、図4(b)におけるC部断面詳細図である。 図5は、従来の貨物船の燃料タンクおよび船底バラストタンクの模式図であり、図5(a)は、燃料タンクおよび船底バラストタンクの配置を示す斜視図、図5(b)は、図5(a)におけるB−B矢視断面図である。
符号の説明
1 実施例1に係る凹部船底構造
2 実施例2に係る凹部船底構造
10 貨物船
11 舷側外殻
12 舷側内殻
13 船底外殻
14 船底内殻
15 船倉
21 従来例および実施例1に係る水平隔板
21 船底平行隔板
22 係る傾斜隔板
24 縦断隔壁
25 横断隔壁
31 燃料タンク
32 船底バラストタンク
34 配管バルブスペース
41 燃料パイプ主管
45 バラストパイプ主管

Claims (4)

  1. 船底外殻および船底内殻からなる二重船底と船側外殻および船側内殻からなる二重船側壁とを具えるダブルハル構造の貨物船において、
    前記船底外殻と前記船底内殻との間に前記貨物船の進行方向に平行な貨物船の中心線に沿って垂設される縦断隔壁と該縦断隔壁に直交する複数の横断隔壁により水密に区画された複数のブロックの上層の燃料タンクと下層の船底バラストタンクと
    前記縦断隔壁には前記貨物船の中心線に相対する一対の前記ブロック毎に前記燃料タンクと前記船底バラストタンクとの間に跨って嵌設されかつ、内部にバルブ等が配設される配管バルブスペースと、
    前記貨物船の中心線に沿って前記燃料タンク内および前記船底バラストタンク内のそれぞれを貫通して布設される燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管と、
    前記配管バルブスペース内に配置される前記燃料パイプ主管および前記バラストパイプ主管から隣接する前記燃料タンクおよび前記船底バラストタンクに分岐される燃料パイプ分岐管およびバラストパイプ分岐管と、
    からなり、
    前記燃料パイプ主管およびバラストパイプ主管のそれぞれの基端部は、機関室またはポンプ室内に設置された燃料用ポンプおよびバラスト水用ポンプに接続していることを特徴とする貨物船の凹部船底構造。
  2. 前記配管バルブスペースは前記縦断隔壁と前記横断隔壁との交差部に配設されている、ことを特徴とする請求項1に記載の貨物船の凹部船底構造。
  3. 前記燃料タンクの床面を形成する前記水平隔板は、前記ブロック内において、船底中心部に所定の幅を有する船底平行隔板とこれに連続して両舷から船舶中心線に向かう傾斜隔板からなる凹部として形成されている、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の貨物船の凹部船底構造。
  4. 前記凹部は、前記貨物船の中心線に沿って形成されている、ことを特徴とする請求項に記載の貨物船の凹部船底構造。
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