JP2018149482A - インク吐出装置及びインク劣化度検知方法 - Google Patents

インク吐出装置及びインク劣化度検知方法 Download PDF

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Abstract

【課題】インクタンクの設置場所の自由度が高く、インクの吐出動作を停止させることなくインクの粘度の変化量を計測することができるインク吐出装置を提供する。【解決手段】インクを吐出するインクジェットヘッドに供給路を経由してインクが流入し、インクジェットヘッドから回収路を経由してインクが流出する。供給路及び回収路の一方に送液ポンプが配置されている。供給側圧力センサが供給路内の圧力を計測し、回収側圧力センサが回収路内の圧力を計測する。制御装置が、供給側圧力センサ及び回収側圧力センサによって、時間を置いて計測された計測値に基づいて、インクの劣化度に依存する物理量を求め、物理量が閾値を超えたことを検知すると、所定のインク劣化時処理を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、インク吐出装置及びインク劣化度検知方法に関する。
インクジェットヘッドからインクを吐出させてプリント基板等の対象物にインクを塗布する装置が公知である(特許文献1)。インクが劣化して粘度が高くなるとインクジェットヘッドからの吐出不良が生じやすくなる。
インク粘度に応じたメンテナンスができるようにしたインク循環型のインクジェットプリンタが知られている(特許文献2)。このインクジェットプリンタにおいては、インクジェットヘッドよりも高い位置に配置されたインクタンクから、インクジェットヘッドを経由して、インクジェットヘッドよりも低い位置に配置されたインクタンクまでの流路の配管抵抗に応じた値を計測する。配管抵抗に応じた値として、上側のインクタンクから下側のインクタンクまで、一定量のインクが輸送される時間、または一定時間に輸送されるインクの量が採用される。この配管抵抗に応じた値から、インクの粘度を推定することができる。
特開2016−203118号公報 特開2009−274360号公報
特許文献2に開示されたインクジェットプリンタにおいては、インクの粘度を推定するために、インクジェットヘッドより高い位置及び低い位置に、それぞれインクタンクを配置しなければならない。さらに、配管抵抗に応じた値を測定するために、インクの吐出動作を停止させなければならない。
本発明の目的は、インクタンクの設置場所の自由度が高く、インクの吐出動作を停止させることなくインクの粘度の変化量を計測することができるインク吐出装置、及びインクの劣化度検知方法を提供することである。
本発明の一観点によると、
インクを吐出するインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドにインクを流入させる供給路と、
前記インクジェットヘッドからインクを流出させる回収路と、
前記供給路及び前記回収路の一方に配置された第1の送液ポンプと、
前記供給路内の圧力を計測する供給側圧力センサと、
前記回収路内の圧力を計測する回収側圧力センサと、
前記供給側圧力センサ及び前記回収側圧力センサによって、時間を置いて計測された計測値に基づいて、インクの劣化度に依存する物理量を求め、前記物理量が閾値を超えたことを検知すると、所定のインク劣化時処理を実行する制御装置と
を有するインク吐出装置が提供される。
本発明の他の観点によると、
インクを吐出するインクジェットヘッドにインクを流入させる供給路内の圧力、及び前記インクジェットヘッドからインクを流出させる回収路内の圧力を、時間を置いて計測し、
前記供給路内の圧力及び前記回収路内の圧力の計測値に基づいて、インクの劣化度に依存する物理量を求めるインク劣化度検知方法が提供される。
供給側圧力センサ及び回収側圧力センサの計測値に基づいて、インク吐出処理の実行中にインクの劣化度を検知することができる。また、インクジェットヘッドよりも高い位置及び低い位置の両方にインクタンクを配置する必要はない。インクが劣化した時点でインク劣化時処理を実行することにより、インクの劣化に対する早期の対応が可能である。
図1は、実施例によるインク吐出装置の概略図である。 図2は、インクの劣化度を判定する処理及びインク劣化時処理のフローチャートである。 図3は、他の実施例によるインク吐出装置の概略図である。 図4は、さらに他の実施例によるインク吐出装置の概略図である。
図1及び図2を参照して、実施例によるインク吐出装置について説明する。
図1は、実施例によるインク吐出装置の概略図である。インクを吐出するインクジェットヘッド10のインク流入口に供給路20が接続され、インク流出口に回収路30が接続されている。供給路20の他端及び回収路30の他端がメインタンク40に接続されている。メインタンク40、供給路20、インクジェットヘッド10、及び回収路30によって、インクの循環路が構成される。
供給路20に送液ポンプ21が配置され、回収路30に他の送液ポンプ31が配置されている。送液ポンプ21は、メインタンク40からインクジェットヘッド10に向かう方向に供給路20内のインクを輸送する。他方の送液ポンプ31は、インクジェットヘッド10からメインタンク40に向かう方向に回収路30内のインクを輸送する。送液ポンプ21とインクジェットヘッド10との間の供給路20にバッファタンク22が挿入されている。インクジェットヘッド10と送液ポンプ31との間の回収路30に、バッファタンク32が挿入されている。バッファタンク22、32は、それぞれ送液ポンプ21、31の動作に起因するインクの脈動を平準化する機能を持つ。
供給路20からインクジェットヘッド10にインクが流入し、インクジェットヘッド10内を流れたインクが回収路30に流出する。インクジェットヘッド10の底面(以下、吐出面という。)に、ピエゾ駆動素子を含む複数のノズル孔が設けられている。ピエゾ駆動素子を駆動することにより、インクジェットヘッド10内のインクを液滴化させてノズル孔から吐出させることができる。
インクジェットヘッド10の吐出面に対向する位置に、XYステージ71によりインク塗布対象物70が保持される。インク塗布対象物70は、例えばプリント基板、タッチパネル用基板、液晶パネル用基板等である。XYステージ71は、インク塗布対象物70を水平面内の二次元方向に移動させることができる。インクとして、例えばソルダーレジストインク、エッチングレジストインク、マーキングインク等が用いられる。
メインタンク40は、供給路20、インクジェットヘッド10、及び回収路30を循環するインクを一時的に蓄積する。メインタンク40内にヒータ41が配置されている。ヒータ41は、制御装置50から制御されて、メインタンク40内のインクを目標とする温度まで加温する。目標とする温度まで加温されたインクが供給路20を経由してインクジェットヘッド10に供給される。インクジェットヘッド10から回収路30を経由してメインタンク40に回収されたインクが、メインタンク40内で目標とする温度まで加温される。供給路20及び回収路30を流れるインクの温度が低下しないように、供給路20及び回収路30を、保温用ヒータまたは保温材で取り囲むことが好ましい。さらに、バッファタンク22、32に、保温用ヒータを配置してもよい。メインタンク40に廃液管42が設けられている。廃液管42に設けられた開閉バルブ43を開くことにより、メインタンク40内のインクを排出させることができる。
リザーブタンク45内に、予備のインクが保管されている。リザーブタンク45からメインタンク40にインクを補充することができる。
供給路20に供給側圧力センサ25が取り付けられており、回収路30に回収側圧力センサ35が取り付けられている。供給側圧力センサ25は、取り付け位置において供給路20内の圧力を計測する。回収側圧力センサ35は、取り付け位置において回収路30内の圧力を計測する。供給側圧力センサ25は、バッファタンク22よりも下流側に取り付けられており、回収側圧力センサ35は、バッファタンク32よりも上流側に取り付けられている。
一般的には、供給側圧力センサ25は、供給側圧力センサ25とインクジェットヘッド10との間の供給路20の配管抵抗が時間的に変動しないような位置に取り付けることが好ましい。同様に、回収側圧力センサ35は、インクジェットヘッド10と回収側圧力センサ35との間の回収路30の配管抵抗が時間的に変動しないような位置に取り付けることが好ましい。供給側圧力センサ25及び回収側圧力センサ35は、それぞれインクジェットヘッド10の流入口及び流出口の直近に取り付けることがより好ましい。図1では、インクジェットヘッド10の吐出面から、供給側圧力センサ25の取り付け位置までの高さと、吐出面から回収側圧力センサ35の取り付け位置までの高さとが等しい例を示している。
制御装置50が、プログラマブルロジックコントロール部(PLC部)51、吐出制御部52、及び劣化判定部53を含む。制御装置50は、インクジェットヘッド10、XYステージ71、送液ポンプ21、31、及びヒータ41を制御する。さらに、出力装置60に、オペレータに報知する種々の情報を出力させる。
PLC部51は、インクの送液の制御を実行する。以下、インクの送液の制御について説明する。
PLC部51は、供給側圧力センサ25及び回収側圧力センサ35によって計測された圧力の計測値に基づき、送液ポンプ21、31を制御する。具体的には、供給側圧力センサ25の計測値Ps及び回収側圧力センサ35の計測値Prに基づいて、両者の差Pd(以下、差圧という。)、及びインクジェットヘッド10の吐出面におけるメニスカス圧Pmを算出する。
差圧Pdは、以下の式で表される。
Figure 2018149482
メニスカス圧Pmは、以下の式で表される。
Figure 2018149482

ここで、Rsは、供給側圧力センサ25とインクジェットヘッド10との間の供給路20の配管抵抗であり、Rrは、インクジェットヘッド10と回収側圧力センサ35との間の回収路30の配管抵抗であり、ρはインクの密度であり、gは重力加速度であり、hはインクジェットヘッド10の吐出面から供給側圧力センサ25及び回収側圧力センサ35の取り付け位置までの高さである。
PLC部51は、差圧Pd及びメニスカス圧Pmが目標値に維持されるように、送液ポンプ21、31の吐出量を制御する。差圧Pdを目標値に維持することにより、インクジェットヘッド10内におけるインクの流量をインク粘度に応じた値に維持することができる。メニスカス圧Pmを目標値に維持することにより、インクジェットヘッド10からのインクの吐出を安定させることができる。さらに、PLC部51は、インクの劣化の度合いを算出するために必要な計測値を劣化判定部53に通知する。
吐出制御部52は、インクを塗布するパターンを定義するパターンデータ、及び所定の制御パラメータに基づいて、インクジェットヘッド10及びXYステージ71を制御する。制御パラメータには、例えばピエゾ駆動素子の駆動電圧、駆動波形等を指令するパラメータが含まれる。
劣化判定部53は、PLC部51から通知された計測値に基づいて、インク劣化時処理を実行するか否かを判定し、インク劣化時処理を実行すると判定した場合には、必要な劣化時処理を実行する。インクの劣化によってインク吐出処理の制御パラメータを変更する必要があると判定した場合には、吐出制御部52に制御パラメータの変更を指示する。インクが劣化したことをオペレータに報知する必要がある場合には、劣化判定部53は、インクの劣化が許容値を超えたこと、またはインクの交換が必要なことをオペレータに報知するメッセージを出力装置60に出力させる。さらに、劣化判定部53はヒータ41に対して温度の目標値を指令する。
次に、図2を参照して、劣化判定部53が実行するインクの劣化度を判定する処理及びインクの劣化時に実行するインク劣化時処理について説明する。インクが劣化すると動粘度が上昇する。従って、インクの動粘度の変化量に基づいてインクの劣化度を判定することができる。
図2は、インクの劣化度を判定する処理及びインク劣化時処理のフローチャートである。この処理は、例えばインク吐出処理中に一定の周期で起動される。
劣化判定部53(図1)は、PLC部51から、供給側圧力センサ25の計測値Ps、及び回収側圧力センサ35の計測値Prを取得する(ステップS01)。取得した計測値Ps、Prに基づいて、前周期k−1から今周期kまでのインクの動粘度の変化量Δμ(k)を算出する(ステップS02)。
以下、インクの動粘度の変化量Δμ(k)の算出方法について説明する。パラメータを以下のように定義する。数式中でパラメータに付された(k)及び(k−1)は、それぞれ今周期k及び前周期k−1における値であることを意味する。
R:配管抵抗
ΔR:前周期から今周期までの配管抵抗Rの変化量
μ:インクの動粘度
Δμ:前周期から今周期までのインクの動粘度の変化量
周期kの時点における配管抵抗Rの変化量ΔR(k)は、以下の式で表される。
Figure 2018149482
式(3)から、周期kの時点におけるインクの動粘度の変化量Δμ(k)は、以下の式で表されることがわかる。
Figure 2018149482
次に、式(4)の右辺の配管抵抗の変化量ΔR(k)の算出方法について説明する。
前周期のメニスカス圧Pm(k−1)は以下の式で表される。
Figure 2018149482

今周期のメニスカス圧Pm(k)は以下の式で表される。
Figure 2018149482

ここで、供給路20の配管抵抗Rsの変化量と、回収路30の配管抵抗Rrの変化量とは等しく、ともにΔRであるとした。
メニスカス圧Pmが目標値に維持されるように制御されているため、前周期のメニスカス圧Pm(k−1)と、今周期のメニスカス圧Pm(k)とは等しい。すなわち、以下の式が成立する。
Figure 2018149482
式(5)〜式(10)から、ΔRについて整理すると、以下の式が導出される。
Figure 2018149482

式(4)と式(8)とから、インクの動粘度の変化量Δμ(k)を算出することができる。劣化判定部53は、算出したインクの動粘度の変化量Δμ(k)を記憶する(ステップS02)。
式(8)の右辺の分母が0になると、配管抵抗Rの変化量ΔRは不定になってしまうが、通常のインク循環中の条件では、分母が0になることはない。
劣化判定部53は、算出したインクの動粘度の変化量Δμ(k)を累積し、累積値Δμを算出する(ステップS03)。累積値Δμは、以下の式で表される。
Figure 2018149482
算出された累積値Δμは、例えばメインタンク40に新しいインクを投入した時点で初期設定される。インクの劣化が進むとインクの動粘度が高くなる。インクの動粘度の変化量の累積値Δμは、インクの劣化の度合いを表していると考えることができる。
劣化判定部53は、インクの動粘度の変化量の累積値Δμが第1閾値以上か否かを判定する(ステップS04)。第1閾値は、例えば、許容される塗布品質が得られる累積値Δμの上限値に設定される。累積値Δμが第1閾値未満である場合には、今周期のインク劣化検知処理を終了する。このため、現時点の制御パラメータを用いて、インク吐出処理が継続される。
累積値Δμが第1閾値以上である場合には、制御パラメータが初期状態から変更済か否かを判定する(ステップS05)。制御パラメータが変更されておらず、初期状態のままである場合には、劣化判定部53はインク吐出処理の制御パラメータを変更し、変更後の制御パラメータを吐出制御部52に通知する(ステップS06)。吐出制御部52は、劣化判定部53から通知された変更後の制御パラメータに基づいて、インクの吐出制御を行う。
変更する制御パラメータとして、例えばインクの温度の目標値、インクの流量の目標値、インクジェットヘッド10のピエゾ駆動素子の駆動電圧等を採用するとよい。例えば、インクの動粘度が上昇したら、インクの温度の目標値を高くするとよい。具体的には、ヒータ41(図1)の加温能力を高めるとよい。これにより、メインタンク40内のインクの温度が上昇し、インクの動粘度が低下する。
その他に、インクの動粘度が上昇したら、インクの流量の目標値を高くしてもよい。インクの流量は、差圧Pdに依存する。インクの流量の目標値を高くすることは、差圧Pdの目標値を大きくすることと等価である。差圧Pdの目標値が変わると、PLC部51が送液ポンプ21、31の吐出量を変化させることにより、差圧Pdを目標値に近づける。インクの流量が増加すると、供給路20(図1)を輸送される期間のインクの温度の低下量が抑制される。その結果、インクジェットヘッド10内のインクの温度が高く維持されるため、インクジェットヘッド10内のインクの動粘度の上昇が抑制される。
さらに、その他に、インクの動粘度が上昇したら、インクジェットヘッド10のインク吐出能力を変化させてもよい。例えば、ピエゾ駆動素子の駆動電圧を高くすることにより、インク吐出能力を高めるとよい。ピエゾ駆動素子の駆動電圧を高くすると、インクの動粘度が高くなっても安定した吐出を行うことができる。
制御パラメータが既に初期状態から変更されている場合には(ステップS05)、インクの動粘度の変化量の累積値Δμが、第1閾値より大きな第2閾値以上か否かを判定する(ステップS07)。累積値Δμが第2閾値未満である場合には、インクの劣化度を判定する処理を終了する。これにより、変更後の制御パラメータの設定値を用いたインクの吐出処理が継続される。
累積値Δμが第2閾値以上である場合には、劣化判定部53は、インクが劣化したことをオペレータに報知する(ステップS08)。例えば、出力装置60に、「インクが劣化しました。インクを交換してください。または、装置を洗浄してください。」というメッセージを出力させる。
このメッセージに気付いたオペレータは、インクの交換、装置の洗浄等の適切な処置を行う。例えば開閉バルブ43(図1)を開いてインクの一部を廃棄するとともに、新しいインクをリザーブタンク45(図1)からメインタンク40(図1)に補充する。この操作により、インクの動粘度を低下させることができる。または、オペレータは、インクをすべて廃棄した後、装置を洗浄して、新しいインクをメインタンク40に投入してもよい。どのようなメンテナンスを行うかは、オペレータが装置の状態、塗布品質等に基づいて決定するとよい。
次に、上記実施例の優れた効果について説明する。
上記実施例では、インクの塗布処理中にインクの動粘度の変化量、すなわちインクの劣化度を算出することができる。インクの劣化度を算出するために、インク塗布処理を中断させる必要がないため、インク吐出装置の稼働率の低下を抑制することができる。
インクの動粘度が上昇しても、インク吐出制御の制御パラメータを変更することにより、塗布品質の低下を抑制することができる。インクの動粘度がさらに上昇すると、インクが劣化したことをオペレータに報知するため、オペレータはインクの劣化に早期に気付くことができる。オペレータは、早期に保守点検作業を行うことにより、インクの劣化による歩留まりの低下を抑制することができる。
上記実施例では、インクの劣化度を判定する処理において、インクの動粘度の変化量を算出したが(ステップS02)、インクの動粘度そのものではなく、インクの動粘度に依存する物理量を算出してもよい。式(4)からわかるように、インクの動粘度の変化量Δμ(k)は、配管抵抗の変化量ΔR(k)に比例する。このため、配管抵抗の変化量ΔR(k)の累積値に基づいて、インクの劣化度を判定してもよい。
上記実施例では、インクジェットヘッド10の吐出面から供給側圧力センサ25の取り付け位置までの高さと、吐出面から回収側圧力センサ35の取り付け位置までの高さとを等しくしたが、必ずしも両者の高さを一致させる必要はない。両者の高さが一致しない場合、式(2)の高さhとして、両者の高さの平均値を採用するとよい。
次に、図3を参照して他の実施例によるインク吐出装置について説明する。以下、図1及び図2に示した実施例と共通の構成については説明を省略する。
図3は、本実施例によるインク吐出装置の概略図である。図1に示した実施例では、送液ポンプ21とインクジェットヘッド10との間の供給路20にバッファタンク22を配置し、インクジェットヘッド10と送液ポンプ31との間の回収路30にバッファタンク32を配置した。図2に示した実施例では、供給路20及び回収路30にバッファタンクが配置されていない。
バッファタンク22、32(図1)は、送液ポンプ21、31の動作に起因する脈動を平準化するためのものである。送液ポンプ21、31の動作に起因する脈動がインクの吐出に影響を及ぼさない程度のものである場合には、図2に示した実施例のようにバッファタンク22、32を配置しなくてもよい。また、供給路20及び回収路30の一方のみにバッファタンクを配置してもよい。
次に、図4を参照してさらに他の実施例によるインク吐出装置について説明する。以下、図1及び図2に示した実施例との共通の構成については説明を省略する。
図4は、本実施例によるインク吐出装置の概略図である。図1に示した実施例では、供給路20及び回収路30に、それぞれ送液ポンプ21、31が配置されていた。図4に示した実施例では、供給路20に送液ポンプが配置されておらず、回収路30のみに送液ポンプ31が配置されている。また、供給路20及び回収路30のいずれにもバッファタンクが配置されていない。
図4に示した実施例のように、供給路20に送液ポンプを配置せず、回収路30のみに送液ポンプ31を配置してもよい。逆に、回収路30に送液ポンプを配置せず、供給路20のみに送液ポンプ21を配置してもよい。このように、供給路20及び回収路30の一方のみに送液ポンプを配置することにより、装置の低コスト化を図ることができる。
送液ポンプの配置数を1台のみにすると、インクの循環制御の自由度が低下する。このため、インクジェットヘッド10の供給側と回収側との差圧Pd、及びインクジェットヘッド10の吐出面におけるメニスカス圧Pmの両方を同時に目標値に維持させることが困難になる。インクの循環制御の自由度を高めるために、供給路20及び回収路30のうち送液ポンプが配置されていない方の流路に、配管抵抗を調整するための流量調整バルブ等を挿入するとよい。
上述の各実施例は例示であり、異なる実施例で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもない。複数の実施例の同様の構成による同様の作用効果については実施例ごとには逐次言及しない。さらに、本発明は上述の実施例に制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
10 インクジェットヘッド
20 供給路
21 送液ポンプ
22 バッファタンク
25 供給側圧力センサ
30 回収路
31 送液ポンプ
32 バッファタンク
35 回収側圧力センサ
40 メインタンク
41 ヒータ
42 廃液管
43 開閉バルブ
45 リザーブタンク
50 制御装置
51 PLC部
52 吐出制御部
53 劣化判定部
60 出力装置
70 インク塗布対象物
71 XYステージ

Claims (7)

  1. インクを吐出するインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドにインクを流入させる供給路と、
    前記インクジェットヘッドからインクを流出させる回収路と、
    前記供給路及び前記回収路の一方に配置された第1の送液ポンプと、
    前記供給路内の圧力を計測する供給側圧力センサと、
    前記回収路内の圧力を計測する回収側圧力センサと、
    前記供給側圧力センサ及び前記回収側圧力センサによって、時間を置いて計測された計測値に基づいて、インクの劣化度に依存する物理量を求め、前記物理量が閾値を超えたことを検知すると、所定のインク劣化時処理を実行する制御装置と
    を有するインク吐出装置。
  2. さらに、前記供給路及び前記回収路のうち前記第1の送液ポンプが配置されていない方の流路に配置された第2の送液ポンプを有し、
    前記制御装置は、前記第1の送液ポンプ及び前記第2の送液ポンプを制御する請求項1に記載のインク吐出装置。
  3. さらに、前記インクジェットヘッドに流入させるインクを加温するヒータを有し、
    前記インク劣化時処理は、前記ヒータによるインクの加温能力を変化させる処理を含む請求項1または2に記載のインク吐出装置。
  4. 前記インク劣化時処理は、前記第1の送液ポンプの吐出量を変化させる処理を含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のインク吐出装置。
  5. 前記インク劣化時処理は、前記インクジェットヘッドのインク吐出能力を変化させる処理を含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインク吐出装置。
  6. さらに、オペレータに情報を報知する出力装置を有し、
    前記インク劣化時処理は、前記出力装置からインクが劣化したことをオペレータに報知する情報を出力させる処理を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載のインク吐出装置。
  7. インクを吐出するインクジェットヘッドにインクを流入させる供給路内の圧力、及び前記インクジェットヘッドからインクを流出させる回収路内の圧力を、時間を置いて計測し、
    前記供給路内の圧力及び前記回収路内の圧力の計測値に基づいて、インクの劣化度に依存する物理量を求めるインク劣化度検知方法。
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