JP2018126980A - 液体吐出装置、液体吐出ヘッド、弁装置、液体吐出装置の制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出ヘッド、弁装置、液体吐出装置の制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018126980A
JP2018126980A JP2017023366A JP2017023366A JP2018126980A JP 2018126980 A JP2018126980 A JP 2018126980A JP 2017023366 A JP2017023366 A JP 2017023366A JP 2017023366 A JP2017023366 A JP 2017023366A JP 2018126980 A JP2018126980 A JP 2018126980A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
valve body
valve
closing
flow path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017023366A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018126980A5 (ja
JP6903929B2 (ja
Inventor
石田 幸政
Yukimasa Ishida
幸政 石田
宏紀 松岡
Hiroki Matsuoka
宏紀 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2017023366A priority Critical patent/JP6903929B2/ja
Publication of JP2018126980A publication Critical patent/JP2018126980A/ja
Publication of JP2018126980A5 publication Critical patent/JP2018126980A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6903929B2 publication Critical patent/JP6903929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【課題】弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制することができる液体吐出装置を提供する。
【解決手段】液体を吐出する液体吐出ヘッド26と、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、液体の排出動作に応じて流路を開閉する弁体を備える弁装置70と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間に基づいて、弁体の開閉回数を算出する処理を行う制御装置20と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、インク等の液体を吐出する技術に関する。
液体吐出ヘッドに連通する液体の流路には、弁装置(例えば自己封止弁)が設けられる。弁装置は、制御装置からの印刷ジョブやクリーニングの命令による動作に応じて、流路を開閉する弁体を備える。このような弁体には、液体の成分に起因する堆積物が付着する場合があり、堆積物は弁体の開閉が繰り返されることで成長する。堆積物が成長して大きくなると、弁体の閉塞不良が発生する虞がある。このため、例えば特許文献1では、弁体の開閉回数(弁座に対する弁体の接触回数)に応じて流体の流速が速くなるように、流速を切り替えることによって、堆積物の成長による不具合が発生する前に、堆積物を除去できるようにしている。弁体の開閉回数については、センサーで弁体の動きを検出して直接的に測定する場合や、印刷ジョブやクリーニングなどの回数から間接的に推定する場合が例示されている。
特開2016−168818号公報
しかしながら、特許文献1のように、センサーで弁体の開閉回数を直接的に測定する場合には、センサーや電気配線など部品点数が増えてしまい、弁装置の大型化を招く虞がある。また、使用環境によっては、液体の粘度や温度の変化に応じて弁体が開状態から閉状態に遷移するまでの遷移時間が変わるので、弁体が閉じないで開いてしまう場合や弁体が早く閉じてしまう場合がある。このため、特許文献1のように、印刷ジョブやクリーニングなどの回数から弁体の開閉回数を間接的に推定しても、使用環境によっては、推定精度が低下してしまう場合がある。弁体の開閉回数の推定精度が低下すれば、堆積物を除去するタイミングがずれてしまい、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できない虞がある。また、無駄なインクの消費を招いたり、不必要に弁体の交換を強いたりする虞がある。以上の事情を考慮して、本発明は、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、液体の排出動作に応じて流路を開閉する弁体を備える弁装置と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間に基づいて、弁体の開閉回数を算出する処理を行う制御装置と、を備える。以上の態様によれば、液体の排出動作(印刷ジョブやクリーニングなど)に応じて前記流路を開閉する弁体を備えるから、液体の排出動作が開始されると、弁体が開いて弁装置から流路へ液体が排出される。上記排出動作が終了すると、弁体が閉じて弁装置から流路へ液体が排出されなくなる。このような装置では、使用環境(例えば液体の粘度や温度)によっては、弁体が開状態から閉状態に遷移するまでの遷移時間が変わるため、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間によっては、弁体が閉じないで開いてしまう場合や弁体が早く閉じてしまう場合がある。本態様によれば、上記非排出時間に基づいて弁体の開閉回数を算出するから、非排出時間の長さによって弁体の開閉回数をカウントするか否かを判定した上で、その判定結果に基づいて弁体の開閉回数を算出するということができる。これにより、使用環境によって、実際には弁体が閉じないで開いてしまう可能性が高い場合には弁体の開閉回数をカウントせず、弁体が早く閉じてしまう可能性が高い場合には弁体の開閉回数をカウントするということも可能となる。したがって、本態様では、単に印刷ジョブやクリーニングなどの回数などによって弁体の開閉回数を間接的に算出する場合に比較して、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。このように、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることによって、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、制御装置は、液体の粘度または液体の温度と、非排出時間とに基づいて、弁体の開閉回数を算出する。以上の態様によれば、液体の粘度または液体の温度と、非排出時間とに基づいて、弁体の開閉回数を算出するから、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。液体の粘度または液体の温度によって弁体が開状態から閉状態に遷移するまでの遷移時間が変わるため、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間によっては、液体の粘度または液体の温度が変わると、弁体が閉じないで開いてしまう場合や弁体が早く閉じてしまう場合がある。本態様によれば、例えば液体の粘度または液体の温度に応じて、弁体の開閉回数をカウントするか否かを判定するための非排出時間の閾値を変えるということができるので、弁体の開閉回数の推定精度を高めることができる。
[態様3]
本発明の好適な態様(態様3)に係る液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、流路を開閉する弁体を備える弁装置と、液体の粘度または液体の温度に基づいて、弁体の開閉回数を算出する処理を行う制御装置と、を備える。以上の態様によれば、液体の粘度または液体の温度に基づいて弁体の開閉回数を算出する処理を行うから、液体の粘度または液体の温度によって弁体の遷移時間が変わった場合でも、それに応じて弁体の開閉回数を算出することができる。この構成によれば、液体の粘度または液体の温度によって、弁体が閉じないで開いてしまう場合には弁体の開閉回数をカウントせず、弁体が早く閉じてしまう場合には弁体の開閉回数をカウントするということが可能となる。したがって、本態様によれば、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。
[態様4]
本発明の好適な態様(態様4)に係る液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、液体の排出動作に応じて流路を開閉する弁体を備える弁装置と、液体の粘度または液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とに基づいて、弁体の交換を促す処理と液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行う制御装置と、を備える。以上の態様によれば、弁体の交換を促す処理と液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行うから、弁体に付着する堆積物による閉塞不良を回避または解消できる。使用環境によって液体の粘度または液体の温度が変わるので、それによって弁体の遷移時間が変わることで、弁体の開閉回数が変わり、弁体に付着する堆積物を除去すべきタイミングも変わってしまう。本態様では、液体の粘度または液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とに基づいて、弁体のクリーニングなどの処理を行うことによって、液体の粘度または液体の温度が変わっても、それに応じて弁体のクリーニングなどの処理を行うタイミングを変えることができる。したがって、本態様によれば、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様5]
態様2から態様4の何れかの好適例(態様5)において、液体の温度を検出するための温度センサーを備え、制御装置は、温度センサーによる検出結果に応じて処理を行う。以上の態様によれば、制御装置は、温度センサーによる検出結果に応じて、上述した処理(弁体の開閉回数の算出する処理や弁体をクリーニングする処理など)を行うから、液体の温度によって弁体の遷移時間が変わった場合でも、それに応じて弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。本態様において、温度センサーによって直接的に液体の温度を測定してもよく、また温度センサーによって測定した雰囲気温度から間接的に液体の温度を測定してもよい。
[態様6]
態様1から態様5の何れかの好適例(態様6)において、液体は、複数種類あり、制御装置は、液体の種類ごとに処理を行う。以上の態様によれば、制御装置は、液体の種類ごとに、上述した処理(弁体の開閉回数の算出する処理や弁体をクリーニングする処理など)を行うから、液体の種類によって弁体への堆積物の堆積量や堆積速度が異なる場合でも、それに応じて上記処理を行うタイミングを変えることができる。したがって、本態様によれば、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様7]
態様1から態様3の何れかの好適例(態様7)において、制御装置は、液体が特定の種類の場合には、弁体の開閉回数を算出しない。以上の態様によれば、制御装置は、液体が特定の種類の場合には、弁体の開閉回数を算出しないから、例えば弁体に堆積物が付着するような成分が含まれない液体(洗浄液など)では、弁体の開閉回数がカウントされないようにすることができる。このような構成によれば、弁体の開閉回数が過多に算出されることを抑制できるので、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様8]
態様6または態様7の好適例(態様8)において、制御装置は、液体の製造時からの経過時間に応じて処理を行う。以上の態様によれば、制御装置は、液体の製造時からの経過時間に応じて、上述した処理(弁体の開閉回数の算出する処理や弁体をクリーニングする処理など)を行うから、液体の製造時からの経過時間が長いほど堆積物が付着し易くなる場合でも、それに応じて前記処理を行うタイミングを変えることができる。したがって、本態様によれば、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様9]
態様1から態様3の何れか好適例(態様9)において、制御装置は、弁体の交換または弁体のクリーニングにより弁体の開閉回数をリセットして、算出し直す。以上の態様によれば、弁体の交換または弁体のクリーニングから新たに弁体の開閉回数の算出を開始できる。したがって、本態様によれば、弁体の交換または弁体のクリーニングがされても、その後における弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様10]
態様1から態様3の何れかの好適例(態様10)において、弁体の開閉回数を弁体と関連付けて記憶する記憶装置を備える。以上の態様によれば、弁体が取り外されても、その弁体の開閉回数を弁体に関連付けて管理できる。このため、例えばメンテナンスなどによって、弁体が一時的に取り外されて、再び取り付けられた場合でも、開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体の開閉回数の推定精度を維持できるので、取り付け後においても弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様11]
本発明の好適な態様(態様11)は、液体吐出装置の弁装置であって、液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、弁座に対する接離動作によって流路を開閉する弁体と、弁体の開閉回数を弁装置に関連づけて記憶する記憶部と、を備える。以上の態様によれば、弁体の開閉回数を弁装置に関連づけて記憶することで、弁装置ごとに独立して管理することができる。このため、例えば弁装置が取り付けられていた流路に取り付け直す場合だけでなく、別の流路に取り付ける場合や別の液体吐出装置の流路に取り付ける場合であっても、弁体の開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁装置の取り付け後における弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様12]
態様11の好適例(態様12)において、記憶部に記憶される弁体の開閉回数の情報を、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備える。以上の態様によれば、記憶部に記憶される弁体の開閉回数の情報を、液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備えるから、液体吐出装置においては、弁装置の通信部からその弁体の開閉回数の情報を取得できる。したがって、本態様によれば、液体吐出装置側で弁体の開閉回数の情報を記憶しなくて済むので、弁装置と通信可能な液体吐出装置であればどのような液体吐出装置に弁装置を取り付けても、弁体の開閉回数の推定精度を維持できる。これにより、弁装置の取り付け後における弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様13]
態様12の好適例(態様13)において、液体吐出装置の外部に露出し、通信部に接続される電極を備え、電極は、所定の電位を有し、弁体または弁座に接続される。以上の態様によれば、液体吐出装置の外部に露出し、通信部に接続される電極を備えるから、通信部は電極を介して外部と通信することができる。また、本態様の電極は、所定の電位を有し、弁体または弁座に接続されるから、電極の所定の電位を変えることによって、弁体または弁座の電位を変えることができる。したがって、弁体または弁座に付着する液体の成分が、弁体または弁座が帯電により付着することを抑制できる。例えば、液体の成分のゼータ電位や弁体または弁座の帯電状態によっては、液体の成分が付着するのを防止するために、電極の所定の電位を最適値(例えば、−0.5Vなど)に変更してもよい。
[態様14]
態様13の好適例(態様14)において、電極の所定の電位は、接地電位である。以上の態様によれば、電極の所定の電位は、接地電位であるから、弁体または弁座も接地電位となる。したがって、弁体または弁座の帯電を防ぐことができるので、弁体または弁座が帯電により液体の成分が付着し易くなるのを効果的に抑制できる。
[態様15]
態様11から態様14の何れかの好適例(態様15)において、記憶部に記憶される弁体の開閉回数は、液体の粘度と、液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて算出されたものである。以上の態様によれば、液体の粘度と、液体の温度と、非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて、弁体の開閉回数を算出することによって、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。したがって、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様16]
本発明の好適な態様(態様16)は、弁装置に連通する流路内に流通する液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、弁装置に設けられて流路を開閉する弁体の開閉回数を弁装置に関連づけて記憶する記憶部と、液体供給源から弁装置を介して供給される液体を吐出するノズルと、を備える。以上の態様によれば、液体吐出ヘッドに備える記憶部に、弁体の開閉回数を弁装置に関連づけて記憶することで、弁装置を液体吐出ヘッド側で管理することができる。このため、例えば弁装置が取り付けられていた流路に取り付け直す場合だけでなく、液体吐出ヘッドの別の流路に取り付ける場合であっても、弁体の開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁装置の取り付け後における弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様17]
態様16の好適例(態様17)において、記憶部に記憶される弁体の開閉回数は、液体の粘度と、液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて算出されたものである。以上の態様によれば、液体の粘度と、液体の温度と、非排出時間とのうちに少なくとも1つに基づいて、弁体の開閉回数を算出することによって、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。したがって、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様18]
本発明の好適な態様(態様18)は、液体吐出装置の制御方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、液体の排出動作に応じて流路を開閉する弁体を備える弁装置と、を備え、液体の粘度と、液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて、弁体の開閉回数を算出するか否かを判定する第1ステップと、第1ステップによる判定結果に基づいて、弁体の開閉回数を算出する第2ステップと、を備える。以上の態様によれば、第1ステップにおいて、液体の粘度などに基づいて弁体の開閉回数を算出するか否かを判定した上で、第2ステップにおいて、その判定結果に基づいて弁体の開閉回数を算出するから、弁体の開閉回数の推定精度を向上させることができる。したがって、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
[態様19]
本発明の好適な態様(態様19)は、液体吐出装置の制御方法であって、液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、液体の排出動作に応じて流路を開閉する弁体を備える弁装置と、を備え、液体の粘度または液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とに基づいて、弁体の交換を促す処理と液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行う。以上の態様によれば、弁体の交換を促す処理と液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行うから、弁体に付着する堆積物による閉塞不良を回避または解消できる。使用環境によって液体の粘度または液体の温度が変わるので、それによって弁体の遷移時間が変わることで、弁体の開閉回数が変わり、弁体に付着する堆積物を除去すべきタイミングも変わってしまう。本態様では、液体の粘度または液体の温度と、弁装置から流路へ液体が排出されない非排出時間とに基づいて上記処理を行うことで、液体の粘度または液体の温度が変わっても、それに応じて上記処理を行うタイミングを変えることができる。したがって、本態様によれば、弁体の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置の構成図である。 弁装置の構成を示す断面図である。 弁装置から排出されるインクの流速の時間変化を示す図である。 インクの粘度とインクの温度との関係を示す図である。 弁体の遷移時間とインクの非排出時間との関係を説明するための図である。 第1実施形態における第1閾値のデータテーブルの構成を示す図である。 制御装置によって行われる液体吐出装置の制御を示すフローチャートである。 第2実施形態における第1閾値のデータテーブルの構成を示す図である。 第3実施形態における第2閾値のデータテーブルの構成を示す図である。 第3実施形態における第2閾値のデータテーブルの変形例を示す図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。本実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体12に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、制御装置20と記憶装置21と搬送機構22とキャリッジ24と液体吐出ヘッド26とメンテナンスユニット30を備える。図1では、1個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載した場合を例示しているが、これに限られず、複数個の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載してもよい。液体吐出装置10にはインクを貯留する液体容器(カートリッジ)14が装着される。
液体容器14は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体容器14は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体容器14には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体容器14に貯留されるインクは、ポンプ(図示略)によって液体吐出ヘッド26に供給(圧送)される。したがって、液体容器14は、液体吐出ヘッド26に液体を供給する液体供給源として機能する。
制御装置20は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等を備える。記憶装置21は、半導体メモリ等により構成され、制御装置20に接続される。制御装置20と記憶装置21は、液体吐出装置10の制御回路基板に実装される。制御装置20は、記憶装置21に記憶されたプログラムを制御装置20が実行することで液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。媒体12に形成すべき画像を表す印刷データがホストコンピューター等の外部装置(図示略)から制御装置20に供給される。制御装置20は、印刷データで指定された画像が媒体12に形成されるように液体吐出装置10の各要素を制御する。
搬送機構22は、制御装置20による制御のもとで媒体12をY方向に搬送する。液体吐出ヘッド26は、制御装置20による制御のもとで複数のノズルNの各々からインクを媒体12に吐出する。液体吐出ヘッド26には、ノズル列が配置されている。ノズル列は、Y方向に沿って直線状に配列された複数のノズルNの集合である。複数のノズルNは、液体吐出ヘッド26のうち媒体12に対向する吐出面260に形成される。なお、ノズル列の数は、図示したものに限られない。液体吐出ヘッド26は、相異なるノズルNに対応する圧力室および圧電素子の複数組(図示略)を備える。駆動信号の供給により圧電素子を振動させて圧力室内の圧力を変動させることで、圧力室内に充填されたインクが各ノズルNから吐出される。
液体吐出ヘッド26はキャリッジ24に搭載される。制御装置20は、Y方向に交差するX方向にキャリッジ24を往復させる。搬送機構22による媒体12の搬送とキャリッジ24の反復的な往復とに並行して液体吐出ヘッド26が媒体12にインクを吐出することで媒体12の表面に所望の画像が形成される。例えば相異なる種類のインクを吐出する複数の液体吐出ヘッド26をキャリッジ24に搭載することも可能である。なお、X−Y平面(媒体12の表面に平行な平面)に垂直な方向(鉛直方向)をZ方向と表記する。
メンテナンスユニット30は、例えばX方向においてキャリッジ24のホームポジション(待機位置)となる非印字領域Hに配置される。メンテナンスユニット30は、キャリッジ24が非印字領域Hにあるときに、液体吐出ヘッド26のメンテナンス処理を行う。メンテナンスユニット30は、制御装置20によって制御されるキャッピング機構32とノズルNから排出する流体(洗浄液、インクなど)を収容する廃液タンク34とを備える。廃液タンク34内には、例えばインクや洗浄液を保持する吸収材が設けられている。
キャッピング機構32は、液体吐出ヘッド26の吐出面260をキャッピングする際に用いられる。キャッピング機構32は、吐出面260のノズルNを封止するキャップ322を備える。キャップ322は、Z方向の負側が開口した箱状に形成される。キャップ322の開口縁部が吐出面260に接触することで、吐出面260のノズルNが封止される。キャップ322は、モーター(図示略)によって、吐出面260に接触するZ方向の負側または吐出面260から離間するZ方向の正側に移動可能である。制御装置20は、キャップ322で吐出面260に接触してノズルNを封止する。このとき、キャップ322に連通するポンプ(図示略)でノズルNから増粘インクや気泡を吸引することで、これらをキャップ322に排出させることができる。キャップ322に排出されたインクは、キャップ322に連通する流路(廃液流路)を介して廃液タンク34に廃棄される。
液体吐出ヘッド26のメンテナンス処理としては、液体吐出ヘッド26のクリーニング処理やフラッシング処理が挙げられる。クリーニング処理は、キャップ322に連通するポンプ(図示略)でノズルNからインクを強制的に排出させるメンテナンス処理である。フラッシング処理は、圧電素子に吐出波形の印加することによって、ノズルNからインクを吐出させるメンテナンス処理である。クリーニング処理やフラッシング処理などのメンテナンス処理を行って、ノズルNから増粘インクや気泡を排出することで、ノズルNの目詰まりや吐出不良を抑制できる。
液体吐出ヘッド26に連通する流路には、弁装置70が設けられている。本実施形態の弁装置70は、液体容器14と液体吐出ヘッド26とを連通する流路の途中に配置される。なお、本実施形態の弁装置70は、液体吐出ヘッド26とは別の構成要素として構成する場合を例示したが、これに限られず、液体吐出ヘッド26の構成要素として、液体吐出ヘッド26と共にキャリッジ24に搭載されていてもよい。弁装置70は、液体容器14から供給されるインクを液体吐出ヘッド26に供給する流路が内部に形成された構造体である。弁装置70は、後述する弁体(切替部材)82によって流路を開閉(開放/閉塞)することでインクの圧力を調整する。
図2は、本実施形態に係る弁装置70の構成を示す断面図である。弁装置70は、弁体82と弁座84とバネS1とバネS2とを備える。概略的には弁座84に対して弁体82がW方向の正側および負側に移動して接離動作することで、第1流路R1が開閉する。具体的には、弁体82がW方向の正側に移動して弁座84に接触することで、第1流路R1と第2流路R2とが遮断されて、第1流路R1が閉状態となる。これに対して、弁体82がW方向の負側に移動して弁座84から離間することで、第1流路R1と第2流路R2とが連通されて、第1流路R1が開状態となる。
弁座84は、支持体72のうち第1流路R1と第2流路R2との間に位置する部分(凹部722または凹部724の底部)であり、封止体76の可動部762に間隔をあけて対向する。弁座84の略中央には支持体72を貫通する貫通孔Kが形成される。この貫通孔Kは、内周面がW方向に平行な正円孔である。弁座84の上流側に位置する第1流路R1と弁座84の下流側に位置する第2流路R2とは弁座84の貫通孔Kを介して相互に連通する。
弁体82は第1流路R1内に設置される。この弁体82は、基部822と封止部824と弁軸826とからなる。基部822は、貫通孔Kの内径を上回る外径の円形状に成形された平板状の部分である。基部822の表面から弁軸826が同軸で垂直に突起し、平面視で弁軸826を囲む円環状の封止部824が基部822の表面に設置される。軸線GをW方向に向けた弁軸826が弁座84の貫通孔Kに挿入された状態で基部822と封止部824とが第1流路R1内に位置するように弁体82は設置される。弁座84の貫通孔Kの内周面と弁軸826の外周面との間には隙間が形成される。バネS1は、封止体74と弁体82の基部822との間に設置されて弁体82を弁座84側に付勢する。他方、バネS2は弁座84と受圧板78(可動部762)との間に設置される。
弁体82の封止部824は、基部822と弁座84との間に位置し、弁座84に接触することで貫通孔Kを閉塞するシールとして機能する。具体的には、封止部824は、弁座84のうち第1流路R1側の表面(以下「封止面」という)Sに接触する。
このような構成の弁装置70によれば、第2流路R2内の圧力が所定の範囲内に維持された状態では、弁体82をバネS1が付勢することで封止部824の周縁部が弁座84の封止面Sに接触するから、図2の一点鎖線で示すように弁座84の貫通孔Kを弁体82が閉塞する状態(以下「閉状態」という)に維持される。すなわち、第1流路R1と第2流路R2とは遮断される。これに対して、例えばインクの吐出や外部からの吸引に起因して第2流路R2内の圧力が低下すると、図2の実線で示すように、封止体76の可動部762が弁座84側に変位し、可動部762に設置された受圧板78がバネS2による付勢に対抗して弁体82の弁軸826を押圧する。すなわち、可動部762は、第2流路R2内の圧力(負圧)に応じて変位するダイヤフラムとして機能する。第2流路R2内の圧力が更に低下すると、弁軸826が可動部762(受圧板78)により押圧され、弁体82がバネS1の付勢に対抗してW方向の負側(封止体74側)に移動することで、図2の実線で示すように、封止部824が弁座84から離間した状態(以下「開状態」という)に遷移する。開状態では弁座84の貫通孔Kが開放され、第1流路R1と第2流路R2とが貫通孔Kを介して相互に連通する。
このような弁装置70によれば、非印刷状態、すなわちインクを消費しない状態においては、弁装置70よりも上流側にある液体容器14側の流路からインクが圧送されても、弁装置70が閉状態となる。これにより、液体容器14側の流路からのインクは弁装置70よりも下流側にある液体吐出ヘッド26には供給されない。
これに対して、印刷状態のときにノズルNからインクが吐出され、インクが消費されると、第2流路R2のインクの減少に伴って圧力が減少して第2流路R2が負圧になる。これにより可動部762が弁体82を押し下げるW方向の負側に変位するので弁体82が開状態となり、第1流路R1から第2流路R2へインクが供給される。こうして液体容器14側の流路からのインクが液体吐出ヘッド26に供給される。そして、弁装置70の第2流路R2内へのインクの流入により第2流路R2の負圧は解消されると、図2の一点鎖線で示すように可動部762がW方向の正側に変位し、弁体82が元に戻って弁体82は再び閉状態となり、液体吐出ヘッド26へのインクの供給が停止される。
ところで、このような構成の弁装置70では、弁座84に対して弁体82が繰り返し接触することにより、弁体82と弁座84とが当接した際に形成される微少空間に、インクに含まれる成分が溜まり、圧縮脱水されることにより凝集する。凝集したインクは、弁体82や弁座84に付着して堆積することで堆積物が発生するという問題がある。さらにインク成分からなる堆積物のSP値(相溶性パラメーター)が弁座構成材料のSP値に近い値であって、弁座構成材料との相溶性が高い場合、堆積物は弁座84から剥がれ難いため、弁座84上にそのまま固着して成長過程に入る。堆積物が成長して堆積量が多くなると、弁体82と弁座84との接触面に隙間が生じ、弁体82の閉塞不良が発生する虞がある。特に液体吐出装置10において弁体82の閉塞不良が発生すると、弁体82からインクがリークすることによって、ノズルNからインク垂れが生じる虞がある。
インクの成分による堆積物の成長量は、圧縮脱水による固形分の凝集析出の発生機会である弁座84に対する弁体82の接離回数、すなわち弁体82の開閉回数と強い正の相関がある。このため、弁体82の開閉回数を測定することで、弁体82がリークする堆積物の成長量に到達する前に、弁体82のクリーニング処理などを行って堆積物を除去すれば、弁体82の閉塞不良の発生を抑制できる。
しかしながら、弁体82の開閉回数の測定精度によっては、弁体82のクリーニング処理のタイミングがずれてしまい、弁体82の閉塞不良の発生してしまう虞がある。これに対しては、例えば弁体82の開閉回数を、センサーで弁体82の動きを検出して直接的に測定すれば、弁体82の開閉回数の測定精度を高めることができる。ところが、センサーで弁体82の開閉回数を直接的に測定する場合には、センサーや電気配線など部品点数が増えてしまい、弁装置70の大型化を招く虞があるため、好ましくない。
また、弁体82の開閉回数を、印刷ジョブやクリーニングなどの回数から間接的に推定することも考えられる。ここでの印刷ジョブとは、例えば複数枚綴りの媒体12を連続印刷する場合の一連の印刷命令である。例えば10枚綴りの文書を1回で印刷する場合には、媒体12の印刷枚数は10枚であるが、印刷ジョブ数は1回ということになる。
ところが、使用環境によっては、インクの粘度や温度が変わるからそれに応じて弁体82の動きも変わるので、弁体82が閉じないで開いてしまう場合や弁体82が早く閉じてしまう場合がある。このため、使用環境によっては、単に印刷ジョブなどの回数から弁体82の開閉回数を間接的に推定しても、実際の弁体82の開閉回数が印刷ジョブなどの回数に合わなくなり、推定精度が低下してしまう。
以下、このように弁体82の開閉回数の推定精度が低下する要因について、より詳細に説明する。図3は、弁体82が開状態から閉状態に遷移するときのインクの流速の時間変化を示す図である。図4は、インクの粘度とインクの温度との関係を示す図である。弁体70からのインクの排出動作が停止すると、第1流路R1から第2流路R2へインクの充填動作を経て、弁体82が閉じる。図3は、この時の様子を示しており、横軸は弁装置70からのインクの排出動作が停止してからの経過時間[sec]、縦軸は第1流路R1から第2流路R2に流れるインク流速[cm/sec]である。
図3のように、インクの流速は経過時間にしたがって徐々に減衰するカーブを描く。すなわち、弁装置70からのインク排出動作が停止しても、弁体82は速やかに閉じない。このような過渡現象は、以下のような理由で発生すると解釈できる。弁装置70からのインク排出動作が停止してから弁体82が開状態から閉状態に遷移する場合には、第2流路R2の容積を変化させる可動部762がもつコンプライアンス(音響容量に相当)Cへのインクの充填動作が、第1流路R1から第2流路R2にかけての流路抵抗Rを経由して行われる。
このことは、経過時間に対するインク流速変化が、RC直列電気回路を等価回路とした電流値変化として扱うことができ、上述のRとCの積で決まる時定数を持つことを意味している。したがって、図3は、経過時間に対するインク流速変化を、RC直列電気回路を等価回路とした電流値変化として算出してグラフにしたものである。この場合、コンプライアンスCは環境によってほとんど変化しないが、流路抵抗Rはインクの粘度に大きく依存するため、インクの粘度に応じてRC時定数が変わる。すなわち、インクの粘度によって、弁体82が開状態から閉状態に遷移する時間が変わるということである。
図3には、インクの粘度が異なる3つのグラフy1、y2、y3を示す。グラフy1のインクの粘度を基準とすれば、グラフy2のインクの粘度はグラフy1よりも小さい0.5倍であり、グラフy3のインクの粘度はグラフy1よりも大きい1.5倍である。コンプライアンスと流路抵抗の積で決まる時定数は、グラフy1では5.4secであるのに対して、グラフy2ではグラフy1よりも小さい2.7secであり、グラフy3ではグラフy1よりも大きい8.1secである。このため、弁体82が開状態から閉状態へ遷移する遷移時間は、グラフy1では27.0secであるのに対して、グラフy2ではグラフy1よりも短い13.5secとなり、グラフy3ではグラフy1よりも長い40.5secとなる。すなわち、図3によれば、弁体82が開状態から閉状態へ遷移する遷移時間は、インクの粘度が小さいほど短くなり、インクの粘度が大きいほど長くなることが分かる。
図4には、インクの種類が異なる3つのグラフyA、yB、yCを示す。yAはインクAのグラフであり、yBはインクBのグラフであり、yCはインクCのグラフである。図4のグラフyA、yB、yCによれば、インクの温度が低いほど、インクの粘度が高くなり、インクの温度が高いほど、インクの粘度が低くなることが分かる。またインクAの粘度は、インクBの粘度よりも低く、インクCの粘度はインクBの粘度よりも高い。このように、インクの粘度はインクの種類(例えばインクの色)によって異なる。
図3及び図4によれば、インクの温度によってインクの粘度が変わり、それによって弁体82が開状態から閉状態へ遷移する遷移時間も変わることが分かる。すなわち、インクの温度が低いほどインクの粘度が大きくなり、インクの粘度が大きくなるほど流路抵抗が大きくなるため、弁体82も動き難くなって弁体82の遷移時間が長くなる。他方、インクの温度が高いほどインクの粘度が小さくなり、インクの粘度が小さなるほど流路抵抗が小さくなるため、弁体82も動き易くなって弁体82の遷移時間が短くなる。なお、弁装置70からのインクの排出が開始されて弁体82が閉状態から開状態に遷移する場合は、受圧板78(可動部762)が強制的に弁体82の弁軸826を押して弁体82が開き始めるので、瞬時に遷移する。
このように、図2に示す弁装置70では、弁体82が開状態から閉状態に遷移する場合は、インクの粘度やインクの温度によって遷移時間が異なる。したがって、例えば印刷ジョブが終了してから、次の印刷ジョブが開始されるまでの時間、すなわち弁装置70から流路へインクが排出されない非排出時間と弁体82の遷移時間との関係によっては、弁体82が閉じないで開いてしまう場合や弁体82が早く閉じてしまう場合がある。
図5は、弁体82の遷移時間とインクの非排出時間との関係を説明するための図である。図5において、インクの非排出時間Vは、弁装置70からのインクの排出時間であり、例えば印刷ジョブの終了から次の印刷ジョブの開始までの時間である。弁体82の遷移時間T、T’は、弁体82が閉状態から開状態に遷移する遷移時間(開状態→閉状態)である。
図5に示すように、印刷ジョブが終了すると、弁体82が閉じ始め、遷移時間の経過により閉状態となり、次の印刷ジョブが開始されると、弁体82が開き始める。例えば弁体82の遷移時間がTであるとすると、遷移時間Tがインクの非排出時間Vがよりも短い場合には、弁体82が閉状態になってから次の印刷ジョブが開始される。この場合には、弁体82は開閉しているので、印刷ジョブの回数が弁体82の開閉回数と合っている。
ところが、弁体82の遷移時間Tの場合よりもインクの温度が低い環境では、弁体82の遷移時間遷移時間は、Tよりも長いT’になるので、図5のように弁体82の遷移時間T’がインクの非排出時間Vよりも長い場合には、弁体82が閉状態になる前に次の印刷ジョブが開始されることになる。この場合は、弁体82は閉じないで開いてしまうから、実際には弁体82は開閉しておらず、開状態のままである。このような場合には、弁体82の開閉回数が印刷ジョブの回数と合わなくなり、弁体82の開閉回数の推定精度が低下してしまう。弁体82の開閉回数の推定精度が低下すれば、堆積物を除去するタイミングがずれてしまい、弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できない虞がある。また、開閉回数を余計にカウントすると、無駄なインクの消費を招いたり、不必要に弁体82の交換を強いたりする虞がある。
そこで、弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制するため、本実施形態の制御装置20は、弁装置70から流路へインクが排出されない非排出時間Vに基づいて、弁体82の開閉回数を算出する処理を行う。具体的には図1に示す制御装置20が所定のプログラムを実行することで、制御装置20が判定部202と処理部204として機能する。判定部202は、非排出時間Vが第1閾値Pを超えるか否かによって、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定する。処理部204は、判定部202による判定結果に基づいて、弁体82の開閉回数を算出する処理を行う。また、判定部202は、弁体82の開閉回数の積算値が第2閾値Qを超えるか否かを判定する。処理部204は、判定部202による判定結果に基づいて、弁体82のクリーニングなど所定の処理を実行する。
図5に示すように、例えば弁体82の遷移時間Tを第1閾値Pとすれば、非排出時間Vが第1閾値Pを超える場合には、次の印刷ジョブが開始される前に弁体82が閉じる可能性が高いので、判定部202は弁体82の開閉回数をカウントすると判定する。これに対して、非排出時間Vが第1閾値Pを超えない場合には、次の印刷ジョブが開始される前に弁体82が閉じないで開いてしまう可能性が高いので、判定部202は弁体82の開閉回数をカウントしないと判定する。したがって、図5の非排出時間Vは、第1閾値Pを超えないから、弁体82の開閉回数がカウントされない。
このように、本実施形態では、判定部202によって非排出時間Vが第1閾値Pを超えるか否かによって、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定した上で、処理部204が、判定部202の判定結果に基づいて弁体82の開閉回数をカウントする。この構成によれば、弁体82の開閉回数の推定精度を向上させることができる。しかも、弁体82の遷移時間Tは、インクの温度やインクの粘度などの使用環境によって変わるため、第1閾値Pもインクの温度やインクの粘度に応じて変えることによって、使用環境が変わっても弁体82の開閉回数の推定精度を向上させることができる。
具体的には、図6に示すようなインクの温度Dと第1閾値Pとを関連付けたデータテーブル212が、記憶装置21に記憶されている。インクの温度Dは、所定の温度範囲(D1<D≦D2、D2<D≦D3、…Dn<D≦Dn+1)ごとに、第1閾値P1、P2、…Pnが対応するように関連づけられている。また、弁装置70よりも上流側の流路には、インクの温度を検出する温度センサー15が設けられている。ただし、温度センサー15の配置位置は、例示した場合に限られない。例えば弁装置70よりも下流側の流路に温度センサー15を配置してもよく、また弁装置70内に温度センサー15を配置してもよい。なお、本実施形態では、温度センサー15によって直接的にインクの温度を測定する場合を例示したが、これに限られない。例えば温度センサー15によって測定した雰囲気温度から間接的にインクの温度を測定してもよい。
判定部202は、温度センサー15によって検出されたインクの温度が入る温度範囲に対応する第1閾値Pを、データテーブル212から取得する。判定部202は、データテーブル212から取得した第1閾値Pを、非排出時間Vが超えるか否かによって、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定する。
例えば図5において、インクの温度が変化して弁体82の遷移時間がT’に変わった場合、判定部202は、図6に示すデータテーブル212において、変化後のインクの温度が入る温度範囲に対応する第1閾値Pを取得する。例えば、判定部202が取得した第1閾値PがP2であるとすれば、そのP2に基づいて、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定する。図5の非排出時間Vは、第1閾値P2を超えるから、判定部202は、弁体82の開閉回数をカウントすると判定する。処理部204は、この判定部202の判定結果に基づいて、弁体82の開閉回数をカウントする。なお、弁体82の遷移時間Tは、インクの粘度によっても変わるため、第1閾値Pもインクの粘度に応じて変えるようにしてもよい。
なお、インクの粘度は、インクの製造時からの経過時間tによっても変化する可能性がある。例えば経過時間tが長くなるほど、インクが増粘することがあり、それによって遷移時間Tが変動する可能性がある。そこで、データテーブル212から取得した第1閾値Pに、上記のような遷移時間Tの変動を踏まえたマージンを補正値として加えるようにしてもよい。また、第1実施形態では、第1閾値Pを取得するのに、データテーブル212を用いる場合を例示したが、データテーブル212を用いる代わりに、インクの温度、インクの粘度、インクの種類、後述するインクの製造時からの経過時間のいずれかと、第1閾値Pとの関係を示す関数等を用いるようにしてもよい。
以上のとおり、本実施形態によれば、使用環境によってインクの粘度やインクの温度が異なっていても、それに応じて弁体82の開閉回数を算出できる。したがって、単に印刷ジョブやクリーニングなどの回数によって弁体82の開閉回数を間接的に算出する場合に比較して、弁体82の開閉回数の推定精度を大幅に向上させることができる。また弁体82の開閉回数の推定精度を向上させることによって、弁体82に付着した堆積物を除去するなどの処理を適切なタイミングで行うことができるので、弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。無駄なインクの消費を招いたり、不必要に弁体82の交換を強いたりすることを抑制できる。
なお、弁装置70から流路へインクが排出されない非排出時間Vは、弁装置70から流路へインクが排出されなくなってから、再び弁装置70から流路へインクが排出されるまでの時間である。したがって、このようなインクの非排出時間Vは、印刷ジョブの終了から印刷ジョブの開始までの時間として取得してもよく、弁装置70から流路へインクが排出されない時間を直接測定して取得してもよい。また弁装置70から流路へインクが排出された時間を測定し、その測定結果からインクの非排出時間Vを取得してもよい。
また、印刷ジョブを行う場合だけでなく、印刷ジョブ内での印刷停止から印刷再開に移行する場合、上述したフラッシング処理やクリーニング処理を行う場合にも、弁装置70からのインクが排出される。このため、本実施形態の非排出時間Vには、印刷ジョブの終了から次の印刷ジョブの開始までの時間だけでなく、印刷ジョブ内での印刷停止から印刷再開までの時間、クリーニング処理の終了からフラッシング処理の開始までの時間なども含まれる。また本実施形態の非排出時間Vには、クリーニング処理の停止からクリーニング処理の再開までの時間、印刷停止からフラッシング処理の開始までの時間も含まれる。さらに、本実施形態の非排出時間Vには、液体吐出ヘッド26からインクを出す処理だけでなく、弁装置70からインクが排出されても、液体吐出ヘッド26からインクを出さずに液体吐出ヘッド26内の流路にインクを循環させる処理も含まれる。
以下、本実施形態に係る液体吐出装置10の制御方法について説明する。図7は、制御装置20によって行われる液体吐出装置10の制御を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS101にて制御装置20の判定部202は、インクの非排出期間Vを取得する。具体的には、印刷ジョブなどのように弁装置70からインクが排出される処理をインクの排出動作とすれば、判定部202はインクの排出動作が開始されると、直前のインクの排出動作が終了してから今回のインクの排出動作が開始されるまでの時間を、インクの非排出期間Vとして取得する。例えば判定部202は、印刷ジョブが開始されると、その直前の印刷ジョブの終了から今回の印刷ジョブの開始までの時間を、インクの非排出期間Vとして取得する。
続いて、ステップS102(第1ステップ)にて判定部202は、非排出期間Vが第1閾値Pを超えるか否かを判定する。このように、判定部202は、非排出期間Vが第1閾値Pを超えるか否かを判定することで、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定する。具体的には、先ず判定部202は、データテーブル212に基づいて第1閾値Pを取得する。判定部202は、データテーブル212に記憶されている第1閾値P1、P2、…Pnから、温度センサー15によって検出されたインクの温度に対応する第1閾値を取得する。このとき、判定部202が第1閾値P2を取得したとすれば、判定部202は、非排出期間Vが第1閾値P2を超えるか否かを判定する。そして、判定部202が、非排出期間Vが第1閾値P2を超えると判定した場合は、ステップS103(第2ステップ)にて処理部204は、弁体82の開閉回数をカウントする処理を行う。他方、判定部202が、非排出期間Vが第1閾値P2を超えないと判定した場合は、ステップS101の処理に戻る。したがって、この場合は、弁体82の開閉回数がカウントされない。
このようなステップS101およびS102によれば、インクの温度と非排出時間Vとに基づいて、弁体82の開閉回数を算出するから、弁体82の開閉回数の推定精度を向上させることができる。しかも、インクの温度に応じて、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定するための非排出時間Vの第1閾値Pを変えるので、インクの温度が異なる環境においても、弁体82の開閉回数の推定精度を高めることができる。なお、ステップS101およびS102において、インクの粘度と非排出時間Vとに基づいて、弁体82の開閉回数を算出するようにしてもよい。この場合のインクの粘度は、センサーにより検出してもよく、インクの種類に基づいて特定してもよい。
次に、ステップS104にて判定部202は、弁体82の開閉回数の積算値が第2閾値Qを超えるか否かを判定する。第2閾値Qは、記憶装置21に記憶されている。判定部202は、記憶装置21から第2閾値Qを取得して、弁体82の開閉回数の積算値と比較する。判定部202は、弁体82の開閉回数の積算値が第2閾値Qを超えないと判定した場合は、ステップS101の処理に戻る。他方、判定部202が、弁体82の開閉回数の積算値が第2閾値Qを超えると判定した場合は、ステップS105にて処理部204は、所定の処理を実行する。
処理部204は所定の処理として、弁体82の交換を促す処理と、液体吐出ヘッド26からのインクの吐出を停止する処理と、弁体82をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を実行する。弁体82の交換を促す処理としては、例えば液体吐出装置10が備える表示部(図示略)に表示されるエラー表示や、音や音声によるエラーの報知が挙げられる。液体吐出ヘッド26からのインクの吐出を停止する処理としては、印刷ジョブの一時停止、クリーニング処理の一時停止、フラッシング処理の一時停止などが挙げられる。弁体82をクリーニングする処理としては、弁装置70内を流れるインクの流速を速くする処理が挙げられる。その他、弁体82をクリーニングする処理は、弁体82が弁座84に接触する部分を弾性部材で構成し、弁体82を弁座84に押しつけることで、弾性部材がW方向に交差する方向に弁座84と擦り合うようにする処理であってもよい。弁体82をクリーニングする処理は、液体吐出装置10に取り付けたまま行うクリーニングであってもよく、また液体吐出装置10から取り外した状態で行うクリーニングであってもよい。弁体82をクリーニングする処理の前に、弁体82の交換を促す処理を行うようにしてもよい。
このように、弁体82の交換を促す処理と、液体吐出ヘッド26からのインクの吐出を停止する処理と、弁体82をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を実行することで、弁体に付着する堆積物による閉塞不良の発生を回避または解消できる。また、本実施形態によれば、インクの粘度またはインクの温度と非排出時間Vとに基づいて、弁体82のクリーニングなどの処理を行うことで、弁体82の開閉回数の推定精度を高めることができるので、弁体82に付着する堆積物が成長しても、弁体82の閉塞不良が発生する前の適切なタイミングで弁体82のクリーニングなどの処理を実施できる。これにより、堆積物による弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。また、液体の粘度または液体の温度に応じて第2閾値Qを変えることによっても、弁体82のクリーニングなどの処理を行うタイミングを変えることができる。
なお、制御装置20は、弁体82の交換または弁体82のクリーニングが実行されると、弁体82の開閉回数をリセットして算出し直す。これによれば、弁体82の交換または弁体82のクリーニングから新たに弁体82の開閉回数の算出を開始できる。したがって、弁体82の交換または弁体82のクリーニングがされても、その後における弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
また、制御装置20は、上述した弁体82のクリーニングなどの処理をインクの種類ごとに行うようにしてもよい。インクの種類によって弁体82への堆積物の堆積量や堆積速度が異なる場合でも、それに応じて、弁体82のクリーニングなどの処理を行うタイミングを変えることができる。したがって、インクの種類に応じて弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。また、制御装置20は、液体が特定の種類の場合には、弁体82の開閉回数を算出しないようにしてもよい。特定の種類の液体とは、例えば洗浄液、前処理液、後処理液、染料インクなどが挙げられる。洗浄液などには、弁体82に固形物として堆積するような成分が含まれないので、弁体82と弁座84が接触しても堆積物が付着しない。例えば制御装置20は、液体容器14の種類によって液体の種類を特定し、液体が特定の種類の場合には、弁体82の開閉回数をカウントしない。これによれば、弁体82に堆積物が付着するような成分が含まれない特定の種類の液体では、弁体82の開閉回数がカウントされないようにすることにより、判定部202や処理部204の負荷を低減できる。
また、記憶装置21には、弁体82の開閉回数を弁体82と関連付けて記憶するようにしてもよい。この構成によれば、弁体82が取り外されても、その弁体82の開閉回数を弁体82に関連付けて管理できる。このため、例えばメンテナンスなどによって、弁体82が一時的に取り外されて、再び取り付けられた場合でも、開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体82の取り付け後でも、弁体82の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
なお、弁体82と関連付けられる弁体82の開閉回数は、弁装置70で保持されるようにしてもよい。具体的には、図1に示すように弁装置70は、弁体82の開閉回数を記憶する記憶部702を備えるようにしてもよい。これによれば、弁体82と関連付けられる弁体82の開閉回数を、弁装置70の記憶部702に記憶しておくことができる。このように、弁体82の開閉回数を弁装置70に関連づけて記憶することで、弁装置70ごとに独立して管理することができる。このため、例えば弁装置70が取り付けられていた流路に取り付け直す場合だけでなく、別の流路に取り付ける場合や別の液体吐出装置10の流路に取り付ける場合であっても、弁体82の開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体82の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁装置70の取り付け後における弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
このような弁体82と関連付けられた弁体82の開閉回数は、液体吐出ヘッド26が備える記憶部(図示略)に記憶するようにしてもよい。液体吐出ヘッド26が備える記憶部に、弁体82の開閉回数を弁装置に関連づけて記憶することで、弁装置70を液体吐出ヘッド26側で管理することができる。このため、例えば弁装置70が取り付けられていた流路に取り付け直す場合だけでなく、液体吐出ヘッド26の別の流路に取り付ける場合であっても、弁体82の開閉回数がリセットされずに継続して算出されるようにすることができる。したがって、弁体82の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁装置70の取り付け後における弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。弁装置70の記憶部702や液体吐出ヘッド26の記憶部に記憶される弁体82の開閉回数は、インクの粘度と、インクの温度と、非排出時間Vとのうちの少なくとも1つに基づいて算出されたものである。
さらに、本実施形態の弁装置70は、記憶部702に記憶される弁体82の開閉回数の情報を、液体吐出装置10の制御装置20と有線または無線で通信する通信部704を備える。これにより、液体吐出装置10においては、弁装置70の通信部704からその弁体82の開閉回数の情報を取得できる。この構成によれば、液体吐出装置10側で弁体82の開閉回数の情報を記憶しなくて済む。したがって、弁装置70と通信可能な液体吐出装置10であればどのような液体吐出装置10に弁装置70を取り付けても、弁体82の開閉回数の推定精度を維持できるので、弁装置70の取り付け後における弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
弁装置70には、液体吐出装置10の外部に露出し、通信部704に接続する電極(図示略)を備えるようにしてもよい。この構成によれば、通信部704は電極を介して外部と通信することができる。電極は、所定電位を有し、弁体82または弁座84に接続される。この構成によれば、電極の所定の電位を変えることによって、弁体82または弁座84の電位を変えることができる。したがって、弁体82または弁座84に付着するインクの成分が、弁体82または弁座84が帯電により付着し易くなるのを抑制できる。例えば電極の所定の電位は、接地電位(グラウンド)にしてもよい。これによれば、弁体82または弁座84も接地電位となる。したがって、弁体82または弁座84の帯電を防ぐことができるので、弁体82または弁座84が帯電によりインクの成分が付着し易くなるのを効果的に抑制できる。また、インクの成分のゼータ電位や弁体82または弁座84の帯電状態によっては、インクの成分が付着するのを防止するために、電極の所定の電位を最適値(例えば、−0.5Vなど)に変更してもよい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。図8は、第2実施形態における第1閾値Pのデータテーブル212の構成を示す図である。図8のデータテーブル212は、インクの種類ごとに第1閾値Pを記憶した場合を例示したものである。
データテーブル212には、インクの種類(図4に示すyAのインクA、yBのインクB、yCのインクC)ごとに、インクの温度Dと第1閾値Pとが関連付けられている。図4によれば、インクの種類ごとに、インクの粘度が変わり、しかもインクの種類ごとに、インクの温度が高いほど粘度が低くなり、インクの温度が低いほど粘度が高くなる。したがって、インクの種類ごとに、弁体82が開状態から閉状態へ遷移する遷移時間も変わるため、インクの種類とその温度によっては、弁装置70からインクが排出されない非排出時間Vとの関係で、弁体82が閉じないで開いてしまう場合や弁体82が早く閉じてしまう場合が発生し得る。
第2実施形態では、インクの種類ごとに、インクの温度と第1閾値Pとが関連付けられた第1閾値Pをデータテーブル212に記憶しておく。これにより、図7のステップS104において、判定部202は、インクの種類ごとに、弁体82の開閉回数をカウントするか否かを判定することができる。第2実施形態によれば、インクの種類によって弁体82への堆積物の堆積量や堆積速度が異なる場合でも、弁体82の開閉回数の推定精度を向上することができる。また、インクの種類によって弁体82のクリーニングなどの処理を行うタイミングを変えることができるので、インクの種類ごとに、弁体82に付着する堆積物による弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態では、制御装置20がインクの製造時からの経過時間に応じて、弁体82の開閉回数の算出する処理や弁体82をクリーニングなどの処理を行う場合を例示する。図9は、第3実施形態における第2閾値Qのデータテーブル212’を示す図である。図9のデータテーブル212’は、インクの製造時(製造年月日など)からの経過時間tと第2閾値Qとを関連付けたものであり、記憶装置21に記憶される。インクの製造時からの経過時間tは、所定の範囲(t1<t≦t2、t2<t≦t3、…tn<t≦tn+1)ごとに、第2閾値Q1、Q2、…Qnが対応するように関連づけられている。インクの製造時からの経過時間が長いほどインク成分が凝集し、堆積物が付着し易くなるので、データテーブル212’においては、インクの製造時からの経過時間tが長いほど、第2閾値Qが小さくなるようにする。
第3実施形態では、図7のステップS104において、判定部202は、例えば液体容器14の電子タグなどに記憶されている製造時をインクの製造時として特定して、そのインクの製造時からの経過時間tを算出する。判定部202は、算出したインクの製造時からの経過時間tに対応する第2閾値Qを、図9のデータテーブル212’から取得する。そして、判定部202は、弁体82の開閉回数の積算値が、図9のデータテーブル212’から取得した第2閾値Qを超えるか否かを判定する。弁体82の開閉回数の積算値が、第2閾値Qを超えた場合に、ステップS105にて処理部204は、弁体82のクリーニングなどの所定の処理を行う。
このような構成によれば、インクの製造時からの経過時間が長いほど堆積物が付着し易くなる場合でも、それに応じた第2閾値Qを取得することで、上述した弁体82のクリーニングなどの処理を行うタイミングが短くなるように変えることができる。したがって、インクの製造時からの経過時間に応じて、弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。なお、判定部202は、使用者によって液体吐出装置10の操作部(図示略)から入力された情報(例えば液体容器14のパッケージに記載されている製造時の情報)によりインクの製造時を特定し、特定したインクの製造時からの経過時間tを算出してもよい。
また、第2閾値Qのデータテーブル212’は、図9に例示したものに限られない。例えば図10に示すデータテーブル212’のように、インクの種類ごとに、インクの製造時からの経過時間tと第2閾値Qとを関連付けたものであってもよい。図10のデータテーブル212’によれば、判定部202は、インクの種類ごとに、インクの製造時からの経過時間tに応じた第2閾値Qを取得することができる。したがって、インクの種類ごとに、弁体82のクリーニングなどの処理を行うタイミングを変えることができる。このような構成によれば、インクの種類ごとに、そのインクの製造時からの経過時間tに応じて、弁体82に付着する堆積物による弁体82の閉塞不良の発生を的確に抑制できる。なお、第3実施形態では、第2閾値Qを取得するのに、図9または図10のデータテーブル212’を用いる場合を例示したが、データテーブル212’を用いる代わりに、インクの種類と、インク製造時からの経過時間とのいずれかと、第1閾値Pとの関係を示す関数等を用いるようにしてもよい。
<変形例>
以上に例示した態様および実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示や上述の態様から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述した実施形態では、液体吐出ヘッド26を搭載したキャリッジ24をX方向に沿って反復的に往復させるシリアルヘッドを例示したが、液体吐出ヘッド26を媒体12の全幅にわたり配列したラインヘッドにも本発明を適用可能である。
(2)上述した実施形態では、圧力室に機械的な振動を付与する圧電素子を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド26を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。
(3)上述した実施形態で例示した液体吐出装置10は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置10の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等を形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、液体の一種として生体有機物の溶液を吐出するチップ製造装置としても利用される。
10…液体吐出装置、12…媒体、14…液体容器、15…温度センサー、20…制御装置、202…判定部、204…処理部、21…記憶装置、212…データテーブル、22…搬送機構、24…キャリッジ、26…液体吐出ヘッド、260…吐出面、30…メンテナンスユニット、32…キャッピング機構、322…キャップ、34…廃液タンク、70…弁装置、702…記憶部、704…通信部、72…支持体、722…凹部、724…凹部、74…封止体、76…封止体、762…可動部、78…受圧板、82…弁体、822…基部、824…封止部、826…弁軸、84…弁座、A、B、C…インク、D…インクの温度、G…軸線、H…非印字領域、K…貫通孔、N…ノズル、P…第1閾値、Q…第2閾値、R1…第1流路、R2…第2流路、S…封止面、S1…バネ、S2…バネ、T、T’…弁体の遷移時間、V…非排出時間。

Claims (19)

  1. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、前記液体の排出動作に応じて前記流路を開閉する弁体を備える弁装置と、
    前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間に基づいて、前記弁体の開閉回数を算出する処理を行う制御装置と、を備える
    液体吐出装置。
  2. 前記制御装置は、前記液体の粘度または前記液体の温度と、前記非排出時間とに基づいて、前記弁体の開閉回数を算出する
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、前記流路を開閉する弁体を備える弁装置と、
    前記液体の粘度または前記液体の温度に基づいて、前記弁体の開閉回数を算出する処理を行う制御装置と、を備える
    液体吐出装置。
  4. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、前記液体の排出動作に応じて前記流路を開閉する弁体を備える弁装置と、
    前記液体の粘度または前記液体の温度と、前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間とに基づいて、前記弁体の交換を促す処理と前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と前記弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行う制御装置と、を備える
    液体吐出装置。
  5. 前記液体の温度を検出するための温度センサーを備え、
    前記制御装置は、前記温度センサーによる検出結果に応じて前記処理を行う
    請求項2から請求項4の何れかに記載の液体吐出装置。
  6. 前記液体は、複数種類あり、
    前記制御装置は、前記液体の種類ごとに前記処理を行う
    請求項1から請求項5の何れかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記制御装置は、前記液体が特定の種類の場合には、前記弁体の開閉回数を算出しない
    請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記制御装置は、前記液体の製造時からの経過時間に応じて前記処理を行う
    請求項6または請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記制御装置は、前記弁体の交換または前記弁体のクリーニングにより前記弁体の開閉回数をリセットして、算出し直す
    請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出装置。
  10. 前記弁体の開閉回数を前記弁体と関連付けて記憶する記憶装置を備える
    請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出装置。
  11. 液体吐出装置の弁装置であって、
    液体を吐出する液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、弁座に対する接離動作によって前記流路を開閉する弁体と、
    前記弁体の開閉回数を前記弁装置に関連づけて記憶する記憶部と、を備える
    弁装置。
  12. 前記記憶部に記憶される弁体の開閉回数の情報を、前記液体吐出装置と有線または無線で通信する通信部を備える
    請求項11に記載の弁装置。
  13. 前記液体吐出装置の外部に露出し、前記通信部に接続される電極を備え、
    前記電極は、所定の電位を有し、前記弁体または前記弁座に接続される
    請求項12に記載の弁装置。
  14. 前記電極の所定の電位は、接地電位である
    請求項13に記載の弁装置。
  15. 前記記憶部に記憶される前記弁体の開閉回数は、前記液体の粘度と、前記液体の温度と、前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて算出されたものである
    請求項11から請求項14の何れかに記載の弁装置。
  16. 弁装置に連通する流路内に流通する液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記弁装置に設けられて前記流路を開閉する弁体の開閉回数を前記弁装置に関連づけて記憶する記憶部と、
    液体供給源から前記弁装置を介して供給される前記液体を吐出するノズルと、を備える
    液体吐出ヘッド。
  17. 前記記憶部に記憶される前記弁体の開閉回数は、前記液体の粘度と、前記液体の温度と、前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて算出されたものである
    請求項16に記載の液体吐出ヘッド。
  18. 液体吐出装置の制御方法であって、
    前記液体吐出装置は、
    液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、前記液体の排出動作に応じて前記流路を開閉する弁体を備える弁装置と、を備え、
    前記液体の粘度と、前記液体の温度と、前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間とのうちの少なくとも1つに基づいて、前記弁体の開閉回数を算出するか否かを判定する第1ステップと、
    前記第1ステップによる判定結果に基づいて、前記弁体の開閉回数を算出する第2ステップと、を備える
    液体吐出装置の制御方法。
  19. 液体吐出装置の制御方法であって、
    前記液体吐出装置は、
    液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドに連通する流路に設けられ、前記液体の排出動作に応じて前記流路を開閉する弁体を備える弁装置と、を備え、
    前記液体の粘度または前記液体の温度と、前記弁装置から前記流路へ前記液体が排出されない非排出時間とに基づいて、前記弁体の交換を促す処理と前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を停止する処理と前記弁体をクリーニングする処理とのうち少なくとも1つの処理を行う
    液体吐出装置の制御方法。
JP2017023366A 2017-02-10 2017-02-10 液体吐出装置 Active JP6903929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023366A JP6903929B2 (ja) 2017-02-10 2017-02-10 液体吐出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023366A JP6903929B2 (ja) 2017-02-10 2017-02-10 液体吐出装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2018126980A true JP2018126980A (ja) 2018-08-16
JP2018126980A5 JP2018126980A5 (ja) 2020-01-30
JP6903929B2 JP6903929B2 (ja) 2021-07-14

Family

ID=63173462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017023366A Active JP6903929B2 (ja) 2017-02-10 2017-02-10 液体吐出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6903929B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102716117B1 (ko) 2019-09-25 2024-10-15 가부시키가이샤 코쿠사이 엘렉트릭 기판 처리 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 그리고 프로그램

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004174773A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置
JP2005343058A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置及び気泡除去方法
JP2009255327A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Riso Kagaku Corp 印刷装置
JP2012051269A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Brother Industries Ltd 液体カートリッジ、これを着脱可能な液体吐出装置、及び、液体カートリッジの再生方法
US20160098234A1 (en) * 2014-10-07 2016-04-07 Videojet Technologies Inc. System and method for remotely servicing an industrial printer
JP2016168818A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 弁装置及びその制御方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004174773A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Ricoh Co Ltd インクジェット記録装置
JP2005343058A (ja) * 2004-06-04 2005-12-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録装置及び気泡除去方法
JP2009255327A (ja) * 2008-04-14 2009-11-05 Riso Kagaku Corp 印刷装置
JP2012051269A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Brother Industries Ltd 液体カートリッジ、これを着脱可能な液体吐出装置、及び、液体カートリッジの再生方法
US20160098234A1 (en) * 2014-10-07 2016-04-07 Videojet Technologies Inc. System and method for remotely servicing an industrial printer
JP2016168818A (ja) * 2015-03-16 2016-09-23 セイコーエプソン株式会社 弁装置及びその制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102716117B1 (ko) 2019-09-25 2024-10-15 가부시키가이샤 코쿠사이 엘렉트릭 기판 처리 장치 및 반도체 장치의 제조 방법 그리고 프로그램

Also Published As

Publication number Publication date
JP6903929B2 (ja) 2021-07-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9597888B2 (en) Printing apparatus and ink amount control method for ink tank
CN109484026B (zh) 液体喷出装置及液体喷出装置的控制方法
CN109484025B (zh) 液体喷出装置及液体喷出装置的控制方法
JP2008238431A (ja) 流体噴射装置
JP6592990B2 (ja) 液体吐出装置、および、液体吐出装置の制御方法
US10625512B2 (en) Liquid discharge apparatus and control method of liquid discharge apparatus
US20080180482A1 (en) Flushing method of liquid ejecting apparatus and liquid ejecting apparatus
WO2001087627A1 (fr) Procede de detection de consommation d'encre et appareil de reproduction a jet d'encre
JP2018187792A (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置の動作方法
JP6651809B2 (ja) 液体吐出装置
JP6903929B2 (ja) 液体吐出装置
JP2007136832A (ja) 液体噴射装置
JP4638085B2 (ja) インク供給装置及びインクジェット記録装置
JP2004009501A (ja) インクジェットプリンタ
JP2019001080A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、液体吐出装置の駆動制御回路、液体吐出装置の駆動方法
JP2017094579A (ja) 液体吐出装置
US9242469B2 (en) Liquid ejecting apparatus and maintenance method
JP2008229863A (ja) 流体噴射装置
JP6492816B2 (ja) 弁装置及びその制御方法、並びに液体噴射装置及びその制御方法
JP2009096025A (ja) 液体噴射装置の回復方法及び液体噴射装置
JP2018012339A (ja) 液体吐出装置および液体吐出装置の制御方法
JP2004136502A (ja) 液体噴射装置の駆動制御方法、及び、液体噴射装置
JP2010208145A (ja) インクジェット記録装置
JP2020059207A (ja) インクジェット記録装置及びクリーニング方法
JP5463942B2 (ja) 流体噴射装置及びクリーニング方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191212

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191212

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200923

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201027

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210525

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6903929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150