JP2018148875A - フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料 - Google Patents

フルフリルメチルスルフィドを含む容器詰めコーヒー飲料 Download PDF

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Abstract

【課題】飲料の液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料の提供。【解決手段】グアイアコール含有量が10〜600μg/L、好ましくは100〜500μg/Lであり、フルフリルメチルスルフィド含有量が22〜1000μg/L、好ましくは150〜500μg/Lである、容器詰めコーヒー飲料。更に、p−エチルフェノール含有量が2〜20μg/L、p−クレゾール含有量が2〜20μg/L、フェノール含有量が50〜1100μg/L、及び2−アセチルピロール含有量が300〜1500μg/Lのうち、少なくとも1つを満たす該容器詰めコーヒー飲料。更に、フルフリルメルカプタン含有量が1800〜5000μg/L、フルフリルジスルフィド含有量が25〜300μg/L、及びフルフリルチオアセテート含有量が25〜300μg/Lのうち、少なくとも1つを満たす該容器詰めコーヒー飲料。【選択図】なし

Description

本発明は容器詰めコーヒー飲料に関する。より詳細には、液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好な容器詰めコーヒー飲料、及び前記コーヒー飲料の製造方法などに関する。
コーヒー飲料は嗜好品として広く愛好され、その需要もますます増大すると共にニーズの多様化が進んでいる。例えば、コーヒー特有の後引きする苦味を有するコーヒー飲料のニーズが存在する一方で、コーヒー特有の苦味が抑制され、後味のキレが良いコーヒー飲料のニーズも存在する。また、コーヒー飲料の商品形態も、加温用飲料から常温保存用飲料まで多種多様に存在している。こうした状況の下、消費者は、自らの嗜好性や飲用場所、飲用時間等の消費態様に応じた商品形態のコーヒー飲料を選択することができる。例えば、歩きながらコーヒー飲料を飲んだり、仕事中や休憩中に少しずつ長時間かけてコーヒー飲料を飲む態様も広く見受けられる。
一方で、加温用飲料として開発された従来のコーヒー飲料では、加温状態で飲用されることを前提として飲料の味や香りの設計がされてきた。しかしながら、コーヒー飲料を飲用する消費者は、通常、常温下で生活しており、コーヒー飲料も、飲用に供されている間は通常、常温下に置かれている。また、前述の通り、近年のコーヒー飲料の消費態様の多様化により、長時間かけてコーヒー飲料が飲用される場合も少なくない。この場合、例えば60℃前後で販売されるコーヒー飲料でも、保存中や飲用中に液温は必然的に低下する。そして、人間の舌の特性上、一般的に苦味成分は他の成分と比較して、高温時よりも常温時で強く感じられる傾向があるが、高温時だけでなく常温時においても、すなわち液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料を製造するという発想はほとんどない。
また、コーヒー飲料では製造後の時間経過に伴い、一部の香気成分が減少し、コーヒー飲料の香気バランスが変化することが報告されており(非特許文献1)、コーヒー飲料の香気に寄与する成分を添加することで、時間経過に伴うコーヒー飲料の香気バランスの変化を抑える試みも報告されている。しかしながら、コーヒーの淹れたての香りに特に寄与する成分である、2−フルフリルチオール、3−メルカプト−3−メチルブチルフォーメート、3−メチル−2−ブテン−1−チオール等は、コーヒーを淹れた後、急速に消失することが報告されている(非特許文献2)。特に、非特許文献3では、2−フルフリルチオールは淹れたて感付与に関して特に重要な成分であるが、コーヒーの水溶性成分であるメラノイジンと結合し、特に急速に消失することが報告されている。また、缶コーヒー飲料の加熱殺菌によっても、2−フルフリルチオールや3−メルカプト−3−メチルブチルフォーメートなどの香気成分量が減少することや、2−フルフリルチオールは通常のコーヒー飲料のpH(6前後)においても大きく減少することも報告されている(非特許文献4)。
さらに、特許文献1では、コーヒー飲料中のピラジン類とグアイアコール類との含有質量比を特定の範囲に制御することで、甘い香りが豊かで、かつ後味のキレの良好なコーヒー抽出物が得られることなどが報告されており、特許文献2では、低揮発性コーヒーアロマ化合物(グアイアコール等)に対する高揮発性コーヒーアロマ化合物(メタンチオール等)の比を高くすることで、コーヒー飲料の開封及び消費時のアロマが知覚されやすくなることが報告されている。また、特許文献3には、フルフリルメチルスルフィドや2−フルフリルメチルジスルフィド等の添加によって、コーヒーの淹れたて感を付与できること
が記載されている。
特開2011−125289号公報 特表2016−540512号公報 特開2008−259472号公報
European Food Research and Technology, 211, 272-276 (2000) Journal of Agricultural and Food Chemistry, 49(5), 2382-2386 (2001) Journal of Agricultural and Food Chemistry, 50(2), 319-326 (2002) Journal of Agricultural and Food Chemistry, 51(9), 2674-2678 (2003)
しかしながら、いずれの文献にも、時間経過や液温の変化に伴う苦味の変化を商品設計で考慮することは記載されていない。本発明の課題は、容器詰めコーヒー飲料の液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、フルフリルメチルスルフィドによる苦味抑制効果が温度により異なること、すなわち、フルフリルメチルスルフィドが常温において特異的に苦味抑制効果を有することを発見した。そして、容器詰めコーヒー飲料中のグアイアコール含有量、及びフルフリルメチルスルフィド含有量を特定の範囲に調整することで、高温時だけでなく常温時においても、すなわち飲料の液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料を提供できることなどを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下に関するが、これらに限定されない。
(1)グアイアコール含有量が10〜600μg/Lであり、
フルフリルメチルスルフィド含有量が22〜1000μg/Lである、容器詰めコーヒー飲料。
(2)飲料中のグアイアコール含有量が100〜500μg/Lである、(1)記載の容器詰めコーヒー飲料。
(3)さらに、下記(i)〜(iv)の少なくとも1つを満たす、(1)又は(2)に記載の容器詰めコーヒー飲料:
(i)飲料中のp−エチルフェノール含有量が2〜20μg/Lである;
(ii)飲料中のp−クレゾール含有量が2〜20μg/Lである;
(iii)飲料中のフェノール含有量が50〜1100μg/Lである;
(iv)飲料中の2−アセチルピロール含有量が300〜1500μg/Lである。
(4)飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が150〜500μg/Lである、(1)〜(3)のいずれかに記載の容器詰めコーヒー飲料。
(5)さらに、下記(v)〜(vii)の少なくとも1つを満たす、(1)〜(4)のいずれかに記載の容器詰めコーヒー飲料:
(v)飲料中のフルフリルメルカプタン含有量が1800〜5000μg/Lである;
(vi)飲料中のフルフリルジスルフィド含有量が25〜300μg/Lである;
(vii)飲料中のフルフリルチオアセテート含有量が25〜300μg/L。
(6)ブラックコーヒーである、(1)〜(5)のいずれかに記載の容器詰めコーヒー飲料。
(7)飲料のBrix値が0.4以上である、(1)〜(6)のいずれかに記載の容器詰めコーヒー飲料。
(8)再栓可能な蓋付き容器に充填された、(1)〜(7)のいずれかに記載の容器詰めコーヒー飲料。
(9)容器詰めコーヒー飲料の製造方法であって、
(i)飲料中のグアイアコール含有量を10〜600μg/Lに調整する工程、
(ii)飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量を22〜1000μg/Lに調整する工程、及び
(iii)容器詰めする工程、
を含む、前記製造方法。
本発明により、液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好な容器詰めコーヒー飲料を提供することができる。
1.容器詰めコーヒー飲料
本発明の一態様は、グアイアコール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が特定の範囲内にある、容器詰めコーヒー飲料である。これにより、飲料の液温にかかわらず、苦味を抑制でき、後味のキレが良好な容器詰めコーヒー飲料を提供できる。なお、本明細書において「苦味」とは、コーヒー特有の後引きする舌に残る苦味であり、後味のキレに影響するものをいう。苦味のあるコーヒー飲料は後味のキレが悪く、苦味が抑制されたコーヒー飲料は後味のキレが良好である。
1−1.グアイアコール
グアイアコールはコーヒー特有の苦味に寄与する成分である。なお、本明細書では、グアイアコールを(a)と表記する場合がある。
本発明では、コーヒー飲料中のグアイアコール含有量は10〜600μg/L、好ましくは100〜500μg/L、より好ましくは150〜300μg/Lである。コーヒー飲料中のグアイアコール含有量が上記の範囲より低いと、コーヒー特有の苦味が全く感じられず、コーヒーらしさを有しないことがあり、一方で、コーヒー飲料中のグアイアコール含有量が上記の範囲より高いと、特に常温においてコーヒー特有の苦味を十分に抑制できないことがある。なお、グアイアコールの含有量はGC−MS法により測定することができる。
1−2.フルフリルメチルスルフィド
フルフリルメチルスルフィドは一般的にはコーヒー特有の深煎り香を有する成分として知られているが、本発明においては常温(20℃前後)において特異的にコーヒー飲料の苦味抑制効果を有する成分である。なお、本明細書では、フルフリルメチルスルフィドを(p)と表記する場合がある。
本発明では、コーヒー飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量は22〜1000μg/L、好ましくは25〜800μg/L、より好ましくは150〜500μg/Lである。フルフリルメチルスルフィド含有量が上記の範囲外である場合、常温におけるコーヒー飲料の苦味の抑制効果が十分に得られないことがある。なお、フルフリルメチルスルフィドの含有量は、GC−MS法によって測定することができる。
1−3.p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール及び2−アセチルピロール
本発明において、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール及び2−アセチルピロールは、いずれもコーヒー特有の苦味に寄与する成分である。本発明のコーヒー飲料では、コーヒー特有の苦味を効果的に抑制する観点から、さらに、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール及び2−アセチルピロールからなる群から選択される一以上の成分の含有量を特定の範囲に調整することもできる。なお、本明細書では、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール及び2−アセチルピロールを、それぞれ(b)、(c)、(d)、及び(e)と表記する場合がある。
本発明のコーヒー飲料中のp−エチルフェノール含有量は特に限定されないが、2.0〜20μg/Lであることが好ましく、3.0〜19μg/Lであることがより好ましく、5.0〜18μg/Lであることがさらに好ましい。また、本発明のコーヒー飲料中のp−クレゾール含有量は特に限定されないが、2.0〜20μg/Lであることが好ましく、3.0〜19μg/Lであることがより好ましく、5.0〜18μg/Lであることがさらに好ましい。また、本発明のコーヒー飲料中のフェノール含有量は特に限定されないが、50〜1100μg/Lであることが好ましく、320〜1080μg/Lであることがより好ましく、370〜1050μg/Lであることがさらに好ましい。また、本発明のコーヒー飲料中の2−アセチルピロール含有量は特に限定されないが、300〜1500μg/Lであることが好ましく、600〜1480μg/Lであることがより好ましく、800〜1450μg/Lであることがさらに好ましい。なお、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール及び2−アセチルピロールの含有量は、GC−MS法によって測定することができる。
1−4.フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテート
本発明において、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテートは、いずれも一般的にはコーヒー特有の深煎り香を有する成分として知られているが、本発明においては、フルフリルメチルスルフィドと同様に、常温(20℃前後)において特異的にコーヒー飲料の苦味抑制効果を有する成分である。本発明のコーヒー飲料では、効果的に常温(20℃前後)におけるコーヒー飲料の苦味を抑制するという観点から、さらにフルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド、及びフルフリルチオアセテートからなる群から選択される一以上の成分の含有量を特定の範囲に調整することもできる。
本発明のコーヒー飲料中のフルフリルメルカプタン含有量は特に限定されないが、1800〜5000μg/Lであることが好ましく、1850〜4000μg/Lであることがより好ましく、1900〜3500μg/Lであることがさらに好ましい。また、本発明のコーヒー飲料中のフルフリルジスルフィド含有量は特に限定されないが、25〜300μg/Lであることが好ましく、30〜200μg/Lであることがより好ましく、30〜100μg/Lであることがさらに好ましい。本発明のコーヒー飲料中のフルフリルチオアセテート含有量は特に限定されないが、25〜300μg/Lであることが好ましく、30〜200μg/Lであることがより好ましく、30〜100μg/Lであることがさらに好ましい。なお、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテートの含有量は、GC−MS法によって測定することができる。
1−5.グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、又は2−アセチルピロール含有量と、フルフリルメチルスルフィド含有量との比率
本発明のコーヒー飲料は、飲料の液温にかかわらず、苦味を抑制し、後味のキレを良好
にするという観点から、グアイアコール(a)、p−エチルフェノール(b)、p−クレゾール(c)、フェノール(d)、又は2−アセチルピロール(e)の含有量と、フルフリルメチルスルフィド(p)含有量との比率が特定の範囲にあることが好ましい。例えば、とフルフリルメチルスルフィド(p)とグアイアコール(a)との含有量比[(p)/(a)]は、1.5>[(p)/(a)]>0.01であることが好ましく、0.8>[(p)/(a)]>0.05であることがより好ましい。また、フルフリルメチルスルフィド(p)とp−エチルフェノール(b)との含有量比[(p)/(b)]は、40>[(p)/(b)]>0.5であることが好ましく、32>[(p)/(b)]>1.3であることがより好ましい。また、フルフリルメチルスルフィド(p)とp−クレゾール(c)との含有量比[(p)/(c)]は、20>[(p)/(c)]>0.5であることが好ましく、16>[(p)/(c)]>1.3であることがより好ましい。また、フルフリルメチルスルフィド(p)とフェノール(d)との含有量比[(p)/(d)]は、1.0>[(p)/(d)]0.01であることが好ましく、0.6>[(p)/(d)]>0.02であることがより好ましい。さらに、フルフリルメチルスルフィド(p)と2−アセチルピロール(e)との含有量比[(p)/(e)]は、0.5>[(p)/(e)]>0.01であることが好ましく、0.2>[(p)/(e)]>0.02であることがより好ましい。
1−6.コーヒー飲料
本明細書において「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌処理がなされた飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」、「コーヒー飲料」、及び「コーヒー入り清涼飲料」が主に挙げられる。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0重量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これも、本発明におけるコーヒー飲料とする。ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有するものをいい、例えば、コーヒー抽出液、即ち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を冷凍したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した溶液も、コーヒー分として挙げられる。
本発明のコーヒー飲料に用いるコーヒー豆の栽培樹種は、特に限定されず、アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種などが挙げられるが、アラビカ種を用いることが好ましい。また、品種名も特に限定されず、モカ、ブラジル、コロンビア、グアテマラ、ブルーマウンテン、コナ、マンデリン、キリマンジャロなどが挙げられる。コーヒー豆は1種でもよいし、複数種をブレンドして用いてもよい。コーヒー豆の焙煎方法に関して、焙煎温度や焙煎環境に特に制限はなく、通常の方法を採用できる。さらに、その焙煎コーヒー豆からの抽出方法についても何ら制限はなく、例えば焙煎コーヒー豆を粗挽き、中挽き、細挽き等に粉砕した粉砕物から水や温水(0〜200℃)を用いて抽出する方法が挙げられる。抽出方法は、ドリップ式、サイフォン式、ボイリング式、ジェット式、連続式などがある。
本発明のコーヒー飲料には、必要に応じて乳、牛乳及び乳製品等の乳分を添加してもよいが、乳分を含まないブラックコーヒーであることが好ましい。
また、本発明のコーヒー飲料は任意の容器に充填された容器詰めコーヒー飲料である。本発明のコーヒー飲料が充填される容器としては、殺菌方法や保存方法に合わせて適宜選択すればよく、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。また、本発明のコーヒー飲料は長時間かけて飲用する形態に適していることから、再栓可能な蓋付き容器、すなわちボトル缶やPETボトルが好ましい。本発明のコーヒー飲料の容量は、特に限定されないが、160〜600gが好ましく、長時間かけて飲用するという点で、250g以上が好ましい。また、本
発明のコーヒー飲料を容器詰めする場合は、ホットパック充填法又は無菌充填法のいずれも用いることができるが、無菌充填法を用いることが好ましい。なお、ホットパック充填法は一般に、60℃以上に加熱された飲料を容器に充填後、直ちに密封する方法をいう。また、無菌充填装置とは一般に、高温短時間殺菌した内容物を滅菌済み容器に無菌環境下で充填、密封する装置をいう。
本発明のコーヒー飲料の加熱滅菌処理の方法は特に限定されない。例えば、各地の法規(日本にあっては食品衛生法)に従って加熱滅菌処理を行うことができる。具体的には、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法が挙げられる。UHT殺菌法の場合、通常120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。
1−7.Brix値
Brix値は、糖度計や屈折計などを用いて20℃で測定された屈折率を、ICUMSA(国際砂糖分析法統一委員会)の換算表に基づいてショ糖溶液の質量/質量パーセントに換算した値であり、飲料中の可溶性固形分含有量を表す。単位は「Bx」、「%」、又は「度」と表記する場合もある。飲料のBrix値が低ければ、糖質を含めた飲料中の可溶性固形分の含有量が低いこととなる。
本発明のコーヒー飲料のBrix値は特に限定されないが、0.4以上であることが好ましく、0.4〜2.5であることがより好ましく、0.6〜2.0であることがより好ましい。
1−8.その他の成分
本発明のコーヒー飲料では、上記成分の他、本発明の効果を損なわない限りで、甘味料(ショ糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、キシロース、異性化乳糖、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、パラチノース、マルチトール、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、還元デンプン糖化物、ステビア、グリチルリチン、タウマチン、モネリン、アスパルテーム、アリテーム、サッカリン、アセスルファムK、スクラロース、ズルチンなど)、酸化防止剤(ビタミンC、エリソルビン酸ナトリウムなど)、乳化剤(ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなど)、カゼインNa、香料(コーヒーフレーバー、ミルクフレーバーなど)等を適宜配合することができる。本発明のコーヒー飲料では、グアイアコール及びフルフリルメチルスルフィドの濃度を特定範囲に調整するという点から、特に香料を配合することが好ましい。また、本発明の飲料は甘味料により本発明の効果が損なわれる可能性があるので、甘味料を含有しないコーヒー飲料が好ましい。
1−9.pH
本発明のコーヒー飲料は、所定の範囲内のpHを有することが好ましい。pHの調整には一般的なpH調整剤を使用することができ、そのようなpH調整剤としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基や、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、リン酸水素二ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、L−アスコルビン酸ナトリウムなどの有機酸のナトリウム又はカリウム塩、及び、その他食品衛生法上使用可能なpH調整剤又は酸味料が挙げられる。また、pHの異なるコーヒー抽出液を混合することにより所定のpHに調整することも可能である。
本実施の形態に係る発明において、pHは4.0〜7.0の範囲が好ましく、4.5〜6.5の範囲がより好ましく、5.5〜6.5の範囲がさらに好ましい。
2.容器詰めコーヒー飲料の製造方法、及び液温にかかわらず容器詰めコーヒー飲料の苦味を抑制し、後味のキレを改善する方法
ある態様では、本発明は容器詰めコーヒー飲料の製造方法である。より具体的には、本発明の一態様は容器詰めコーヒー飲料の製造方法であって、(i)飲料中のグアイアコール含有量を10〜600μg/Lに調整する工程、(ii)飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量を22〜1000μg/Lに調整する工程、及び(iii)容器詰めする工程、
を含む、前記製造方法である。
また、別の態様では、液温にかかわらず容器詰めコーヒー飲料の苦味を抑制し、後味のキレを改善する方法であって、(i)飲料中のグアイアコール含有量を10〜600μg/Lに調整する工程、(ii)飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量を22〜1000μg/Lに調整する工程、及び(iii)容器詰めする工程、を含む、前記方法でもある。
前記方法は、さらにp−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、又は2−アセチルピロール、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテートからなる群から選択される一以上の成分を配合し、その含有量を調整する工程を含めることもできる。また、グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、又は2−アセチルピロール含有量と、フルフリルメチルスルフィド含有量との比率を調整する工程を含めることもできる。さらに、前記方法は、通常のコーヒー飲料において用いることができる成分を配合する工程や、pHを調整する工程、加熱殺菌処理工程を含めることもできる。
なお、前記方法では、上記の各工程をどの順序で行ってもよく、最終的に得られたコーヒー飲料における含有量などが所要の範囲にあればよい。
また、コーヒー飲料や原料となるコーヒー豆の品種や産地等については、上述した通りである。また、グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、2−アセチルピロール、フルフリルメチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテートの含有量範囲、含有量比の範囲、pHの範囲、並びに他の成分等についても上述した通りである。さらに、各種成分の測定法についても上述の通りである。
<実施例>
以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.サンプルコーヒー飲料の製造
本実施例では、グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、2−アセチルピロール、及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が異なるサンプル飲料を調製した。各サンプル飲料の具体的な調製方法を以下に記載する。
まず、中煎りに焙煎したコーヒー豆(グアテマラ種:L値20)を粉砕し、コーヒー豆の量に対して9倍の質量の湯を抽出湯として用い、抽出機で50℃にて抽出を行った。また、抽出工程の途中で蒸らし時間を3分間設けた。そして、回収する抽出湯量がコーヒー豆量の約3倍の質量となったところで抽出を終了した。抽出液は抽出後に遠心分離処理、及び膜ろ過を実施した。その後、得られた抽出液を約3倍希釈し、さらに重曹を添加してベース飲料を得た。前記ベース飲料中のグアイアコール、p−エチルフェノール、p−ク
レゾール、フェノール、2−アセチルピロール、フルフリルメチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド、及びフルフリルチオアセテートの含有量は、後述の分析方法に従って測定した。表1にベース飲料中の前記各成分の含有量を示す。
Figure 2018148875
前記ベース飲料にグアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、2−アセチルピロール、及びフルフリルメチルスルフィドを適当量添加し、F0=4以上でUHT殺菌の後、PETボトル容器に無菌充填を実施し、実施例及び比較例のコーヒー飲料を得た。なお、全ての試験例における、全ての飲料において(市販品は除く)、Brix値は、1.0〜1.1の範囲内であった。
2.グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、2−アセチルピロール、フルフリルメチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド、及びフルフリルチオアセテート含有量の測定
上記1で製造した及びレトルト殺菌後の容器詰めコーヒー飲料のサンプル(実施例及び比較例)を開栓し、各コーヒー飲料中のグアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、2−アセチルピロール、フルフリルメチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド、及びフルフリルチオアセテートの含有量を、GC−MSにより以下の分析条件で測定した。また、市販の缶コーヒー1〜3(市販品1:UCC Blackコーヒー、市販品2:Tullysコーヒー、及び市販品3:KIRIN Fire香ばしBlackコーヒー)中の各成分含有量も同様に分析した。結果を表2〜7に示す。
<グアイアコール、p−エチルフェノール、p−クレゾール、フェノール、及び2−アセチルピロールの分析条件>
試料液5mlをネジ付き20ml容ガラス瓶(直径18mm,ゲステル社製)に入れてPTFE製セプタム付き金属蓋(ゲステル社製)にて密栓し、固相マイクロ抽出法(SPME)にて香気成分の抽出を行った。定量は、GC/MSのEICモードにて検出されたピーク面積を用い、標準添加法にて行った。使用した機器及び条件を以下に示す。
SPMEファイバー:StableFlex/SS,50/30μm DVB/CAR
/PDMS,(スペルコ社製)
全自動揮発性成分抽出導入装置:MultiPurposeSampler MPS2XL(ゲステル社製)
予備加温:40℃5分間
攪拌:なし
揮発性成分抽出:40℃30分間
揮発性成分の脱着時間:3分間
GCオーブン:GC7890A(アジレントテクノロジーズ社製)
カラム:VF−WAXms,60m×0.25mmi.d. df=0.50μm(ア
ジレントテクノロジーズ社製)
GC温度条件:40℃(5分間)→5℃/分→260℃(11分間)
キャリアーガス:ヘリウム,1.2ml/分,流量一定モード
インジェクション:スプリットレス法
インレット温度:250℃
質量分析装置:GC/MS Triple Ouad7000(アジレントテクノロジーズ社製)
イオン化方式:EI(70eV)
測定方式:スキャン測定、またはスキャン&SIM同時測定
スキャンパラメータ:m/z35〜350
定量イオンは以下に示すイオンから、検出感度、ピーク形状、及びピーク分離が良好なものを選択できる:グアイアコール m/z109、124、又は81(本実施例においては81);p−エチルフェノール m/z107、122、又は77(本実施例においては107);p−クレゾール m/z107、108、77、又は79(本実施例においては107);フェノール m/z94、66、又は65(本実施例においては94);2−アセチルピロール m/z94、109、又は66(本実施例においては94)。
なお、上記イオンのいずれを用いてもピーク形状又は感度が良好でない場合は、試料液を蒸留水で適切な倍率に希釈するか、SIMモードを用いることができる。
<フルフリルメチルスルフィド、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド、及びフルフリルチオアセテートの分析条件>
試料液5mlをネジ付き20ml容ガラス瓶(直径18mm,ゲステル社製)に入れてPTFE製セプタム付き金属蓋(ゲステル社製)にて密栓し、固相マイクロ抽出法(SPME)にて香気成分の抽出を行った。定量は、GC/MSのEICモードにて検出されたピーク面積を用い、標準添加法にて行った。使用した機器及び条件を以下に示す。
SPMEファイバー:StableFlex/SS,50/30μm DVB/CAR
/PDMS,(スペルコ社製)
全自動揮発性成分抽出導入装置:MultiPurposeSampler MPS2XL(ゲステル社製)
予備加温:40℃5分間
攪拌:なし
揮発性成分抽出:40℃30分間
揮発性成分の脱着時間:3分間
GCオーブン:GC7890A(アジレントテクノロジーズ社製)
カラム:VF−WAXms,60m×0.25mmi.d. df=0.50μm(ア
ジレントテクノロジーズ社製)
GC温度条件 :40℃(5分間)→5℃/分→260℃(11分間)
キャリアーガス:ヘリウム,1.2ml/分,流量一定モード
インジェクション:スプリットレス法
インレット温度:250℃
質量分析装置:GC/MS Triple Ouad7000(アジレントテクノロジーズ社製)
イオン化方式:EI(70eV)
測定方式:スキャン測定、またはスキャン&SIM同時測定
スキャンパラメータ:m/z35〜350
定量イオンは以下に示すイオンから、検出感度、ピーク形状、及びピーク分離が良好なものを選択できる:フルフリルメチルスルフィド m/z81、128、53、45、8
2、129、又は130(本実施例においては129)、フルフリルメチルジスルフィド
m/z81、160、53、又は82(本実施例においては82)、フルフリルチオア
セテート m/z81、156、113、53、82、114、又は115(本実施例に
おいては113)。上記イオンのいずれを用いてもピーク形状又は感度が良好でない場合は、試料液を蒸留水で適切な倍率に希釈するか、SIMモードを用いることができる。
フルフリルメルカプタンは以下の条件を変更して測定した。測定方式:MRM測定、プリカーサーイオン:m/z114、プロダクトイオン:m/z81、コリジョンエネルギー10、ドゥエル200ms。ピーク形状が良好でない場合は、試料液を蒸留水で適切な倍率に希釈することができる。
3.官能評価
上記1で調製したレトルト殺菌後の容器詰めコーヒー飲料のサンプル(実施例及び比較例)及び市販品1〜3を常温(20℃)と加温(60℃)に保管し、液温をそれぞれの温度にし、開栓後における各コーヒー飲料の官能評価を3名の訓練された専門パネラーによって行い、コーヒー飲料の苦味と後味のキレについて評価した。具体的には、各専門パネラー毎に下記基準に基づいて、0.1点刻みで点数付けを行い、その平均点を表2〜7に示した。常温時及び加温時ともに、加温時の市販品1(コントロール)の官能評価結果(官能評価点:3点)を基準として官能評価を実施し、平均点3点を超えるものが液温にかかわらず苦味が抑制された好ましいコーヒー飲料であると判定した。
<評価点の基準>
5.0点:コントロールと比較して、苦味がとても抑制され、後味のキレが極めて良い。4.0点:コントロールと比較して、苦味が抑制され、後味のキレが良い。
3.0点:コントロールと同程度の苦味と後味のキレである。
2.0点:コントロールと比較して、苦味があり、後味のキレが悪い。
1.0点:コントロールと比較して、苦味が強く、後味のキレが非常に悪い。
4.結果
(1)試験例1
試験例1では、グアイアコールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表2に示す通り、グアイアコール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例1−1〜1−12)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
また、実施例1−1〜1−4では、グアイアコールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量の比率(フルフリルメチルスルフィド含有量/グアイアコール含有量)が高いほど、より効果が得られる傾向にあることも示された。
なお、表3に示す通り、グアイアコールの含有量が本発明の範囲外である市販品1〜3は、いずれも常温時の官能評価点が3点を下回り、常温時には苦味が強く、後味のキレも悪いことが示された。
Figure 2018148875
Figure 2018148875
(2)試験例2
試験例2では、p−エチルフェノールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表4に示す通り、p−エチルフェノール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例1−1、2−2〜2−7)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
また、p−エチルフェノールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量の比率(フルフリルメチルスルフィド含有量/p−エチルフェノール含有量)が高いほど、より効果が得られる傾向にあることも示された。
Figure 2018148875
(3)試験例3
試験例3では、p−クレゾールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表5に示す通り、p−クレゾール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例1−1、3−2〜3−7)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
また、p−クレゾールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量の比率(フルフリルメチルスルフィド含有量/p−クレゾール含有量)が高いほど、より効果が得られる傾向にあることも示された。
Figure 2018148875
(4)試験例4
試験例4では、フェノールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表6に示す通り、フェノール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例1−1、4−2〜4−8)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
また、実施例1−1、実施例4−2〜4−4においては、フェノールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量の比率(フルフリルメチルスルフィド含有量/フェノール含有量)が高いほど、より効果が得られる傾向にあることも示された。
Figure 2018148875
(5)試験例5
試験例5では、2−アセチルピロールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表7に示す通り、2−アセチルピロール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例1−1、5−2〜5−8)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
また、実施例1−1、5−2〜5−4においては、2−アセチルピロールの含有量に対する、フルフリルメチルスルフィドの含有量の比率(フルフリルメチルスルフィド含有量/2−アセチルピロール含有量)が高いほど、より効果が得られる傾向にあることも示さ
れた。
Figure 2018148875
(6)試験例6
試験例6では、フルフリルメルカプタン、フルフリルジスルフィド及びフルフリルチオアセテートの含有量が、常温及び高温における苦味に及ぼす影響を評価した。表8に示す通り、2−アセチルピロール及びフルフリルメチルスルフィドの含有量が本発明の所定の範囲内にあるコーヒー飲料(実施例8−1〜8−20)では、常温時でも加温時でも官能評価点が3点を超えており、飲料の液温にかかわらず苦味が抑制され、後味のキレが良好であることが示された。
Figure 2018148875
本発明は、飲料の液温にかかわらず、苦味が抑制され、後味のキレが良好なコーヒー飲料を提供するものであるため、産業上の利用可能性が高い。

Claims (9)

  1. グアイアコール含有量が10〜600μg/Lであり、
    フルフリルメチルスルフィド含有量が22〜1000μg/Lである、容器詰めコーヒー飲料。
  2. 飲料中のグアイアコール含有量が100〜500μg/Lである、請求項1記載の容器詰めコーヒー飲料。
  3. さらに、下記(i)〜(iv)の少なくとも1つを満たす、請求項1又は2記載の容器詰めコーヒー飲料:
    (i)飲料中のp−エチルフェノール含有量が2〜20μg/Lである;
    (ii)飲料中のp−クレゾール含有量が2〜20μg/Lである;
    (iii)飲料中のフェノール含有量が50〜1100μg/Lである;
    (iv)飲料中の2−アセチルピロール含有量が300〜1500μg/Lである。
  4. 飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量が150〜500μg/Lである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  5. さらに、下記(v)〜(vii)の少なくとも1つを満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の容器詰めコーヒー飲料:
    (v)飲料中のフルフリルメルカプタン含有量が1800〜5000μg/Lである;
    (vi)飲料中のフルフリルジスルフィド含有量が25〜300μg/Lである;
    (vii)飲料中のフルフリルチオアセテート含有量が25〜300μg/L。
  6. ブラックコーヒーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  7. 飲料のBrix値が0.4以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  8. 再栓可能な蓋付き容器に充填された、請求項1〜7のいずれか一項に記載の容器詰めコーヒー飲料。
  9. 容器詰めコーヒー飲料の製造方法であって、
    (i)飲料中のグアイアコール含有量を10〜600μg/Lに調整する工程、
    (ii)飲料中のフルフリルメチルスルフィド含有量を22〜1000μg/Lに調整する工程、及び
    (iii)容器詰めする工程、
    を含む、前記製造方法。
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