JP2018148839A - ベイトリールおよびベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品 - Google Patents
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Abstract
Description
したがって、特許文献1〜3のベイトリールを適切に使用ができるのは、これらの制御機構に精通した釣り人に限定されている、というのが実情である。
第1発明のベイトリールは、スプール軸と該スプール軸に連結されたボビンを有するスプール部と、該スプール部の回転を制御し得る回転制御機構と、備えており、該回転制御機構は、前記スプール部の回転方向に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキと、該電磁ブレーキのブレーキ力を調整し得る前記スプール軸に取り付けて使用される距離調整部品と、を備えており、前記電磁ブレーキは、磁性体と、該磁性体に対向するように設けられた導電部材と、を備えており、前記距離調整部品は、前記スプール軸に対して非連結であって、前記ボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されたスプール軸固定部材と、前記導電部材が前記磁性体側に連結され、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えていることを特徴とする。
第2発明のベイトリールは、第1発明において、前記スプール軸固定部材は、前記ボビンの隔壁側の端部から突出した係止突起を備えており、前記ボビンの隔壁には、前記スプール軸固定部材を取り付けたときに、前記係止突起が挿通される係止孔が形成されており、前記係止突起の先端部には、該係止突起が前記係止孔に挿通された状態において、前記スプール軸固定部材が前記ボビンから離間しようとする力に抗して前記係止突起が前記係止孔に係合された状態を維持し得る係止爪が設けられていることを特徴とする。
第3発明のベイトリールは、第1または第2発明において、前記移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えていることを特徴とする。
第4発明のベイトリールは、第3発明において、前記スプール軸固定部材と前記移動部材が、前記カム機構によって連結されて一体となっていることを特徴とする。
第5発明のベイトリールは、第3または第4発明において、前記移動部材のカム溝が、周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝が、各溝の頂点で連続して交差するように形成されていることを特徴とする。
第6発明のベイトリールは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記回転制御機構は、前記距離調整部材を前記スプール軸に取り付けた状態において、前記距離調整部材と前記磁性体との間および/または前記距離調整部材と前記ボビンとの間に設けられるリング状の離間部材を備えていることを特徴とする。
(距離調整部品)
第7発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載のベイトリールが有するスプール部のスプール軸に取り付けて使用される距離調整部品であって、前記スプール軸に対して非連結であって、前記スプール部のボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されるスプール軸固定部材と、前記スプール軸に取り付けた状態において、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えていることを特徴とする。
第8発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第7発明において、前記スプール軸固定部材は、前記スプール軸に取り付けた状態において、前記ボビン側の端部から突出した係止突起を備えており、該係止突起の先端部には、該係止突起の軸方向に交差する方向に向かって突出した係止爪が設けられていることを特徴とする。
第9発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第7または第8発明において、前記移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えていることを特徴とする。
第10発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第9発明において、前記スプール軸固定部材と前記移動部材が、前記カム機構によって連結されて一体となっていることを特徴とする。
第11発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第9または第10発明において、前記移動部材のカム溝が、周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝が、各溝の頂点で連続して交差するように形成されていることを特徴とする。
第12発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第9、第10または第11発明において、前記カム軸が、円筒状に形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられているので、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。
第2発明によれば、スプール部のボビンに対してスプール軸固定部材を確実に固定することができ、かつスプール部のボビンへの取り付けやスプール部のボビンからの取り外しを容易に行うことができるようになる。
第3発明によれば、カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材および導電部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、回転制御機構の部品点数を少なくできるので、回転制御機構の取り外しや取り付けがより行い易くなる。
第4発明によれば、スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第5発明によれば、カム溝が移動部材の側壁に略対象となるように形成されているので、スプール部の回転方向に関わらず、スプール部の回転を制御することができる。このため、ベイトリールのモデルが右ハンドルモデルか左ハンドルモデルかに関わらず共通して使用することができる。
第6発明によれば、離間部材の数や厚みを調整することにより、スプール部の回転の制御をより適切に行うことができる。このため、利用者の技量や好みに応じた調整がより適切に行えるようになる。
(距離調整部品)
第7発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられるので、かかる距離調整部品を用いれば、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。
第8発明によれば、スプール部のボビンに対してスプール軸固定部材を確実に固定することができ、かつスプール部のボビンへの取り付けやスプール部のボビンからの取り外しを容易に行うことができるようになる。
第9発明によれば、カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けをより簡単に行うことができるようになる。
第10発明によれば、スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第11発明によれば、カム溝が移動部材の側壁に略対象となるように形成されているので、スプール部の回転方向に関わらず、スプール部の回転を制御することができる。このため、ベイトリールが右ハンドルモデルか左ハンドルモデルかに関わらず共通して使用することができる。
第12発明によれば、カム軸とカム溝との接点を小さくできるので、スプール軸固定部材に対する移動部材の移動をよりスムースに行わせることができる。
本発明のベイトリールは、電磁ブレーキを利用してスプール部の回転を制御することができる制御機構を備えたリールであって、かかる機構を構成する部品の着脱を容易にすることによって、利用者が容易にスプール部の回転を調整できるようにしたことに特徴を有している。
図1および図2において、符号fは、本実施形態のベイトリール1のフレーム示しており、この対向する左右のフレームf間に釣糸を巻きかけるためのスプール部2が設けられている。このスプール部2の一端にはハンドルHが連結されており、ハンドルHを回転すれば、スプール部2が回転するようになっている。そして、本実施形態のベイトリール1の表面は、内部に水や埃などが侵入しないようにカバーCで覆われている。
図1に示すように、このスプール部2、フレームf、f間にスプール軸3の両端が軸受けBに支持され回転自在に取り付けられている。
このスプール部2のスプール軸3の一の端部には、連結機構を介してスプール軸3の軸方向と略平行となるようにハンドル軸が連結されており、このハンドル軸はその端縁にハンドルHが連結されている。つまり、ハンドルHを回転させると、スプール部2が所定の方向に回転するように構成されている。
なお、以下、スプール部2のスプール軸3において、ハンドルHが連結される一の端部をハンドル側端部といい、反対側の他の端部を制御側端部という。
図1、図2および図7に示すように、スプール部2は、対向するフレームf、fの軸受けB、Bに両端が支持される棒状のスプール軸3と、このスプール軸3に連結した連結した釣糸を巻きかけるためのボビン4とを備えている。
なお、棒状のシャフト3aと軸挿入部3bは、一体となるように形成してもよい。
この隔壁4bは略中心部において上述したようにスプール軸3のシャフト3b表面に設けられた軸挿入部3bと連結するように形成されており、スプール軸3を挿入した状態において、両者が同軸となるように固定されている。
この係合孔4hは、後述するスプール軸固定部材11の本体部11aの係止突起11bの挿入部11by(図9参照)が挿通することができる大きさに形成されている。例えば、図7に示すように、係合孔4hは、円形状に形成できるが、楕円形状であっても、矩形状であってもよい。
一方、スプール部2の回転速度は、キャスティングされたルアー等が放物線の頂点付近を過ぎても、慣性の法則にて回り続けようとする。
すると、このままスプール部2が回転しつづければ、スプール部2のボビン4から供給される釣糸の量が、ルアー等によって引っ張られる釣糸の量よりも多くなるので、ボビン4から供給された余分な量の糸が絡みといった現象(いわゆるバックラッシュ)が発生することになる。
しかしながら、本実施形態のベイトリール1では、スプール部2の回転を制御する回転制御機構を備えているので、スプール部2のボビン4供給される釣糸の量と、ルアー等によって引っ張られる釣糸の量がズレ始めるタイミングまたはかかるタイミングよりも早めに回転制御機構が作動することによって、スプール部2が過回転になるのを防止することができるから、キャスティング等の際に発生するバックラッシュの発生を防止することができる(図3または図8参照)。
図1〜図3に示すように、本実施形態のベイトリール1の回転制御機構は、電磁ブレーキ15と、距離調整部品10とを備えている。
まず、距離調整部品10について説明する。
距離調整部品10は、断面円形に形成された中空な空間を有する筒状のスプール軸固定部材11と、断面円形に形成された中空な空間を有する筒状の移動部材12とを備えている。
スプール軸固定部材11と移動部材12は、互いに入れ子状態となるように配設されている。
具体的には、距離調整部品10は、スプール軸固定部材11の中空な空間内に移動部材12がスプール軸固定部材11とほぼ同軸となるように配設されている(図4(E参照))。そして、スプール軸固定部材11と移動部材12は、スプール軸固定部材11に対して移動部材12を抜き差しできるように配設されている。
図9に示すように、スプール軸固定部材11は、断面円形に形成された中空な空間を有する筒状の本体部11aを備えている。
このスプール軸固定部材11の本体部11aの大きさは、中空な空間内に配置する移動部材12の大きさによって適宜調整すればよく、とくに限定されない。
図1〜3または図8に示すように、スプール軸固定部材11の本体部11aの先端部(図9では紙面左側の端部)には、外方に向かって突出した係止突起11bが設けられている。具体的には、スプール軸固定部材11をスプール部2に取り付けた状態において、スプール軸固定部材11のボビン4の隔壁側の端部には、かかる端部から突出した係止突起11bが、ボビン4の隔壁に形成された係止孔4hに挿通可能となるように設けられている。
より具体的には、図2に示すように、この係止突起11bは、係合孔4hに挿入した状態において、この係合孔4hを囲む隔壁4bの内端縁に係合するように形成されている。つまり、係止突起11bを係合孔4hに挿通した状態において、スプール軸固定部材11は、ボビン4から離間しようとする力に抗して係止突起11bが係合孔4hに挿通された状態を維持できるように形成されている。
図9に示すように、この連結部11bxは、基端が本体部11aの先端部に、本体部11aの軸方向に対して略直交するように連結されている。挿入部11byは、基端が連結部11bxの先端部に連結し、本体部11aの軸方向と略平行になるように設けられている。
例えば、図9に示ように、一対の係止突起11bを本体部11aの中心軸を挟んで略対向する位置に設けてよい。この場合、係止突起11bが係合孔4hに挿通された状態を維持しやすくなる。
なお、係止突起11bは、一対に限定されず、3つでも二対でも5つでも設けてもよいのは言うまでもない。
連結部11bx同士の内面間の距離が、かかる連結部11byに対応する係合孔4hの内端縁間の距離よりも若干短くなるように形成する。そして、係止突起11bの連結部11bxを係合孔4hに挿通する際には、一対の係止突起11bを広げるようにして挿通する。
とくに、係止突起11bには、挿入部11byの先端部から突出した係止爪11bfが設けられているのが好ましい。具体的には、係止爪11bfは、係止突起11bの挿入部11byの軸方向と交差する方向に突出するように形成することができる。
この場合、図2および図3に示すように、スプール軸固定部材11の係止突起11bの挿入部11byをボビン4の隔壁4bに形成された係合孔4hに挿通すれば、挿入側とは反対側のボビン4の隔壁4b面において、係合孔4hを囲む隔壁4bの内端縁に係止爪11bfが引っかかるように係合させることができる。つまり、係止突起11bをボビン4の隔壁4bに固定することができるのである。
すると、スプール軸固定部材11に対してボビン4から離間しようとする力が加わったとしても、この係止爪11bによって確実にスプール軸固定部材11の係止突起11bが係止孔4hから抜け落ちるのを防止できる。つまり、スプール軸固定部材11の係止突起11bをボビン4の隔壁4bに形成された係合孔4hに挿通した状態を確実に維持することができる。したがって、かかる状態において、スプール部2のボビン4が回転すれば、ボビン4と一体回転し得るようにスプール軸固定部材11をスプール部2のボビン4に固定することができるのである。
なお、上記例では、スプール軸固定部材11をスプール部2のボビン4に固定する方法として、係止突起11bの挿入部11byをボビン4の隔壁4bに形成された係合孔4hに挿通する場合について説明したが、スプール軸固定部材11をスプール部2のボビン4に固定することができれば、上記構造に限定されない。
また、図9に示すように、スプール軸固定部材11の本体部11aの側壁には、内部と外部を連通する連通孔11gが形成されている。
図2〜図5に示すように、この連通孔11gは、棒状のカム軸13を挿通した状態で、かかるカム軸13の基端部を固定することができるように形成されている。
例えば、連通孔11gの内壁面にネジ溝が形成されており、カム軸13の基端部にネジ山を形成すれば、カム軸13を連通孔11gに螺合して固定することができる。また、連通孔11gの内壁面とカム軸13の基端部を接着剤で固定してもよいし、一体で形成してもよい。
図10に示すように、移動部材12は、断面円形に形成された中空な空間12hを有する筒状の本体部12aを備えている。この移動部材12の中空な空間12hは、スプール部2のスプール軸3を挿通するための貫通孔である。
図10に示すように、移動部材12の本体部12aの側壁には、カム溝12gが形成されている。このカム溝12gは、カム軸13の先端部が挿入される溝である。
なお、カム溝12gは、カム軸13の先端部を挿入することができれば、その深さはとくに限定されない。例えば、有底の溝に形成してもよいし、移動部材12の本体部12aの側壁の表裏を連通する溝となるように形成してもよい。
また、カム溝12gの形状としては、例えば、図5(B)、図6(A)または図10(A)に示すような平面視へ字状に形成することができるが、かかる形状に限定されない。例えば、平面視U字状や平面視V字状、コの字形に形成してもよい。
移動部材12とスプール軸固定部材11が、以上のごとき構成を有しているので、移動部材12をスプール軸固定部材11に対して以下のように移動させることができる。
なお、以下では、スプール軸固定部材11を固定した状態で説明する。
つまり、移動部材12の本体部11aを回転させれば、カム軸13とカム溝12gから構成されるカム機構によって、移動部材12の本体部12aが、スプール軸固定部材11に対してスプール軸3の軸方向に沿って基端部側(図6および図8では紙面左側)へ向かって移動するのである(図6(A)→図6(B)、図8(A)→図8(B))。このとき移動部材12の本体部12aは、図6または図8の左右方向の矢印に示す距離を移動する。
なお、このカム機構が、特許請求の範囲の「カム機構」に相当する。
しかも、カム機構のカム軸13の先端が移動部材12の側壁外面よりも内方に位置するように配設されているので、移動部材12がスプール軸3の軸方向に沿って移動しても移動部材12が所定の位置で止まりスプール軸固定部材11から離脱しない。
しかも、図3または図8に示すように、このように一体化した状態において、スプール部2に取り付ければ、移動部材12を上述したようにスプール軸固定部材11に対してスプール軸3の軸方向に沿って移動させることができるのである。
例えば、移動部材12の本体部12aの側壁に内部と外部を連通する連通孔(上述した連通孔11gに相当する)を形成する。この連通孔にカム軸13の基端部を固定する。一方、スプール軸固定部材11の本体部11aの側壁にカム溝(上述したカム溝12gに相当する)を形成する。そして、このカム溝にカム軸13の先端部を挿入する。以上のごとき構成を採用した場合にも、上述した場合と同様にカム軸とカム溝からなるカム機構によって、スプール軸固定部材11に対して移動部材12をスプール軸13に沿って移動させることができる。
上述したようにカム機構によってスプール軸固定部材11と移動部材12を一体化した構成を採用することによって、後述する、組み立て工程や取り外し工程において、スプール軸固定部材11と移動部材12を一体化した状態で取り扱えようになるので、取扱い性を向上させることができる。
そして、カム軸に相当するような小さな部材を小さな孔等に挿入するような煩雑で難しい組み立て作業や適切な組み立て順などを不要とするとともに、部品点数を削減し、組み立て後には、距離調整部品10として適切に機能させるという利点も得られる。つまり、上記のごとき構成を採ることによって、本発明のベイトリールの組み立てや分解等を非常に簡単に行うことができるようになる。
しかし、本発明のベイトリールでは、上述したような構成(スプール軸固定部材11と移動部材12を一体化した構成)を採用することによって、このような問題点を解消することができるようになり、リール構造を十分に把握していなくても適切に組み立てや取り外し等の作業を行うことができるようになるという利点も得られる。
なお、移動部材12の移動状態は、カム溝12gの傾斜角を調整することによって調整することが可能である。
例えば、カム溝12gが、頂点を通り対称面と一の溝のなす角(傾斜角)を鋭角になるように形成すれば、移動部材12とスプール軸固定部材11の回転差(言い換えれば、ボビン4の回転速度)に対する移動部材12の移動を大きくできる。その逆に傾斜角を鈍角にすれば移動部材12とスプール軸固定部材11の回転差に対する移動部材12の移動を小さくできる。つまり、カム溝12gの形状を調整すれば、ボビン4の回転速度に対する移動部材12の移動量を調整することができる。
図8(A)に示すように、付勢部材18を設ければ、ボビン4の回転速度に対する移動部材12の移動量の調整が行い易くなる。
図8(A)に示すように、付勢部材18は、距離調整部品10とスプール軸3の制御側端部との間に設けられており、距離調整部品10をスプール軸3のハンドル側端部に向かって付勢する部材である。そして、この付勢部材18は、制御側端部側に取り付けられたリング状の抜止部材r1によって付勢状態が維持されている。
この付勢部材18は、上記のごとき機能を有する部材であれば、とくに限定されない。例えば、公知のバネや、ゴムなどの弾性部材などを採用することができる。
バネを付勢部材18として採用した場合には、その材質や太さを調整によって付勢力を調整することができるので、移動部材12のスプール軸固定部材11に対する移動を簡単に調整することができる。
具体的には、スプール部2のボビン4が回転して、その回転速度が速くなると、付勢部材18の発生する付勢力に打ち勝って、移動部材12は、スプール軸3の軸方向へ移動するようになる。つまり、カム軸13がカム溝12gに案内されて移動部材12は、スプール軸3の軸方向へ移動するようになる。
図7に示すように、スプール部2のスプール軸3の制御側端部から、距離調整部品10、付勢部材18、リング状の抜止部材r1の順に取り付けて、最後に係止部材r2を取り付けて全体が外れないようにする。
ついで、このボビン4に固定した距離調整部品10に対してスプール軸3の制御側端部側から付勢部材18、抜止部材r1の順に取り付ける。
そして、最後に係止部材r2を取り付ければ組み立てが完成する。
このフランジ12fは、後述するブレーキ機構15の導電部材16を移動部材12の本体部12aに取り付ける際の位置決めとしき機能するものである。
以下、電磁ブレーキ15について説明する。
電磁ブレーキ15は、スプール部2のボビン4の回転方向に抗するブレーキ力を発生させる機能を有するものである。
図1〜図3に示すように、電磁ブレーキ15は、フレームf内面に設けられた磁性体17と、この磁性体17に対向するように設けられた導電部材16とを備えている。
電磁ブレーキ15の磁性体17は、後述する導電部材16に対して磁気を発生させる機能を有する部材である。
図1〜図3に示すように、磁性体17は、対向するフレームf、fのうち、スプール部2のスプール軸3の他端(図1および図3では紙面左右方向における左側に位置するスプール軸3の端部)が支持された軸受けB近傍のフレームf内面に設けられている。
この磁性体17は、上記機能を有する部材であれば、とくに限定されない。例えば永久磁石などの公知の部材を磁性体17として採用することができる。
また、磁性体17の配置方法や配置数もとくに限定されない。例えば、偶数の場合、スプール軸3の周方向にスプール軸3を挟んでそれぞれ対向するように配置してもよいし、奇数の場合には、隣接する磁性体17同士の距離が等間隔となるように配置してもよい。
電磁ブレーキ15の導電部材16は、磁性体17に接近させた際、磁性体17の作用によってその表面に渦電流が発生す導電性の部材である。
この場合、スプール部2の回転が速くなると、移動部材16は、スプール軸3の軸方向へ沿って磁性体17へ向かって移動して、円筒状の先端部が磁性体17の凹み部内に侵入する。このとき、磁性体17からの導電部材16に対する磁力は、先端部の侵入量に応じて変化する。このため、後述する導電部材16の回転方向に抗するブレーキ力(制動力)をより適切に調整できるという利点が得られる。
例えば、図11に示すように、導電部材16が円盤状の部材であり、中央に位置する内円16hの内径が、上述した移動部材12の本体部12aの基端部の外径よりも若干小さくなるように形成される。この場合、導電部材16を移動部材12の本体部12aの基端部に嵌め込めば、連結固定するように取り付けることができる。
このため、導電部材16は、スプール軸3の軸方向に沿って移動部材12の本体部12aの移動と一体移動する。しかも、移動部材12の本体部12は、スプール部2の回転に伴い回転するので、導電部材16は、回転しつつスプール軸3の軸方向に沿って移動する。
例えば、磁性体17の導電部材16に対向する部分がN極の場合、導電部材16の磁性体17に対向する面にはN極とS極が交互に発生する。つまり、磁性体17が近づいた箇所はN極となり、磁性体17から遠ざかる箇所では渦電流が反転しS極となる。このため、導電部材16と磁性体17との間には、両者を引き付け合う力が発生する。言い換えれば、導電部材16の回転方向に抗するブレーキ力(制動力)が発生するのである。
このため、電磁ブレーキ15の導電部材16が磁性体17に対して回転しながら接近(つまり、図3では導電部材16と磁性体17の間の距離がW2からW1になる)すると、スプール部2には、回転方向に抗する制動力が発生する。
なお、スプール部2の回転は、図1に示すようにスプール部2のボビン4に巻かれた釣糸を繰り出す方向に回転する場合について説明する(図1または図3では、スプール軸3のハンドル側端部から制御側端部方向に見たときに、時計回りにスプール部2が回転する場合)。
この初期段階では、スプール部2の回転速度はそれほど速くないので、スプール部2の回転により生じる回転力が、カム機構の干渉力および付勢部材18の付勢力との合力と同じか小さい状態となる。
この場合には、スプール部2の回転に伴いスプール部2のボビン4に固定された距離調整部品10のスプール軸固定部材11もスプール部2と一体回転する。
そして、この回転速度の上昇によって生じる回転力が、カム機構の干渉力および付勢部材18の付勢力との合力よりも大きくなる。すると、距離調整部品10の移動部材12の本体部12aが、スプール軸3の軸方向へ沿って移動する。
このとき、距離調整部品10の移動部材12の本体部12aの回転と、距離調整部品10のスプール軸固定部材11の本体部11aの回転(言い換えれば、スプール部2の回転)との間に回転差が生じた状態となる。
すると、導電部材16は、磁性体17の磁界から受ける電磁力が小さくなるので、スプール部2に作用する制動力も解消される。したがって、飛距離を不必要に低下させることなく、スプール部2に適度な制動力を付与しつつ、バックラッシュを効果的に防止することができる。
なお、電磁ブレーキ15の制動力の調整は、上述した磁性体17の材質や配置方法等に限定されない。
例えば、スプール軸3に距離調整部品10を取り付けたときの、距離調整部品10の移動部材12に固定された導電部材16と磁性体17の距離(W)によっても調整することができる。
この離間部材20は、上記のごとくスプール軸3に取り付けることができる板状の部材であれば、とくに限定されない。例えば、座金(ワッシャ)などの公知のものを採用することができる。
このため、利用者の技量や好みに応じた調整がより適切に行えるようになる。しかも、特殊部品でもないので、調整の自由度をより向上させることができる。すると、利用者は、離間部材20を調整することによって、自己のキャスティングの特性や釣糸の繰り出す際のテンションなど、好み応じたスプール部2の回転となるように調整することができる。
この場合、導電部材16と磁性体17の距離が遠くなることから、高回転時における電磁ブレーキ15の制動力を小さくできる。
なお、かかるワッシャ20の厚みを厚くしたり、枚数を増加させれば、両者間の距離をより遠くできるので、さらに制動力を小さくできる。
この場合、導電部材16と磁性体17の距離が近くなることから、スプール部2が低速で回転する際の電磁ブレーキ15による制動力を強くできる。
なお、かかるワッシャ20の厚みを厚くしたり、枚数を増加させれば、両者間の距離をより近くできるので、制動力をより強くできる。
スプール部2の素材は、一般的なリールに使用されるものであれば、とくに限定されない。
例えば、上記のように、シャフト3aをステンレス、軸挿入部3bをアルミニウムで形成すれば、強度を高く維持しつつ慣性重量を小さいくできる。すると、耐久性と作動性を両立させることができる。
しかも、耐水性を有しつつ表面の滑らかな性を向上させることもできる。すると、スプール軸3の軸挿入部3bの表面と、距離調整部品10の移動部材12の本体部12a内面との摩擦係数を小さくできるので、移動部材12の本体部12の摺動性を高くできる。つまり、スプール軸3における、距離調整部品10の移動部材12の本体部12aの移動をよりスムースに行わせることができる。
2 スプール部
3 スプール軸
4 ボビン
10 距離調整部品
11 スプール軸固定部材
12 移動部材
15 電磁ブレーキ
16 導電部材
17 磁性体
f フレーム
B 軸受け
第1発明のベイトリールは、スプール軸と該スプール軸に連結されたボビンを有するスプール部と、該スプール部の回転を制御し得る回転制御機構と、備えており、該回転制御機構は、前記スプール部の回転方向に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキと、該電磁ブレーキのブレーキ力を調整し得る前記スプール軸に取り付けて使用される距離調整部品と、を備えており、前記電磁ブレーキは、磁性体と、該磁性体に対向するように設けられた導電部材と、を備えており、前記距離調整部品は、前記スプール軸に対して非連結であって、前記ボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されたスプール軸固定部材と、前記導電部材が前記磁性体側に連結され、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えており、前記スプール軸固定部材は、前記ボビンの隔壁側の端部から突出した係止突起を備えており、前記ボビンの隔壁には、前記スプール軸固定部材を取り付けたときに、前記係止突起が挿通される係止孔が形成されており、前記係止突起の先端部には、該係止突起が前記係止孔に挿通された状態において、前記スプール軸固定部材が前記ボビンから離間しようとする力に抗して前記係止突起が前記係止孔に係合された状態を維持し得る係止爪が設けられていることを特徴とする。
第2発明のベイトリールは、第1発明において、前記移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えていることを特徴とする。
第3発明のベイトリールは、第2発明において、前記スプール軸固定部材と前記移動部材とが、前記カム機構によって移動しつつ離脱しないように一体となっていることを特徴とする。
第4発明のベイトリールは、スプール軸と該スプール軸に連結されたボビンを有するスプール部と、該スプール部の回転を制御し得る回転制御機構と、備えており、該回転制御機構は、前記スプール部の回転方向に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキと、該電磁ブレーキのブレーキ力を調整し得る前記スプール軸に取り付けて使用される距離調整部品と、を備えており、前記電磁ブレーキは、磁性体と、該磁性体に対向するように設けられた導電部材と、を備えており、前記距離調整部品は、前記スプール軸に対して非連結であって、前記ボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されたスプール軸固定部材と、前記導電部材が前記磁性体側に連結され、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えており、該移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸、または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えており、前記スプール軸固定部材と前記移動部材とが、前記カム機構によって移動しつつ離脱しないように一体となっていることを特徴とする。
第5発明のベイトリールは、第2、第3または第4発明において、前記移動部材または前記スプール軸固定部材のカム溝が、周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝であって、前記スプール軸の中心軸を通る面に対して対称となるように形成されていることを特徴とする。
第6発明のベイトリールは、第1、第2、第3、第4または第5発明において、前記回転制御機構は、前記距離調整部材を前記スプール軸に取り付けた状態において、前記導電部材を前記ボビンに向かって付勢する付勢部材の反導電部材側の端部に設けられる抜け止め部材と該抜け止め部材の前記スプール軸の軸方向への移動を制限する係止部材との間および/または前記距離調整部材と前記ボビンとの間に設けられ、前記電磁ブレーキが発生するブレーキ力を調整するリング状の離間部材を備えていることを特徴とする。
(距離調整部品)
第7発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載のベイトリールが有するスプール部のスプール軸に取り付けて使用される距離調整部品であって、前記スプール軸に対して非連結であって、前記スプール部のボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されるスプール軸固定部材と、
前記スプール軸に取り付けた状態において、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えており、前記スプール軸固定部材は、前記スプール軸に取り付けた状態において、前記ボビン側の端部から突出した係止突起を備えており、該係止突起の先端部には、該係止突起の軸方向に交差する方向に向かって突出した係止爪が設けられていることを特徴とする。
第8発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第7発明において、前記移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えていることを特徴とする。
第9発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第8発明において、前記移動部材または前記スプール軸固定部材のカム溝が、周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝であって、前記スプール軸の中心軸を通る面に対して対称となるように形成されていることを特徴とする。
第10発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第1発明乃至第6発明のいずれかに記載のベイトリールが有するスプール部のスプール軸に取り付けて使用される距離調整部品であって、前記スプール軸に対して非連結であって、前記スプール部のボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されるスプール軸固定部材と、前記スプール軸に取り付けた状態において、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えており、前記移動部材は、該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、前記カム機構は、基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えており、前記スプール軸固定部材と前記移動部材とが、前記カム機構によって移動しつつ離脱しないように一体となっていることを特徴とする。
第11発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第8、第9または第10発明において、前記移動部材または前記スプール軸固定部材のカム溝が、周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝であって、前記スプール軸の中心軸を通る面に対して対称となるように形成されていることを特徴とする。
第12発明のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品は、第8、第9、第10または第11発明において、前記カム軸が、円筒状に形成されていることを特徴とする。
第1発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられているので、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。スプール部のボビンに対してスプール軸固定部材を確実に固定することができ、かつスプール部のボビンへの取り付けやスプール部のボビンからの取り外しを容易に行うことができるようになる。
第2発明によれば、カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材および導電部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、回転制御機構の部品点数を少なくできるので、回転制御機構の取り外しや取り付けがより行い易くなる。
第3発明によれば、スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第4発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられているので、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けをより簡単に行うことができるようになる。スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第5発明によれば、カム溝が移動部材の側壁に略対象となるように形成されているので、スプール部の回転方向に関わらず、スプール部の回転を制御することができる。このため、ベイトリールのモデルが右ハンドルモデルか左ハンドルモデルかに関わらず共通して使用することができる。
第6発明によれば、離間部材の数や厚みを調整することにより、スプール部の回転の制御をより適切に行うことができる。このため、利用者の技量や好みに応じた調整がより適切に行えるようになる。
(距離調整部品)
第7発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられるので、かかる距離調整部品を用いれば、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。スプール部のボビンに対してスプール軸固定部材を確実に固定することができ、かつスプール部のボビンへの取り付けやスプール部のボビンからの取り外しを容易に行うことができるようになる。
第8発明によれば、カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けをより簡単に行うことができるようになる。
第9発明によれば、スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第10発明によれば、スプール軸固定部材がスプール部のボビンに対して着脱可能に取り付けられるので、かかる距離調整部品を用いれば、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けを簡単に行うことができるようになる。このため、このため、リールの構造に精通していない利用者であっても自己の技量に応じたスプール部の回転を調整できるようになる。カム機構によってスプール軸固定部材と移動部材を常時連結させた状態とすることができる。つまり、距離調整部品を一体型の組立体とすることができる。このため、スプール部からの距離調整部品の取り外しや、スプール部への取り付けをより簡単に行うことができるようになる。スプール軸固定部材と移動部材がカム機構によって連結されて一体となっているので、取り付けや取り外しなど、取扱い性を向上させることができる。
第11発明によれば、カム溝が移動部材の側壁に略対象となるように形成されているので、スプール部の回転方向に関わらず、スプール部の回転を制御することができる。このため、ベイトリールが右ハンドルモデルか左ハンドルモデルかに関わらず共通して使用することができる。
第12発明によれば、カム軸とカム溝との接点を小さくできるので、スプール軸固定部材に対する移動部材の移動をよりスムースに行わせることができる。
Claims (12)
- スプール軸と該スプール軸に連結されたボビンを有するスプール部と、
該スプール部の回転を制御し得る回転制御機構と、備えており、
該回転制御機構は、
前記スプール部の回転方向に抗するブレーキ力を発生させる電磁ブレーキと、
該電磁ブレーキのブレーキ力を調整し得る前記スプール軸に取り付けて使用される距離調整部品と、を備えており、
前記電磁ブレーキは、
磁性体と、該磁性体に対向するように設けられた導電部材と、を備えており、
前記距離調整部品は、
前記スプール軸に対して非連結であって、前記ボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されたスプール軸固定部材と、
前記導電部材が前記磁性体側に連結され、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えている
ことを特徴とするベイトリール。 - 前記スプール軸固定部材は、
前記ボビンの隔壁側の端部から突出した係止突起を備えており、
前記ボビンの隔壁には、
前記スプール軸固定部材を取り付けたときに、前記係止突起が挿通される係止孔が形成されており、
前記係止突起の先端部には、
該係止突起が前記係止孔に挿通された状態において、前記スプール軸固定部材が前記ボビンから離間しようとする力に抗して前記係止突起が前記係止孔に係合された状態を維持し得る係止爪が設けられている
ことを特徴とする請求項1記載のベイトリール。 - 前記移動部材は、
該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、
前記カム機構は、
基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝に挿入されたカム軸または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えている
ことを特徴とする請求項1または2記載のベイトリール。 - 前記スプール軸固定部材と前記移動部材が、前記カム機構によって連結されて一体となっている
ことを特徴とする請求項3記載のベイトリール。 - 前記移動部材のカム溝が、
周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝が、各溝の頂点で連続して交差するように形成されている
ことを特徴とする請求項3または4記載のベイトリール。 - 前記回転制御機構は、
前記距離調整部材を前記スプール軸に取り付けた状態において、前記距離調整部材と前記磁性体との間および/または前記距離調整部材と前記ボビンとの間に設けられるリング状の離間部材を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のベイトリール。 - 請求項1〜6のいずれかに記載のベイトリールが有するスプール部のスプール軸に取り付けて使用される距離調整部品であって、
前記スプール軸に対して非連結であって、前記スプール部のボビンに対して着脱可能かつ一体回転し得るように固定されるスプール軸固定部材と、
前記スプール軸に取り付けた状態において、前記スプール部の回転に応じて前記スプール軸の軸方向に沿って移動可能に設けられた移動部材と、を備えている
ことを特徴とするベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。 - 前記スプール軸固定部材は、
前記スプール軸に取り付けた状態において、前記ボビン側の端部から突出した係止突起を備えており、
該係止突起の先端部には、
該係止突起の軸方向に交差する方向に向かって突出した係止爪が設けられている
ことを特徴とする請求項7記載のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。 - 前記移動部材は、
該移動部材と前記スプール軸固定部材との間に設けられたカム機構によって前記移動が案内されており、
前記カム機構は、
基端が前記スプール軸固定部材に固定され先端が前記移動部材のカム溝または、基端が前記移動部材に固定され先端が前記スプール軸固定部材のカム溝に挿入されたカム軸、を備えている
ことを特徴とする請求項7または8記載のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。 - 前記スプール軸固定部材と前記移動部材が、前記カム機構によって連結されて一体となっている
ことを特徴とする請求項9記載のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。 - 前記移動部材のカム溝が、
周方向に向きを変えるように形成された一対の弧状の溝が、各溝の頂点で連続して交差するように形成されている
ことを特徴とする請求項9または10記載のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。 - 前記カム軸が、円筒状に形成されている
ことを特徴とする請求項9、10または11記載のベイトリールの回転制御機構に用いられる距離調整部品。
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