以下、本発明の一実施形態による給電システムについて、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る第1の実施形態による給電システム100の一例を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、給電システム100は、給電装置1と、受電装置2を有する電子機器3とを備えている。
給電システム100は、給電装置1から受電装置2にワイヤレス(非接触)により電力を供給するシステムであり、例えば、受電装置2が備える負荷26を動作させる電力を、給電装置1から受電装置2に供給する。
電子機器3は、例えば、携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistant)などであり、受電装置2と負荷26とを備える。また、給電装置1は、例えば、受電装置2に対応する充電器などである。
<給電装置1の構成>
給電装置1は、給電コイル11と、共振コンデンサ12と、駆動トランジスタ13と、駆動信号生成部14と、波高値変動検出部15と、駆動制御部16とを備えている。
給電コイル11は、電源VCCに接続され、第2端子がノードN1に接続されている。給電コイル11は、例えば、電磁誘導、又は電磁結合により、受電装置2が備える受電コイル21に電力を供給するコイルである。給電コイル11は、受電装置2に給電する際に、受電コイル21と対向して配置され、電磁誘導により受電コイル21に給電する。
共振コンデンサ12は、給電コイル11と並列に接続されており、給電コイル11と共振するコンデンサである。ここで、給電コイル11と共振コンデンサ12とは、共振回路10を構成している。共振回路10は、給電コイル11のインダクタンス値と共振コンデンサ12の容量値とにより定まる所定の共振周波数(例えば、100kHz(キロヘルツ))により共振する。
駆動トランジスタ13(第2のスイッチング素子)は、例えば、FET(電界効果トランジスタ)であり、共振回路10に直列に接続されている。本実施形態では、一例として、駆動トランジスタ13が、N型チャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)FETである場合について説明する。なお、以下の説明において、MOSFETをMOSトランジスタといい、N型チャネルMOSトランジスタをNMOSトランジスタという場合がある。
具体的に、駆動トランジスタ13は、ソース端子が電源GNDに接続され、ゲート端子が駆動信号生成部14の出力信号線に接続され、ドレイン端子がノードN1に接続されている。駆動トランジスタ13は、駆動信号生成部14が生成する駆動信号DRVによりオン状態(導通状態)とオフ状態(非導通状態)とを周期的に繰り返す。このように、駆動トランジスタ13は、給電コイル11を駆動する駆動信号DRVによって、オン状態とオフ状態とが周期的に変更される。すなわち、駆動トランジスタ13のスイッチング動作によって、共振回路10に電力の供給と開放とが繰り返えされる。これにより、給電コイル11に周期的な信号が発生し、給電コイル11から電磁誘導により受電コイル21に給電する。
駆動信号生成部14は、駆動トランジスタ13のオン状態とオフ状態とを変更して、給電コイル11を駆動する駆動信号DRVを生成する。ここで、駆動信号DRVは、駆動トランジスタ13のオン状態とオフ状態とを周期的に変更する信号である。すなわち、駆動信号生成部14は、駆動トランジスタ13のオン状態/オフ状態を周期的に制御する駆動信号DRVを生成する。また、駆動信号生成部14は、駆動制御部16から出力される制御信号に基づいて、駆動信号DRVを出力、又は駆動信号DRVの出力を停止する。
波高値変動検出部15(変動検出部の一例)は、後述する受電装置2の共振コンデンサ22の接続状態に応じた受電装置2の共振回路20の共振状態の変更を、給電コイル11に励起される励起電圧における周期的な波形の変動として検出する。なお、周期的な波形の変動には、励起電圧におけるピーク電圧の変動が含まれ、本実施形態では、波高値変動検出部15は、受電装置2の共振回路20の共振状態の変更を、給電コイル11に励起される励起電圧におけるピーク電圧の変動として検出する。波高値変動検出部15は、検出したピーク電圧の変動の検出結果を駆動制御部16に出力する。
波高値変動検出部15は、例えば、サンプルホールド回路を利用して、給電コイル11に励起されるピーク電圧を保持し、ピーク電圧の変動を検出する。
駆動制御部16は、駆動信号生成部14に駆動信号DRVを駆動トランジスタ13に供給するとともに、共振コンデンサ22の電気的な接続状態の変更により検出される、給電コイル11に励起される励起電圧における周期的な波形の変動に基づいて、受電装置2に給電可能な状態であるか否かを判定する。駆動制御部16は、当該判定結果に基づいて、駆動トランジスタ13に駆動信号を継続して供給するか否かの制御を行う。すなわち、駆動制御部16は、波高値変動検出部15が検出したピーク電圧の変動に基づいて、受電装置2に給電可能な状態であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVを継続して供給するか否かの制御を行う。
駆動制御部16は、例えば、受電装置2に給電可能な状態であると判定した場合に、駆動信号生成部14に駆動信号DRVの供給を継続させて、連続して給電コイル11を駆動する連続駆動を行う。また、駆動制御部16は、例えば、受電装置2に給電可能な状態でないと判定した場合に、駆動信号生成部14に駆動信号DRVの供給を停止させて、間欠的に(断続的に)して給電コイル11を駆動する間欠駆動を行う。なお、受電装置2に給電可能な状態でない(給電不可能な状態)とは、例えば、受電装置2がない場合(給電コイル11と受電コイル21との位置が適切でない場合も含む)や、金属異物が給電コイル11の上に置かれた場合などのことである。
具体的に、駆動制御部16は、例えば、予め定められた検出期間(第1の期間)に、駆動信号生成部14に駆動信号DRVを駆動トランジスタ13に供給させ、波高値変動検出部15に対してピーク電圧の変動を検出させる。そして、駆動制御部16は、この検出期間において受電装置2に給電可能な状態であると判定した場合に、検出期間後の予め定められた給電期間(第2の期間)に、駆動信号生成部14に駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を継続させ、給電コイル11を連続的に駆動する。駆動制御部16は、検出期間において受電装置2に給電可能な状態でないと判定した場合に、検出期間後の給電期間に、駆動信号生成部14に駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を停止させて、給電コイル11を間欠的に駆動する。
<受電装置2の構成>
受電装置2は、受電コイル21と、共振コンデンサ22と、共振制御トランジスタ23と、整流ダイオード24と、平滑コンデンサ25と共振制御部30とを備えている。また、受電装置2は、負荷26に給電装置1から受電した電力を供給する。
受電コイル21は、第1端子がノードN2に接続され、第2端子が電源GND1に接続されている。受電コイル21は、例えば、電磁誘導、又は電磁結合により、給電装置1が備える給電コイル11から電力を供給されるコイルである。受電コイル21は、負荷26に電力を供給する際に、給電コイル11と対向して配置される。
共振コンデンサ22は、受電コイル21と並列に接続されており、受電コイル21と共振するコンデンサである。共振コンデンサ22は、ノードN2とノードN3との間に接続されている。
ここで、受電コイル21と共振コンデンサ22と共振制御トランジスタ23とは、共振回路20を構成している。共振回路20は、受電コイル21のインダクタンス値と共振コンデンサ22の容量値とにより定まる所定の共振周波数(例えば、100kHz)により共振する。なお、本実施形態では、受電装置2の共振周波数と給電装置1の共振周波数とは等しく、例えば、100kHzである。
共振制御トランジスタ23(第1のスイッチング素子の一例)は、共振コンデンサ22の電気的な接続状態を変更して、共振回路20の共振状態と非共振状態とを切り替えるスイッチング素子である。共振制御トランジスタ23は、共振コンデンサ22とともに受電コイル21と並列に接続され、且つ、共振コンデンサ22と直列に接続されている。共振制御トランジスタ23は、例えば、NMOSトランジスタであり、ソース端子が電源GND1に接続され、ドレイン端子がノードN3に接続されている。また、共振制御トランジスタ23は、ゲート端子が後述する共振制御部30からの出力信号線に接続されている。共振制御トランジスタ23は、共振制御部30によって、オン状態にされることにより共振コンデンサ22が機能し、共振回路20に共振を発生させる。また、共振制御トランジスタ23は、共振制御部30によって、オフ状態にされることにより共振コンデンサ22が電気的に切り離され、共振回路20の共振を停止させる。
整流ダイオード24は、アノード端子が受電コイル21の一端であるノードN2に接続され、カソード端子が平滑コンデンサ25の一端であるノードN4に接続されている。整流ダイオード24は、受電コイル21が受電した電力を整流して、直流電力に変換する。すなわち、整流ダイオード24は、受電コイル21に発生する交流電力(交流電圧)を直流電力(直流電圧)に変換し、負荷26に電力を供給する。
平滑コンデンサ25は、整流ダイオード24が変換した直流電力を平滑化する。
負荷26は、例えば、電子機器3が備える各種回路、駆動部、蓄電池や二次電池を充電する回路などであり、整流ダイオード24によって整流された直流電圧によって動作又は充電される。なお、負荷26は、例えば、マイコン(マイクロコンピュータ)を使用したシステム、当該システムの電源回路、オーディオアンプ、無線回路、センサ回路、照明駆動回路、表示回路などであってもよい。
共振制御部30は、共振制御トランジスタ23を制御することにより、共振回路20の共振状態を制御する。共振制御部30は、給電コイル11から受電コイル21が受電した受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振制御トランジスタ23を制御する。共振制御部30は、例えば、受電コイル21が受電した受電電力を整流して負荷26に供給する供給線の電圧(ノードN4の電圧)に基づいて、共振制御トランジスタ23を制御する。なお、この供給線の電圧(ノードN4の電圧)は、受電電力と負荷26の消費電力とに応じて変動する。そのため、供給線の電圧(ノードN4の電圧)に基づいて、共振制御トランジスタ23を制御することは、受電電力と負荷26の消費電力とに基づいて、共振制御トランジスタ23を制御することの一例である。
共振制御部30は、例えば、供給線の電圧(ノードN4の電圧)が所定の閾値以上である場合に、共振回路20が非共振状態になるように、共振制御トランジスタ23を制御する。また、共振制御部30は、例えば、供給線の電圧(ノードN4の電圧)が所定の閾値より小さい場合に、共振回路20が共振状態になるように、共振制御トランジスタ23を制御する。
また、共振制御部30は、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。共振制御部30は、例えば、受電コイル21の電圧(ノードN2)が所定の電圧値以下(例えば、0V以下)になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
ここで、所定の期間は、例えば、駆動信号DRVの1周期(受電コイル21の電圧の1周期に対応)に基づいて定められている。所定の期間は、例えば、駆動信号DRVの1周期分の期間、駆動信号DRVの1周期に所定の割合を乗算した期間、駆動信号DRVの1周期にバラツキ分を考慮して、所定の値を加算、又は減算した期間などである。なお、共振制御部30は、共振回路20を非共振状態にする場合に、推定される次回の通電期間の全期間を含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にするようにしてもよい。また、以下の説明において、駆動信号DRVの周期のことを駆動周期ということがある。
また、共振制御部30は、抵抗(31、32)と、コンパレータ(33、36)、同期回路35と、基準電源(34、37)とを備えている。
抵抗31は、第1端子がノードN4に接続され、第2端子がノードN5に接続されている。また、抵抗32は、第1端子がノードN5に接続され、第2端子が電源GND1に接続されている。抵抗31と抵抗32とは、ノードN4と電源GND1との間に直列に接続され、抵抗31と抵抗32との抵抗値に比率によりノードN4の電圧を抵抗分圧して降圧した電圧をノードN5に出力する。
コンパレータ33(共振判定部の一例)は、+入力端子が基準電源34に接続され、−入力端子がノードN5に接続されている。コンパレータ33は、ノードN5の電圧と、基準電源34の出力電圧とを比較し、ノードN5の電圧が、基準電源34の出力電圧以上である場合に、共振制御トランジスタ23をオフ状態にするための信号(L(ロウ)状態)をノードN6に出力する。また、コンパレータ33は、ノードN5の電圧が、基準電源34の出力電圧より小さい場合に、共振制御トランジスタ23をオン状態にするための信号(H(ハイ)状態)をノードN6に出力する。また、基準電源34は、所定の閾値電圧を出力する定電圧源である。このように、コンパレータ33は、受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振回路20を非共振状態にするか否か(共振制御トランジスタ23をオフ状態にするか否か)を判定する。
コンパレータ36は、+入力端子がノードN2に接続され、−入力端子が基準電源37に接続されている。コンパレータ36は、ノードN2の電圧(受電コイル21の電圧)と、基準電源37の出力電圧(所定の電圧)とを比較し、ノードN2の電圧が、基準電源37の出力電圧以下(例えば、所定の電圧値(電圧V0)以下)である場合に、L状態をノードN7に出力する。また、コンパレータ36は、ノードN2の電圧が、基準電源37の出力電圧より大きい場合に、H状態をノードN7に出力する。ここで、ノードN2の電圧(受電コイル21の電圧)は、電源GND1に対して、正の電圧と、負の電圧との両方の値を取り、基準電源37の出力電圧は、例えば、0Vである。
同期回路35(信号生成部の一例)は、コンパレータ33によって、共振回路20を非共振状態にする(共振制御トランジスタ23をオフ状態にする)と判定された場合に、共振制御トランジスタ23をオフ状態に制御する制御信号を生成する。同期回路35は、コンパレータ33の出力信号(ノードN6の信号)と、コンパレータ36の出力信号(ノードN7の信号)とに基づいて、制御信号を生成し、共振制御トランジスタ23のゲート端子に出力する。同期回路35は、例えば、受電コイル21の電圧(ノードN2)が所定の電圧値以下(例えば、0V以下)になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
具体的に、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36の出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。そして、同期回路35は、所定の期間(例えば、駆動信号DRVの1周期)経過後に、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、H状態を出力する。
次に、図面を参照して、本実施形態による給電システム100の動作について説明する。
図2は、本実施形態による受電装置2の共振制御処理の一例を示すフローチャートである。
図2において、給電装置1の給電コイル11から受電装置2の受電コイル21にワイヤレス(非接触)により電力が供給されると、受電装置2は、整流ダイオード24を介して出力される出力電圧(ノードN4の電圧)が電圧V1以上(所定の閾値以上)あるか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、共振制御部30が、抵抗31及び抵抗32によりノードN4の電圧(出力電圧)を抵抗分圧し、当該抵抗分圧した電圧(ノードN5の電圧)と基準電源34の出力電圧とをコンパレータ33が比較することにより、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上であるか否かを判定する。
共振制御部30は、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上である場合(ステップS101:YES)に、処理をステップS102に進める。また、共振制御部30は、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1未満である場合(ステップS101:NO)に、処理をステップS104に進める。
ステップS102において、共振制御部30は、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が電圧V0以下(所定の電圧値以下)になるタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。すなわち、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36の出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。
次に、共振制御部30の同期回路35は、駆動周期の1周期分経過したか否かを判定する(ステップS103)。駆動周期は、予め定められているため、同期回路35は、例えば、ワンショットマルチバイブレータ回路やタイマー回路などを利用して、駆動周期の1周期分経過したか否かを判定する。同期回路35は、駆動周期の1周期分経過していない場合(ステップS103:NO)に、処理をステップS103に戻し、駆動周期の1周期分経過するまで、ステップS103の処理を繰り返す。
また、同期回路35は、駆動周期の1周期分経過した場合(ステップS103:YES)に、処理をステップS101に戻し、ステップS101において、同期回路35は、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1未満である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、H状態を出力する(ステップS104)。ステップS104の処理後に、同期回路35は、処理をステップS101に戻す。
このように、本実施形態では、同期回路35は、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が所定の電圧値以下(電圧V0以下)になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(駆動周期の1周期分経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、このことは、共振制御部30が、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にすることに対応する。
次に、図3を参照して、本実施形態による受電装置2の共振制御処理の具体例について説明する。
図3は、本実施形態による受電装置2の共振制御処理の一例を示すタイミングチャートである。
この図において、波形W1〜波形W8は、上から順に、(a)給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)、(b)受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)、(c)受電コイル21の電流、(d)整流ダイオード24の電流、(e)出力電圧(負荷供給電圧)、(f)ノードN6の電圧(コンパレータ33の出力電圧)、(g)ノードN7の電圧(コンパレータ36の出力電圧)、及び(h)共振制御トランジスタ23のゲート電圧の波形をそれぞれ示している。ここで、(c)受電コイル21の電流は、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流である。また、各波形の縦軸は、(a)、(b)、及び(e)が電圧を示し、(c)及び(d)が電流を示し、(f)〜(h)が論理状態を示している。また、横軸は、時間を示している。
また、この図において、破線の波形Wesは、推定される共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間TR0の整流ダイオード24の電流波形を示している。また、期間DT0は、上述した駆動周期を示している。
この図において、基準電源37の出力電圧(電圧V0)は、0Vであり、コンパレータ36は、受電コイル21の電圧(波形W2参照)が、電圧V0(=0V)より大きくなると、H状態をノードN7に出力し、受電コイル21の電圧が、電圧V0(=0V)以下になると、L状態をノードN7に出力する(波形W7参照)。
また、時刻T1において、コンパレータ33は、ノードN4の電圧(波形W5参照)が、電圧V1以上になると、ノードN6にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W6参照)。
次に、時刻T2において、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が、0V以下になると(波形W2参照)、コンパレータ36は、ノードN7にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ36は、ノードN7の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W7参照)。同期回路35は、ノードN7のH状態からL状態への立下りタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をL状態にする(波形W8参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオフ状態になり、共振回路20が非共振状態になる。
一方で、時刻T3において、コンパレータ33は、ノードN4の電圧(波形W5参照)が、電圧V1未満になると、ノードN6にH状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をL状態からH状態に遷移させる(波形W6参照)。
また、同期回路35は、駆動周期DT0に基づく期間TR0の経過を待って、時刻T6において、ノードN6の電圧がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をH状態にする(波形W8参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオン状態になり、共振回路20が再び共振状態になる。
なお、時刻T4から時刻T5の期間は、波形Wesが示すように、推定される共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間TR0であり、推定される次回の通電期間TR0は、共振制御トランジスタ23がオフ状態にされる時刻T2から時刻T6の期間に含まれる。すなわち、共振制御部30は、共振回路20を非共振状態にする場合に、推定される次回の通電期間TR0の全期間を含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
その結果、整流ダイオード24の電流には、波形Wesの部分が発生せずに、受電コイル21の電流が低下する。この電流の低下が受電コイル21から給電コイル11に伝達されて、給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)には、ピーク電圧値が電圧差ΔV低下した波形の変動が発生する。
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態による給電装置1の駆動制御処理について説明する。
図4は、本実施形態による給電装置1の駆動制御処理の一例を示すフローチャートである。
図4において、給電装置1は、まず、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVを供給させる(ステップS201)。具体的には、給電装置1の駆動制御部16は、駆動信号生成部14に駆動信号DRVを、駆動トランジスタ13のゲート端子に供給させる。これにより、給電装置1が、駆動トランジスタ13のオン状態とオフ状態とを周期的に変更して、給電コイル11を駆動する駆動信号DRVを駆動トランジスタ13に供給する。
次に、駆動制御部16は、給電コイル11の電圧のピーク電圧の変動の検出結果を取得する(ステップS202)。すなわち、波高値変動検出部15が、ピーク電圧の変動を検出し、駆動制御部16は、波高値変動検出部15が検出したピーク電圧の変動の検出結果を取得する。
次に、駆動制御部16は、ピーク電圧の変動があるか否かを判定する(ステップS203)。駆動制御部16は、ピーク電圧の変動がある場合(ステップS203:YES)に、駆動トランジスタ13への駆動信号DRVの供給を継続する(ステップS204)。すなわち、駆動制御部16は、駆動信号生成部14に駆動信号DRVの出力を継続させる。ステップS204の処理後に、給電期間を経過した後に、駆動制御部16は、処理をステップS201に戻す。これにより、給電装置1は、給電コイル11を連続駆動する。
また、駆動制御部16は、ピーク電圧の変動がない場合(ステップS203:NO)に、駆動トランジスタ13への駆動信号DRVの供給を停止する(ステップS205)。すなわち、駆動制御部16は、駆動信号生成部14に駆動信号DRVの出力を停止させる。ステップS205の処理後に、給電期間を経過した後に、駆動制御部16は、処理をステップS201に戻す。これにより、給電装置1は、給電コイル11を間欠駆動する。
図5は、本実施形態による給電装置1の動作の一例を示すタイミングチャートである。
図5において、波形W9及び波形W10は、上から順に、(a)受電装置2が無い場合の給電コイル11の電圧、及び(b)受電装置2が有る場合の給電コイル11の電圧の波形をそれぞれ示している。ここで、各波形の縦軸は、電圧を示し、横軸は、時間を示している。
また、この図において、時刻T7から時刻T8(及び時刻T9から時刻T10)の期間TR2は、検出期間(第1の期間)を示し、時刻T8から時刻T9の期間TR3は、給電期間(第2の期間)を示している。
図5(a)の波形W9に示すように、給電装置1の駆動制御部16は、時刻T7から時刻T8の検出期間(期間TR2)として、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVを供給させて、給電コイル11を駆動する。ここでは、受電装置2が無い場合であるため、駆動制御部16は、検出期間(期間TR2)において、給電コイル11の電圧における周期的なピーク電圧の変動が検出されない。そのため、駆動制御部16は、時刻T8から時刻T9の期間TR3、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を停止させて、間欠駆動させる。なお、駆動信号DRVの供給が停止されている間、給電コイル11の電圧は、電源VCCの電圧Vccになる。
これに対して、図5(b)に示す例では、受電装置2が有る場合であるため、波形W10に示すように、駆動制御部16は、検出期間(期間TR2)において、給電コイル11の電圧における周期的なピーク電圧の変動を検出する。そのため、駆動制御部16は、時刻T8から時刻T9の期間TR3(給電期間)において、波形W10に示すように、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を継続させて、連続駆動させる。
なお、本実施形態による給電システム100では、受電装置2が、上述した図2に示すように、ピーク電圧の変動を確実に発生させるタイミングで、共振回路20を非共振状態にするようにしているため、給電装置1は、正確に給電コイル11の電圧における周期的なピーク電圧の変動を検出することができる。
以上説明したように、本実施形態による給電システム100は、給電コイル11を有する給電装置1と、受電コイル21を有する受電装置2とを備え、給電装置1から受電装置2に電磁誘導によって電力を給電する。受電装置2は、共振回路20と、整流ダイオード24と、共振制御部30と、を備える。共振回路20は、給電コイル11から給電される受電コイル21と、受電コイル21と共振する共振コンデンサ22と、共振コンデンサ22の電気的な接続状態を変更して、共振状態を制御する共振制御トランジスタ23(第1のスイッチング素子)とを有する。整流ダイオード24は、給電コイル11から受電コイル21が受電した受電電力を直流電力に整流し、負荷26に当該直流電力を供給する。共振制御部30は、受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振制御トランジスタ23を制御し、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間(例えば、期間TR0)を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態(非導通状態)にする。給電装置1は、駆動トランジスタ13(第2のスイッチング素子)と、駆動制御部16と、を備える。駆動トランジスタ13は、給電コイル11に直列に接続され、給電コイル11を駆動する駆動信号DRVによって、オン状態(導通状態)とオフ状態(非導通状態)とが周期的に変更される。駆動制御部16は、共振コンデンサ22の電気的な接続状態の変更により検出される、給電コイル11に励起される励起電圧における周期的な波形の変動(例えば、ピーク電圧の変動)に基づいて、受電装置2に給電可能な状態であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、駆動トランジスタ13に駆動信号を継続して供給するか否かの制御を行う。
これにより、本実施形態による給電システム100は、共振制御部30が、共振回路20を非共振状態にする場合に、推定される次回の整流ダイオード24の通電期間(例えば、期間TR0)を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。このことにより、本実施形態による給電システム100は、上述した図3に示すように、給電装置1において、給電コイル11に励起される励起電圧における周期的な波形の変動の変動量(例えば、ピーク電圧の電圧差ΔV)を大きくすることができる。そのため、本実施形態による給電システム100は、例えば、給電コイル11の駆動の1周期の間に、受電装置2において、共振状態と非共振状態との切り替わりが、毎周期ごとに発生した場合などであっても、受電装置2に給電可能な状態であるか否かを正確に判定することができる。よって、本実施形態による給電システム100は、給電装置1において、受電装置2に給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
また、本実施形態による給電システム100は、受電装置2に給電可能な状態であるか否かの誤判定が低減されるため、例えば、受電装置2に給電可能な状態である場合に駆動トランジスタ13に駆動信号DRVを継続して供給し、受電装置2に給電可能な状態でない場合に、駆動信号DRVを停止することができる。例えば、給電コイル11の上に金属異物が置かれた場合に、本実施形態における給電システム100は、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を適切に停止できるので、金属異物による発熱を抑制することができる。また、本実施形態における給電システム100では、受電装置2がない場合においても、同様に、駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を停止できるので、給電装置1の待機電力を低減させることができる。
また、本実施形態では、共振制御部30は、受電コイル21の電圧が所定の電圧値以下(例えば、電圧V0=0V)になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100は、受電コイル21の電圧が所定の電圧値以下になるタイミングを検出する簡易な手段により、受電装置2に給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
また、本実施形態では、共振制御部30は、共振回路20を非共振状態にする場合に、推定される次回の通電期間(例えば、期間TR0)の全期間を含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100は、共振回路20を非共振状態にすることにより、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間(例えば、期間TR0)を確実になくすことができる。そのため、本実施形態による給電システム100は、給電コイル11の電圧の周期的な波形の変動(例えば、ピーク電圧の電圧差ΔV)をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、上述した共振制御トランジスタ23のオフ状態を維持する所定の期間は、駆動信号DRVの1周期に基づいて定められている。所定の期間は、例えば、駆動信号DRVの1周期分の期間、駆動信号DRVの1周期に所定の割合を乗算した期間、駆動信号DRVの1周期にバラツキ分を考慮して、所定の値を加算、又は減算した期間などである。
これにより、本実施形態による給電システム100は、所定の期間を駆動信号DRVの1周期に基づいて設定されるため、次回の整流ダイオード24の通電期間をより確実、且つ適切になくすことができる。よって、本実施形態による給電システム100は、給電コイル11の電圧の周期的な波形の変動(例えば、ピーク電圧の電圧差ΔV)をより大きくすることができる。
また、本実施形態では、共振制御部30は、コンパレータ33(共振判定部)と、同期回路35(信号生成部)とを備える。コンパレータ33は、受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振回路20を非共振状態にするか否かを判定する。そして、同期回路35は、コンパレータ33によって、共振回路20を非共振状態にすると判定された場合に、共振制御トランジスタ23をオフ状態に制御する制御信号を生成する。
これにより、本実施形態による給電システム100は、簡易な構成により、共振制御トランジスタ23を制御する制御信号を適切に生成することができる。
また、本実施形態では、駆動制御部16は、予め定められた検出期間TR2(第1の期間)に駆動信号DRVを駆動トランジスタ13に供給し、波高値変動検出部15に対してピーク電圧の変動を検出させる。駆動制御部16は、検出期間TR2において受電装置2に給電可能な状態であると判定した場合に、検出期間TR2後の予め定められた給電期間TR3(第2の期間)に駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を継続して、給電コイル11を連続的に駆動する。駆動制御部16は、検出期間TR2において受電装置2に給電可能な状態でないと判定した場合に、給電期間TR3(第2の期間)に駆動トランジスタ13に駆動信号DRVの供給を停止して、給電コイル11を間欠的に駆動する。
これにより、本実施形態における給電システム100は、例えば、給電コイル11の上に金属異物が置かれた場合に、給電コイル11を間欠的に駆動するため、金属異物による発熱を適切に抑制することができる。
また、本実施形態では、共振制御部30は、受電コイル21が受電した受電電力を整流して負荷26に供給する供給線の電圧(ノードN4の電圧)が所定の閾値未満(電圧V1未満)である場合に、共振回路20が共振状態になるように、共振制御トランジスタ23を制御する。また、共振制御部30は、供給線の電圧(ノードN4の電圧)が所定の閾値以上(電圧V1以上)である場合に、共振回路20が非共振状態になるように、共振制御トランジスタ23を制御する。
これにより、本実施形態による給電システム100では、受電装置2が、簡易な手法により、共振状態と非共振状態とを適切に切り替えることができる。
また、本実施形態による受電装置2は、給電コイル11と、駆動トランジスタ13と、駆動制御部16と、を備える給電装置1から電磁誘導によって電力を給電される受電装置2であって、共振回路20と、整流ダイオード24と、共振制御部30と、を備える。共振回路20は、給電コイル11から給電される受電コイル21と、受電コイル21と共振する共振コンデンサ22と、共振コンデンサ22の電気的な接続状態を変更して、共振状態を制御する共振制御トランジスタ23とを有する。整流ダイオード24は、給電コイル11から受電コイル21が受電した受電電力を直流電力に整流し、負荷26に当該直流電力を供給する。共振制御部30は、受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振制御トランジスタ23を制御し、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
これにより、本実施形態による受電装置2は、上述した給電システム100と同様の効果を奏し、受電装置2に給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
また、本実施形態による給電方法は、給電装置1から受電装置2に電磁誘導によって電力を給電する給電システム100の給電方法であって、駆動信号供給ステップと、共振制御ステップと、駆動制御ステップと、を含む。ここで、給電システム100は、受電コイル21と、共振コンデンサ22と、共振コンデンサ22の電気的な接続状態を変更して、共振状態と非共振状態とを切り替える共振制御トランジスタ23とを有する共振回路20と、給電コイル11から受電コイル21が受電した受電電力を直流電力に整流し、負荷26に当該直流電力を供給する整流ダイオード24と、を備える受電装置2と、給電コイル11を有する給電装置1と、を備えている。駆動信号供給ステップにおいて、給電装置1が、給電コイル11に直列に接続された駆動トランジスタ13のオン状態とオフ状態とを周期的に変更して、給電コイル11を駆動する駆動信号DRVを駆動トランジスタ13に供給する。共振制御ステップにおいて、受電装置2が、受電電力と、当該受電電力が供給される負荷26が消費する消費電力とに基づいて、共振制御トランジスタ23を制御し、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。駆動制御ステップにおいて、給電装置1が、共振コンデンサ22の電気的な接続状態の変更により検出される、給電コイル11に励起される励起電圧における周期的な波形の変動(例えば、ピーク電圧の変動)に基づいて、受電装置2に給電可能な状態であるか否かを判定し、当該判定結果に基づいて、駆動トランジスタ13に駆動信号を継続して供給するか否かの制御を行う。
これにより、本実施形態による給電方法は、上述した給電システム100と同様の効果を奏し、受電装置2に給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
[第2の実施形態]
次に、図面を参照して、本発明に係る第2の実施形態による給電システム100aについて説明する。
図6は、第2の実施形態による給電システム100aの一例を示す機能ブロック図である。
図6に示すように、給電システム100aは、給電装置1と、受電装置2aを有する電子機器3aとを備えている。
なお、この図において、図1と同一の構成には、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする一例として、受電コイル21の電流が所定の電流値以下になる期間に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする変形例について説明する。
受電装置2aは、受電コイル21と、共振コンデンサ22と、共振制御トランジスタ23と、整流ダイオード24と、平滑コンデンサ25と共振制御部30aとを備えている。
共振制御部30aは、共振制御トランジスタ23を制御することにより、共振回路20の共振状態を制御する。また、共振制御部30aは、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。共振制御部30aは、例えば、共振回路20を非共振状態にする場合に、受電コイル21の電流が所定の電流値以下(例えば、0A以下)になる期間に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。ここで、受電コイル21の電流とは、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流のことである。
具体的に、共振制御部30aは、受電コイル21の電流が所定の電流値以下(例えば、0A以下)になる期間の一例として、受電コイル21の電流が最小値になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。すなわち、受電コイル21の電流が最小値になるタイミングは、受電コイル21の電流が所定の電流値以下(例えば、0A以下)になる期間に含まれている。なお、ここでの所定の期間は、上述した第1の実施形態と同様である。
ところで、受電コイル21の電流は、受電コイル21の両端の電圧が等しい(受電コイル21の電圧が0V)場合に、ピーク値(最大値又は最小値)になる。ここで、受電コイル21の電流が最小値になるタイミングは、ノードN2の電圧が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなったタイミングに対応する。そこで、共振制御部30aは、ノードN2の電圧が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなったタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
また、共振制御部30aは、抵抗(31、32)と、コンパレータ(33、36a)、同期回路35と、基準電源34とを備えている。
コンパレータ36aは、+入力端子及び−入力端子との両方が、受電コイル21の両端に接続されている。すなわち、コンパレータ36aは、+入力端子がノードN2に接続され、−入力端子が電源GND1に接続されている。コンパレータ36aは、受電コイル21の両端の電圧を比較し、整流ダイオード24側の電圧(ノードN2の電圧)が、電源GND1側の電圧以下である場合に、L状態をノードN7に出力する。また、コンパレータ36aは、整流ダイオード24側の電圧(ノードN2の電圧)が、電源GND1側の電圧より大きい場合に、H状態をノードN7に出力する。
本実施形態の同期回路35(信号生成部の一例)は、コンパレータ33の出力信号(ノードN6の信号)と、コンパレータ36aの出力信号(ノードN7の信号)とに基づいて、制御信号を生成し、共振制御トランジスタ23のゲート端子に出力する。同期回路35は、例えば、受電コイル21の電流が最小値になるタイミング(ノードN2の電圧が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなったタイミング)に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。そして、同期回路35は、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
具体的に、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36aの出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。そして、同期回路35は、所定の期間(例えば、駆動信号DRVの1周期)経過後に、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、H状態を出力する。
次に、図面を参照して、本実施形態による給電システム100aの動作について説明する。
図7は、本実施形態による受電装置2aの共振制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7において、給電装置1の給電コイル11から受電装置2aの受電コイル21にワイヤレス(非接触)により電力が供給されると、受電装置2aは、整流ダイオード24を介して出力される出力電圧(ノードN4の電圧)が電圧V1以上(所定の閾値以上)あるか否かを判定する(ステップS301)。具体的には、共振制御部30aが、抵抗31及び抵抗32によりノードN4の電圧(出力電圧)を抵抗分圧し、当該抵抗分圧した電圧(ノードN5の電圧)と基準電源34の出力電圧とをコンパレータ33が比較することにより、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上であるか否かを判定する。
共振制御部30aは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上である場合(ステップS301:YES)に、処理をステップS302に進める。また、共振制御部30aは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1未満である場合(ステップS301:NO)に、処理をステップS304に進める。
ステップS302において、共振制御部30aは、受電コイル21の電流が最小値になるタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。ここで、共振制御部30aは、例えば、ノードN2の電圧が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなったタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。すなわち、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36aの出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。
続く、ステップS303及びステップS304の処理は、上述した図2に示すステップS103及びステップS104の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
このように、本実施形態では、同期回路35は、受電コイル21の電流が所定の電流値以下になる期間(例えば、0A以下になる期間)に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(駆動周期の1周期分経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、このことは、共振制御部30aが、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にすることに対応する。
次に、図8を参照して、本実施形態による受電装置2aの共振制御処理の具体例について説明する。
図8は、本実施形態による受電装置2aの共振制御処理の一例を示すタイミングチャートである。
この図において、波形W11〜波形W18は、上から順に、(a)給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)、(b)受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)、(c)受電コイル21の電流、(d)整流ダイオード24の電流、(e)出力電圧(負荷供給電圧)、(f)ノードN6の電圧(コンパレータ33の出力電圧)、(g)ノードN7の電圧(コンパレータ36aの出力電圧)、及び(h)共振制御トランジスタ23のゲート電圧の波形をそれぞれ示している。ここで、(c)受電コイル21の電流は、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流である。また、各波形の縦軸は、(a)、(b)、及び(e)が電圧を示し、(c)及び(d)が電流を示し、(f)〜(h)が論理状態を示している。また、横軸は、時間を示している。
また、この図において、破線の波形Wes及び期間DT0は、上述した図3と同様である。
また、コンパレータ36aは、受電コイル21の両端の電圧を比較することにより、受電コイル21の電流(波形W13参照)が、最大値になると、ノードN7をL状態からH状態に遷移させ、受電コイル21の電流が、最小値になると、ノードN7をH状態からL状態に遷移させる(波形W17参照)。
また、時刻T11において、コンパレータ33は、ノードN4の電圧(波形W15参照)が、電圧V1以上になると、ノードN6にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W16参照)。
次に、時刻T12において、受電コイル21の整流ダイオード24側の電圧(ノードN2の電圧)が下降して、電源GND1と等しくなると(波形W12参照)、コンパレータ36aは、ノードN7にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ36aは、ノードN7の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W17参照)。同期回路35は、ノードN7のH状態からL状態への立下りタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をL状態にする(波形W18参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオフ状態になり、共振回路20が非共振状態になる。
一方で、時刻T13において、コンパレータ33は、ノードN6の電圧(波形W15参照)が、電圧V1未満になると、ノードN6にH状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をL状態からH状態に遷移させる(波形W16参照)。
また、同期回路35は、駆動周期DT0に基づく期間TR0の経過を待って、時刻T16において、ノードN6の電圧がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をH状態にする(波形W18参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオン状態になり、共振回路20が再び共振状態になる。
なお、時刻T14から時刻T16における動作は、上述した図3に示す時刻T4から時刻T6における動作と同様であるため、ここではその説明を省略する。
波形W14に示すように、本実施形態による受電装置2aの共振制御処理では、整流ダイオード24の電流には、波形Wesの部分が発生せずに、受電コイル21の電流が低下する。この電流の低下が受電コイル21から給電コイル11に伝達されて、給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)には、ピーク電圧値が電圧差ΔV低下した波形の変動が発生する。
なお、上述した例では、共振制御部30aが、所定の電流値以下になる期間の一例として、受電コイル21の電流が最小値になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする例を説明したが、受電コイル21の電流が、例えば、負の値になる期間に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にしてもよい。
また、本実施形態による給電装置1の駆動制御処理は、上述した図4及び図5に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態による給電システム100aは、給電装置1と、受電装置2aとを備える。受電装置2aは、共振回路20と、整流ダイオード24と、共振制御部30aとを備えている。共振制御部30aは、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流が所定の電流値以下(例えば、0A以下)になる期間に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100aは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、受電装置2aに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。また、本実施形態による給電システム100aは、受電コイル21の電流が所定の電流値以下(例えば、0A以下)になる期間を検出する簡易な手段により、受電装置2aに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
また、本実施形態では、共振制御部30aは、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流が最小値になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100aは、受電コイル21の電流の最小値は、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなったタイミングに対応するため、受電コイル21の両端の電圧が等しくなるタイミングを検出する簡易な手段により、受電装置2aに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
[第3の実施形態]
次に、図面を参照して、本発明に係る第3の実施形態による給電システム100bについて説明する。
図9は、第3の実施形態による給電システム100bの一例を示す機能ブロック図である。
図9に示すように、給電システム100bは、給電装置1と、受電装置2bを有する電子機器3bとを備えている。
なお、この図において、図1と同一の構成には、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする一例として、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする変形例について説明する。
受電装置2bは、受電コイル21と、共振コンデンサ22と、共振制御トランジスタ23と、整流ダイオード24と、平滑コンデンサ25と共振制御部30bとを備えている。
共振制御部30bは、共振制御トランジスタ23を制御することにより、共振回路20の共振状態を制御する。また、共振制御部30bは、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。共振制御部30bは、例えば、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
具体的に、共振制御部30bは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングの一例として、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングには、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になる(際に等しくなる)タイミングと、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になる(際に等しくなる)タイミングとの2種類がある。すなわち、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になるタイミングは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに含まれる。
なお、ここでの所定の期間は、上述した第1の実施形態と同様である。また、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になるタイミングとは、ノードN2の電圧が下降して、ノードN4の電圧と等しくなったタイミングのことである。そこで、共振制御部30bは、ノードN2の電圧が下降して、ノードN4の電圧と等しくなったタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
また、共振制御部30bは、抵抗(31、32)と、コンパレータ(33、36b)、同期回路35と、基準電源34とを備えている。
コンパレータ36bは、+入力端子が整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)に接続され、−入力端子が整流ダイオード24のカソード端子(ノードN4)に接続されている。コンパレータ36bは、整流ダイオード24の両端の電圧を比較し、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧以下である場合に、L状態をノードN7に出力する。また、コンパレータ36bは、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧より大きい場合に、H状態をノードN7に出力する。
本実施形態の同期回路35(信号生成部の一例)は、コンパレータ33の出力信号(ノードN6の信号)と、コンパレータ36bの出力信号(ノードN7の信号)とに基づいて、制御信号を生成し、共振制御トランジスタ23のゲート端子に出力する。同期回路35は、例えば、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が下降して、カソード端子(ノードN4)の電圧と等しくなったタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。そして、同期回路35は、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
具体的に、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36bの出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。そして、同期回路35は、所定の期間(例えば、駆動信号DRVの1周期)経過後に、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、H状態を出力する。
次に、図面を参照して、本実施形態による給電システム100bの動作について説明する。
図10は、本実施形態による受電装置2bの共振制御処理の一例を示すフローチャートである。
図10において、給電装置1の給電コイル11から受電装置2bの受電コイル21にワイヤレス(非接触)により電力が供給されると、受電装置2bは、整流ダイオード24を介して出力される出力電圧(ノードN4の電圧)が電圧V1以上(所定の閾値以上)あるか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、共振制御部30bが、抵抗31及び抵抗32によりノードN4の電圧(出力電圧)を抵抗分圧し、当該抵抗分圧した電圧(ノードN5の電圧)と基準電源34の出力電圧とをコンパレータ33が比較することにより、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上であるか否かを判定する。
共振制御部30bは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上である場合(ステップS401:YES)に、処理をステップS402に進める。また、共振制御部30bは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1未満である場合(ステップS401:NO)に、処理をステップS404に進める。
ステップS402において、共振制御部30bは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になるタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。ここで、共振制御部30bは、例えば、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が下降して、カソード端子(ノードN4)の電圧と等しくなったタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。すなわち、同期回路35は、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、コンパレータ36bの出力(ノードN7の電圧)の立下りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。
続く、ステップS403及びステップS404の処理は、上述した図2に示すステップS103及びステップS104の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
このように、本実施形態では、同期回路35は、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が下降して、カソード端子(ノードN4)の電圧と等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(駆動周期の1周期分経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、このことは、共振制御部30bが、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にすることに対応する。
次に、図11を参照して、本実施形態による受電装置2bの共振制御処理の具体例について説明する。
図11は、本実施形態による受電装置2bの共振制御処理の一例を示すタイミングチャートである。
この図において、波形W21〜波形W28は、上から順に、(a)給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)、(b)受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)、(c)受電コイル21の電流、(d)整流ダイオード24の電流、(e)出力電圧(負荷供給電圧)、(f)ノードN6の電圧(コンパレータ33の出力電圧)、(g)ノードN7の電圧(コンパレータ36bの出力電圧)、及び(h)共振制御トランジスタ23のゲート電圧の波形をそれぞれ示している。ここで、(c)受電コイル21の電流は、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流である。また、各波形の縦軸は、(a)、(b)、及び(e)が電圧を示し、(c)及び(d)が電流を示し、(f)〜(h)が論理状態を示している。また、横軸は、時間を示している。
また、この図において、破線の波形Wes及び期間DT0は、上述した図3と同様である。
また、コンパレータ36bは、整流ダイオード24の両端の電圧を比較することにより、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧より大きくなった場合に、H状態をノードN7に出力し、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧以下である場合に、L状態をノードN7に出力する(波形W27参照)。なお、ノードN7がH状態である期間は、整流ダイオード24の通電期間を含む期間に対応する。
また、時刻T21において、コンパレータ33は、ノードN6の電圧(波形W25参照)が、電圧V1以上になると、ノードN6にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W26参照)。
次に、時刻T22において、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が下降して、カソード端子(ノードN4)の電圧と等しくなると、コンパレータ36bは、ノードN7にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ36bは、ノードN7の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W27参照)。同期回路35は、ノードN7のH状態からL状態への立下りタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をL状態にする(波形W28参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオフ状態になり、共振回路20が非共振状態になる。
一方で、時刻T23において、コンパレータ33は、ノードN6の電圧(波形W25参照)が、電圧V1未満になると、ノードN6にH状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をL状態からH状態に遷移させる(波形W26参照)。
また、同期回路35は、駆動周期DT0に基づく期間TR0の経過を待って、時刻T26において、ノードN6の電圧がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をH状態にする(波形W28参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオン状態になり、共振回路20が再び共振状態になる。
なお、時刻T24から時刻T26における動作は、上述した図3に示す時刻T4から時刻T6における動作と同様であるため、ここではその説明を省略する。
波形W24に示すように、本実施形態による受電装置2bの共振制御処理では、整流ダイオード24の電流には、波形Wesの部分が発生せずに、受電コイル21の電流が低下する。この電流の低下が受電コイル21から給電コイル11に伝達されて、給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)には、ピーク電圧値が電圧差ΔV低下した波形の変動が発生する。
また、本実施形態による給電装置1の駆動制御処理は、上述した図4及び図5に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態による給電システム100bは、給電装置1と、受電装置2bとを備える。受電装置2bは、共振回路20と、整流ダイオード24と、共振制御部30bとを備えている。共振制御部30bは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100bは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、受電装置2bに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。また、本実施形態による給電システム100bは、整流ダイオード24の両端の電圧を比較する簡易な手段により、受電装置2bに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
また、本実施形態では、共振制御部30bは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以下になるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100bは、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が下降して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなるタイミングを検出する簡易な手段により、受電装置2bに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
[第4の実施形態]
次に、図面を参照して、本発明に係る第4の実施形態による給電システム100cについて説明する。
図12は、第4の実施形態による給電システム100cの一例を示す機能ブロック図である。
図12に示すように、給電システム100cは、給電装置1と、受電装置2cを有する電子機器3cとを備えている。
なお、この図において、図9と同一の構成には、同一の符号を付与し、その説明を省略する。
本実施形態では、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする一例として、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする別の変形例について説明する。本実施形態では、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングの一例として、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になるタイミングを用いる場合について説明する。
受電装置2cは、受電コイル21と、共振コンデンサ22と、共振制御トランジスタ23と、整流ダイオード24と、平滑コンデンサ25と共振制御部30cとを備えている。
共振制御部30cは、共振制御トランジスタ23を制御することにより、共振回路20の共振状態を制御する。また、共振制御部30cは、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。共振制御部30cは、例えば、共振回路20を非共振状態にする場合に、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。
具体的に、共振制御部30cは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になるタイミングから駆動信号DRVの1周期より短い期間を遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、ここでの所定の期間は、上述した第1の実施形態と同様である。また、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になるタイミングとは、ノードN2の電圧が上昇して、ノードN4の電圧と等しくなったタイミングのことである。そこで、共振制御部30cは、ノードN2の電圧が上昇して、ノードN4の電圧と等しくなったタイミング(ノードN4の電圧以上になるタイミング)に同期させて、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。ここでの「タイミングに同期させる」には、同期させるタイミングに対して、所定の遅延時間(駆動信号DRVの1周期より短い期間)遅延させることも含まれる。
また、共振制御部30cは、抵抗(31、32)と、コンパレータ(33、36b)、同期回路35aと、基準電源34と、遅延回路38とを備えている。
遅延回路38は、例えば、コンパレータ36bの出力信号を駆動信号DRVの1周期より短い期間を遅延させた信号をノードN8に出力する。
同期回路35a(信号生成部の一例)は、コンパレータ33の出力信号(ノードN6の信号)と、遅延回路38の出力信号(ノードN8の信号)とに基づいて、制御信号を生成し、共振制御トランジスタ23のゲート端子に出力する。同期回路35aは、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、遅延回路38の出力(ノードN8の電圧)の立上りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。そして、同期回路35aは、所定の期間(例えば、駆動信号DRVの1周期)経過後に、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、H状態を出力する。
次に、図面を参照して、本実施形態による給電システム100cの動作について説明する。
図13は、本実施形態による受電装置2cの共振制御処理の一例を示すフローチャートである。
図13において、給電装置1の給電コイル11から受電装置2cの受電コイル21にワイヤレス(非接触)により電力が供給されると、受電装置2cは、整流ダイオード24を介して出力される出力電圧(ノードN4の電圧)が電圧V1以上(所定の閾値以上)あるか否かを判定する(ステップS501)。具体的には、共振制御部30cが、抵抗31及び抵抗32によりノードN4の電圧(出力電圧)を抵抗分圧し、当該抵抗分圧した電圧(ノードN5の電圧)と基準電源34の出力電圧とをコンパレータ33が比較することにより、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上であるか否かを判定する。
共振制御部30cは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1以上である場合(ステップS501:YES)に、処理をステップS502に進める。また、共振制御部30cは、ノードN4の電圧(出力電圧)が電圧V1未満である場合(ステップS501:NO)に、処理をステップS504に進める。
ステップS502において、共振制御部30cは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になるタイミングから遅延時間DLY1(所定の遅延時間)遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。ここで、共振制御部30cは、例えば、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が上昇して、アノード端子(ノードN4)の電圧と等しくなったタイミングから遅延時間DLY1分を遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にする。すなわち、同期回路35aは、コンパレータ33の出力(ノードN6の電圧)がL状態になった場合に、遅延回路38の出力(ノードN8の電圧)の立上りに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート端子に、L状態を出力する。
続く、ステップS503及びステップS504の処理は、上述した図2に示すステップS103及びステップS104の処理と同様であるため、ここではその説明を省略する。
このように、本実施形態では、同期回路35aは、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が上昇して、アノード端子(ノードN4)の電圧と等しくなるタイミングから遅延時間DLY1遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(駆動周期の1周期分経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。なお、このことは、共振制御部30cが、整流ダイオード24に電流が流れる通電期間であって、共振回路20の共振状態において推定される次回の通電期間を開始から含むように、共振制御トランジスタ23をオフ状態にすることに対応する。
次に、図14を参照して、本実施形態による受電装置2cの共振制御処理の具体例について説明する。
図14は、本実施形態による受電装置2cの共振制御処理の一例を示すタイミングチャートである。
この図において、波形W31〜波形W39は、上から順に、(a)給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)、(b)受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)、(c)受電コイル21の電流、(d)整流ダイオード24の電流、(e)出力電圧(負荷供給電圧)、(f)ノードN6の電圧(コンパレータ33の出力電圧)、(g)ノードN7の電圧(コンパレータ36bの出力電圧)、(h)ノードN8の電圧(遅延回路38の出力電圧)、及び(i)共振制御トランジスタ23のゲート電圧の波形をそれぞれ示している。ここで、(c)受電コイル21の電流は、整流ダイオード24に向って流れる受電コイル21の電流である。また、各波形の縦軸は、(a)、(b)、及び(e)が電圧を示し、(c)及び(d)が電流を示し、(f)〜(i)が論理状態を示している。また、横軸は、時間を示している。
また、この図において、破線の波形Wes及び期間DT0は、上述した図3と同様である。また、遅延時間DLY1は、遅延回路38の出力遅延時間である。
また、コンパレータ36bは、整流ダイオード24の両端の電圧を比較することにより、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧より大きくなった場合に、H状態をノードN7に出力し、アノード端子(ノードN2)の電圧が、カソード端子(ノードN4)の電圧以下である場合に、L状態をノードN7に出力する(波形W37参照)。なお、ノードN7がH状態である期間は、整流ダイオード24の通電期間を含む期間に対応する。
また、時刻T32において、コンパレータ33は、ノードN6の電圧(波形W35参照)が、電圧V1以上になると、ノードN6にL状態を出力する。すなわち、コンパレータ33は、ノードN6の電圧をH状態からL状態に遷移させる(波形W36参照)。
また、一方で、時刻T31において、整流ダイオード24のアノード端子(ノードN2)の電圧が上昇して、カソード端子(ノードN4)の電圧と等しくなると、コンパレータ36bは、ノードN7にH状態を出力する。すなわち、コンパレータ36bは、ノードN7の電圧をL状態からH状態に遷移させる(波形W37参照)。
次に、時刻T33において、遅延回路38が、上述した時刻T32から遅延時間DLY1を遅延させて、ノードN8にH状態を出力する。すなわち、遅延回路38は、ノードN8の電圧をL状態からH状態に遷移させる(波形W38参照)。同期回路35aは、ノードN8のL状態からH状態への立上りタイミングに同期させて、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をL状態にする(波形W39参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオフ状態になり、共振回路20が非共振状態になる。
次に、同期回路35aは、駆動周期DT0に基づく期間TR0の経過を待って、時刻T36において、ノードN6の電圧がH状態である場合に、共振制御トランジスタ23のゲート電圧をH状態にする(波形W39参照)。これにより、共振制御トランジスタ23がオン状態になり、共振回路20が再び共振状態になる。
なお、時刻T34から時刻T36における動作は、上述した図3に示す時刻T4から時刻T6における動作と同様であるため、ここではその説明を省略する。
波形W34に示すように、本実施形態による受電装置2cの共振制御処理では、整流ダイオード24の電流には、波形Wesの部分が発生せずに、受電コイル21の電流が低下する。この電流の低下が受電コイル21から給電コイル11に伝達されて、給電コイル11の電圧(ノードN1の電圧)には、ピーク電圧値が電圧差ΔV低下した波形の変動が発生する。
また、本実施形態による給電装置1の駆動制御処理は、上述した図4及び図5に示す第1の実施形態と同様であるため、ここではその説明を省略する。
以上説明したように、本実施形態による給電システム100cは、給電装置1と、受電装置2cとを備える。受電装置2cは、共振回路20と、整流ダイオード24と、共振制御部30cとを備えている。共振制御部30cは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧とカソード端子の電圧とが等しくなるタイミングから遅延時間DLY1遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。例えば、共振制御部30cは、整流ダイオード24のアノード端子の電圧がカソード端子の電圧以上になるタイミングから駆動信号DRVの1周期より短い期間(遅延時間DLY1)を遅延させたタイミングで、共振制御トランジスタ23をオフ状態にし、共振制御トランジスタ23をオフ状態にした後の所定の期間経過後(例えば、期間TR1経過後)に、共振制御トランジスタ23をオン状態にする。
これにより、本実施形態による給電システム100cは、上述した第1の実施形態と同様の効果を奏し、受電装置2cに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。また、本実施形態による給電システム100cは、受電コイル21の電圧(ノードN2の電圧)が上昇して、受電コイル21の両端の電圧が等しくなるタイミングを検出ことができる。すなわち、本実施形態による給電システム100cは、整流ダイオード24の両端の電圧を比較する簡易な手段により、受電装置2cに給電可能な状態であるか否かの誤判定を低減することができる。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の各実施形態において、共振制御トランジスタ23のオフ状態を維持する所定の期間(期間TR1)が、駆動信号DRVの1周期分であり、次回の通電期間(期間TR0)の全期間を含むように設定されている例を説明したが、これに限定されるものではない。所定の期間(期間TR1)が、駆動信号DRVの1周期より短く、次回の通電期間(期間TR0)の一部を含むように設定されてもよい。
また、上記の各実施形態において、受電装置2(2a〜2c)の共振制御部30(30a〜30c)は、受電電力と負荷26の消費電力とに基づいて、共振回路20を非共振状態にするか否かを判定する一例として、受電電力を整流して負荷26に供給する供給線の電圧(ノードN4の電圧)に基づいて、共振回路20を非共振状態にするか否かを判定する例を説明したがこれに限定されるものではない。例えば、共振制御部30(30a〜30c)は、供給線の電圧(ノードN4の電圧)の代わりに、負荷26に流れる電流に基づいて、共振回路20を非共振状態にするか否かを判定するようにしてもよいし、他の手法を用いてもよい。
また、上記の各実施形態において、給電コイル11の励起電圧の周期的な波形の変動を検出する変動検出部の一例として、給電コイル11のピーク電圧を検出する波高値変動検出部15を用いる例を説明したが、これに限定されるものではない。変動検出部は、例えば、励起電圧の波形の周波数の変動、又は励起電圧の波形の周期の変動として検出してもよい。
また、給電システム100(100a〜100c)が備える各構成は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。また、給電システム100(100a〜100c)が備える各構成は、メモリ及びCPUにより構成され、給電システム100(100a〜100c)が備える各構成を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。