JP6479515B2 - 受電装置、電子機器、及び給電システム - Google Patents

受電装置、電子機器、及び給電システム Download PDF

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Description

本発明は、受電装置、電子機器、及び給電システムに関する。
近年、給電コイルと受電コイルとの電磁誘導、或いは電磁結合により、電力をワイヤレスに供給する給電システムが知られている。このような給電システムは、例えば、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器が備える電池を充電するために利用されている。
また、受電側において、給電コイルと受電コイルとが給電のための正しい配置に置かれたこと(受電側が給電側にセットされたこと)を検出する技術としては、給電された電圧に基づいて、電力の供給が停止したことを判定する技術(例えば、特許文献1を参照)を利用することが考えられる。
特開2001−268819号公報
ところで、上述したような給電システムでは、受電コイルを有する受電装置は、給電コイルと受電コイルとが正しい配置に置かれること(受電装置が給電装置の所定の位置にセットされること)で、給電コイルを有する給電装置から電力が供給される。
しかしながら、受電装置は、例えば、受電コイルから整流素子とスイッチング素子を介して供給される直流電力により電池を充電する構成において、上述した技術を利用した場合には、給電コイルと受電コイルとが正しい配置に置かれたことを正確に検出することができない場合があった。例えば、受電コイルが給電コイルから徐々に離されて、受電コイルに供給された電力が不十分な状態になると、上述した直流電力の信号線に電池から電圧が供給される可能性があった。そのため、上述した給電システムに、上述した技術を利用した場合には、電池から上述した直流電力の信号線に電圧が供給されているため、受電装置が、給電装置の所定の位置に正しくセットされていないのに、受電装置が、給電装置の所定の位置に正しくセットされていると誤判定することがあった。
このように、上述した給電システムに、特許文献1に記載されているような技術を適用した場合には、給電コイルと受電コイルとが正しい配置に置かれているか否か(受電装置が、給電装置の所定の位置に正しくセットされているか否か)を正確に検知できないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、給電コイルと受電コイルとが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる受電装置、電子機器、及び給電システムを提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを備え、前記給電装置から前記受電装置に電磁誘導によって電力を給電する給電システムの受電装置であって、前記受電コイルが受電した電力を整流した直流電力により充電される電池と直列に接続される第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を制御して、前記直流電力を前記電池に充電させるとともに、前記電池の出力電圧と、前記電池を充電する充電電流とに基づいて、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する充電制御部とを備え、前記充電制御部は、前記電池の出力電圧が所定の電圧値以下であり、且つ、前記充電電流が所定の電流値以下である場合に、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にし、前記電池の出力電圧が前記所定の電圧値より大きい、且つ、前記充電電流が前記所定の電流値以下である場合に、前記電池が満充電状態であると判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にすることを特徴とする受電装置である。
また、本発明の一態様は、上記の受電装置において、前記充電電流を、当該充電電流に応じた電圧に変換する電圧変換部を備え、前記充電制御部は、前記電圧変換部によって変換された電圧が、前記所定の電流値に対応する電圧値以下である場合に、前記充電電流が前記所定の電流値以下であると判定することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受電装置において、給電コイルから給電される前記受電コイルと、前記受電コイルと共振する共振コンデンサとを有する共振回路と、前記共振コンデンサの電気的な接続状態を変更して、共振状態を制御する第2のスイッチング素子と、前記充電電流に基づいて、前記第2のスイッチング素子を制御する共振制御部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受電装置において、前記充電制御部は、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定した場合に、前記共振制御部に対して電力の供給を停止することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の受電装置を備えることを特徴とする電子機器である。
また、本発明の一態様は、給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを備え、前記給電装置から前記受電装置に電磁誘導によって電力を給電する給電システムであって、前記受電装置は、前記受電コイルが受電した電力を整流した直流電力により充電される電池と直列に接続される第1のスイッチング素子と、前記第1のスイッチング素子を制御して、前記直流電力を前記電池に充電させるとともに、前記電池の出力電圧と、前記電池を充電する充電電流とに基づいて、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する充電制御部とを備え、前記充電制御部は、前記電池の出力電圧が所定の電圧値以下であり、且つ、前記充電電流が所定の電流値以下である場合に、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にし、前記電池の出力電圧が前記所定の電圧値より大きい、且つ、前記充電電流が前記所定の電流値以下である場合に、前記電池が満充電状態であると判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にすることを特徴とする給電システムである。
本発明によれば、給電コイルと受電コイルとが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
本実施形態による給電システムの一例を示す外観図である。 本実施形態による給電システムの一例を示すブロック図である。 本実施形態における充電制御部の一例を示すブロック図である。 本実施形態における受電装置の共振制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における受電装置の状態遷移の一例を示す図である。 本実施形態における受電装置の充電制御処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における順序論理回路の動作の一例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の一実施形態による受電装置、電子機器、及び給電システムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態による給電システム100の一例を示す外観図である。
図1に示すように、給電システム100は、受電装置1を備える電子機器150と、給電装置2とを備えている。
電子機器150は、例えば、携帯電話、携帯可能なオーディオプレイヤー、ウェラブル端末装置などの機器である。電子機器150は、給電装置2が有する給電コイル21と、受電装置1が有する受電コイル11との電磁誘導、或いは電磁結合により、給電装置2から受電装置1にワイヤレス(非接触)により電力を供給する。
なお、電子機器150は、給電装置2の充電台25の所定の位置に配置されることにより、電子機器150(受電装置1)が内蔵する後述する電池17(図2参照)を充電する。ここで、電子機器150は、受電装置1の受電コイル11が、給電装置2の給電コイル21に対向して配置されるように、充電台25の所定の位置に配置される。
次に、図2を参照して、給電システム100の構成について、詳細に説明する。
図2は、本実施形態による給電システム100の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、給電システム100は、給電装置2と、電子機器150とを備えている。給電システム100は、例えば、受電装置1が備える電池17を充電するための電力を給電装置2から受電装置1に供給する。
給電装置2は、例えば、受電装置1に対応する充電器である。給電装置2は、給電コイル21と、共振コンデンサ22と、駆動トランジスタ23と、発振回路24とを備えている。
給電コイル21は、第1端子が電源VCCに接続され、第2端子がノードN21に接続されている。給電コイル21は、例えば、電磁誘導、又は電磁結合により、受電装置1が備える受電コイル11に電力を供給するコイルである。給電コイル21は、電池17の充電をする際に、受電コイル11と対向して配置され、電磁誘導により受電コイル11に給電する。
共振コンデンサ22は、給電コイル21と並列に接続されており、給電コイル21と共振するコンデンサである。ここで、給電コイル21と共振コンデンサ22とは、共振回路20を構成している。共振回路20は、給電コイル21のインダクタンス値と共振コンデンサ22の容量値とにより定まる所定の共振周波数(例えば、100kHz(キロヘルツ))により共振する。
駆動トランジスタ23は、例えば、FETトランジスタ(電界効果トランジスタ)であり、共振回路20に直列に接続されている。本実施形態では、一例として、駆動トランジスタ23が、N型チャネルMOS(Metal Oxide Semiconductor)FETである場合について説明する。なお、以下の説明において、MOSFETをMOSトランジスタといい、N型チャネルMOSトランジスタをNMOSトランジスタという場合がある。
駆動トランジスタ23は、ソース端子が電源GNDに接地され、ゲート端子が発振回路24の出力信号線に接続され、ドレイン端子がノードN21に接続されている。駆動トランジスタ23は、発振回路24の出力によりオン状態(導通状態)とオフ状態(非導通状態)とを周期的に繰り返す。これにより、給電コイル21に周期的な信号が発生し、給電コイル21から電磁誘導により受電コイル11に給電する。
発振回路24は、所定の周期により、駆動トランジスタ23をオン状態(導通状態)とオフ状態(非導通状態)とにする制御信号を出力する。
電子機器150は、受電装置1と、システム部60とを備えている。
また、受電装置1は、受電コイル11と、共振コンデンサ12と、共振制御トランジスタ13と、整流ダイオード14と、平滑コンデンサ15、充電制御トランジスタ16と、電池17と、電源制御トランジスタ18と、共振制御部40と、充電制御部30とを備えている。
システム部60は、例えば、受電装置1の電池17から供給される電力により動作し、電子機器150の各種機能を実行するシステム動作を行う。システム部60は、後述するSTAT信号により、電池17に充電中であるか否か(給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれているか否か)、電池17が満充電状態であるか否かなどの受電装置1の状態を示す情報を取得する。システム部60は、取得した受電装置1の状態を示す情報に応じて動作を変更する。システム部60は、例えば、受電装置1が充電中である場合に、システム動作を停止する。また、システム部60は、例えば、受電装置1が充電中断状態又は満充電状態である場合に、システム動作を開始する。
受電コイル11は、第1端子がノードN1に接続され、第2端子が電源GND1に接続されている。受電コイル11は、例えば、電磁誘導、又は電磁結合により、給電装置2が備える給電コイル21から電力を供給されるコイルである。受電コイル11は、電池17の充電をする際に、給電コイル21と対向して配置される。
共振コンデンサ12は、受電コイル11と並列に接続されており、受電コイル11と共振するコンデンサである。共振コンデンサ12は、ノードN1とノードN2との間に接続されている。ここで、受電コイル11と、共振コンデンサ12とは、共振回路10を構成している。すなわち、共振回路10は、給電コイル21から給電される受電コイル11と、受電コイル11と共振する共振コンデンサ12とを有する。共振回路10は、受電コイル11のインダクタンス値と共振コンデンサ12の容量値とにより定まる所定の共振周波数(例えば、100kHz)により共振する。なお、本実施形態では、受電装置1の共振周波数と給電装置2の共振周波数とは等しく、例えば、100kHzである。
共振制御トランジスタ13(第2のスイッチング素子)は、共振回路10に接続されるスイッチング素子であって、共振コンデンサ12とともに受電コイル11と並列に接続され、且つ、共振コンデンサ12と直列に接続される。共振制御トランジスタ13は、例えば、NMOSトランジスタであり、ソース端子が電源GND1に接続され、ドレイン端子がノードN2に接続されている。また、共振制御トランジスタ13は、ゲート端子が後述する共振制御部40からの出力信号線に接続されている。
共振制御トランジスタ13は、共振制御部40によって、オン状態にされることにより共振コンデンサ12が機能し、共振回路10に共振を発生させる。また、共振制御トランジスタ13は、共振制御部40によって、オフ状態にされることにより共振コンデンサ12が電気的に切り離され、共振回路10の共振を停止させる。なお、共振制御トランジスタ13は、ゲート端子がH(High:ハイ)状態になった場合に、オン状態になり、ゲート端子がL(Low:ロウ)状態になった場合に、オフ状態になる。
整流ダイオード14(整流部)は、アノード端子が受電コイル11の一端であるノードN1に接続され、カソード端子が平滑コンデンサ15の一端であるノードN3に接続されている。整流ダイオード14は、受電コイル11が受電した電力を整流して、直流電力に変換する。すなわち、整流ダイオード14は、受電コイル11に発生する交流電力(交流電圧)を直流電力(直流電圧)に変換し、電池17に充電のための電力を供給する。
平滑コンデンサ15は、整流ダイオード14が変換した直流電力を平滑化する。
充電制御トランジスタ16(第1のスイッチング素子)は、受電コイル11が受電した電力を整流した直流電力により充電される電池17と直列に接続されるスイッチング素子である。充電制御トランジスタ16は、例えば、FETトランジスタであり、P型チャネルMOSFETである場合について説明する。なお、以下の説明において、P型チャネルMOSトランジスタをPMOSトランジスタという場合がある。充電制御トランジスタ16は、ソース端子がノードN3に接続され、ドレイン端子がノードN4に接続されている。また、充電制御トランジスタ16は、ゲート端子が後述する充電制御部30からの出力信号線(A信号の信号線)に接続されている。
充電制御トランジスタ16は、充電制御部30によって、オン状態にされることによりノードN3とノードN4との間が導通し、受電コイル11が受電した電力を電池17に充電可能にする(充電中状態)。また、充電制御トランジスタ16は、受電装置1が充電中断状態又は満充電状態であると判定された場合に、充電制御部30によってオフ状態にされることにより、ノードN3とノードN4との間の導通が遮断される。なお、充電制御トランジスタ16は、ゲート端子(A信号)がH(High:ハイ)状態になった場合に、オン状態になり、ゲート端子がL(Low:ロウ)状態になった場合に、オフ状態になる。
電池17は、例えば、蓄電池や二次電池であり、整流ダイオード14によって整流された直流電圧によって充電される。すなわち、電池17は、受電コイル11が受電した電力を整流した直流電力により充電される。電池17は、後述する抵抗41と直列に接続されており、陽極端子(+(プラス)端子)が、ノードN4に接続され、陰極端子(−端子)がノードN5に接続されている。
電源制御トランジスタ18(第3のスイッチング素子)は、共振制御部40への電源電力の供給を制御するスイッチング素子である。電源制御トランジスタ18は、例えば、PMOSトランジスタであり、ソース端子がノードN3に接続され、ドレイン端子が後述するオペアンプ42及びコンパレータ45の電源端子に接続されている。また、電源制御トランジスタ18は、ゲート端子が後述する充電制御部30からの出力信号線(B信号の信号線)に接続されている。
電源制御トランジスタ18は、充電制御部30によって、オン状態にされることにより共振制御部40(オペアンプ42及びコンパレータ45)に電源電力を供給して、共振制御部40を動作させる。また、電源制御トランジスタ18は、充電制御部30によって、オフ状態にされることにより共振制御部40(オペアンプ42及びコンパレータ45)に電源電力の供給を停止させて、共振制御部40の動作を停止させる。なお、電源制御トランジスタ18は、ゲート端子(B信号)がH(High:ハイ)状態になった場合に、オン状態になり、ゲート端子がL(Low:ロウ)状態になった場合に、オフ状態になる。
充電制御部30は、充電制御トランジスタ16を制御して、直流電力を電池17に充電させるとともに、電池17の出力電圧と、電池17を充電する充電電流とに基づいて、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれている(受電装置1が給電装置2に正しくセットされている)か否か(充電中断状態であるか否か)を判定する。なお、充電中断状態とは、例えば、受電装置1が給電装置2から離されて(受電コイル11が、給電コイル21との所定の配置から離されて)、電池17への充電が中断した状態を示す。充電制御部30は、例えば、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値(第1の閾値)以下であり、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていない(充電中断状態である)と判定する。すなわち、この場合、充電制御部30は、受電装置1が給電装置2から離されて、充電中断状態であると判定する。そして、充電制御部30は、充電制御トランジスタ16をオフ状態にする。ここで、電池17の出力電圧(VBAT)は、電池17の両端の電位差であり、電池17の陰極端子を基準とした陽極端子の電圧である。
具体的に、充電制御部30は、例えば、充電制御トランジスタ16がオン状態(充電中状態)において、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値(第1の閾値)以下であり、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていない(充電中断状態である)と判定する。そして、充電制御部30は、A信号及びB信号に、H状態を出力して、充電制御トランジスタ16及び電源制御トランジスタ18をオフ状態にする。ここで、充電制御部30は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていない(充電中断状態である)と判定した場合に、後述する共振制御部40に対して電力の供給を停止する。
また、充電制御部30は、例えば、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値(第1の閾値)より大きい、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、電池17が満充電状態であると判定するとともに、充電制御トランジスタ16をオフ状態にする。すなわち、充電制御部30は、例えば、充電制御トランジスタ16がオン状態(充電中状態)において、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値(第1の閾値)より大きい、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、電池17が満充電状態であると判定する。そして、充電制御部30は、A信号及びB信号に、H状態を出力して、充電制御トランジスタ16及び電源制御トランジスタ18をオフ状態にする。
なお、本実施形態において、充電制御トランジスタ16及び電源制御トランジスタ18がオフ状態になっている状態を、アイドル状態とする。充電制御部30は、アイドル状態において、整流された直流電力の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きい場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていると判定し、充電制御トランジスタ16をオン状態にする(充電中状態)。これにより、電池17の充電が開始される。
また、本実施形態では、充電電流(IBAT)を、当該充電電流(IBAT)に応じた電圧(VIBAT)に変換する電圧変換部50(抵抗41)を備えている。充電制御部30は、例えば、電圧変換部50によって変換された電圧(VIBAT)が、所定の電流値に対応する電圧値(第2の閾値)以下である場合に、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下であると判定する。
充電制御部30の構成の詳細については、図3を参照して後述する。
共振制御部40は、共振制御トランジスタ13を制御することにより、共振回路10の共振状態を制御する共振制御部40であって、受電コイル11が受電した電力を整流した直流電力により充電される電池17に流れ込む電流(充電電流)に応じて、共振制御トランジスタ13を制御する。共振制御部40は、抵抗(41,43,44)、オペアンプ42、コンパレータ45、及び基準電源46を備えている。
抵抗41は、電池17の陰極端子(−(マイナス)端子)と接続されたノードN5と、電源GND1との間に接続されており、充電電流を電圧に変換する電圧変換部50である。抵抗41は、電池17の充電電流(IBAT)の変化を電圧の変化としてノードN5に出力する。
オペアンプ42は、+入力端子がノードN5に接続され、−入力端子がノードN6に接続されている。また、オペアンプ42の出力端子は、ノードN7に接続されている。
また、抵抗43は、ノードN6と電源GND1との間に接続され、抵抗44は、ノードN6とノードN7との間に接続されている。
なお、オペアンプ42、及び抵抗(43,44)は、増幅回路を構成している。この増幅回路は、抵抗41によって充電電流(IBAT)から変換された電圧(VIBAT)を増幅して、コンパレータ45に供給する。こうすることにより、抵抗41の抵抗値を低減することができるので、共振制御部40は、充電電流(IBAT)の検出精度を向上させることができる。
コンパレータ45は、抵抗41によって変換された電圧と、基準電源46の出力電圧とを比較し、変換された電圧が、基準電源46の出力電圧以上である場合に、共振制御トランジスタ13をオフ状態にする。コンパレータ45は、+入力端子が基準電源46に接続され、−入力端子がノードN7に接続されている。ここで、ノードN7の電圧は、電池17の充電電流(IBAT)に対応する。
また、基準電源46は、所定の閾値電流に対応する所定の閾値電圧を出力する定電圧源である。
具体的に、コンパレータ45は、抵抗41によって変換された電圧が所定の閾値電圧より低い場合に、H状態を出力端子に出力する。また、コンパレータ45は、抵抗41によって変換された電圧が所定の閾値電圧以上である場合に、L状態を出力端子に出力する。
このように、共振制御部40は、電池17の充電電流(IBAT)に応じて、共振制御トランジスタ13を制御し、共振回路10の共振状態を変化させる。
次に、図3を参照して、充電制御部30の構成の詳細について説明する。
図3は、本実施形態における充電制御部30の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、充電制御部30は、コンパレータ(31,32,34)と、基準電源(33,35)と、順序論理回路36とを備えている。
コンパレータ31は、上述したノードN3の電圧(VDD)と、上述した電池17の出力電圧(VBAT)とを比較し、比較結果をSI信号として出力する。コンパレータ31は、例えば、ノードN3の電圧(VDD)が電池17の出力電圧(VBAT)より大きい場合に、S1信号にH状態を出力する。また、コンパレータ31は、例えば、ノードN3の電圧(VDD)が電池17の出力電圧(VBAT)以下である場合に、S1信号にL状態を出力する。
コンパレータ32は、電池17の出力電圧(VBAT)と、基準電源33の出力電圧(第1の閾値)とを比較し、比較結果をS2信号として出力する。コンパレータ32は、例えば、電池17の出力電圧(VBAT)が、基準電源33の出力電圧(第1の閾値)より大きい場合に、S2信号にH状態を出力する。また、コンパレータ32は、例えば、電池17の出力電圧(VBAT)が、基準電源33の出力電圧(第1の閾値)以下である場合に、S2信号にL状態を出力する。
また、基準電源33は、所定の電圧値(第1の閾値)を出力する定電圧源である。
コンパレータ34は、抵抗41によって充電電流(IBAT)が変換された電圧(VIBAT)と、基準電源35の出力電圧(第2の閾値)とを比較し、比較結果をS3信号として出力する。コンパレータ34は、例えば、電圧(VIBAT)が、基準電源35の出力電圧(第2の閾値)より大きい場合に、S3信号にH状態を出力する。また、コンパレータ34は、例えば、電圧(VIBAT)が、基準電源35の出力電圧(第2の閾値)以下である場合に、S3信号にL状態を出力する。
また、基準電源35は、所定の閾値電流に対応する所定の電圧値(第2の閾値)を出力する定電圧源である。
順序論理回路36は、例えば、組合せ論理回路と、ラッチ、フリップフロップなどとを利用したロジック回路であり、S1信号〜S3信号に基づいて、充電制御トランジスタ16及び電源制御トランジスタ18を制御するA信号及びB信号を出力する。また、順序論理回路36は、S1信号〜S3信号に基づいて、受電装置1の各種状態を判定し、判定結果である受電装置1の状態を示す情報を、STAT信号に出力する。
なお、本実施形態では、順序論理回路36は、シリアル通信により受電装置1の状態を示す情報をSTAT信号に出力する例を説明するが、複数の信号線により受電装置1の状態を示す情報を出力するようにしてもよい。
順序論理回路36は、例えば、アイドル状態(A信号及びB信号がH状態)において、S1信号がH状態になった場合に、充電中状態に遷移させて、A信号及びB信号にL状態を出力する。また、この場合、順序論理回路36は、STAT信号に、充電中状態を示す情報を出力する。
また、順序論理回路36は、例えば、充電中状態(A信号及びB信号がL状態)において、S2信号がL状態、且つ、S3信号がL状態になった場合に、充電中断状態に遷移させた後に、上述したアイドル状態に戻す。すなわち、この場合、順序論理回路36は、STAT信号に、充電中断状態を示す情報を出力するとともに、A信号及びB信号をH状態にして、アイドル状態に遷移させる。
また、順序論理回路36は、例えば、充電中状態(A信号及びB信号がL状態)において、S2信号がH状態、且つ、S3信号がL状態になった場合に、満充電状態に遷移させた後に、上述したアイドル状態に戻す。すなわち、この場合、順序論理回路36は、STAT信号に、満充電状態を示す情報を出力するとともに、A信号及びB信号をH状態にして、アイドル状態に遷移させる。
なお、上述した「アイドル状態」、「充電中状態」、「充電中断状態」、及び「満充電状態」の詳細については、図5を参照して後述する。
次に、図面を参照して、本実施形態による給電システム100の動作について説明する。
まず、ここでは、受電装置1の共振制御の動作について説明する。
図4は、本実施形態における受電装置1の共振制御処理の一例を示すフローチャートである。
この図において、受電装置1の共振回路10の共振状態の制御に関する動作について説明する。
まず、受電装置1は、充電中状態(電源オン状態)にする(ステップS101)。例えば、給電装置2の給電コイル21から受電装置1の受電コイル11にワイヤレス(非接触)により電力が供給され、電池17に電力が供給される。
次に、受電装置1は、充電電流が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、共振制御部40が、電池17の充電電流(IBAT)を電圧変換し、変換して電圧が所定の閾値電圧以上であるか否かにより、充電電流(IBAT)が所定の閾値以上であるか否かを判定する。
共振制御部40は、充電電流(IBAT)が所定の閾値未満である場合(ステップS102:NO)に、共振制御トランジスタ13をオン状態にする(ステップS103)。すなわち、共振制御部40が、共振制御トランジスタ13のゲート端子に、H状態を出力する。これにより、共振制御トランジスタ13がオン状態になり、共振コンデンサ12が共振回路10に電気的に接続される。
また、共振制御部40は、充電電流(IBAT)が所定の閾値以上である場合(ステップS102:YES)に、共振制御トランジスタ13をオフ状態にする(ステップS104)。すなわち、共振制御部40が、共振制御トランジスタ13のゲート端子に、L状態を出力する。これにより、共振制御トランジスタ13がオフ状態になり、共振コンデンサ12が共振回路10から電気的に切り離される。
ステップS103又はステップS104の処理の後、ステップS102の処理に戻し、ステップS102からステップS104の処理が繰り返される。
このように、共振制御部40は、例えば、充電電流(IBAT)に過電流が流れた際に、電池17に充電するための電流を適切に制限する。
次に、図5を参照して、本実施形態における受電装置1の状態遷移について説明する。
図5は、本実施形態における受電装置1の状態遷移の一例を示す図である。
図5において、受電装置1は、まず、デフォルトの状態であるアイドル状態(状態ST1)になる。
アイドル状態(状態ST1)において、順序論理回路36は、A信号をH状態にして、充電制御トランジスタ16をオフ状態にする。また、順序論理回路36は、B信号をH状態にして、電源制御トランジスタ18をオフ状態にし、共振制御部40への電源電力の供給を停止(電源を遮断)する。また、順序論理回路36は、STAT信号に、アイドル状態である旨(アイドル状態を示す情報)を出力する。なお、アイドル状態において、システム部60は、システム動作を行う。
次に、充電台25に電子機器150(受電装置1)が置かれると、受電コイル11に電力が発生し、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧であるノードN4の電圧(VBAT)より大きくなる(VDD>VBAT)。ノードN3の電圧(VDD)が、ノードN4の電圧(VBAT)より大きくなると、受電装置1は、アイドル状態から充電中状態(状態ST2)に移行する。すなわち、ノードN3の電圧(VDD)が、ノードN4の電圧(VBAT)より大きくなると、コンパレータ31がH状態になり、順序論理回路36が、受電装置1を充電中状態(状態ST2)に移行させる。
充電中状態(状態ST2)において、順序論理回路36は、A信号をL状態にして、充電制御トランジスタ16をオン状態にする。これにより、受電コイル11に供給された電力が電池17に供給され、電池17が充電される。また、順序論理回路36は、B信号をL状態にして、電源制御トランジスタ18をオン状態にし、共振制御部40への電源電力の供給を行う。これにより、共振制御部40が動作して、充電電流(IBAT)を適切に制御する。また、順序論理回路36は、STAT信号に、充電中状態である旨(充電中状態を示す情報)を出力する。なお、充電中状態において、システム部60は、システム動作を停止(休止)する。また、順序論理回路36は、S3信号に基づいて、充電電流(IBAT)の監視を行う。
次に、充電中状態(状態ST2)において、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下になると、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下になり、コンパレータ34は、S3信号にL状態を出力する。順序論理回路36は、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下、且つ、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧(第1の閾値)以下である場合(S2信号がL状態、且つ、S3信号がL状態)に、受電装置1を充電中断状態(状態ST3)に移行させる。
充電中断状態(状態S3)において、順序論理回路36は、STAT信号に、充電中断状態である旨(充電中断状態を示す情報)を出力する。また、順序論理回路36は、再びアイドル状態(状態ST1)に移行させて、A信号をH状態にして、充電制御トランジスタ16をオフ状態にする。これにより、ノードN3とノードN4との間が電気的に切り離されて、コンパレータ31がノードN3の電圧(VDD)と、ノードN4の電圧(VBAT)とを正確に比較できるようになる。また、順序論理回路36は、B信号をH状態にして、電源制御トランジスタ18をオフ状態にし、共振制御部40への電源電力の供給を停止(電源を遮断)する。
また、充電中状態(状態ST2)において、順序論理回路36は、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下、且つ、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧(第1の閾値)以下である場合(S2信号がL状態、且つ、S3信号がL状態)に、受電装置1を満充電状態(状態ST4)に移行させる。
満充電状態(状態S4)において、順序論理回路36は、STAT信号に、充電完了した旨(満充電状態を示す情報)を出力する。また、順序論理回路36は、再びアイドル状態(状態ST1)に移行させて、A信号をH状態にして、充電制御トランジスタ16をオフ状態にする。これにより、ノードN3とノードN4との間が電気的に切り離されて、コンパレータ31がノードN3の電圧(VDD)と、ノードN4の電圧(VBAT)とを正確に比較できるようになる。また、順序論理回路36は、B信号をH状態にして、電源制御トランジスタ18をオフ状態にし、共振制御部40への電源電力の供給を停止(電源を遮断)する。
なお、順序論理回路36は、充電中断状態又は満充電状態に移行した後に、再びアイドル状態に移行するが、本実施形態では、この場合の移行条件は特に定めていないが、アイドル状態に移行条件を別途定めるようにしてもよい。また、順序論理回路36は、充電完了状態に移行した後に、再びアイドル状態に移行した場合に別途ラッチなどによるフラグを立てるように構成してもよい。このように構成することで、順序論理回路36は、最初のアイドル状態であるか、再びアイドル状態に移行したのかを区別して制御させることが可能になる。
次に、図6を参照して、本実施形態における受電装置1の充電制御処理について説明する。
図6は、本実施形態における受電装置1の充電制御処理の一例を示すフローチャートである。
この図において、受電装置1の充電制御部30は、まず受電装置1をアイドル状態にする(ステップS201)。なお、アイドル状態におけるA信号、B信号、及びSTAT信号の状態は、上述した通りである。
次に、充電制御部30は、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きい(VDD>VBAT)か否かを判定する(ステップS202)。例えば、充電制御部30の順序論理回路36は、コンパレータ31の出力信号(S1信号)に基づいて、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きいか否かを判定する。充電制御部30は、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きい場合(ステップS202:YES)に、処理をステップS203に進める。また、充電制御部30は、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)以下である場合(ステップS202:NO)に、処理をステップS201に戻す。
ステップS203において、充電制御部30は、受電装置1を充電中状態にする。なお、充電中状態におけるA信号、B信号、及びSTAT信号の状態は、上述した通りである。
次に、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値以下、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS204)。例えば、充電制御部30の順序論理回路36は、コンパレータ32の出力信号(S2信号)及びコンパレータ34の出力信号(S3信号)に基づいて、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値以下、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるか否かを判定する。充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値以下、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であると判定した場合(ステップS204:YES)に、処理をステップS205に進める。また、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値以下、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるという条件を満たさないと判定した場合(ステップS204:NO)に、処理をステップS206に進める。すなわち、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きい、又は、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値より大きい場合に、処理をステップS206に進める。
ステップS205において、充電制御部30は、受電装置1を充電中断状態にし、処理をステップS201(アイドル状態)に戻す。なお、充電中断状態及びアイドル状態におけるA信号、B信号、及びSTAT信号の状態は、上述した通りである。
また、ステップS206において、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きい、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるか否かを判定する。例えば、充電制御部30の順序論理回路36は、コンパレータ32の出力信号(S2信号)及びコンパレータ34の出力信号(S3信号)に基づいて、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きい、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるか否かを判定する。充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きい、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であると判定した場合(ステップS206:YES)に、処理をステップS207に進める。また、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きい、且つ、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値以下であるという条件を満たさないと判定した場合(ステップS206:NO)に、処理をステップS203に戻し、充電中状態を維持する。すなわち、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値以下、又は、ノードN5の電圧(VIBAT)が第2の閾値より大きい場合に、処理をステップS203に戻し、充電中状態を維持する。
ステップS207において、充電制御部30は、受電装置1を満充電状態にし、処理をステップS201(アイドル状態)に戻す。なお、満充電状態及びアイドル状態におけるA信号、B信号、及びSTAT信号の状態は、上述した通りである。
次に、図7を参照して、本実施形態における順序論理回路36の動作の具体例について説明する。
図7は、本実施形態における順序論理回路36の動作の一例を示すタイムチャートである。
この図において、各波形は、上から順に、S1信号(波形W1)、S2信号(波形W2)、S3信号(波形W3)、A信号(波形W4)、B信号(波形W5)、及びSTAT信号を示している。また、波形W1〜波形W5の横軸は、時間を示し、波形W1〜波形W5の縦軸は、論理状態を示している。また、STAT信号は、STAT信号が示す状態を示している。
図7に示すように、まず、受電装置1がアイドル状態である場合(ここでは、S1信号、S2信号、及びS3信号はいずれもL状態)に、順序論理回路36は、A信号及びB信号にH状態を出力し、充電制御トランジスタ16及び電源制御トランジスタ18をオフ状態にする。また、順序論理回路36は、STAT信号にアイドル状態を示す情報を出力する。
次に、時刻T1において、電子機器150(受電装置1)が、給電装置2の充電台25の所定の位置に配置され、給電が開始されると、ノードN3の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きくなる。その結果、コンパレータ31がS1信号にH状態を出力する(波形W1参照)。順序論理回路36は、S1信号にH状態になることにより、A信号及びB信号にL状態を出力する(波形W4及び波形W5参照)。また、A信号がL状態になることにより、充電制御トランジスタ16がオン状態になる。ここでは、電池17が満充電状態でないため、電池17に充電が開始され、ノードN5の電圧(VIBAT)は、第2の閾値よりも大きくなる。そのため、コンパレータ34は、S3信号にH状態を出力する(波形W3参照)。
また、順序論理回路36は、STAT信号に充電中状態を示す情報を出力する。
次に、時刻T2において、電子機器150(受電装置1)が、給電装置2の充電台25から離されて、受電コイル11に供給される電力が低下したとする。この場合、ノードN5の電圧(VIBAT)が、第2の閾値以下になり、コンパレータ34は、S3信号にL状態を出力する(波形W3参照)。順序論理回路36は、S3信号がL状態になることにより、STAT信号に、充電中断状態を示す情報を出力して、受電装置1をアイドル状態に移行させる。その結果、順序論理回路36は、A信号及びB信号にH状態を出力する。なお、時刻T2において、充電制御トランジスタ16がオン状態であるため、コンパレータ31の出力(S1信号)は、H状態が維持される可能性があるが、A信号がH状態になることにより、充電制御トランジスタ16がオフ状態になり、コンパレータ31は、S1信号にL状態を出力する(波形W1参照)。
次に、時刻T3において、再び、電子機器150(受電装置1)が、給電装置2の充電台25の所定の位置に配置され、給電が開始されると、順序論理回路36は、時刻T1の場合と同様に、A信号及びB信号にL状態を出力する。これにより、コンパレータ34は、S3信号にH状態を出力し、受電装置1は、充電中状態に移行する。
次に、時刻T4において、電池17が満充電状態になると、電池17の出力電圧(VBAT)が第1の閾値より大きくなり、コンパレータ32は、S2信号にH状態を出力する(波形W2参照)。また、充電電流(IBAT)が徐々に減少する。その結果、ノードN5の電圧(VIBAT)が、第2の閾値以下になり、コンパレータ34は、S3信号にL状態を出力する(波形W3参照)。順序論理回路36は、S2信号がH状態になり、且つ、S3信号がL状態になることにより、A信号及びB信号にL状態を出力し(波形W4及び波形W5参照)、STAT信号に、満充電状態を示す情報を出力する。
以上説明したように、本実施形態による受電装置1は、給電コイル21を有する給電装置2と、受電コイル11を有する受電装置1とを備え、給電装置2から受電装置1に電磁誘導によって電力を給電する給電システム100の受電装置である。受電装置1は、充電制御トランジスタ16(第1のスイッチング素子)と、充電制御部30とを備えている。充電制御トランジスタ16は、受電コイル11が受電した電力を整流した直流電力により充電される電池17と直列に接続されている。充電制御部30は、充電制御トランジスタ16を制御して、直流電力を電池17に充電させるとともに、電池17の出力電圧(VBAT)と、電池17を充電する充電電流(IBAT)とに基づいて、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する。
これにより、本実施形態による受電装置1は、電池17の出力電圧(VBAT)と充電電流(IBAT)とに基づいて、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定するので、例えば、受電コイル11に供給された電力が不十分な状態になった場合でも、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれている(給電台25に受電装置1が正しく置かれている)と誤判定することがない。よって、本実施形態による受電装置1は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
また、本実施形態では、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値以下(第1の閾値以下)であり、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていないと判定するとともに、充電制御トランジスタ16をオフ状態(非導通状態)にする。
これにより、本実施形態による受電装置1は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれていないことを正確に検知することができる。
例えば、従来技術を用いた受電装置では、充電台25に受電装置を一度配置した後に、受電装置を充電台25から遠ざけた場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていないのにもかかわらず、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれている(給電台25に置かれている)と誤判定する可能性がある。すなわち、給電装置2から電力が供給されなくなっても、充電制御トランジスタ16が、オン状態であるため、受電コイル11に受電した電力を変換した直流電力の信号線に電圧が高いまま維持される。そのため、当該電圧に基づいて、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを判定する従来技術を用いた受電装置では、誤判定する可能性があった。
これに対して、本実施形態による受電装置1は、図7の時刻T2に示す動作のように、充電台25に受電装置を一度配置した後に、受電装置を充電台25から遠ざけた場合であっても、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれていないことを正確に判定し、受電側で検知することができる。すなわち、本実施形態による受電装置1は、例えば、受電装置1が給電装置2(充電台25)から離されたことを確実に検出することができる。そのため、本実施形態による受電装置1は、受電装置を充電台25から遠ざけた場合に、受電側が充電されていないことを検知できずに、無駄に電池17の電力を消費してしまうということを抑制することができる。
また、本実施形態では、充電制御部30は、電池17の出力電圧(VBAT)が所定の電圧値(第1の閾値)より大きい、且つ、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下である場合に、電池17が満充電状態であると判定するとともに、充電制御トランジスタ16をオフ状態(非導通状態)にする。
これにより、本実施形態による受電装置1は、電池17が満充電状態であることを正確に検知することができるとともに、満充電状態になった場合に、充電動作を適切に停止させることができる。
また、本実施形態による受電装置1は、充電電流(IBAT)を、当該充電電流に応じた電圧に変換する電圧変換部50(例えば、抵抗41)を備えている。充電制御部30は、電圧変換部50によって変換された電圧(VIBAT)が、所定の電流値に対応する電圧値以下(第2の閾値以下)である場合に、充電電流(IBAT)が所定の電流値以下であると判定する。
これにより、電圧値により充電電流の判定を行うことができるので、簡易な構成により、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
また、本実施形態では、充電制御部30は、整流された直流電力の電圧(VDD)が、電池17の出力電圧(VBAT)より大きい場合に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていると判定し、充電制御トランジスタ16をオン状態(導通状態)にする。
これにより、本実施形態による受電装置1は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれていることを迅速に判定することができるとともに、適切に充電動作を開始させることができる。
また、本実施形態による受電装置1は、共振コンデンサ12の電気的な接続状態を変更して、共振状態を制御する共振制御トランジスタ13(第2のスイッチング素子)と、充電電流(IBAT)に基づいて、共振制御トランジスタ13を制御する共振制御部40とを備えている。
これにより、本実施形態による受電装置1は、充電動作において過電流が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、充電制御部30は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれていないと判定した場合に、共振制御部40に対して電力の供給を停止する。
これにより、本実施形態による受電装置1は、充電動作を行っていない場合の消費電力を低減することができ、電子機器150の使用時間を延ばすことができる。
また、従来技術を用いた受電装置では、受電コイル11に受電した電力を直流電力に変換し、システム部60により検出するために、高耐圧の部品やレベルシフタなどが必要であった。これに対して、本実施形態による受電装置1では、高耐圧の部品やレベルシフタなどを必要としない。そのため、本実施形態による受電装置1では、例えば、充電制御トランジスタ16、電源制御トランジスタ18、充電制御部30、及び共振制御部40を1つの集積回路(IC:Integrated Circuit)として構成することも可能であり、その場合、耐圧の低い安価な半導体製造プロセスを利用することができる。
なお、本実施形態による充電制御部30は、コンパレータ(31,32,34)と論理回路(順序論理回路36)とで実現されており、本実施形態による受電装置1は、簡易な構成により、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
また、本実施形態による受電装置1は、機構スイッチやセンサーを使用する必要がないので、受電装置1の信頼性や設計の自由度を確保することができる。
また、本実施形態による電子機器150は、上述した受電装置1を備えている。これにより、本実施形態による電子機器150は、上述した受電装置1と同様に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
例えば、本実施形態による電子機器150は、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを正確に検知することができるので、充電台25から電子機器150を取り外した場合に、自動で主電源を入れたり、取り外されたことを示すメッセージを表示部に表示させたりといった動作が可能になる。
また、本実施形態による給電システム100は、給電コイル21を有する給電装置2と、受電コイル11を有する受電装置1とを備え、給電装置2から受電装置1に電磁誘導によって電力を給電するシステムであって、受電装置1は、充電制御トランジスタ16と、充電制御部30とを備えている。充電制御トランジスタ16は、受電コイル11が受電した電力を整流した直流電力により充電される電池17と直列に接続される。充電制御部30は、充電制御トランジスタ16を制御して、直流電力を電池17に充電させるとともに、電池17の出力電圧と、電池17を充電する充電電流とに基づいて、給電コイル21と受電コイル11とが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する。
これにより、本実施形態による給電システム100は、上述した受電装置1と同様に、給電コイル21と受電コイル11とが正しい配置に置かれているか否かを受電側で正確に検知することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記の実施形態において、充電制御部30は、順序論理回路36により実現する例を説明したが、これに限定されるものではない。充電制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などを含むプロセッサにより構成され、図6のフローチャートの処理を、プログラムを実行させることで実現するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、充電電流(IBAT)を抵抗41により電圧変換して検出する例を説明したが、これに限定されるものではなく、電流を直接検出するようにしてもよい。また、電圧変換部50の一例として、抵抗41を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、他の方式により電圧変換するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、抵抗41の一端の電圧(ノードN5)の電圧をそのまま使用する例を説明したが、オペアンプ42のような増幅回路を介して使用するようにしてもよい。この増幅回路は、抵抗41によって充電電流(IBAT)から変換された電圧を増幅するので、受電装置1は、充電電流(IBAT)の検出精度を向上させることができる。
また、上記の実施形態において、充電電流(IBAT)として、電池17に流れる電流を検出する例を説明したが、充電中にシステム部60に流れる電流がほとんどない状態であれば、充電制御トランジスタ16に流れる電流を充電電流(IBAT)として検出するようにしてもよい。
また、上記の実施形態において、共振制御部40が、電池17の充電電流(IBAT)に応じて、共振状態を制御する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、共振制御部40は、電池17の充電電圧に応じて、共振状態を制御してもよい。
また、給電システム100が備える各構成は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよい。また、給電システム100が備える各構成は、メモリ及びCPUにより構成され、給電システム100が備える各構成を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
1 受電装置
2 給電装置
10、20 共振回路
11 受電コイル
12、22 共振コンデンサ
13 共振制御トランジスタ
14 整流ダイオード
15 平滑コンデンサ
16 充電制御トランジスタ
17 電池
18 電源制御トランジスタ
21 給電コイル
23 駆動トランジスタ
24 発振回路
25 充電台
30 充電制御部
31、32、34、45 コンパレータ
33、35、46 基準電源
36 順序論理回路
40 共振制御部
41、43、44 抵抗
42 オペアンプ
50 電圧変換部
60 システム部
100 給電システム
150 電子機器

Claims (6)

  1. 給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを備え、前記給電装置から前記受電装置に電磁誘導によって電力を給電する給電システムの受電装置であって、
    前記受電コイルが受電した電力を整流した直流電力により充電される電池と直列に接続される第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子を制御して、前記直流電力を前記電池に充電させるとともに、前記電池の出力電圧と、前記電池を充電する充電電流とに基づいて、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する充電制御部と
    を備え
    前記充電制御部は、
    前記電池の出力電圧が所定の電圧値以下であり、且つ、前記充電電流が所定の電流値以下である場合に、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にし、
    前記電池の出力電圧が前記所定の電圧値より大きい、且つ、前記充電電流が前記所定の電流値以下である場合に、前記電池が満充電状態であると判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にする
    とを特徴とする受電装置。
  2. 前記充電電流を、当該充電電流に応じた電圧に変換する電圧変換部を備え、
    前記充電制御部は、前記電圧変換部によって変換された電圧が、前記所定の電流値に対応する電圧値以下である場合に、前記充電電流が前記所定の電流値以下であると判定する
    ことを特徴とする請求項に記載の受電装置。
  3. 給電コイルから給電される前記受電コイルと、前記受電コイルと共振する共振コンデンサとを有する共振回路と、
    前記共振コンデンサの電気的な接続状態を変更して、共振状態を制御する第2のスイッチング素子と、
    前記充電電流に基づいて、前記第2のスイッチング素子を制御する共振制御部と
    を備えることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の受電装置。
  4. 前記充電制御部は、
    前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定した場合に、前記共振制御部に対して電力の供給を停止する
    ことを特徴とする請求項に記載の受電装置。
  5. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の受電装置を備えることを特徴とする電子機器。
  6. 給電コイルを有する給電装置と、受電コイルを有する受電装置とを備え、前記給電装置から前記受電装置に電磁誘導によって電力を給電する給電システムであって、
    前記受電装置は、
    前記受電コイルが受電した電力を整流した直流電力により充電される電池と直列に接続される第1のスイッチング素子と、
    前記第1のスイッチング素子を制御して、前記直流電力を前記電池に充電させるとともに、前記電池の出力電圧と、前記電池を充電する充電電流とに基づいて、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれているか否かを判定する充電制御部と
    を備え
    前記充電制御部は、
    前記電池の出力電圧が所定の電圧値以下であり、且つ、前記充電電流が所定の電流値以下である場合に、前記給電コイルと前記受電コイルとが正しい所定の配置に置かれていないと判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にし、
    前記電池の出力電圧が前記所定の電圧値より大きい、且つ、前記充電電流が前記所定の電流値以下である場合に、前記電池が満充電状態であると判定するとともに、前記第1のスイッチング素子を非導通状態にする
    とを特徴とする給電システム。
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