JP2018147998A - 磁気抵抗効果素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】強磁性ホイスラー合金を用いた磁気抵抗効果素子であって、RAの値のばらつきを抑制することが可能な磁気抵抗効果素子を提供する。【解決手段】本発明に係る磁気抵抗効果素子は、磁強磁性ホイスラー合金を含む磁化固定層としての第一の強磁性層13と、強磁性ホイスラー合金を含む磁化自由層としての第二の強磁性層15と、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15との間に設けられた非磁性スペーサ層14と、を備え、非磁性スペーサ層14は、Fe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含む。【選択図】図1

Description

本発明は、磁気抵抗効果素子に関する。
近年、強磁性体層、非磁性スペーサ層、及び強磁性体層をこの順に積層させた磁気抵抗層を有する巨大磁気抵抗(GMR)効果素子、及びトンネル磁気抵抗(TMR)効果素子が、新しい磁界センサーや不揮発性ランダムアクセス磁気メモリ(MRAM)用途の素子として注目されている。
このようなデバイス用途として、近年では、RA(面積抵抗)が0.1Ωum〜0.5Ωum程度の範囲で高い磁気抵抗比(MR比)が得られる磁気抵抗効果素子が求められている。このような素子として、例えば非特許文献1では、強磁性体層としてCo基のホイスラー合金、非磁性スペーサ層としてCu(In1−xGa)Se(以下、「CIGS」と表記する場合がある)を使用したGMR素子が提案されている。
非特許文献1に記載の磁気抵抗効果素子では、磁気抵抗層の強磁性体層を構成する材料として、スピン分極率の高いCo基のホイスラー合金が用いられている。そのため、高いMR比を得ることができることが記載されている。
しかしながら、非特許文献1には、上述のような構成を有する複数の磁気抵抗効果素子間において、RAの値のばらつきが大きいことが記載されている。具体的には、磁気抵抗層の強磁性体層としてCo基のホイスラー合金、非磁性スペーサ層としてCIGSを用いた磁気抵抗効果素子においては、非特許文献1の図4の(b)に記載されているように、複数の素子間におけるRAの値が0.3Ωum〜3Ωum程度の範囲において一桁程度ばらついている。このようなRAのばらつきは、磁気抵抗効果素子の実用化において大きな障害となるものであるが、このばらつきの要因及び対策は未だ明らかになっていない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたもので、磁気抵抗層の強磁性層として強磁性ホイスラー合金を用いた磁気抵抗効果素子であって、RAの値のばらつきを抑制することが可能な磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る磁気抵抗効果素子は、強磁性ホイスラー合金を含む磁化固定層としての第一の強磁性層と、強磁性ホイスラー合金を含む磁化自由層としての第二の強磁性層と、第一の強磁性層と第二の強磁性層との間に設けられた非磁性スペーサ層と、を備え、上記非磁性スペーサ層は、Fe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含むことを特徴とする。
本発明に係る磁気抵抗効果素子によれば、非磁性スペーサ層がFe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含むため、非磁性スペーサ層の第一の強磁性層との界面近傍、及び非磁性スペーサ層の第二の強磁性層との界面近傍に、非磁性スペーサ層に含まれる磁性元素であるFe、Co又はNiを存在させることが可能となる。これにより、当該界面近傍における第一の強磁性層及び第二の強磁性層の磁化方向の安定性が向上すると考えられる。その結果、磁気抵抗効果素子のRAの値のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、本発明に係る磁気抵抗効果素子において、上記非磁性スペーサ層は、Fe基の非磁性ホイスラー合金を含むことが好ましい。この場合、第一の強磁性層と非磁性スペーサ層との界面近傍、及び第二の強磁性層と非磁性スペーサ層との界面近傍に、磁性元素であるFeを存在させることが可能となる。これにより、当該界面近傍における第一の強磁性層及び第二の強磁性層の磁化方向の安定性が特に向上すると考えられる。その結果、磁気抵抗効果素子のRAの値のばらつきを特に小さくすることが可能となる。
また、上記非磁性スペーサ層がFe基の非磁性ホイスラー合金を含む場合において、上記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、Zn、Cd、Hg、Mg、Ca、Sr、Ba、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
このような材料系を選択することで、上記非磁性ホイスラー合金のフェルミ準位近傍に小さいエネルギーギャップを形成することが可能となり、上記非磁性ホイスラー合金の電気伝導特性を半導体的にすることが可能となる。これにより、磁気抵抗効果素子のRAの値を所望の値にすることが容易となる。
さらに、上記非磁性スペーサ層がFe基の非磁性ホイスラー合金を含む場合において、上記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
このような材料系を選択することで、上記と同様の理由により、磁気抵抗効果素子のRAの値を所望の値にすることが容易となる。さらに、元素の周期表において、元素Lが属する族及び元素Mが属する族と、Feが属する族とを互いに大きく離間させることができる。これにより、上記非磁性スペーサ層の非磁性ホイスラー合金において、Feと、元素L又は元素Lとの元素置換を抑制することが可能となる。その結果、磁気抵抗効果素子のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
さらに、上記非磁性スペーサ層がFe基の非磁性ホイスラー合金を含む場合において、上記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
このような材料系を選択することで、上記と同様の理由により、磁気抵抗効果素子のRAの値を所望の値にすることが容易となる。さらに、元素の周期表において、元素Lが属する族及び元素Mが属する族と、Feが属する族とを互いにさらに大きく離間させることができる。これにより、上記非磁性スペーサ層の非磁性ホイスラー合金において、Feと、元素L又は元素Lとの元素置換をさらに抑制することが可能となる。その結果、磁気抵抗効果素子のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
また、本発明にかかる磁気抵抗効果素子において、上記非磁性ホイスラー合金は、B2構造又はL2構造を持つことが好ましい。
これにより、上記非磁性ホイスラー合金がA2構造を有する場合と比較して、上記非磁性スペーサ層の第一の強磁性層との界面近傍、及び上記非磁性スペーサ層の第二の強磁性層との界面近傍に存在する上記非磁性スペーサ層に含まれる磁性元素であるFe、Co又はNiの数を増やすことができる。その結果、当該界面近傍における第一の強磁性層及び第二の強磁性層の磁化方向の安定性がより向上するため、磁気抵抗効果素子のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
さらに、本発明に係る磁気抵抗効果素子において、第一の強磁性層及び/又は第二の強磁性層に含まれる強磁性ホイスラー合金は、CoQRの組成式で表されるホイスラー合金からなり、QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
これにより、第一の強磁性層及び/又は第二の強磁性層に含まれる強磁性ホイスラー合金のスピン偏極率を大きくすることができる。そのため、磁気抵抗効果素子のMR比が大きくなる。
さらに、本発明に係る磁気抵抗効果素子において、第一の強磁性層及び/又は第二の強磁性層に含まれる強磁性ホイスラー合金は、一般式(1)で表されるホイスラー合金を含むことが好ましい。
Coαβ …(1)
[式中、QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、前記RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素であり、2<α+β<2.6である。]
一般式(1)で表される上記強磁性ホイスラー合金において、α+β≦2になると、CoのQサイト及びRサイトへの置換が発生し易くなり、強磁性ホイスラー合金のスピン偏極率低下を引き起こし易くなる。一方、2.6≦α+βになると、強磁性ホイスラー合金の磁化量が低下し易くなるため、強磁性ホイスラー合金の磁気特性が低下し易くなる。そのため、上記強磁性ホイスラー合金において2<α+β<2.6の条件が満たされることにより、上記強磁性ホイスラー合金のハーフメタル特性が維持され易くなるため、より大きなMR比を得ることが可能となる。
本発明によれば、磁気抵抗層の強磁性層として強磁性ホイスラー合金を用いた磁気抵抗効果素子であって、RAの値のばらつきを抑制することが可能な磁気抵抗効果素子が提供される。
本実施形態に係る磁気抵抗効果素子1の断面構造図である。 ホイスラー合金の結晶構造を説明するための模式図である。 本実施形態に係る磁気抵抗効果素子を有する磁気抵抗デバイスの模式図である。
以下、本発明における実施形態を説明する。なお、以下の発明は本発明の実施形態の一部を例示するものであり、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、形態が本発明の技術的思考を有するものである限り、本発明の範囲に含まれる。各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせなどは一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
図1は、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子1の断面構造図である。磁気抵抗効果素子1は膜面垂直方向に電流を流すCPP構造の巨大磁気抵抗効果(GMR)素子である。図1に示すように、磁気抵抗効果素子1は、基板10、下地層12、磁気抵抗層18、及びキャップ層17をこの順に備える。磁気抵抗層18は、磁化自由層としての第一の強磁性層13、磁化固定層としての第二の強磁性層15、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15との間に設けられた非磁性スペーサ層14、及び反強磁性体層16を有する。
基板10を構成する材料は、適度な機械的強度を有し、且つ熱処理や微細加工に適した材質であれば、特に限定されるものではない。例えば、基板10として、金属酸化物単結晶基板、シリコン単結晶基板、熱酸化膜付シリコン単結晶基板、サファイア単結晶基板、セラミック基板、石英基板、ガラス基板などを挙げることができるが、MgO単結晶基板が特に好適である。基板10として汎用基板であるMgO単結晶基板を用いることで、公知技術を用いて容易にエピタキシャル成長膜を得ることができる。これにより、高いMR特性を有する磁気抵抗効果素子1が得られる。
下地層12は、検出用電流を流すための電極となるもので、例えばAg、Au、Cu、Cr、V、Al、W、Pt等の少なくとも一つの金属元素を含む。下地層20は、これらの金属元素の合金、又はこれら金属元素の2種類以上からなる材料の積層体を含んでもよい。そのような金属元素の合金として、例えばAgZn合金、AgMg合金、NiAl合金などの立方晶系の材料が挙げられる。
なお、基板10と下地層12の間に、上部の層の結晶配向を制御するための結晶配向層(図示せず)を設けても良い。結晶配向層として、MgO、TiN、NiTa合金の少なくとも一種類を含むものが挙げられる。また、基板10と下地層12の間に、磁気抵抗効果素子1に積層方向に沿って電流を流すための下部電極(図示せず)を設けてもよい。
磁化自由層として機能する第一の強磁性層13は、軟磁性材料で構成され、磁化方向が実質的に固定されていない。そのため、測定対象の外部磁界が印加されると、その方向に磁化方向が容易に変化する。磁化固定層として機能する第二の強磁性層15の磁化方向は、外部磁界に対して第一の強磁性層13の磁化方向よりも変化し難い。好ましくは、第二の強磁性層15の磁化方向は、測定対象の外部磁界に対して実質的に固定されており、測定対象の外部磁界に対して実質的に変化しない。磁気抵抗層18に外部磁場が印加され、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の相対的な磁化方向が変化することによって、磁気抵抗層18の抵抗値が変化して磁気抵抗効果を発揮する。
第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15は、強磁性ホイスラー合金を含み、好ましくは実質的に強磁性ホイスラー合金からなる。特に、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の強磁性ホイスラー合金は、CoQRの組成式で表されるホイスラー合金からなることが好ましい。当該組成式において、QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素である。このような強磁性ホイスラー合金を用いることにより、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15のスピン偏極率を大きくすることができる。その結果、磁気抵抗効果素子1の磁気抵抗効果を大きくすることができる。
また、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の強磁性ホイスラー合金は、下記の一般式(1)で表される強磁性ホイスラー合金であることがさらに好ましい。
Coαβ …(1)
一般式(1)において、QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素であり、2<α+β<2.6である。
一般式(1)のホイスラー合金は、2<α+β<2.6という条件を満たすため、以下のような理由により、ハーフメタル特性が維持され易くなる。即ち、一般式(1)で表されるホイスラー合金では、CoがQ、Rサイトに置換されるとスピン分極率が低下するが、Q、Rサイトの元素がCoサイトに置換された場合は、スピン分極率への影響は少ないことが理論的に示されている。そのため、2<α+βであれば、CoがQ、Rサイトに置換されることが抑制されるので、元素置換に起因するスピン分極率の低下が抑制される。一方、2.6≦α+βのときには、ホイスラー合金の磁化量が低下する。そのため、当該ホイスラー合金において、2<α+β<2.6の条件が満たされると、ハーフメタル特性が維持され易くなり、その結果、磁気抵抗効果素子1が大きな磁気抵抗効果を発揮し得る。
一般式(1)のホイスラー合金としては、CoMnα−XFeSiβ(2<α+β<2.6、α>X)が特に好ましいが、CPP構造のGMR素子で大きなΔRA(磁気抵抗変化量×素子面積)が得られるCoMnαAlβ−XSi(2<α+β<2.6、α>X)、CoFeαGaβ−XGe(2<α+β<2.6、α>X)、CoFeαAlβ−XSi(2<α+β<2.6、α>X)なども好ましい。また、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15は、1種類の強磁性ホイスラー合金、2種類以上の強磁性ホイスラー合金、又は強磁性ホイスラー合金とホイスラー合金以外の金属との組み合わせからなってもよい。また、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15の強磁性ホイスラー合金は、同じであってもよいし異なっていてもよい。
非磁性スペーサ層14は、Fe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含み、好ましくは当該非磁性ホイスラー合金からなる。非磁性スペーサ層14を非磁性ホイスラー合金で構成することで、非磁性スペーサ層14、第一の強磁性層13、及び第二の強磁性層15がいずれもホイスラー合金で構成されるため、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15を比較的容易に結晶化させることが可能となる。その結果、第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の結晶配向性を上げることが可能となる。非磁性スペーサ層14の厚さは、1nm以上、10nm以下にすることが好ましい。
Fe基の非磁性ホイスラー合金としては、例えばFeTiSi、FeZrGe、FeHfSn、FeVAl、FeTaAl、FeNbGa、FeCrZn、FeMoCd、FeWSr、FeScBi等を挙げることができ、Co基の非磁性ホイスラー合金としては、例えばCoZnGe、CoScAl、CoScGa等を挙げることができる。
反強磁性体層16は、第二の強磁性層15の非磁性スペーサ層14側とは反対側の面上に設けられている。反強磁性体層16は、第二の強磁性層15と交換結合し、第二の強磁性層15に一方向異方性を付与することによって、第二の強磁性層15の磁化の方向を実質的に固定させるために使用される。反強磁性体層16の材料としては、例えば、FeMn合金、PtMn合金、PtCrMn合金、NiMn合金、IrMn合金、NiO、Feが挙げられる。第一の強磁性層13の厚さは、例えば1nm以上、20nm以下とすることができ、第二の強磁性層15の厚さは、例えば1nm以上、20nm以下とすることができる。反強磁性体層16の厚さは、例えば5nm以上、15nm以下とすることができる。第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15について、例えば、それらの層の厚さを変えるなどの手法によって、第二の強磁性層15の保磁力が、第一の強磁性層13の保磁力より大きく、かつ、第二の強磁性層15の磁化方向が測定対象の外部磁場に対して実質的に固定される程度の大きさを有するときは、必ずしも反強磁性体層16は設けられなくてもよい。
キャップ層17は、磁気抵抗層18を保護するために設けられる。キャップ層17は、例えば、Ru、Ag、Al、Cu、Au、Cr、Mo、Pt、W、Ta、Pd、及びIrの一以上の金属元素、これら金属元素の合金、又は、これら金属元素の2種類以上からなる材料の積層体を含んでよい。キャップ層17上に、磁気抵抗効果素子1に積層方向に沿って電流を流すための上部電極(図示せず)を設けてもよい。
磁気抵抗効果素子1の製造方法は、例えばスパッタ法によって、基板11の上に、下地層12、第一の強磁性層13、非磁性スペーサ層14、第二の強磁性層15、反強磁性体層16、キャップ層17の各層を形成する工程を備えている。各工程では必要に応じて熱処理を行っても良いし、一軸磁気異方性を付与するための磁場印加処理を行っても良い。磁場印加処理の際には適宜熱処理を同時に行っても良い。また、磁気抵抗効果素子1は、電子線等を用いたリソグラフィーおよびArイオン等を用いたドライエッチングにより、磁気抵抗特性を評価可能な形状に微細加工される。
上述のような本実施形態の磁気抵抗効果素子1によれば、非磁性スペーサ層14がFe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含むため、非磁性スペーサ層14の第一の強磁性層13との界面近傍、及び非磁性スペーサ層14の第二の強磁性層15との界面近傍に、非磁性スペーサ層14に含まれる磁性元素であるFe、Co又はNiを存在させることが可能となる。これにより、当該界面近傍における第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の磁化方向の安定性が向上すると考えられる。その結果、磁気抵抗効果素子1のRAの値のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、本実施形態の磁気抵抗効果素子1においては、非磁性スペーサ層14がFe基の非磁性ホイスラー合金を含み、当該非磁性ホイスラー合金が、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、Zn、Cd、Hg、Mg、Ca、Sr、Ba、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
Fe基の非磁性ホイスラー合金として、このような材料系を選択することで、当該非磁性ホイスラー合金のフェルミ準位近傍に小さいエネルギーギャップを形成することが可能となり、上記非磁性ホイスラー合金の電気伝導特性を半導体的にすることが可能となる。これにより、磁気抵抗効果素子1のRAの値を所望の値にすることが容易となる。このような材料系の非磁性ホイスラー合金の一般式は、例えばFeLMであるが、当該非磁性ホイスラー合金の組成は、本発明の主旨を逸脱しない範囲で当該一般式から多少ずれても良い。
さらに、本実施形態の磁気抵抗効果素子1においては、非磁性スペーサ層14がFe基の非磁性ホイスラー合金を含み、当該非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
Fe基の非磁性ホイスラー合金として、このような材料系を選択することで、上記と同様の理由により、磁気抵抗効果素子1のRAの値を所望の値にすることが容易となる。さらに、元素の周期表において、元素Lが属する族(3族、4族、又は5族)及び元素Mが属する族(13族、14族、又は15族)と、Feが属する族(8族)とを互いに大きく離間させることができる。これにより、非磁性スペーサ層14の非磁性ホイスラー合金において、Feと、元素L又は元素Lとの元素置換を抑制することが可能となる。その結果、磁気抵抗効果素子1のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
さらに、本実施形態の磁気抵抗効果素子1においては、非磁性スペーサ層14がFe基の非磁性ホイスラー合金を含み、当該非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、元素Lは、Ti、Zr、Hf、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、元素Mは、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることが好ましい。
Fe基の非磁性ホイスラー合金として、このような材料系を選択することで、上記と同様の理由により、磁気抵抗効果素子1のRAの値を所望の値にすることが容易となる。さらに、元素の周期表において、元素Lが属する族(3族、又は4族)及び元素Mが属する族(14族、15族)と、Feが属する族(8族)とを互いにさらに大きく離間させることができる。これにより、非磁性スペーサ層14の非磁性ホイスラー合金において、Feと、元素L又は元素Lとの元素置換をさらに抑制することが可能となる。その結果、磁気抵抗効果素子1のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
また、本実施形態の磁気抵抗効果素子1においては、非磁性スペーサ層14の非磁性ホイスラー合金は、B2構造又はL2構造を有することが好ましい。これについて、図2を用いて説明する。図2は、FeLMの一般式で表されるFe基の非磁性ホイスラー合金のユニットセルの模式図である。図2の(a)は、L2構造のFe基の非磁性ホイスラー合金のユニットセル50Lを示し、図2の(b)は、B2構造のFe基の非磁性ホイスラー合金のユニットセル50Bを示し、図2の(c)は、A2構造のFe基の非磁性ホイスラー合金のユニットセル50Aを示している。
図2(a)に示すように、L2構造のユニットセル50Lは、4つのfcc(面心立方格子)副格子から構成される。Fe51は座標(0,0,0)および(1/2,1/2,1/2)を起点にしてfcc構造をとる。元素L53は(1/4,1/4,1/4)を起点にしてfcc構造をとる。元素M55は(3/4,3/4,3/4)を起点にしてfcc構造をとる。また、図2(b)に示すように、L2構造に対して、元素X53と元素Y55が不規則に配列した構造がB2構造である。また、図2(c)に示すように、L2構造に対して、Fe51、元素X53及び元素55が不規則に配列した構造がA2構造である。
ここで、L2構造、B2構造、及びA2構造の(001)面P1をみると、L2構造及びB2構造の(001)面P1は、Feのみで構成されていることがわかる。そして、fcc構造では、(001)面が優先配向面である。そのため、非磁性スペーサ層14を、B2構造又はL2構造を有する非磁性ホイスラー合金で構成することにより、A2構造を有する非磁性ホイスラー合金で構成した場合と比較して、非磁性スペーサ層14の第一の強磁性層13との界面近傍、及び非磁性スペーサ層14の第二の強磁性層15との界面近傍に存在する、非磁性スペーサ層14に含まれる磁性元素であるFe、Co又はNiの数を増やすことができる。その結果、当該界面近傍における第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の磁化方向の安定性がより向上するため、磁気抵抗効果素子1のRAの値のばらつきをより小さくすることが可能となる。
一方、非磁性スペーサ層14を、A2構造を有する非磁性ホイスラー合金で構成した場合、(001)面P1にFe等の磁性元素以外の元素も存在するため、当該界面近傍における第一の強磁性層13及び第二の強磁性層15の磁化方向を安定化させる効果は、相対的に低くなる。
以下、本願発明の磁気抵抗効果素子の効果をさらに明確にするため、本発明の実施例および比較例について説明する。
図3は、磁気抵抗デバイス100を磁気抵抗効果素子1の積層方向から平面視した模式図である。磁気抵抗デバイス100は、実施例及び比較例に係る磁気抵抗効果素子1のMR比を評価可能である。具体的には、磁気抵抗デバイス100は、上記実施形態に係る磁気抵抗効果素子1と、二つの電極層21、22と、電源31と、電圧計32とからなる。磁気抵抗効果素子1は、二つの電極層21、22の間に配置される。磁気抵抗効果素子1は、キャップ層17上に設けられた上部電極と、基板10及び下地層12の間に設けられた下部電極とを有する。当該上部電極及び当該下部電極と、二つの電極層21、22とが各々電気的に接続されている。二つの電極層21、22は、共に電源31と電圧計32に接続されている。電源31によって磁気抵抗効果素子1に電圧を印加すると、磁気抵抗層18の積層方向に電流が流れ、この際の磁気抵抗効果素子1への印加電圧を電圧計15でモニターすることができる。磁気抵抗効果素子1に積層方向に一定電流を流した状態で、外部から磁気抵抗効果素子1に磁場を掃引しながら磁気抵抗効果素子1への印加電圧を電圧計32によってモニターすることにより、磁気抵抗効果素子1の抵抗変化を測定することができる。そして、この抵抗変化の測定結果から、磁気抵抗効果素子1のMR比を算出することができる。このような磁気抵抗デバイス100によって、後述のように作成した実施例1〜11及び比較例1のMR比等の測定を行った。
MR比は一般的に以下の式で表される。
MR比(%)=(RAP−R)/R×100
は第一の強磁性層13と第二の強磁性層15の磁化の向きが平行の場合の磁気抵抗効果素子の抵抗であり、RAPは第一の強磁性層13と第二の強磁性層15の磁化の向きが反平行の場合の磁気抵抗効果素子の抵抗である。また、磁気抵抗効果素子1の平面視形状の面積をAとしたとき、RにAを乗じたRAをRA(面積抵抗)と定義する。RAは、印加されるバイアス電圧を磁気抵抗効果素子の積層方向に流れた電流で割ることで得られる抵抗値を、各層が接合される面の面積の逆数で割り、単位面積における抵抗値に規格化したものである。ここでは、Rに前記面積を乗じたRAをRAと定義する。また、RAの値のばらつきは、実施例1〜11及び比較例1のそれぞれについて、同一基板上に作製した平面視形状の面積が略同じ磁気抵抗効果素子を10個作成し、それぞれについて測定したRAの3σ(σはRAの標準偏差)と定義した。各実施例及び比較例に係る磁気抵抗効果素子1の構造は、X線回折像、断面透過電子顕微鏡像および各層の電子線回折像から確認した。
(実施例1)
上記実施形態に対応する実施例1の磁気抵抗効果素子について、図1に示す磁気抵抗効果素子1を参照して説明する。なお、説明の便宜上、各図において同一又は対応する部材には同一の符号を用いる。
基板10としてMgO基板を使用し、下地層12を基板10側からCr(10nm)、Ag(100nm)を積層させたものとし、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15を強磁性ホイスラー合金のCoMnSi(10nm)とし、非磁性スペーサ層14を非磁性ホイスラー合金のFeCrZn(2nm)とし、反強磁性体層16をIrMn(10nm)とし、キャップ層17をRu(5nm)とした。尚、括弧内は膜厚で、各層の成膜はスパッタ法により行われた。
第二の強磁性層15を成膜した後に、450℃の熱処理を行い、第一の強磁性層13、非磁性スペーサ層14、及び第二の強磁性層15の結晶規則化を促した。また、キャップ層17を成膜した後に、第二の強磁性層15への一軸磁気異方性付与のための磁場中熱処理を行った。このときの熱処理温度は300℃で、磁場印加強度は5kOeとした。
磁場中熱処理後に断面透過電子顕微鏡像および各層の電子線回折像を確認したところ、第一の強磁性層13、非磁性スペーサ層14及び第二の強磁性層15は、いずれもB2構造を有していることを確認した。
このように作成した実施例1に係る磁気抵抗効果素子について、上述の磁気抵抗デバイス100を用いてRA、RAばらつき、ΔRA、及びMR比を測定した。
(実施例2)
実施例2に係る磁気抵抗効果素子は、非磁性スペーサ層14としてFeCrZn(2nm)に代えて、FeTaAl(2nm)を用いた点以外は、実施例1の磁気抵抗効果素子と同様の構成を有しており、実施例1と同様の方法によって作成及び測定を行った。
(実施例3)
実施例3に係る磁気抵抗効果素子は、非磁性スペーサ層14としてFeCrZn(2nm)に代えて、FeTiSi(2nm)を用いた点以外は、実施例1の磁気抵抗効果素子と同様の構成を有しており、実施例1と同様の方法によって作成及び測定を行った。
(実施例4)
実施例4に係る磁気抵抗効果素子は、第二の強磁性層15を成膜した後に、450℃の熱処理に代えて、300℃の熱処理を行った点以外は、実施例3と同様の方法で、作成及び測定を行った。
磁場中熱処理後に実施例4の磁気抵抗効果素子の断面透過電子顕微鏡像及び各層の電子線回折像を確認したところ、第一の強磁性層13、非磁性スペーサ層14及び第二の強磁性層15は、いずれもA2構造を有していることを確認した。
(実施例5)
実施例5に係る磁気抵抗効果素子は、第二の強磁性層15を成膜した後に、450℃の熱処理に代えて、550℃の熱処理を行った点以外は、実施例3と同様の方法で、作成及び測定を行った。
磁場中熱処理後に実施例5の磁気抵抗効果素子の断面透過電子顕微鏡像および各層の電子線回折像を確認したところ、第一の強磁性層13、非磁性スペーサ層14および第二の強磁性層15は、いずれもL2構造を有していることを確認した。
(実施例6〜実施例11)
実施例6〜実施例11に係る磁気抵抗効果素子は、第一の強磁性層13と第二の強磁性層15をホイスラー合金CoMnSi(10nm)に代えて、Coに対するMnおよびSiの組成を変えたホイスラー合金Coαβを用いた点以外は、実施例3と同様の方法で、作成及び測定を行った。
(比較例1)
比較例1に係る磁気抵抗効果素子は、非磁性スペーサ層14として、FeCrZn(2nm)に代えてRhCuSnを用いた点以外は、実施例1と同様の方法で、作成及び測定を行った。
表1に、実施例1〜11及び比較例1の測定結果を示す。
Figure 2018147998
表1に示す通り、RAの値のばらつき(3σ)については、実施例1で0.075Ωum2、実施例2で0.062Ωum2、実施例3で0.043Ωum2、実施例4で0.082Ωum2、実施例5で0.042Ωum2、実施例6で0.039Ωum2、実施例7で0.041um2、実施例8で0.042Ωum2、実施例9で0.042Ωum2、実施例10で0.039Ωum2、実施例11で0.041Ωum2、となり、いずれも比較例1での0.183Ωum2よりも小さい値となった。
さらに、RAの値のばらつきは、実施例1、実施例2、実施例3の順に小さくなっている。これは、非磁性スペーサ層14として用いたFeLMについて、元素の周期表において、8族のFeに対して、X元素が属する族及びY元素が属する族を離すほどRAばらつきが小さくなることを示している。また、実施例3、実施例4及び実施例5の比較によって、RAの値のばらつきという観点では、非磁性スペーサ層14の結晶構造は、A2構造であるよりも、B2構造又はL2構造であることが好ましいことが示されている。さらに、実施例3、実施例6〜実施例11の結果から、Coαβのαとβの合計量を、2より大きく2.6より小さくすることで、特にMR比が大きくなることが示された。
1…磁気抵抗効果素子、10…基板、12…下地層、13…第一の強磁性層(磁化自由層)、14…非磁性スペーサ層、15…第二の強磁性層(磁化固定層)、16…反強磁性体層、17…キャップ層。

Claims (8)

  1. 強磁性ホイスラー合金を含む磁化固定層としての第一の強磁性層と、
    強磁性ホイスラー合金を含む磁化自由層としての第二の強磁性層と、
    前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性層との間に設けられた非磁性スペーサ層と、
    を備え、
    前記非磁性スペーサ層は、Fe基、Co基、又はNi基の非磁性ホイスラー合金を含むことを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記非磁性スペーサ層は、Fe基の非磁性ホイスラー合金を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、前記元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、前記元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、Zn、Cd、Hg、Mg、Ca、Sr、Ba、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、前記元素Lは、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、前記元素Mは、Si、Ge、Sn、Al、Ga、In、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記非磁性ホイスラー合金は、Fe元素、元素L、及び、元素Mで構成され、前記元素Lは、Ti、Zr、Hf、Sc、及びYからなる群より選択される一以上の元素であり、前記元素Mは、Si、Ge、Sn、P、As、Sb、及びBiからなる群より選択される一以上の元素であることを特徴とする請求項2に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記非磁性ホイスラー合金は、B構造又はL2構造を持つことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記第一の強磁性層及び/又は前記第二の強磁性層に含まれる前記強磁性ホイスラー合金は、CoQRの組成式で表されるホイスラー合金からなり、前記QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、前記RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第一の強磁性層及び/又は前記第二の強磁性層に含まれる前記強磁性ホイスラー合金は、一般式(1)で表されるホイスラー合金を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
    Coαβ …(1)
    [式中、QはCr、Mn、及びFeからなる群より選択される一以上の元素であり、前記RはAl、Si、Ga、Ge、In、及びSnからなる群より選択される一以上の元素であり、2<α+β<2.6である。]
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