JP2018145385A - 熱硬化性接着フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】密着性や耐熱性に加えて、接着フィルムとしての保存性(Bステージ保存性)および高い伸び性を備えた接着フィルムを提供すること。【解決手段】重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂30〜80質量%、固形エポキシ樹脂10〜50質量%、及び酸無水物10〜50質量%を少なくとも含む、熱硬化性接着フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性接着フィルムに関する。
エレクトロニクス分野の発展に伴い、電子機器などの小型化及び薄型化、軽量化、高密度化に関する要求がさらに高まっている。さらには、用途に応じて、曲面や凹凸面などに配置したり自由に変形させたり、折り曲げたりすることが可能な柔軟なデバイスが要求されつつある。
熱硬化性樹脂は、従来、その優れた耐熱性、耐薬品性、成形性、絶縁信頼性等により電子材料用途や光学材料など幅広い分野で使用されている。特に、熱硬化性樹脂を用いる接着フィルムは、様々な電子部品の層間接着、ICモジュールとICカードの接着固定等に好適に用いられている。
例えば、特許文献1では、接着性、耐熱性、柔軟性に優れ、特に、高湿度の雰囲気に長期間晒された後でも絶縁信頼性を維持できる熱硬化性接着剤組成物及び接着シートの提供を目的とする、アクリル樹脂(A)と、主鎖に環状構造を有する付加型ポリエステル樹脂(B)と、エポキシ基含有化合物、イソシアネート含有化合物、およびブロック化イソシアネート基含有化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種である化合物(C)とを含む熱硬化性接着剤組成物から形成されてなる接着剤層を含有する接着シートが開示されている。
また、特許文献2には、曲げ応力や衝撃も吸収する柔軟性を有し、高温下での変形が防止できる熱硬化型フィルム状接着シートの提供を目的とする、(A)ニトリル−ブタジエンゴム、(B)フェノール樹脂および(C)ヘキサメチレンテトラミンからなる樹脂組成物を(D)有機溶媒に溶解した後、有機溶媒を実質上残存しない濃度まで除去することにより、10〜150μmの厚さのフィルムを用いた熱硬化型フィルム状接着シートが開示されている。
しかしながら、特許文献1や2に記載されているような熱硬化性シートは密着性や耐熱性等の特性に優れているものの柔軟性に関しては自由変形させられるほどの大きな伸び性を持つわけでなく、充分な伸びが得られているとはいい難い。装着性や形状追従性が要求されるデバイス、例えば、太陽電池を始めとするフレキシブルバッテリーや医療分野、装飾分野、車載分野などの用途対して伸び性の充分なものではなかった。
一方で、液状熱硬化性エポキシ樹脂組成物として、分子内に環状脂肪族骨格と2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物と2個以上の末端水酸基を有するポリオールオリゴマーとから構成される主剤と硬化剤及び硬化促進剤を含む組成物が報告されている(特許文献3)。しかしながら、このような液状熱硬化性樹脂組成物はBステージ(半硬化状態)で保存することができないため、該樹脂組成物を用いて接着フィルムを得ることはできない。
特開2013−159762号公報 特開2006−210867号公報 国際公開WO2006/064736号
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたものであり、密着性や耐熱性に加えて、接着フィルムとしての保存性(Bステージ保存性)および高い伸び性を備えた接着フィルムを提供することを目的とする。
本発明の一つの局面に関する熱硬化性接着フィルムは、重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂30〜80質量%と、固形エポキシ樹脂10〜50質量%と、酸無水物10〜50質量%とを少なくとも含むことを特徴とする。
前記熱硬化性接着フィルムにおいて、前記固形エポキシ樹脂の軟化点が40℃以上であり、重量平均分子量が800以上であることが好ましい。
また、前記熱硬化性接着フィルムにおいて、前記酸無水物の当量が200以上であり、かつ、数平均分子量が400以上であることが好ましい。
本発明の他の局面に関するフィルムは、上述の熱硬化性接着フィルムを硬化して得られるフィルムである。
本発明によれば、密着性や耐熱性に加えて、接着フィルムとしての保存性(Bステージ保存性)および高い伸び性を備えた接着フィルムを提供することができる。またこのような特徴を有する接着フィルムは、装着性や形状追従性が要求されるデバイスに適用できる。
本発明者等は、鋭意検討した結果、所定の特性を有するポリオール樹脂、酸無水物および固形エポキシを用いることによって、優れた密着性および耐熱性に加えて、Bステージでの保存性と高い伸び性を有する接着フィルムが得られることを見出し、当該知見に基づいてさらに研究を重ね、本発明に至った。
なお、本実施形態において、Bステージ保存性が良いとは、20℃1ケ月保存した接着フィルムを被着材とラミネートし、硬化した後の密着性が初期品とくらべ低下することなく良好であるという特性をさす。
また、本実施形態において、高い伸び性とは、引張特性評価で測定される室温(23℃)での引っ張り破断までの伸びが大きいことを意味する。
以下、本発明に係る実施形態について具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
本実施形態の熱硬化性接着フィルムは、重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂30〜80質量%と、固形エポキシ樹脂10〜50質量%と、酸無水物10〜50質量%とを少なくとも含むことを特徴とする。
(ポリオール樹脂)
本実施形態で使用するポリオール樹脂は、重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂であれば、特に限定なく用いることができる。
重量平均分子量が10万から100万であることにより、溶媒溶解性が良好となり、フィルム形成能に優れた高伸び性の熱硬化性接着フィルムが得られる。重量平均分子量が10万未満ではフィルム形成能が低下する。一方、重量平均分子量が100万より大きくなると溶媒溶解性が低下する。また、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであることにより、耐熱性や伸び性の良好な接着フィルムが得られる。水酸基価が60mgKOH/g未満であると耐熱性が低下し、水酸基価が110mgKOH/gより大きくなると伸び性が低下する。
ポリオール樹脂の好ましい具体例としては、例えば、グリコール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオールなどが挙げられる。アクリルポリオールは、ヒドロキシエチルメタクリレートなどヒドロキシキシ基をもったアクリルモノマーと他のアクリルモノマーやスチレンとの共重合で得られる。ポリエステルポリオールは、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオールなどの多価アルコールと多塩基酸との縮合反応で得られる。ポリエーテルポリオールはエチレンオキシドなどの開環重合で得られる。これらポリオールの中でも好ましくはアクリルポリオールを使用することができる。これらは、必要に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の接着フィルムは、上記したようなポリオール樹脂を30〜80質量%含有する。この範囲でポリオール樹脂を含むことにより、より確実に高伸び性熱硬化性接着フィルムを得ることができる。より好ましいポリオール樹脂の含有量は、30〜60質量%である。
(固形エポキシ樹脂)
本実施形態の接着フィルムに含有される固形エポキシ樹脂としては、常温で固形状のエポキシ樹脂であれば特に限定なく使用することができる。
具体的には、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキルエポキシ樹脂、ビフェノールアラルキルエポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、等が挙げられる。これらは、必要に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、接着フィルムを被着体へラミネートする際に、気泡をかみこまないようにフィルム表面のタック(べたつき)の無いフィルムを得るという観点から、軟化点40℃以上、重量平均分子量800以上の固形エポキシ樹脂を使用することが好ましい。
このようなエポキシ樹脂としては市販のものを使用することもでき、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂としてJER1003(三菱ケミカル製 重量平均分子量1300)やJER1004(三菱ケミカル製 重量平均分子量1650)等が好ましい。
本実施形態の接着フィルムは、上記したような固形エポキシ樹脂を10〜50質量%含有する。この範囲で固形エポキシ樹脂を含むことにより、熱硬化性接着フィルムが耐熱性をより確実に備えることができる。
(酸無水物)
本実施形態で使用される酸無水物は、特に限定はされないが、例えば、1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4‐メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 メチルビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、グリセリンビスアンヒドロトリメロテートモノアセテートなどを用いることができる。これらは、必要に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、当量が200以上、数平均分子量400以上の酸無水物を好適に用いることができる。このような酸無水物を用いる場合、揮発性が低く(例えば、160℃で15分置いた場合の、水分の揮発を除く揮発成分が0.5%以下)、接着フィルムの両面へのラミネートが可能となるという利点がある。一方、酸無水物の当量が200未満、分子量400未満の場合、接着フィルムの片面へのラミネートは可能であるが、接着フィルムの両面へのラミネートは、揮発ガスが発生するため難しい場合がある。
特に、酸無水物が下記化学式(1)で表される骨格構造を含む、多官能脂環式酸無水物であることが好ましい。
Figure 2018145385
このような多官能脂環式酸無水物を用いることにより、接着フィルムラミネート後の硬化時の揮発ガス発生がなくなるため、接着フィルムの両面に被着体をラミネートができ、着色のない接着フィルムが得られるという利点がある。
本実施形態の接着フィルムは、上記したような酸無水物を10〜50質量%含有する。この範囲で酸無水物を含むことにより、密着性、耐熱性の優れた接着フィルムとなる。
(その他の添加剤)
本実施形態の接着フィルムは、上述した成分以外にも、例えば、硬化剤等を含んでいてもよい。硬化剤としては、熱硬化性樹脂の硬化剤として働くものであれば、特に制限はない。特に、エポキシ樹脂の硬化剤として好ましく使用できるとしては、フェノール樹脂、アミン系化合物、酸無水物、イミダゾール系化合物、スルフィド樹脂、ジシアンジアミドなどが例として挙げられる。また、光・紫外線硬化剤、熱カチオン硬化剤なども使用できる。これらは、状況に応じて、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態の接着フィルムは、本発明の効果を損なわない範囲でその他の添加剤、例えば、架橋剤、硬化触媒(硬化促進剤)、難燃剤、難燃助剤、レベリング剤、着色剤、無機フィラー(例えば電気伝導性フィラー、熱伝導性フィラー等)等を必要に応じて含有してもよい。
(接着フィルムの製法)
本実施形態の熱硬化性接着フィルムの調製方法については、特に限定はなく、例えば、以下の方法で得ることができる。
まず、ポリオール樹脂、固形エポキシ樹脂、酸無水物、硬化剤および必要に応じてその他の添加剤と、溶媒とを均一になるように混合させて樹脂溶液を得る。本実施形態で使用する溶媒に特に限定はなく、例えば、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等を使用することができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、必要に応じて、粘度を調整するための有機溶剤や、各種添加剤を配合してもよい。
上述のようにして得られた樹脂溶液を加熱硬化することによって、溶媒を蒸発させながら、半硬化させ、本実施形態の接着フィルムを得ることができる。
樹脂溶液を加熱硬化するための方法、装置、それらの条件については、従来と同様の各種手段、あるいはその改良された手段であってよい。具体的な加熱温度と時間は、使用する架橋剤や溶媒等によって適宜設定することができるが、例えば、50〜200℃で60〜120分間程度加熱することによって、前記樹脂溶液を硬化させて接着フィルムを得ることができる。
上記のようにして得られる本実施形態の接着フィルムの厚みは、特に限定はされず、用途に応じて適宜調整可能である。具体的には、例えば、10μm〜100μmの厚みであれば、ハンドリング性、光学特性、装着性の観点で好ましい。
このようにして得られる本実施形態の接着フィルムは、密着性や耐熱性に加えて、接着フィルムとしての保存性(Bステージ保存性)および高い伸び性を兼ね備えている。このような特徴を有する本実施形態の接着フィルムは、装着性や形状追従性が要求されるデバイス、例えば、太陽電池を始めとするフレキシブルバッテリーや医療分野、装飾分野、車載分野などの用途にも適用できると考えられる。
本明細書は、上述したように様々な態様の技術を開示しているが、そのうち主な技術を以下に纏める。
本発明の一つの局面に関する熱硬化性接着フィルムは、重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂30〜80質量%と、固形エポキシ樹脂10〜50質量%と、酸無水物10〜50質量%とを少なくとも含むことを特徴とする。
このような構成により、密着性や耐熱性に加えて、接着フィルムとしての保存性(Bステージ保存性)および高い伸び性を兼ね備えた接着フィルムを提供することができる。
前記熱硬化性接着フィルムにおいて、前記固形エポキシ樹脂の軟化点が40℃以上であり、分子量が800以上であることが好ましい。これにより、フィルム表面のタック(べたつき)の無いフィルムが得られ、接着フィルムを被着体へラミネートする際に、気泡をかみこまないようにすることができるという利点がある。
また、前記熱硬化性接着フィルムにおいて、前記酸無水物の当量が200以上であり、かつ、数平均分子量が400以上であることが好ましい。これにより、熱硬化性接着フィルムの両面に被着体をラミネートができるという利点がある。
本発明の他の局面に関するフィルムは、上述の熱硬化性接着フィルムを硬化して得られるフィルムである。本発明のフィルムは、高い密着性、耐熱性および伸び性を備えるフィルムであるため、装着性や形状追従性が要求されるデバイス等に好適に使用することができる。
以下に、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(ポリオールA1〜A8の調製)
まず、ポリオールを以下の方法で調製した。
下記表1に記載した配合表に従い、各モノマーを配合してポリオールAの調製を行った。
撹拌機を備えた四つ口フラスコに水1300質量部を入れ、分散安定剤としてポリビニルアルコール3質量部を溶解し、撹拌しつつ、表1に示す質量比で各モノマー成分を混合した混合物430質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部を投入し、懸濁液を作製した。この懸濁液を、撹拌しながら68℃まで昇温させ、4時間一定に保って反応させた。その後、室温(約25℃)まで冷却した。次いで、反応物を固液分離し、水で十分に洗浄した後、乾燥機を用いて乾燥させることによりポリオールA(合成例1〜8)を得た。
合成例1〜8で得られたポリオールAについて、重量平均分子量Mw及び溶剤溶解性を評価した。結果を表1に示す。溶解性はトルエンに15質量%溶解した試料を合格、溶解しない試料を不合格とした。合成例8で調製したポリオール樹脂A8は、トルエン15%に溶けなかったため、後述の実施例では使用できなかった。
Figure 2018145385
(ポリオールCの調製)
ポリエチレングリコール(重量平均分子量3.5万)、α−シクロデキストリン(以下、単に「α−CD」と略記する場合がある)、アダマンタンアミン基からなるポリオールAを下記の方法で作製した。
PEG(分子量3.5万)10g、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシラジカル)100mg、及び臭化ナトリウム1gを水100mlに溶解した。得られた溶液に次亜塩素酸ナトリウム水溶液(有効塩素濃度約5%)5mlを添加し、室温で攪拌しながら反応させた。pH:10〜11を保つように1N NaOHを添加して調製した。pHの低下は概ね3分以内に見られなくなったが、さらに10分間攪拌した。エタノールを最大5mlまでの範囲で添加して反応を終了させた。塩化メチレン50mlでの抽出を3回繰返して無機塩以外の成分を抽出した後、エバポレータで塩化メチレンを留去した。温エタノール250mlに溶解させた後、−4℃の冷凍庫に一晩おいてPEG−カルボン酸のみを析出させた。析出したPEG−カルボン酸を遠心分離で回収した。この温エタノール溶解−析出−遠心分離のサイクルを数回繰り返し、最後に真空乾燥で乾燥させてPEG−カルボン酸を得た。
上記で調製したPEG−カルボン酸3g及びα−CD12gをそれぞれ別々に用意した70℃の温水50mlに溶解させた後、両者を混合し、その後、冷蔵庫(4℃)中で一晩静置した。クリーム状に析出した包接錯体を凍結乾燥し回収した。室温でジメチルホルムアミド(DMF)50mlにアダマンタンアミン0.13gを溶解し、上記で得られたポリオール14gに添加した後、すみやかによく振りまぜた。続いて、BOP試薬(ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム・ヘキサフルオロフォスフェート)0.38gをDMF25mlに溶解したものを添加し、同様によく振りまぜた。さらに、ジイソプロピルエチルアミン0.14mlをDMF25mlに溶解したものを添加し、同様によく振り混ぜた。得られた混合物を冷蔵庫中で一晩静置した。その後、DMF/メタノール=1:1混合溶液100mlを加えてよく混ぜ、遠心分離して上澄みを捨てた。このDMF/メタノール混合溶液による洗浄を2回繰り返した後、さらにメタノール100mlを用いた洗浄を同様の遠心分離により2回繰り返した。得られた沈澱を真空乾燥した後、ジメチルスルホキシド(DMSO)50mlに溶解し、得られた透明な溶液を水700ml中に滴下してポリオールを析出させた。析出したポリオールを遠心分離で回収し、真空乾燥又は凍結乾燥させた。このDMSO溶解−水中で析出−回収−乾燥のサイクルを2回繰り返し、最終的に精製ポリオールBを得た。
上記ポリオールBのα−CDのOH基の一部を、さらにヒドロキシプロピル化したのち、得られた調整物20gを三つ口フラスコに入れ、窒素をゆっくり流しながら、ε−カプロラクトン90gを導入した。130℃、60分間メカニカル撹拌機によって均一に撹拌した後、予めトルエンで薄めた2−エチルヘキサン酸スズ(50質量%溶液)6gを添加し、5時間反応させ、溶媒を除去し、反応生成物110gを得た。また、得られたポリオールは、GPCにより、重量平均分子量Mwが60万であった。水酸基価は73mgKOH/gであった。溶媒を除去し、側鎖にポリカプロラクトンで修飾されたポリオールを固体として得て、ポリオールCとした。
合成したポリオールの分子量、分子量分布の測定は、PU610−1X ジーエルサイエンス(株)GPC装置で行った。水酸基価、酸価の測定は、JIS 0070−1992に準ずる方法で測定した。
(酸無水物Aの調製)
酸無水物Aの調製における化合物の略称は以下のとおりである。
リカビノールHB:水素化ビスフェノールA(新日本理化(株)製)
リカシッドHH:ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製)、数平均分子量154、酸無水物当量154g/eq
シクロヘキサノン15.0g中、リカビノールHB17.6g(73.0mmol)にリカシッドHH22.5g(146.0mmol、リカビノールHBに対し2.0倍mmol)を加え、窒素気流下にて110℃で3時間攪拌してジカルボン酸化合物(HB/HH)シクロヘキサノンの溶液を得た。
このジカルボン酸化合物溶液に無水酢酸26.1g(255.5mmol、リカビノールHBに対し3.5倍mmol)を加えて、1時間窒素気流下にて100℃で攪拌した。そして、反応容器内を10.7〜13.3kPaに徐々に減圧し、次いで、反応容器中に60ml/時間の速度でシクロヘキサノンを滴下し、一方で副生する酢酸をシクロヘキサノンと共に反応系外に60ml/時間の速度で留去しながら、100℃で5時間にわたって縮合反応させることで、ポリカルボン酸無水物溶液を得た。当量は1150、数平均分子量4700であった。その後、酢酸ブチルで希釈し、ポリカルボン酸無水物40重量%に調整した。
得られたポリカルボン酸無水物について、下記に示す方法で、赤外吸収(FT−IR)スペクトル、数平均分子量、酸無水物当量を測定・算出した。
<赤外吸収(FT−IR)スペクトル>
得られたポリカルボン酸無水物溶液を真空乾燥し、溶剤を留去した後、フレーク状固体のポリカルボン酸無水物を得た。このポリカルボン酸無水物について、FT−IR測定によるスペクトルに酸無水物基を示すピーク(1813cm−1)が観られ、目的のポリカルボン酸無水物(酸無水物A)が得られたことが観察された。
<数平均分子量>
ポリカルボン酸無水物溶液約0.1gをテトラヒドロフラン2mlで溶解して、分子量測定用の試料溶液を調製する。数平均分子量Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)を用いてポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)を求めた。
<酸無水物当量>
ポリカルボン酸無水物溶液を三角フラスコに3.00g計り取り、ピリジン10mlを加えて溶解する。さらにイオン交換水50mlを加えて3時間加熱還流した後、室温(25℃)まで放冷する。放冷後、1重量%フェノールフタレイン溶液を5滴加え、0.5M水酸化カリウムエタノール溶液で滴定を行い、呈色が30秒間持続する点を終点とした。酸無水物当量は、以下の計算式(1)に当てはめて算出した。酸無水物当量(g/eq)は酸無水物基1モルを含むポリカルボン酸無水物溶液の質量をそのグラムで表わしたものである。
酸無水物当量=(B×2×103)/(A×N) (1)
A:滴定で使用した0.5M水酸化カリウムエタノール溶液(ml)
B:試料採取量(g)
N:水酸化カリウムエタノール溶液の規定度
(使用した各材料)
本実施例および比較例で用いた各種材料は次の通りである。
・ポリオール樹脂:上記のポリオールB
・エポキシ樹脂A:三菱化学株式会社製「JER1003」(メチル基が7〜8個、2官能、重量平均分子量1300)
・エポキシ樹脂B:三菱化学株式会社製「JER828」(液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、重量平均分子量370)
・酸無水物A:上記で調製したポリカルボン酸無水物
・酸無水物B:ヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製)(数平均分子量154、酸無水物当量154g/eq)
・硬化促進剤:四国化成株式会社製「2E4MZ」、2エチル4メチルイミダゾール
<実施例1−11および比較例1〜8>
下記表2に示す配合組成(質量部)に、固形分濃度40質量%となるように、溶剤メチルエチルケトンを添加して均一に混合し、樹脂溶液(ワニス)を調製した。
次に得られた樹脂組成物を、厚み75μmのPETフィルム(支持体)上にバーコータで塗布し、120℃にて10分乾燥し、溶媒を除去して接着フィルムを得た。
次にその接着フィルムを170℃で、60分間加熱硬化させた。得られた硬化物を、厚み50μmのダンベル6号形状(測定部位幅4mm、平行部長さ25mm)のフィルムとし、後述する伸びの評価におけるサンプルとして用いた。
<評価方法>
(フィルム性)
実施例および比較例の接着フィルムにおけるフィルム性の評価では、塗布、乾燥して得られた接着フィルムがラミネート時にエア等が入らず、べたつきがなく、フィルムとして取り扱うことが可能なものを合格とした。一方、ワニスの溶解性が悪く、塗布、乾燥しても得られた接着フィルムの相溶性がなく濁っていたり、接着フィルムがラミネート時にエアが入ったりするようなべたつきのある場合は不合格と判定した。
(密着性)
ポリイミド層を有するフレキシブル基板材料R−F775(厚みの比率:銅箔/ポリイミド/銅箔=12μm/25μm/12μm)の両面銅箔をエッチングし、ポリイミドフィルムを得た。ポリイミドフィルムに接着フィルムを40℃重ね真空ラミネーターを用い、加圧0.3MPa、60秒間でポリイミドと接着フィルムの貼り合せ品を得た。その貼り合せ品を接着フィルムに付いてPETフィルムを剥がした後、150℃、30分の条件で加熱し、密着性評価用サンプルを得た。接着フィルムのポリイミドからの引き剥がしを行い、連続的に接着フィルムの剥離されないものを合格とした。
(伸び性)
各実施例および比較例で得られた、厚み50μmのダンベル6号形状(測定部位幅4mm、平行部長さ25mm)の硬化物フィルムを試験速度25mm/min、温度23℃で引っ張り破断までの伸びを評価した。100%以上の伸びがあるものを合格とし、100%未満の伸びのものを不合格とした。
(半田耐熱性)
各実施例および比較例で得られた接着フィルムを170℃で、60分間で加熱硬化し25mm×25mmにカットしたものをサンプルとした。半田浴260℃、60秒間サンプルをフロートさせ、取り出した後、外観変化がないか観察を行った。収縮等の外観変化なきものを合格とした。
以上の結果を表2に示す。
Figure 2018145385
<考察>
表2の結果から明らかなように、実施例1〜12で得られたフィルムは均一で、密着性、伸び、半田耐熱性のいずれにおいても、比較例に比べ良好であった。
それに対し、用いたポリオール樹脂の分子量が小さすぎる比較例1やポリノール樹脂を使用しなかった比較例7のフィルムでは、伸びが得られなかった。また、用いたポリオール樹脂の水酸基価が大きすぎる比較例3のフィルムにおいても伸びは得られなかった。
そして、用いたポリオール樹脂の水酸基価が小さすぎる比較例2やエポキシ樹脂を使用しなかった比較例6のフィルムでは、十分な耐熱性が得られなかった。
なお、実施例1から12および比較例1〜3、5〜7で得られたフィルムは透明であったが、比較例4では、ワニス溶解性が悪く、フィルムも濁り相溶性もなかったので、あとの評価を行っていない。また、比較例5では接着フィルムのべたつきのためラミネート時にエアが入り、均一なラミネートができなかったため、あとの評価を行っていない。

Claims (4)

  1. 重量平均分子量が10万から100万であり、かつ、水酸基価が60mgKOH/gから110mgKOH/gであるポリオール樹脂30〜80質量%、
    固形エポキシ樹脂10〜50質量%、及び
    酸無水物10〜50質量%を少なくとも含む、熱硬化性接着フィルム。
  2. 前記固形エポキシ樹脂の軟化点が40℃以上であり、重量平均分子量が800以上である請求項1に記載の熱硬化性接着フィルム。
  3. 前記酸無水物の当量が200以上であり、かつ、数平均分子量が400以上である、請求項1または2に記載の熱硬化性接着フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性接着フィルムを硬化したフィルム。
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