JP2018145360A - 共役ジエン系重合体のベール成形体 - Google Patents

共役ジエン系重合体のベール成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】表面からの共役ジエン系重合体粒子の剥がれを抑制でき、かつ膨張率が低減された、共役ジエン系重合体のベール成形体の提供。【解決手段】共役ジエン、好ましくは1,3−ブタジエン、イソプレン系重合体100質量部と、SP値が7〜9.5〔(cal/ml)1/2〕の、好ましくは石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、又はロジン樹脂である、添加剤3〜60質量部とを、含有する、共役ジエン系重合体のベール成形体。前記添加剤が−40〜100℃の軟化点を有することが好ましい前記成形体。前記共役ジエン系共重体が100万以上の分子量の共役ジエン重合体を30〜90質量%含有する、前記成形体。【選択図】図3

Description

本発明は、共役ジエン系重合体のベール成形体に関する。
溶液重合で得られる共役ジエン系重合体の製造工程においては、一般に重合工程後に得られる共役ジエン系重合体と溶剤の混合物から脱溶剤することにより固形状の共役ジエン系重合体の粒子を得、この粒子を圧縮成形し、ベールと称される直方体の成形体を加工する。
特許文献1には、溶融混練して押し出したゴムからペレットを製造し、そのゴムペレットを圧縮成形することによってベールを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、ベールへの金属成分が混入することを防止することができるベールの成形装置とベールの製造方法が開示されている。
特開2012−86424号公報 特開2008−93954号公報
近年、共役ジエン系重合体の主用途である自動車用タイヤにおいて、耐摩耗性の向上のニーズが一層強まる傾向にあり、これに対応するために、共役ジエン系重合体の高分子量化が進んでいる。
しかしながら、高分子量の共役ジエン系重合体は、当該共役ジエン重合体のベールの表面から重合体の粒子が剥がれ落ち易く、成形機周辺や成形後にベールを搬送するコンベア周辺がポリマー粒子で汚染されるため、作業環境上の課題となっている。
また、ベールは、成形直後から膨脹する傾向にあるが、分子量が高いほどその傾向が大きく、コンテナへの収納が困難になるという問題を有している。
そのため、高分子量の共役ジエン系重合体のベールにおいては、表面からの粒子の剥がれを抑制し、かつベールの膨張率を低減することが望まれている。
そこで本発明においては、共役ジエン系重合体のベール表面からの重合体粒子の剥がれを抑制し、かつ膨張率を低減したベールを提供することを目的とする。
本発明者らは、上述した従来技術の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のSP値を有する添加剤を含む共役ジエン系重合体のベール成形体は、表面からの重合体粒子の剥がれを抑制でき、かつ膨張率を低減できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
共役ジエン系重合体100質量部と、
SP値が7〜9.5〔(cal/ml)1/2〕の添加剤3〜60質量部と、
を、含有する、
共役ジエン系重合体のベール成形体。
〔2〕
前記添加剤の軟化点が−40〜100℃である、前記〔1〕に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
〔3〕
前記添加剤が、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、及びロジン樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも1種である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
〔4〕
前記共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記石油樹脂を10〜20質量部含有する、前記〔3〕に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
〔5〕
前記共役ジエン系重合体が、分子量100万以上の共役ジエン系重合体を30〜90質量%含有する、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
本発明によれば、表面からの共役ジエン系重合体粒子の剥がれを抑制でき、かつ膨張率が低減された、共役ジエン系重合体のベール成形体が得られる。
本実施形態のベール成形体の第一の製造工程の概略断面図を示す。 本実施形態のベール成形体の第二の製造工程の概略断面図を示す。 本実施形態のベール成形体の第三の製造工程の概略断面図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と記載する。)について詳細に説明する。
なお、以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定するものではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔共役ジエン系重合体のベール成形体〕
本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体は、
共役ジエン系重合体100質量部と、
SP値が7〜9.5〔(cal/ml)1/2〕の添加剤3〜60質量部と、
を、含有する。
(共役ジエン系重合体)
本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体は、共役ジエン系重合体を含有する。
共役ジエン系重合体の原料となるモノマーは、重合可能な共役ジエン化合物であれば特に限定されず、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン化合物中に、アレン類、アセチレン類等が不純物として含有されていると、重合体末端の変性反応を阻害するおそれがある。そのため、これらの不純物の含有量濃度(質量)の合計は、200ppm以下であることが好ましく、100ppm以下であることがより好ましく、50ppm以下であることがさらに好ましい。
アレン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、プロパジエン、1,2−ブタジエン等が挙げられる。アセチレン類としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチルアセチレン、ビニルアセチレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体は、前記共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体であってもよい。
芳香族ビニル化合物は共役ジエン化合物と共重合可能な単量体であればよく、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、m又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、スチレンが好ましい。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
共役ジエン系重合体が共重合体である場合、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
ランダム共重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体等が挙げられる。
共重合体鎖中の各単量体の組成分布は特に限定されないが、例えば、統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、組成分布に勾配があるテーパー(勾配)ランダム共重合体等が挙げられる。
共役ジエンの結合様式、すなわち1,4−結合や1,2−結合等の組成は、分子鎖によって均一であってもよいし、異なっていてもよい。
ブロック共重合体としては、例えば、ブロックが2個からなる2型ブロック共重合体、3個からなる3型ブロック共重合体、4個からなる4型ブロック共重合体等が挙げられる。
ここでスチレン等の芳香族ビニル化合物からなるブロックをSで表し、ブタジエンやイソプレン等の共役ジエン化合物からなるブロック及び/又は芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体からなるブロックをBで表すと、S−B2型ブロック共重合体、S−B−S3型ブロック共重合体、S−B−S−B4型ブロック共重合体等で表される。
前記式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。例えばブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、又はテーパー状に分布していてもよい。また、ブロックBに、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。さらには、ブロックBに、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。共重合体中にブロックS、ブロックBがそれぞれ複数存在する場合、それらの分子量や組成等の構造は、同一でもよいし、異なっていてもよい。
共役ジエン系重合体の重量平均分子量は、タイヤの耐摩耗性の観点から30万以上が好ましく、タイヤに加工する際の加工性の観点から200万以下が好ましい。より好ましくは80万以上180万以下であり、さらに好ましくは100万以上160万以下である。
共役ジエン系重合体は、シリカ配合加硫物の強度や耐摩耗性の観点から、高分子量成分を含むことが好ましい。
高分子量成分の指標として、分子量100万以上の成分の組成で表現すると、分子量100万以上の共役ジエン系重合体を、30〜90質量%含有することが好ましい。
より好ましくは40〜80質量%であり、さらに好ましくは40〜70質量%である。
30質量%以上含有することにより、耐摩耗性に優れ、90質量%以下含有することにより共役ジエン系重合体とシリカを混合する際、シリカの分散性が良好なものとなり、タイヤ製品とした場合の省燃費性やグリップ性に優れたものとなる。
(共役ジエン系重合体の重合方法)
共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物、さらには必要に応じてこれに共重合可能な化合物を重合することにより製造することができる。
共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物を重合する際の重合開始剤は、アニオン重合開始剤であれば特に制限されないが、安定性や取扱い性の観点から、アルミニウム、マグネシウム、リチウム、ナトリウム、カリウム等の金属のアルキル化合物が好ましく、特に重合効率の観点から有機リチウムが好ましい。
重合開始剤として用いる有機リチウムとしては、低分子化合物や可溶化したオリゴマーの有機リチウムが挙げられ、また、有機基とリチウムの結合様式においては、炭素−リチウム結合からなる化合物、窒素−リチウム結合からなる化合物、錫−リチウム結合からなる化合物等が挙げられる。
炭素−リチウム結合を有する有機リチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、n−ヘキシルリチウム、ベンジルリチウム、フェニルリチウム、スチルベンリチウム等が挙げられる。
窒素−リチウム結合からなる有機リチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジ−n−ヘキシルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムモルホリド等が挙げられる。
有機リチウムとしては、上述したモノ有機リチウムだけでなく、多官能有機リチウムを使用することもでき、また、モノ有機リチウムと多官能有機リチウムを併用することもできる。
多官能有機リチウムとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−ジリチオブタン、sec−ブチルリチウムとジイソプロペニルベンゼンの反応物、1,3,5−トリリチオベンゼン、n−ブチルリチウムと1,3−ブタジエン及びジビニルベンゼンの反応物、n−ブチルリチウムとポリアセチレン化合物の反応物等が挙げられる。
さらに、米国特許第5,708,092号明細書、英国特許第2,241,239号明細書、米国特許第5,527,753号明細書等に開示されている有機リチウムも使用することもできる。
有機リチウムとしては、工業的入手の容易さ及び重合反応のコントロールの容易さの観点から、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウムが好ましい。
有機リチウムは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上の混合物として用いてもよい。
実際に有機リチウムを重合に用いる際は、取扱い性及び重合溶液への分散性を良好なものとするために、炭化水素溶剤に希釈して溶液にしたものを用いる。
炭化水素溶剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、C4〜C8の炭化水素溶剤やトルエン、キシレン等が挙げられ、環式でもよく、不飽和結合や分岐構造を含んでいてもよい。
沸点や蒸気圧が製造工程上取り扱いやすいことから、C5〜C6の炭化水素溶剤が好ましく、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが好ましく用いられる。
有機リチウムを前記炭化水素溶剤に希釈した際の濃度は、重合開始効率とモノマーとの均一混合性の観点から0.01〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.8質量%である。
重合反応は、溶媒中で行うことが好ましい。
溶媒としては、以下に限定されるものではないが、例えば、飽和炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素系溶媒が挙げられる。具体的には、ブタン、ペンタン、ノルマルヘキサン、イソヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素混合物が好ましく、これらは1種のみを単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。脱溶剤後の共重合体の粒径を小径化する観点からノルマルヘキサンを含む混合溶媒であることがより好ましく、重合槽内のスケーリング防止の観点からノルマルヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサンの混合溶媒がより好ましい。その場合、ノルマルヘキサンの組成は20〜80質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましく、40〜65質量%がさらに好ましい。20質量%以上とすると脱溶剤後の残溶剤量が低減できるため好ましく、80質量%以下とすると重合槽のスケーリングが防止できるため好ましい。
重合反応に供する前に、不純物であるアレン類やアセチレン類を有機金属化合物で処理すると、高濃度の活性末端を有する重合体が得られる傾向にあり、重合後に変性反応を行う場合には高い変性率が達成される傾向にあるため好ましい。
重合反応においては、極性化合物を添加してもよい。
極性化合物は、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合させるために用いることができ、共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤としても用いることができる。また、重合速度の改善等にも効果がある。
極性化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジメトキシベンゼン、2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン等のエーテル類;テトラメチルエチレンジアミン、ジピペリジノエタン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、キヌクリジン等の第3級アミン化合物;カリウム−t−アミラート、カリウム−t−ブチラート、ナトリウム−t−ブチラート、ナトリウムアミラート等のアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィン等のホスフィン化合物等を用いることができる。
これらの極性化合物は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
極性化合物の使用量は、特に限定されず、目的等に応じて選択することができる。通常、重合開始剤1モルに対して0.01〜100モルであることが好ましい。このような極性化合物(ビニル化剤)は重合体共役ジエン部分のミクロ構造の調節剤として、所望のビニル結合量に応じて、適量用いることができる。
多くの極性化合物は、同時に共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合において有効なランダム化効果を有し、芳香族ビニル化合物の分布の調整やスチレンブロック量の調整剤として用いることができる。共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをランダム化する方法としては、例えば特開昭59−140211号公報に記載されているような、共重合の途中に1,3−ブタジエンの一部を断続的に添加する方法を用いてもよい。
重合温度は重合が進行する温度であれば、特に限定されないが、生産性の観点から、0℃以上であることが好ましく、重合中の失活を抑制する観点から、120℃以下であることが好ましい。
また、共役ジエン系重合体のコールドフローを防止する観点から、分岐をコントロールするためのジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を用いてもよい。
重合反応のプロセスはバッチ式、セミバッチ式、連続式の何れでもよいが、連続式が、一般に分子量分布が広く、高分子量成分も得られやすいため好ましい。
反応溶液には、必要に応じて、失活剤、中和剤等を添加してもよい。
失活剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール等が挙げられる。
中和剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、バーサチック酸等のカルボン酸、無機酸の水溶液、炭酸ガス等が挙げられる。
さらに、重合後のゲル生成を防止する観点や、加工時の安定性を向上させる観点から、得られた共役ジエン重合体に対して、ゴム用安定剤を添加することが好ましい。
ゴム用安定剤は、特に限定されず、公知のものを用いることができるが、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)、n−オクタデシル−3−(4'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピネート、2−メチル−4,6−ビス[(オクチルチオ)メチル]フェノール等の酸化防止剤が好ましい。
上述のような方法で共役ジエン系重合体を得た後、共役ジエン系重合体の活性末端に、エポキシ基、アルコール基、アミノ基、イソシアネート基、シアヌレート基、シラノール基及び/又は珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を反応させることで、共役ジエン系重合体を変性させてもよく、エポキシ基、シラノール基、又は珪素に結合したアルコキシル基から選ばれる少なくとも一つの官能基を有する化合物を変性させることが好ましい。
エポキシ基を有する化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、及び4,4’−ジグリシジル−ビスフェノールA等の2個以上のフェノール基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル;1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、及びポリエポキシ化液状ポリブタジエン等のポリエポキシ化合物;4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、及び4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミン等のエポキシ基含有3級アミン;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、及びテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロペンタン等のジグリシジルアミノ化合物等が挙げられる。
これらのうち、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物が好ましい。また、ジグリシジルアミノ基を有する多官能化合物の分子内のエポキシ基の数は2個以上であり、好ましくは3個以上、より好ましくは4個以上である。
シラノール基及び/又は珪素に結合したアルコキシル基を有する変性剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
(前記式(1)中、XはCl,Br,又はIであり、R1,R2はアルキル基、アリール基、又はビニル基であり、mは1〜4の整数、nは1〜3の整数、m+nは2〜4である。)
前記式(1)に示す化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジメトキシジメチルシラン、キシジメチルシラン、ジエトキシジエチルシラン、トリフェノキシビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)エチルシラン、トリ(2−メチルブトキシ)ビニルシラン、トリフェノキシフェニルシラン、テトラフェノキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)シラン、フェノキシジビニルクロロシラン、メトキシジエチルクロロシラン、ジフェノキシメチルクロロシラン、ジフェノキシフェニルヨードシラン、ジエトキシメチルクロロシラン、ジメトキシエチルクロロシラン、トリエトキシクロロシラン、トリフェノキシクロロシラン、トリス(2−エチルヘキシルオキシ)クロロシラン、フェノキシメチルジクロロシラン、メトキシエチルジクロロシラン、エトキシメチルジクロロシラン、フェノキシフェニルジヨードシラン、フェノキシジクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ビス(2−メチルブトキシ)ジブロモシラン等が挙げられる。
更に、珪素に結合したアルコキシル基(アルコキシシリル基)を有する変性剤としては、分子内にN原子と複数個のアルコキシシリル基を有する、下記一般式(2)又は(3)で表される化合物を用いることが好ましい。
(前記式(2)中、R1〜R4は、各々独立して、炭素数1〜20のアルキル基又はアリール基を表し、R5は炭素数1〜10のアルキレン基を表し、R6は炭素数1〜20のアルキレン基を表し、mは1又は2の整数であり、nは2又は3の整数である。)
(前記式(3)中、R1、R2は、各々独立して炭素数1〜20のアルキル基、又はアリール基であり、R3は炭素数1〜20のアルキレン基であり、R4、R5は炭素数1〜6の炭化水素基であって、隣接する2つのNとともに5員環以上の環構造をなし、R6は炭素数1〜20の炭化水素基、活性水素を持たないヘテロ原子で置換されている炭素数1〜20の炭化水素基、又は3有機置換シリル基であり、nは、2又は3の整数である。)
一般式(2)で表される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジメトキシ−1−(4−トリメトキシシリルブチル)−1−アザ−2−シラシクロヘキサン、2,2−ジメトキシ−1−(5−トリメトキシシリルペンチル)−1−アザ−2−シラシクロヘプタン、2,2−ジメトキシ−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−メトキシ,2−メチル−1−(3−ジメトキシメチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2−エトキシ,2−エチル−1−(3−ジエトキシエチルシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン等が挙げられる。
これらの中でも、変性剤の官能基とシリカ等の無機充填剤との反応性及び相互作用性の観点や、引っ張り特性の観点から、mが2、nが3であるものが好ましい。具体的には、2,2−ジメトキシ−1−(3−トリメトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタン、2,2−ジエトキシ−1−(3−トリエトキシシリルプロピル)−1−アザ−2−シラシクロペンタンが好ましい。
一般式(3)で示される変性剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−4−アルキルピペラジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−4−アルキルピペラジン、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルイミダゾリジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルイミダゾリジン、1−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−3−アルキルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリアルコキシシリル)−プロピル]−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(アルキルジアルコキシシリル)−プロピル]−1−アルキル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン等であり、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
即ち、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジン、1−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−3−メチルイミダゾリジン、1−[3−(ジエトキシエチルシリル)−プロピル]−3−エチルイミダゾリジン、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、1−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−3−メチルヘキサヒドロピリミジン、3−[3−(トリブトキシシリル)−プロピル]−1−メチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、3−[3−(ジメトキシメチルシリル)−プロピル]−1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロピリミジン、1−(2−エトキシエチル)−3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−イミダゾリジン、(2−{3−[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]−テトラヒドロピリミジン−1−イル}−エチル)ジメチルアミン等が挙げられる。
好ましい化合物としては、1−[3−(トリエトキシシリル)−プロピル]−4−メチルピペラジンである。
(添加剤)
本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体は、SP値が7〜9.5[(cal/ml)1/2]の添加剤を含有する。
共役ジエン重合体に含まれる添加剤のSP値は7〜9.5[(cal/ml)1/2]であると、ベール成形体からの重合体の剥離が抑制され、成形体の膨張も抑えることができる。好ましくは共役ジエン系重合体と添加剤の混合性の観点から、添加剤のSP値は7.5〜9.5であり、より好ましくは7.7〜9.0である。
共役ジエン系重合体のSP値は、スチレン組成や共役ジエンユニットのミクロ構造によっても異なるが、スチレン組成が15質量%の場合は8.4〜8.6[(cal/ml)1/2]、40質量%の場合は8.6〜8.7[(cal/ml)1/2]になる傾向にあり、添加剤のSP値が共役ジエン系重合体のSP値に近いと共役ジエン系重合体との相溶性が良好となり、優れたベール成形性が得られ、好ましい。
具体的には、添加剤のSP値と共役ジエン系重合体のSP値との差が1.0以下であると、ベール成形性が良好なものとなる。
SP値はHidebrandの正則溶液の理論に基づき定められる、多成分系での各成分の活量を定めるパラメーターである。
SP値には種々の計算法があるが、ここでは、Hoyの定数を用いてSmall法により算出したものを言い、以下の式(I)で算出される。
SP値(δ)=d*(ΣG)M [I]
dは密度[g/ml]であり、GはHoyの各官能基の分子引力定数であり、Mは分子量[g/mol]である。
この計算法については、以下の参考文献に記載されている。
K. L. Hoy, New values of the solubility parameters from vapor pressure data, J. Paint Techn., Vol.42, No.541, p.76 (1970); K. L. Hoy, The Hoy tables of solubilty parameters, Union Carbide Corp., 1985; K. L. Hoy, Solubility Parameters as a design parameter for water borne polymers and coatings. Preprints 14th Int. Conf. Athene, 1988.; K. L. Hoy, J. Coated Fabrics, 19, p.53 (1989).(この参照により本願に含まれる。)
添加剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂、プロセスオイルが挙げられ、これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上の混合物であってもよい。
石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ロジン樹脂等の樹脂系添加剤は、共役ジエン系重合体のベール成形体全体のガラス転移点(Tg)を高め、加硫組成物における0℃でのtanδを向上させ、タイヤの湿潤路面でのグリップ性を向上できるために好ましい。
添加剤の軟化点は、湿潤路面でのタイヤグリップ性の向上の観点から−40℃〜100℃であることが好ましく、より好ましくは取扱い性の観点から0〜85℃であり、さらに好ましくは50〜90℃である。
石油樹脂は、一般にナフサの熱分解によって得られるビニルトルエン、インデン、メチルインデンを主要なモノマーとするC8〜C10の留分を重合して得られる樹脂であるが、前記3種のモノマー以外にも、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、クマロン単位、脂肪族オレフィン単位、フェノール単位、クレゾール単位を含んでもよい。
テルペン樹脂は、テルペン化合物を重合して得られる樹脂、及びそれらの水素添加物である。
テルペン化合物は(C58nの組成で表される炭化水素、及びその含酸素誘導体でモノテルペン(C1016)、セスキテルペン(C1524)、ジテルペン(C2032)等を基本骨格とする化合物であり、以下に限定されるものではないが、例えば、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセン、アロオシメン、α−フェランドレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、テルピレノン、1,8−シネオール、1,4−シネオール、α−テルピネオール、β−テルピネオール、γ−テルピネオール等が挙げられる。
プロセスオイルは、以下に限定されるものではないが、例えば、アロマチック系、ナフテン系、パラフィン系RAE(Residual Aromatic Extracts)、MES(Mild Extracted Solvates)、及びTDAE(Treated Distilled Aromatic Extracts)が挙げられ、特に成形性とシリカ配合物の加硫物性の観点からTDAEが好ましい。
前記添加剤を添加する工程は、本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体の成形工程前であれば特に限定されないが、共役ジエン系重合体の重合反応や変性反応に与える影響を考慮すると、重合反応や変性反応以降であることが好ましく、重合体と変性剤を均一に混合して、本発明の効果を十分に発揮することを考慮すると、脱溶剤工程前の溶液状態で混合させることが好ましい。
前記添加剤を脱溶剤工程前に添加する場合、後述する脱溶剤工程によって共役ジエン系重合体の溶液から溶剤を揮発させる際に、脱揮されずに共役ジエン系重合体と共に残存し、添加剤の添加量と、脱溶剤後の添加剤の含有量は、測定誤差範囲で一致することが好ましい。
添加剤の添加量は共役ジエン系重合体100質量部に対して3〜60質量部であり、好ましくは共役ジエン系重合体の残溶剤量の観点から20〜60質量部、より好ましくは25〜50質量部である。
3質量部以上とすることにより、成形工程以降でのベールからの重合体の剥離を効果的に抑制することができ、成形後のベールの膨張を低減できる。
60質量部以下とすることにより、ベールのキャビティからの剥離性が良好なものとなり、シリカ配合架橋物にした際に、耐摩耗性や省燃費性等の物性に優れたものとなる。
添加剤として石油樹脂を添加する場合、石油樹脂の添加量は、共役ジエン系重合体100質量部に対して3〜50質量部が好ましく、5〜40質量部がより好ましく、10〜20質量部がさらに好ましい。石油樹脂の添加量を3質量部以上とすることにより、成形性が向上する効果が得られ、50質量部以下とすることにより、ベール成形時、金型への樹脂の付着が抑制される効果が得られる。
一般に共役ジエン系重合体は未加硫の状態では、分子量が高くなると反発弾性が高くなるとともに固くなる傾向にあるため、ベール成形後も膨脹しやすくなる。
添加剤は共役ジエン系重合体の可塑剤としての役割も有し、反発弾性を抑え、柔軟性を付与することで成形後のベールの膨張を抑えることができる。
共役ジエン系重合体がSP値7〜9.5〔(cal/ml)1/2〕である添加剤を含有することにより、共役ジエン系重合体の粒子表面に粘着性が付与されるため、ベールからの剥離も抑えることができる。かかる効果は、添加剤が共役ジエン系重合体中に微分散することにより効果を発揮するので、共役ジエン系重合体とSP値が近く、相溶性が高いと、成形性が良好であり、剥離が一層抑制される傾向にある。
添加剤を共役ジエン系重合体に添加する方法としては、例えば、二軸押出機やニーダー、ミキサー等の混練機を用いて固形状態の重合体に添加剤を練り込む方法や、共役ジエン重合体の溶液に添加剤を直接、又は溶剤に溶かした溶液状態として添加する方法が挙げられる。
添加剤を溶解させる溶剤としては、特に限定されるものではないが、溶剤のSP値が添加剤のSP値に近いと、容易かつ均一に溶解することができる。具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、トルエン、キシレン等が挙げられる。
共役ジエン系重合体の溶液に添加剤を溶剤に溶かさずに直接添加する場合は、添加剤が固形の場合は融点以上に加熱して液状として添加したり、高粘度の液体の場合は加熱して粘度を下げてから添加する方法も用いることができる。
共役ジエン系重合体の溶液に添加剤を加えた後に、両者を均一に混合してもよい。混合方法としてはバッチ式でも連続式でもよい。バッチ式の場合には混合槽に共役ジエン重合体の溶液と添加剤を供給した後に、撹拌翼で撹拌したり、ポンプを用いて循環したりすることで混合できる。
連続式の場合には共役ジエン系重合体の溶液の流れる配管に、添加剤の溶液又は希釈しない液状の添加剤が流れる配管を連結させて、両者を合流させることができる。
両者を合流させた後、混合性を良好にするために、スタティックミキサー、インラインミキサー、攪拌機等を用いて合流後の溶液を混合する方法も挙げられる。
添加剤を混合した共役ジエン系重合体の溶液は、脱溶剤することにより、固形分とすることができる。
脱溶剤する方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、国際公開第2013−080969号明細書に開示されたスチームストリッピング法や特開平6−93014号公報に開示されたフラッシュ蒸発法、二軸のスクリューで搬送しながら脱溶剤する方法等が挙げられる。
脱溶剤後の固形分に含まれる残揮発分は100〜10,000ppmであることが好ましく、より好ましくは200〜7,000ppm、特に好ましくは500〜3,000ppmである。10,000pppm以下では、その後の工程における作業場で発生するガス量が少ないため作業環境上好ましい。100ppm以上ではゴム粉体の飛散が少ない。ここで言う残揮発成分は共役ジエン重合体の製造過程で用いるヘキサンや脱溶剤工程で用いる水を指す。
脱溶剤後の共役ジエン系重合体の形状については、特に限定されるものではないが、粒径0.1〜50mmの粒状であると好ましい。0.1mm以上であることにより、脱溶剤後に工程内での飛散が抑えられ、50mm以下であることにより成形工程への搬送性がよい。
脱溶剤して得られた共役ジエン系重合体と添加剤の混合物を、圧縮成形することによって、本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体を得ることができる。
ベール成形体は、共役ジエン系重合体等のゴム製品の販売時に一般的に採られる成形体の形状である。例えば、タイヤを製造する場合には、ゴムメーカーが販売しているベール成形体を購入して、他のゴムや、シリカ、カーボンブラック等の充填剤、各種添加剤を配合してゴム組成物とし、タイヤを成形するのが一般的である。従って、ベール成形体は基本的に重合体からなり、シリカ、カーボンブラック等の充填剤や石油樹脂等の添加剤を含有しないのが通常の形態であるが、本実施形態のベール成形体は、特定のSP値を有する添加剤を含有する。これにより、ベール成形体の表面からの重合体粒子の剥がれが抑制でき、ベール成形体の膨張の抑制の効果が得られる。
ベール成形体に含まれる添加剤を抽出して分析する方法としては、まず、ベール成形体をトルエンに溶解後、アセトンに再沈殿、ろ過する操作を3回繰り返す。得られたアセトンのろ液をエパボレーターを用いてアセトンを蒸発させ、得られた残渣を100torr、80℃で1時間、減圧脱揮させる。
脱揮後に得られた化合物を秤量し、ゴムに対する質量比を添加剤の添加量として求めることができる。
また脱揮後の化合物をIR測定することにより、添加剤の構造を同定することができる。
添加剤の軟化点は、JIS K5902, JIS K5903, JIS K2421に記載の方法に従って測定することができる。
ベール成形体を得る工程について、図1〜図3に示して以下に説明する。
先ず、図1に示すように、所定の容積を有するキャビティ3の型内に、粒状の共役ジエン系重合体4を供給する。
次に、図2に示すように、ラムシリンダー6によってラムヘッド1を上部方向に動かし、サイドシリンダー7によってキャビティ3の上部に設置した開口部カバー2との間に共役ジエン系重合体4を挟み込み、ラムヘッド1で圧縮し、直方体の形状に成形する。
次に、図3に示すように、開口部カバー2をサイドシリンダー7によってキャビティ3の上部から移動し、ラムシリンダー6によってラムヘッド1を上部芳香にさらに動かし、ベール成形体5を得る。
ベール成形体の成形時の圧縮圧力は、通常、3〜30MPa、好ましくは10〜20MPaである。30MPa以下では装置をコンパクトに設計することができ、設置効率が良好であり、3MPa以上ではベール成形性が良好である。
ベール成形体の成形性が良好である場合は、ベール成形体の表面が滑らかで、成形工程以降での重合体の剥離が無く、成形後の膨張が抑えられる。
共役ジエン系重合体の分子量が高いほどベール成形性は悪くなる傾向があるが、本実施形態によれば高分子量の場合でも、成形性は良好である。ここで高分子量とは重量平均分子量が80万以上、または、分子量100万以上の成分を30質量%以上含む状態をいう。
供給される共役ジエン系重合体の温度は30〜120℃が好ましく、より好ましくは残溶剤低減と熱劣化抑制の観点から50〜100℃である。30℃以上とすることにより成形性が良好なものとなり、120℃以下とすることによりベール成形体の成形後の熱劣化によるゲル生成が抑えられるため好ましい。
圧縮時の保圧時間は、通常、3〜30秒で、好ましくは5〜20秒である。30秒未満では生産効率が良好なものとなり、5秒以上では成形性が良好なものとなる。
本実施形態のベール成形体は、成形体同士の密着を避けるために、所定の樹脂フィルムで包装した状態としてもよい。樹脂フィルムの材料としては、以下に限定されるものではないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
輸送中にベール成形体中の水分が樹脂フィルムに結露することを防ぐため、フィルムには所定の穴を開けてもよい。
本実施形態の共役ジエン系重合体のベール成形体は、天然ゴム等の他のゴム材料、シリカ、カーボン等の無機材料等を配合し、タイヤ、各種工業用ベルト、履物等に加工することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔特性、物性の測定方法〕
((1)結合スチレン量)
重合反応槽から押出された重合体溶液から、当該重合体溶液100mLをサンプリングし、そこに1mLのエタノールを加えて混合し、ポリマー分子鎖の活性末端を失活させた。
次に、真空乾燥機を用いて重合体溶液から溶剤を除去し、測定に用いる固形試料を作製した。
試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した(島津製作所製:UV−2450)。
((2)ブタジエン部分のビニル結合量)
前記(1)と同様の操作を行って得られた固形試料を10mLの二硫化炭素に溶解して、溶液セルを作製した。
測定セルを用いて、赤外分光光度計(日本分光社製の商品名「FT−IR230」)を使用して、600〜1000cm-1の範囲における赤外線スペクトルを測定した。
試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いた。その結果得られた吸光度より、ハンプトンの方法の計算式(R.R.Hampton,Analytical Chemistry 21,923(1949)に記載の方法)に従い、ブタジエン部分のミクロ構造、すなわち、ビニル結合量(モル%)を求めた。
((3)分子量及び分子量100万以上の組成)
ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラムを用いたGPCを使用して試料及び標準ポリスチレンのクロマトグラムを測定した。標準ポリスチレンの測定結果から検量線を作成し、これにより分子量及び分子量分布を計算した。
溶離液にはテトラヒドロフラン(THF)を使用した。
試料10mgを20mLのTHFに溶解し、これを200μLカラムに注入して測定した。
測定はオーブン温度40℃、THFの流量1.0mL/分の条件で、東ソー;HLC8020(検出器;RI)を用いて行った。
((4)1日後のベール膨張率)
成形直後のベール成形体の容積(V0)m3と1日経過後のベール成形体の容積(V1)m3から、下記式(II)で求めた。
1日後のベール膨張率(%)=100×[(V1)―(V0)]/(V0)・・・[II]
ベール成形体が膨脹すると、ベール成形体を収納するための金属容器への収納性に支障が生じるため、ベール膨張率は2%未満であることが好ましいものとして評価した。
((5)ベール落下テスト)
ベール落下テストにより、ベール成形体から剥がれ落ちた重合体の量を求めた。
ベール成形体を高さ50cmから垂直に木製の実験台の上に落下させ、ベール成形体から剥がれ落ちた重合体の量を測定した。
この重合体の量が少ないほど、実際の製造工程の成形工程以降で、ベール成形体から剥がれ落ちる重合体の量も少ないので好ましく、この量が2g未満であると良好であると評価した。
((7)ベール成形体表面のひび割れの有無)
ベール成形体の表面のひび割れの有無を目視で調べた。
ひび割れがある場合、ベール搬送性が低下したり、コンテナへの収納に支障をきたす可能性があるため、実用上好ましくないと評価した。
〔共役ジエン系重合体のベール成形体の製造〕
後述する実施例及び比較例に用いる共役ジエン系重合体のベール成形体に用いる共役ジエン系重合体を、下記のようにして製造した。
(共役ジエン系重合体A)
4枚パドルの撹拌翼を具備する10L反応器(反応器の径(D)に対する反応器の長さ(L)の比率としてL/D=4)を2つ直列に配置し、1基目を重合反応器、2基目を変性反応器とした。
予め水分等の不純物を除去した1,3−ブタジエンを22.0g/分、スチレンを7.1g/分、n−ヘキサンを144g/分の条件で混合し、更に不純物不活性化処理用として、重合反応器に入る直前でn−ブチルリチウム(処理用n−ブチルリチウム)0.10mmol/分をスタティックミキサーで混合した後、重合反応器の底部に連続的に供給した。
更に、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパンを0.040g/分の速度で、重合開始剤としてn−ブチルリチウムを0.210mmol/分の速度で、重合反応器の底部へ供給し、反応器出口の内温を90℃となるように重合反応を継続させた。
1基目の重合反応器から押出された重合溶液を、そのまま2基目の変性反応器に供給した。
変性反応器の温度を85℃に保ち、変性剤としてテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを0.42mmol/分の速度で変性反応器の底部から添加することで変性反応を実施することにより、共役ジエン系重合体Aの溶液が変性反応器から押出された。
共役ジエン系重合体Aを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)100万、分子量100万以上の組成は45質量%であった。SP値は8.6[(cal/ml)1/2]であった。
(共役ジエン系重合体B)
重合開始剤として用いるn−ブチルリチウムの供給量を0.180mmol/分とし、変性剤のテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの供給量を0.36mmol/分とした。その他の条件は、(共役ジエン系重合体A)と同様に製造し、共役ジエン系重合体Bの溶液を得た。
押し出される溶液のうち、共役ジエン系重合体は29.1g/分であった。
共役ジエン系重合体Bを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)は120万、分子量100万以上の組成は60質量%であった。SP値は8.6[(cal/ml)1/2]であった。
(共役ジエン系重合体C)
重合開始剤として用いるn−ブチルリチウムの供給量を0.540mmol/分とし、変性剤のテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの供給量を0.110mmol/分とした。その他の条件は、(共役ジエン系重合体A)と同様に製造し、共役ジエン系重合体Cの溶液を得た。
押し出される溶液のうち、共役ジエン系重合体は29.1g/分であった。
共役ジエン系重合体Cを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)は20万、分子量100万以上の組成は20質量%であった。SP値は8.6[(cal/ml)1/2]であった。
(共役ジエン系重合体D)
重合開始剤として用いるn−ブチルリチウムの供給量を0.140mmol/分とし、変性剤のテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンの供給量を0.030mmol/分とした。その他の条件は、(共役ジエン系重合体A)と同様に製造し、共役ジエン系重合体Dの溶液を得た。
押し出される溶液のうち、共役ジエン系重合体は29.1g/分であった。
共役ジエン系重合体Dを分析した結果、結合スチレン量24質量%、結合ブタジエン量76質量%、ブタジエン中のビニル結合量65モル%であり、重量平均分子量(Mw)は150万、分子量100万以上の組成は85質量%であった。SP値は8.6[(cal/ml)1/2]であった。
(添加剤の混合)
変性反応器から連続的に押出される共役ジエン系重合体の溶液に、下記表1に示す所定の添加剤を含むシクロヘキサン溶液を、下記表3及び表4に示す種類及び添加量に従い、連続的に添加した。
その後、インラインミキサーで撹拌、混合することによって共役ジエン系重合体と添加剤の混合溶液を得た。
(脱溶剤工程)
スクリュー径が250mm、L/D=20の二軸押出機において、共役ジエン系重合体と添加剤を混合した溶液を供給口から毎時100kgの速さで連続的に供給した。
二軸押出機のジャケットに180℃の熱媒オイルを供給しながら加熱した。ベント口は配管を通して真空ポンプに接続され、装置内部を100torrに保った。
共役ジエン系重合体の溶液はスクリューで脱溶剤され、脱溶剤されて得られた共役ジエン系重合体と添加剤の混合物は、装置の下部に設置された二軸スクリュータイプの搬送機から0.1〜5mm径の粒子状として吐出された。
(ベール成形体の成形工程)
図1〜図3に、ベール成形体の製造工程の概略図を示す。
先ず、図1の第一の製造工程図に示すように、ベール成形機のキャビティ3に、6kgの共役ジエン系重合体4を投入した。この時、共役ジエン系重合体は予めオーブンで80℃に加熱しておいた。
キャビティ3の型内の寸法は長辺420mm、短辺210mm、深さ400mmであるものを使用した。
次に、図2の第二の製造工程図に示すように、共役ジエン系重合体を圧縮成形した。サイドシリンダー7により開口部カバー2でキャビティ3の開口部を塞ぎ、ラムシリンダー6を上方に移動させてラムヘッド1を上昇させ、共役ジエン系重合体を開口部カバー2とラムヘッド1との間に挟み込み、キャビティ3内で共役ジエン系重合体4を圧縮した。圧縮時の圧力は9.6MPaとした。
次に、図3の第三の製造工程図に示すように、成形されたベール成形体5を吐出した。サイドシリンダー7により開口部カバー2を移動させ、キャビティ3の開口部を開放し、ラムヘッド1を上昇させてベール成形体5をキャビティ3の上へ吐出させた。
〔シリカ加硫組成物の製造〕
下記表2に示す配合量に従い、シリカ加硫組成物を製造した。
温度制御装置を具備する密閉混練機(内容量0.3リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、共役ジエン系重合体と添加剤の混合溶液、充填剤(シリカ、炭素材料)、有機シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。
この際、後述する実施例及び比較例で調製した共役ジエン系重合体と添加剤の混合物中の添加剤とプロセスオイルとの合計量は、共役ジエン系重合体に100質量部に対して30質量部であった。
密閉混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)を155〜160℃としてゴム組成物(シリカ配合物)を得た。
次に、第二段の混練として、上記で得たゴム組成物(シリカ配合物)を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を加えて混練した。
その後、成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫し、シリカ加硫組成物を得た。
加硫後、シリカ加硫組成物の粘弾性試験を行い、0℃でのtanδを測定し、指数表示した。数値が大きいほど、湿潤路面でのグリップ性能が優れていると評価した。
〔シリカ配合物及びシリカ架橋組成物の特性の評価〕
(シリカ配合物のムーニー粘度)
上述したシリカ加硫組成物の製造方法における第一段の混練後のシリカ配合物のムーニー粘度を測定し、加工性の指標とした。
JIS K6300−1に準拠し、130℃で1分間の予熱を行った後に、ローターを毎分2回転(2rpm)で回転させ、4分後の粘度を測定した。
ムーニー粘度が小さい値であるほど、混練時に消費エネルギーが小さく加工性が良好であることを示すものと評価した。
(シリカ加硫組成物の耐摩耗性試験)
アクロン摩耗試験機(安田精機製作所製)を使用し、JIS−K6264−2に準拠して、荷重44.1N、1000回転の摩耗量を測定した。
実施例1を100として指数化した。
指数が大きいほど耐摩耗性が優れることを示すものと評価した。
〔実施例1〜11〕、〔比較例1〜5〕
(実施例1)
共役ジエン系重合体として、共役ジエン系重合体Aを用いた。
添加剤として石油樹脂(東ソー製ペトロタック60)を用いて、添加剤濃度10質量%のシクロヘキサン溶液を29.1g/分で連続的に共役ジエン系重合体に加えた。
共役ジエン系重合体100質量部に対する石油樹脂の組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、92であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は110、耐摩耗性指数は100であった。
(実施例2)
石油樹脂の代わりにテルペン樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターT80)を用いた。その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対するテルペン樹脂の組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベールを得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、92であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は108、耐摩耗性指数は100であった。
(実施例3)
石油樹脂の代わりにプロセスオイルTDAE(H&R社製 VIVATEC500)を用いた。その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対するプロセスオイルTDAEの組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、92であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は100、耐摩耗性指数は96であった。
(実施例4)
添加剤として加える石油樹脂(東ソー(株)製、ペトロタック60)の、シクロヘキサン溶液における添加剤濃度を5質量%とした。その他の条件は(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対する石油樹脂の組成は5質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、97であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は105、耐摩耗性指数は100であった。
(実施例5)
添加剤として加える石油樹脂(東ソー(株)製、ペトロタック60)の、シクロヘキサン溶液における添加剤濃度を40質量%とした。その他の条件は(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対する石油樹脂の組成は40質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、85であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は115、耐摩耗性指数は102であった。
(実施例6)
添加剤としてプロセスオイルTDAE(H&R社製 VIVATEC500)を用いた。その他の条件は(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対するプロセスオイルTDAEの組成は40質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、76であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は98、耐摩耗性指数は90であった。
(実施例7)
共役ジエン系重合体Aに替えて共役ジエン系重合体Bを使用した。
添加剤としてプロセスオイルTDAE(H&R社製 VIVATEC500)を用いて、添加剤の溶液濃度を40質量%とした。その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めた結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、80であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は98、耐摩耗性指数は93であった。
(実施例8)
添加剤として石油樹脂(東ソー(株)製、ペトロタック60)を用いて、添加剤の溶液濃度を20質量%とした。その他の条件は、(実施例7)と同様に行った。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めった結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、95であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は112、耐摩耗性指数は110であった。
(実施例9)
共役ジエン系重合体Aに替えて共役ジエン系重合体Cを使用した。
その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対する石油樹脂の組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めった結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、52であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は101、耐摩耗性指数は85であった。
(実施例10)
共役ジエン系重合体Aに替えて共役ジエン系重合体Dを使用した。
その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対する石油樹脂の組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちる共役ジエン系重合体は無かった。
1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求めった結果、寸法に変化は無かった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、114であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は100、耐摩耗性指数は110であった。
(実施例11)
添加剤としてエキセパール BS(花王社製)を用いた。
その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
共役ジエン系重合体100質量部に対するステアリン酸ブチルの組成は10質量部とした。
成形によって直方体の重さ6kgのベール成形体を得た。
成形直後のベール成形体は直方体で、寸法は長辺420mm×短辺210mm×高さ90mmであった。
ベール成形体の表面は平滑で、落下試験で剥がれ落ちた共役ジエン系重合体は0.3g、1日経過後にベール成形体の各辺を測り体積を求め、体積膨張率求めた結果、0.7%であった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、112であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は100、耐摩耗性指数は112であった。
(比較例1)
添加剤として石油樹脂(東ソー(株)製、ペトロタック60)を用い、添加剤の溶液濃度を2質量%とした。その他の条件は、(実施例1)と同様に行った。
ベール成形体の表面はポリマー粒子同士が強く密着してないために凹凸がはっきりと現れ、落下試験で剥がれ落ちるポリマー量は3.2gであった。
1日経過後にベール成形体の体積を求めて体積膨張率求めた結果、2.9%であった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、102であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は105、耐摩耗性指数は98であった。
(比較例2)
添加剤としてプロセスオイル(H&R社製 VIVATEC500)を用い、添加剤の溶液濃度を2質量%とした。
その他の条件は(実施例3)と同様に行った。
ベール成形体の表面はポリマー粒子同士が強く密着してないために凹凸がはっきりと現れ、落下試験で剥がれ落ちるポリマー量は2.8gであった。
1日経過後にベール成形体の体積を求めて体積膨張率求めた結果、3.2%であった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、102であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は104、耐摩耗性指数は98であった。
(比較例3)
添加剤としてテルペン樹脂(ヤスハラケミカル製YSポリスターT80)を用い、添加剤の溶液濃度を2質量%とした。
その他の条件は、(実施例2)と同様に行った。
ベール成形体の表面はポリマー粒子同士が強く密着してないために凹凸がはっきりと現れ、落下試験で剥がれ落ちるポリマー量は2.9gであった。
1日経過後にベール成形体の体積を求めて体積膨張率求めた結果、3.1%であった。
ベール成形体の一部を用いてシリカ配合物を作製し、シリカ配合物のムーニー粘度を測定した結果、102であった。
さらにシリカ加硫組成物を作製し、粘弾性試験を行ったところ、0℃におけるtanδ指数は102、耐摩耗性指数は98であった。
(比較例4)
添加剤としてフタル酸ジメチル(大八化学工業社製DMP)を用い、添加剤の溶液濃度を10質量%とした。
その他の条件は(実施例1)と同様に行った。
成形機から吐出されたものは成形体の形状を保てずに、崩れた。
(比較例5)
添加剤としてフェノール樹脂(DIC社製 TD773)を用い、添加剤の溶液濃度を10質量%とした。
その他の条件は(実施例1)と同様に行った。
成形機から吐出されたものは成形体の形状を保てずに、崩れた。
本発明の、共役ジエン系重合体のベール成形体は、自動車用タイヤ、各種工業用ベルト、履物の材料として、産業上の利用可能性がある。
1 ラムヘッド
2 開口部カバー
3 キャビティ
4 共役ジエン系重合体
5 ベール成形体
6 ラムシリンダー
7 サイドシリンダー

Claims (5)

  1. 共役ジエン系重合体100質量部と、
    SP値が7〜9.5〔(cal/ml)1/2〕の添加剤3〜60質量部と、
    を、含有する、
    共役ジエン系重合体のベール成形体。
  2. 前記添加剤の軟化点が−40〜100℃である、請求項1に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
  3. 前記添加剤が、石油樹脂、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、及びロジン樹脂からなる群より選ばれる、少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
  4. 前記共役ジエン系重合体100質量部に対して、前記石油樹脂を10〜20質量部含有する、請求項3に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
  5. 前記共役ジエン系重合体が、分子量100万以上の共役ジエン系重合体を30〜90質量%含有する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の共役ジエン系重合体のベール成形体。
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