JP2018142705A - 電極体、評価装置及び評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便で迅速に導電性材料の性能を評価することが可能な、電極体、評価装置及び評価方法を提供する。【解決手段】第1のバルブメタルからなる第1の金属層1aを有する第1の電極1と、第2のバルブメタルからなる第2の金属層2aを有する第2の電極2を備えた電極体10であって、第1の金属層1aと第2の金属層2aが互いに離間して対向するように配置されており、第1の金属層1aの第2の金属層2a側の表面には第1の誘電体膜1bを有し、第2の金属層2aの第1の金属層1a側の表面には第2の誘電体膜2bを有する、電極体10。【選択図】図1

Description

本発明は、バルブメタル層を有する電極体、及びその電極体を用いて導電性材料の特性を測定する評価装置並びに評価方法に関する。
キャパシタの性能を評価する目的で、キャパシタの静電容量と等価直列抵抗(ESR)を測定することが行われている。キャパシタの構成材料を研究することによりキャパシタの高性能化が図られており、例えば特許文献1には、等価直列抵抗を低下させる目的で、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸を含む導電性高分子分散液から形成された固体電解質層を、誘電体層と陰極との間に配置したキャパシタが開示されている。
特開2014−67949号公報
従来、キャパシタの導電性材料の性能を評価する場合、導電性材料を直接的に測定して評価する方法が無かった。このため、評価する導電性材料を組み込んだキャパシタを製品に近い状態にまで組み立てて、キャパシタ性能を測定し、間接的にその導電性材料の特性を評価していた。この方法は手間と時間を要する問題があった。
本発明は、簡便で迅速に導電性材料の性能を評価することが可能な、電極体、評価装置及び評価方法を提供する。
[1] 第1のバルブメタルからなる第1の金属層を有する第1の電極と、第2のバルブメタルからなる第2の金属層を有する第2の電極を備えた電極体であって、前記第1の金属層と前記第2の金属層が互いに離間して対向するように配置されており、前記第1の金属層の前記第2の金属層側の表面には第1の誘電体膜を有し、前記第2の金属層の前記第1の金属層側の表面には第2の誘電体膜を有する、電極体。
[2] 前記第1のバルブメタル及び前記第2のバルブメタルのうち少なくとも一方が、酸素以外のアニオンを排他的に酸化皮膜を生成するバルブメタルである、[1]に記載の電極体。
[3] 下記(a)及び(b)の少なくとも一方である、[1]又は[2]に記載の電極体。
(a)前記第1のバルブメタルが、タンタル、又はタンタルを50質量%以上含む合金である。
(b)前記第2のバルブメタルが、タンタル、又はタンタルを50質量%以上含む合金である。
[4] 下記(c)及び(d)の少なくとも一方である、[1]〜[3]の何れか一項に記載の電極体。
(c)前記第1の誘電体膜が前記第1のバルブメタルの酸化皮膜である。
(d)前記第2の誘電体膜が前記第2のバルブメタルの酸化皮膜である。
[5] 前記酸化皮膜の厚さが、1nm以上700nm以下である、[4]に記載の電極体。
[6] [1]〜[5]の何れか一項に記載の電極体を備えた評価装置であって、前記第1の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜との間に試料を挿入し、前記試料に印加した直流または交流に応答する、電流または電圧を測定する、評価装置。
[7] 前記試料が導電性高分子を含む導電性材料である、[6]に記載の評価装置。
[8] 直流または交流の測定周波数を少なくとも2点選び、バルブメタルによる応答電流または応答電圧の違いがもっとも顕著となる周波数を測定する、[6]又は[7]に記載の評価装置。
[9] 直流または交流の測定周波数を少なくとも4点選び、バルブメタルによる応答電流または応答電圧を測定し、インピーダンス及び位相角を求める[6]〜[8]の何れか一項に記載の評価装置。
[10] 少なくとも2つの周波数を含む波形を印加し、フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧を測定し、インピーダンス及び位相角を求める[6]〜[9]の何れか一項に記載の評価装置。
[11] 少なくとも2つの周波数を含む波形を印加し、フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧を測定し、得られたデータをビッグデータとしてデータベース化し、機械学習アルゴリズムを使う、[6]〜[10]の何れか一項に記載の評価装置。
[12] [6]〜[11]の何れか一項に記載の評価装置を用いた評価方法であって、 前記評価装置の電極体において、前記第1の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜との間に試料を挿入し、前記試料に印加した直流または交流に応答する、電流または電圧を測定するステップを有する、評価方法。
本発明の電極体、評価装置及び評価方法によれば、導電性材料の性能を直接的に測定し、簡便に迅速に評価することができる。
本発明の電極体の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の評価装置の一例を模式的に示す正面図である。 本発明の第二態様の評価装置を用いて試料に交流電圧が印加されたときに得られた良データの具体例を示す図。 本発明の第二態様の評価装置を用いて試料に交流電圧が印加されたときに得られた非良データの具体例を示す図。 本発明の機械学習装置3の機能構成の具体例を示す図。 本発明における制御部32の機能構成の具体例を示す図。 本発明における良測定画像の具体例を示す図。 本発明における非良測定画像の具体例を示す図。 本発明における画像データ生成部321が教師データの特徴量テンソルを生成する具体的な処理の流れを示すフローチャート。 本発明における学習部323が特徴量テンソルと良データ又は非良データとの関係性を学習する具体的な処理の流れを示すフローチャート。 本発明における機械学習装置3が、測定データが良データであるか非良データであるかを判定する具体的な処理の流れを示すフローチャート。 学習回数が72000回の場合に、本発明における機械学習装置3が、測定データが良データであるか否かを判定した判定結果の具体例を示す図。 学習回数が864000回の場合に、本発明における機械学習装置3が、測定データが良データであるか否かを判定した判定結果の具体例を示す図。
《電極体》
本発明の第一態様である電極体の模式的な断面を図1に示す。本態様の一実施形態である電極体10は、第1のバルブメタルからなる第1の金属層1aを有する第1の電極1と、第2のバルブメタルからなる第2の金属層2aを有する第2の電極2を備えた電極体10である。第1の金属層1aと第2の金属層2aが互いに離間して対向するように配置されており、第1の金属層1aの第2の金属層2a側の表面には第1の誘電体膜1bを有し、第2の金属層2aの第1の金属層1a側の表面には第2の誘電体膜2bを有する。符号Tは、測定試料を指す。
第1のバルブメタル及び第2のバルブメタルの少なくとも一方は、酸素以外のアニオンを排他的に酸化皮膜を生成するバルブメタルであることが好ましい。このようなバルブメタルを用いると、酸化皮膜中に酸素以外の元素や化合物を取り込み難くなり、良質な電極体が得られる。
酸素以外のアニオンを排他的に形成された酸化皮膜、すなわち酸素を優先的に取り込んで形成された酸化皮膜、は高い酸素含有率を示す。バルブメタルの表面に形成された酸化皮膜を構成する全元素に対する酸素含有率(モル基準)は、例えば、エネルギー分散型X線分光器(EDS)を用いて測定することができる。
このようなバルブメタルを用いると、後述する試料(例えば、導電性高分子フィルム)測定の際、試料中の酸素以外の元素や化合物が酸化皮膜に与える影響を少なくできるため、より顕著に導電性材料の性能を評価できる。
第1のバルブメタル及び第2のバルブメタルは、それぞれ独立に、例えば以下の弁金属の群から選ばれる1以上であることが好ましい。
弁金属の群;アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン、並びにこれらの金属の1種以上を50質量%以上含有する合金。
第1のバルブメタル及び第2のバルブメタルとしては、それぞれ独立に、タンタル、ニオブ、チタン、鉄及びアルミニウム、並びにこれらの金属の1種以上を50質量%以上含有する合金が好ましく、タンタル又はタンタルを50質量%以上含有する合金(タンタル合金)であることがより好ましい。
第1のバルブメタル及び第2のバルブメタルは、互いに同じであってもよいし、異なっていてもよい。
第1のバルブメタルからなる第1の金属層1aの厚さ、及び第2のバルブメタルからなる第2の金属層2aの厚さは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に例えば、5.0μm以上15.00mm以下が挙げられる。10μm以上0.2mm以下が好ましい。
第1の金属層1a及び第2の金属層2aの形態は、平滑であってもよいし、凹凸が形成された多孔質であってもよい。平滑な金属層としては、各バルブメタルからなる平滑な金属箔が挙げられる。多孔質な金属層としては、各バルブメタルの箔をエッチングしたエッチング箔や、各バルブメタルからなる粒子を焼結させてなる焼結体が挙げられる。金属層1a,2aが多孔質である場合、多孔質の孔内の表面にも後述の酸化皮膜が形成されていてもよい。
電極体10の第1の誘電体膜1bは、第1の金属層1aの酸化皮膜であることが好ましい。前記酸化皮膜は、第1の金属層の表面に空気中で自然に形成される酸化皮膜であってもよいし、第1の金属層の表面を酸化処理して形成した酸化皮膜であってもよい。
前記酸化処理の方法としては、キャパシタの製造時に行われるような公知の陽極酸化が挙げられる。具体的には、例えば、アジピン酸アンモニウム水溶液などの電解液中にて、第1のバルブメタルを有する陽極の表面を陽極酸化することによって、第1のバルブメタルからなる第1の金属層1aの表面に、第1のバルブメタルを酸化してなる第1の誘電体膜1bを形成することができる。
電極体10の第2の誘電体膜2bの説明は、第1の誘電体膜1bの説明と同じであるので省略する。
第1の誘電体膜1bの厚さ及び第2の誘電体膜2bの厚さは、同じでも異なっていてもよく、それぞれ独立に例えば、1nm以上700nm以下が挙げられる。各誘電体膜1b,2bが自然酸化皮膜である場合、その厚さとしては、例えば1nm以上3nm未満が挙げられる。一方、陽極酸化処理によって形成される酸化皮膜の厚みは、陽極酸化形成時条件によって誘電体膜の厚みを自由に変えることができる。各誘電体膜1b,2bが陽極酸化によって形成された誘電体膜である場合、その厚さとしては、例えば、3nm以上700nm以下が挙げられる。陽極酸化によって形成される誘電体膜の厚さは、3nm以上100nm以下が好ましく、3nm以上50nm以下がさらに好ましく、5nm以上15nm以下が特に好ましい。
第1の電極1は、第1のバルブメタルからなる第1の金属層1a以外の、他の金属からなる金属層を備えていても構わない。
第2の電極2は、第2のバルブメタルからなる第2の金属層2a以外の、他の金属からなる金属層を備えていても構わない。
上記の他の金属層として、例えば、第1の金属層又は第2の金属層に接続された、引出電極(電極端子)を構成する金属層が挙げられる。
《評価装置、評価方法》
本発明の第二態様の評価装置は、第一態様の電極体を備えた評価装置である。
本発明の第三態様の評価方法は、第二態様の評価装置を用い、試料に直流又は交流を印加したときに得られる電流又は電圧の応答を測定する工程を有する。
評価装置の構成として、例えば、第一態様の電極体と、公知のLCRメータとを備えた構成が挙げられる。具体的には、図2に例示するように、挟持部12に電極体10が備えられ、各電極1,2の端子1c、2cを介して測定機器(例えばLCRメータ)15に接続された形態の評価装置20が挙げられる。評価装置20によれば、電極体10の第1の誘電体膜1bと、第2の誘電体膜2bとの間に試料Tを挿入し、試料Tに印加された直流または交流に応答する、電流または電圧を測定することができる。
測定機器としてLCRメータの代わりに、スペクトルアナライザを用いる構成も挙げられる。スペクトルアナライザでは試料Tに印加された信号に応答する、電流または電圧を周波数領域のスペクトルとして測定することができる。この際、応答する電流または電圧を高速フーリエ変換することで、周波数領域のスペクトルが得られる。
第1の誘電体膜が試料に接触する面積は、例えば0.03cm以上3.00cm以下が挙げられる。
第2の誘電体膜が試料に接触する面積は、例えば0.03cm以上3.00cm以下が挙げられる。
第1の誘電体膜が試料に接触する面積S1と、第2の誘電体膜が試料に接触する面積S2との比(S1/S2)は、1/2以上2/1以下が好ましく、1/1.5以上1.5/1以下がより好ましく、1/1.2以上1.2/1以下がさらに好ましい。
前記試料は導電性試料であることが好ましく、導電性高分子を含む試料であることがより好ましく、導電性高分子を含むフィルムであることがさらに好ましい。
前記フィルムの厚さとしては、例えば0.1mm以上2.0mm以下が挙げられる。 前記フィルムの面積としては、第1の誘電体膜及び第2の誘電体膜が接触する面積よりも広いことが好ましく、例えば0.05cm以上3.50cm以下が挙げられる。
前記試料に含まれる導電性高分子は、π共役系導電性高分子及びポリアニオンを含む導電性複合体を含むことが好ましい。
π共役系導電性高分子としては、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば特に制限されず、例えば、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子、ポリアセチレン系導電性高分子、ポリフェニレン系導電性高分子、ポリフェニレンビニレン系導電性高分子、ポリアニリン系導電性高分子、ポリアセン系導電性高分子、ポリチオフェンビニレン系導電性高分子、及びこれらの共重合体等が挙げられる。空気中での安定性の点からは、ポリピロール系導電性高分子、ポリチオフェン系導電性高分子及びポリアニリン系導電性高分子が好ましく、ポリチオフェン系導電性高分子がより好ましい。
ポリチオフェン系導電性高分子としては、例えば、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)、ポリ(3−エチルチオフェン)、ポリ(3−プロピルチオフェン)、ポリ(3−ブチルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルチオフェン)、ポリ(3−オクチルチオフェン)、ポリ(3−デシルチオフェン)、ポリ(3−ドデシルチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルチオフェン)、ポリ(3−ブロモチオフェン)、ポリ(3−クロロチオフェン)、ポリ(3−ヨードチオフェン)、ポリ(3−シアノチオフェン)、ポリ(3−フェニルチオフェン)、ポリ(3,4−ジメチルチオフェン)、ポリ(3,4−ジブチルチオフェン)、ポリ(3−ヒドロキシチオフェン)、ポリ(3−メトキシチオフェン)、ポリ(3−エトキシチオフェン)、ポリ(3−ブトキシチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクチルオキシチオフェン)、ポリ(3−デシルオキシチオフェン)、ポリ(3−ドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3−オクタデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヒドロキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジメトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジエトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジプロポキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジブトキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘキシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジヘプチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジオクチルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ジドデシルオキシチオフェン)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−プロピレンジオキシチオフェン)、ポリ(3,4−ブチレンジオキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−メトキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−エトキシチオフェン)、ポリ(3−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルチオフェン)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルチオフェン)が挙げられる。
ポリピロール系導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリ(N−メチルピロール)、ポリ(3−メチルピロール)、ポリ(3−エチルピロール)、ポリ(3−n−プロピルピロール)、ポリ(3−ブチルピロール)、ポリ(3−オクチルピロール)、ポリ(3−デシルピロール)、ポリ(3−ドデシルピロール)、ポリ(3,4−ジメチルピロール)、ポリ(3,4−ジブチルピロール)、ポリ(3−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシエチルピロール)、ポリ(3−メチル−4−カルボキシブチルピロール)、ポリ(3−ヒドロキシピロール)、ポリ(3−メトキシピロール)、ポリ(3−エトキシピロール)、ポリ(3−ブトキシピロール)、ポリ(3−ヘキシルオキシピロール)、ポリ(3−メチル−4−ヘキシルオキシピロール)が挙げられる。
ポリアニリン系導電性高分子としては、例えば、ポリアニリン、ポリ(2−メチルアニリン)、ポリ(3−イソブチルアニリン)、ポリ(2−アニリンスルホン酸)、ポリ(3−アニリンスルホン酸)が挙げられる。
以上で例示したπ共役系導電性高分子の中でも、導電性、耐熱性の点から、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
π共役系導電性高分子は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンとは、アニオン基を有するモノマー単位を、分子内に2つ以上有する重合体である。このポリアニオンのアニオン基は、π共役系導電性高分子に対するドーパントとして機能して、π共役系導電性高分子の導電性を向上させることができる。
ポリアニオンのアニオン基は、スルホ基またはカルボキシ基であることが好ましい。 ポリアニオンの具体例としては、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリスルホエチルメタクリレート、ポリ(4−スルホブチルメタクリレート)、ポリメタクリルオキシベンゼンスルホン酸等のスルホン酸基を有する高分子や、ポリビニルカルボン酸、ポリスチレンカルボン酸、ポリアリルカルボン酸、ポリアクリルカルボン酸、ポリメタクリルカルボン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンカルボン酸)、ポリイソプレンカルボン酸、ポリアクリル酸等のカルボン酸基を有する高分子が挙げられる。これらの単独重合体であってもよいし、2種以上の共重合体であってもよい。
これらのポリアニオンのなかでも、導電性をより高くできることから、スルホン酸基を有する高分子が好ましく、ポリスチレンスルホン酸がより好ましい。
ポリアニオンは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリアニオンの質量平均分子量は2万以上100万以下であることが好ましく、10万以上50万以下であることがより好ましい。
本明細書における質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定し、標準物質をポリスチレンとして求めた値である。
導電性複合体中の、ポリアニオンの含有割合は、π共役系導電性高分子100質量部に対して、1質量部以上1000質量部以下の範囲であることが好ましく、10質量部以上700質量部以下の範囲であることがより好ましく、100質量部以上500質量部以下の範囲であることがさらに好ましい。ポリアニオンの含有割合が前記下限値以上であると、π共役系導電性高分子へのドーピング効果が強くなる傾向にあり、充分な導電性が得られ易く、さらに導電性高分子分散液における導電性複合体の分散性が高くなる。また、ポリアニオンの含有量が前記上限値以下であると、π共役系導電性高分子の相対的な含有量が多くなり、充分な導電性が得られ易い。
ポリアニオンがπ共役系導電性高分子に配位してドープすることによって導電性複合体が形成される。導電性複合体の導電性及び分散性の向上の観点から、全てのアニオン基がπ共役系導電性高分子にドープするよりも、ドープに寄与しない余剰のアニオン基を有することが好ましい。
前記試料の総質量に対する導電性複合体の含有量としては、例えば、1質量%以上100質量%以下が挙げられる。
前記試料には、含窒素化合物の1種以上が含有されていてもよい。含窒素化合物が試料に含まれることによって、試料の導電性能を向上できる場合がある。
前記含窒素化合物として、以下のアミン化合物及び窒素含有芳香族性環式化合物を例示できる。これらのアミン化合物及び窒素含有芳香族性環式化合物の少なくともどちらか一方が前記試料に含まれると、前記試料の等価直列抵抗を低減できることがある。
アミン化合物は、アミノ基を有する化合物であり、アミノ基が、ポリアニオンのアニオン基と反応する。
アミン化合物としては、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。また、アミン化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン化合物は、炭素数2以上12以下の直鎖、もしくは分岐鎖のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、炭素数7以上12以下のアラルキル基、炭素数2以上12以下のアルキレン基、炭素数6以上12以下のアリーレン基、炭素数7以上12以下のアラルキレン基、及び炭素数2以上12以下のオキシアルキレン基から選択される置換基を有していてもよい。
具体的な1級アミンとしては、例えば、アニリン、トルイジン、ベンジルアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
具体的な2級アミンとしては、例えば、ジエタノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジフェニルアミン、ジベンジルアミン、ジナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な3級アミンとしては、例えば、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリナフチルアミン等が挙げられる。
具体的な4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、テトラプロピルアンモニウム塩、テトラフェニルアンモニウム塩、テトラベンジルアンモニウム塩、テトラナフチルアンモニウム塩等が挙げられる。アンモニウムの対となる陰イオンとしてはヒドロキシドイオンが挙げられる。
これらアミン化合物のうち、3級アミンが好ましく、トリエチルアミン、トリプロピルアミンがより好ましい。
窒素含有芳香族性環式化合物(少なくとも1つの窒素原子が環構造を形成する芳香族性化合物)としては、例えば、ピロール、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、N−プロピルイミダゾール、N−ブチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、1−アセチルイミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、2−アミノ−1−メチルベンズイミダゾール、2−ヒドロキシベンズイミダゾール、2−(2−ピリジル)ベンズイミダゾール、ピリジン等が挙げられる。
これら窒素含有芳香族性環式化合物のうち、イミダゾールがより好ましい。
前記試料には、電解液用溶媒中に電解質を溶解させた電解液が含まれてもよい。電解液の電気伝導度は高いほど好ましい。
電解液用溶媒としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等のアルコール系溶媒、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル系溶媒、水等が挙げられる。
電解質としては、例えば、アジピン酸、グルタル酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、蟻酸、1,6−デカンジカルボン酸、5,6−デカンジカルボン酸等のデカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸等のオクタンジカルボン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の有機酸;あるいは、硼酸、硼酸と多価アルコールより得られる硼酸の多価アルコール錯化合物;リン酸、炭酸、ケイ酸等の無機酸などをアニオン成分とし、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級アミン(トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリフェニルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等)、テトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム等)などをカチオン成分とした電解質;等が挙げられる。
前記試料として導電性高分子フィルムを用いる場合は、例えば、前記導電性高分子を含む導電性高分子分散液を乾燥させることによって、導電性高分子フィルムを形成することができる。
導電性高分子分散液を構成する分散媒は、前記導電性複合体を分散させ得る液体であることが好ましく、例えば、水、有機溶剤、又は、水と有機溶剤との混合液が挙げられる。 有機溶剤としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。これら有機溶剤は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
アルコール系溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、アリルアルコール等が挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、ジイソプロピルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。
芳香族炭化水素系溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン等が挙げられる。
導電性高分子分散液には添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、例えば、界面活性剤、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
界面活性剤としては、ノニオン系、アニオン系、カチオン系の界面活性剤が挙げられるが、保存安定性の面からノニオン系が好ましい。また、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどのポリマー系界面活性剤を添加してもよい。
無機導電剤としては、金属イオン類、導電性カーボン等が挙げられる。金属イオンは、金属塩を水に溶解させることにより生成させることができる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンオイル等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキサニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。
導電性高分子分散液の総質量に対する前記導電性高分子及び前記導電性複合体の含有量は特に限定されない。具体的には、例えば、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましく、1質量%以上2質量%以下がさらに好ましい。
導電性高分子分散液が前記含窒素化合物を含有する場合、その含有割合は、含窒素化合物の種類に応じて適宜決められるが、例えば、前記導電性複合体の固形分100質量部に対して、例えば、1質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましい。
導電性高分子分散液が前記添加剤を含有する場合、その含有割合は、添加剤の種類に応じて適宜決められるが、例えば、前記導電性複合体の固形分100質量部に対して、例えば、1質量部以上1000質量部以下の範囲内とすることができる。
前記導電性複合体を含む導電性高分子分散液の調製方法としては、ポリアニオン及び分散媒の存在下、π共役系導電性高分子を形成する前駆体モノマーを酸化重合する方法が挙げられる。
得られた導電性高分子分散液に、必要に応じて前記含窒素化合物及び添加剤等を添加することができる。
導電性高分子分散液に含まれる各材料の分散性を向上させる目的で、フィルムを形成する乾燥処理の前に導電性高分子分散液にせん断力を加えながら分散させる公知の高分散処理を施すことが好ましい。
<評価方法1>
評価方法1は、前述の評価装置を用いた評価方法であって、前記評価装置の電極体において、前記第1の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜との間に試料を挿入し、前記試料に印加した直流または交流に応答する、電流または電圧を測定するステップを有する。
一例として、導電性高分子を含むフィルムを試料として用い、第1の電極及び第2の電極を任意の端子を介してデジタルLCRメータに接続し、100Hzの周波数におけるインピーダンスZ(Ω)と位相角θ(°)を測定するステップが挙げられる。後述の実施例で示すように、複数の試料について100Hzの位相角θを測定し、各試料の測定値を比較して、100Hzの位相角θが−90°に近い測定値を示す試料は、キャパシタの導電性材料として適した材料である、と評価することができる。必要に応じて、静電容量CはC=|1/(2πfZsinθ)|から評価することもできる(fは周波数)。
<評価方法2>
評価方法2は、試料に印加する直流または交流の測定周波数を少なくとも2点以上選ぶステップA1と、前記電極体を介して接続した測定機器によって、選択した少なくとも2点以上の周波数を印加し、応答電流または応答電圧を測定するステップB1と、各周波数の測定値を比較して、それらの測定値の差異(違い)がもっとも顕著となる周波数を判定するステップC1と、を有する。
ステップA1において、測定周波数は、一般にキャパシタの周波数特性測定に用いられる周波数範囲の中から任意の周波数を選択することができる。少なくともひとつの周波数は低周波側として10Hz〜1kHzの範囲、好ましくは100Hz〜500Hzの範囲から選択し、少なくとももうひとつの周波数は高周波側として1kHz〜1MHzの範囲、好ましくは1kHz〜100kHzの範囲から選択して測定することが好ましい。 ステップB1において、応答電流または応答電圧は、例えば、LCRメータを用いた公知の方法で測定することができる。
ステップC1において、各周波数の測定値の差異が最も顕著であると判定する基準は、低周波での位相角と高周波での位相角の比率で判断することができる。
ステップA1〜C1のうち少なくとも1つのステップは自動化することができる。自動化の方法としては、例えばステップC1において定めた判断基準を自動で計算するプログラム乃至はソフトウェアを用いる方法が挙げられる。
評価方法2の一例として、導電性高分子を含むフィルムを試料として用い、第1の電極及び第2の電極を任意の端子を介してデジタルLCRメータに接続し、少なくともひとつの周波数は低周波側として10Hz〜1kHzの範囲、少なくとももうひとつの周波数は高周波側として1kHz〜1MHzの範囲から選択した少なくとも2点以上の周波数におけるインピーダンスZ(Ω)と位相角θ(°)を測定するステップが挙げられる。後述の実施例で示すように、複数の試料について低周波側、高周波側でのインピーダンスZと位相角θを測定し、各試料の測定値を比較して、高周波での位相角に対して低周波での位相角が小さい値(前記比率が小さい値)を示す試料について、キャパシタの導電性材料として不適な材料である、と評価することができる。ここで、(低周波での位相角)/(高周波での位相角)の比率が0.9未満であるとき、前記差異が顕著であると判断しても良い。
評価方法2の一例において、低周波側における位相角か小さい(0°に近い)ということは、直流に対する絶縁性が乏しいことを示す。即ち測定試料をキャパシタの導電性材料として用いたとき、そのキャパシタの特性が発揮できていないことを意味する。
<評価方法3>
評価方法3は、試料に印加する直流または交流の測定周波数を少なくとも4点以上選ぶステップA2と、前記電極体を介して接続した測定機器によって、選択した少なくとも4点以上の周波数を印加し、応答電流または応答電圧測定するステップB2と、を有する。 ステップA2において、測定周波数は、一般にキャパシタの周波数特性測定に用いられる周波数範囲の中から任意の周波数を選択することができる。少なくともひとつの周波数は低周波側として10Hz〜1kHzの範囲、好ましくは100Hz〜500Hzの範囲から選択し、少なくとももうひとつの周波数は高周波側として1kHz〜1MHzの範囲、好ましくは1kHz〜100kHzの範囲から選択して測定することが好ましい。
ステップB2において、応答電流または応答電圧は、例えば、LCRメータを用いた公知の方法で測定できる。
評価方法3は評価方法2のステップC1を有していてもよい。評価方法3は評価方法2と同様に各ステップを自動化してもよい。
<評価方法4>
評価方法4は、試料に印加する信号を少なくとも2つ以上の周波数を選ぶステップA3と、前記電極体を介して接続した測定機器によって、選択した少なくとも2周波以上の信号を同時に重ね合わせて試料に印加し、応答電流または応答電圧を高速フーリエ変換によって変換された周波数領域のスペクトルとして測定するステップB3と、を有する。
ステップA3において、印加する信号に含まれる周波数は、一般にキャパシタの周波数特性測定に用いられる周波数範囲の中から任意の周波数を選択することができる。少なくともひとつの周波数は低周波側として10Hz〜1kHzの範囲、好ましくは100Hz〜500Hzの範囲から選択し、少なくとももうひとつの周波数は高周波側として1kHz〜1MHzの範囲、好ましくは1kHz〜100kHzの範囲から選択して測定することが好ましい。また、印加信号は周期信号である必要はなく、インパルス波、ステップ波、ランプ波、ホワイトノイズなどの任意の波形を選択することができる。時間領域での時間分解能が、100マイクロ秒以下、好ましくは1マイクロ秒以下、AD変換のダイナミックレンジが12ビット以上、好ましくは16ビット以上であることが望ましく、フーリエ変換後のS/N比が24dB以上、好ましくは96dB以上であることが望ましい。 ステップB3において、高速フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧は、例えば、スペクトルアナライザを用いた公知の方法で測定できる。
評価方法4は評価方法2のステップC1を有していてもよい。評価方法4は評価方法2と同様に各ステップを自動化してもよい。
<評価方法5>
評価方法5は、試料に印加する信号を少なくとも2つ以上の周波数を選ぶステップA4と、前記電極体を介して接続した測定機器によって、選択した少なくとも2周波以上の信号を同時に重ね合わせて試料に印加し、応答電流または応答電圧を高速フーリエ変換によって変換された周波数領域のスペクトルとして測定するステップB4と、得られた測定データをビッグデータとしてデータベース化するステップZ1と、得られたデータベースに関して機械学習アルゴリズムを使うステップZ2と、を有する。
ステップA4において、印加する信号に含まれる周波数は、一般にキャパシタの周波数特性測定に用いられる周波数範囲の中から任意の周波数を選択することができる。少なくともひとつの周波数は低周波側として10Hz〜1kHzの範囲、好ましくは100Hz〜500Hzの範囲から選択し、少なくとももうひとつの周波数は高周波側として1kHz〜1MHzの範囲、好ましくは1kHz〜100kHzの範囲から選択して測定することが好ましい。また、印加信号は周期信号である必要はなく、インパルス波、ステップ波、ランプ波、ホワイトノイズなどの任意の波形を選択することができる。時間領域での時間分解能が、100マイクロ秒以下、好ましくは1マイクロ秒以下、AD変換のダイナミックレンジが12ビット以上、好ましくは16ビット以上であることが望ましく、フーリエ変換後のS/N比が24dB以上、好ましくは96dB以上であることが望ましい。
ステップB4において、高速フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧は、スペクトルアナライザを用いた公知の方法で測定できる。
ステップZ1において、測定データをビッグデータとしてデータベース化する方法としては、例えば、時系列でサンプリングした応答波形データを1レコードとして、リレーショナルデータベースのテーブルに実装する方法が挙げられる。リレーショナルデータベースはサーバー上に配置し、応答波形データを複数の公知の装置を用いてアップロードし、ビックデータ化することが望ましい。
ステップZ2において、機械学習アルゴリズムを使う方法としては、例えば、バックプロバケーション法を使ったアルゴリズムが挙げられる。具体的にはリレーショナルデータベースに蓄積されたビッグデータをニューラルネットワークの入力層とし、出力層として評価対象となる測定試料の評価項目を設定することができる。ここで具体例として、測定試料が導電性高分子を含む材料である場合を説明する。例えば、まず、導電性高分子を含む材料(例えば導電性高分子分散液)の優劣の指標として、固体電解キャパシタの漏れ電流、耐電圧、等価直列抵抗などの評価項目を設定し、評価対象となる導電性高分子を含む材料を固体電解質層に含むキャパシタ素子(固体電解キャパシタ)を実際に組み上げて評価した結果と、本発明の第一〜第三態様を用いて前記材料のみ(例えば導電性高分子分散液を乾燥してなる導電性高分子フィルム)を測定した評価結果とを使って、その相関関係等を機械学習させる。次に、得られた機械学習に基づいて、別の評価対象の導電性高分子を含む測定試料(材料)について本発明の第一〜第三態様を用いて測定した測定データから、その材料を固体電解質層に含むキャパシタ素子(固体電解キャパシタ)を実際に組み上げた場合の、漏れ電流、耐電圧、等価直列抵抗などの学習済みの評価項目の結果を予測する。このアルゴリズムは、例えば機械学習オープンソースであるテンソルフローを用いた公知の方法で実装できる。
評価方法5は評価方法2のステップC1を有していてもよい。評価方法5は評価方法2と同様に各ステップを自動化してもよい。
<作用効果>
本発明の電極体を構成する1対の誘電体膜の間に測定試料を設置し、電圧又は電流を印加することによって、測定試料の応答電流または応答電圧を直接的に測定することができる。電極体はバブルメタルからなる1対の金属層を有しているので、測定値を評価することにより、測定試料が例えばキャパシタの導電性材料として適しているか否かの判定を行うことができる。
(製造例1)
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を12時間攪拌した。
得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000ml添加し、限外ろ過法によりポリスチレンスルホン酸含有溶液の約1000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸を水洗した。この水洗操作を3回繰り返した。
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
(製造例2)
3,4−エチレンジオキシチオフェン14.2gと、製造例1で得たポリスチレンスルホン酸36.7gとを2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合させた。得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
得られた溶液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水とを加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去した。残液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法により約2000mlの溶媒を除去し、ポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)を水洗した。この水洗操作を8回繰り返したのち、高圧分散機を用い、140MPaの圧力で分散処理を施して、1.6質量%のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)水分散液(PEDOT−PSS水分散液)を得た。
[参考例1]
(キャパシタの作製)
エッチドアルミニウム箔(陽極箔)に陽極リード端子を接続した後、アジピン酸アンモニウム10質量%水溶液中で70Vの電圧を印加し、化成(酸化処理)して、アルミニウム箔の両面に誘電体層を形成して陽極箔を得た。続いて、陽極箔の両面に、陰極リード端子を溶接させた対向アルミニウム陰極箔を、セルロース製のセパレータを介して積層し、これを円筒状に巻き取ってキャパシタ用素子を得た。
製造例2で得たPEDOT−PSS水分散液100質量部に、5質量部のジエチレングリコール、5質量部のポリエチレングリコール600、2質量部のエリスリトール、0.3質量部のイミタゾールを加えて、室温で撹拌した後、高圧分散機を用い、150MPaの圧力で分散処理を施し、導電性高分子分散液を得た。続いて、この分散液中にキャパシタ用素子を減圧下で浸漬した後、125℃の熱風乾燥機により20分間乾燥して、誘電体層表面上に導電性複合体を含む固体電解質層を形成した。
次いで、アルミニウム製のケースに、固体電解質層を形成したキャパシタ用素子を装填し、封口ゴムで封止してキャパシタを作製した。
(キャパシタの評価)
参考例1で作製したキャパシタについて、LCRメータ(エヌエフ回路設計ブロック社製、型番ZM2355)を用いて、120Hzでの静電容量(C)、及び100kHzでの等価直列抵抗(ESR)を測定した。その結果、C=143.8[μF]、ESR=8.5[mΩ]であった。
[参考例2]
参考例1において、固体電解質層を形成する際に、製造例2で調製したPEDOT−PSS水分散液(ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール600、エリスリトール、イミタゾールを加えていない分散液)にキャパシタ素子を浸漬したこと以外は、参考例1と同様にキャパシタを作製して評価したところ、C=105.3[μF]、ESR=36.2[mΩ]であった。
以上から、参考例1のキャパシタの固体電解質層を形成する、導電性高分子を含む導電性材料(導電性高分子分散液)の方が、参考例2の導電性材料(PEDOT−PSS水分散液のみ)よりも、優れたキャパシタが得られるより良い材料であることが分かった。
[実施例1−1]
(測定試料の作製)
参考例1で調製した、固体電解質層を形成するための導電性高分子分散液を、ディスポカップに4ml滴下し、室温で150時間、自然乾燥させることによって、導電性高分子フィルムを得た。導電性高分子フィルムの膜厚は1.24mmであり、フィルム形状は直径約2cmの略円形であった。
(評価装置の組み立て)
得られた導電性高分子フィルムを、1対のタンタル板の間に挟み、さらに洗濯バサミ画鋲セルで上記1対のタンタル板(厚さ0.10mm、直径1.1cmの円形)を挟持して固定し、図2に示す評価装置20を組み立てた。上記のタンタル板の表面には空気中で自然に酸化皮膜が形成されている。
上記の洗濯バサミ画鋲セルは、洗濯バサミの1対の挟持部12の各々に金属製の画鋲を突き刺した器具である。各画鋲は電極1,2の端子1c、2cとして機能する。1対の画鋲の円盤部の間に、試料Tを挿んだ電極体10を挟持して、各画鋲の突き刺し部に、電源及び測定機能を備えたLCRメータを接続すれば、試料Tに対して任意の電圧又は電流を印加し、その応答を測定することができる。
上記の組み立てによって、電極端子(画鋲)/誘電体膜(酸化皮膜)/第1の金属層(タンタル板)/誘電体膜(酸化皮膜)/試料(導電性高分子フィルム)/誘電体膜(酸化皮膜)/第2の金属層(タンタル板)/誘電体膜(酸化皮膜)/電極端子(画鋲)、の順で積層配置した評価装置を得た。
(試料の評価)
上記の評価装置の端子1c、2cにLCRメータ((株)エヌエフ回路設計ブロック社製、型番ZM2355)を接続して、100Hz及び1kHzでのインピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例1−2]
実施例1−1において、測定試料を作製する際に、製造例2で調製したPEDOT−PSS水分散液のみをディスポカップに滴下したこと以外は、実施例1−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2−1]
実施例1−1において、第1の金属層及び第2の金属層としてアルミニウム板(厚さ12μm、直径1.1cmの円形)を使用したしたこと以外は、実施例1−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2−2]
実施例2−1において、測定試料を作製する際に、製造例2で調製したPEDOT−PSS水分散液のみをディスポカップに滴下したこと以外は、実施例2−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3−1]
実施例1−1において、第1の金属層及び第2の金属層としてチタン板(厚さ0.1mm、直径1.1cmの円形)を使用したしたこと以外は、実施例1−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3−2]
実施例3−1において、測定試料を作製する際に、製造例2で調製したPEDOT−PSS水分散液のみをディスポカップに滴下したこと以外は、実施例3−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4−1]
実施例1−1において、第1の金属層及び第2の金属層としてニオブ板(厚さ0.1mm、直径1.1cmの円形)を使用したしたこと以外は、実施例1−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4−2]
実施例4−1において、測定試料を作製する際に、製造例2で調製したPEDOT−PSS水分散液のみをディスポカップに滴下したこと以外は、実施例4−1と同様に、測定試料を作製し、評価装置を組み立て、インピーダンスZとその位相角θを測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2018142705
<各測定試料の評価>
表1に示した低周波数の100Hzの位相角θは−90°に近いほど、キャパシタの性能評価における静電容量Cが大きくなるので好ましい。さらに、高周波での位相角θに対して低周波での位相角θが小さい値(0°に近い値)を示す試料については、キャパシタの導電性材料として不適な材料である。この評価基準に基づき、以下の様に評価した。
実施例1−1と実施例1−2の結果を見比べて、100Hzでの位相角θは、実際にキャパシタを作製した場合の性能と相関している。また、100Hzと1kHzでの位相角を見比べると、実施例1−1では1kHzでの位相角がより小さくなっている(0°に近くなっている)のに対し、実施例1−2では1kHzでの位相角がより大きくなっている。
実施例1の評価装置でインピーダンスZとその位相角θを測定することによって、100Hzの位相角θが−90°により近い導電性材料を選定すれば、キャパシタ素子を浸漬する分散液としてより適した材料を選定したことになる。また、1kHzでの位相角が100Hzでの位相角によりも大きくなる試料についてはキャパシタの導電性材料として不適である。したがって、特性を知りたい試料を組み込んだキャパシタを作製する必要がなく、キャパシタの導電性材料の好適、不適を実施例1の評価装置で迅速かつ簡便に判定することができる。
実施例2−1と実施例2−2の結果を見比べても、実施例1と同様の結論が得られる。 実施例3−1と実施例3−2の結果を見比べても、実施例1と同様の結論が得られる。 実施例4−1と実施例4−2の結果を見比べると、100Hzでの位相角θに差異はほとんど見られない。しかし、1kHzで位相角を見ると、実施例4−1では100Hzでの位相角よりも小さくなっているのに対して、実施例4−2では100Hzでの位相角よりも大きくなっていることから、実施例1と同様の結論が得られる。
以上から、本発明の電極体、評価装置及び評価方法によれば、導電性材料の性能を直接的に測定し、簡便に迅速に評価できることが明らかである。
<機械学習アルゴリズムを使う方法について>
本発明における機械学習アルゴリズムを使う方法について、より詳細に説明する。
本発明における機械学習アルゴリズムは、コンピュータによって実行されることで、特徴量テンソルと応答電流の良データ又は非良データとの関係性を、本発明における機械学習アルゴリズムを実行したコンピュータに学習させる。本発明における機械学習アルゴリズムは、学習結果に基づいて新たに入力された応答電流を示す測定データが良データであるか否かをコンピュータに判定させる。特徴量テンソルは、応答電流の周波数特性を特徴づける特徴を示す2階のテンソルで表現された特徴量である。特徴量テンソルは、機械学習アルゴリズムにおける教師データである。応答電流は、本発明の第一態様の評価装置を用いて測定された試料の電流の応答である。良データは、応答電流の振幅が試料に印加された交流電圧(以下「印加電圧」という、)の周波数によらず略同一であり、応答電流の位相が印加電圧の周波数によらず略一定である測定データである。非良データは、良データ以外の測定データである。以下、本発明における機械学習アルゴリズムを、本発明機械学習アルゴリズムという。以下、本発明機械学習アルゴリズムによって、特徴量テンソルと応答電流の良データ又は非良データとの関係性を学習するコンピュータを機械学習装置3という。なお、測定データは、必ずしも応答電流でなくてもよく、応答電圧であってもよい。
図3は、本発明の第二態様の評価装置を用いて試料に交流電圧が印加されたときに得られた良データの具体例を示す図である。
図3(A)は、応答電流の振幅を示す図である。図3(A)において、縦軸は、応答電流の振幅である電流値を示し、横軸は、印加電圧の周波数を示す。図3は、印加電圧の周波数と測定された電流値とが略比例の関係であることを表す。
図3(B)は、応答電流の位相を示す図である。図3(B)において、縦軸は、応答電流の位相を示し、横軸は、印加電圧の周波数を示す。図3(B)は、測定された位相が印加電圧の周波数に依らず略一定であることを示す。
図4は、本発明の第二態様の評価装置を用いて試料に交流電圧が印加されたときに得られた非良データの具体例を示す図である。
図4(A)は、応答電流の振幅を示す図である。図4(A)において、縦軸は、応答電流の振幅である電流値を示し、横軸は、印加電圧の周波数を示す。図4は、測定された電流値が印加電圧の周波数の増大とともに増大する傾向があることを示す。
図4(B)は、応答電流の位相を示す図である。図4(B)において、縦軸は、応答電流の位相を示し、横軸は、印加電圧の周波数を示す。図4(B)は、測定された位相が80Hz近傍で最も0に近づく周波数応答を示すことを示す。
図5は、本発明の機械学習装置3の機能構成の具体例を示す図である。機械学習装置3は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)メモリや補助記憶装置などを備え、制御プログラムを実行する。機械学習装置3は、制御プログラムの実行によって入力部31及び制御部32を備える装置として機能する。制御プログラムは、機械学習装置3を制御するためのコンピュータプログラムである。
入力部31は、マウスやキーボード、タッチパネル等の入力装置を含んで構成される。入力部31は、これらの入力装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。入力部31は、測定データと、測定データが良データであるか非良データであるかを示す情報(以下「データ情報」という。)との入力を受け付ける。入力部31は、入力された測定データを制御部32に出力する。
制御部32は、機械学習装置3を制御し、本発明機械学習アルゴリズムを実行することで特徴量テンソルと応答電流の良データ又は非良データとの関係性を学習する。制御部32は、学習結果に基づいて、入力部31から入力された測定データが良データであるか否かを判定する。
図6は、本発明における制御部32の機能構成の具体例を示す図である。制御部32は、画像データ生成部321、特徴量テンソル生成部322、学習部323及び判定部324を備える。
画像データ生成部321は、入力部31に入力された測定データに基づいて、測定画像の画像データ(以下「測定画像データ」という。)を生成する。測定画像は、振幅曲線と、位相曲線とを表す画像であって、振幅曲線と、位相曲線と、背景とを所定の異なる色で表す画像である。振幅曲線は、測定データが示す振幅と周波数との関係を示すグラフである。位相曲線は、測定データが示す位相と周波数との関係を示すグラフである。横軸および縦軸は、対数でプロットしてもよい。所定の異なる色は、例えば、振幅曲線を表す色が青色であって、位相曲線を表す色が赤色であって、背景を表す色が黒色であってもよい。測定画像の色の表現方法は、どのような表現方法であってもよく、RGBであってもよいし、CMYKであってもよい。また、測定画像が、1変数のグラフを表すグラフである場合、グレースケールであってもよい。以下、簡単のため、測定画像の色の表現方法がRGBであると仮定して説明を行う。
以下、画像データ生成部321が、生成した測定画像データのうち、良データを用いて生成された測定画像の画像データを良測定画像データという。以下、良測定画像データが示す画像を良測定画像という。以下、画像データ生成部321が、生成した測定画像データのうち、非良データを用いて生成された測定画像の画像データを非良測定画像データという。以下、非良測定画像データが示す画像を非良測定画像という。
画像データ生成部321は、生成した測定画像データにデータ情報を対応付けて記憶部(不図示)に記録する。
図7は、本発明における良測定画像の具体例を示す図である。図7は、図3の測定データを用いて生成された測定画像データが示す測定画像である。図7において、振幅曲線と、位相曲線と、背景とは異なる色で表されている。
図8は、本発明における非良測定画像の具体例を示す図である。図8は、図4の測定データを用いて生成された測定画像データが示す測定画像である。図8において、振幅曲線と、位相曲線と、背景とはそれぞれ図7と同様の色で表されている。
図6の説明に戻る。特徴量テンソル生成部322は、画像データ生成部321が生成した測定画像データに基づいて、特徴量テンソルを生成する。特徴量テンソルは、測定画像の縦方向のピクセル数と、横方向のピクセル数と、測定画像の色の表現方法とに基づいた数の成分を有する。以下、簡単のため、測定画像の縦方向のピクセル数がnpであって横方向のピクセル数がmpであると仮定して説明を行う。
学習部323は、本発明機械学習アルゴリズムによって、特徴量テンソルと応答電流の良データ又は非良データとの関係性を学習し、学習結果を記憶部(不図示)に記憶する。判定部324は、学習部323の学習結果に基づいて、入力部31に入力された測定データが、良データであるか非良データであるかを判定する。
図9は、本発明における画像データ生成部321が教師データの特徴量テンソルを生成する具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
特徴量テンソル生成部322は、画像データ生成部321が生成した良測定画像と、非良測定画像とを取得する(ステップS101)。具体的には、画像データ生成部321によって生成された測定画像データのうち、良データであることを示すデータ情報に対応付けられた測定画像データと、非良データであることを示すデータ情報に対応付けられた測定画像データとを取得する。
特徴量テンソル生成部322は、取得した良測定画像データが示す良測定画像の各ピクセルのRGBの赤の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、所定のピクセルの順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS102)。特徴量テンソル生成部322は、取得した良測定画像データが示す良測定画像の各ピクセルのRGBの緑の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、ステップS102と同じ順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS103)。特徴量テンソル生成部322は、取得した良測定画像データが示す良測定画像の各ピクセルのRGBの青の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、ステップS102と同じ順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS104)。特徴量テンソル生成部322は、取得した非良測定画像データが示す非良測定画像の各ピクセルのRGBの赤の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、ステップS102と同じ順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS105)。特徴量テンソル生成部322は、取得した非良測定画像データが示す非良測定画像の各ピクセルのRGBの緑の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、ステップS102と同じ順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS106)。特徴量テンソル生成部322は、取得した非良測定画像データが示す非良測定画像の各ピクセルのRGBの青の値を、1番目のピクセルから(np×mp)番目のピクセルまで、ステップS102と同じ順番で、ピクセルごとに取得する(ステップS107)。
特徴量テンソル生成部322は、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS105、ステップS106及びステップS107において取得された赤の値、緑の値及び青の値を成分の値とする2行(np×mp×3)列のテンソルを生成する(ステップS108)。ステップS108において生成されたテンソルの1行目のn1列目(n1は1以上(np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS102においてn1番目に赤の値が取得されたピクセルの赤の値である。ステップS108において生成された特徴量テンソルの1行目のn2列目(n2は(np×mp+1)以上(2×np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS103においてn2番目に緑の値が取得されたピクセルの緑の値である。ステップS108において生成された特徴量テンソルの1行目のn3列目(n3は(2×np×mp+1)以上(3×np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS104においてn3番目に青の値が取得されたピクセルの青の値である。ステップS108において生成された特徴量テンソルの2行目のn1列目(n1は1以上(np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS105においてn1番目に赤の値が取得されたピクセルの赤の値である。ステップS108において生成された特徴量テンソルの2行目のn2列目(n2は(np×mp+1)以上(2×np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS106においてn2番目に緑の値が取得されたピクセルの緑の値である。ステップS108において生成された特徴量テンソルの2行目のn3列目(n3は(2×np×mp+1)以上(3×np×mp)以下の整数)の成分の値は、ステップS107においてn3番目に青の値が取得されたピクセルの青の値である。
このようにして、ステップS108において生成されたテンソルが教師データの特徴量テンソルである。
なお、特徴量テンソルの列数は、測定画像の色の表現方法の原色の数に応じた列数である。具体的には、原色の数がmq色であった場合、特徴量テンソルの列数は、(np×mp×mq)列となる。また、この場合、特徴量テンソルは、良測定画像に対してステップS102と同様の処理を、各原色に対して行う。また、この場合、特徴量テンソルは、非良測定画像に対してステップS105と同様の処理を、各原色に対して行う。
図10は、本発明における学習部323が特徴量テンソルと良データ又は非良データとの関係性を学習する具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
学習部323は、複数の特徴量テンソルを取得する(ステップS201)。学習部323は、ステップS201において取得された複数の特徴量テンソルを用いて、所定の最適化のアルゴリズムによって、以下の式(1)で表されるテンソルW及びテンソルbを決定する(ステップS202)。具体的には、以下の式(1)で表されるテンソルZが小さくなるように、ステップS201において取得された複数の特徴量テンソルを用いた所定の最適化のアルゴリズムに基づいて、式(1)のテンソルW及びテンソルbを決定する。ステップS302において決定されたテンソルWとテンソルbとが、学習部323が学習した学習結果である。所定の最適化のアルゴリズムは、例えば、最急降下法である。
Figure 2018142705
テンソルYは、対角成分が0であって、非対角成分が1である2行2列の2階のテンソルである。以下、テンソルYを識別テンソルという。式(1)においてXは、特徴量テンソルである。テンソルWは、(np×mp×mq)行2列の2階のテンソルである。テンソルWは、測定画像の色の表現方法がRGBである場合には、(np×mp×3)行2列の2階のテンソルである。以下、テンソルWを第一変数テンソルという。テンソルbは、2行2列の2階のテンソルである。以下、テンソルbを第二変数テンソルという。
図11は、本発明における機械学習装置3が、測定データが良データであるか非良データであるかを判定する具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
入力部31に測定データが入力される(ステップS301)。画像データ生成部321が、ステップS301において取得された測定データに基づいて、測定画像データを生成する(ステップS302)。特徴量テンソル生成部322が、ステップS302において生成された測定画像データに基づいて、特徴量テンソルを生成する。具体的には、図9の処理における良測定画像データと非良測定画像データとの両方をステップS302において生成された測定画像データとして、図9の処理と同様の処理を実行することで、特徴量テンソル生成部322が特徴量テンソルを生成する。
判定部324は、学習部323が予め学習した第一変数テンソルWと、第二変数テンソルbと、ステップS302において生成された特徴量テンソルとを以下の式(2)に代入し、テンソルPを算出する(ステップS303)。テンソルPは、2行2列の2階のテンソルである。
Figure 2018142705
判定部324は、ステップS303で算出されたテンソルPの各成分を参照し、最大値を与える成分が、1行2列の成分か否かを判定する(ステップS304)。1行2列の成分である場合(ステップS304:YES)、判定部324は、最大値が0.5以上か否かを判定する(ステップS305)。最大値が0.5以上である場合(ステップS305:YES)、判定部324は、ステップ301において取得した測定画像データが良データを用いて生成された測定画像データであると判定する(ステップS306)。
一方、ステップS305において、0.5以上でない場合(ステップS304:NO)、コンピュータは、ステップ301において取得した測定画像データが非良データを用いて生成された測定画像データであると判定する(ステップS307)。
一方、1行2列の成分でない場合(ステップS304:NO)、判定部324は、最大値が0.5以上か否かを判定する(ステップS308)。最大値が0.5以上である場合(ステップS308:YES)、判定部324は、ステップ301において取得した測定画像データが非良データを用いて生成された測定画像データであると判定する(ステップS309)。
一方、ステップS305において、0.5以上でない場合(ステップS304:NO)、コンピュータは、ステップ301において取得した測定画像データが良データを用いて生成された測定画像データであると判定する(ステップS310)。
このようにして、機械学習装置3は、測定データが良データであるか非良データであるかを判定する。
図12及び図13によって、本発明における機械学習装置3が、学習結果に基づいて、測定データが良データであるか否かを判定した判定結果の具体例を示す。
図12は、学習回数が72000回の場合に、本発明における機械学習装置3が、学習結果に基づいて、測定データが良データであるか否かを判定した判定結果の具体例を示す図である。図12は、測定画像と、それに対する判定部324の判定結果を示す図である。学習回数は、最急降下法における繰り返し計算の回数である。図12において、“画像名”が未知画像1及び未知画像2である測定画像は、学習の際に使用されなかった測定画像である。“画像名”が教師画像1及び教師画像2の画像は、学習の際に使用された測定画像である。図12において、“確率”は、“測定画像”が表す測定画像を示す測定画像データを用いて機械学習装置3が算出したテンソルPの成分の最大値である。“確率”は、1に近いほど、式(1)のZの値を小さくする値である。そのため、“確率”が高いほど、機械学習装置3による判定が正しい判定である確率が高いことを示す。正しい判定とは、人の目で見て良測定画像データであると判定するものを機械学習装置3も良測定画像データであると判定し、人の目で見て非良測定画像データであると判定するものを機械学習装置3も非良測定画像データであると判定するという意味である。
“判定結果”は、“画像名”が表す測定画像を示す測定画像データが、良測定画像データであるか、非良測定画像データであるかを示す。“判定結果”は、機械学習装置3によって図11の処理が実行されることによって判定された結果である。“Good”は、良測定画像データであることを示し、“Bad”は、非良測定画像データであることを示す。
例えば、結果D111は、画像名が未知画像1である測定画像を用いて機械学習装置3が算出したテンソルPの成分の最大値が0.5312057733535767であることを示し、判定部324が、未知画像1を示す測定画像データが良測定画像データであると判定したことを示す。
図12の結果は、機械学習装置3が、良測定画像データ及び非良測定画像データについて正しい判定をできることを示す。
図13は、学習回数が864000回の場合に、本発明における機械学習装置3が、学習結果に基づいて、測定データが良データであるか否かを判定した判定結果の具体例を示す図である。図13における“確率”の値は、図12よりも大きくなっている。これは、図12よりも学習回数が増えたことで、機械学習装置3による測定データが良データであるか否かの判定の精度があがったことを意味する。
このように構成された本発明における機械学習装置3は、本発明機械学習アルゴリズムを実行するため、機械学習によって測定データが良データであるか否かの判定をすることができる。
なお、応答電流の振幅が試料に印加された印加電圧の周波数によらず略同一であり、応答電流の位相が印加電圧の周波数によらず略一定であることは、所定の条件の一例である。なお、画像データ生成部321が実行する処理は、画像生成処理の一例である。なお、特徴量テンソル生成部322が実行する処理は、特徴量テンソル生成処理の一例である。なお、学習部323が実行する処理は、学習処理の一例である。なお、判定部324が実行する処理は、判定処理の一例である。なお、赤は、第一の原色の一例である。なお、緑は第二の原色の一例である。なお、青は、第三の原色の一例である。第一変数テンソルは、第一のテンソルの一例である。第二変数テンソルは、第二のテンソルの一例である。
1 第1の電極
1a 第1の金属層
1b 第1の誘電体膜
1c 端子
2a 第2の金属層
2b 第2の誘電体膜
2c 端子
10 電極体
T 試料
12 挟持部
15 測定機器
20 評価装置
3 機械学習装置3
31 入力部
32 制御部
321 画像データ生成部
322 特徴量テンソル生成部
323 学習部
324 判定部

Claims (20)

  1. 第1のバルブメタルからなる第1の金属層を有する第1の電極と、
    第2のバルブメタルからなる第2の金属層を有する第2の電極を備えた電極体であって、前記第1の金属層と前記第2の金属層が互いに離間して対向するように配置されており、前記第1の金属層の前記第2の金属層側の表面には第1の誘電体膜を有し、
    前記第2の金属層の前記第1の金属層側の表面には第2の誘電体膜を有する、電極体。
  2. 前記第1のバルブメタル及び前記第2のバルブメタルのうち少なくとも一方が、酸素以外のアニオンを排他的に酸化皮膜を生成するバルブメタルである、請求項1に記載の電極体。
  3. 下記(a)及び(b)の少なくとも一方である、請求項1又は2に記載の電極体。
    (a)前記第1のバルブメタルが、タンタル、又はタンタルを50質量%以上含む合金である。
    (b)前記第2のバルブメタルが、タンタル、又はタンタルを50質量%以上含む合金である。
  4. 下記(c)及び(d)の少なくとも一方である、請求項1〜3の何れか一項に記載の電極体。
    (c)前記第1の誘電体膜が前記第1のバルブメタルの酸化皮膜である。
    (d)前記第2の誘電体膜が前記第2のバルブメタルの酸化皮膜である。
  5. 前記酸化皮膜の厚さが、1nm以上700nm以下である、請求項4に記載の電極体。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の電極体を備えた評価装置であって、
    前記第1の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜との間に試料を挿入し、前記試料に印加した直流または交流に応答する、電流または電圧を測定する、評価装置。
  7. 前記試料が導電性高分子を含む導電性材料である、請求項6に記載の評価装置。
  8. 直流または交流の測定周波数を少なくとも2点選び、バルブメタルによる応答電流または応答電圧の違いがもっとも顕著となる周波数を測定する、請求項6又は7に記載の評価装置。
  9. 直流または交流の測定周波数を少なくとも4点選び、バルブメタルによる応答電流または応答電圧を測定し、インピーダンス及び位相角を求める請求項6〜8の何れか一項に記載の評価装置。
  10. 少なくとも2つの周波数を含む波形を印加し、フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧を測定し、インピーダンス及び位相角を求める請求項6〜9の何れか一項に記載の評価装置。
  11. 少なくとも2つの周波数を含む波形を印加し、フーリエ変換によって周波数領域のスペクトルに変換された応答電流または応答電圧を測定し、得られたデータをビッグデータとしてデータベース化し、機械学習アルゴリズムを使う、請求項6〜10の何れか一項に記載の評価装置。
  12. 請求項6〜11の何れか一項に記載の評価装置を用いた評価方法であって、
    前記評価装置の電極体において、前記第1の誘電体膜と、前記第2の誘電体膜との間に試料を挿入し、前記試料に印加した直流または交流に応答する、電流または電圧を測定するステップを有する、評価方法。
  13. 前記試料に印加した直流または交流に応答する電流である応答電流と、前記試料に印加した直流または交流に応答する電圧である応答電圧とのいずれか一方の、振幅の周波数特性を示すグラフと、位相の周波数特性を示すグラフとをそれぞれ異なる色で表す画像である測定画像を生成する画像生成処理と、
    前記画像生成処理によって生成された画像に基づいて前記応答電流の周波数特性の特徴を示すテンソルである特徴量テンソルを生成する特徴量テンソル生成処理と、
    前記特徴量テンソルに基づいて、前記応答電流の周波数特性と、前記応答電流の周波数特性が所定の条件を満たすか否かを示す情報との関係性を機械学習のアルゴリズムによって学習する学習処理と、
    前記学習処理によって学習した学習結果に基づいて、前記応答電流の周波数特性が所定の条件を満たすか否かを判定する判定処理と、
    を有する請求項12に記載の評価方法。
  14. 前記特徴量テンソルは、前記測定画像の縦方向のピクセル数がnpであって横方向のピクセル数がmpであって、前記測定画像の色の表現方法における原色がmq色である場合に、2行(np×mp×mq)列の2階のテンソルである、
    請求項13に記載の評価方法。
  15. 前記測定画像の色の表現方法がRGBである場合に、前記特徴量テンソルは、2行(np×mp×3)列の2階のテンソルである、
    請求項14に記載の評価方法。
  16. 前記特徴量テンソルは、前記測定画像の縦方向のピクセル数がnpであって横方向のピクセル数がmpであって、前記測定画像の色の表現方法における原色が3色である場合に、n1列目(n1は1以上(np×mp)以下の整数)の成分の値が、前記画像が有する各ピクセルの第一の原色の色の値であって、n2列目(n2は(np×mp+1)以上(2×np×mp)以下の整数)の成分の値が、前記画像が有する各ピクセルの第二の原色の色の値であって、n3列目(n3は(2×np×mp+1)以上(3×np×mp)以下の整数)の成分の値が、前記画像が有する各ピクセルの第三の原色の色の値である、
    請求項15に記載の評価方法。
  17. 前記学習処理において学習される学習結果が、テンソルZを2行2列の2階のテンソルとし、Yを対角成分が0であって非対角成分が1である2行2列の2階のテンソルとし、Xを前記特徴量テンソルとした時に、以下の式(1)で表されるテンソルZの、所定の最適化のアルゴリズムで決定される第一のテンソルW及び第二のテンソルbとである、請求項16に記載の評価方法。
    Figure 2018142705
  18. 前記所定の最適化のアルゴリズムが、最急降下法である、
    請求項17に記載の評価方法。
  19. 前記判定処理は、前記学習処理において決定された第一のテンソルW及び第二のテンソルbを用いて算出された以下の式(2)で表される2行2列の2階のテンソルであるテンソルPに基づいて、前記応答電流の周波数特性が所定の条件を満たすか否かを判定する請求項18に記載の評価方法。
    Figure 2018142705
  20. 前記判定処理は、前記テンソルPの所定の成分が最大値であるか否かと、前記最大値が所定の値以上であるか否かとによって、前記応答電流の周波数特性が所定の条件を満たすか否かを判定する、請求項19に記載の評価方法。
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