JP5948592B2 - 導電性高分子微粒子分散体の製造方法およびその導電性高分子微粒子分散体を用いた電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

導電性高分子微粒子分散体の製造方法およびその導電性高分子微粒子分散体を用いた電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、帯電防止剤、電解コンデンサ用電解質、表示素子等に応用される導電性高分子微粒子分散体の製造方法、およびこの導電性高分子微粒子分散体を用いた電解コンデンサの製造方法に関する。
ドーパントを添加された、π共役構造を有する高分子は、高い導電性を示すことが知られている。ドーパントとは導電性を発現させるための物質である。この高い導電性に加えて、化学的、物理的に安定なことから、帯電防止剤や表示素子に使用されている。また、電解コンデンサの固体電解質の材料として用いることが提案されている。
このようなπ共役構造を有する導電性高分子の作製方法の一例として、ドーパントを共存させた状態で、酸化剤を用いてモノマーを酸化重合する方法が知られている。例えば、モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェンを用い、ドーパントとしてポリスチレンスルホン酸を用いると、ポリスチレンスルホン酸がドープされた、高い導電性を有するポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンを調製できる。この方法で調製されたポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンは水中に分散した微粒子の状態である。すなわち、上記の方法によれば、導電性高分子微粒子分散体を調製することができる(例えば、特許文献1)。
特開2008−222850号公報
前述のような従来の方法で得られた導電性高分子微粒子分散体から溶媒成分を除去することで導電性高分子が得られる。しかしながらこのような導電性高分子を、電解コンデンサの固体電解質として用いる場合、導電性高分子皮膜の形成方法や形成条件によって、ESRが高くなる場合がある。したがって、π共役構造を有する導電性高分子微粒子分散体を電解コンデンサの固体電解質に採用するためには、導電性高分子皮膜の形成方法や形成条件を最適化する必要がある。
上記課題を解決するために、本発明は、π共役構造を有するモノマーとポリアニオンと溶媒と含む分散液を調整し、その後、前記モノマーを酸化重合させることにより導電性高分子微粒子分散体を調製する導電性高分子微粒子分散体の製造方法であって、前記ポリアニオンは、濃度が2%となるように前記ポリアニオンを水に溶解した水溶液の色相がAPHA法で測定したハーゼン色数で10以上1000以下である、ポリスチレンスルホン酸及びその塩の少なくとも一方を含むことを特徴とする。
また、本発明は、誘電体層を有する陽極体と導電性高分子の固体電解質層とを含む電解コンデンサの製造方法であって、前記固体電解質層は、本発明による導電性高分子微粒子分散体の製造方法により得られる導電性高分子微粒子分散体により形成することを特徴とする。
上記製造方法によって調製された導電性高分子微粒子分散体を、電解コンデンサの固体電解質の形成材料に適用すれば、電解コンデンサのESRを大幅に低減することができる。
図1は、本発明の実施の形態による製造方法で調製された導電性高分子微粒子分散体を用いた電解コンデンサの概略を示す一部切り欠き斜視図である。 図2は、図1に示す電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の部分断面図である。
以下に本発明の実施の形態について、図1、図2を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態による製造方法で調製された導電性高分子微粒子分散体を用いた電解コンデンサの概略を示す一部切り欠き斜視図である。図2は、図1に示す電解コンデンサにおけるコンデンサ素子の部分断面図である。
図1に示すように、電解コンデンサは、コンデンサ素子10と、金属製のケース14と、封口材13とを有する。ケース14はコンデンサ素子10を収容し、封口材13はケース14の開口を封止している。ケース14と封口材13はコンデンサ素子10を封止する外装体を構成している。
図2に示すように、コンデンサ素子10は、陽極1と陰極2と、これらの間に介在するセパレータ4と固体電解質層5とを有する。陽極1は、アルミニウム箔の表面をエッチングにより粗面化し、この表面に化成処理により誘電体酸化皮膜層3を形成して作製されている。陰極2もまた、表面をエッチングにより粗面化したアルミニウム箔で構成されている。陽極1、陰極2にはそれぞれ、図1に示すリード端子11、12が接続されている。リード端子11、12は封口材13を貫通して外部に引き出されている。
陽極1と陰極2は、その間にセパレータ4を介して巻回されてコンデンサ素子10を形成している。そしてコンデンサ素子10に後述する導電性高分子微粒子分散体を含浸し、溶媒成分を乾燥により除去して、陽極1と陰極2との間に導電性高分子の固体電解質層5が形成されている。
次に、固体電解質層5を形成するための導電性高分子微粒子分散体(以下、分散体と略す)の製造方法について簡単に説明する。まず、チオフェン類およびその誘導体から選ばれた少なくとも一つのモノマーと、ドーパントとしてのポリアニオンとを、水を主成分とする溶媒中に分散させて分散液を調製する。この分散液と、酸化剤とを混合してモノマーを酸化重合させる。このようにして、ポリアニオンがドープされた導電性のポリチオフェン分散体を調製する。
ポリアニオンは、10以上、1000以下のハーゼン色数を示すポリスチレンスルホン酸および/またはポリスチレンスルホン酸塩である。ハーゼン色数は、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の色相を、APHA法で測定することで決められる。
ここで、APHA法について簡単に説明する。APHA法では基本的に人の目視により標準液と色を比較することによりハーゼン色数を判定する。
まず、既知のハーゼン色数の標準原液を用意し、これを希釈して数種類の標準液を調製する。本実施の形態では、黄色の標準原液APHA500(ハーゼン色数500)を希釈して、ハーゼン色数100、50、10の標準液を調製している。なおハーゼン色数500
の標準原液を5倍に希釈した標準液のハーゼン色数は100になる。
次に被検体の一定量(Xml)を秤量し、この被検体の色よりも薄く、最も近いと思われる標準液(ハーゼン色数:A)と同じ色になるまで目視で比色しながら秤量した被検体を純水で希釈する。希釈に用いた純水の量をYmlとする。そして、被検体の希釈倍率(X+Y)/Xを、比色の対象とした標準液のハーゼン色数Aに乗じる(A×(X+Y)/X)。このようにして被検体のハーゼン色数を求めることができる。
モノマーのチオフェン類およびその誘導体は、π共役構造を有する。このようなモノマーとして、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−エチルチオフェン、3−プロピルチオフェン、3−ブチルチオフェン、3−ヘキシルチオフェン、3−ヘプチルチオフェン、3−オクチルチオフェン、3−ノニルチオフェン、3−デシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−エトキシチオフェン、3−ブトキシチオフェン、3−メチル−4−メトキシチオフェン、3,4−エチレンジオキシチオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン等が挙げられる。その中でも3,4−エチレンジオキシチオフェンが適度な重合速度と、ポリマーの耐熱性が優れることから特に好ましい。
ドーパントとして用いるポリアニオンは、ポリスチレンスルホン酸またはその塩であり、単独で用いても複数を併用してもよい。これらのポリアニオンは良好な分散性と、耐熱性に優れている。
ポリアニオンの重量平均分子量は10000以上、400000以下が好ましく、30000以上、200000以下がより好ましく、50000以上、100000以下が特に好ましい。また、ポリアニオンの数平均分子量は1000以上、300000以下が好ましく10000以上、150000以下がより好ましく、20000以上、100000以下が特に好ましい。
酸化剤として、溶媒中で鉄イオンを生じる第1酸化剤を用いることができる。第1酸化剤としては、塩化鉄(III)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)等の無機酸の鉄塩、メトキシベンゼンスルホン酸鉄、トルエンスルホン酸鉄等の有機酸の鉄塩等が挙げられる。その中でも硫酸鉄(III)が、適度な重合速度が得られること、耐熱性に優れたポリマーが得られることとから特に好ましい。以下、硫酸鉄(III)を硫酸第二鉄と称する。
また、第1酸化剤と併用する、溶媒中で鉄イオンを生じない第2酸化剤として、過酸化水素、過硫酸塩、過マンガン酸塩、過酸化ベンゾイル、オゾン等を用いることができる。その中でも過硫酸アンモニウムが、適度な重合速度が得られること、耐熱性に優れたポリマーが得られること、保存性に優れ、取り扱いが容易であることとから特に好ましい。なお、酸化剤は上記第1酸化剤、第2酸化剤に限定されない。
溶媒として用いる水は、不純物の含有量が少ないイオン交換水や蒸留水が好ましい。なお溶媒は水を主成分としている。主成分とはトレース程度の不純物や添加剤等を含んでいる程度で、例えば95%以上が水であることを意味する。
次に、分散液の調製方法について説明する。容器に投入した水に、分散機を用いてシェアをかけながらモノマーとポリアニオンとを同時に投入して分散液を調製する。または、容器に投入した水に、分散機を用いてシェアをかけながらモノマーと、ポリアニオンとを順次投入して分散液を調製する。あるいは、容器に投入した水にモノマーとポリアニオンとを投入した後に分散機を用いてシェアをかけて分散液を調製する。分散機としては、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等が使用できる。
水にモノマーとポリアニオンとを同時に投入すれば、モノマーと、ポリアニオンとを順次投入するよりも分散時間を短縮することができる。またモノマーを投入した後に、ポリアニオンを投入する以外に、ポリアニオンを投入した後に、モノマーを投入してもかまわない。さらに、水は、モノマーやポリアニオンを投入する前にその一部を容器に投入し、その後、分散中に適宜複数回に分割して投入してもよい。
この操作では、水になじみ難いπ共役構造を有するモノマーを、微粒子状にして水に分散させることを目的としており、その方法はこれらに限られるものではない。なお、ポリアニオンが固形の場合や粘度が高い場合には水に溶解、或いは希釈し、水溶液として投入する。
モノマーと水との割合は、モノマー1重量部に対して水9重量部以上が好ましい。これより水の割合が少なくなると、重合の途中で分散液の粘度が高くなり過ぎ、均質な分散体が得られなくなる虞がある。
モノマーに対するポリアニオンの割合は、モノマー1重量部に対して1重量部以上、5重量部以下が好ましい。モノマー1重量部に対してポリアニオンが1重量部より少ないと、得られた導電性高分子の導電率が低くなる。またモノマー1重量部に対してポリアニオンの割合が5重量部を超えても、得られる導電性高分子の導電率は殆ど向上しない。したがって材料コストを考慮すれば5重量部以下が好ましい。
次に、モノマーを酸化重合する方法について説明する。上述のようにして調製した分散液に引き続き分散機でシェアをかけながら、この分散液に酸化剤を投入する。酸化剤が固形の場合や粘度が高い場合には水に溶解、或いは希釈し水溶液として投入する。このようにして、分散状態のモノマーを酸化重合させてポリマー(以下ポリチオフェンと記載する)の微粒子を形成する。酸化剤の投入後も重合が終了するまで分散機によるシェアを続けることにより、ポリアニオンをドーパントとするポリチオフェンの分散体を調製することができる。なお、分散液と酸化剤とを別の装置に投入してモノマーを酸化重合してもよい。すなわち、分散液と酸化剤とを混合して酸化重合させれば、その方法は特に限定されない。
前述のように、ポリアニオンは、10以上、1000以下のハーゼン色数を示すポリスチレンスルホン酸および/またはポリスチレンスルホン酸塩である。ハーゼン色数は、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の色相を、APHA法で測定することで決められる。
ポリスチレンスルホン酸やその塩の分子の三次元構造の疎密の度合いは水溶液の色相の濃淡に現れ、三次元構造が密になるほど黄色〜赤褐色の色相が濃くなる傾向にある。そして、分子の三次元構造が密になるほど、上記ポリアニオンをドーパントとする、π共役構造を有する導電性高分子の導電性は向上する。しかしながら三次元構造が密過ぎた場合には、逆に導電性が低くなる傾向が現れる。そのため、濃度が2%となるようにポリアニオンを水に溶解した水溶液の色相を、APHA法で測定したハーゼン色数で10以上、1000以下に限定することで、電解コンデンサのESRを低減することができる。
次に具体的な例を用いて本実施の形態における効果を説明する。
(実施例1〜5)
まず、容器に投入した蒸留水に、π共役構造を有するモノマーとして、3,4−エチレンジオキシチオフェンを投入し、次いでポリアニオンとしてポリスチレンスルホン酸の2
9.5%水溶液を投入する。その後、ホモミキサーで10分間シェアをかけて、3,4−エチレンジオキシチオフェンの分散液を調製する。
このとき投入したポリアニオンとして、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数が10であるポリスチレンスルホン酸を用いている。
この分散液をホモミキサーでシェアをかけながら、第1酸化剤として硫酸第二鉄の2.25%水溶液を投入し、次いで第2酸化剤として過硫酸アンモニウムの28.8%水溶液を投入する。酸化剤の投入後、ホモミキサーによるシェアを24時間継続した後に重合を終了する。このようにして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
実施例1で使用した各材料の割合は、3,4−エチレンジオキシチオフェン14.2重量部、ポリスチレンスルホン酸30.5重量部、硫酸第二鉄13.0重量部、過硫酸アンモニウム29.8重量部、蒸留水1337重量部である。
実施例2、実施例3、実施例4、実施例5では、上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数がそれぞれ、55、110、489、1000であるポリスチレンスルホン酸を用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(実施例6〜9)
実施例6、実施例7、実施例8、実施例9では、上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数がそれぞれ、10、318、800、1000であるポリスチレンスルホン酸アンモニウムをポリアニオンとして用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(実施例10〜12)
実施例10、実施例11、実施例12では、上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数がそれぞれ、10、700、1000であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムをポリアニオンとして用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(実施例13)
上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数が700であるポリスチレンスルホン酸リチウムをポリアニオンとして用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(比較例1、2)
比較例1、比較2では、上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数がそれぞれ、8、1030であるポリスチレンスルホン酸を用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(比較例3、4)
比較例3、比較4では、上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数がそれぞれ、5、1240であるポリスチレンスルホン酸アンモニウムを用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(比較例5)
上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数が1050であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムをポリアニオンとして用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
(比較例6)
上記実施例1において、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液のAPHA法で測定したハーゼン色数が8であるポリスチレンスルホン酸リチウムをポリアニオンとして用いている。それ以外は実施例1と同様にして導電性高分子微粒子分散体を調製する。
上記手順で得られた導電性高分子微粒子分散体は、ポリスチレンスルホン酸をドーパントとするポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンを含んでいる。そこで、得られた導電性高分子微粒子分散体を蒸留水で洗浄ろ過した後、ポリ3,4−エチレンジオキシチオフェンの濃度を2.5%に調整する。この分散体をコンデンサ素子10に含浸させて固体電解質層5を形成し、定格電圧35V、静電容量47μFの巻回形電解コンデンサを作製する。
(表1)は、各実施例および各比較例による導電性高分子微粒子分散体を用いて作製された電解コンデンサのESRの値を示している。
Figure 0005948592
実施例1〜5では濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の、APHA法で測定したハーゼン色数が10以上、1000以下のポリスチレンスルホン酸をポリアニオンとして用いている。(表1)に示すように、実施例1〜5では、電解コンデンサのESRが28.5〜32.0mΩとなっている。
一方、比較例1、比較例2では、ハーゼン色数がそれぞれ8、1030であるポリスチレンスルホン酸を用いている。(表1)に示すように、比較例1、比較例2では、電解コンデンサのESRはそれぞれ、45.8mΩ、40.0mΩとなっており、実施例1〜5に比較してESRが顕著に高くなっている。
実施例6〜9では濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の、APHA法で測定したハーゼン色数が10以上、1000以下のポリスチレンスルホン酸アンモニウムをポリアニオンとして用いている。(表1)に示すように、実施例6〜9では、電解コンデンサのESRが28.8〜32.2mΩとなっている。
一方、比較例3、比較例4では、ハーゼン色数がそれぞれ5、1240であるポリスチレンスルホン酸アンモニウムを用いている。(表1)に示すように、比較例3、比較例4では、電解コンデンサのESRがそれぞれ、47.0mΩ、43.4mΩとなっており、実施例6〜9に比較してESRが顕著に高くなっている。
実施例10〜12では濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の、APHA法で測定したハーゼン色数が10以上、1000以下のポリスチレンスルホン酸ナトリウムをポリアニオンとして用いている。(表1)に示すように、実施例10〜12では、電解コンデンサのESRが29.5〜32.3mΩとなっている。
一方、比較例5では、ハーゼン色数が1050であるポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いている。(表1)に示すように、比較例5では、電解コンデンサのESRが、40.6mΩとなっており、実施例10〜12に比較してESRが顕著に高くなっている。
実施例13では濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の、APHA法で測定したハーゼン色数が700のポリスチレンスルホン酸リチウムをポリアニオンとして用いている。(表1)に示すように、実施例13では、電解コンデンサのESRが29.7mΩとなっている。
一方、比較例6では、ハーゼン色数が8であるポリスチレンスルホン酸リチウムを用いている。(表1)に示すように、比較例6では、電解コンデンサのESRが47.7mΩとなっており、実施例13に比較してESRが顕著に高くなっている。
以上のように、ポリアニオンとして、濃度が2%となるように水に溶解した水溶液の、APHA法で測定したハーゼン色数が10以上、1000以下であるポリスチレンスルホン酸またはその塩を用いることで、電解コンデンサのESRを低減できることがわかる。また塩をポリアニオンとして用いる場合、カチオンは特に限定されないことがわかる。
なお、本実施の形態では、アルミニウム箔を電極とする巻回型の固体電解コンデンサを例に説明したが、本発明はこれに限定されない。本実施の形態の製造方法によって得られた導電性高分子微粒子分散体は、アルミニウム以外の弁金属箔を電極とする巻回型の固体電解コンデンサ、積層型の電解コンデンサ、陽極体に弁金属の焼結体を用いた電解コンデンサ、或いは固体電解質とともに電解液を用いたハイブリッドタイプの電解コンデンサなどにも適用できる。
また、実施例1〜13に記載した材料、製造方法、評価手段は発明を説明するための一例であり、これらに限られるものではない。
本発明は、導電性高分子微粒子分散体を使用する電解コンデンサ等に有用である。
1 陽極
2 陰極
3 誘電体酸化皮膜層
4 セパレータ
5 固体電解質層
10 コンデンサ素子
11,12 リード端子
13 封口材
14 ケース

Claims (2)

  1. 3,4−エチレンジオキシチオフェンからなるモノマーとポリアニオンと溶媒とを含む分散液を調製し、その後、前記モノマーを酸化重合させることにより導電性高分子微粒子分散体を調製する導電性高分子微粒子分散体の製造方法であって、
    前記ポリアニオンは、濃度が2%となるように前記ポリアニオンを水に溶解した水溶液の色相がAPHA法で測定したハーゼン色数で10以上1000以下である、ポリスチレンスルホン酸及びその塩の少なくとも一方を含むことを特徴とする、
    導電性高分子微粒子分散体の製造方法。
  2. 誘電体層を有する陽極体と導電性高分子の固体電解質層とを含む電解コンデンサの製造方法であって、
    前記固体電解質層を、請求項1に記載の製造方法により調製した導電性高分子微粒子分散体を用いて形成することを特徴とする、
    電解コンデンサの製造方法。
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