JP2018141642A - 皮膚老化改善剤のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、かかる状況に鑑み、皮膚老化症状に対する新たなアプローチによる皮膚老化改善剤として有効な成分を探索することを目的とし、そのための新たなスクリーニング方法を確立することを課題とする。
[1]皮下脂肪細胞中の老化制御因子の活性を指標として、皮膚老化改善剤をスクリーニングする方法。
[2]前記老化制御因子が、皮膚老化症状の発生に関与する物理量のいずれかを変動させるものである、[1]に記載の方法。
[3]前記皮膚老化症状の発生に関与する物理量が、コラーゲン量、エラスチン量、ヒアルロン酸量、バーシカン量、オートファジー活性、及び皮膚支持構造からなる群から選択される、[2]に記載の方法。
[4]前記老化制御因子が、皮下脂肪細胞への刺激によってその発現量が変動するものである、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記老化制御因子の活性が、前記因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子又は前記タンパク質の発現量であり、刺激及び被験物質を添加した皮下脂肪細胞における前記発現量が、刺激を添加し被験物質を添加しなかった細胞における発現量と比較して大き
い又は小さい場合に、前記被験物質は皮膚老化改善作用を有すると判定する、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記刺激が、生活習慣及又は加齢によって量が変動する物質から選択される、[4]又は[5]に記載の方法。
[7]前記生活習慣及又は加齢によって量が変動する物質が、酸化LDL、グルコース、過酸化水素、エストラジオール、カフェイン、アセトアルデヒド、ビタミン類、オレキシン、プロゲステロン、テストステロン、DHEA、及びメチルグリオキサールからなる群から選択される、[6]に記載の方法。
[8]前記刺激が酸化LDLであって、前記老化制御因子が、4−1BB、FasL、IGFBP2、MSPα、IFNγ、及びPAI−1からなる群から選択される、[7]に記載の方法。
[9]前記刺激がグルコースであって、前記老化制御因子が、4−1BB、CRP、IGFBP2、IL−12、RANTES、SAA、SDF−1、sTNFRI、sTNFRII、VEGF、及びIL−6sRからなる群から選択される、[7]に記載の方法。
[10]前記刺激が過酸化水素であって、前記老化制御因子が、IL−8、Leptin、GH1、及びOPGからなる群から選択される、[7]に記載の方法。
[11]前記刺激がエストラジオールであって、前記老化制御因子が、ACE2、AgRP、CRP、IGFBP3、LeptinR、sTNFRI、ST2、MCP3、PDGFAB、及びVEGFからなる群から選択される[7]に記載の方法。
加齢や生活習慣、又は環境等の要因による刺激を受けた皮下脂肪細胞においては、ある種のアディポサイトカインの発現が変動(増加又は減少)する。該アディポサイトカインは、皮膚の老化症状に関与する「老化制御因子」である。例えば、アディポサイトカインの発現の変動によりその活性が増強又は減弱化して、皮膚老化症状の発生に関与する物理量、例えば、コラーゲン量、エラスチン量、ヒアルロン酸量、バーシカン量、オートファジー活性、皮膚支持構造等の変動が引き起こされる。より具体的にはコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、又はバーシカンを分解する酵素が増加してコラーゲン量、エラスチン量、ヒアルロン酸量、又はバーシカン量を減少させたり、オートファジー悪化タンパク質(monodansylcadaverine;MDC)が増加してオートファジー活性を減弱したり、皮下組織下部の皮下支持帯の網目構造を構成するタンパク質の発現量が減少して該網目構造が疎になったりする。それらによって、真皮においてシワやタルミ等の皮膚老化症状が発現する。かかる皮膚老化フローにおいて、皮下脂肪細胞における老化制御因子の活性を、前記刺激による変動と逆方向に増強又は減弱化することによって、皮膚老化症状が引き起こされるのを抑制し改善することができる。言い換えると、刺激を受けた皮下脂肪細胞における老化制御因子の変動を抑制させるような物質は、皮膚老化改善剤となり得る。
る物理量を変動させるものをいう。具体的には、コラーゲン量、エラスチン量、ヒアルロン酸量、バーシカン量、オートファジー活性、及び皮膚支持構造(RC構造)等の変動に関与するアディポサイトカインが好ましく挙げられる。
表1に、皮膚老化の指標と、前記指標の変動に関与するアディポサイトカインの例を示すが、これらに限定されない。
バーシカンは、真皮が作られるときに線維芽細胞が働くための足場となるプロテオグリカンで、加齢に伴い減少し、皮膚老化や弾性力低下を招くことが知られている(フレグランスジャーナル 44(1): 88 -88, 2016参照)。後述の実施例に示されるように、特定の老化制御因子が活性化すると、バーシカン分解酵素が増加し、バーシカン量の減少が引き起こされる。
オートファジーは、細胞内のタンパク質及び細胞小器官を分解するための仕組みの一つであり、オートファジー活性が亢進すると抗老化作用が働くことが知られている(N. Engl. J. Med., 2013 Feb 14;368(7):651-62.参照)。後述の実施例に示されるように、特定の老化制御因子が活性化すると、オートファジー悪化タンパク質(MDC)が増加し、オートファジー活性が抑制される。
皮膚支持構造(RC構造)は、皮下組織下部の皮下支持帯(retinacula cutis;RC)と呼ばれる網目構造をいい、該構造が疎になると皮膚深部の弾力性が低下し、タルミが引き起こされる(フレグランスジャーナル 44(2), 23-27, 2016参照)。後述の実施例に示
されるように、特定の老化制御因子が活性化すると、RC構造を構成するタンパク質の発現量が減少し、RC構造の弱化(網目構造の疎化)が生じる。
一般に、生活習慣や加齢等により血中の諸成分の存在量は変動するところ、本発明者らは皮下脂肪細胞が血中濃度の増加又は減少する成分による刺激(血中刺激)を受けると、ある種のアディポサイトカインの発現量が変動することを見出した。具体的には、血中刺激によって、アディポサイトカインのタンパク質をコードする遺伝子又は前記タンパク質の発現量が、増加又は減少する。
過酸化水素、グルコース、及び酸化LDLは、加齢により血中濃度が増加し、エストラジオール、プロゲステロン、テストステロン、DHEAは、加齢により血中濃度が減少することが知られている。また、カフェイン、アセトアルデヒド、ビタミン類、オレキシン、メチルグリオキサールは、摂食行動により血中濃度が変動し得る成分である。
皮下脂肪細胞に刺激として過酸化水素を添加すると、インターロイキン−8(IL−8)、レプチン(Leptin)の発現は増加し、成長ホルモン1(GH1)、オステオプロテグリン(OPG)の発現は減少する。
皮下脂肪細胞に刺激としてがグルコースを添加すると4−1BB、C反応性タンパク質(CRP)、インスリン様増殖因子結合タンパク質2(IGFBP2)、インターロイキン−12(IL−12)、活性化調節された発現および分泌正常T細胞(RANTES)、血清アミロイドAタンパク質(SAA)、ストローマ細胞由来因子1(SDF−1)、TNFスーパーファミリー1型受容体(sTNFRI)、TNFスーパーファミリー2型受容体(sTNFRII)、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、の発現は増加し、インターロイキン−6sR(IL−6sR)の発現は減少する。
皮下脂肪細胞に刺激として酸化LDLを添加すると、4−1BB、Fasリガンド(FasL)、IGFBP2、MSPαの発現は増加し、インターフェロンγ(IFNγ)、及びプラスミノーゲン活性化抑制因子(PAI−1)の発現は減少する。
皮下脂肪細胞に刺激としてエストラジオールを添加すると、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)、アグーチ関連ペプチド(AgRP)、CRP、インスリン様増殖因子結合タンパク質3(IGFBP3)、レプチン受容体(LeptinR)、sTNFRI、ST2、単球走化性タンパク質3(MCP3)、血小板由来成長因子AB(PDGFAB)、VEGFの発現は減少する。
また、加齢により血中で減少する刺激の添加により発現量が増加する老化制御因子の場合は、被験物質を添加したときの発現量がコントロールより大きい場合に、前記被験物質は皮膚老化改善作用を有すると判定される。反対に、加齢により血中で減少する刺激の添加により発現量が減少する老化制御因子の場合は、被験物質を添加したときの発現量がコントロールより小さい場合に、前記被験物質は皮膚老化改善作用を有すると判定される。
また、例えば、当該タンパク質の細胞膜上の量を、常法で、例えば抗体を用いる免疫学的手法等で測定して、遺伝子の発現量としてもよい。
細胞の培養の条件としては、通常の培養条件の他、本発明のスクリーニング方法の実行を妨げない、具体的に老化制御因子の発現量の測定を妨げない培養条件であれば、特段の限定なく適用することができる。
動植物由来の抽出物は、動物又は植物由来の抽出物自体のみならず、抽出物の画分、精製した画分、抽出物又は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味するものとし、植物由来の抽出物は、自生若しくは生育された植物、漢方生薬原料等として販売されるものを用いた抽出物、市販されている抽出物等が挙げられる。
抽出操作は、植物部位の全草を用いるほか、植物体、地上部、根茎部、木幹部、葉部、茎部、花、花蕾、果実等の部位を使用することできるが、予めこれらを粉砕あるいは細切して抽出効率を向上させることが好ましい。抽出溶媒としては、水、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール類、1,3−ブタンジオール、ポリプロピレングリコールなどの多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類等の極性溶媒から選択される一種又は二種以上が好適なものとして例示することができる。具体的な抽出方法としては、例えば、植物体等の抽出に用いる部位又はその乾燥物1質量部に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬し、室温まで冷却した後、所望により不溶物及び/又は溶媒除去し、カラムクロマトグラフィー等で分画精製する方法が挙げられる。
脱しない限り以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。
まず、皮下脂肪細胞に刺激物質を添加し、1〜2時間インキュベーションする。その後、被検物質を添加し、24時間インキュベーションする。その後、該細胞からmRNAを抽出し、指標とする老化制御因子をコードする遺伝子の発現量を、該遺伝子を特異的に検出するプライマーを用いてRT−PCRを行い、定量的に測定する。コントロールとして同刺激物質を添加し被検物質を添加しなかった細胞においても該遺伝子の発現量を測定する。被検物質を添加した細胞における該遺伝子の発現量が、被検物質を添加しなかった細胞における該遺伝子の発現量(コントロール)に対して変動した場合、前記被検物質は皮膚老化改善作用を有すると判定する。該判定された物質は、マッサージ用皮膚外用剤に好適に含有し得る皮膚老化改善剤となり得る。
なお、発現量の変動の程度としては、発現量増加の場合は、コントロールに対して120%以上が好ましく、135%以上がより好ましく、150%以上がさらに好ましい。発現量減少の場合は、コントロールに対して80%以下が好ましく、65%以下がより好ましく、50%以下がさらに好ましい。
本発明のスクリーニングにより皮膚老化症状を改善する作用を有すると判定された物質(皮膚老化改善剤)は、皮下脂肪細胞が受ける血中刺激に起因する皮膚老化の発生をターゲットとする新たな機序で皮膚老化症状を改善する点で、新たなアプローチによる有効な抗老化用組成物の配合成分となり得る。
例えば、皮膚外用組成物であれば、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリーブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、増
粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を任意に配合することができる。
本発明に係る抗老化用組成物は、常法に従って前述の成分を処理・配合することにより製造することができる。その形態は、例えば、皮膚外用組成物であれば、ローション剤型、乳化剤型、オイル剤型等任意の剤型とすることができ、経口組成物であれば、錠剤、顆粒、散剤、液剤等の剤型の他、食品や飲料なども任意に採用できる。
以下の手順により、刺激を与えたときの皮下脂肪細胞から分泌されるタンパク質の変動を評価した。
増殖培地(CELL製)を用い、正常ヒト皮下脂肪細胞を24ウェルプレートに1.0×105cells/ウェルで播種し、37℃・5%CO2環境下で2日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後、分化培地(CELL社製)に交換し、37℃・5%CO2環境下にて、10日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後
、維持培地(CELL社製)に交換し、6時間培養後、表3に示す刺激のいずれか又は溶媒対照を含む維持培地を加え、37℃・5%CO2環境下にて、表3に示す時間培養した。培
養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後、維持培地(CELL社製)に交換し、48時間培養後、培養上清を回収し、Human Adipocytokine(Adipokine) Antibody Array kit(RayBiotech製)を用いて、抗原抗体反応により検出した。溶媒対照群を1とした場合の、
相対発現量を表4に示す。
以下の手順により、アディポサイトカインが皮膚老化に影響を及ぼすのか評価した。
DMEM培地(SIGMA社製)又はTenocyte Culture Medium(Dsファーマバイオ
メディカル社製)を用い、正常ヒト真皮線維芽細胞又は正常ヒト腱細胞を24ウェルプレ−トに3.0×104cells/ウェル又は2.0×104cells/ウェルで播種し、37℃・5%CO2環境下で1日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞
を洗浄後、アディポサイトカイン(表5に示すリコンビナントタンパク質)又は溶媒対照を含む、DMEM培地又はTenocyte Culture Mediumを加え、37℃・5%CO2環境下にて、24時間又は48時間培養した。
RNeasy Mini Kit(QIAGEN製)を用いて上記正常ヒト真皮線維芽細胞又は正常ヒ
ト腱細胞のmRNAを抽出し、Superscript VILO DNA synthesis Kit(Lifetechnologies製)を用いてcDNAを合成後、バーシカン・バーシカン分解酵素又はRC構造タンパク質の発現量をリアルタイムqPCR法にて測定した。また、内在性コントロール遺伝子であるACTBのmRNA発現量を同様に測定した。測定には、QuantiFact SYBR GREEN PCR kit(QIAGEN製)及び表6のプライマーを用いた。
変動したタンパク質のリコンビナントタンパク質添加群及び溶媒対照群における各mRNA発現量について、ACTBの発現量による補正を行い、溶媒対照群の各mRNA発現量を1とした場合の、変動したタンパク質のリコンビナントタンパク質添加群の各mRNA発現量を算出した。結果の一部を、次の試験例3の結果と共に表7に示す。
以下の手順により、変動したタンパク質が皮膚老化に影響を及ぼすのか評価した。
DMEM培地(SIGMA社製)を用い、正常ヒト真皮線維芽細胞を96ウェルプレ−トに5.0×103cells/ウェルで播種し、37℃・5%CO2環境下で1日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後、アディポサイトカイン(表5に示すリコンビナントタンパク質)又は溶媒対照を含むDMEM培地を加え、37℃・5%CO2環境下にて、24時間又は48時間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて
細胞を洗浄後、Autophagy/Cytotoxicity Dual Staining Kit(Cayman Chemical製)を用
いて、アディポサイトカイン添加群又は溶媒対照群のMDC量を測定した。変動したタンパク質のリコンビナントタンパク質添加群及び溶媒対照群における各MDC量について、溶媒対照群の各MDC量で補正を行い、溶媒対照群の各MDC量を1とした場合の、変動したタンパク質のリコンビナントタンパク質添加群の各MDC量を算出した。結果の一部を、試験例2の結果と共に表7に示す。
以下の手順で、老化制御因子(アディポサイトカイン)の遺伝子発現を指標に、皮膚老化改善剤のスクリーニングを行った。
増殖培地(CELL社製)を用い、正常ヒト皮下脂肪細胞を24ウェルプレートに1.0×105cells/ウェルで播種し、37℃・5%CO2環境下で2日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後、分化培地(CELL社製)に交換し、37℃・5%CO2環境下にて、10日間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄
後、表3に示す刺激物質又は溶媒対照を含む維持培地(CELL社製)を加え、37℃・5%CO2環境下にて、表3に示す時間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を
洗浄後、エキス又は溶媒対照を含む維持培地を加え、37℃・5%CO2環境下にて、2
4時間培養した。培養後、培地を除去し、PBSにて細胞を洗浄後、QIAzol Lysis Reagent(QIAGEN社製)を用いて上記正常ヒト皮下脂肪細胞のmRNAを抽出し、Superscript VILO DNA synthesis Kit(Lifetechnologies社製)を用いてcDNAを合成後、皮膚老化に影響するタンパク質の発現量をリアルタイムqPCR法にて測定した。また、内在性コントロール遺伝子であるACTBのmRNA発現量を同様に測定した。測定には、QuantiFact SYBR GREEN PCR kit(QIAGEN社製)及び表8のプライマーを用いた。
エキス添加群及び溶媒対照群における各mRNA発現量について、ACTBの発現量による補正を行い、溶媒対照群の各mRNA発現量を1とした場合の、エキス添加群の各mRNA発現量を算出した。結果の一部を実施例1の結果と共に表9〜11に示す。
Claims (11)
- 皮下脂肪細胞中の老化制御因子の活性を指標として、皮膚老化改善剤をスクリーニングする方法。
- 前記老化制御因子が、皮膚老化症状の発生に関与する物理量のいずれかを変動させるものである、請求項1に記載の方法。
- 前記皮膚老化症状の発生に関与する物理量が、コラーゲン量、エラスチン量、ヒアルロン酸量、バーシカン量、オートファジー活性、及び皮膚支持構造からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
- 前記老化制御因子が、皮下脂肪細胞への刺激によってその発現量が変動するものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記老化制御因子の活性が、前記因子を構成するタンパク質をコードする遺伝子又は前記タンパク質の発現量であり、刺激及び被験物質を添加した皮下脂肪細胞における前記発現量が、刺激を添加し被験物質を添加しなかった細胞における発現量と比較して大きい又は小さい場合に、前記被験物質は皮膚老化改善作用を有すると判定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記刺激が、生活習慣及又は加齢によって量が変動する物質から選択される、請求項4又は5に記載の方法。
- 前記生活習慣及又は加齢によって量が変動する物質が、酸化LDL、グルコース、過酸化水素、エストラジオール、カフェイン、アセトアルデヒド、ビタミン類、オレキシン、プロゲステロン、テストステロン、DHEA、及びメチルグリオキサールからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
- 前記刺激が酸化LDLであって、
前記老化制御因子が、4−1BB、FasL、IGFBP2、MSPα、IFNγ、及びPAI−1からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。 - 前記刺激がグルコースであって、
前記老化制御因子が、4−1BB、CRP、IGFBP2、IL−12、RANTES、SAA、SDF−1、sTNFRI、sTNFRII、VEGF、及びIL−6sRからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。 - 前記刺激が過酸化水素であって、
前記老化制御因子が、IL−8、Leptin、GH1、及びOPGからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。 - 前記刺激がエストラジオールであって、
前記老化制御因子が、ACE2、AgRP、CRP、IGFBP3、LeptinR、sTNFRI、ST2、MCP3、PDGFAB、及びVEGFからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
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