JP2005328806A - 脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤 - Google Patents

脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤に係り、より詳しくは脂肪前駆細胞を単離しナチュラルな条件でその細胞播種、培養により脂肪細胞へ分化誘導する方法および分化誘導剤にかかり、その結果脂肪細胞の生成抑制メカニズムの解明に寄与し、引いては生活習慣病のメカニズムの解明、肥満治療薬の開発に寄与する脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤に関する。
【解決手段】
ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導方法に関し、より詳しくは、脂肪前駆細胞の細胞播種、培養時にミセル化油脂を配合することを特徴とし、更に、ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導剤および前記ミセル化油脂が飽和天然油脂化、不飽和天然油脂、鉱物油の少なくとも一種であることを特徴とする脂肪細胞の分化誘導剤に関する。

Description

本発明は脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤に係り、より詳しくは脂肪前駆細胞を単離しナチュラルな条件でその細胞播種、培養により脂肪細胞へ分化誘導する方法および分化誘導剤にかかり、その結果脂肪細胞の生成抑制メカニズムの解明に寄与し、引いては生活習慣病のメカニズムの解明、肥満治療薬の開発に寄与する脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤に関する。
生体の脂肪細胞は、次の4タイプに分類できる。
1.肩から頚部にかけて存在する褐色脂肪細胞、この脂肪細胞は生体系の熱産性機能を持つ、
2.胴回り皮下に存在する白色脂肪細胞、この脂肪細胞はエネルギーを貯蔵する機能を持つ、
3.骨髄に存在する骨髄脂肪細胞、
4.腹腔に存在する脂肪細胞、この脂肪細胞はいわゆる生活習慣である糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化などの原因となる。
この内臓脂肪は、内臓脂肪前駆細胞から小型脂肪細胞に分化し、次いで肥大脂肪細胞に分化する。小型脂肪細胞はレプチン、アディポネクチンを代謝して糖や脂質代謝を制限して、生活習慣病を予防する。
しかしながら、小型脂肪細胞が肥大脂肪細胞化すると、この肥大脂肪細胞はPAI-1(プラスミノーゲン アクチベイター インヒイビター1)(血栓)、TNF(腫瘍壊死因子)-α(インシュリン抵抗性)、レジスチン(インシュリン抵抗性)、FFA(遊離脂肪酸)(高脂血症)等を生成し、代謝障害をもたらす。
所謂、生活習慣病である糖尿病、高血圧、動脈硬化、高脂血症などの原因となる。
したがって、腹腔内の細胞の前駆細胞から脂肪細胞への分化誘導メカニズムをまず解明し、ついでこれを阻害する因子の解明がなされれば、生活習慣病の予防が可能となる。
従来、特開2000−157260号公報、発明の名称 初代前駆脂肪細胞の分化誘導方法及びその分化誘導培地、や特開2002−138045公報、発明の名称 前駆脂肪細胞分化誘導剤などの技術が存在する。
前者の技術は、無血清あるいは低血清の条件下で、効率良く初代前駆脂肪細胞を脂肪細胞に分化誘導させる方法及びその分化用培地に関し、インスリン、トランスフェリン、デキサメタゾン、ビオチン、アスコルビン酸、グルコース、上皮成長因子若しくは繊維芽細胞成長因子、ならびに亜セレン酸若しくはその塩を含有し、かつインドメタシン、プロスタグランジン、長鎖脂肪酸およびチアゾリジン誘導体よりなる群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含む栄養培地中において初代前駆脂肪細胞を脂肪細胞へ分化誘導する方法に関するものである。
後者の技術は、新規で安全な前駆脂肪細胞分化誘導剤、化粧料組成物又は飲食品を提供することを課題とし、アケビ、オランダビユ、カバ、キャラウェー、クコ、ホウノキ、ユズから選ばれる1種以上の植物抽出物を含有する前駆脂肪細胞分化誘導剤、化粧料組成物又は飲食品の提供に係り、前駆脂肪細胞分化誘導剤として利用でき、又、肥満や糖尿病及び生活習慣病などの予防又はその改善に役立つものであり、更に皮膚のシワやたるみ、糖尿病由来の合併症などの様々な前駆脂肪細胞の分化誘導作用に関わる疾患の予防及び治療にも利用も可能な技術の開示である。
しかしながら、これら従来技術による脂肪細胞分化誘導技術は、デキサメタゾンやPPARγアゴニストを用いて無理やり脂肪細胞もどきにしている。もともと生体には存在しないデキサメタゾンやPPARγアゴニストを使用して分化させるため、生体内にある内臓脂肪細胞とはその反応性に関して相違する。
PPARγアゴニストを使用した脂肪細胞分化誘導培養系は、皮下脂肪の脂肪細胞化には成功しているが、生体の腹腔内の内臓脂肪前駆細胞からの分化誘導には成功しておらず皮下脂肪の脂肪細胞は内臓脂肪細胞との類似性が薄い、さらには皮下脂肪の前駆細胞の場合でも分化率が極端に低い等の欠点があった。
内臓脂肪過剰蓄積による生活習慣病の症例は日本国内だけでなく、むしろ欧米で大きな社会問題となっている。
脂肪細胞の分化と分化に伴うサイトカイン(アディポサイトカイン)放出の研究はアディポネクチン、ビスファチンの発見(大阪大学)によりその機構が解明されつつある。
分化の後半部である「前駆脂肪細胞から脂肪細胞へ分化誘導されてゆく過程」は数多く開示されているが、分化の前半部である「中胚葉系幹細胞から前駆脂肪細胞が形成される段階」がいかなる細胞系譜をたどって前駆脂肪細胞が発生し、その数が制御されているのか不明である。
内臓脂肪組織に潜む中胚葉系幹細胞が、ある条件を満たされることにより爆発的にその数を増やし、脂肪を蓄積する容器である内臓脂肪細胞の数自身を増やしてゆく機構がこの発明により開示された。
しかもこの主要物質が、食事性の外因性脂肪であることを解明した。
外因性脂肪による内臓脂肪細胞の爆発的発生のメカニズムを解明することは国際的、特に先進国が抱える肥満人口増加、および糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症などの生活習慣病を持つ人口増加を根本から解決することが可能となる。
この発明により内臓脂肪過剰蓄積を抑制する物質を見つけ出すことが将来可能となり、国際的視点から見てもインスリンに変わる糖尿病薬が創出されることが確実に想定される。
特開2000−157260号公報 特開2002―138045号公報
本発明は従来技術の欠点に照らし、脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤を改良せんとし、脂肪前駆細胞を単離しナチュラルな条件でその細胞播種、培養により脂肪細胞へ分化誘導する方法及び分化誘導剤にかかり、その結果脂肪細胞の生成抑制メカニズムの解明に寄与し、引いては生活習慣病のメカニズムの解明、糖尿病治療薬、肥満治療薬の開発に寄与する脂肪細胞の分化誘導方法及び分化誘導剤の提供に成功した。
すなわち請求項1に係る発明は、ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項2に係る発明は、脂肪前駆細胞の細胞播種、培養時にミセル化油脂を配合することを特徴とする請求項1の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項3に係る発明は、脂肪組織を摘出し、酵素により内臓脂肪前駆細胞を単離し、この脂肪前駆細胞を細胞播種、培養する際ミセル化油脂を配合したことを特徴とする請求項1乃至2記載の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項4に係る発明は、前記ミセル化油脂が飽和天然油脂化、不飽和天然油脂、鉱物油、の少なくとも一種であることを特徴とする請求項1乃至3記載の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項5に係る発明は、前記飽和天然油脂が炭素数1から32の飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項1乃至4記載の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項6に係る発明は、前記不飽和天然油脂が炭素数3か20の不飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項1乃至4記載の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項7に係る発明は、前記ミセル化油脂がオレイン酸及び/またはリノール酸からなる請求項1、2、3、4、6記載の脂肪細胞の分化誘導方法に関する。
請求項8に係る発明は、ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導剤に関する。
請求項9に係る発明は、前記ミセル化油脂が飽和天然油脂化、不飽和天然油脂、鉱物油の少なくとも一種であることを特徴とする請求項8記載の脂肪細胞の分化誘導剤に関する。
請求項10に係る発明は、前記飽和天然油脂が炭素数1から32の飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項8乃至9記載の脂肪細胞の分化誘導剤に関する。
請求項11に係る発明は、前記不飽和天然油脂が炭素数3から20の不飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項8乃至9記載の脂肪細胞の分化誘導剤に関する。
請求項12に係る発明は、前記ミセル化油脂がオレイン酸及び/またはリノール酸からなることを特徴とする請求項8、9、11記載の脂肪細胞の分化誘導剤に関する。
本発明に係る脂肪細胞の分化誘導方法及び分化誘導剤は、脂肪前駆細胞を単離しナチュラルな条件でその細胞播種、培養により脂肪細胞へ分化誘導する方法及び分化誘導剤にかかり、その結果脂肪細胞の生成抑制メカニズムの解明に寄与し、引いては生活習慣病のメカニズムの解明、肥満治療薬、糖尿病治療薬の開発に寄与する脂肪細胞の分化誘導方法及び分化誘導剤の提供にある。
本発明における脂肪細胞の分化誘導方法および分化誘導剤は、ミセル化油脂を分化誘導剤として用いることを特徴とする。
この発明で使用する油脂としては特に限定されず、この発明者らによれば脂質の種類による内臓脂肪蓄積の違いを細胞培養系及び動物実験系で解析したところ、植物由来の脂質、動物由来の脂質、鉱物油など不飽和度、長鎖/短鎖の違いを持つ脂質が、内臓脂肪細胞培養系および内臓肥満モデル動物を用いて調べても、全てのミセル化脂質成分が少なくとも内臓脂肪細胞を増やし、内臓脂肪過剰蓄積をもたらすことが解明されている。
すなわち、油脂が飽和天然油脂、不飽和天然油脂、鉱物油であればよく、前記飽和天然油脂の場合は炭素数が1から32の飽和脂肪酸からなる油脂が、さらに、前記不飽和天然油脂の場合は炭素数が3から18の不飽和脂肪酸であって、特に前記油脂がオレイン酸及び/またはリノール酸からなる油脂であればなお好ましい。
これらの油脂は、ミセル化して培地に配合するのが望ましく、ミセルの粒径としては0.01μ〜10μの間とすればよい。この理由は10μ以上では脂肪細胞への分化誘導が充分行われず、0.01μ以下ではミセル化処理が困難で工業的処理に適さないからである。
次に、この発明においては、脂肪組織を摘出し、酵素により内臓脂肪前駆細胞を単離し、この脂肪前駆細胞を細胞播種、培養する際前記ミセル化油脂を配合する。
まず、ラット腸間膜脂肪組織をコラゲナーゼ消化し細胞浮遊液を得る。この浮遊液を遠心分離後沈査してから脂肪前駆細胞を含む細胞画分を得る。
この脂肪前駆細胞を主とする細胞画分に対して分化誘導剤たるミセル化油脂を配合し成熟脂肪細胞への分化率を指標として培養液成分の最適化を試みこの発明に至った。
すなわち、脂質の刺激による内臓脂肪細胞増加のメカニズムが解明された。
この発明では、中胚葉系幹細胞から前駆内臓脂肪への分化の過程を「細胞表面の糖鎖の種類の変化」として確認し、この変化を網羅的に調べたところ、分化の過程の詳細が解明された。
この発明では、少なくともノルエピフネリン(ノルアドレナリン)が新規な前駆内臓脂肪細胞の表面マーカーとして同定されている。
具体的には、内臓脂肪細胞培養系にミセル化した脂肪を添加し増殖用培地に26時間以内培養し、分化誘導用メデウムで48時間分化誘導し、その後脂肪細胞維持メデウムに交換し、長期(5〜7日毎に)毎に脂肪細胞維持メデウムに交換培養し脂肪過剰蓄積状態を作り上げ、経時的に培養上清を採取しアディポネクチン、レプチン、レジスチン、TNF―α等の分泌量を測定し、脂肪過剰蓄積に至るまでのアディポサイトカイン分泌量の変化を追い表面マーカーとした。
この発明においては、培養系に必須とされる血清の種類を仔牛胎児血清(FBS)から牛新生児血清(NCS)に試験的に変えてみたところ、内臓脂肪細胞の出現を部分的に見出して完成した。
仔牛胎児血清(FBS)と牛新生児血清(NCS)の成分分析で決定的な違いは脂質含量、及び脂肪酸組成の違いがあることが解明された。
即ち、FBSは総脂質が100mg/dlであるに対し、FCSにおいては200mg/dlと倍含まれている。
脂肪酸においてもパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、γ―リノレイン酸、リノレイン酸のいずれもがFBSはNCSの半分以下の含有である。
図1参照。
このようなそこで仔牛胎児血清(FBS)と牛新生児血清(NCS)の資質含量の相違に着目し、ミセル化した脂肪そのものを内臓脂肪細胞分化誘導系に添加したところ、ミセル化脂肪濃度依存的に脂肪蓄積量が増えることを見出し、外因性脂肪自身が内臓脂肪細胞を作り上げている事実が立証されこの発明を完成した。
加えて、仔牛胎児血清(FBS)には内臓脂肪細胞分化を阻害する物質(グロスファクター)が多く含まれていることもわかってきた。
さらに詳しく調べたところ、内臓脂肪細胞の始原細胞として用いていた細胞脂肪前駆細胞は多分化能を持つ細胞で、いわゆる中胚葉系幹細胞であることが判明した。この脂肪前駆細胞は血管内皮細胞にもなり、場合によっては筋芽細胞、骨芽細胞、神経細胞にもなりうることがわかった。
すなわち、内臓脂肪細胞の分化の源流は、脂肪組織内に潜む中胚葉系幹細胞がこの発明に係る分化誘導剤である脂質と言うトリガーが働くこと及び分化抑制因子の束縛から解放されることによって細胞が一時的に増え、その後、内臓脂肪細胞として終末分化してゆく過程がこの発明に係る培養系を用いることで解明できる。
しかしながらこの内臓脂肪細胞分化誘導方法は、まだ不明な点が多く、特に中胚葉系幹細胞から内臓脂肪前駆細胞になるところまでの分化の詳細は不明であり、今後の研究課題である。
この発明において、分化のメカニズムの詳細はわからないが技術的に分化誘導が可能になった。
一方、既開示技術において、天然ハーブ由来の成分をラットに与え内臓脂肪重量を効率よく減らす大豆を主原料とした乳酸菌発酵代謝物が糖尿病モデルラット及びヒトで有意に血糖値、及びヘモグロビンA−1C値を下げ正常値に戻すことが解明されている。
通常の食品には、脂質のように内臓脂肪細胞を増やすものばかりではなく、内臓脂肪の過剰蓄積を抑制する物質も存在し、この発明により内臓脂肪細胞分化誘導剤及び分化誘導方法が確立した。
さらに、中胚葉系幹細胞から内臓脂肪前駆細胞になるところまでの分化の詳細を調べるためには、細胞膜上の表面マーカーを利用するのが通常であるが、脂肪前駆細胞の表面マーカーは現在までのところ報告が無い。この発明者らは、細胞膜上の糖鎖を網羅的に見る方法を利用し、中胚葉系幹細胞から内臓脂肪前駆細胞になるところまでの分化の詳細を細胞膜表面の糖鎖の網羅的変化として捉え、細胞膜表面の糖鎖は新規なレセプター(受容体)として働いていると考え、分化の詳細を細胞膜表面の糖鎖の網羅的変化として捉えることにより、中胚葉系幹細胞から内臓脂肪前駆細胞への分化に作用する、まったく新しいリガンド(作用物質)とレセプターを今後発明発見せんとする。
尚、本発明の前駆脂肪細胞の分化誘導剤及び分化誘導方法に用いる培地は、本発明の効果を損なわない範囲内で、下記に例示する成分や添加物を任意に選択・併用して基本培地に製造することができる。
基本培地
D-MEM ,MEM,RPM1640、BME,BGJB,CMRL1066、DE/F12等のいずれか一種があげられいずれもGIBCO社製である。
各種ミセル化油脂類
アボガド油、アーモンド油、ウイキョウ油、エゴマ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラファー油、ゴマ油、カカオ脂、カミツレ油、カロット油、キューカンバー油、牛脂脂肪酸、ククイナッツ油、サフラワー油、シア脂、液状シア脂、大豆油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、パーシック油、ヒマシ油、綿実油、落花生油、タートル油、ミンク油、卵黄油、パーム油、パーム核油、モクロウ、ヤシ油、牛脂、豚脂又はこれら油脂類の水素添加物(硬化油等)等。
ミセル化鉱物油
流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、オゾケライド、セレシン、マイクロクリスタンワックス等。
ロウ類
ミツロウ、カルナバロウ、鯨ロウ、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、カンデリラロウ、モンタンロウ、セラックロウ、ライスワックス、スクワレン、スクワラン、プリスタン等。
脂肪酸類
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール油、ラノリン脂肪酸等の天然脂肪酸、イソノナン酸、カプロン酸、2−エチルブタン酸、イソベンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソペンタン酸等の合成脂肪酸。
アルコール類
エタノール、イソピロパノール、ラウリルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール等の天然アルコール、2−ヘキシルデカノール、イソステアリルアルコール、2−オクチルドデカノール等の合成アルコール。
多価アルコール類
酸化エチレン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコール、酸化プロピレン、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、マンニトール等。
エステル類
ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸、ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、酢酸ラノリン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール等。
金属セッケン類
ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等。
ガム質、糖類又は水溶性高分子化合物
アラビアゴム、ベンゾインゴム、ダンマルゴム、グアヤク脂、アイルランド苔、カラヤゴム、トラガントゴム、キャロブゴム、クインシード、寒天、カゼイン、乳糖、果糖、ショ糖、又はそのエステル、トレハロース又はその誘導体、デキストリン、ゼラチン、ペクチン、デンプン、カラギーナン、カルボキシメチルキチン又はキトサン、エチレンオキサイド等のアルキレン(C2〜C4)オキサイドが付加されたヒドロキシアルキル(C2〜C4)キチン又はキトサン、低分子キチン又はキトサン、キトサン塩、硫酸化キチン又はキトサン、リン酸化キチン又はキトサン、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸又はその塩、コンドロイチン硫酸又はその塩、ヘパリン、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロールナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニトロセルロース、結晶セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイドやポリプロピレンオキサイド等のポリアルキレンオキサイド又はその架橋重合物、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレンイミン等。
界面活性剤
アニオン界面活性剤(アルキルカルボン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩)、カチオン界面活性剤(アルキルアミン塩、アルキル四級アンモニウム塩)、両性界面活性剤:カルボン酸型両性界面活性剤(アミノ酸型、ベタイン型)、硫酸エステル型両性界面活性剤、スルホン酸型両性界面活性剤、リン酸エステル型両性界面活性剤、非イオン界面活性剤(エーテル型非イオン界面活性剤、エーテルエステル型非イオン界面活性剤、エステル型非イオン界面活性剤、ブロックポリマー型非イオン界面活性剤、含窒素型非イオン界面活性剤)、その他の界面活性剤(天然界面活性剤、タンパク質加水分解物の誘導体、高分子界面活性剤、チタン・ケイ素を含む界面活性剤、フッ化炭素系界面活性剤)等。
各種ビタミン類
ビタミンA群:レチノール、レチナール(ビタミンA1)、デヒドロレチナール(ビタミンA2)、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB群:チアミン塩酸塩、チアミン硫酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、葉酸類、ニコチン酸類、パントテン酸類、ビオチン類、コリン、イノシトール類、ビタミンC群:ビタミンC酸又はその誘導体、ビタミンD群:エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、コレカルシフェロール(ビタミンD3),ジヒドロタキステロール、ビタミンE群:ビタミンE又はその誘導体、ユビキノン類、ビタミンK群:フィトナジオン(ビタミンK1)、メナキノン(ビタミンK2)、メナジオン(ビタミンK3)、メナジオール(ビタミンK4)、その他、必須脂肪酸(ビタミンF)、カルニチン、フェルラ酸、γ―オリザノール、オロット酸、ビタミンP類(ルチン、エリオシトリン、ヘスペリジン)、ビタミンU等。
各種アミノ酸類
バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等や、それらの硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、クエン酸塩、或いはピロリドンカルボン酸のごときアミノ酸誘導体等。
その他抗炎症材としての、インドメタシン、デキサメサゾン、線維芽細胞の増殖を抑えるニコチン酸アミドなどを添加すればよい。
以下、本発明を実施例により説明する。但し本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例)
4週齢のラット(平均体重100g)マウスの腹腔内腸間膜脂肪を摘出し、このラット一匹約100gの腸間膜脂肪組織gにコラゲナーゼ10mg(ウォースヒントン バイオケミカル社製)をDE/F12培地(ギブコ社製)に0.2%溶解し、37℃ 40分間で消化し細胞浮遊液5ccを得た。
この細胞浮遊液5ccを800Gの遠心分離機にかけこの遠心分離後沈査から脂肪前駆細胞を含む細胞画分(1cc)を得た。
この細胞画分を播種し、24穴、1穴1cc,の培養プレートにて培養した。
定量方法は、各培養分画をホルマリンで固定し、後染料oilRed0で染色し、イソプロパノールで抽出し、吸光度540nmで測定しトリグリセライドを定量した。(ホクドー社製リッピットキット法)
(試験例1)
本発明方法の培地を以下の組成で調製した。
DE/F12 90%
NCS 10%
ペニシリン 100units/ml
ストレプトマイシン 100μg/ml
パントテン酸(Pan) 17μM
ビオチン(Bio) 33μM
アスコルビン酸(Asc) 100μM
カプリル酸(Oct) 1μM
トリヨードサイロニン(T) 50nM
インスリン(Ins) 10μg/ml
ニコチンアミド 2.5mM
(比較例1)
比較例の培地を下記の組成で調製した。
DMEM(高グルコース) 90%
FBS 10%
ペニシリン 100units/ml
ストレプトマイシン 100μg/ml
パントテン酸(Pan) 17μM
ビオチン(Bio) 33μM
アスコルビン酸(Asc) 100μM
カプリル酸(Oct) 1μM
トリヨードサイロニン(T) 50nM
インスリン(Ins) 10μg/ml
デキサメサゾン(Dex) 2.5μM
試験例1及び試験例1の培養結果の拡大写真100倍を、それぞれ図2及び図3で示す。
この結果から明らかな如く、この発明に係る培地では、脂肪細胞が分化誘導していることが判る。
(試験例2〜5)
下記の表に示す培地を調製し、実施例で得た細胞分画を播種し、培養器に入れ培養した。
2:DMEM+10%FBS
3:DMEM+10%FBS+インスリン
4:DMEM+10%FBS+脂肪細胞用添加物
5:DMEM+10%FBS+脂肪細胞用添加物+インスリン
(比較例2〜5)
下記の表で示す培地を調製し、実施例で得た細胞分画を播種し、培養器に入れ培養した。
2:DMEM+10%NCS
3:DMEM+10%NCS+インスリン
4:DMEM+10%NCS+脂肪細胞用添加物
5:DMEM+10%NCS+脂肪細胞用添加物+インスリン
注)尚、試験例2〜5および比較例2〜5において脂肪細胞用添加物とはPan(パントテン酸)、Bio(ビオチン )、Asc(アスコルビン酸)、OCT(オクタニック酸)、T3(トリヨウドチロニン)をいう。
(結果)
試験例2〜5及び比較例2〜5のTG(トリグリセライド)の定量540nmの吸光度計によりをしたところ、いずれも試験例の方が秀れた結果を得た。
(試験例6)
試験例1の培地にノルエピネフリン2×10−5Mを添加し、15分、30分、60分、90分経過後の細胞内のTG(トリグリセライド)の量の変化を見た。図4に結果を示す如く、ノルエピネフリンの添付により脂肪が短時間で放出することが判る。
FBSとFCSの総脂質、構成脂肪酸の構成、具体的にパルミチン酸、ステアリン酸、オレいん酸、リノール酸、γ―リノレイン酸、リノレイン酸の相違を図である。 試験例1の培養結果の拡大写真X 倍を示す。 比較例1の培養結果の拡大写真X 倍を示す。 試験例1の培地にノルエピネフリン2×10−5Mを添加し、15分、30分、60分、90分経過後の細胞内のTG(トリグリセライド)の量の変化を図で示す。

Claims (12)

  1. ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導方法。
  2. 脂肪前駆細胞の細胞播種、培養時にミセル化油脂を配合することを特徴とする請求項1の脂肪細胞の分化誘導方法。
  3. 脂肪組織を摘出し、酵素により内臓脂肪前駆細胞を単離し、この脂肪前駆細胞を細胞播種、培養する際ミセル化油脂を配合したことを特徴とする請求項1乃至2記載の脂肪細胞の分化誘導方法。
  4. 前記ミセル化油脂が飽和天然油脂化、不飽和天然油脂、鉱物油のいずれか一種からなることを特徴とする請求項1乃至3記載の脂肪細胞の分化誘導方法。
  5. 前記飽和天然油脂が炭素数1から32の飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項1乃至4記載の脂肪細胞の分化誘導方法。
  6. 前記不飽和天然油脂が炭素数3から20の不飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項1乃至4記載の脂肪細胞の分化誘導方法。
  7. 前記ミセル化油脂がオレイン酸および/又はリノール酸からなることを特徴とする請求項1,2,3,4,6記載の脂肪細胞の分化誘導方法。
  8. ミセル化油脂からなる脂肪細胞の分化誘導剤。
  9. 前記ミセル化油脂が飽和天然油脂化、不飽和天然油脂、鉱物由の少なくとも一種であることを特徴とする請求項8記載の脂肪細胞の分化誘導剤。
  10. 前記飽和天然油脂が炭素数1から32の飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項8乃至9記載の脂肪細胞の分化誘導剤。
  11. 前記不飽和天然油脂が炭素数3から20の不飽和脂肪酸からなることを特徴とする請求項8乃至9記載の脂肪細胞の分化誘導剤。
  12. 前記ミセル化油脂がオレイン酸および/又はリノール酸からなることを特徴とする請求項8、9、11記載の脂肪細胞の分化誘導剤。
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CN117138121A (zh) * 2023-08-25 2023-12-01 苏州邦伊医疗科技有限公司 一种减少破坏提高纯度的自体脂肪移植方法

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