JP2018141512A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プレッシャプレートの剛性を向上させ、クラッチ部材の移動を安定化することができる動力伝達装置を提供する。【解決手段】相対回転可能な一対の回転部材3,5と、一方の回転部材3に一体回転可能で軸方向移動可能に配置され一対の回転部材3,5間の動力伝達を断続するクラッチ部材7と、このクラッチ部材7と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定部9を介して固定された環状のプレッシャプレート11と、このプレッシャプレート11と軸方向に隣接して配置されプレッシャプレート11を軸方向に押圧可能なプランジャ13とを備えた動力伝達装置1において、プレッシャプレート11の内径側に、プランジャ13に押圧される押圧面15を設け、押圧面15を、周方向に連続して設けた。【選択図】図1
Description
本発明は、車両に適用される動力伝達装置に関する。
従来、動力伝達装置としては、相対回転可能な一対の回転部材としてのデフケースとサイドギヤと、デフケースに一体回転可能で軸方向移動可能に配置されデフケースとサイドギヤとの間の動力伝達を断続するクラッチ部材と、このクラッチ部材と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定部を介して固定された環状のプレッシャプレートとしての検出部材と、この検出部材と軸方向に隣接して配置されクラッチ部材を軸方向に押圧可能なプランジャとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この動力伝達装置では、プランジャの作動により、クラッチ部材が押圧されて軸方向に移動され、デフケースとサイドギヤとが一体回転可能に接続され、デフケースとサイドギヤとの間の動力伝達が可能となる。
ところで、上記特許文献1のような動力伝達装置では、プランジャが直接、クラッチ部材を軸方向に押圧しているが、クラッチ部材と固定部を介して軸方向に一体移動可能な環状のプレッシャプレートとしての検出部材をプランジャが軸方向に押圧することによりクラッチ部材を軸方向に移動させる構造がある。
このような動力伝達装置では、プレッシャプレートのクラッチ部材に固定される固定部が、環状のプレッシャプレートの内径側を周方向に複数箇所切り欠いて設けられており、このプレッシャプレートの内径側には、プランジャに押圧される押圧面が設けられている。
このため、プレッシャプレートの押圧面は、周方向に分割して配置されており、プランジャによる押圧力を周方向に均等に受けることができず、クラッチ部材の移動が不安定になる恐れがあった。
加えて、プレッシャプレートの押圧面が周方向に分割されているので、押圧面側の剛性が低下していた。
そこで、この発明は、プレッシャプレートの剛性を向上させ、クラッチ部材の移動を安定化することができる動力伝達装置の提供を目的としている。
本発明は、相対回転可能な一対の回転部材と、この一対の回転部材のうちいずれか一方に一体回転可能で軸方向移動可能に配置され一対の前記回転部材間の動力伝達を断続するクラッチ部材と、このクラッチ部材と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定部を介して固定された環状のプレッシャプレートと、このプレッシャプレートと軸方向に隣接して配置され前記プレッシャプレートを軸方向に押圧可能なプランジャとを備えた動力伝達装置であって、前記プレッシャプレートには、内径側と外径側とのうちいずれか一方に前記プランジャに押圧される押圧面が設けられ、前記押圧面は、周方向に連続して設けられていることを特徴とする。
この動力伝達装置では、プレッシャプレートの押圧面が、周方向に連続して設けられているので、プランジャによる押圧力を周方向に均等に受けることができ、クラッチ部材の移動を安定化することができる。
加えて、プレッシャプレートの押圧面は、周方向に連続して設けられているので、押圧面側の剛性を向上することができる。
従って、このような動力伝達装置では、プレッシャプレートの剛性を向上させ、クラッチ部材の移動を安定化することができる。
本発明によれば、プレッシャプレートの剛性を向上させ、クラッチ部材の移動を安定化することができる動力伝達装置を提供することができるという効果を奏する。
図1〜図12を用いて本発明の実施の形態に係る動力伝達装置について説明する。
本実施の形態に係る動力伝達装置1は、相対回転可能な一対の回転部材としてのデフケース3とサイドギヤ5と、デフケース3に一体回転可能で軸方向移動可能に配置されデフケース3とサイドギヤ5との間の動力伝達を断続するクラッチ部材7と、このクラッチ部材7と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定部9を介して固定された環状のプレッシャプレート11と、このプレッシャプレート11と軸方向に隣接して配置されプレッシャプレート11を軸方向に押圧可能なプランジャ13とを備えている。
そして、プレッシャプレート11には、内径側にプランジャ13に押圧される押圧面15が設けられ、押圧面15は、周方向に連続して設けられている。
また、固定部9は、プレッシャプレート11の内径と外径との径方向の範囲内に配置されている。
さらに、クラッチ部材7には、デフケース3の壁部17を軸方向に貫通して設けられた孔部19に係合される凸部21が設けられ、プレッシャプレート11は、クラッチ部材7とデフケース3の壁部17を軸方向に挟んで配置されている。
そして、固定部9は、クラッチ部材7の凸部21の軸方向端面の範囲内に配置されている。
また、固定部9は、脚部23を介して押圧面15側から軸方向に離間して配置され、脚部23は、プレッシャプレート11の周方向に対向する平面25を有する。
さらに、脚部23の平面25は、プレッシャプレート11の周方向に対して傾斜して配置されている。
また、プレッシャプレート11の外径側は、周方向に連続して設けられている。
図1〜図12に示すように、動力伝達装置1は、デフケース3と、ピニオンシャフト27と、ピニオン29と、一対のサイドギヤ31,5とからなる差動機構33を備え、この差動機構33の差動を断続する断続機構35を有するデファレンシャル装置となっている。
デフケース3は、軸方向両側に形成されたボス部37,39でそれぞれベアリング(不図示)を介してキャリアなどの静止系部材(不図示)に回転可能に支持されている。
このデフケース3には、リングギヤ(不図示)が固定されるフランジ部41が設けられ、リングギヤが駆動力を伝達する、例えば、プロペラシャフトなどの入力側の機構に一体回転可能に連結された動力伝達ギヤ(不図示)と噛み合い、デフケース3に駆動力が入力されて回転駆動される。
このようなデフケース3には、ピニオンシャフト27と、ピニオン29と、一対のサイドギヤ31,5とが収容され、リングギヤを介してデフケース3に伝達された駆動力を各部材に伝達する。
ピニオンシャフト27は、端部をデフケース3に係合してピン43で抜け止めされデフケース3と一体に回転駆動される長短2種類の複数がデフケース3に収容されている。
このピニオンシャフト27には、ピニオン29が支承されている。
ピニオン29は、デフケース3の周方向等間隔に複数配置され、それぞれ短尺のピニオンシャフト27の外端側と長尺のピニオンシャフト27の両端側に支承されてデフケース3の回転によって公転する。
このピニオン29の背面側とデフケース3との径方向間には、ピニオン29の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャ45が配置されている。
このようなピニオン29は、一対のサイドギヤ31,5に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ31,5に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト27に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ31,5は、それぞれのボス部でデフケース3に相対回転可能に支持され、ピニオン29と噛み合っている。
この一対のサイドギヤ31,5の背面側とデフケース3との軸方向間には、ピニオン29との噛み合い反力によるサイドギヤ31,5の軸方向への移動を受けるスラストワッシャ47,49がそれぞれ配置されている。
このような一対のサイドギヤ31,5は、内周側にスプライン形状の連結部51,53が形成され、それぞれ駆動力を出力する、例えば、左右車輪側に連結された車軸などの出力側の部材(不図示)に連結される駆動軸(不図示)が一体回転可能に連結され、デフケース3に入力された駆動力を出力側の部材へ出力する。
このような差動機構33における一対のサイドギヤ31,5の差動は、断続機構35の接続によってロック状態とされ、一対のサイドギヤ31,5に伝達された駆動力が左右の出力側の部材に均一に出力される。
このように差動機構33の差動を断続する断続機構35を有する動力伝達装置1は、いわゆるデフロック機能を有するデファレンシャル装置となっている。
この断続機構35は、クラッチ部材7と、プレッシャプレート11と、断続部55と、プランジャ13と、電磁石57とを備えている。
クラッチ部材7は、環状に形成され、周方向に連続する一部材で形成された基部59がデフケース3の壁部17とサイドギヤ5の背面側との軸方向間に軸方向移動可能に配置されている。
このクラッチ部材7のデフケース3の壁部17側には、デフケース3と一体回転可能に係合する係合部61が設けられ、クラッチ部材7のサイドギヤ5の背面側には、断続部55が設けられている。
係合部61は、クラッチ部材7の基部59に周方向等間隔に設けられた複数(ここでは4つ)の凸部21と、デフケース3の壁部17に周方向等間隔に軸方向に貫通して設けられた複数(ここでは4つ)の孔部19とからなる。
この凸部21と孔部19とが回転方向に係合することにより、クラッチ部材7がデフケース3に回り止めされ、クラッチ部材7とデフケース3とが一体回転可能となる。
この係合部61には、クラッチ部材7を断続部55の接続方向に移動させるカムが設けられている。詳細には、凸部21と孔部19との周方向両側の対向面には、同一傾斜のカム面がそれぞれ形成されている。
このため、クラッチ部材7が断続部55の接続方向に移動され、断続部55に回転方向の噛み合い作用が生じたときに、デフケース3の回転によってそれぞれのカム面が係合することにより、クラッチ部材7をさらに断続部55の噛み合い方向に移動させ、断続部55の接続を強化させる。
プレッシャプレート11は、環状に形成され、クラッチ部材7の複数の凸部21の軸方向の端面に配置される複数(ここでは4つ)の固定部9がボルトを介してクラッチ部材7と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定されている。
このプレッシャプレート11は、デフケース3のボス部39の外周上でデフケース3の壁部17とプランジャ13との軸方向間に配置され、プランジャ13によって軸方向に押圧されてクラッチ部材7を軸方向に移動させ、断続部55を接続させる。
断続部55は、クラッチ部材7の基部59の係合部61と軸方向反対側の側面でクラッチ部材7とサイドギヤ5の背面側との軸方向間に設けられ、クラッチ部材7とサイドギヤ5とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。
この断続部55は、互いの噛み合い歯が噛み合うことにより、クラッチ部材7とサイドギヤ5とが一体回転可能に接続、すなわちデフケース3とサイドギヤ5とが一体回転可能に接続され、差動機構33の差動がロック状態となる。
一方、デフケース3の壁部17とプレッシャプレート11との軸方向間には、付勢部材63が配置され、プレッシャプレート11を介してクラッチ部材7を断続部55の接続解除方向に付勢している。
この付勢部材63によって、クラッチ部材7が断続部55の接続解除方向に移動され、断続部55の接続が解除され、差動機構33の差動がアンロック状態となる。
この断続部55の断続状態は、プランジャ13と電磁石57とからなるアクチュエータによって制御される。
プランジャ13は、磁性材料からなり、環状に形成され、磁束が透過可能に設定された微小隙間であるエアギャップをもって電磁石57の内径側に配置されている。
このプランジャ13は、電磁石57と一体に設けられた非磁性材料からなりデフケース3のボス部39の外周上に配置された支持部65の外周に軸方向移動可能に配置され、支持部65によって軸方向外側への規制がなされている。
このようなプランジャ13は、プレッシャプレート11側の軸方向の端面が、プレッシャプレート11と当接可能に配置されている。
このように配置されたプランジャ13は、電磁石57の励磁により、プレッシャプレート11側に軸方向移動され、プレッシャプレート11をクラッチ部材7側に押圧し、プレッシャプレート11を介してクラッチ部材7を断続部55の接続方向に押圧操作する。
電磁石57は、デフケース3のボス部39の外周側でデフケース3の壁部17に対して軸方向にプレッシャプレート11を挟んで隣接配置されている。
この電磁石57は、一体に設けられ静止系部材に係合する回り止め部(不図示)を介して静止系部材に対して回り止めされると共に、デフケース3のボス部39の外周に圧入固定された非磁性材料からなる規制部材67と支持部65とが当接することによって軸方向の位置決めがなされている。
このような電磁石57は、環状に所定巻き数巻回されて樹脂でモールド成形された電磁コイルの周囲に、電磁コイルへの通電により磁界が形成されるように磁性材料から形成され所定の磁路断面積を有するコアが配置されている。
このように構成された電磁石57は、電磁コイルが通電を制御するコントローラ(不図示)に接続され、電磁コイルへの通電によりコアとプランジャとを透過する磁束で形成される自己完結型の磁束ループによってプランジャ13をプレッシャプレート11側に軸方向移動させる。
このように構成された動力伝達装置1では、電磁石57の励磁により、プランジャ13がプレッシャプレート11側に軸方向移動され、プレッシャプレート11を押圧し、プレッシャプレート11を介してクラッチ部材7を押圧する。
このプランジャ13によるクラッチ部材7の押圧操作により、クラッチ部材7が付勢部材63の付勢力に抗して断続部55の接続方向に移動され、断続部55が接続される。
この断続部55の接続により、サイドギヤ5とクラッチ部材7とが一体回転可能に接続され、サイドギヤ5とデフケース3とが接続されて差動機構33がロック状態となる。
一方、断続部55の接続解除では、電磁石57への通電を停止することにより、クラッチ部材7がプレッシャプレート11を介して付勢部材63の付勢力によって断続部55の接続解除方向に移動され、断続部55の接続が解除される。
この断続部55の接続解除により、サイドギヤ5とクラッチ部材7とが相対回転可能となり、サイドギヤ5とデフケース3とが相対回転可能となって差動機構33のロック状態が解除される。
このようにプランジャ13は、クラッチ部材7を軸方向移動させる際に、プレッシャプレート11を押圧することによって、プレッシャプレート11を介してクラッチ部材7を軸方向移動させている。
以下、プレッシャプレート11とプレッシャプレート11の近傍について、詳細に説明する。
プレッシャプレート11は、環状に形成された平板部69の一面側に設けられた押圧面15と、複数(ここでは4つ)の固定部9とを有する。
押圧面15は、プランジャ13の軸方向端面と当接可能に位置する平板部69の内径側に設けられ、平板部69の周方向に連続して設けられている。
この押圧面15は、電磁石57の励磁によるプランジャ13の軸方向移動により、プランジャ13の軸方向端面によって断続部55の接続方向に押圧され、プレッシャプレート11を断続部55の接続方向に移動させる。
このプレッシャプレート11の軸方向移動により、複数の固定部9を介して軸方向に一体移動可能に固定されたクラッチ部材7が断続部55の接続方向に移動され、断続部55が接続される。
このようにプランジャ13に押圧されるプレッシャプレート11の押圧面15を周方向に連続して設けることにより、プランジャ13による押圧力を周方向に均等に受けることができ、クラッチ部材7の移動を安定させ、断続部55の断続特性を安定化することができる。
加えて、押圧面15は、周方向に分割されていないので、プレッシャプレート11の剛性を向上させることができ、プランジャ13の押圧によって押圧面15がクラッチ部材7側に向けて突出するような変形やプランジャ13の押圧によるプレッシャプレート11の倒れなどを防止することができる。
ここで、プレッシャプレート11の平板部69の外径側は、押圧面15と同様に、平板部69の周方向に連続して設けられている。
このようにプレッシャプレート11の外径側を周方向に連続して設けることにより、プレッシャプレート11の内径側と外径側との剛性をさらに向上させることができる。
なお、プレッシャプレート11の外径側には、プレッシャプレート11の位置や回転を検出し、プレッシャプレート11と一体回転可能で一体移動可能なクラッチ部材7の位置や回転を検出する接触型、或いは非接触型のポジションスイッチ(不図示)が配置されている。
このポジションスイッチがクラッチ部材7の位置や回転を検出することにより、断続部55の断続状況を検出することができ、動力伝達装置1の状況を検出することができる。
このため、ポジションスイッチがプレッシャプレート11と接触型である場合には、プレッシャプレート11の外径側が周方向に連続して設けられているので、ポジションスイッチとの接触によるプレッシャプレート11の外径側の変形やプレッシャプレート11の倒れなどを防止することができ、安定してクラッチ部材7の状況を検出することができる。
一方、ポジションスイッチがプレッシャプレート11と非接触型である場合には、プレッシャプレート11の外径側が周方向に連続して設けられているので、プレッシャプレート11の位置や回転を検出する位置が回転方向に不連続になることがなく、安定してクラッチ部材7の状況を検出することができる。
このようなプレッシャプレート11の平板部69には、クラッチ部材7に固定される複数の固定部9が設けられている。
固定部9は、平板部69の内径と外径との径方向の範囲内で周方向等間隔に複数(ここでは4箇所)配置され、プレス加工などによって平板部69と連続する一部材で形成された脚部23を介して平板部69から軸方向に離間し、脚部23と連続する一部材で平板部69と平行に平板状に形成されている。
このように固定部9を平板部69の内径と外径との径方向の範囲内に設けることにより、平板部69の内径側と外径側とに固定部9を設けるための切り欠きを設ける必要がなく、平板部69の内径と外径とを周方向に連続して設けることができる。
特に、平板部69の内径には、プランジャ13に押圧される押圧面15が設けられており、押圧面15が周方向に分割されることがなく、プランジャ13の押圧力を押圧面15の周方向で均等に受けることができる。
加えて、固定部9を平板部69の内径と外径との径方向の範囲内に設けることにより、固定部9が内径側や外径側に張り出すことがなく、プレッシャプレート11を小型化することができる。
このような固定部9は、クラッチ部材7の複数(ここでは4つ)の凸部21の軸方向端面にそれぞれボルトを介して固定され、プレッシャプレート11がクラッチ部材7と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定される。
このクラッチ部材7の凸部21に固定される固定部9は、クラッチ部材7の凸部21の軸方向端面の範囲内に配置されている。
このように固定部9をクラッチ部材7の凸部21の軸方向端面の範囲内に配置することにより、デフケース3の孔部19とクラッチ部材7の凸部21とが係合した状態で、固定部9が凸部21から張り出すことがなく、固定部9とデフケース3の孔部19との干渉を防止することができ、デフケース3とクラッチ部材7との動力伝達に影響を与えることがない。
ここで、デフケース3の孔部19とクラッチ部材7の凸部21との間には、デフケース3内に潤滑油を流入させ、デフケース3内の摺動部やギヤ部などを潤滑・冷却させるために、隙間が設定されている。
この孔部19と凸部21との隙間に潤滑油を流入させ易くするために、プレッシャプレート11の平板部69と固定部9とを連結させる複数(ここでは4つ)の脚部23は、プレッシャプレート11の周方向に対向する平面25を有している。
この脚部23の平面25は、プレッシャプレート11の周方向に対向しているので、プレッシャプレート11が回転したときに、デフケース3の周囲の潤滑油を攪拌し、孔部19と凸部21との隙間からデフケース3内に潤滑油を流入させ易くすることができる。
この脚部23の平面25は、プレッシャプレート11の周方向に対して傾斜して配置されている。
このように脚部23の平面25をプレッシャプレート11の周方向に対して傾斜させることにより、脚部23の平面25によって攪拌された潤滑油を、平面25に沿って孔部19と凸部21との隙間に導き易くなり、さらに潤滑性を向上することができる。
ここで、クラッチ部材7の凸部21の軸方向端面は、クラッチ部材7の周方向に沿って湾曲した形状となっている。
この凸部21の軸方向端面に対して、脚部23の平面25をプレッシャプレート11の周方向に対して傾斜させることにより、固定部9もプレッシャプレート11の周方向に対して傾斜して配置される。
このように固定部9をプレッシャプレート11の周方向に対して傾斜させることにより、凸部21の軸方向端面の範囲内で最大限に固定部9を配置させることができ、クラッチ部材7に対するプレッシャプレート11の固定を安定化することができる。
ここで、図9,図10に示すプレッシャプレート11aのように、固定部9aを、プレス加工などによって平板部69の内径側に連続する一部材で形成された脚部23aを介して設けてもよい。
このプレッシャプレート11aでは、平板部69の脚部23aが位置する内径が僅かに切り欠かれているが、プランジャ13に押圧される押圧面15は、周方向に連続して設けられている。
このようなプレッシャプレート11aであっても、押圧面15が周方向に連続して設けられているので、プランジャ13による押圧力を周方向に均等に受けることができ、クラッチ部材7の移動を安定させ、断続部55の断続特性を安定化することができる。
加えて、このプレッシャプレート11aでは、固定部9aが平板部69の内径と外径との径方向の範囲内に配置されており、プレッシャプレート11aが小型化されている。
一方、図11,図12に示すプレッシャプレート11bのように、固定部9bを、プレス加工などによって平板部69の外径側に連続する一部材で形成された脚部23bを介して設けてもよい。
このプレッシャプレート11bでは、プランジャ13に押圧される押圧面15が位置する平板部69の内径側に脚部23bを設ける必要がなく、押圧面15が周方向に連続して設けられている。
このようなプレッシャプレート11bであっても、押圧面15が周方向に連続して設けられているので、プランジャ13による押圧力を周方向に均等に受けることができ、クラッチ部材7の移動を安定させ、断続部55の断続特性を安定化することができる。
しかも、このプレッシャプレート11bでは、押圧面15の径方向の幅を広くとることができ、押圧面15側の剛性を向上させ、さらにクラッチ部材7の移動を安定化させることができる。
加えて、このプレッシャプレート11bでも、固定部9bが平板部69の内径と外径との径方向の範囲内に配置されており、プレッシャプレート11bが小型化されている。
このような動力伝達装置1では、プレッシャプレート11の押圧面15が、周方向に連続して設けられているので、プランジャ13による押圧力を周方向に均等に受けることができ、クラッチ部材7の移動を安定化することができる。
加えて、プレッシャプレート11の押圧面15は、周方向に連続して設けられているので、押圧面15側の剛性を向上することができる。
従って、このような動力伝達装置1では、プレッシャプレート11の剛性を向上させ、クラッチ部材7の移動を安定化することができる。
また、固定部9は、プレッシャプレート11の内径と外径との径方向の範囲内に配置されているので、固定部9がプレッシャプレート11の径方向に張り出すことがなく、プレッシャプレート11を小型化することができる。
さらに、固定部9は、クラッチ部材7の凸部21の軸方向端面の範囲内に配置されているので、固定部9が凸部21の軸方向端面から張り出すことがなく、固定部9とデフケース3の孔部19との干渉を防止することができる。
また、脚部23は、プレッシャプレート11の周方向に対向する平面25を有するので、プレッシャプレート11の回転により周囲の潤滑油を攪拌することができ、潤滑性を向上することができる。
さらに、脚部23の平面25は、プレッシャプレート11の周方向に対して傾斜して配置されているので、プレッシャプレート11の回転により攪拌された潤滑油を脚部23の平面25に沿ってデフケース3側に導くことができ、さらに潤滑性を向上することができる。
また、プレッシャプレート11の外径側は、周方向に連続して設けられているので、プレッシャプレート11の剛性をさらに向上させることができる。
なお、本発明の実施の形態に係る動力伝達装置では、デフロック機能を有するデファレンシャル装置となっているが、これに限らず、例えば、アウタケースとインナケースとを有し、このアウタケースとインナケースとの間の動力伝達を断続するフリーランニングデフとしてもよい。
加えて、動力伝達装置としては、一対の回転部材の動力伝達を断続する断続部材を有するものであれば、どのような構造であってもよく、一対の回転部材の入出力の関係は、駆動力を入出力できる関係であればどちらであってもよい。
また、プレッシャプレートの押圧面は、プレッシャプレートの内径側に設けられているが、これに限らず、プランジャがプレッシャプレートの外径側に配置されている場合には、押圧面をプレッシャプレートの外径側に設ければよく、プランジャに押圧される押圧面を周方向に連続して設ければよい。
さらに、プレッシャプレートの固定部は、脚部をプレッシャプレートの周方向に対して傾斜させることによってプレッシャプレートの周方向に対して傾斜されているが、これに限らず、固定部のみをプレッシャプレートの周方向に対して傾斜させてもよい。
また、クラッチ部材を移動操作するアクチュエータは、電磁式アクチュエータとなっているが、これに限らず、モータ・ギヤ・カム機構、油圧シリンダ・ピストン機構、モータ・シフトロッド機構、エアダイアフラムなど、種々のアクチュエータを利用可能である。
さらに、断続部は、軸方向に対向する対向歯の噛み合いクラッチとなっているが、これに限らず、軸方向移動可能なスリーブを有し、このスリーブとの径方向間に対向する対向歯の噛み合いクラッチ、或いは多板クラッチや単板クラッチなどからなる摩擦クラッチなど、一対の回転部材間の動力伝達を断続できるものであれば、断続部の形態はどのようなものであってもよい。
1…動力伝達装置
3…デフケース(回転部材)
5…サイドギヤ(回転部材)
7…クラッチ部材
9,9a,9b…固定部
11,11a,11b…プレッシャプレート
13…プランジャ
15…押圧面
17…壁部
19…孔部
21…凸部
23,23a,23b…脚部
25…平面
3…デフケース(回転部材)
5…サイドギヤ(回転部材)
7…クラッチ部材
9,9a,9b…固定部
11,11a,11b…プレッシャプレート
13…プランジャ
15…押圧面
17…壁部
19…孔部
21…凸部
23,23a,23b…脚部
25…平面
Claims (6)
- 相対回転可能な一対の回転部材と、この一対の回転部材のうちいずれか一方に一体回転可能で軸方向移動可能に配置され一対の前記回転部材間の動力伝達を断続するクラッチ部材と、このクラッチ部材と一体回転可能で軸方向に一体移動可能に固定部を介して固定された環状のプレッシャプレートと、このプレッシャプレートと軸方向に隣接して配置され前記プレッシャプレートを軸方向に押圧可能なプランジャとを備えた動力伝達装置であって、
前記プレッシャプレートには、内径側と外径側とのうちいずれか一方に前記プランジャに押圧される押圧面が設けられ、
前記押圧面は、周方向に連続して設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1記載の動力伝達装置であって、
前記固定部は、前記プレッシャプレートの内径と外径との径方向の範囲内に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1又は2記載の動力伝達装置であって、
前記クラッチ部材には、一方の前記回転部材の壁部を軸方向に貫通して設けられた孔部に係合される凸部が設けられ、
前記プレッシャプレートは、前記クラッチ部材と一方の前記回転部材の前記壁部を軸方向に挟んで配置され、
前記固定部は、前記クラッチ部材の前記凸部の軸方向端面の範囲内に配置されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記固定部は、脚部を介して前記押圧面側から軸方向に離間して配置され、
前記脚部は、前記プレッシャプレートの周方向に対向する平面を有することを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項4記載の動力伝達装置であって、
前記脚部の前記平面は、前記プレッシャプレートの周方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする動力伝達装置。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動力伝達装置であって、
前記プレッシャプレートの内径側と外径側とのうち他方は、周方向に連続して設けられていることを特徴とする動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017035818A JP2018141512A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017035818A JP2018141512A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2018141512A true JP2018141512A (ja) | 2018-09-13 |
Family
ID=63527832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017035818A Pending JP2018141512A (ja) | 2017-02-28 | 2017-02-28 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018141512A (ja) |
-
2017
- 2017-02-28 JP JP2017035818A patent/JP2018141512A/ja active Pending
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