JP2021183856A - 断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化することができる断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置を提供する。【解決手段】相対回転可能に配置された一対の回転部材3,5と、一対の回転部材3,5間の動力伝達を断続する断続部7と、断続部7が設けられ一方の回転部材3と一体回転可能で軸方向に移動可能に配置された断続部材9と、断続部材9を断続操作するアクチュエータ11と、断続部材9と一体に軸方向に移動可能に配置された検知部材13と、検知部材13を介して断続部材9の軸方向位置を検出する検出センサ15とを備えた断続装置1において、検知部材13に、検出センサ15と対向して軸方向に対して傾斜形成され検出センサ15を介して断続部材9の軸方向位置が検出される検出部17を設けた。【選択図】図3
Description
本発明は、車両に適用される断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置に関する。
従来、断続装置としては、相対回転可能に配置された一対の回転部材としてのデフケースと右サイドギヤと、デフケースと右サイドギヤとの間の動力伝達を断続する断続部と、断続部が設けられデフケースと一体回転可能で軸方向に移動可能に配置された断続部材としてのクラッチリングと、クラッチリングを断続操作するアクチュエータと、クラッチリングと一体に軸方向に移動可能に配置された検知部材としてのプレッシャープレートと、プレッシャープレートを介してクラッチリングの軸方向位置を検出する検出センサとしての近接スイッチとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この断続装置では、プレッシャープレートに、近接スイッチと軸方向に対向して配置され、近接スイッチを介してクラッチリングの軸方向位置が検出される検出部が設けられている。
このような断続装置では、クラッチリングの軸方向移動により、近接スイッチが、プレッシャープレートの検出部が近接スイッチから軸方向に移動されたときの距離による電流値の変動を検出し、クラッチリングの軸方向位置を検出することによって、断続部の断続状態を検出している。
一方、特許文献1では、プレッシャープレートに、軸方向に延設された検出部としての延設部が設けられ、この延設部が、検出センサとしてのパルスセンサーと径方向に対向して配置された断続装置が開示されている。
この断続装置では、プレッシャープレートの延設部に、第1貫通孔と第2貫通孔とが形成されており、クラッチリングの軸方向移動により、パルスセンサーが、延設部の第1貫通孔と第2貫通孔との位置によって反射してくる時間と光量あるいは磁力線量の差でパルス波形の違いを検出し、クラッチリングの軸方向位置を検出することによって、断続部の断続状態を検出している。
ところで、上記特許文献1のような検知部材の検出部が検出センサと軸方向に対向して配置された構造では、検出センサを検出部に対して軸方向と平行に配置するので、検出センサの配置スペースが軸方向に長大化していた。
一方、上記特許文献1のような検知部材の検出部が検出センサと径方向に対向して配置された構造では、検出センサを検出部に対して軸方向と直交する径方向と平行に配置するので、検出センサの配置スペースが径方向に長大化していた。
加えて、検出センサを径方向に配置する構造では、検知部材の軸方向位置を検出するために、検知部材の軸方向に対する移動ストロークを長くする必要があり、検知部材の移動スペースが大型化していた。
そこで、この発明は、小型化することができる断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置の提供を目的としている。
本発明は、相対回転可能に配置された一対の回転部材と、前記一対の回転部材間の動力伝達を断続する断続部と、前記断続部が設けられ前記一対の回転部材のうち一方の回転部材と一体回転可能で軸方向に移動可能に配置された断続部材と、前記断続部材を断続操作するアクチュエータと、前記断続部材と一体に軸方向に移動可能に配置された検知部材と、前記検知部材を介して前記断続部材の軸方向位置を検出する検出センサとを備えた断続装置であって、前記検知部材には、前記検出センサと対向して前記軸方向に対して傾斜形成され前記検出センサを介して前記断続部材の軸方向位置が検出される検出部が設けられていることを特徴とする。
この断続装置では、検知部材に、検出センサと対向して軸方向に対して傾斜形成され検出センサを介して断続部材の軸方向位置が検出される検出部が設けられている。
このため、検出センサを検出部に対して軸方向に対向して配置させる必要がなく、検出センサの配置スペースを軸方向に小型化することができる。
加えて、検出センサを検出部に対して径方向に対向して配置させる必要がなく、検出センサの配置スペースを径方向に小型化することができると共に、検知部材の軸方向の移動ストロークを長くする必要がない。
従って、このような断続装置では、検出センサの配置スペースを軸方向と径方向とに削減することができ、小型化することができる。
本発明によれば、小型化することができる断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置を提供することができるという効果を奏する。
まず、図1を用いて本発明の実施の形態に係る断続装置が適用される車両の動力系の一例について説明する。
図1に示すように、車両の動力系は、エンジンや電動モータなどの駆動源201と、駆動源201からの駆動力を前輪側と後輪側とに伝達するトランスファ203と、後輪側プロペラシャフト205と、後輪側の左右輪の差動を許容するリヤデフ207と、後車軸209,209と、後輪211,211と、前輪側プロペラシャフト213と、前輪側の左右輪の差動を許容するフロントデフ215と、前車軸217,217と、前輪219,219などを備えている。
この車両の動力系では、駆動源201からの駆動力がトランスファ203に伝達され、常時、後輪側プロペラシャフト205を介してリヤデフ207に伝達され、後車軸209,209を介して後輪211,211に駆動力が配分される。
一方、トランスファ203に伝達された駆動力は、前輪側プロペラシャフト213を介してフロントデフ215に伝達され、フロントデフ215に適用された動力伝達を断続する断続機構が接続状態であると、前車軸217,217を介して前輪219,219に駆動力が配分され、車両が前後輪駆動の4輪駆動状態となる。
これに対して、フロントデフ215に適用された断続機構が接続解除状態であると、前輪側プロペラシャフト213からフロントデフ215への動力伝達が遮断され、前輪219,219側に駆動力が伝達されず、車両が後輪駆動の2輪駆動状態となる。
このような車両の動力系において、断続装置は、例えば、相対回転可能なアウタケースとインナケースとを有するフリーランニングデフからなるフロントデフ215の断続機構として機能させることができる。
このフロントデフ215に適用された断続装置は、アウタケースとインナケースとの間の動力伝達を断続し、車両の2輪駆動状態と4輪駆動状態とを切り換える。
また、断続装置は、例えば、デフロック機能を有するリヤデフ207の差動を断続する断続機構としても機能させることができる。
このリヤデフ207に適用された断続装置は、接続によってリヤデフ207の差動をロック状態とさせ、リヤデフ207に伝達された駆動力を後輪211,211に均一に出力させる。
なお、トランスファ203に車両の2輪駆動状態と4輪駆動状態とを切り換える切換機構が設けられている場合には、断続装置を切換機構としても機能させることができる。
次に、図2を用いて本発明の実施の形態に係る断続装置が適用される車両の動力系の他例について説明する。
図2に示すように、車両の動力系は、電動モータ或いはエンジンと電動モータとからなる前側駆動源301と、前側駆動源301から駆動力が入力され前輪側の左右輪の差動を許容するフロントデフ303と、前車軸305,305と、前輪307,307と、電動モータからなる後側駆動源309と、後側駆動源309から駆動力が入力され後輪側の左右輪の差動を許容するリヤデフ311と、後車軸313,313と、後輪315,315などを備えている。
この車両の動力系では、前輪側において、前側駆動源301からの駆動力がフロントデフ303に伝達され、前車軸305,305を介して前輪307,307に駆動力が配分される。
一方、後輪側では、後側駆動源309からの駆動力がリヤデフ311に伝達され、後車軸313,313を介して後輪315,315に駆動力が配分される。
このような車両の動力系では、車両の走行状況やバッテリの状況に応じて、前側駆動源301のみを作動させて前輪駆動の2輪駆動状態、後側駆動源309のみを作動させて後輪駆動の2輪駆動状態、前側駆動源301と後側駆動源309とを作動させて前後輪駆動の4輪駆動状態などを選択することができる。
このような車両の動力系において、断続装置は、例えば、相対回転可能なアウタケースとインナケースとを有するフリーランニングデフからなるフロントデフ303或いはリヤデフ311の断続機構として機能させることができる。
このフロントデフ303或いはリヤデフ311に適用された断続装置は、アウタケースとインナケースとの間の動力伝達を断続し、前側駆動源301或いは後側駆動源309から前輪307,307或いは後輪315,315への駆動力の伝達、前輪307,307或いは後輪315,315から前側駆動源301側或いは後側駆動源309側への回転の伝達を断続する。
なお、図1に示す車両の動力系では、主として後輪側に駆動力が伝達されるFRベースの車両となっているが、これに限らず、主として前輪側に駆動力が伝達されるFFベースの車両にも、断続装置を適用することができる。
この場合には、例えば、リヤデフ207がフリーランニングデフとなっており、フロントデフ215がデフロック機能を有しており、断続装置をリヤデフ207とフロントデフ215との断続機構に適用することができる。
また、断続装置は、上述した車両の動力系の他に、例えば、トランスミッションに設けられた断続機構や車軸上に設けられた断続機構など、動力経路に設けられた断続機構に適用することができる。
次に、図3を用いて、本発明の実施の形態に係る断続装置が適用されたデファレンシャル装置について説明する。
なお、ここでは、図1におけるリヤデフ207として適用されたときのデファレンシャル装置として説明する。
図3に示すように、デファレンシャル装置101は、差動機構103と、差動制限機構105と、断続装置1とを備えている。
差動機構103は、駆動力が入力され回転可能に配置された入力部材としてのデフケース3と、デフケース3に入力された駆動力が伝達される中間部材としてのピニオンシャフト107及びピニオン109と、相対回転可能に配置されピニオン109から伝達された駆動力をそれぞれ出力可能な一対の出力部材としてのサイドギヤ5,111とを備えている。
デフケース3は、軸方向両側に形成されたボス部113,115のそれぞれの外周でベアリング117(一方のみ図示)を介してキャリア43に回転可能に支持されている。
このデフケース3には、入力ギヤ(不図示)が固定されるフランジ部119が形成されている。
このフランジ部119に固定された入力ギヤは、例えば、駆動源201(図1参照)から駆動力を伝達する後輪側プロペラシャフト205(図1参照)と一体回転可能に設けられた動力伝達ギヤ(不図示)と噛み合い、駆動力が入力されてデフケース3を回転駆動させる。
このようなデフケース3には、ピニオンシャフト107と、ピニオン109と、一対のサイドギヤ5,111などが収容されている。
ピニオンシャフト107は、両端部がデフケース3に形成された孔部に係合され、一方の端部がピンで抜け止めされデフケース3と一体に回転駆動される。
このピニオンシャフト107の両端側には、ピニオン109がそれぞれ支承されている。
ピニオン109は、デフケース3の周方向等間隔に複数(ここでは2つ)配置され、それぞれピニオンシャフト107の端部側に支承されてデフケース3の回転によって公転する。
このピニオン109は、噛み合っている一対のサイドギヤ5,111に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト107に自転可能に支持されている。
このようなピニオン109は、デフケース3に入力された駆動力を一対のサイドギヤ5,111に伝達する。
一対のサイドギヤ5,111は、デフケース3内に相対回転可能に収容され、それぞれ第1出力部材121と、第2出力部材123とからなる。
第1出力部材121は、環状に形成され、外周側にピニオン109のギヤ部と噛み合うギヤ部125が形成されている。
第2出力部材123は、第1出力部材121と軸方向に近接して配置可能なように、第1出力部材121を収容可能な凹状の収容部を有して環状に形成されている。
この第2出力部材123の内周側には、一対のサイドギヤ5,111に伝達された駆動力を出力する出力部127が設けられている。
また、第2出力部材123の外周側には、差動制限機構105のテーパリング133と摺動する摺動部129が設けられている。
このような第2出力部材123と第1出力部材121との間には、カム部131が設けられて互いに一体回転可能に連結されている。
カム部131は、第1出力部材121の内周側に設けられ回転方向前後に傾斜した係合面を有する複数の凹凸部と、第2出力部材123の出力部127の外周側に設けられ回転方向前後に傾斜した係合面を有する複数の凹凸部とからなる。
このカム部131は、第1出力部材121と第2出力部材123との互いの複数の凹凸部が回転方向に係合することにより、互いに連結する凹凸部が第1出力部材121と第2出力部材123とを一体回転可能とさせる。
このようなカム部131における複数の凹凸部の回転方向の係合面は、所定角度傾斜され相互に当接するカム面が形成されているが、カム面の形態に関しては、回転方向に連結し回転軸方向にスラスト力を発生させる構造であれば、他の形状も適宜採り得る。
このカム部131におけるカム面は、一対のサイドギヤ5,111の回転により、ピニオン109のギヤ部から伝達された駆動力によって第1出力部材121,121を介して第2出力部材123,123を軸方向外側にそのカムスラスト力で移動させる。
この第2出力部材123,123の軸方向移動により、一対のサイドギヤ5,111の摺動部129,129とテーパリング133,133との摺動が強化され、差動制限機構105における差動制限力を強化することができる。
このような一対のサイドギヤ5,111の出力部127,127には、例えば、後車軸209,209(図1参照)に連結された駆動軸が一体回転可能に連結され、デフケース3に入力された駆動力が一対のサイドギヤ5,111から後輪211,211(図1参照)側に分配して出力される。
このような差動機構103は、その差動が差動制限機構105によって制限される。
差動制限機構105は、一対のサイドギヤ5,111とデフケース3との間に配置された一対のテーパリング133,133を備えている。
一対のテーパリング133,133は、それぞれ環状部135,135を備え、回転軸方向一端側から回転軸方向他端側に向けて所定角度をもって縮径するように形成されている。
このテーパリング133の環状部135の内周面は、サイドギヤ5,111に所定角度をもって形成された摺動部129と摺動する摺動面が設けられている。
また、環状部135の外周面は、デフケース3に所定角度をもって形成されたテーパ面に相対回転不能かつ相対移動不能に当接されている。
このようなテーパリング133には、デフケース3に設けられた内部に部材を収容するための孔部(不図示)に回転方向に係合する係合部(不図示)が設けられ、孔部に係合部を係合させることにより、テーパリング133がデフケース3と一体回転可能に配置される。
なお、上述したように、テーパリング133は、環状部135がデフケース3のテーパ面とサイドギヤ5,111の摺動部129との間に保持されており、回転軸方向に対しても適切に位置決めされている。
このテーパリング133は、環状部135が、差動機構103の回転状況に応じて、ピニオン109との噛み合い反力によって軸方向に移動された一対のサイドギヤ5,111の摺動部129と摺動することにより、差動機構103の差動を制限する。
このようなテーパリング133の環状部135と一対のサイドギヤ5,111の摺動部129とは、デフケース3に入力する駆動トルクの大きさに応じて摩擦トルクを生じるトルク感応型のコーンクラッチとなっている。
このような差動制限機構105を有するデファレンシャル装置101における差動機構103の差動は、断続装置1において、一方の回転部材としてのデフケース3と、他方の回転部材としてのサイドギヤ5との間に設けられた断続部7によってロック又はアンロックされる。
この断続装置1が適用されたデファレンシャル装置101では、断続装置1が接続されると、デフケース3とサイドギヤ5とが接続され、差動機構103の差動がロック状態となる。
この状態では、デフケース3に入力された駆動力が一対のサイドギヤ5,111から後輪211,211側に対して均等に出力される。
このようなデファレンシャル装置101は、差動制限機構105による差動制限機能と、断続装置1によるデフロック機能とを有するデファレンシャル装置となっている。
以下、図3,図4を用いて本発明の実施の形態に係る断続装置について説明する。
本実施の形態に係る断続装置1は、相対回転可能に配置された一対の回転部材としてのデフケース3とサイドギヤ5と、デフケース3とサイドギヤ5との間の動力伝達を断続する断続部7と、断続部7が設けられデフケース3と一体回転可能で軸方向に移動可能に配置された断続部材9と、断続部材9を断続操作するアクチュエータ11と、断続部材9と一体に軸方向に移動可能に配置された検知部材13と、検知部材13を介して断続部材9の軸方向位置を検出する検出センサ15とを備えている。
そして、検知部材13には、検出センサ15と対向して軸方向に対して傾斜形成され検出センサ15を介して断続部材9の軸方向位置が検出される検出部17が設けられている。
また、検出部17は、断続部7が切断される第1の状態と断続部7が接続される第2の状態のいずれか一方の状態で、検知部材13と検出センサ15との対向面の間に隙間を有する。
さらに、検出部17は、断続部7の第1の状態と断続部7の前記第2の状態のいずれの状態においても、検知部材13と検出センサ15との対向面の間に隙間を有する。
また、検出センサ15は、検出部17と対向するように軸方向に対して傾斜して配置されている。
さらに、検出センサ15は、フランジ部119側に配置されている。
図3に示すように、断続部材9は、環状に形成され、周方向に連続する一部材で形成された基部19がデフケース3の壁部21とサイドギヤ5のギヤ部125の背面側との軸方向間に軸方向移動可能に配置されている。
この断続部材9のデフケース3の壁部21側には、デフケース3と一体回転可能に係合する係合部23が設けられ、断続部材9のサイドギヤ5のギヤ部125の背面側には、断続部7が設けられている。
係合部23は、断続部材9の基部19に周方向等間隔に設けられた複数の凸部25と、デフケース3の壁部21に周方向等間隔に軸方向に貫通して設けられた複数の孔27とからなる。
この凸部25と孔27とが回転方向に係合することにより、断続部材9がデフケース3に回り止めされ、断続部材9とデフケース3とが一体回転可能となる。
この係合部23としての凸部25と孔27との周方向両側の対向面には、同一傾斜のカム面がそれぞれ形成されている。
このカム面は、断続部材9が断続部7の接続方向に移動され、断続部7に回転方向の噛み合い作用が生じたときに、デフケース3の回転によってそれぞれのカム面が係合する。
このそれぞれのカム面の係合により、断続部材9をさらに断続部7の噛み合い方向に移動させ、断続部7の接続を強化させる。
断続部7は、断続部材9の基部19の係合部23と軸方向反対側の側面で、断続部材9とサイドギヤ5のギヤ部125の背面側との軸方向間に設けられている。
この断続部7は、断続部材9とサイドギヤ5の第2出力部材123とにそれぞれ周方向に複数形成されて互いに噛み合う噛み合い歯となっている。
このような断続部7は、互いの噛み合い歯が噛み合うことにより、断続部材9とサイドギヤ5とが一体回転可能に接続、すなわちデフケース3とサイドギヤ5とが一体回転可能に接続され、差動機構103の差動がロック状態となる。
この差動機構103のロック状態では、デフケース3に入力され、一対のサイドギヤ5,111に伝達された駆動力が、例えば、左右の後輪211,211(図1参照)側に均一に出力される。
一方、断続部材9とサイドギヤ5のギヤ部125の背面側との軸方向間で断続部7の径方向内側には、付勢部材29が配置されている。
この付勢部材29は、断続部材9を、常時、断続部7の接続解除方向に付勢している。
このような付勢部材29によって、断続部材9が断続部7の接続解除方向に移動され、断続部7の接続が解除され、差動機構103の差動がアンロック状態となる。
このような断続部7の断続状態は、アクチュエータ11によって制御される。
アクチュエータ11は、可動部材31と、電磁石33とを備えている。
可動部材31は、電磁石33の内径側でデフケース3のボス部113の外周に軸方向移動可能に配置され、環状のプランジャ35と、リング部材37とを備えている。
プランジャ35は、磁性材料から形成され、磁束が透過可能に設定された微小隙間であるエアギャップをもって電磁石33の内径側に配置されている。
リング部材37は、非磁性材料から形成され、プランジャ35の内径側に一体に固定され、プランジャ35の内周側からデフケース3側へ磁束が漏れることを防止している。
このリング部材37は、デフケース3のボス部113の外周に軸方向移動可能に配置され、デフケース3のボス部113の外周に圧入固定された非磁性材料からなる規制部材39によって軸方向外側への移動規制がなされている。
このようなリング部材37は、断続部材9側の軸方向の端面に、断続部材9の凸部25と当接可能な押圧部41が設けられている。
この押圧部41は、電磁石33によって可動部材31が断続部材9側に移動されたときに、その軸方向の移動操作力を断続部材9に伝達し、断続部材9を断続部7の接続方向に押圧操作する。
電磁石33は、デフケース3のボス部113の外周側でデフケース3の壁部21に対して軸方向に隣接配置されている。
この電磁石33は、回り止め部(不図示)を介してキャリア43に回り止めされ、電磁コイル45と、コア47とを備えている。
電磁コイル45は、環状に所定巻き数巻回されて樹脂でモールド成形されている。
この電磁コイル45には、外部に引き出されるリード線(不図示)が接続され、このリード線を介して通電を制御するコントローラ(不図示)に電気的に接続されている。
コア47は、電磁コイル45への通電により磁界が形成されるように磁性材料から形成され、所定の磁路断面積を有している。
このコア47は、電磁コイル45の内外周面及び電磁コイル45のデフケース3の壁部21と反対側に位置する軸方向一側端面を環状に覆っている。
このようなコア47の外径側には、デフケース3の壁部21から軸方向に延設された延設部49が磁束が透過可能に設定された摺動接触面をもって覆うように配置されている。
この延設部49は、軸方向の端面がコア47に設けられた径方向外側に向けて突出する凸部と当接することによって、電磁石33の軸方向内側への位置決めがなされている。
一方、コア47の軸方向外側の端面は、可動部材31の軸方向外側への移動を規制する規制部材39によって、可動部材31と共に電磁石33の軸方向外側への位置決めがなされている。
このような断続装置1は、電磁石33の励磁によりコア47とプランジャ35とデフケース3の壁部21とを透過する磁束によって、最短の磁束ループを形成する。
この磁束ループを有効に用いることによって、プランジャ35が断続部材9側に移動操作され、リング部材37が押圧部41を介して断続部材9を押圧する。
この可動部材31による断続部材9の押圧操作により、断続部材9が付勢部材29の付勢力に抗して断続部7の接続方向に移動され、断続部7が接続される。
この断続部7の接続により、サイドギヤ5と断続部材9とが一体回転可能に接続され、サイドギヤ5とデフケース3とが接続されて差動機構103がロック状態となる。
一方、断続部7の接続解除では、電磁石33への通電を停止することにより、断続部材9が付勢部材29の付勢力によって断続部7の接続解除方向に移動され、断続部7の接続が解除される。
この断続部7の接続解除により、サイドギヤ5と断続部材9とが相対回転可能となり、サイドギヤ5とデフケース3とが相対回転可能となって差動機構103のロック状態が解除される。
なお、アクチュエータは、上述したように電磁石を作動源として如何なる手段かを用いて断続部材を操作して断続部を接続又は接続解除するものであってもよい。
例えば、電磁石以外の作動源として、流体圧作動シリンダとピストンを用いた構成、或いは電動モータと減速機構やカム機構を組み合わせた構成など、適宜採用することができる。
このような断続装置1において、断続部材9は、軸方向に移動することによって断続部7を断続するので、断続部材9の軸方向位置を検出することによって、断続部7の断続状態、すなわち差動機構103のロック状態とロック解除状態とを検出することができる。
そこで、断続装置1は、検知部材13と、検出センサ15とを備えている。
図3,図4に示すように、検知部材13は、環状に形成され、内径側に軸方向に延設された端部が径方向内側に延設された複数(ここでは3つ)の固定部51が設けられている。
この複数の固定部51は、デフケース3の壁部21の孔27に連通された貫通孔53に挿入され、ボルトを介して断続部材9の凸部25の軸方向端面に固定される。
このように複数の固定部51を断続部材9に固定することにより、検知部材13が断続部材9と一体に軸方向に移動される。
このような検知部材13の外径側には、検知部材13の移動方向である軸方向に対して、外径側から内径側に軸方向外側に向けて傾斜して形成された円錐状の検出部17が設けられている。
この検出部17は、デフケース3の外部において、電磁石33の外周に配置され、検知部材13の軸方向移動により、軸方向に対して傾斜した状態で軸方向に移動する。
このような検出部17には、検出センサ15が対向して配置される。
検出センサ15は、デフケース3のフランジ部119側に位置するキャリア43に配置され、コントローラに電気的に接続されている。
この検出センサ15は、検知部材13の検出部17との対向面が、検出部17と平行となるように、軸方向に対して傾斜してキャリア43に配置されている。
このような検出センサ15は、検知部材13が軸方向に移動する範囲内おいて、検知部材13の検出部17との間に隙間を有しており、検出部17の軸方向への移動によって変化する距離による電流値の変動を検出する非接触型のセンサとなっている。
詳細には、検知部材13は、断続部7が切断される第1の状態と、断続部7が接続される第2の状態とで、軸方向位置が異なり、検出センサ15と検出部17との対向面には、断続部7の第1の状態と第2の状態とで隙間が形成されている。
検出センサ15は、断続部7の第1の状態と第2状態とで異なる検出部17との隙間の変動を検出することによって、断続部材9の軸方向位置を検出し、差動機構103の状態を検出することができる。
このように検出センサ15に非接触型のセンサを用いることにより、検出センサ15と検出部17とが常に接触している接触型のセンサと比較して、シビアな組付精度を必要とすることがなく、組付性を向上することができる。
なお、検出センサ15と検出部17との対向面は、断続部7の第1の状態と第2の状態のいずれにおいても隙間を有しているが、例えば、断続部7の第1の状態で検出センサ15と検出部17とが接触し、断続部7の第2の状態で検出センサ15と検出部17とが離間するようにしてもよく、この場合には検出センサ15に接触型のセンサを用いることができる。
このように断続部7の第1の状態と第2の状態とのいずれか一方の状態で検出部17と接触する接触型のセンサを検出センサ15として用いる場合には、検出センサ15に、検出部17と接触したときに検出部17の軸方向移動を許容するようなバネなどを設けることによって、シビアな組付精度を必要とすることがなく、組付性を向上することができる。
このような検出センサ15は、検知部材13の検出部17が軸方向に対して傾斜して形成されているので、検出部17との対向面が検出部17と平行となるように、軸方向に対して傾斜して配置されている。
このように検出センサ15を軸方向に対して傾斜して配置することにより、検出センサ15を軸方向に対して平行に配置させる場合に比較して、検出センサ15の配置スペースを軸方向に小型化することができる。
また、検出センサ15を軸方向に対して傾斜して配置することにより、検出センサ15を軸方向と直交する径方向に対して平行に配置させる場合に比較して、検出センサ15の配置スペースを径方向に小型化することができる。
さらに、検出センサ15を径方向に対して平行に配置させることがないので、検知部材13の軸方向の移動ストロークを長くする必要がなく、検知部材13の移動ストロークが大型化することがない。
ここで、検出センサ15は、デフケース3のフランジ部119側に配置されており、デフケース3のフランジ部119側は、例えば、入力ギヤ(不図示)を固定するためのボルト55などのように、周辺部材が多く存在している。
例えば、検出センサ15を、従来のように軸方向に対して平行、或いは径方向に対して平行に配置した場合には、ボルト55のような周辺部材との干渉が生じる恐れがあり、干渉を避けるために構造が複雑化する可能性があった。
これに対して、検出センサ15は、軸方向に対して傾斜して配置されているので、軸方向と径方向の配置スペースが削減され、例えば、径方向と軸方向との空きスペースをボルト55との干渉を避けることに利用することができるなど、周辺部材との干渉を避け易くすることができる。
このような断続装置1では、検知部材13に、検出センサ15と対向して軸方向に対して傾斜形成され検出センサ15を介して断続部材9の軸方向位置が検出される検出部17が設けられている。
このため、検出センサ15を検出部17に対して軸方向に対向して配置させる必要がなく、検出センサ15の配置スペースを軸方向に小型化することができる。
加えて、検出センサ15を検出部17に対して径方向に対向して配置させる必要がなく、検出センサ15の配置スペースを径方向に小型化することができると共に、検知部材13の軸方向の移動ストロークを長くする必要がない。
従って、このような断続装置1では、検出センサ15の配置スペースを軸方向と径方向とに削減することができ、小型化することができる。
また、検出部17は、断続部7が切断される第1の状態と断続部7が接続される第2の状態のいずれか一方の状態で、検知部材13と検出センサ15との対向面の間に隙間を有する。
このため、検出センサ15と検出部17とを常に接触させる必要がなく、検出センサ15と検知部材13との配置において、シビアな組付精度を必要とすることがなく、組付性を向上することができる。
さらに、検出部17は、断続部7の第1の状態と断続部7の前記第2の状態のいずれの状態においても、検知部材13と検出センサ15との対向面の間に隙間を有するので、さらに組付性を向上することができる。
また、検出センサ15は、検出部17と対向するように軸方向に対して傾斜して配置されているので、検出センサ15の配置スペースを軸方向と径方向とに削減することができる。
さらに、デファレンシャル装置101では、一方の回転部材がデフケース3であり、他方の回転部材がサイドギヤ5であるので、デファレンシャル装置101の周囲における検出センサ15の配置スペースを削減することができ、デファレンシャル装置101を小型化することができる。
また、検出センサ15は、フランジ部119側に配置されているので、検出センサ15の配置スペースの削減によって形成された空きスペースを、フランジ部119の周辺に配置される周辺部材との干渉を回避するスペースとして利用することができる。
なお、本実施の形態に係る断続装置は、デフロック機能を有するデファレンシャル装置に適用されているが、これに限らず、例えば、上述したフリーランニングデフのような動力伝達を断続する断続機構、車両の駆動状態を切り換える切換機構などにも適用することができる。
1 断続装置
3 デフケース(一方の回転部材,入力部材)
5 サイドギヤ(他方の回転部材,出力部材)
7 断続部
9 断続部材
11 アクチュエータ
13 検知部材
15 検出センサ
17 検出部
101 デファレンシャル装置
109 ピニオン(中間部材)
111 サイドギヤ(出力部材)
3 デフケース(一方の回転部材,入力部材)
5 サイドギヤ(他方の回転部材,出力部材)
7 断続部
9 断続部材
11 アクチュエータ
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15 検出センサ
17 検出部
101 デファレンシャル装置
109 ピニオン(中間部材)
111 サイドギヤ(出力部材)
Claims (6)
- 相対回転可能に配置された一対の回転部材と、前記一対の回転部材間の動力伝達を断続する断続部と、前記断続部が設けられ前記一対の回転部材のうち一方の回転部材と一体回転可能で軸方向に移動可能に配置された断続部材と、前記断続部材を断続操作するアクチュエータと、前記断続部材と一体に軸方向に移動可能に配置された検知部材と、前記検知部材を介して前記断続部材の軸方向位置を検出する検出センサとを備えた断続装置であって、
前記検知部材には、前記検出センサと対向して前記軸方向に対して傾斜形成され前記検出センサを介して前記断続部材の軸方向位置が検出される検出部が設けられていることを特徴とする断続装置。 - 請求項1記載の断続装置であって、
前記検出部は、前記断続部が切断される第1の状態と前記断続部が接続される第2の状態のいずれか一方の状態で、前記検知部材と前記検出センサとの対向面の間に隙間を有することを特徴とする断続装置。 - 請求項2記載の断続装置であって、
前記検出部は、前記断続部の前記第1の状態と前記断続部の前記第2の状態のいずれの状態においても、前記検知部材と前記検出センサとの対向面の間に隙間を有することを特徴とする断続装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の断続装置であって、
前記検出センサは、前記検出部と対向するように前記軸方向に対して傾斜して配置されていることを特徴とする断続装置。 - 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の断続装置を備えたデファレンシャル装置であって、
駆動力が入力され回転可能に配置された入力部材と、前記入力部材に入力された駆動力が伝達される中間部材と、相対回転可能に配置され前記中間部材から伝達された駆動力をそれぞれ出力可能な一対の出力部材とを有し、
前記一方の回転部材は、前記入力部材であり、他方の回転部材は、前記中間部材又は前記一対の出力部材のうちいずれか一方の出力部材であることを特徴とするデファレンシャル装置。 - 請求項5記載のデファレンシャル装置であって、
前記入力部材には、駆動力が入力される入力ギヤが固定されるフランジ部が設けられ、
前記検出センサは、前記フランジ部側に配置されていることを特徴とするデファレンシャル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020089470A JP2021183856A (ja) | 2020-05-22 | 2020-05-22 | 断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2021183856A true JP2021183856A (ja) | 2021-12-02 |
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Family Applications (1)
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JP2020089470A Pending JP2021183856A (ja) | 2020-05-22 | 2020-05-22 | 断続装置及びこの断続装置を用いたデファレンシャル装置 |
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JP (1) | JP2021183856A (ja) |
-
2020
- 2020-05-22 JP JP2020089470A patent/JP2021183856A/ja active Pending
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